JPH1138300A - 光学素子保持方法 - Google Patents

光学素子保持方法

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JPH1138300A
JPH1138300A JP19351597A JP19351597A JPH1138300A JP H1138300 A JPH1138300 A JP H1138300A JP 19351597 A JP19351597 A JP 19351597A JP 19351597 A JP19351597 A JP 19351597A JP H1138300 A JPH1138300 A JP H1138300A
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JP
Japan
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optical element
adhesive
holding
lens
holding frame
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JP19351597A
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Akira Inoue
晃 井上
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高性能な光学素子と保持枠との接着強度および
接着耐久性を向上させることができる光学素子保持方法
を提供する。 【解決手段】光学素子1を接着剤6によって保持枠2に
接着して保持する光学素子保持方法において、光学素子
1の光学有効径外である外周部4にプライマー層を設け
る工程と、前記プライマー層に接着剤6を塗布する工程
と、接着剤6を塗布した光学素子1と保持枠2とを接着
して光学素子1と保持枠2とを一体にする工程とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カメラ、顕微鏡、
内視鏡、双眼鏡、ピックアップなどに用いる光学素子の
保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学素子に用いられる樹脂には、
ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリカーボネ
ート(PC)が広く知られている。近年、耐熱性、耐湿
性、低複屈折性に優れた光学材料として、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂が注目されている。これらの光学材料
は、射出成形により容易にレンズやプリズムなどの光学
素子の形状に成形することができる。しかし、これらの
光学材料を用いた射出成形作業では、金型と成形品との
離型性をよくするために、離型剤を樹脂内に添加した
り、金型の表面に付着させたりすることがある。このよ
うにすると、離型性は良好で成形効率は向上するが、一
方、成形品たる光学素子の接着性が低下し、光学素子を
保持枠に接着剤で強固に固定することができなくなる欠
点があった。特に、熱可塑性ノルボルネン系樹脂からな
る光学素子は接着性が極端に悪く、離型剤の有無に拘ら
ず、接着剤にて保持枠に強固に固定することができなか
った。
【0003】この欠点を解消する手段の一つに、「熱可
塑性ノルボルネン系樹脂の接着方法」として、特開平5
−86211号公報所載の技術(従来技術1)が開示さ
れている。この従来技術1は、接着面が熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂からなる成形品の接着方法において、極性
基を有するシンクロペンジェン系樹脂またはその水素添
加物の溶液から成るプライマー組成物を、該表面に塗布
した後、接着剤を用いて被着体と接着する。これによ
り、熱可塑性ノルボルネン系樹脂と接着剤層の間の接着
力が強くなり、強固に接着することができるというもの
である。
【0004】また、光学素子表面のハードコートと光学
素子材料との密着性を向上させる目的で、「プライマー
組成物及びプラスチックレンズの製造方法」として、特
開平7−133411号公報所載の技術(従来技術2)
が開示されている。この従来技術2のプラスチックレン
ズの製造方法は、オレフィン系オリゴマーを主成分とし
て含有するプライマー組成物をプラスチックレンズ基板
上に塗布、加熱硬化させてプライマー層を設け、その上
に有機ハードコート層を設け、さらにその表面に蒸着に
より単層あるいは多層の無機反射防止層を設けるという
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来技
