JPH11351352A - 回転変換装置 - Google Patents

回転変換装置

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JPH11351352A
JPH11351352A JP17401998A JP17401998A JPH11351352A JP H11351352 A JPH11351352 A JP H11351352A JP 17401998 A JP17401998 A JP 17401998A JP 17401998 A JP17401998 A JP 17401998A JP H11351352 A JPH11351352 A JP H11351352A
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rotation
torque
eccentric
contact member
shaft end
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JP17401998A
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Nobuo Takada
信夫 高田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来にない回転変換装置を提供する。 【構成】 回転変換装置の1応用例であるインパクトね
じ締めヘッドは、一方クラッチ1、偏心構造体2、トル
ク伝達部3を有する。偏心構造体2は、両側軸端部2
1、22で形成する中心Cから偏心した偏心部23及び
そのリング部23a、接触部材24等を有する。 【効果】 入力端11cから一方クラッチ1を介して一
方側軸端部21が回転されると、偏心したリング部23
が接触部材24に当たって偏心部23が変形して歪みエ
ネルギーを蓄え、変形が最大になると歪みエネルギーを
放出し、偏心構造体に回転エネルギーを与え、これが接
触部材からトルク伝達部3に伝達され、その締付部32
で締め付けるべきナットに衝撃トルクを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力される一方向
の回転を変換して出力する回転変換装置に関し、例えば
回転をトルクだけに変換したり、変動する入力トルクを
均一化する方向に分配したり、回転を増速したり、更に
増速後にトルク制限したり、種々に変換することができ
新たな機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の回転変換装置としては、例えば歯
車装置のように固定的に回転速度を増減速する装置や、
クラッチのように単に回転を結合又は遮断する装置や、
トルクリミッタのように伝達トルクを制限するだけの装
置であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、入力回転を
速度及びトルクとに関係する種々な形に変換可能な従来
技術に存在しない回転変換装置を提供することを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、入力される一方向の回転を変換して出力す
る回転変換装置において、一方向回転伝達手段とトルク
蓄積手段と回転出力手段とを有し、前記一方向回転伝達
手段は前記一方向の回転が入力されると該一方向の回転
のみを伝達し、前記トルク蓄積手段は軸心を形成する一
方側軸端部及び他方側軸端部であって該軸端部のうちの
少なくとも何れかに前記一方向回転伝達部から前記一方
向の回転が伝達される一方側軸端部及び他方側軸端部と
前記軸心から偏心した偏心部と該偏心部が前記軸心を中
心として1回転する間に接触する接触部材とを備え、前
記回転出力手段は前記トルク蓄積手段に連結されて変換
された回転を出力する、ことを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した回転変換
装置を応用したインパクトねじ締めヘッドの構造例を示
す。インパクトねじ締めヘッドは、一方側である図にお
いて右側の駆動側から入力される一方向である例えば図
において矢印で示す右側から見て時計方向の回転(以下
「右回転」という)を変換して他方側である図において
左端側に出力する装置であり、一方向回転伝達手段とし
ての一方クラッチ1、トルク蓄積手段としての偏心構造
体2、回転出力手段としてのトルク伝達部3等を有す
る。
【0006】一方クラッチ1は、図示のような右回転が
入力されるとその方向の回転のみを伝達する。即ち、入
