JPH1144284A - 内燃機関の点火プラグ診断装置 - Google Patents

内燃機関の点火プラグ診断装置

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JPH1144284A
JPH1144284A JP20325097A JP20325097A JPH1144284A JP H1144284 A JPH1144284 A JP H1144284A JP 20325097 A JP20325097 A JP 20325097A JP 20325097 A JP20325097 A JP 20325097A JP H1144284 A JPH1144284 A JP H1144284A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の燃焼室に設けられる点火プラグのく
すぶりに起因する失火を検出し、触媒過加熱に至らしめ
るくすぶりの進行を診断することのできる内燃機関の点
火プラグ診断装置を提供する。 【解決手段】点火プラグ11に対する点火信号通電時に
点火プラグ11の電極間に流れる電流に基づき点火プラ
グ11のくすぶりを検出する。ここでくすぶりが検出さ
れた場合、回転速度センサ27の検出結果から割り出さ
れた回転変動の割り出し結果に基づく失火判定結果を確
認する。これらにより、点火プラグ11のくすぶり発生
の有無のみならず、くすぶりの進行度合についても判定
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の燃焼室
に設けられる点火プラグを診断する装置に係り、詳しく
は点火プラグのくすぶりに起因する失火を検出し、触媒
過加熱に至らしめるくすぶりの進行を診断する内燃機関
の点火プラグ診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に自動車エンジン等に使用される内
燃機関は、吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の4行程
により、ピストンの2回の往復移動をクランクシャフト
の2回転に変換して出力を得るようになっている。そし
て近年、内燃機関のこのような行程は電子制御装置によ
り厳密に制御され、管理されている。
【0003】ところで、こうした内燃機関にあっては、
その各気筒の圧縮行程において圧縮された燃料(混合
気)が次の膨張(燃焼)行程において最適且つ確実に燃
焼されないと、他の気筒に対して異常な負荷がかかった
り、未燃ガス流出による種々の障害をもたらすことがあ
る。したがって、内燃機関の安定した運転を確保するた
めには、各気筒において確実に燃焼が行われたか否か、
すなわち失火の有無を判定する必要がある。そしてこの
ような失火判定をする手段として、イオン検出回路が知
られている。
【0004】膨張(燃焼)行程においては、内燃機関に
設けられる電子制御装置からの点火信号IGtに基づ
き、燃焼室内に設けられる点火プラグを放電させて燃料
(混合気)を燃焼している。上記イオン検出回路は、こ
の燃料(混合気)の燃焼に伴って燃焼室内に生じるイオ
ンをイオン電流として検出するものである。そしてこの
とき検出されるイオン電流の有無により、失火の判定を
行う。なお、上記点火プラグは上記イオン検出回路の一
部を構成している。
【0005】次に、上記点火信号IGt及び上記イオン
電流(イオン検出信号Ii )の関係について、図4に示
すタイムチャートに基づき説明する。図4(a)に示す
ように、点火信号IGtは所定のタイミングでオンとさ
れた後、オフとされる。ここで、点火信号IGtがオフ
とされるタイミングで、燃焼室内の燃料(混合気)が燃
焼される。そして、この燃焼時及び燃焼後に検出される
イオン検出信号Ii は、図4(b)にその正負を反転し
て、またそのレベルを拡大して示すように、前記点火信
号IGtオフ後に所定のピークを有している。このよう
なイオン検出信号Ii の有無により、失火の判定が行わ
れることは前述のとおりである。そしてこの判定におい
て、失火すなわち上記イオン検出信号Ii の無しが認め
られた場合、電子制御装置はそれに対処すべく適宜の処
理を行う。
【0006】ところで、前記点火プラグにあってはその
絶縁碍子の表面にカーボンなどの物質が付着して同点火
プラグの電極間の抵抗値(絶縁抵抗)が低下する、いわ
ゆるくすぶりが発生することがある。この場合、図4