術には、つぎのような問題点があった。即ち、従来技術
1では、初期接着強度は大きいが、温湿度サイクル試験
のような、環境促進試験を行った後には、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂と接着剤層との接着強度が低下し、さら
に、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の表面が僅かに白化す
るという欠点がある。
【0006】また、従来技術2では、オレフィン系オリ
ゴマーを主成分としたプライマーを80℃にて30分間
の加熱硬化が必要であり、高性能な光学素子にこの技術
を摘要すると、加熱硬化工程において、面精度などの光
学性能が変化するという欠点がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1、2または3に係る発明の課題
は、高性能な光学素子と保持枠との接着強度および接着
耐久性を向上させることができる光学素子保持方法を提
供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明の光学素子保持方法は、光学素
子を接着剤によって保持枠に接着して保持する光学素子
保持方法において、前記光学素子の光学有効径外である
外周部にプライマー層を設ける工程と、前記プライマー
層に接着剤を塗布する工程と、接着剤を塗布した光学素
子と前記保持枠とを接着して光学素子と保持枠とを一体
にする工程とを有するものである。また、請求項2に係
る発明の光学素子保持方法は、請求項1に係る発明の光
学素子保持方法において、前記光学素子が熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂からなるものである。さらに、請求項3
に係る発明の光学素子保持方法は、請求項1または2に
係る発明の光学素子保持方法において、前記プライマー
層が、極性基を有するポリプロピレン系、ポリエチレン
とポリプロピレンとの共重合体、オレフィン系熱可塑性
エラストマーの単体、またはこれらを主成分とする混合
物であるプライマー組成物からなるものである。
【0009】すなわち、請求項1に係る発明の光学素子
保持方法は、光学素子の光学有効径外である外周部にプ
ライマー層を設け、このプライマー層に接着剤を塗布す
る。そして、接着剤を塗布した光学素子と保持枠とを接
着して光学素子と保持枠とを一体にする。また、請求項
2に係る発明の光学素子保持方法は、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂からなる光学素子の光学有効径外である外周
部にプライマー層を設け、このプライマー層に接着剤を
塗布する。そして、接着剤を塗布した光学素子と保持枠
とを接着して光学素子と保持枠とを一体にする。さら
に、請求項3に係る発明の光学素子保持方法は、光学素
子の光学有効径外である外周部に、極性基を有するポリ
プロピレン系、ポリエチレンとポリプロピレンとの共重
合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーの単体、また
はこれらの混合物であるプライマー組成物からなるプラ
イマー層を設け、このプライマー層に接着剤を塗布す
る。そして、接着剤を塗布した光学素子と保持枠とを接
着して光学素子と保持枠とを一体にする。
【0010】
【発明の実施の形態】光学素子保持方法について、具体
的に説明する。まず、PMMA、PC、または熱可塑性
ノルボルネン系樹脂からなるプラスチック製光学素子の
光学有効径外である外周部、特に、保持枠との接着部表
面にプライマー層を設ける。これにより、このプライマ
ー層に接着剤を塗布し、保持枠に光学素子を接着する
と、接着部の接着耐久性が大幅に改良され、光学素子の
光学性能が長期的に安定する。ここで、光学素子の材料
を、PMMA、PC、または熱可塑性ノルボルネン系樹
脂にのみ限定するものではなく、一般に光学用として市
販されている樹脂を用いればよい。また、光学素子の形
状も特に制限するものではない。
【0011】プラスチック製光学素子の光学有効径外で
ある外周部に設けられるプライマー層は、溶剤により希
釈されたプライマー溶液を刷毛塗り、ガンスプレー、ス
ピンコートなど通常の塗布方法により形成される。プラ
イマー組成物は、極性基を有するポリプロピレン系、ポ
リエチレンとポリプロピレンとの共重合体、オレフィン
系熱可塑性エラストマーの単体、またはこれらを主成分
とする混合物であり、有機溶剤にて希釈して塗布され
る。プライマー組成物の極性基は、水酸基、カルボン酸
基、エステル基、カルボキシル基などが好ましく、必要
に応じて、塩素化ポリプロピレン、塩素化マイレン化ポ
リエチレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン等の塩素
化物などを加えてもよい。さらに必要に応じて、酸化防
止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化チタンや有機顔料
などの着色剤、カーボンブラック、フェライトなどの導
電性付与剤などを添加してもよい。
【0012】塗布量は、通常、5〜200g/m2 程度
である。有機溶剤は、プライマー組成物が溶解するもの
であれば、特に限定されない。通常、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族系炭化水素系溶剤;ヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素系溶剤;シ
クロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン
などの脂環族炭化水素系溶剤;メタノール、エタノー
ル、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール系溶剤;
アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル系溶剤などが単体または混合して用いられる。
なお、溶解濃度は1〜20重量%程度とし、好ましくは
5〜15重量%とする。
【0013】プラスチック製光学素子と保持枠とを接着
する接着剤は、特に制限されるものではないが、光学歪
みを低減するために弾性を有する接着剤が好ましい。通
常、弾性エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリウ
レタン系接着剤、シリコーン系接着剤などが、それぞれ
の接着剤に応じた方法により使用される。
【0014】(実施の形態1)図1〜図3は実施の形態
1を示し、図1はレンズと保持枠とを示す半断面図、図
2はレンズ保持装置の半断面図、図3はレンズ保持装置
の上面図である。
【0015】図1において、光学素子としてのレンズ1
は、材質がポリカーボネート、光学素子有効径がφ11
mm、曲率半径R20mmの平凹レンズである。光学素
子有効径より外側、すなわち光学素子有効径外は、光軸
に対して直交する方向に、レンズ側面4の外径φ15m
mまで上下面ともに平面加工されている。
【0016】一方、保持枠2は、材質がガラスフィラー
入りのポリカーボネート、外径がφ19mm、上部内径
2aがφ15mmより多少大きく、下部内径2bがφ1
2mmである。上部内径2aと下部内径2bとの段部に
は、レンズ1を載置するためのレンズ受け部5が凸設さ
れている。レンズ受け部5の外周には、接着剤を逃がす
ための溝として接着剤逃げ部3が形成されている。
【0017】プライマー組成物として、三井石油化学
(株)製のポリオレフィン系ユニストールP−401を
用い、10重量%になるようにトルエンにて希釈した溶
液を使用する。接着剤は、東レダウコーニング(株)製
のシリコーン接着剤SE9186を使用する。
【0018】つぎに、レンズと保持枠との接着による保
持方法を説明する。まず、レンズ1を図示しない回転可
能なレンズ保持手段により保持する。つぎに、このレン
ズ保持手段に保持されたレンズ1を回転させながら、光
学素子有効径外である外周部としてのレンズ側面4にプ
ライマー溶液を図示しない刷毛で塗布する。塗布された
プライマー溶液は速乾性であるため、十数秒程度で溶剤
が乾燥し、レンズ側面4にプライマー層が形成される。
その後、レンズ保持手段に保持されたレンズ1を回転さ
せながら、レンズ側面4に形成されたプライマー層の上
に接着剤をシリンジによって20〜25mg塗布する。
【0019】つぎに、保持枠2を図示しない固定手段に
固定させ、上記プライマー層の上に接着剤が塗布された
レンズ1を回転させながら、保持枠2のレンズ受け部5
に載置する。その結果、図2および図3に示すように、
接着剤は、保持枠2の上部内径2aとレンズ側面4との
間に介在して接着部6を形成し、余剰の接着剤は接着剤
逃げ部3に流出し滞留する。本実施の形態に用いた接着
剤は、空気中の湿気により硬化するため、その状態で約
1時間静置する。1時間経過後は、接着剤が仮硬化する
ので、移動しても差し支えないが、完全に硬化するまで
は24時間程度を必要とする。24時間経過後、図2お
よび図3に示すレンズ保持装置を得ることができる。こ
のレンズ保持装置は、鏡筒等に組み込まれて、光学系の
構成素子として利用される。
【0020】本実施の形態によれば、レンズの光学有効
径外にプライマー層を設けたので、接着剤との親和性が
よくなり、プラスチックレンズと保持枠との接着強度お
よび接着耐久性を向上させることができる。また、保持
枠に接着剤逃げ部を設けたので、接着剤がレンズ下部に