力側の回転が出力側の回転より速いときにはその回転を
伝達し、後述するように出力側の回転が入力側の回転よ
り速くなると、それらの間で回転は伝達されなくなる。
一方クラッチ1は例えば公知のころがり軸受クラッチで
あり、主要部材として、軌道面11aを備えた内輪1
1、軌道面12aを備えた外輪12、これらの間で形成
する軌道に中心Cを含む断面から傾斜して配設されたコ
ロ13等を備えていて、コロを介して内外輪間で入出力
を伝達する。
【0007】このような一方クラッチ1のみによっても
一方向回転伝達手段を構成することができるが、本例で
は実際の製品における組立の容易性等の点から、中間部
材14を設け、ボールスプライン15を介して外輪12
の回転を出力側に伝達するようにしている。又内輪11
側には、支持軸部11b及び入力端11cを延設してい
る。入力端11cはモータを備えた手持回転機に接続さ
れる。なお、インパクトねじ締めヘッドはケーシング5
で覆われていて、中間部材14及び支持軸部11bはケ
ーシング5から2個の軸受6aによって回転自在に支持
されている。偏心構造体2は、軸心である前記中心Cを
形成する一方側軸端部21及び他方側軸端部22、中心
Cから偏心量eだけ偏心し軸の中央部分を成す偏心部2
3、中心C1 を持つ偏心部23が中心Cを中心として1
回転する間にこれに接触する接触部材24、等を備えて
いる。
【0008】一方側軸端部21は、図1(b)に示す如
く、両側面が平坦なトルク伝達面21aになっていて、
この面と中間部材14の内面との間の接触により、一方
クラッチ1からの右回転が伝達される。他方側軸端部2
2は、本例では、入力又は出力トルクの何れも伝達せず
その中心Cを出すだけの機能を持つが、部品の共通性等
の点から、一方側軸端部21と同じ構造にしている。な
お、回転変換装置の用途等によっては、同一又は別の一
方クラッチを介して他方側軸端部22も回転駆動するよ
うにしてもよい。
【0009】偏心部23は、本例ではその外側にニード
ルベアリング等を介して回転自在に設けられた独立回転
体としてのリング部23aを備えている。接触部材24
としては、本例では180°の間隔で図において上下2
個所に2本のネジとして設けられていて、ネジの先端部
分を上記リング部23aの外周面に接触させるようにし
ている。この接触部材では、ネジの進み程度によって設
定トルクを調整でき、ナット25によってその位置が固
定される。
【0010】なお、偏心部23の軸部分、その外径側の
リング部23a及び接触部材24は、相互間で摺動の生
じないことが望ましい。そのため、本例のように、軸部
分とリング部23aとの間を図示しないべアリングで回
転可能にし、リング部23aと接触部材24との間を単
なる接触状態のみにするか、又は、リング部23aを設
けることなく、接触部材をローラ等の回転体で構成し、
軸部分と接触部材24との間で接触及び相対回転可能な
構成にすることが望ましい。なお、接触部材24は、本
例のように図において上下位置に合計2個の配置でな
く、1個又は3個以上設けられてもよい。
【0011】トルク伝達部3は、偏心構造体2に連結さ
れる。従って、接触部材24又は他方側軸端部22のう
ちの何れかの変換された回転を伝えるように連結されれ
ばよいが、本例では接触部材24に連結されている。そ
して、接触部材24が取り付けられた内筒31、これに
結合された端部材32、及びその一部を形成し回転力を
出力する出力部としての締付端32aを備えている。締
付端32aは、六角穴になっていて、締め付ける対象で
ある図示しないナットに嵌め込まれる。符号26は他方
側軸端部22の中心位置を保持する中間部材、符号6b
は内筒31と中間部材14及び26間の相対回転を許容
する軸受で、符号6cはケーシング5から端部材32を
回転可能に支持する軸受である。
【0012】図2はインパクトねじ締めヘッドの作用を
説明するための図である。図において24a及び24b
は上下の接触部材、Cは偏心体2の回転中心、P0 〜P
4 は偏心部23の中心C1 の仮想位置であり、偏心構造
体2がCを中心として回転したときに変形がないと仮定
した場合のC1 の位置、即ち偏心部23の仮想中心、Q
0 〜Q3 はそれぞれP0 〜P3 に対応する偏心部23の
リング部23aの仮想の外周、そしてeは偏心量であ
る。以下では、まず接触部材24として下側のもの24
aだけが設けられていると仮想状態について説明する。
【0013】C1 がCを中心としてP0 からP1 位置に
到達するまでの間では、リング部23aの外周はQ0
らQ1 直前の状態になるが、この間には接触部材24a
と全く接触しない。従って、偏心部23は自由に偏心し