(c)に示すようにイオン検出信号Ii として、上記抵
抗値の低下に伴う漏洩電流を含む信号が検出される。こ
の漏洩電流を含む検出信号Ii が検出されるときには、
失火が発生するまでくすぶりが進行している可能性があ
ると思われるものの、イオン検出信号Ii としての検出
値があるために、正常燃焼がされたものと誤判断される
こととなる。
【0007】そこで従来、例えば特開平4−25967
1号公報に記載された装置に見られるように、点火信号
IGtがオンされているときの点火プラグの電極間に流
れる電流(漏洩電流)の有無により点火プラグのくすぶ
りの発生を検出し、くすぶりの発生が検出されたときに
はイオン検出信号Ii に基づく失火判定を無効化するこ
とも知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、失火が発生
するまでくすぶりが進行する可能性があることは前述の
とおりであり、失火がはなはだしく発生した場合、燃焼
に供されずに排気通路に排出された燃料が同排気通路に
設けられる触媒コンバータで燃焼することがある。そし
てこのような燃料の燃焼は、上記触媒コンバータを過加
熱に至らしめるおそれがあった。
【0009】ところが上記従来の装置にあっては、漏洩
電流に基づきくすぶりの有無は検出されるものの、上記
触媒コンバータの過加熱に至るようなくすぶり状態、す
なわちくすぶりの進行度合については何ら検出すること
ができなかった。
【0010】本発明は、こうした実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、内燃機関の燃焼室に設けら
れる点火プラグのくすぶりの進行度合を的確に診断する
ことのできる内燃機関の点火プラグ診断装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明は、内燃機関の燃焼室に設けら
れる点火プラグのくすぶり状態を診断する内燃機関の点
火プラグ診断装置において、前記点火プラグに対する点
火信号通電時に該点火プラグの電極間に流れる電流に基
づいて同点火プラグのくすぶりを検出するくすぶり検出
手段と、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手
段と、該検出される内燃機関の運転状態に基づいて同機
関の失火を検出する失火検出手段と、前記くすぶり検出
手段及び失火検出手段の検出結果に基づいて前記点火プ
ラグのくすぶりの進行度合を判定する判定手段とを備え
ることをその要旨とするものである。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の内
燃機関の点火プラグ診断装置において、前記判定手段
は、前記くすぶり検出手段により前記点火プラグのくす
ぶりが検出されているときに前記失火検出手段により内
燃機関の失火が検出されることに基づき前記くすぶりの
進行度合が大きい旨判定することをその要旨とするもの
である。
【0013】上記構成にあって、くすぶり検出手段は、
点火プラグに対する点火信号通電時(点火コイルへの一
次電流通電時)に同点火プラグの電極間に流れる電流に
基づいてそのくすぶりの有無を検出する。すなわち、同
くすぶり検出手段では、点火プラグにくすぶりが発生
し、そのくすぶりによって電極間に漏洩電流が流れる場
合に、その漏洩電流の所定値以上の増大に基づいてくす
ぶりの発生を検出する。一方、点火プラグの放電によっ
て混合気が燃焼に至れば、上記燃焼室内にはイオンが発
生し、その発生したイオンに基づいて点火プラグの電極
間にはイオン電流が流れるが、失火検出手段では、こう
したイオン電流によることなく、内燃機関の運転状態に
基づいてその失火の有無を検出する。そして、上記くす
ぶりが進行すれば、同失火検出手段を通じて失火有りが
検出される確率も自ずと高くなる。通常、上記くすぶり
が進行するとその漏洩電流によって正確なイオン電流の
検出も難しくなるが、この場合、イオン電流以外のパラ
メータによって失火の有無を検出するようにしているこ
とから、その検出結果に対する信頼性も極めて高い。し
たがって同構成によるように、上記判定手段を通じて上
記くすぶり検出手段の検出結果と上記失火検出手段の検
出結果とを併せ監視することで、点火プラグのくすぶり
発生の有無のみならず、その進行度合についても的確な