回り込まないようにしているため、接着剤にて保持した
レンズの光学歪みを低減することができる。これによ
り、長期的および耐環境的に光学性能が安定したレンズ
保持装置を提供することができる。
【0021】(実施の形態2)図4〜図6は実施の形態
2を示し、図4はレンズと保持枠とを示す半断面図、図
5はレンズ保持装置の半断面図、図6はレンズ保持装置
の上面図である。
【0022】図4において、光学素子としてのレンズ1
1は、材質が熱可塑性ノルボルネン系樹脂、光学素子有
効径がφ11mm、曲率半径R20mmの平凹レンズで
ある。光学素子有効径より外側、すなわち光学素子有効
径外は、光軸に対して直交する方向に、レンズ側面14
の外径φ15mmまで上下面ともに平面加工されてい
る。
【0023】一方、保持枠12は、材質がガラスフィラ
ー入りのポリカーボネート、外径がφ19mm、上部内
径12aがφ15mmより多少大きく、下部内径12b
がφ12mmである。上部内径12aと下部内径12b
との段部には、レンズ11を載置するためのレンズ受け
部15が凸設されている。レンズ受け部15の外周に
は、接着剤を逃がすための溝として接着剤逃げ部13が
形成されている。
【0024】プライマー組成物として、三井石油化学
(株)製のポリオレフィン系ユニストールP−801を
用い、5重量%になるように酢酸ブチルにて希釈した溶
液を使用する。接着剤は、信越化学工業(株)製のUV
・RTV硬化型シリコーン接着剤を使用する。
【0025】つぎに、レンズと保持枠との接着による保
持方法を説明する。まず、レンズ11を図示しない回転
可能なレンズ保持手段により保持する。つぎに、このレ
ンズ保持手段に保持されたレンズ11を回転させなが
ら、光学素子有効径外である外周部としてのレンズ側面
14にプライマー溶液を刷毛で塗布する。塗布されたプ
ライマー溶液は速乾性であるため、十数秒程度で乾燥
し、レンズ側面14にプライマー層が形成される。その
後、保持枠12を図示しない固定手段に固定させ、上記
プライマー層が形成されたレンズ11を、保持枠12の
レンズ受け部15に載置する。そして、保持枠12の上
部内径12aとレンズ側面14に形成されたプライマー
層との間に接着剤をシリンジによって20〜25mg供
給する。その結果、図5および図6に示すように、接着
剤は、保持枠12の上部内径12aとレンズ側面14と
の間に介在して接着部16を形成し、余剰の接着剤は接
着剤逃げ部13に流出し滞留する。
【0026】接着剤の供給後、スポット像を確認しなが
ら光学心を調整し、適正な状態となった時点で、図示し
ないライトガイド型UV光(80mW/cm2 の照度で
20秒程度)を照射する。本接着剤は、UV・RTV硬
化型であり、UV光で接着剤が仮硬化するので、移動し
ても差し支えないが、空気中の湿気によって完全に硬化
するまでは24時間程度を必要とする。24時間経過
後、図5および図6に示すレンズ保持装置を得ることが
できる。このレンズ保持装置は、鏡筒等に組み込まれ
て、光学系の構成素子として利用される。
【0027】本実施の形態によれば、実施の形態1と同
様の効果に加え、UV硬化型接着剤を用いて、光学心を
調整した後に接着剤をUV光にて瞬時に硬化させている
ため、レンズ保持装置の光学心の精度が極めて良好とな
る。
【0028】(実施の形態3)図7〜図9は実施の形態
3を示し、図7はプリズムと保持枠とを示す正面図、図
8はプリズム保持装置の正面図、図9はプリズム保持装
置の上面図である。
【0029】図7において、光学素子としてのプリズム
21は、材質が熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオ
ン(株)製、ゼオネックス)、大きさは10mm程度で
ある。一方、保持枠22は、材質がカーボンフィラー入
りポリカーボネートであり、上面22aの一端に当付け
部23を凸設し、上面22aの中央に有底孔状の接着剤
逃げ部25を凹設している。
【0030】プライマー組成物として、三井石油化学
(株)製のポリオレフィン系ユニストールP−801を
用い、10重量%になるように酢酸エチルにて希釈した
溶液を使用する。接着剤は、信越化学工業(株)製のR
TV硬化型シリコーン接着剤KE3495を使用する。
【0031】つぎに、プリズムと保持枠との接着による
保持方法を説明する。まず、プリズム21の光学有効径
外の外周部である保持枠接触部24にプライマー溶液を
刷毛で塗布する。塗布したプライマー溶液は速乾性であ
るため、十数秒程度で溶剤が乾燥し、均一なプライマー
層が形成される。つぎに、接着剤をプリズム21の保持
枠接触部24にシリンジを用いて20〜25mg塗布す
る。
【0032】ついで、保持枠22を図示しない固定手段
に固定し、接着剤を塗布したプリズム21を、保持枠2