た状態で回転する。C1 が90°回転してP1 位置にな
ると、Q1 が接触部材24aとの接触を開始する。
【0014】偏心部23が更に回転すると、その中心C
1 が接触部材24aに接近し、その量に対応してリング
部23aの外周が接触部材24aから押され、偏心構造
体2が曲げられる。例えば中心C1 が仮想のP2 位置に
なり仮想外周がQ2 になったとすると、リング部23a
の外周は接触部材24aの先端のほぼ中心部cの位置ま
で押し込まれ、C1 の仮想位置P2 はほぼP2 ´の実際
の位置まで移動する。このときの押し込み量をδとする
と、偏心部23はδだけ曲げられたことになる。
【0015】この曲がり量δを発生させるときにリング
部23aの外周が接触部材24aから受ける力Fは、偏
心構造体2の単純支持状態を形成している両側の軸端部
21、22間の距離をL、曲げ剛性をEIzとするとす
ると、 F=48EIzδ/L3 =Kδ (K=48EIz/L3 ) である。
【0016】一方、この力Fの作用方向の中心Cからの
距離はほぼ線分C−P2 ´=sになるので、リング部2
3aの外周を接触部材24aに圧接させつつ回転させる
ときに偏心構造体2にかかる半時計方向の抵抗モーメン
トMは、M=Kδsとなる。この値は容易に計算するこ
とができる。
【0017】上記モーメントMは、入力端11cから入
力される右回転トルクによって与えられ、これが接触部
材24a、内筒31、端部材32を介してその先端の締
付端32aに与えられる。このとき、締付端32aは締
め付けるべきネジのナットに嵌合していて、結局、偏心
部23が180°回転したときにはモーメントMによっ
て発生するトルクでナットを締めることになる。なお、
偏心部23の回転において、接触部材24aとリング部
23aの外周とが接触している間は、接触点の位置が動
かず、リング部24aがその内側部分と相対回転するこ
とによって偏心部23が回転することになる。
【0018】偏心部23の回転が180°を超えると、
中心Cにかかる力Fによるモーメントが反対方向にな
り、偏心構造体2はこれまでに受けた変形による歪みエ
ネルギーを放出し、入力端11cからの入力を受けるこ
となくそれより速い速度で回転するようになる。このと
きには、一方クラッチ1によって入力側の回転が切り離
される。そして、偏心軸23が270°回転すると、歪
みエネルギーが全て放出され、偏心構造体2の回転速度
が最大になり、その角速度と保有する極慣性モーメント
とから定まる回転運動エネルギーが接触部材24aを介
して最終的に締付端32aから締め付けるべきナットに
与えられる。
【0019】図2(b)は偏心構造体2の回転角θと発
生モーメントMとの関係を示す。以上では接触部材24
が24aだけのときの仮想状態の作用を説明したが、実
際には24a及び24bが設けられていて、24bも2
4aと全く同じ作用を成し、これらの作用が重畳され
る。本図はその状態を示し、実線及び破線はそれぞれ2
4a及び24bによるモーメントを示す。
【0020】接触部材24aは、P1 からP3 で回転角
90°〜180°の間で偏心構造体2への左回転の抵抗
モーメントMを発生させ、P3 からP4 の180°〜2
70°の間で偏心構造体2への右回転の加速モーメント
−Mを発生させる。その結果、回転角270°のP4
置から偏心構造体2の回転エネルギーがネジ締めのため
の衝撃トルクになる。一方、接触部材24bでは、24
aから180°位相がずれて全く同じ作用が生じる。そ
して、P4 位置から180°位相がずれたP1位置から
ネジ締め用の衝撃トルクが加えられる。
【0021】なお、衝撃トルクの最大値はMmであり、
1 及びP4 からMmに到達するまでの回転角としては
45°程度であるが、P1 及びP4 の位置では回転速度
が最大になっていてこれからMmに到達するまでの時間
が非常に短いため、トルクが衝撃的に与えられることに
なる。
【0022】なお以上では、接触部材24の突っ込み量
yを偏心量eと同じにする共に180°離れた位置の2
個所にした場合の例を示したが、例えば、突っ込み量を
2eにして1個所にしたり、1/3eにして3個所に設
ける等、使用条件等によってその他の設定も可能であ
る。又、図1では偏心部23の外側のリング部23aが
円筒形である場合について説明したが、例えばカム形に
するなど、必要な回転及びトルク特性に最適な曲面にす
るこも可能である。
【0023】図3は回転変換装置の他の応用例としてト
ルク分配装置の構成例を示す。本装置は、図において右
側の駆動側から間歇的に入力される右回転のトルクを変
換して他方側である図において左端の負荷側に出力する
