JPH11350219A - ポリウレタン2層接合フィルム製の手袋または指サック - Google Patents

ポリウレタン2層接合フィルム製の手袋または指サック

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JPH11350219A
JPH11350219A JP16725298A JP16725298A JPH11350219A JP H11350219 A JPH11350219 A JP H11350219A JP 16725298 A JP16725298 A JP 16725298A JP 16725298 A JP16725298 A JP 16725298A JP H11350219 A JPH11350219 A JP H11350219A
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film
glove
polyurethane resin
thermoplastic polyurethane
polyurethane
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Kojiro Kuwabara
孝二郎 桑原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外側面は粘着性で物品の把持性がよく且つ内
側面は皮膚に滑り性があるので作業性がよく且つ着脱し
易いポリウレタン製の薄膜手袋または指サックを提供す
る。また、これに適するポリウレタン積層フィルムを作
成する。 【解決手段】 フィルム形成能のある高結晶性、熱可塑
性ポリウレタン樹脂をインフレーション成形法で製膜し
て作られたフィルムであって両表面に微細な凹凸を多数
有し且つ人の皮膚に対して滑り性の両表面を有するフィ
ルム(a) を、フィルム形成能のある熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂製で且つ人の皮膚に対して粘着性を示す平らな表
面をもつフィルム(b) に同時押出法により積層して熱接
合により一体化させてなるポリウレタン2層接合フィル
ムが得られた。この積層フィルムは、これら2枚を重ね
合わせて手形または指サック状に裁断し、周縁をヒート
シールする常法により手袋または指サックに形成でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価に製造できて
使い捨て用途に使用でき、柔軟性に富み作業性がすぐれ
て且つ着脱が容易なポリウレタンフィルム製の無塵性薄
膜手袋または指サックに関する。また、本発明は前記の
手袋または指サックの製造に使用できる新素材としての
ポリウレタン2層接合フィルムにも関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られる使い捨て用途の合成樹脂製
の作業用手袋または指サックとしては、ポリエチレン、
ポリ塩化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体または
ポリプロピレン等の合成樹脂のフィルムの2枚を重ね合
わせ、手袋または指サックの形状に裁断し、開口部を残
してその裁断周縁部でフィルム2枚をヒートシールによ
り相互に熔着して手袋または指サックに形成して成る薄
膜手袋または指サックがある(例えば、実公昭63− 152
91号、実公平1− 24098号公報および特公平4−28023
号公報参照)。
【0003】また、通常知られた熱可塑性ポリウレタン
フィルムの2枚から、上記と同様な製法で作られた使い
捨て用の薄膜手袋も既知である(例えば特開昭61−1604
03号公報)。さらに、特殊なポリウレタン樹脂製であり
透湿度と吸水膨潤率とを特定した値で有するフィルムの
2枚から、上記と同様な製法で作られた着用時に発汗性
のない薄膜手袋も知られる(実公平3−3528号公報)。
【0004】更にはまた、高結晶性、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂フィルムの1枚又は2枚を用いて表側シート材
料として又は表側と裏側のシート材料として、手にフィ
ットする着用感に優れた作業用手袋を形成することは既
知である(例えば実開平2−82716号公報及び実開平2
− 82717号公報参照)。
【0005】尚、無孔性ポリウレタン樹脂表面フィルム
層と多孔性ポリウレタン樹脂裏面層との2層からなる接
合した複合シートを2枚重ね合わせて裁断及び溶着によ
り形成した防塵性作業用手袋も知られている(例えば実
開昭62−118111号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、高結晶
性、熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルムの1枚又は2枚
