JPH1143302A - 水素製造方法、水素製造装置、それを備える燃料電池装置および改質触媒 - Google Patents

水素製造方法、水素製造装置、それを備える燃料電池装置および改質触媒

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JPH1143302A
JPH1143302A JP9214111A JP21411197A JPH1143302A JP H1143302 A JPH1143302 A JP H1143302A JP 9214111 A JP9214111 A JP 9214111A JP 21411197 A JP21411197 A JP 21411197A JP H1143302 A JPH1143302 A JP H1143302A
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JP
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formaldehyde
reaction
hydrogen
reforming reaction
steam reforming
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JP9214111A
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English (en)
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Yoshimasa Negishi
良昌 根岸
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改質反応でエネルギが消費されてしまうのを
抑え、充分にコンパクトな装置によって水素を製造す
る。 【解決手段】 水素製造装置20は、ホルムアルデヒド
タンク22に貯蔵されたホルムアルデヒド水溶液を原燃
料として、改質器26においてホルムアルデヒドの水蒸
気改質反応を進行し、水素を製造する。ホルムアルデヒ
ドタンク22に貯蔵されたホルムアルデヒド水溶液は、
まず蒸発器24に供給されて、気化・昇温される。蒸発
器24で所定の温度に昇温されたホルムアルデヒドと水
蒸気とからなる混合気体は、改質器26に供給されて、
改質器26が備えるCu−Zn触媒のもとでホルムアル
デヒドの水蒸気改質反応に供される。改質器26では、
ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応によって生じた熱は
外部に放熱され、改質器26内部は所定の温度範囲に保
たれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素製造方法、水
素製造装置、それを備える燃料電池装置および改質触媒
に関し、詳しくは、原燃料から所定の改質反応によって
水素を生成する水素製造方法と水素製造装置、このよう
な水素製造装置を備える燃料電池装置、およびこのよう
な改質反応を促進する改質触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の水素製造方法および水素
製造装置としては、メタノールを原燃料とし、このメタ
ノールを水蒸気改質反応に供して水素リッチなガスを得
るものが知られている(例えば、特開昭61−2862
04号公報等)。以下に、メタノールの水蒸気改質反応
を表わす式を(1)式として示す。
【0003】 CH3OH+H2O → CO2+3H2−49.5(kJ/mol) …(1)
【0004】このような水蒸気改質反応を促進する触媒
を備える水素製造装置に対して、メタノールおよび水蒸
気を供給すれば、上記(1)式に示す反応が進行して、
二酸化炭素を含有する水素リッチガスを生成させること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、メタノ
ールの水蒸気改質反応を利用する場合には、この反応が
(1)式に示すように吸熱反応であるため、水蒸気改質
反応を進行させるための熱エネルギを供給し続ける必要
がある。そのため、メタノールの水蒸気改質反応を行な
う水素製造装置においては、水蒸気改質反応で要する熱
エネルギを供給するために、加熱手段を設ける必要があ
った。このような加熱手段を設けることによって、装置
の構造が複雑化したり、エネルギが消費されてしまうと
いう問題があった。例えば、加熱手段としてヒータを用
いる場合には、発熱のための電気エネルギをヒータに供
給する必要があるため、水素製造装置を備えるシステム
全体のエネルギ効率が低下してしまう。
【0006】本発明の水素製造装置および水素製造方法
は、こうした問題を解決し、改質反応でエネルギが消費
されてしまうのを抑え、充分にコンパクトな装置によっ
て水素を製造することを目的としてなされ、次の構成を
採った。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の水素製造方法は、原燃料から所定の改質反応によ
って水素を製造する水素製造方法であって、前記原燃料
としてホルムアルデヒドと水蒸気とを用い、前記改質反
応としてホルムアルデヒドの水蒸気改質反応を進行さ
せ、前記ホルムアルデヒドと水蒸気とから前記水素を製
造することを要旨とする。
【0008】また、本発明の水素製造装置は、原燃料を
供給する供給手段と、該供給手段によって供給された前
記原燃料から改質反応によって水素を生成する反応部
と、を備える水素製造装置であって、前記供給手段は、
前記原燃料としてホルムアルデヒドと水蒸気とを供給
し、前記反応部は、前記改質反応としてホルムアルデヒ
ドの水蒸気改質反応を促進させる触媒を備え、前記ホル
ムアルデヒドの水蒸気改質反応によって、前記ホルムア
ルデヒドと水蒸気とから前記水素を製造することを要旨
とする。
【0009】以上のように構成された本発明の水素製造
装置は、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応を促進させ
る触媒を備える反応部に、原燃料としてホルムアルデヒ
ドと水蒸気とを供給すると、前記ホルムアルデヒドの水
蒸気改質反応によって、前記ホルムアルデヒドと水蒸気
とから前記水素を製造する。
【0010】したがって、本発明の水素製造方法および
水素製造装置によれば、発熱反応であるホルムアルデヒ
ドの水蒸気改質反応によって水素を製造するため、水蒸
気改質反応を進行させるために外部からエネルギを供給
する必要がなく、水蒸気改質反応を行なうことによって
装置全体のエネルギ効率が低下してしまうことがない。
また、水蒸気改質反応を進行させるためのエネルギを供
給する加熱手段を設ける必要がないため、加熱手段によ
って装置が大型化したり構造が複雑化してしまうことが
ない。
【0011】さらに、発熱反応であるホルムアルデヒド
の水蒸気改質反応は、従来知られるメタノールの水蒸気
改質反応のような吸熱を伴う水蒸気改質反応に比べて反
応速度が速いため、所望の量の水素を、より小さな改質
器によって得ることができ、水素製造装置全体をコンパ
クト化することができる。また、ホルムアルデヒドの水
蒸気改質反応は、従来知られるメタノールの水蒸気改質
反応に比べて低い温度で充分な効率で進行させることが
できる。したがって、反応に先立って原燃料を気化・昇
温させる際に、昇温させる温度を低く抑えることがで
き、原燃料を昇温させるのに要するエネルギ量を少なく
することができる。また、反応温度を従来の水蒸気改質
反応の場合に比べて低くすることができることから、水
蒸気改質反応と共に進行する逆シフト反応(吸熱を伴う
反応であって、水素と二酸化炭素とから一酸化炭素を生
じる反応)の活性を抑えることができ、水蒸気改質反応
の結果得られる水素リッチガス中の一酸化炭素濃度をよ
り低くすることができるという効果を奏する。
【0012】本発明の水素製造装置において、前記反応
部は、前記ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応で生じた