装置であり、一方向回転伝達手段としてのラチェット
4、偏心構造体2、トルク伝達部3等を有する。ラチェ
ット4は、外ケース41、これにボルト締めされた歯車
42、右回転だけを伝達する爪を持つラチェットホイー
ル43、中間部材44、45等で構成され、図示のよう
な右回転が入力されるとその方向の回転のみを伝達す
る。
【0024】偏心構造体2は図1のものと同様の構造で
あるため、それぞれの部分には同じ番号を付し、説明を
省略する。トルク伝達部3は、偏心構造体2に変換され
た回転を伝達するように連結されるが、本例では他方側
軸端部22´に連結され、その回転力を出力する中間出
力部材33及び出力端32´で構成されている。なお、
本例では図1の内筒31はトルク伝達部を構成しないの
で符号27で示している。接触部材24はハンドル25
´で位置調整可能になっている。なお、本例では接触部
材24が図において上下に1個づつ合計2個設けられて
いるが、図1のものと同様に1個又は3個以上であって
もよい。符号7は、本トルク分配装置の取付け用の架構
である。
【0025】図4は本例のトルク分配装置の作用の説明
図である。例えば、入力側となるラチェット4の外ケー
ス41に(a)のような間欠トルクが入力されるものと
する。このトルクは、左右の足で交互に45°〜135
°程度の範囲で自転車のペダルを踏むときのトルクに近
いトルクである。このトルクM1 が図2(b)に示す最
大トルクMmよりある程度大きいものとする。一方、本
例のトルク分配装置でも、他方側軸端部22´が自由に
回転するとすれば、接触部材24と偏心構造体2との間
の作用は図1の装置と同じで、図2に示すとおりであ
る。図4(b)でもこの状態を図2(b)と同じ実線及
び破線の曲線で示している。そして、同(b)ではこれ
に図4(a)のトルク図を45°位相をずらせて重ねて
いる。なお、実際の装置では接触部材24の位置とペダ
ルの位置とが調整されることになる。
【0026】以上から、図において、加えられたトルク
1 のうちのMは本例では回転しない接触部材24によ
ってもたらされる抵抗トルクであるから、出力端32´
にはこれを差し引いた縦線で示すトルクが伝達される。
一方、縦線で示す−Mは偏心構造体2に歪みエネルギー
として蓄えられたトルクであり、他方側軸端部22から
出力端32に伝達されて回収される。従って、縦線で示
す大きさの絶対値のトルクが出力端32´に伝達され、
車輪を回転させることになる。その結果、四角形状の間
欠トルクを縦線で示すような分散されたトルクに変換す
ることができる。
【0027】このようなトルク分配装置を自転車に使用
すれば、右足と左足とで180°のピッチで90°幅程
度のトルクをペダルに加えたときに、足でトルクを加え
ない間でもトルクを発生させて自転車を進めることがで
きる。その結果、自転車の推進力が均一化され、足の力
を効率的に利用することができる。又、坂道等でペダル
を踏めないときの進行速度の大幅な低下による自転車の
ふらつきを防止し、坂を登り易くすることができる。
【0028】なお、図3で二点鎖線で示す如く、出力側
にも一方向回転伝達手段として例えばラチェット34を
設け、これにフライホイール35を取り付けてこれを介
して端部材36を駆動するようにしてもよい。
【0029】図5は図3と共に回転変換装置をトルクリ
ミッタ付き増速機に適用した例であり、図3の実線部分
の装置に図3でも二点鎖線で示したフライホイール35
等と共に、トルクリミッタ部分8等を取り付けている。
端部材36には、外筒81、内筒82、中間部材83、
偏心構造体84、リミットトルクを設定する設定部材8
5、スラスト軸受86、最終出力端87、軸受類、等に
よって構成されている。これらの部材は図1等で説明し
た部材と同様であるので、詳細説明を省略する。
【0030】このトルクリミッタ付き増速機は次のよう
な作用をなす。図3の部分でモータ等の駆動手段からラ
チェト4を介して右回転トルクが入力されると、図4に
示すようなトルクが発生し、負荷側のトルクが駆動側の
トルクより小さいときには、−Mのエネルギー回収部分
でフライホイール36が加速され、ラチェット34及び
端部材36を介して偏心構造体84を回転させ、設定部
材85から内筒82を介して最終出力端87を設定トル
クで回転させる。最終出力端87にかかる負荷トルクが
設定トルクより大きいときには、設定部材85と偏心構
造体84との間(実際には偏心部とその外側のリング部
との間)でスリップに相当する相対回転が生じ、負荷側
の回転速度を下げて負荷トルクが設定したリミットトル
ク以下になるようにする。
【0031】一方、リミットトルク以内で負荷トルクが