から作られたポリウレタンフィルム製の薄膜手袋は、そ
の表面の粘着性が低く即ち滑り性を有し、物品の把持時
に滑り易いという欠点を有する。また無孔性表面フィル
ム層と多孔性裏面フィルム層との2種類のポリウレタン
フィルムを用いた2層の複合シートから防塵性作業手袋
を作製することは知られているが、高結晶性熱可塑性ポ
リウレタン樹脂フィルムと通常の熱可塑性ポリウレタン
樹脂フィルムとを組合せた複合シートから以下の特性を
有する薄膜手袋を作製することは知られていない。
【0007】従って、本発明は安価に製造できて使い捨
て用途に使用できるポリウレタンフィルム製の薄膜手袋
であって、手袋の開口部が開き易く、手および指の挿
入、脱去がし易いというすぐれた着脱性をもち、また手
および指に着用時のフィット感がすぐれて且つ物品の把
持時に物品が滑り落ち難いという作業性もよいポリウレ
タンフィルム製の薄膜手袋または指サックを提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の諸欠
点を示さないですぐれた性質を有する使い捨て用途の新
しいポリウレタンフィルム製の薄膜手袋または指サック
を作製する目的で種々研究を行った。その研究の結果、
インフレーション成形法でフィルム形成能のある高結晶
性、熱可塑性ポリウレタン樹脂のフィルムであって人の
皮膚に対してベタ付きの少ない即ち滑り性を示し且つ表
面に微細な凹凸を多数有するフィルムは、インフレーシ
ョン成形法でフィルム形成能のある通常の熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂のフィルムであって人の皮膚に対して粘着
性を示す平らな表面を有するフィルムに対して、積層し
てからヒートシール法またはその他の適当な手段で熱接
合させる場合に、前記の通常のポリウレタンフィルムに
熱接合法により良く接着して強固に、高い接合力で一体
化された積層フィルムに形成できることが認められた。
しかも、このように一体化して作製されたポリウレタン
2層接合の積層フィルムは、無発塵性であること、そし
て強い引張り強度を有すること、機械的耐久性および有
機溶剤への耐性がよく、また長時間の繰返えし引張り負
荷および有機溶剤への曝露後でもフィルムにピンホール
の発生が少ないという有利な性質を有することが認めら
れた。
【0009】そして、本発明者は、上記のように作製し
た前記のポリウレタン2層接合の積層フィルムの2枚を
用いることによって、従来の合成樹脂フィルム製の薄膜
手袋の製造に用いられた慣用の製法に従って、ポリウレ
タンフィルム製の薄膜手袋を製造することに成功した。
【0010】すなわち、第1の本発明においては、イン
フレーション成形法で製膜して作られたフィルムであっ
て両表面に微細な凹凸を多数有し且つ人の皮膚に対して
滑り性の両表面を有する高結晶性、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂フィルム(a) を、インフレーション成形法でフィ
ルム形成能のある熱可塑性ポリウレタン樹脂製で且つ人
の皮膚に対して粘着性を示す平らな表面をもつフィルム
(b) に同時押し出し法により積層して作られた厚さ20〜
100ミクロンのポリウレタン2層接合フィルムを2枚重
ね合わせ、しかもこの際、前者フィルム(a) の滑り性の
表面が内側に且つ後者フィルム(b) の粘着性の表面が外
側になるように、前記の2枚を重ね合わせ、手袋の形状
または指サックの形状に該2層接合フィルムの重ね合わ
せた2枚を裁断し、開口部を残して裁断周縁部の所でヒ
ートシールして成る手袋または指サックであることを特
徴とする、熱可塑性ポリウレタン樹脂2層接合フィルム
製の無塵性薄膜手袋または指サックが提供される。
【0011】第1の本発明による手袋または指サック
は、その内側表面が滑り性を有するので開口部の所でフ
ィルムが粘着せず、開口部を開口し易く、手、指への装
着と装着後の脱去が容易であり、装着時に指先のフィッ
ト感がよく、さらに手袋または指サックの外側表面が粘
着性を有するので物品の把持時に物品が滑り難いという
利点がある。また、耐久性が大きく、長時間の使用後に
もピンホールの発生が少なく、しかも手袋または指サッ
クの本体から塵を発生しない無塵性である利点もあるか
ら、半導体の製造用のクリーンルーム等で作業員が着用
するのに好適である。
【0012】第1の本発明による手袋または指サック
は、指先のフィット感を十分によくするためには、これ
に用いる上記のポリウレタン2層接合フィルムの厚さが
20〜 100ミクロンの範囲、好ましくは30〜80ミクロンの
範囲にあるのが好ましい。
【0013】さらに、第2の本発明によると、インフレ
ーション成形法で製膜して作られたフィルムであって両
表面に微細な凹凸を多数有し且つ人の皮膚に対して滑り
性の両表面を有する高結晶性、熱可塑性ポリウレタン樹