熱を放熱する放熱手段をさらに備えることとしてもよ
い。このような放熱手段を設けることによって、ホルム
アルデヒドの水蒸気改質反応で生じた熱を積極的に外部
に排出することができ、前記反応部の内部温度が非所望
の高温にまで上昇しすぎてしまうのを防ぐことができ
る。
【0013】このような水素製造装置において、前記放
熱手段は、前記反応部の外周部に設けた放熱板であるこ
ととしてもよい。このような構成とすれば、放熱板とい
う簡単な構造を設けることで、反応部からの放熱を容易
に促進することができる。
【0014】また、このような水素製造装置において、
前記供給手段は、液体状の前記ホルムデヒドと水とを供
給されて、前記反応部への供給に先立ってこれらを気化
させる気化手段を備え、前記放熱手段は、前記気化手段
に供給する前記液体状のホルムアルデヒドおよび/また
は水が通過する流路を、前記反応部に引き回し、前記流
路と前記反応部との間で熱交換を行なわせることとして
もよい。
【0015】このような構成とすれば、前記反応部が昇
温しすぎてしまうのを防ぐことができるという効果に加
えて、前記気化手段で消費するエネルギ量を削減し、装
置全体のエネルギ効率を向上させることができるという
効果を奏する。すなわち、前記反応部と熱交換させるこ
とによって、前記気化手段に供給する前記液体状のホル
ムアルデヒドおよび/または水を昇温させることができ
るため、これらを気化させるために前記気化手段で要す
るエネルギ量を少なくすることができる。
【0016】本発明の水素製造方法において、前記原燃
料として、前記水蒸気との間での水蒸気改質反応が吸熱
反応となる炭化水素をさらに用い、前記ホルムアルデヒ
ドの水蒸気改質反応によって生じた熱を利用して、前記
改質反応としてさらに前記炭化水素の水蒸気改質反応を
進行させ、前記炭化水素と水蒸気とから前記水素を製造
することとしてもよい。
【0017】また、本発明の水素製造装置において、前
記供給手段は、前記原燃料として、水蒸気改質反応が吸
熱反応となる炭化水素をさらに供給し、前記反応部は、
前記改質反応として前記炭化水素の水蒸気改質反応を促
進させる触媒をさらに備え、前記ホルムアルデヒドの水
蒸気改質反応によって生じた熱を利用して、前記炭化水
素の水蒸気改質反応をさらに進行させ、前記炭化水素と
水蒸気とから前記水素を製造することとしてもよい。
【0018】以上のように構成された水素製造装置は、
原燃料として、ホルムアルデヒドと水蒸気に加えて、水
蒸気改質反応が吸熱反応となる炭化水素を、前記反応部
に供給すると、前記反応部において、前記ホルムアルデ
ヒドの水蒸気改質反応と前記炭化水素の水蒸気改質反応
とが進行する。その際、前記ホルムアルデヒドの水蒸気
改質反応によって生じた熱を利用して、前記炭化水素の
水蒸気改質反応が進行し、前記原燃料から水素を製造す
る。
【0019】このような水素製造方法および水素製造装
置によれば、前記反応部に供給するホルムアルデヒド量
とメタノール量とを調節することによって、ホルムアル
デヒドの水蒸気改質反応で生じる熱量と、メタノールの
水蒸気改質反応で要する熱量との間でバランスを取るこ
とができる。したがって、ホルムアルデヒドの水蒸気改
質反応で生じた熱を排出する放熱手段や、メタノールの
水蒸気改質反応で要する熱を供給するための加熱手段を
設けることなく、高い効率で改質反応を進行させて水素
を製造することができる。
【0020】上記した本発明の水素製造方法および水素
製造装置において、前記炭化水素はメタノールであるこ
ととしてもよい。このような構成とすれば、従来、メタ
ノールの水蒸気改質反応を促進する触媒として知られる
Cu−Zn系の触媒を利用して、150〜300℃、好
ましくは200〜250℃という比較的低い温度範囲に
おいて、前記ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応と、前
記炭化水素の水蒸気改質反応とを同時に行なわせること
ができる。
【0021】また、上記した本発明の水素製造装置にお
いて、前記供給手段は、前記反応部に供給すべきホルム
アルデヒドを貯蔵するホルムアルデヒド貯蔵手段と、前
記反応部に供給すべきメタノールを貯蔵するメタノール
貯蔵手段と、所定の触媒を備え、前記メタノール貯蔵手
段から前記メタノールの供給を受けて、前記触媒を利用
した所定の化学反応によってメタノールからホルムアル
デヒドを生成し、該生成したホルムアルデヒドを前記ホ
ルムアルデヒド貯蔵手段に供給するホルムアルデヒド生
成手段とを備えることとしてもよい。
【0022】以上のように構成された水素製造装置は、
前記反応部に供給するためにメタノール貯蔵手段に貯蔵
したメタノールを利用して、所定の触媒を備えるホルム
アルデヒド生成手段においてホルムアルデヒドを生成
し、生成したホルムアルデヒドをホルムアルデヒド貯蔵
手段に貯蔵する。これら貯蔵されたメタノールおよびホ
ルムアルデヒドは、前記反応部に供給されて、前記ホル
ムアルデヒドの水蒸気改質反応と前記炭化水素の水蒸気
改質反応とが進行される。その際、前記ホルムアルデヒ
ドの水蒸気改質反応によって生じた熱を利用して、前記
炭化水素の水蒸気改質反応が進行し、前記原燃料から水
素を製造する。
【0023】このような水素製造装置によれば、水蒸気
改質反応に供するホルムアルデヒドは、水素製造装置内
でメタノールから生成されるため、水素製造装置には、
原燃料としてメタノールを補給するだけでよい。あるい
は、ホルムアルデヒドも原燃料として水素製造装置に補
給する場合であっても、ホルムアルデヒドの方がメタノ
ールよりも先に消費してしまった場合に、メタノールか
らホルムアルデヒドを生成することができるため、原燃
料の補給を行なうことなく水素製造装置の運転を続行す
ることができる。
【0024】本発明の燃料電池装置は、請求項4ないし
10いずれか記載の水素製造装置と、前記水素製造装置
が製造した水素を含有するガスの供給を受けて発電を行
なう燃料電池とを備えることを要旨とする。
【0025】このような燃料電池装置によれば、改質反
応によって消費されてしまうエネルギ量が少なく、充分
にコンパクトな水素製造装置を備えるため、燃料電池装
置全体のエネルギ効率が低下してしまうことがなく、燃
料電池装置全体が大型化してしまうのを抑えることがで
きる。
【0026】本発明の改質触媒は、原燃料から改質反応
によって水素を製造する際に用いる改質触媒であって、
前記原燃料としてホルムアルデヒドと水蒸気とを用い、
前記改質反応としてホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
を進行させ、前記ホルムアルデヒドと水蒸気とから前記
水素を製造する際に、前記ホルムアルデヒドの水蒸気改
質反応を促進することを要旨とする。
【0027】このような改質触媒によれば、ホルムアル
デヒドを原燃料として水蒸気改質反応を進行させること
ができるため、発熱反応によって水素の製造を行なうこ
とができる。したがって、水素を製造する改質反応を行
なう際に、改質反応を進行させるためにエネルギを供給
する必要がない。
【0028】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は、本発明の第1実施例
である水素製造装置20の構成の概略を表わす説明図で
ある。水素製造装置20は、ホルムアルデヒドタンク2
2と、蒸発器24と、改質器26とを主な構成要素とす
る。ここで、本実施例の水素製造装置20は、電気化学
反応により起電力を得る燃料電池を備えた燃料電池シス
テム中に設けられており、燃料電池に対して燃料ガスを
供給するものであるが、まず最初に、本発明の要部に対
応する水素製造装置20について説明する。
【0029】ホルムアルデヒドタンク22は、後述する
水蒸気改質反応に供する原燃料であるホルムアルデヒド
の水溶液を蓄えるタンクである。このホルムアルデヒド
タンク22には、ホルムアルデヒドと水とが1:1〜
2.5の割合で混合された水溶液が蓄えられている。後
述するホルムアルデヒドの水蒸気改質反応を進行させる