判定を行うことができるようになる。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の内燃機関の点火プラグ診断装置において、前記運転
状態検出手段は、内燃機関の回転速度を検出するもので
あり、前記失火検出手段は、この検出される回転速度の
各気筒膨張(燃焼)行程ごとの変動に基づいて同機関の
失火を検出するものであることをその要旨とするもので
ある。
【0015】同構成によれば、上記イオン電流以外のパ
ラメータに基づく失火検出を極めて安定して行うことが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の点
火プラグ診断装置を具体化した一実施の形態を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0017】図1は内燃機関としての4気筒ガソリンエ
ンジン1のシステム構成図である。このエンジン1はシ
リンダブロック1aを備え、シリンダブロック1aには
4つ(図1には1つのみ図示)のシリンダ2が設けられ
ている。各シリンダ2にそれぞれ往復移動可能に設けら
れたピストン3は、エンジンの出力軸であるクランクシ
ャフト10にコンロッド3aを介して連結され、そのコ
ンロッド3aによりピストン3の往復移動がクランクシ
ャフト10の回転へと変換されるようになっている。
【0018】シリンダブロック1aの上端にはシリンダ
ヘッド1bが取り付けられている。各シリンダ2におい
てピストン3の上端とシリンダヘッド1bとの間には燃
焼室4が形成される。各燃焼室4に対応して設けられた
点火プラグ11は燃焼室4に導入された混合気に点火す
る。同様に各燃焼室4に対応して設けられた吸気ポート
5a及び排気ポート6aは、それぞれ吸気通路5及び排
気通路6の一部を構成する。各燃焼室4に対応して設け
られた吸気バルブ7及び排気バルブ8は各ポート5a,
6aをそれぞれ開閉する。各バルブ7,8はそれぞれ吸
気側カムシャフト31又は排気側カムシャフト32の回
転に伴い、同シャフト31,32に設けられたカム(図
示略)が回転することによって開閉動作する。各カムシ
ャフト31,32の先端に各々設けられたタイミングプ
ーリ33,34はタイミングベルト35を介してクラン
クシャフト10に連結されている(クランクシャフト1
0との連結態様については図示略)。
【0019】すなわち、エンジン1の運転時に、クラン
クシャフト10の回転力はタイミングベルト35及び各
タイミングプーリ33,34を介して各カムシャフト3
1,32に伝達される。各カムシャフト31,32が回
転することにより、各バルブ7,8が作動する。各バル
ブ7,8はクランクシャフト10の回転に同期して、す
なわち各ピストン3の往復移動に対応して所定のタイミ
ングで開閉駆動される。
【0020】なお、シリンダブロック1aには、エンジ
ン1の冷却水の水温(冷却水温)THWを検出する水温
センサ15が取り付けられている。前記吸気通路5の一
部には、吸気の脈動を抑えるためのサージタンク16が
設けられ、そのサージタンク16には吸気圧PMを検出
するダイヤフラム式の吸気圧センサ17が取付けられて
いる。サージタンク16の上流側には、アクセルペダル
21の操作に基づいて開閉されるスロットルバルブ18
が設けられており、このスロットルバルブ18の開閉に
より吸気通路5への吸入空気量が調節される。スロット
ルバルブ18の近傍には、そのスロットル開度TAを検
出するスロットルセンサ19と、そのスロットルバルブ
18が全閉状態のときオンとなるアイドルスイッチ20
が取付けられている。
【0021】また、前記スロットルバルブ18の上流側
にはエアクリーナ23が配設され、そのエアクリーナ2
3の近傍には、吸気温THAを検出するための吸気温セ
ンサ24が取付けられている。
【0022】一方、前記排気通路6には、排気ガス(H
C,CO,NOx )を浄化するための三元触媒コンバー
タ26が取り付けられている。また、エンジン1には回
転速度センサ27及びクランク角度基準位置センサ28
が設けられている。回転速度センサ27はエンジン1
(クランクシャフト10)の回転速度Neを検出する。
また、クランク角度基準位置センサ28は特定気筒にお
けるクランクシャフト10の回転角度(クランク角)の
基準位置(例えば圧縮上死点)を検出する。
【0023】前記点火プラグ11にはイグナイタ13か
ら出力される高電圧が印加される。点火プラグ11の点
火タイミングは、イグナイタ13からの高電圧出力タイ
