JPH11355763A - 監視システムおよび監視方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 １台のカメラで死角なく広範囲の領域を監視
できる監視システムを提供する。 【解決手段】 超広角レンズである魚眼レンズ２ａを備
えたビデオカメラ２により監視対象の、死角のない、広
範囲な情報を含んでいる超広角映像データを取得しＶＴ
Ｒ３に記録する。ＶＴＲ３に記録された超広角映像デー
タは歪みのある映像なので、それを画像処理装置４によ
って画像処理して歪みを補正し監視しやすい映像でモニ
タ５に表示する。本発明の監視システム１であれば、１
台のビデオカメラで広範囲の監視映像を取得することが
可能であり、その映像を記録あるいは表示することによ
り監視能力の高い監視システムを低コストで構築するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、映像を用いて広範
囲な領域を監視可能な監視システムおよび監視方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ビデオカメラなどで監視対象の領域の映
像を取得し、これをモニタに映し出して監視対象の領域
の状態を監視するシステムが用いられている。このシス
テムでは、ビデオカメラで得た映像をビデオテープなど
の記録媒体に記録することによって監視対象の映像を保
存することが可能である。また、監視対象の領域が複数
ある場合でも、それぞれの領域にビデオカメラをセット
し、それらから得られた映像をモニタに切り替えて表示
したり、あるいは、複数のモニタに映し出すことにより
集中して監視することができる。さらに、広い領域を監
視する場合でも、死角が発生しないように複数のビデオ
カメラを設定することにより全ての領域を漏れなく監視
することができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、監視領
域が広い場合は複数のビデオカメラを設置して、監視領
域を分割した映像を得る必要がある。また、ビデオカメ
ラによる死角が発生しないように監視領域全体の画像を
得ようとすると、死角をカバーするために複数のビデオ
カメラを設置する必要がある。したがって、このような
場合は、複数のビデオカメラが必要になるのに加えて、
これらから得られた映像を切り替えて表示できるモニ
タ、あるいは、それらの映像を個別に表示できる複数の
モニタを備えたシステムが必要になる。このため、監視
システムを構築するための費用が高くなる。また、複数
のビデオカメラから得られた映像を切り替えて見ないと
全体が監視できないので、監視員の労力が大きく、十分
な監視が行いにくい。さらに、監視対象領域の映像を保
存するためには、複数のビデオカメラで取得された映像
をビデオテープに記録および保管しなければならないの
でコストが高く、また、大量のビデオテープが必要にな
る。ビデオテープにできるだけ大量の映像を保存するた
めにビデオテープを低速にすると、画質が劣化するので
細部までモニタできず、十分な監視ができない。

【０００４】そこで、本発明においては、監視対象領域
が広い場合などでも、数少ないビデオカメラを設置する
だけで死角が発生しないように監視ができる監視システ
ムおよび監視方法を提供することを目的としている。ま
た、記録が必要な映像データの量も削減可能な監視シス
テムおよび監視方法を提供することも本発明の目的とし
ている。さらに、記録容量を増やさなくても記録された
映像の詳細な部分も鮮明に再現することが可能な監視シ
ステムおよび監視方法を提供することも本発明の目的と
している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、ｆθレンズ、特に、魚眼レンズなどの超広角レン
ズを用いて監視対象領域の超広角映像データを取得する
と共に、モニタに表示するときは歪曲収差などの歪みを
補正して見やすい画像で表示できるようにしている。す
なわち、本発明の監視システムは、超広角レンズを用い
て監視対象領域の超広角映像データを取得可能な映像取
得手段と、超広角映像データの少なくとも１部の映像デ
ータに対し、少なくとも歪みを補正する画像処理を行っ
て出力可能な出力手段とを有することを特徴としてい
る。

【０００６】魚眼レンズなどの画角の大きな超広角レン
ズを用いることにより広い視野の映像を得ることができ
るので、監視領域が広くても１台あるいは数台の映像取
得手段をセットするだけで監視領域全体をカバーするの
に十分な映像データを取得することができる。また、画
角の広い映像データが得られるので死角をなくすことが
でき、死角を補うための別の映像取得手段は不要とな
る。しかしながら、超広角レンズを用いて得られた映像
は歪曲収差などによって歪んでいるのでそのままでは監
視に適した画質ではなく、そのまま表示出力しても監視
している内容の把握が難しい。このため、本発明の監視
システムにおいては、出力手段で少なくとも歪みを補正
する画像処理を行って出力することにより画質も監視に
十分な映像が表示できるようにしている。このように、
本発明の監視システムは、超広角レンズを用いて映像デ
ータを取得しているので広い領域であっても数少ない映
像取得手段、例えば、１台のビデオカメラを設置するだ
けで死角のない映像を取得することが可能であり、さら
に、取得した超広角映像データを画像処理して表示する
ようにしているので監視するのに十分な画質の映像を出
力することができる。したがって、監視対象領域が広い
場合でも、低コストで監視システムを構築することが可
能である。また、死角をカバーする映像が不要となり、
広い領域であっても数少ない映像で監視できるので、い
くつかの映像データを見比べたり、切り替えて表示しな
くても良く、監視対象領域の状況が把握し易い、監視能
力の高い監視システムを提供できる。