ある程度大きいときには、そのトルクで負荷側が駆動さ
れ、フライホイール36の回転速度もある程度低下し、
必然的に定まるバランスした回転速度及びトルクで運転
が継続される。従って、このようなトルクリミッタ付き
増速機によれば、駆動側が一定の速度であっても、負荷
トルクが軽いときには、歯車等を介在させることなく任
意の速度まで必要に応じて増速できると共に、車両の車
輪や船のプロペラのような通常の負荷であって増速によ
ってそのトルクが一定以上大きくなるときにはこれをカ
ットし、自動的に装置の安全性を保つことができる。
【0032】図6は調速装置の構成例を示す。図5では
設定部材85を一定位置に設定したトルクリミッタ部8
を設けた例を示したが、設定部材85の設定位置を調整
可能にすれば、トルクリミッタと共に最終出力端87の
速度を変える調速装置にすることができる。図6に示す
本例の調速装置9は、固定部に固定された支持アーム9
1、これに中心C2 を中心として回転自在に支持された
軸92、これを回転させるために矢印方向に動かされる
操作レバー93aを備えた操作リンク93、外筒81の
両側に設けられ軸92の回転によって揺動される揺動ア
ーム94、これによって中心C方向に往復動され他端部
95aを備えた往復レバー95、他端部95aにネジ締
め固定され矢印方向に動かされる外軸受96の外ケース
96a、内ケース96bに固定されたボルト96cに取
り付けられた内軸受97の外ケース97a、内ケース9
7b、これから延長され設定部材の頂部に接触する接触
面98aを備えた調整リング98、等によって構成され
ている。
【0033】この調速装置によれば、操作レバー93a
を操作することにより、中間機構を介して最終的に設定
部材85の半径方向中心C3 の方向、即ち偏心部23の
リング部23aへの突出量を任意に調整することができ
る。その結果、入力側である偏心部23の回転速度に対
して出力側端87の回転速度を調整することができる。
即ち、例えば入力側が一定の回転速度で回転し、この回
転が設定部材85を介してそのまま出力端87に伝達さ
れ、これにかかる負荷トルクとバランスした状態で回転
されているときに、出力側の回転速度を下げるときに
は、操作レバー93によって調整リング98を図におい
て右方向に動かし、設定部材85の突っ込み量を少なく
する。その結果、駆動側から伝達されるリミットトルク
が下がり、負荷トルクより小さくなり、設定部材85、
従って外筒81と偏心部23との間で相対回転が生じ、
出力側の回転速度が下がることになる。
【0034】一方、リミットトルクを上げるときには、
設定部材85の突っ込み量を多くする。これにより、駆
動側から出力側及び負荷に伝達されるトルクが大きくな
り、負荷トルクがそれ以上に上がらないとすれば、外筒
81と偏心部23との間の相対回転が停止し、出力側も
駆動側と同じ速度で回転する。そしてこの状態で負荷ト
ルクが更に下がれば、駆動側でフライホイール36の回
転が速くなり、結局出力側を増速することができる。
【0035】図7はトルク蓄積手段の他の構成例の機構
原理部分を示す。トルク蓄積手段は、1サイクル(1回
転)の間にトルクを蓄積、放出の繰り返しサイクルを発
生させられるものであればよい。そのために本例では、
図1に示す偏心構造体2に対して接触部材24側に弾性
を付与し、その弾性力の変化によって偏心構造体のトル
クを変化させている。
【0036】本例でも図1と同様の偏心構造体を使用す
ることができる。又、偏心部23がクランク状に更に大
きく偏心していてもよい。この例では、偏心構造体2が
ほぼ剛体で、接触部材24がバネ24aで付勢されケー
ス24bでガイドされる弾性部材になっていて、その突
出位置が変化することによって偏心構造体2がトルクの
蓄積及び放出を行うようになっている。この例では、偏
心部23の中心がP1からP0 でそのリング部23aの
外周がQ1 からQ0 の間でトルクを蓄積し、P0 からP
3 、Q0 からQ3 の間でトルクを放出する。
【0037】この場合、偏心部23の中心が任意の角度
のP2 位置にあるときのトルクMは、図1の場合と同様
に、M≒Fsである。この場合のFはバネ24aのバネ
力である。このような接触部材であっても、図1のもの
と同様の作用効果を発揮し、同様の諸目的に使用するこ
とができる。なお、接触部材24は弾性リングのような
部材であってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上の如く本発明によれば、回転変換装
置が一方向回転伝達手段とトルク蓄積手段と回転出力手
段とを有するので、連続トルクや間欠トルク等として入