ミングにより決定される。そして、エンジン1は点火プ
ラグ11により、吸気通路5からの吸入空気とインジェ
クタ9から噴射される燃料とからなる混合気を燃焼室4
内で爆発させて駆動力を得た後、その排気ガスを排気バ
ルブ8を介して排気通路6へ排出する。
【0024】ちなみにイグナイタ13内には後述するイ
オン検出回路の一部が設けられており、点火プラグ11
のくすぶり発生の有無は同検出回路により検出される。
すなわち本実施の形態においては、該イオン検出回路を
くすぶり検出手段として用いる。
【0025】次に、こうしたエンジンシステムを統括制
御する電子制御装置(以下、「ECU」という)61の
構成について図2のブロック図に従って説明する。図2
に示すように、このECU61は、デジタルコンピュー
タからなっており、バス62を介して相互に接続された
RAM(ランダムアクセスメモリ)63、ROM(リー
ドオンリメモリ)64、マイクロプロセッサからなるC
PU(中央処理装置)65、入力ポート66及び出力ポ
ート67を有している。
【0026】CPU65は演算処理回路からなり、RO
M64に予め記憶された制御プログラム及び初期データ
等に従って各種演算処理を実行する。RAM63はCP
U65による演算結果を一時的に記憶する。
【0027】前記水温センサ15、吸気圧センサ17、
スロットルセンサ19、アイドルスイッチ20、吸気温
センサ24、回転速度センサ27及びクランク角度基準
位置センサ28等からの検出信号は入力ポート66に入
力される。なお、イグナイタ13内にその一部が構成さ
れる前記イオン検出回路において検出された電流も同様
に、入力ポート66に入力される。これらセンサ等1
3,15,17,19,20,24,27,28によ
り、エンジン1の運転状態が検出されている。
【0028】一方、出力ポート67は、各々対応する駆
動回路等を介して各インジェクタ9及び各イグナイタ1
3等に接続されている。また、同出力ポート67は、後
述する点火プラグ11の診断においてくすぶりに起因す
る失火と判定された場合に点灯されるチェックランプ1
4にも接続されている。このチェックランプ14は運転
席のダッシュボードに組み付けられており、同チェック
ランプ14の表示により、運転者は点火プラグ11の診
断結果を知る。そして、ECU61は各センサ等13,
15,17,19,20,24,27,28からの検出
信号に基づき、ROM64内に格納された制御プログラ
ム及び初期データ等に従い、インジェクタ9、イグナイ
タ13及びチェックランプ14等を好適に制御する。
【0029】次に、上記イグナイタ13及び前記点火プ
ラグ11等により構成される前述のイオン検出回路につ
いて、図3に基づき説明する。同図3に示すように、こ
のイオン検出回路40は大きくは、電源41、前記イグ
ナイタ13及び前記点火プラグ11により構成されてい
る。そしてイグナイタ13内は更に、イグニションコイ
ル42、イグナイタ回路43及びイオン検出回路部44
によって構成されている。
【0030】イグニションコイル42は一次巻線42a
及び二次巻線42bを有している。また、イグナイタ回
路43はドライブ回路46及びパワートランジスタ47
を有している。また、イオン検出回路部44はコンデン
サ48、ツェナーダイオード49,50、抵抗器51、
反転増幅器52、V/I(電圧/電流)変換器53及び
出力端子55を有している。
【0031】このような構成にあって、前記イグニショ
ンコイル42の一次巻線42aの一端は前記電源41に
接続されており、同他端は前記パワートランジスタ47
に接続されている。また、前記ドライブ回路46はパワ
ートランジスタ47の制御電極に接続されている。
【0032】一方、上記イグニションコイル42の二次
巻線42bの一端は点火プラグ11に接続されている。
この点火プラグ11は、二次巻線42bの上記一端に接
続された放電用電極11a、及び放電用電極11aに対
向配置され、接地されているグランド電極11bによっ
て構成されている。この点火プラグ11は各気筒の燃焼
室内(図示せず)に露出して設けられており、そのグラ
ンド電極11bは燃焼室壁を介して、接地されている。
【0033】一方、上記二次巻線42bの他端は、前記
イオン検出回路部44のツェナーダイオード49,50
を介して接地されており、これらツェナーダイオード4
9,50にはそれぞれ、コンデンサ48及びイオン電流
検出用の抵抗器51が並列接続されている。そして、ツ