【０００７】出力手段は、超広角レンズで得られた超広
角映像データ全体を画像処理して一括表示することも可
能である。また、超広角映像データは広い領域をカバー
した映像であるので、出力手段により超広角映像データ
の一部を画像処理して出力することにより監視に適した
縮尺あるいは大きさの画像を表示することもできる。も
ちろん、超広角映像データに含まれる全画面を補正し
て、あるいは補正しないで表示すると共に、その一部を
画像処理して表示することも可能である。

【０００８】さらに、超広角映像データは、１つまたは
数少ない映像取得手段により得られる、広い監視領域を
カバーする情報が集約された映像データなので、監視対
象領域の広さに対し映像データの量はすくなくなる。し
たがって、超広角映像データの状態で記録することによ
り、記録容量の限られた記録手段に長期間の映像データ
を記録することができる。そして、再生するときに出力
手段により画像補正を行うことができるので、監視する
のに十分な画質の映像を出力することができる。

【０００９】また、さらに、記録手段に記録された超広
角画像に含まれる前後いずれかあるいは両方の複数フレ
ームの情報を用いることにより、出力手段から出力され
る監視用の画像をより鮮明にすることも可能である。し
たがって、限られた容量の記録手段に広い監視領域の映
像データを長期間にわたり記録することが可能であり、
その記録された映像データに基づき鮮明な画像を再生す
ることができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１に、本発明にかかる監視シス
テムの概要を示してある。本例の監視システム１は、監
視対象領域の映像を取得するビデオカメラ２と、このビ
デオカメラ２で取得した映像データを記録するビデオテ
ープレコーダ（ＶＴＲ）３と、このＶＴＲ３に記録され
た映像データを再生し、歪みを補正して出力する画像処
理装置４と、この画像処理装置４から出力された画像を
表示するモニタ５とを備えている。ビデオカメラ２は、
監視対象領域の映像を写すために魚眼レンズ２ａを備え
ている。魚眼レンズ２ａは、対物面の曲率が非常に大き
なレンズであり、ほぼ１８０度の画角をカバーすること
ができる。したがって、監視対象領域が広い場合でも、
１台のビデオカメラ２で死角がほとんどない映像を取得
することができる。

【００１１】魚眼レンズ２ａを介してビデオカメラ２で
得られた映像は、半球状の歪みのある円形映像である
が、ほぼ１８０度の視野をカバーする超広角映像であ
る。したがって、監視システム１の監視対象としている
領域が広い場合であっても、１台のビデオカメラ２でそ
の領域全体をカバーすることが可能であり、死角の無い
映像を得ることができる。そして、その超広角映像デー
タをそのままＶＴＲ３に記録することにより、ビデオカ
メラ１台分の映像データで広い領域を監視可能な映像を
記録できる。このため、本監視システム１においては、
限られた容量のビデオテープに長期間にわたる映像デー
タを収納することができる。

【００１２】しかしながら、ＶＴＲ３で記録された映像
データは、上述したように半球状の歪みのある映像なの
で、そのままモニタ５に表示しても、その映像の内容を
すぐに把握することは難しい。このため、本例の監視シ
ステム１においては、画像処理装置４によって半球状の
歪みのある映像を画像処理して平坦な歪みのない、ある
いは歪みの少ない映像に変換し、モニタ５に表示するよ
うにしている。したがって、ＶＴＲ３に記録された映像
データは歪曲した映像データであるが、モニタ５では歪
曲収差のない、あるいは少ない映像で監視対処領域を監
視することができる。