力される一方向の任意の形の回転を、トルクのみに変換
したり、トルク配分したり、増速したり種々の形に変換
することができる。即ち、トルク蓄積手段が軸心を形成
する両側軸端部から偏心した偏心部を備えていて、この
偏心部が軸心を中心として1回転する間にこれに接触す
る接触部材を設けるので、接触部材を偏心部に接触させ
ることにより、1回転毎に、偏心回転している接触部を
変形させて軸心まわりに抵抗モーメントを発生させると
共に、この変形が解除される段階では同じ軸心まわりの
反対方向の解除モーメントを発生させることができる。
そして、一方向のみの回転を伝達して自由な解除モーメ
ントを発生させ、これを回転出力手段で種々の形に出力
させることができる。その結果、衝撃トルク、分配トル
ク、増速用トルク等の形で解除モーメントを利用するこ
とができる。
【0039】そして以上のような回転伝達手段によれ
ば、機械要素だけを用いた簡潔な構造により、回転駆動
される種々の装置の性能向上や利用上の便利性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転変換装置の応用例であるインパク
トねじ締めヘッドの構造例を示す断面図である。
【図2】(a)及び(b)は上記インパクトねじ締めヘ
ッドの作用説明図である。
【図3】本発明の回転変換装置の他の応用例であるトル
ク分配装置の構造例を示す断面図である。
【図4】上記装置の作用の説明図である。
【図5】本発明の回転変換装置の更に他の応用例である
トルクリミット機能付き増速機の構造例を示す断面図で
ある。
【図6】図5のトルクリミット機能付き増速機に適用す
る調整装置を示し、(a)は側面図で(b)は一部断面
を示す正面図である。
【図7】設定部材の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 一方クラッチ(一方向回転伝達手
段) 2 偏心構造体(トルク蓄積手段) 3 トルク伝達部(回転出力手段) 4 ラチェット(一方向回転伝達手段) 21 一方側軸端部 22 他方側軸端部 22´ 他方側軸端部(回転出力手段) 23 偏心部 24 接触部材 31 内筒(回転出力手段) C 中心(軸心)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される一方向の回転を変換して出力
    する回転変換装置において、 一方向回転伝達手段とトルク蓄積手段と回転出力手段と
    を有し、 前記一方向回転伝達手段は前記一方向の回転が入力され
    ると該一方向の回転のみを伝達し、 前記トルク蓄積手段は軸心を形成する一方側軸端部及び
    他方側軸端部であって該軸端部のうちの少なくとも何れ
    かに前記一方向回転伝達部から前記一方向の回転が伝達
    される一方側軸端部及び他方側軸端部と前記軸心から偏
    心した偏心部と該偏心部が前記軸心を中心として1回転
    する間に接触する接触部材とを備え、 前記回転出力手段は前記トルク蓄積手段に連結されて変
    換された回転を出力する、 ことを特徴とする回転変換装置。
JP17401998A 1998-06-05 1998-06-05 回転変換装置 Pending JPH11351352A (ja)

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JP17401998A JPH11351352A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 回転変換装置

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JP17401998A JPH11351352A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 回転変換装置

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JPH11351352A true JPH11351352A (ja) 1999-12-24

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ID=15971229

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JP17401998A Pending JPH11351352A (ja) 1998-06-05 1998-06-05 回転変換装置

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