ェナーダイオード49及びコンデンサ48からなる並列
回路と抵抗器51との接続点は、更に反転増幅器52及
びV/I変換器53を介して同検出回路部44の出力端
子55に接続されている。
【0034】次に同図3を参照して、このイオン検出回
路40の動作を説明する。エンジン1の膨張(燃焼)行
程において、ECU61からの点火信号IGtによりド
ライブ回路46を介してパワートランジスタ47がオン
・オフ制御され、一次巻線42aに流れる一次電流I1
の通電・遮断が行われると、一次電流I1の遮断時に、
二次巻線42bに負の高電圧からなる二次電圧V2 が誘
起される。これにより、点火プラグ11のグランド電極
11bから放電用電極11aに向けて放電火花が生じ、
燃焼室内の燃料(混合気)が燃焼される。また、このと
き同図3に示される態様で流れる二次電流(アーク電
流)I2 によってコンデンサ48が充電される。なお、
この充電電圧は、同コンデンサ48に並列接続されたツ
ェナーダイオード49によって一定の電圧に保たれる。
【0035】一方この膨張(燃焼)行程において、正常
に燃焼が行われると、燃焼室内には大量の陽イオンが発
生する。そして、この発生した陽イオンはイオン電流I
となって同図3に示した経路を流れる。すなわち、イオ
ン電流Iは、抵抗器51、コンデンサ48、二次巻線4
2b及び点火プラグ11を介した経路で流れ、コンデン
サ48の充電電荷を放電する。
【0036】そして、このイオン電流Iによって抵抗器
51の両端間に発生する電圧は、反転増幅器52によっ
て反転増幅され、V/I変換器53により電流値に変換
された後、上記陽イオンの発生量に応じたイオン検出信
号Ii として出力端子55から出力される。この出力は
前記ECU61に取り込まれて点火プラグ11にくすぶ
りが発生しているか否かの判定に供される。
【0037】次に、上記点火信号IGt及びイオン検出
信号Ii の特性について、図4に示すタイムチャートに
基づき説明する。なお、図4(a)は点火信号IGtが
所定のタイミングでオンとされた後、オフとされる態様
を示すタイムチャートである。また、図4(b)はくす
ぶりの影響を受けることなく正常に燃焼が行われた場合
に出力されるイオン検出信号Ii の推移を示すタイムチ
ャートである。さらに、図4(c)は、くすぶりが進行
した場合に検出されるイオン検出信号Ii の推移を示す
タイムチャートである。ちなみに、図4(c)において
同検出信号Iiが、所定値以上で飽和しているのは、前
記反転増幅器52の増幅率が大きいために、検出可能範
囲を超えることによる。また、イオン検出信号Ii が急
激に低下するのは、前記コンデンサ48の放電時間が短
いためである。前述のように、くすぶりの進行に伴い点
火プラグ11の両電極11a,11b間の抵抗値は低下
するため、上記放電時間はくすぶりが進行するほど短く
なる。
【0038】点火信号IGtがオフとされるタイミング
で正常に燃焼室内の燃料(混合気)が燃焼されると、図
4(b)に示すイオン検出信号Ii が出力される。同図
4(b)に示すように、このイオン検出信号Ii は前記
点火信号IGtオフ後、すなわち点火プラグ11の放電
終了後に所定のピークを有する信号として出力される。
【0039】ところでこのようなイオン検出信号Ii
は、くすぶりの進行に伴い、前記放電電極11aと前記
グランド電極11bとの間の抵抗値(絶縁抵抗)が低下
し、漏洩電流の影響を受けるようになることは前述のと
おりである。特に図4(c)に示される態様となるまで
くすぶりが進行した場合(このときの抵抗値は200〜
500kΩ程度まで低下)、かなりの確率で失火が発生
していると思われる。
【0040】そこで、本実施の形態にあっては、以下の
態様でくすぶりの進行度合を判定し、触媒過加熱に至ら
しめるくすぶりの進行を診断する。図5は、点火プラグ
11のくすぶり進行度合を診断するために、ECU61
によって実行されるエンジン1の点火プラグ診断ルーチ
ンを示すフローチャートである。なお、このルーチンは
前記点火信号IGtがオンになるごとの点火信号IGt
割り込みにより実行される。
【0041】処理がこのルーチンに移行すると、ECU
61はステップ101において、くすぶりフラグxdk
suが「ON(オン)」か否かを判定する。このくすぶ
りフラグxdksuは、点火信号IGtがオンとされた
ときから500μs(マイクロ秒)後のイオン検出信号
(漏洩電流)Ii の状態に応じてたてられる(「ON」