ためには、ホルムアルデヒドと水とは1:1の割合で用
意すればよいが、この水蒸気改質反応を促進するため
に、上記したように水の割合を高くすることとしてもよ
い。
【0030】蒸発器24は、ホルムアルデヒドタンク2
2から、第1燃料供給路30を介してホルムアルデヒド
水溶液を供給されて、このホルムアルデヒド水溶液を気
化・昇温させる装置である。ホルムアルデヒド水溶液を
気化・昇温させるためには、所定量の熱が必要がある
が、本実施例の蒸発器24は、後述するように、バーナ
から供給される燃焼ガスによって、気化・昇温のために
要する熱エネルギを得ている。
【0031】改質器26は、蒸発器24で気化・昇温さ
れたホルムアルデヒドと水蒸気との混合気体を、第2燃
料供給路31を介して供給されて、この混合気体を用い
て水蒸気改質反応を進行し、水素リッチな改質ガスを生
成する装置である。この改質器26は、Cu−Zn触媒
を備えており、上記混合気体を供給されると、この触媒
上で以下の(2)式に示すホルムアルデヒドの水蒸気改
質反応を進行し、二酸化炭素を含有する水素リッチな改
質ガスを生成する。すなわち、上記Cu−Zn触媒は、
(2)式に示すホルムアルデヒドの水蒸気改質反応を促
進するよう機能する。
【0032】 HCHO+H2O → 2H2+CO2+24.6(KJ/mol) …(2)
【0033】ここで、改質器26が備えるCu−Zn触
媒は、銅と酸化亜鉛とを用いて周知の共沈法により調製
したものである。本実施例では、この共沈法により調製
したCu−Zn触媒を粉砕し、これにアルミナゾルなど
のバインダを加えて、押し出し成形によりペレット状に
したものを、改質器26内に充填した。あるいは、共沈
法により調製したCu−Zn触媒にバインダを加えたも
のを、メタルハニカムやセラミックハニカムの表面に塗
布し、改質器26をハニカムにより構成することとして
もよい。Cu−Zn触媒は、メタノールの水蒸気改質反
応を促進させる触媒として知られているが、上記(2)
式に示したホルムアルデヒドの水蒸気改質反応を促進す
る活性も充分に有している。
【0034】このようなCu−Zn触媒を用いて、上記
(2)式に表わしたホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
を進行させる際には、改質器26の内部温度を約150
〜200℃に保つことによって、水蒸気改質反応の活性
を充分に維持することができる。ここで、ホルムアルデ
ヒドの水蒸気改質反応は、(2)式に示したように発熱
反応であるため、改質器26の内部温度を上記温度範囲
に保つには、生じた熱を改質器26の外部に排出する必
要がある。本実施例の改質器26は、放熱が容易となる
構造を有しており、水蒸気改質反応で生じた熱を自然放
熱によって改質器26の外部に排出している。
【0035】図2は、改質器26の構成の概略を、断面
を模式的に表わすことによって示した説明図であり、図
3は、改質器26の外観を表わす斜視図である。改質器
26は、略円柱状に形成され、内部に既述した触媒ペレ
ットを充填した反応部27を備えているが、この反応部
27の外周部に、環状に形成された複数個の放熱板40
を、所定の間隔で互いに平行に配設している。それぞれ
の放熱板40は、改質器26の内部を通過する上記混合
気体の流れの方向に対して垂直に設けられており、熱導
電性の高い金属部材(例えばステンレス)によって形成
されている。改質器26内部で進行するホルムアルデヒ
ドの水蒸気改質反応で生じた熱は、上記放熱板40に伝
えられて外部に放熱されるが、ここで、放熱板40を充
分な大きさに形成し、充分な数の放熱板40を備えるこ
とによって、改質器26の内部温度を常に上記した温度
範囲内に維持することができる。
【0036】改質器26において、上記したホルムアル
デヒドの水蒸気改質反応によって生じた改質ガスは、改
質器26に接続する第3燃料供給路32に排出される。
図1に示した水素製造装置20は、既述したように燃料
電池装置中に設けられており、水素製造装置20によっ
て製造された水素リッチな改質ガスは、燃料ガスとして
燃料電池に供給される。図4は、本実施例の水素製造装
置20を備える燃料電池装置50の構成の概略を表わす
説明図である。
【0037】燃料電池装置50では、既述した水素製造
装置20の下流側に、CO低減部28と燃料電池60と
をさらに接続している。また、蒸発器24には、既述し
たホルムアルデヒド水溶液の気化・昇温のための熱を供
給するバーナ23が併設されている。さらに燃料電池装
置50は、燃料電池装置50を構成する各部材の状態を
制御する制御部70を備えている。以下、図4に基づい
て、燃料電池装置50の構成について詳しく説明する。
【0038】まず最初に、燃料電池装置50における発
電の主体である燃料電池60について説明する。燃料電
池60は、固体高分子電解質型の燃料電池であり、構成
単位である単セルを複数積層したスタック構造を有して
いる。図5は、燃料電池60を構成する単セル68の構
成を例示する断面図である。単セル68は、電解質膜6
1と、アノード62およびカソード63と、セパレータ
64,65とから構成されている。
【0039】アノード62およびカソード63は、電解
質膜61を両側から挟んでサンドイッチ構造を成すガス
拡散電極である。セパレータ64,65は、このサンド
イッチ構造をさらに両側から挟みつつ、アノード62お
よびカソード63との間に、燃料ガスおよび酸化ガスの
流路を形成する。アノード62とセパレータ64との間
には燃料ガス流路64Pが形成されており、カソード6
3とセパレータ65との間には酸化ガス流路65Pが形
成されている。セパレータ64,65は、図5ではそれ
ぞれ片面にのみ流路を形成しているが、実際にはその両
面にリブが形成されており、片面はアノード62との間
で燃料ガス流路64Pを形成し、他面は隣接する単セル
が備えるカソード63との間で酸化ガス流路65Pを形
成する。このように、セパレータ64,65は、ガス拡
散電極との間でガス流路を形成するとともに、隣接する
単セル間で燃料ガスと酸化ガスの流れを分離する役割を
果たしている。
【0040】ここで、電解質膜61は、固体高分子材
料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導
性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性
を示す。本実施例では、ナフィオン膜(デュポン社製)
を使用した。電解質膜61の表面には、触媒としての白
金または白金と他の金属からなる合金が担持されてい
る。
【0041】アノード62およびカソード63は、共に
炭素繊維からなる糸で織成したカーボンクロスにより形
成されている。なお、アノード62およびカソード63
は、カーボンクロスにより形成するほか、炭素繊維から
なるカーボンペーパまたはカーボンフエルトにより形成
する構成も好適である。
【0042】セパレータ64,65は、ガス不透過の導
電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とし
た緻密質カーボンにより形成されている。セパレータ6
4,65はその両面に、平行に配置された複数のリブを
形成しており、既述したように、アノード62の表面と
で燃料ガス流路64Pを形成し、隣接する単セルのカソ
ード63の表面とで酸化ガス流路65Pを形成する。こ
こで、各セパレータの表面に形成されたリブは、ガス拡
散電極に対して燃料ガスまたは酸化ガスを供給可能な形
状であればよい。
【0043】以上、燃料電池60の基本構造である単セ
ル68の構成について説明した。実際に燃料電池60と
して組み立てるときには、セパレータ64、アノード6
2、電解質膜61、カソード63、セパレータ65の順
序で構成される単セル68を複数組積層し(本実施例で
は100組)、その両端に緻密質カーボンや銅板などに
より形成される集電板を配置することによって、スタッ
ク構造を構成する。
【0044】このような構成の燃料電池60において、
陰極側に対して水素を含有する燃料ガスを、陽極側に対
して酸素を含有する酸化ガスをそれぞれ供給すると、各