2の当付け部23に当接するように接着する。図8およ
び図9に示すように、接着剤はプリズム21と保持枠2
2との間の接着部26に介在し、余剰の接着剤は接着剤
逃げ部25に流出し滞留する。本接着剤は空気中の湿気
により硬化するため、その状態で約1時間静置する。1
時間経過後は、接着剤が仮硬化するので、移動しても差
し支えないが、完全に硬化するまでは24時間程度を必
要とする。24時間経過後、図8および図9に示すプリ
ズム保持装置を得ることができる。このプリズム保持装
置は、鏡筒等に組み込まれて、光学系の構成素子として
利用される。
【0033】本実施の形態によれば、プリズムの光学有
効径外たる保持枠接触部にプライマー層を設けたので、
接着剤との親和性がよくなり、プラスチックプリズムと
保持枠との接着強度および接着耐久性を向上させること
ができる。また、保持枠に接着剤逃げ部を設けたので、
接着剤がプリズムの側面に流出しないようにしているた
め、接着剤にて保持したプリズムの光学歪みを低減する
ことができる。これにより、長期的および耐環境的に光
学性能が安定したプリズム保持装置を提供することがで
きる。
【0034】
【発明の効果】請求項1、2または3に係る発明の光学
素子保持方法によれば、光学素子と保持枠との接着強度
および接着耐久性を向上させることができる。請求項2
または3に係る発明の光学素子保持方法によれば、上記
効果に加え、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の特徴である
耐熱性、耐湿性および低複屈折性などに優れた光学素子
保持装置を得ることができる。請求項3に係る発明の光
学素子保持方法によれば、上記効果に加え、プライマー
層を染料や顔料を用いて着色できるため、光学素子保持
装置の耐熱性や耐候性等を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のレンズと保持枠とを示す半断面
図である。
【図2】実施の形態1のレンズ保持装置の半断面図であ
る。
【図3】実施の形態1のレンズ保持装置の上面図であ
る。
【図4】実施の形態2のレンズと保持枠とを示す半断面
図である。
【図5】実施の形態2のレンズ保持装置の半断面図であ
る。
【図6】実施の形態2のレンズ保持装置の上面図であ
る。
【図7】実施の形態3のプリズムと保持枠とを示す正面
図である。
【図8】実施の形態3のプリズム保持装置の正面図であ
る。
【図9】実施の形態3のプリズム保持装置の上面図であ
る。
【符号の説明】
1 レンズ 2 保持枠 4 レンズ側面 6 接着部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子を接着剤によって保持枠に接着
    して保持する光学素子保持方法において、 前記光学素子の光学有効径外である外周部にプライマー
    層を設ける工程と、前記プライマー層に接着剤を塗布す
    る工程と、接着剤を塗布した光学素子と前記保持枠とを
    接着して光学素子と保持枠とを一体にする工程とを有す
    ることを特徴とする光学素子保持方法。
  2. 【請求項2】 前記光学素子が熱可塑性ノルボルネン系
    樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の光学素子
    保持方法。
  3. 【請求項3】 前記プライマー層が、極性基を有するポ
    リプロピレン系、ポリエチレンとポリプロピレンとの共
    重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマーの単体、ま
    たはこれらを主成分とする混合物であるプライマー組成
    物からなることを特徴とする請求項1または2記載の光
    学素子保持方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003171597A (ja) * 2001-12-03 2003-06-20 Nippon Paper Industries Co Ltd 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂用プライマー及びそれを用いた接着方法又は塗工方法
JP2009169358A (ja) * 2008-01-21 2009-07-30 Canon Inc 投射型表示装置
JP2014157646A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Hitachi Media Electoronics Co Ltd 光学部品の接着構造、製造方法および映像出力装置

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