とされる)フラグである。イオン検出信号(漏洩電流)
Ii はECU61内でI/V変換された後、アナログ/
ディジタル変換された値(以下、「AD値」という)と
して扱われる。上記判定は、点火信号IGtがオンとさ
れたときから500μs後のタイミング(図4(c)参
照)におけるAD値と所定のしきい値Vth相当値とを比
べることによるもので、ECU61内で実行される。そ
してここで上記所定のしきい値Vth相当値よりも大きな
AD値が確認された場合、少なくとも20〜50MΩの
レベルでくすぶりが進行しているものとして、くすぶり
フラグxdksuは「ON」とされる。また、上記所定
のしきい値Vth相当値よりも大きなAD値が確認されな
い場合、くすぶりはあまり進行していないものとして、
くすぶりフラグxdksuは「OFF(オフ)」とされ
る。
【0042】ステップ101において、くすぶりフラグ
xdksuが「OFF」と判定された場合、くすぶりの
進行度合は小さいとして、そのまま当該ルーチンを一旦
抜ける。一方、同ステップ101において、くすぶりフ
ラグxdksuが「ON」と判定された場合、ステップ
102に移行する。
【0043】ECU61はステップ102において、回
転変動失火フラグが「ON」か否かを判定する。この回
転変動失火フラグは、周知の技術である回転変動法によ
り失火が検出された場合に、「ON」とされる。ちなみ
にこの回転変動法とは、前記回転速度センサ27から検
出される各気筒の膨張(燃焼)行程ごとの回転速度Ne
と所定の基準値との差の大きさ(回転変動)を割り出
し、この割り出し結果と所定の値とを比較することによ
り該当する気筒の失火を検出する方法である。
【0044】ステップ102において、回転変動失火フ
ラグが「OFF」と判定された場合、くすぶりの進行度
合は小さいとして、そのまま当該ルーチンを一旦抜け
る。一方、同ステップ102において、回転変動失火フ
ラグが「ON」と判定された場合、ステップ103に移
行する。
【0045】ECU61はステップ103において、前
述した触媒過加熱に至らしめる程度にくすぶりが進行し
ているものと判断して前記チェックランプ14を点灯す
る。こうしてチェックランプ14が点灯されることによ
り、運転者は点火プラグ11の異常を認知して、ディー
ラー等への点検を行うこととなる。
【0046】以上詳述したように、本実施の形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 ・点火プラグ11のくすぶり発生の有無のみならず、触
媒過加熱に至らしめるようなくすぶりの進行をも診断す
ることができる。
【0047】・くすぶりに起因する失火が検出されたと
きには、チェックランプ14を点灯することにより、運
転者にその都度警告することができる。したがって、そ
の旨認知した運転者の適宜の処置を通じて、失火に伴う
触媒過加熱を未然に防止することができる。
【0048】・上記チェックランプ14の点灯は、失火
原因がくすぶりであることを知らしめるものであるた
め、失火対策としての整備も効率的に行うことができ
る。なお、本実施の形態は上記に限定されるものではな
く、次のように変更してもよい。
【0049】・本実施の形態においては、運転者への警
告として、チェックランプ14を点灯したが、他に例え
ば、警報音を鳴らすようにしてもよい。また、チェック
ランプ14の点灯と警報音の両方を採用してもよい。
【0050】・本実施の形態においては、くすぶりに起
因する失火が検出されたときには、チェックランプ14
を点灯することにより、運転者に警告した。これとは別
に、又はこれに加えて、失火発生のデータをバックアッ
プRAM等の不揮発性メモリに記憶するようにしてもよ
い。この場合、エンジン1の点検時に上記データに基づ
き整備を効率的に行うことができる。
【0051】・本実施の形態においては、くすぶりに起
因する失火が検出されたときには、その都度チェックラ
ンプ14を点灯することにより運転者に警告した。これ
に対して、所定回数のくすぶりに起因する失火を検出
し、上記所定の回数を超えるときにチェックランプ14
を点灯して、運転者に警告してもよい。この場合、一時
的なくすぶり、あるいは一時的な失火に起因する警告の
発動を排除することができる。
【0052】・本実施の形態においては、くすぶりの検
出に際し、点火信号IGtがオンとなった後500μs
のAD値が所定のしきい値Vth相当値よりも大きいこと
を確認し、少なくとも20〜50MΩのレベルでくすぶ