単セル68が備える電解質膜61の表面において電気化
学反応が進行し、起電力を得ることができる。以下に、
燃料電池60で進行する電気化学反応を表わす式を示
す。(3)式は陰極側における反応、(4)式は陽極側
における反応を表わし、燃料電池全体では(5)式に示
す反応が進行する。
【0045】 H2 → 2H++2e- …(3) (1/2)O2+2H++2e- → H2O …(4) H2+(1/2)O2 → H2O …(5)
【0046】次に、燃料電池装置50を構成するその他
の部材について説明する。CO低減部28は、第3燃料
供給路32を介して水素製造装置20から供給された改
質ガス中の一酸化炭素濃度を低減させる装置である。ホ
ルムアルデヒドの一般的な改質反応はすでに(2)式に
示したが、実際に改質反応が行なわれるときにはこれら
の式に表わしたように理想的に反応が進行するわけでは
なく、改質器26で生成された改質ガスは所定量の一酸
化炭素を含んでいる。そこで、CO低減部28を設ける
ことで、燃料電池60に供給する改質ガス中の一酸化炭
素濃度の低減を図っている。
【0047】本実施例の燃料電池60は固体高分子型の
燃料電池であって、電池反応を促進する白金または白金
と他の金属とからなる触媒を備えているが、改質ガス中
に一酸化炭素が含まれる場合には、この一酸化炭素が白
金触媒に吸着して触媒としての機能を低下させ、(3)
式に示した陰極側における反応を阻害して燃料電池の性
能を低下させてしまう。そのため、燃料電池60のよう
な固体高分子型の燃料電池を用いて発電を行なうために
は、供給する燃料ガス中の一酸化炭素濃度を所定量以下
に低減して電池性能の低下を防ぐことが必須となる。な
お、このような固体高分子型燃料電池において、供給さ
れる燃料ガス中の一酸化炭素濃度としての許容濃度は、
通常は数ppm程度以下である。
【0048】CO低減部28に供給される改質ガスは、
上記したように所定量の一酸化炭素を含有する水素リッ
チガスであり、CO低減部28においては、燃料ガス中
の水素に優先して一酸化炭素の酸化が行なわれる。CO
低減部28には、一酸化炭素の選択酸化触媒である白金
触媒、ルテニウム触媒、パラジウム触媒、金触媒、ある
いはこれらを第1元素とした合金触媒を担持した担体が
充填されている。このCO低減部28で処理された改質
ガス中の一酸化炭素濃度は、CO低減部28の運転温
度、供給される燃料ガス中の一酸化炭素濃度、CO低減
部28への単位触媒体積当たりの燃料ガスの供給流量等
によって定まる。CO低減部28には図示しない一酸化
炭素濃度センサが設けられており、この測定結果に基づ
いてCO低減部28の運転温度や供給する改質ガス流量
を調節し、処理後の改質ガス中の一酸化炭素濃度が数p
pm以下となるように制御している。
【0049】CO低減部28で上記のように一酸化炭素
濃度が下げられた改質ガスは、第4燃料供給路33によ
って燃料電池60に導かれ、燃料ガスとして陰極側にお
ける電池反応に供される。燃料電池60で電池反応に用
いられた後の燃料排ガスは、燃料排出路34に排出され
て、後述するバーナ23に導かれ、この燃料排ガス中に
残っている水素が燃焼のための燃料として消費される。
【0050】一方、燃料電池60の陽極側における電池
反応に関わる酸化ガスは、ブロワ25によって供給され
る。ブロワ25は、外部から空気を取り込み、この空気
は、酸化ガス路35を介して燃料電池60の陽極側に供
給される。電池反応に用いられた残りの酸化排ガスは、
酸化排ガス路36を介して外部に排出される。
【0051】バーナ23は、既述したように、水素製造
装置20が備える蒸発器24に併設され、ホルムアルデ
ヒド水溶液の気化・昇温に要する熱エネルギを供給す
る。このバーナ23は、燃焼のための燃料を、燃料電池
60の陰極側およびホルムアルデヒドタンク22から供
給される。燃料電池60は、ホルムアルデヒドを改質器
26で改質して生成した水素リッチガスを燃料として電
気化学反応を行なうが、燃料電池60に供給されたすべ
ての水素が電気化学反応において消費されるわけではな
く、消費されずに残った水素を含む燃料排ガスは燃料排
出路34に排出される。バーナ23は、この燃料排出路
34に接続して燃料排ガスの供給を受け、消費されずに
残った水素を完全燃焼させて燃料の利用率の向上を図っ
ている。通常はこのような排燃料だけではバーナ23に
おける燃焼反応のための燃料として不足するため、この
不足分に相当する燃料、および燃料電池装置50の起動
時のように燃料電池60から排燃料の供給を受けられな
いときの、バーナ23における燃焼反応のための燃料
は、ホルムアルデヒドタンク22からバーナ23に対し
て供給される。バーナ23へホルムアルデヒドを供給す
るためにホルムアルデヒド分岐路38が設けられてい
る。このホルムアルデヒド分岐路38は、ホルムアルデ
ヒドタンク22から蒸発器24にホルムアルデヒドを供
給する第1燃料供給路30から分岐しており、第1ポン
プ51を備えている。なお、ホルムアルデヒドタンク2
2からバーナ23へ燃焼のための燃料として供給される
ホルムアルデヒドは、既述した濃度の水溶液であるた
め、バーナ23には、水素製造装置20の始動時にバー
ナ23の点火を行なう際にホルムアルデヒドを気化させ
るための図示しないヒータが設けられている。
【0052】ここで、バーナ23には第1温度センサ5
3が設けられており、バーナ23での燃焼熱の温度を測
定して、この測定結果を制御部70に入力している。制
御部70は、この第1温度センサ53からの入力結果を
基に、第1ポンプ51に駆動信号を出力して、バーナ2
3に供給するホルムアルデヒド量を調節し、バーナ23
での燃焼温度を所定の範囲に保っている。このバーナ2
3で生じる燃焼ガスは蒸発器24に導かれ、この燃焼ガ
スの有する熱を用いて、蒸発器24では、既述したよう
に、ホルムアルデヒド水溶液の気化・昇温が行なわれ
る。なお、第1燃料供給路30には第2ポンプ52が設
けられており、蒸発器24に供給するホルムアルデヒド
水溶液の量を制御可能となっている。この第2ポンプ5
2もまた制御部70に接続されており、制御部70によ
って、蒸発器24に供給するホルムアルデヒド水溶液の
供給量が制御される。
【0053】制御部70は、マイクロコンピュータを中
心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定
された制御プログラムに従って所定の演算などを実行す
るCPU74と、CPU74で各種演算処理を実行する
のに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納さ
れたROM76と、同じくCPU74で各種演算処理を
するのに必要な各種データが一時的に読み書きされるR
AM78と、既述した温度センサからの検出信号を入力
すると共にCPU74での演算結果に応じて既述した各
種ポンプに駆動信号を出力する入出力ポート72等を備
える。
【0054】以上のように構成された燃料電池装置50
に備えられた本実施例の水素製造装置20によれば、水
素リッチガスを生成するために、ホルムアルデヒドと水
蒸気とを原燃料として用い、ホルムアルデヒドの水蒸気
改質反応を行なうため、改質反応が発熱反応となり、改
質反応を進行させるために熱エネルギを供給する必要が
ない。したがって、従来知られるメタノールの水蒸気改
質反応を行なう場合のように、改質器を加熱するために
エネルギを消費してしまうことがなく、装置全体のエネ
ルギ効率が低下してしまうことがない。また、加熱手段
を設ける必要がないため、加熱手段によって装置が大型
化したり構造が複雑化してしまうことがない。
【0055】さらに、発熱反応であるホルムアルデヒド
の水蒸気改質反応は、吸熱反応であるメタノールの水蒸
気改質反応に比べて反応速度が速い(約5倍)。したが
って、所望の量の水素を、より小さな改質器(触媒を備
える部材)によって得ることができ、水素製造装置全体
をコンパクト化することが可能となる。また、上記ホル
ムアルデヒドの水蒸気改質反応は、150〜200℃の
温度範囲において充分な効率で進行させることができ、