【００１３】図２に、本例の監視システム１において映
像を取得し、それを表示するまでの概略工程を纏めて示
してある。まず、ステップ１１で、魚眼レンズ２ａの装
着されたビデオカメラ２によって全方位をカバーでき、
死角のない超広角映像データを取得する。ビデオカメラ
２に装着されるレンズは、魚眼レンズに限定されること
はなく、通常のレンズよりマイナス歪曲の大きなドーム
状の対物面を持った、他のタイプのｆθレンズ、例えば
ロッドレンズなどであってももちろん良い。これらの超
広角レンズを採用することにより、通常のレンズではカ
バーできない画角の広い映像データを得ることができ
る。このため、広い領域であっても１台あるいは数台の
ビデオカメラでカバーすることが可能であり、さらに、
死角ない映像を取得することができる。このビデオカメ
ラ２で得られた超広角映像データは、ステップ１２でＶ
ＴＲ３に記録される。通常の監視状態では、カメラ２の
映像をそのままモニタに出力するリアルタイム監視が選
択され、また、必要に応じて記録された映像データを再
生することによって過去の映像を見ることができる。こ
のため、ステップ１３でリアルタイム監視あるいは再生
が選択され、再生が必要なときにＶＴＲ３に記録された
映像データがステップ１６で再生される。再生された映
像あるいはビデオカメラ２から得られるリアルタイム監
視用の映像は、超広角映像データであり主に周辺の映像
が歪曲され集約された画像である。このため、そのまま
でもモニタ５に写すことは可能であるが、一見して監視
対象領域の状態を把握できる映像ではない。したがっ
て、ステップ１４で画像処理装置４を用いて画像処理を
行い周辺部分の歪曲を補正してモニタ５に出力し、ステ
ップ１５で表示出力するようにしている。

【００１４】図３に本例のモニタ出力される画像の概要
を示し、図４に画像出力を制御するために画像処理装置
４に設けられた操作パネル４ａの概要を示してある。Ｖ
ＲＴ３に記録された超広角映像データは、上述したよう
に周辺部などが集約された映像であり、全方位的な映像
である。このため、超広角映像全体を画像処理を精度良
く画像処理して歪みのない状態で表示するには、処理時
間がかかると共に非常に大きなモニタが必要となる。そ
こで、本例においては、超広角な画像（画面）全体を周
辺部分の歪みをラフに補正した状態の画像５ａとしてモ
ニタ５に表示し、その一部５ｂを選択可能にしている。
そして、その選択された部分５ｂの画像を精度良く画像
処理して拡大表示も可能なようにできるだけ鮮明な状態
で表示できるようにしている。

【００１５】画像処理装置４の操作パネル４ａには、画
像処理してモニタ５に適当なサイズで表示する部分５ｂ
を移動させることができる上下左右のボタン２１と、モ
ニタ５に表示されている映像５ｂを中心を基準としてさ
らに拡大したり、あるいはモニタ５に表示される部分５
ｂの範囲を広角化するなどの処理を行うズームボタン２
２と、ＶＴＲ３の制御、例えば、スロー再生、静止画、
再生、戻し、送りなどを行うためのボタン群２４とが設
けられている。さらに、本例の操作パネル４ａには鮮明
化用のボタン２３が用意されており、このボタン２３を
操作することにより、モニタ５に表示される映像を、そ
の前後のフレームの動画データを利用して処理し、さら
に鮮明で高画質の画像を表示することができる。

【００１６】通常の監視に必要な映像は、ＶＴＲ３に通
常記録される程度の画質で十分であり、その映像データ
から歪みを補正する程度で十分な画質の映像を表示する
ことができる。これに対し、イベント、例えば、盗難な
どが発生したときは、映像に含まれている人物の鮮明に
詳細まで分かる映像が要求されることがある。このよう
な事態に合わせて、鮮明な映像データをＶＴＲ３に記録
しておくことも可能であるが、必要とされる記憶容量は
膨大なものになる。そこで、本発明の監視システムで
は、複数フレームの動画を利用し、１つのフレームでは
影になっている部分を、その部分が影になっていないフ
レームを使って補正したり、輪郭を補正するなどの画像
処理を行うことにより、より詳細で高画質の映像を作成
し、モニタ５に表示するようにしている。この方法であ
れば、記憶容量を増やさずに、必要な場面で詳細まで把
握可能な映像データを提供することができる。

【００１７】このように、本例の監視システム１は、魚
眼レンズ２ａを用いて超広角で全方位をカバーした映像
データを取得するようにしているので、監視対象領域が
広い場合でも１台のビデオカメラ２で監視に必要な映像
を得ることができる。さらに、魚眼レンズ２ａは画角が
１８０度前後あるので、死角が発生することもない。従
って、通常のカメラであれば死角をカバーするために別
のカメラが必要とされるのに対し、１台のビデオカメラ
２で死角のない映像データを取得することができる。こ
のため、本例の監視システム１を採用することにより、
映像データを取得するためのビデオカメラの数を大幅に
低減することができ、ほとんど場合、１台のビデオカメ
ラで対処することができる。したがって、監視システム
１を構築するためのコストを下げることができる。