りが発生していることを検出しているが、その他のタイ
ミング又はしきい値を設定して、上記以外のレベルのく
すぶりを検出してもよい。
【0053】・本実施の形態においては、失火検出に回
転変動法を採用しているが、これにはイオン検出回路を
用いる方法以外のその他の方法を採用してもよい。こう
した失火検出方法としては、例えば、 (イ)燃焼室内の燃焼光を検出する燃焼光センサを用い
て失火検出をする方法。 (ロ)燃焼室内の燃焼圧を検出する燃焼圧センサを用い
て失火検出をする方法。 (ハ)前記シリンダブロック1aに振動センサを設け、
同振動センサによりエンジン1の燃焼振動を検出して失
火判定をする方法。 (ニ)排気通路6に圧力センサ又は酸素センサを設け、
同センサにより排気通路6内の圧力又は酸素濃度を検出
して失火判定をする方法。 等がある。
【0054】・本実施の形態においては、各気筒(燃焼
室4)の点火プラグ11及びそれぞれに対応するイグナ
イタ13等によってイオン検出回路40が構成された
が、各点火プラグ11とイグナイタ13との間に各点火
プラグ11に点火電圧を分配するディストリビュータを
設けてイオン検出回路を構成してもよい。
【0055】・本実施の形態においては、内燃機関とし
て4気筒のエンジンにこの発明を適用する場合について
示したが、本発明はその他の気筒数を有する各エンジン
にも同様に適用することができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、点火プラグのくすぶり
発生の有無のみならず、その進行度合についても的確な
判定を行うことができるようになる。そして、その判定
結果に基づいて点火プラグの交換あるいは整備の時期等
も的確に知ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る点火プラグ診断装置の一実施の形
態が適用されるエンジンシステムの概要を示す略図。
【図2】同実施の形態の電気的構成を示すブロック図。
【図3】イオン検出回路を示す回路図。
【図4】点火信号及びくすぶりの進行度合に応じたイオ
ン検出信号を示すタイムチャート。
【図5】点火プラグの診断手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
4…燃焼室、11…点火プラグ、13…イグナイタ、1
4…チェックランプ、26…三元触媒コンバータ、27
…回転速度センサ、28…クランク角基準位置センサ、
40…イオン検出回路、41…電源、42…イグニショ
ンコイル、43…イグナイタ回路、55…出力端子、6
1…ECU。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室に設けられる点火プラ
    グのくすぶり状態を診断する内燃機関の点火プラグ診断
    装置において、 前記点火プラグに対する点火信号通電時に該点火プラグ
    の電極間に流れる電流に基づいて同点火プラグのくすぶ
    りを検出するくすぶり検出手段と、 内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、 該検出される内燃機関の運転状態に基づいて同機関の失
    火を検出する失火検出手段と、 前記くすぶり検出手段及び失火検出手段の検出結果に基
    づいて前記点火プラグのくすぶりの進行度合を判定する
    判定手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関の点火プラグ診断装
    置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段は、前記くすぶり検出手段
    により前記点火プラグのくすぶりが検出されているとき
    に前記失火検出手段により内燃機関の失火が検出される
    ことに基づき前記くすぶりの進行度合が大きい旨判定す
    る請求項1記載の内燃機関の点火プラグ診断装置。
  3. 【請求項3】 前記運転状態検出手段は、内燃機関の回
    転速度を検出するものであり、 前記失火検出手段は、この検出される回転速度の各気筒
    膨張(燃焼)行程ごとの変動に基づいて同機関の失火を
    検出するものである請求項1又は2記載の内燃機関の点
    火プラグ診断装置。
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