この温度範囲は、メタノールの水蒸気改質反応での望ま
しい温度範囲である250〜300℃に比べて低い。そ
のため、改質器26に供給するのに先だって蒸発器24
で原燃料の気化・昇温を行なう際に要する熱量が、メタ
ノールの水蒸気改質反応を行なう場合に比べて少なくて
済む。したがって、メタノールの水蒸気改質反応を行な
う場合に比べて、蒸発器をより小型化することができ、
蒸発器で消費するエネルギをより少なくすることができ
る。
【0056】また、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
を上記した温度範囲で行なうことによって、メタノール
の水蒸気改質反応を行なう場合に比べて、生成される改
質ガス中の一酸化炭素濃度を低減することができるとい
う効果をも奏する。すなわち、Cu−Zn触媒などの改
質触媒のもとで、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応や
メタノールの水蒸気改質反応を行なうと、上記改質反応
の他に以下の(6)式に示す逆シフト反応が進行する。
【0057】 CO2+H2 → CO+H2O …(6)
【0058】(6)式に示す逆シフト反応は、水蒸気改
質反応によって生じた水素と二酸化炭素から一酸化炭素
を生成する反応である。この逆シフト反応は、水蒸気改
質反応に比べるとごく僅かしか進行しないが、燃料電池
に供給する燃料ガスとして改質ガスを利用する場合のよ
うに、一酸化炭素の濃度がきわめて低いことが要求され
る場合には、逆シフト反応で生じる一酸化炭素が大きく
影響する。ここで、上記逆シフト反応は吸熱反応である
ため、周囲の温度が低い方がその活性は低下する。ホル
ムアルデヒドの水蒸気改質反応は、メタノールの水蒸気
改質反応に比べて低い温度で反応を行なうことができる
ため、水蒸気改質反応と共に進行する逆シフト反応で生
じる一酸化炭素量を少なくすることができる。したがっ
て、本発明の水素製造装置20を燃料電池装置50に組
み込んだ際に、CO低減部28に供給される改質ガス中
の一酸化炭素濃度が低くなるため、CO低減部28をよ
り小型化することが可能となる。
【0059】なお、上記第1実施例の水素製造装置20
では、改質器26において、その外周部に放熱板40を
設け、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応で生じた熱を
放熱によって外部に放出することとしたため、改質器2
6の内部温度を既述した所定の温度範囲に保つためにエ
ネルギを消費することがない。もとより、放熱板40の
ような構造を設けなくても充分に放熱可能であるなら
ば、特別な放熱手段は設けなくても差し支えない。
【0060】以下に、第1実施例の変形例として、図2
に示した改質器26とは異なる放熱手段を設けた構成を
示す。図6は、第1実施例の変形例である水素製造装置
が備える改質器26Aの構成の概略を表わす断面模式
図、図7は、図6の7−7断面を表わす説明図である。
改質器26Aは、図2に示した改質器26が備えるのと
同様の略円柱状の反応部27を備えているが、その外周
部に冷却水路42を形成している。この冷却水路42
は、改質器26Aの外壁と反応部27との間に形成され
た空間であり、第1燃料供給路30の途中に接続されて
いる。したがって、ホルムアルデヒドタンク22に蓄え
られたホルムアルデヒド水溶液は、蒸発器24に供給さ
れるのに先立って、この冷却水路42内に導かれる。冷
却水路42内に導かれたホルムアルデヒド水溶液は、内
部で発熱反応であるホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
を進行する反応部27との間で熱交換を行ない、昇温さ
れた後に、蒸発器24に供給される。
【0061】以上のように構成された改質器26Aを備
える水素製造装置によれば、蒸発器24に供給するホル
ムアルデヒド水溶液を、反応部27との間で熱交換させ
るため、反応部27内の温度を所定の温度範囲内に保つ
ことができるという効果に加えて、ホルムアルデヒドを
気化・昇温させるために要するエネルギ量を削減するこ
とができるという効果を奏する。
【0062】次に、第2実施例として、ホルムアルデヒ
ドの水蒸気改質反応と、メタノールの水蒸気改質反応と
の両方によって水素の製造を行なう水素製造装置を示
す。図8は、第2実施例の水素製造装置120の構成の
概略を模式的に表わす説明図である。水素製造装置12
0は、第1実施例の水素製造装置20とほぼ同様の構成
を備えているため、共通する部材には同じ番号を付して
説明は省略する。この水素製造装置120は、第1実施
例で示した燃料電池装置50と同様の燃料電池装置15
0に備えられて、水素リッチな改質ガスを燃料電池60
に供給する装置であり、水素製造装置20の構成に加え
てメタノールタンク21を備えている。このメタノール
タンク21からメタノールの供給を受けるメタノール流
路39は、既述した第1燃料供給路30に接続してお
り、メタノールとホルムアルデヒド水溶液は混合されて
蒸発器24に供給される。
【0063】ここで、第1燃料供給路30において、上
記メタノール流路39との接続部よりも上流側には、既
述した第2ポンプ52が設けられており、蒸発器24に
供給するホルムアルデヒド水溶液量を制御可能となって
いるが、メタノール流路39にも同様の第3ポンプ54
が設けられており、蒸発器24に供給するメタノール量
を制御可能となっている。この第3ポンプ54は、第2
ポンプ52と同様に制御部70に接続されており、制御
部70によって、蒸発器24に供給されるメタノール量
が制御される。
【0064】蒸発器24に供給されたホルムアルデヒド
水溶液とメタノールとの混合液は、蒸発器24において
昇温・気化されて、Cu−Zn触媒を備える改質器26
に供給される。改質器26では、ホルムアルデヒドとメ
タノールと水蒸気とからなる上記気体を用いて、(2)
式に示したホルムアルデヒドの水蒸気改質反応(発熱反
応)と、(1)式に示したメタノールの水蒸気改質反応
(吸熱反応)との両方が進行する。なお、これらの反応
が進行する際には、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
で生じた熱を利用して、メタノールの水蒸気改質反応が
進行する。
【0065】ここで、改質器26には第2温度センサ5
5が設けられており、反応部27内の温度を検出可能と
なっている。この第2温度センサ55は、制御部70に
接続されており、制御部70は、第2温度センサ55の
検出結果に基づいて、反応部27の温度を調節する。す
なわち、制御部70は、第2温度センサ55の検出結果
に基づいて第2ポンプ52および第3ポンプ54の駆動
量を制御し、改質器26内で進行するホルムアルデヒド
の水蒸気改質反応の量と、メタノールの水蒸気改質反応
の量とを制御する。例えば、反応部27の温度が低下し
過ぎたときには、改質器26に供給するホルムアルデヒ
ド量を増やすことによって、発熱反応であるホルムアル
デヒドの水蒸気改質反応の量を増やす。また、反応部2
7の温度が上昇しすぎたときには、改質器26に供給す
るメタノール量を増やすことによって、吸熱反応である
メタノールの水蒸気改質反応の量を増やす。このとき、
改質器26に供給するホルムアルデヒドおよびメタノー
ルの総量は、燃料電池60に接続される負荷の大きさに
基づいて調節すればよい。このような制御を行なうこと
によって、改質器26で進行する反応による発熱量と吸
熱量とのバランスを取り、反応部27の温度を所定の温
度範囲に制御する。ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
だけを行なう場合は、既述したように150〜200℃
の温度範囲にすることで充分な改質反応の活性が得ら
れ、メタノールの水蒸気改質反応だけを行なう場合に
は、充分な改質反応の活性を得るために通常は250〜
300℃の温度範囲に制御する。ホルムアルデヒドの水
蒸気改質反応とメタノールの水蒸気改質反応とを行なう
本実施例の水素製造装置120では、反応部27の温度