【００１８】一方、広範囲の監視領域に対して１台のビ
デオカメラ２を設置すれば良いので、監視対象となる映
像もビデオカメラ１台分の映像となる。したがって、監
視領域全体の映像を見るために複数のモニタを用意した
り、あるいは、限られた領域の映像を切り替えて表示す
る必要がなくなる。このため、監視システムを低コスト
で構築できると共に、監視領域全体の様子を簡単に把握
することが可能となり、監視能力を高めることができ
る。さらに、超広角レンズで得られた映像は歪んでいる
ので、その歪みを画像処理によって補正して出力するこ
とにより、監視状況の把握が容易な画質の良い映像を得
ることが可能となる。したがって、監視システムの監視
能力をさらに高めることができる。

【００１９】また、監視対象が広くなっても１台のビデ
オカメラで死角のない映像データが得られるので、ＶＴ
Ｒ３に記録するデータ量も削減されることになり、限ら
れた容量のビデオテープ、あるいはこれに代わるハード
ディスクなどの容量の限られた記録媒体に長期間にわた
る監視映像を記録し、いつでも再生してみることができ
る。そして、記録された映像を見る場合は、前後のフレ
ームの情報を利用して、必要な個所の映像をさらに鮮明
にして表示することも可能となる。

【００２０】なお、上述したようにビデオカメラ２に搭
載される超広角レンズ２ａは魚眼レンズに限定されるこ
とはなく、画角が広く、周辺の映像が圧縮された映像を
得られる広角レンズであれば良いことはもちろんであ
る。また、超広角レンズを備えたビデオカメラ２の数は
１台に限定されることはなく、監視対象の領域の形状な
どによって複数のビデオカメラを設定したほうが良いこ
ともある。しかしながら、その場合でも、上述したよう
に、画角が広く死角が発生しにくいので、従来のビデオ
カメラと比較し、設置すべきビデオカメラの数を大幅に
低減することができる。

【００２１】また、映像データを記録する記録手段は、
ハードディスクユニットなどの、映像データを記録可能
な他の装置であっても良く、ＶＴＲに限定されないこと
はもちろんである。さらに、モニタ５における監視画像
の表示の仕方も、上記の例に限定されることはなく、ビ
デオカメラで得られる画像全体を表示せずに、選択され
た部分だけを画像処理して表示しても良く、あるいは、
魚眼レンズで得られた画像をそのまま表示し、その中か
ら画像処理を行う領域５ｂを選択するようにすることも
もちろん可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の監視シ
ステムは、超広角レンズを用いて監視対象の映像を取得
し、死角がなく広範囲の情報を含んでいる超広角映像デ
ータを取得すると共に、その超広角映像データは歪みの
ある映像なので、それを画像処理することによって監視
しやすい映像で表示できるようにしている。したがっ
て、本発明の監視システムであれば、１台のビデオカメ
ラで広範囲の監視映像を取得することが可能であり、そ
の映像を記録あるいは表示することにより監視能力の高
い監視システムを低コストで構築することができる。さ
らに、詳細な部分まで鮮明な映像が必要なときは、前後
の複数フレームの動画データを用いて画像処理すること
により高画質の映像を作成し表示することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる監視システムの概略構成を示す
図である。

【図２】図１に示す監視システムにおける処理を示すフ
ローチャートである。

【図３】図１に示す監視システムのモニタに表示する例
を示す図である。

【図４】図１に示す監視システムの画像処理装置の操作
パネルの概要を示す図である。

【符号の説明】

１ 監視システム ２ ビデオカメラ、２ａ 魚眼レンズ ３ ＶＴＲ ４ 画像処理装置 ５ モニタ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 超広角レンズを用いて監視対象領域の超
   広角映像データを取得可能な映像取得手段と、 前記超広角映像データの少なくとも１部の映像データに
   対し、少なくとも歪みを補正する画像処理を行って出力
   可能な出力手段とを有することを特徴とする監視システ
   ム。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記超広角映像デー
   タを記録可能な記録手段を有することを特徴とする監視
   システム。
3. 【請求項３】 請求項１において、前記出力手段は、前
   記超広角映像データに含まれる複数フレームの情報を用
   いて細部の画像の鮮明化可能な機能を備えていることを
   特徴とする監視システム。
4. 【請求項４】 超広角レンズを用いて監視対象領域の超
   広角映像データを取得する映像取得工程と、 前記超広角映像データの少なくとも１部の映像データに
   対し、少なくとも歪みを補正する画像処理を行って出力
   する出力工程とを有することを特徴とする監視方法。
5. 【請求項５】 請求項４において、前記超広角映像デー
   タを記録する記録工程を有することを特徴とする監視方
   法。
6. 【請求項６】 請求項４において、前記出力工程は、前
   記超広角映像データに含まれる複数フレームの情報を用
   いて細部の画像の鮮明する工程を備えていることを特徴
   とする監視方法。