を200〜250℃の温度範囲になるように制御するこ
とで、両方の水蒸気改質反応の活性を確保した。
【0066】なお、第2実施例の水素製造装置120で
は、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応に要する水は、
ホルムアルデヒドと共にホルムアルデヒド水溶液として
ホルムアルデヒドタンク22に蓄えているが、メタノー
ルの水蒸気改質反応で要する水は、燃料電池60におけ
る生成水を利用することとした。図9は、水素製造装置
120を組み込んだ燃料電池装置150の構成の概略を
表わす説明図である。燃料電池60で電気化学反応が進
行する際には、(4)式に示したように陽極側で生成水
が生じるが、燃料電池装置150は、酸化排ガス路36
に凝縮器29を備えており、この凝縮器29を用いて酸
化排ガスから生成水を回収している。凝縮器29で回収
された生成水は、生成水路49を介して蒸発器24に供
給される。生成水路49には、制御部70に接続された
第5ポンプ56が設けられており、蒸発器24に供給す
る生成水量が調節される。制御部70は、第2ポンプ5
2の駆動量に基づいて、蒸発器24に供給されるメタノ
ール量を算出し、算出した量のメタノールを水蒸気改質
するのに要する水が蒸発器24に供給されるように、第
5ポンプ56を駆動する。
【0067】このような凝縮器29を備えることによっ
て、燃料電池装置150の始動時に、燃料電池60から
排出される酸化排ガスから生成水が得られるようになる
までの間にも、凝縮器29内に残留する生成水をメタノ
ールの水蒸気改質反応に供することが可能となる。ある
いは、燃料電池装置150の始動時に改質器26で進行
するメタノールの水蒸気改質反応で要する水を賄うため
に、水素製造装置120において、小容量の水タンクを
備えることとしてもよい。このような水タンクを蒸発器
24にさらに接続し、所定量の水を常に用意する構成と
すれば、燃料電池装置150の始動時に、燃料電池60
から排出される酸化排ガスから生成水が得られるような
るまでの間、メタノールの水蒸気改質反応で要する水
を、蒸発器24を介して改質器26に供給することがで
きる。
【0068】また、第2実施例の水素製造装置120を
備える燃料電池装置150では、バーナ23における燃
焼のための燃料として、メタノールを用いることとし
た。すなわち、メタノール流路39から分岐するメタノ
ール分岐路138を設け、このメタノール分岐路138
をバーナ23に接続して、メタノールを燃焼のための燃
料としてバーナ23に供給している。水素製造装置12
0は、水素を製造する原燃料として、ホルムアルデヒド
水溶液とメタノールとの両方を備えているため、バーナ
23における燃焼のための燃料としては、どちらを用い
ることとしてもよい。
【0069】以上のように構成された第2実施例の水素
製造装置120によれば、ホルムアルデヒドの水蒸気改
質反応で生じた熱を利用して、メタノールの水蒸気改質
反応を行なうため、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
で生じた熱を排出する放熱手段や、メタノールの水蒸気
改質反応で要する熱を供給するための加熱手段を設ける
ことなく、高い効率で改質反応を進行させて水素リッチ
な改質ガスを得ることができる。ここで、改質器26の
内部温度に基づいて、改質器26に供給するホルムアル
デヒド量およびメタノール量を調節しているため、改質
器26内部での発熱量と吸熱量とのバランスをとって、
改質器26の内部温度を所望の温度範囲に維持すること
ができる。
【0070】また、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
は、既述したようにメタノールの水蒸気改質反応よりも
反応速度が速いため、本実施例の水素製造装置120
は、メタノールの水蒸気改質反応だけを行なう従来知ら
れる水素製造装置に比べて、装置全体をコンパクト化す
ることが可能となる。さらに、本実施例の水素製造装置
120では、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応による
発熱量と、メタノールの水蒸気改質反応による発熱量と
のバランスをとる際に、メタノールの水蒸気改質反応だ
けを行なう場合に比べて反応部27の温度を低く設定す
ることができるため、メタノールの水蒸気改質反応だけ
を行なう場合よりも、既述した逆シフト反応が進行しに
くくなり、生成される改質ガス中の一酸化炭素濃度を低
くすることができる。また、ホルムアルデヒドの水蒸気
改質反応とメタノールの水蒸気改質反応とは、同じCu
−Zn触媒によって促進することができるため、改質器
26内で2種類の水蒸気改質反応を行なうことによっ
て、改質器26の構成が複雑化してしまうことがない。
【0071】なお、図9に示した燃料電池装置150で
は、バーナ23に第1温度センサ53を設け、バーナ2
3に供給する燃焼のための燃料の量を調節することによ
って、バーナ23における燃焼温度を制御し、改質器2
6に原燃料として供給する気体の温度を所望の温度に昇
温している。ここで、第2実施例の水素製造装置120
では、改質器26内において、発熱反応と吸熱反応との
両方を行なっているため、供給される原燃料ガスの温度
が望ましい反応温度の範囲内にないときであっても、既
述したようにホルムアルデヒドとメタノールの量を調節
することによって、改質器26の内部温度を容易に所望
の温度範囲に保つことができる。したがって、蒸発器2
4において原燃料ガスを気化・昇温する際に、昇温量を
厳密に調節する必要がない。
【0072】さらに、本実施例の水素製造装置120で
は、原燃料として用いるホルムアルデヒドとメタノール
の量を調節することによって、改質器26の内部温度を
制御することができるため、特に水素製造装置120の
始動時には、装置の立ち上げ時間を短縮することができ
るという効果を奏する。すなわち、水素製造装置120
の始動時には、原燃料中のホルムアルデヒドの割合を増
やして発熱反応を積極的に行ない、改質器26の内部温
度を速やかに所望の温度に昇温させることができる。
【0073】なお、ホルムアルデヒドタンク22が備え
るホルムアルデヒド水溶液は、純度の高いものを用いる
必要はなく、所定量のメタノールを含有するものであっ
てもかまわない。工業的にホルムアルデヒドを製造する
際には、通常はメタノールを原料として製造されるた
め、製造されるホルムアルデヒドは所定量のメタノール
を含有している。第2実施例の水素製造装置120は、
改質器26内で、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
と、メタノールの水蒸気改質反応とを同時に進行させる
ため、所定量のメタノールを含有する上記したようなホ
ルムアルデヒドを用いても差し支えない。
【0074】上記した第2実施例の水素製造装置120
では、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応と共にメタノ
ールの水蒸気改質反応を行なうことによって、改質器2
6の内部温度が所望の温度範囲内となるように制御した
が、メタノールの水蒸気改質反応に変えて、他種の炭化
水素の水蒸気改質反応を行なわせることとしてもよい。
ホルムアルデヒドを除く炭化水素は、水蒸気改質反応を
行なわせると一般的に吸熱反応となるため、ホルムアル
デヒドの水蒸気改質反応と組み合わせることによって、
改質器内の温度を制御することができる。例えば、メタ
ンを主成分とする天然ガス、プロパンを原燃料成分とす
るLPガス、n−オクタンやイソオクタンを原燃料成分
とするガソリン、およびn−セタンを原燃料成分とする
軽油などの水蒸気改質反応はすべて吸熱反応となり、利
用可能である。水蒸気改質反応が吸熱反応となる炭化水
素の水蒸気改質反応と、ホルムアルデヒドの水蒸気改質
反応とを、所定の温度範囲において促進可能となる触媒
を用いれば、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応で生じ
る熱を利用して、メタノール以外の炭化水素の水蒸気改
質反応を行なわせ、水素を製造することができる。
【0075】次に、第3実施例として、上記第2実施例
と同様にホルムアルデヒドタンクとメタノールタンクと
を備える水素製造装置であって、メタノールタンクに蓄
えたメタノールを用いてホルムアルデヒドを生成し、こ
のように生成したホルムアルデヒドをホルムアルデヒド
タンク内に蓄える水素製造装置の構成を示す。図10
は、第3実施例の水素製造装置220の構成の概略を表
わす説明図である。水素製造装置220は、第2実施例
の水素製造装置120とほぼ同様の構成を備えているた
め、共通する部材には同じ番号を付して説明は省略す
る。この水素製造装置220は、燃料電池装置150と
同様の構成を有する燃料電池装置250に備えられて、
水素リッチな改質ガスを燃料電池60に供給する装置で
ある。図11は、燃料電池装置250の構成の概略を表
わす説明図である。ここで、燃料電池装置150と共通
する部材には同じ番号を付し、詳しい説明は省略する。
【0076】水素製造装置220は、水素製造装置12
0の構成に加えて、さらにホルムアルデヒド生成部44
を備えている。このホルムアルデヒド生成部44は、メ
タノールタンク21からメタノール流路45を介してメ
タノールの供給を受け、メタノールからホルムアルデヒ
ドを生成し、生成したホルムアルデヒドをホルムアルデ
ヒド流路47を介してホルムアルデヒドタンク22に供
給する装置である。以下に、(7)式として、ホルムア
ルデヒド生成部44においてメタノールからホルムアル
デヒドを生成する反応を表わす式を示す。
【0077】 CH3OH +(1/2)O2 → HCHO+H2O …(7)
【0078】ホルムアルデヒド生成部44には、メタノ
ールからホルムアルデヒドを生成する際に用いる触媒で
ある周知の銀系または鉄−モリブデン系の触媒が備えら
れている。また、このホルムアルデヒド生成部44には
ブロワ46が接続され、ホルムアルデヒド生成部44に
空気が供給可能となっており、この空気中の酸素は上記
(7)式に示した反応に用いられる。さらに、ホルムア
ルデヒド生成部44には、図示しない点火装置が設けら
れており、上記(7)式に示した反応を行なう際には、
この点火装置を用いた点火の操作によって上記(7)式
の反応を開始させることができる。なお、(7)式の反
応は発熱反応であるため、この反応が一旦開始される
と、反応で生じる熱によってホルムアルデヒド生成部4
4内部を所定の高温に保つことができる。
【0079】上記したホルムアルデヒド生成部44に対
して、メタノールタンク21からはメタノールを、ブロ
ワ46からは空気を供給し、上記した(7)式の反応を
開始させると、ホルムアルデヒドの生成が行なわれ、生
成されたホルムアルデヒドと水、および、反応せずに残
留するメタノールとの混合液がホルムアルデヒドタンク
22に供給される。ここで、メタノール流路45には第
4ポンプ48が設けられており、ホルムアルデヒド生成
部44に供給するメタノール量を調節可能となってい
る。この第4ポンプ48および既述したブロワ46は制
御部70に接続されており、制御部70は、これらの駆
動量を制御することによって、ホルムアルデヒド生成部
44におけるホルムアルデヒドの生成量を制御する。
【0080】ここで、図11に示したように、燃料電池
装置250では、第2実施例で示した燃料電池装置15
0と同様に、燃料電池60における電気化学反応で生じ
た生成水を酸化排ガス中から回収する凝縮器29を備
え、回収した生成水をバーナ23に供給する構成となっ
ている。制御部70は、第2ポンプ52の駆動量および
第3ポンプ54の駆動量から、蒸発器24に供給される
ホルムアルデヒド量およびメタノール量を算出し、これ
らの値に基づいて、改質器26で進行する水蒸気改質反
応で要する水の量を予測して、充分量の水が蒸発器24
に供給されるよう第5ポンプ56を駆動する。なお、凝
縮器29から供給される生成水は、そのすべてを蒸発器
24に直接供給することとしてもよいが、一部をホルム
アルデヒドタンク22に供給することとして、ホルムア
ルデヒドタンク22中のホルムアルデヒド濃度を常に所
定の値に保つ構成としてもよい。
【0081】このような水素製造装置220において、
ホルムアルデヒドタンク22が、充分量のホルムアルデ
ヒドを貯蔵可能な容量を有するならば、ホルムアルデヒ
ド生成部44での処理能力(単位時間当たりに生成可能
なホルムアルデヒドの量)は小さくてもよく、ホルムア
ルデヒド生成部44を小型化することができる。このよ
うな場合には、燃料電池60における発電量が小さいあ
るいは発電が停止しているとき、すなわち、蒸発器24
を介して改質器26に供給されるホルムアルデヒドの量
が少ないあるいは略0であるときに、ホルムアルデヒド
生成部44において積極的にホルムアルデヒドの生成を
行なわせ、ホルムアルデヒドタンク22にホルムアルデ
ヒドを蓄えることとすればよい。また、ホルムアルデヒ
ド生成部44での処理能力が充分である場合には、ホル
ムアルデヒドタンク22の容量を小さくすることができ
る。
【0082】このようにしてホルムアルデヒドタンク2
2に蓄えられたホルムアルデヒドと、外部からメタノー
ルタンク21に供給されたメタノールとを利用して、第
3実施例の水素製造装置では水素の製造が行なわれる。
改質器26において水素を製造する際には、第2実施例
の場合と同様に、第2温度センサ55が検出する改質器
26内の温度に基づいて、第2ポンプ52および第3ポ
ンプ54を駆動し、蒸発器24に供給するメタノール量
およびホルムアルデヒド量を制御する。なお、ホルムア
ルデヒドタンク22に貯蔵されるのは、既述したように
ホルムアルデヒドと水とメタノールとの混合液である
が、ホルムアルデヒドタンク中に混在するメタノール
は、蒸発器24を介して改質器26に供給されるとメタ
ノールの水蒸気改質反応に供されるため、改質器26の
内部温度が低下したときにホルムアルデヒドタンク22
からの供給量を増やす方向の制御を行なうことによっ
て、改質器26の内部温度を所望の温度範囲に保つこと
ができる。
【0083】以上のように構成された第3実施例の水素
製造装置220によれば、メタノールタンク21に貯蔵
されたメタノールを用いてホルムアルデヒドを生成する
ため、水素製造装置220には、外部からメタノールを
供給するだけでよい。外部からメタノールを供給すれ
ば、水素製造装置220の内部でホルムアルデヒドが生
成されるため、ホルムアルデヒドの水蒸気改質反応とメ
タノールの水蒸気改質反応とを組み合わせて水素を製造
することができ、第2実施例と同様の効果を奏すること
ができる。
【0084】なお、水素製造装置220では、外部から
はメタノールタンク21に対してメタノールを供給する
だけでよいが、ホルムアルデヒドも外部からホルムアル
デヒドタンク22に供給可能な構成としてもよい。水素
製造装置220では、改質器26の内部温度に基づい
て、改質器26に供給されるホルムアルデヒド量とメタ
ノール量とが決まるため、改質器26の運転条件などに
よっては、ホルムアルデヒドとメタノールのうちのいず
れか一方の貯蔵量だけが不足するようになる場合があ
る。このような場合に、不足するのがホルムアルデヒド
であれば、ホルムアルデヒド生成部44を備えることに
よって、メタノールからホルムアルデヒドを生成するこ
とができ、直ちにホルムアルデヒドを外部から補給しな
くても、水素の製造を続行することができる。
【0085】既述した実施例では、それぞれの水素製造
装置は、固体高分子型燃料電池を備える燃料電池装置5
0に組み込むこととしたが、異なる構成の燃料電池装置
に組み込むこととしてもよい。固体高分子型燃料電池の
他、りん酸型燃料電池など二酸化炭素を含有する燃料ガ
スを供給可能な他種の燃料電池を備える燃料電池装置に
おいても、上記実施例の水素製造装置を適用することが
できる。また、水素製造装置に対して、混合気体から水
素を分離する水素分離装置(例えば、水素を選択的に透
過するパラジウム膜やパラジウム合金の膜を備える水素
分離装置)を接続し、水素製造装置から得られる改質ガ
ス中の水素濃度を高めて利用することとしてもよい。
【0086】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である水素製造装置2
0の構成の概略を模式的に表わす説明図である。
【図2】改質器26の構成の概略を、断面を模式的に表
わすことによって示した説明図である。
【図3】改質器26の外観を表わす斜視図である。
【図4】水素製造装置20を備える燃料電池装置50の
構成の概略を表わす説明図である。
【図5】燃料電池60が備える単セル68の構成を示す
断面模式図である。
【図6】第1実施例の変形例である水素製造装置が備え
る改質器26Aの構成の概略を表わす説明図である。
【図7】図6に示した改質器26Aにおける7−7線断
面の様子を表わす説明図である。
【図8】第2実施例の水素製造装置120の構成の概略
を模式的に表わす説明図である。
【図9】水素製造装置120を備える燃料電池装置15
0の構成の概略を表わす説明図である。
【図10】第3実施例の水素製造装置220の構成の概
略を表わす説明図である。
【図11】水素製造装置220を備える燃料電池装置2
50の構成の概略を表わす説明図である。
【符号の説明】
20…水素製造装置 21…メタノールタンク 22…ホルムアルデヒドタンク 23…バーナ 24…蒸発器 25…ブロワ 26,26A…改質器 27…反応部 28…CO低減部 29…凝縮器 30…第1燃料供給路 31…第2燃料供給路 32…第3燃料供給路 33…第4燃料供給路 34…燃料排出路 35…酸化ガス路 36…酸化排ガス路 38…ホルムアルデヒド分岐路 39…メタノール流路 40…放熱板 42…冷却水路 44…ホルムアルデヒド生成部 45…メタノール流路 46…ブロワ 47…ホルムアルデヒド流路 48…第4ポンプ 49…生成水路 50…燃料電池装置 51…第1ポンプ 52…第2ポンプ 53…第1温度センサ 54…第3ポンプ 55…第2温度センサ 60…燃料電池 61…電解質膜 62…アノード 63…カソード 64,65…セパレータ 64P…燃料ガス流路 65P…酸化ガス流路 68…単セル 70…制御部 72…入出力ポート 74…CPU 76…ROM 78…RAM 120…水素製造装置 138…メタノール分岐路 150…燃料電池装置 220…水素製造装置 250…燃料電池装置

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原燃料から所定の改質反応によって水素
    を製造する水素製造方法であって、 前記原燃料としてホルムアルデヒドと水蒸気とを用い、
    前記改質反応としてホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
    を進行させ、前記ホルムアルデヒドと水蒸気とから前記
    水素を製造することを特徴とする水素製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水素製造方法であって、 前記原燃料として、前記水蒸気との間での水蒸気改質反
    応が吸熱反応となる炭化水素をさらに用い、前記ホルム
    アルデヒドの水蒸気改質反応によって生じた熱を利用し
    て、前記改質反応としてさらに前記炭化水素の水蒸気改
    質反応を進行させ、前記炭化水素と水蒸気とから前記水
    素を製造することを特徴とする水素製造方法。
  3. 【請求項3】 前記炭化水素がメタノールである請求項
    2記載の水素製造方法。
  4. 【請求項4】 原燃料を供給する供給手段と、該供給手
    段によって供給された前記原燃料から改質反応によって
    水素を生成する反応部と、を備える水素製造装置であっ
    て、 前記供給手段は、前記原燃料としてホルムアルデヒドと
    水蒸気とを供給し、 前記反応部は、前記改質反応としてホルムアルデヒドの
    水蒸気改質反応を促進させる触媒を備え、前記ホルムア
    ルデヒドの水蒸気改質反応によって、前記ホルムアルデ
    ヒドと水蒸気とから前記水素を製造することを特徴とす
    る水素製造装置。
  5. 【請求項5】 前記反応部は、前記ホルムアルデヒドの
    水蒸気改質反応で生じた熱を放熱する放熱手段をさらに
    備える請求項4記載の水素製造装置。
  6. 【請求項6】 前記放熱手段は、前記反応部の外周部に
    設けた放熱板である請求項5記載の水素製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の水素製造装置であって、 前記供給手段は、液体状の前記ホルムデヒドと水とを供
    給されて、前記反応部への供給に先立ってこれらを気化
    させる気化手段を備え、 前記放熱手段は、前記気化手段に供給する前記液体状の
    ホルムアルデヒドおよび/または水が通過する流路を、
    前記反応部に引き回し、前記流路と前記反応部との間で
    熱交換を行なわせる水素製造装置。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の水素製造装置であって、 前記供給手段は、前記原燃料として、水蒸気改質反応が
    吸熱反応となる炭化水素をさらに供給し、 前記反応部は、前記改質反応として前記炭化水素の水蒸
    気改質反応を促進させる触媒をさらに備え、前記ホルム
    アルデヒドの水蒸気改質反応によって生じた熱を利用し
    て、前記炭化水素の水蒸気改質反応をさらに進行させ、
    前記炭化水素と水蒸気とから前記水素を製造することを
    特徴とする水素製造装置。
  9. 【請求項9】 前記炭化水素がメタノールである請求項
    8記載の水素製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の水素製造装置であっ
    て、 前記供給手段は、 前記反応部に供給すべきホルムアルデヒドを貯蔵するホ
    ルムアルデヒド貯蔵手段と、 前記反応部に供給すべきメタノールを貯蔵するメタノー
    ル貯蔵手段と、 所定の触媒を備え、前記メタノール貯蔵手段から前記メ
    タノールの供給を受けて、前記触媒を利用した所定の化
    学反応によってメタノールからホルムアルデヒドを生成
    し、該生成したホルムアルデヒドを前記ホルムアルデヒ
    ド貯蔵手段に供給するホルムアルデヒド生成手段とを備
    える水素製造装置。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし10いずれか記載の水
    素製造装置と、 前記水素製造装置が製造した水素を含有するガスの供給
    を受けて発電を行なう燃料電池とを備える燃料電池装
    置。
  12. 【請求項12】 原燃料から改質反応によって水素を製
    造する際に用いる改質触媒であって、 前記原燃料としてホルムアルデヒドと水蒸気とを用い、
    前記改質反応としてホルムアルデヒドの水蒸気改質反応
    を進行させ、前記ホルムアルデヒドと水蒸気とから前記
    水素を製造する際に、前記ホルムアルデヒドの水蒸気改
    質反応を促進する改質触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7481982B2 (en) 2003-01-09 2009-01-27 Nissan Motor Co., Ltd. Carbon monoxide oxidizer
DE102013011379A1 (de) 2013-07-09 2015-01-15 Universität Zu Köln H2-Produktion

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DE102013011379B4 (de) * 2013-07-09 2018-10-25 Martin Prechtl H2-Produktion

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