脂フィルム(a) を、インフレーション成形法でフィルム
形成能のある熱可塑性ポリウレタン樹脂製で且つ人の皮
膚に対して粘着性を示す平らな表面をもつフィルム(b)
に同時押し出し法により積層して作られた厚さ20〜 100
ミクロンのポリウレタン2層接合フィルムであることを
特徴とする、フィルムの一方の表面が人の皮膚に対して
滑り性を有し且つ他方の表面が人の皮膚に対して粘着性
を有するポリウレタン2層接合フィルムが提供される。
【0014】第2の本発明によるポリウレタン2層接合
フィルムは、新規な複合材料であり、第1の本発明の手
袋、指サックの製造材料として有用であるばかりでな
く、前述したとおりのすぐれた諸性質を有するから、こ
れらの性質を利用して、例えば使い捨て用のレインコー
ト、各種の防水具、傘地、使い捨て用の防水性の足袋、
足袋カバー、靴カバー、等の製造用の素材としても利用
できる。
【0015】第1の本発明の手袋や指サックの構成材と
して用いられる前記のポリウレタン2層接合フィルム、
あるいは第2の本発明のポリウレタン2層接合フィルム
に含まれる滑り性の表面を有する第1のフィルム層は、
前述のとおり高結晶性、熱可塑性ポリウレタン樹脂をイ
ンフレーション成形法により製膜して作られたフィルム
である。
【0016】前記の第1のフィルム層に用いられる高結
晶性、熱可塑性ポリウレタン樹脂は170〜 190℃の軟化
温度、78〜90のショアーA硬度(JIS A硬度)及び 0.3
〜3.2cal/gの結晶融解熱を有するポリウレタン樹脂が
好ましい。軟化温度、JIS A硬度及び結晶融解熱がそれ
ぞれ下限値以下の結晶性ポリウレタン樹脂は製膜した時
フィルム表面の微細な凹凸形成が小さくなり、手袋の装
着性が悪くなってしまう。一方、軟化温度、JIS A硬度
及び結晶融解熱がそれぞれ上限値以上の結晶性ポリウレ
タン樹脂は、得られるフィルムが硬くなって風合が悪く
なってしまう。インフレーション成形法により成膜して
作られるポリウレタン樹脂のフィルムは厚さが20ミクロ
ン以下では、インフレーション成形法で成膜するのが困
難であり、 100ミクロン以上ではポリウレタン樹脂のモ
ジュラスが高すぎて手袋の風合が著しく悪くなってしま
う。
【0017】一般的には、本発明で用いられる高結晶
性、熱可塑性ポリウレタン樹脂は、ポリオール(1) と有
機ジイソシアネート(2) を短鎖ポリオール(3) の存在下
に付加重合して得られるポリウレタン重合体である。
【0018】上記のポリオール(1) としては、カプロラ
クトンを開環して得られるポリラクトンエステルポリオ
ール(カプロラクトン型)とか、あるいはアジピン酸と
グリコールとを反応して得られるアジピン酸エステルポ
リオール(アジペート型)とか、あるいはテトラヒドロ
フランの開環重合で得られるポリテトラメチレングリコ
ール(エーテル型)、等が用いられる。
【0019】すなわち、ポリオール化合物(1) として
は、プロピレンオキシド、エチレンオキシド等のアルキ
レンオキシドを原料としたポリプロピレングルコール、
ポリエチレングリコール及びポリテトラメチレングリコ
ール(PTMG)の如き分子量500〜5000のポリエーテ
ル系ポリオール並びにアジペド系ポリオール、ポリカプ
ロラクトン系ポリオール及びポリカーボネート系ポリオ
ールの如き分子量 500〜4000のポリエステル系ポリオー
ルが挙げられ、これらのうちでアジペート型ポリオール
およびエーテル型ポリオールが特に好ましい。
【0020】上記のジイソシアネート(2) としては、芳
香族および脂環族ジイソシアネート、例えば4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエ
ンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネ
ート(TODI)、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)(HMDI)などが用いられる。これらのうちで
MDIおよびH(水添)MDIが特に好適である。
【0021】鎖延長剤として用いる上記の短鎖ポリオー
ル(3) としては、従来慣用の公知のものすべてが利用可
能であり、例えばエチレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ
ール、1,6−ネオペンチルグリコール、1,4−シク
ロヘキサンジオールなどを使用できる。これらのうち
で、1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジ
オールが特に好ましい。高結晶性、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂を製造する際には、用いる連鎖延長剤の割合を通
常の熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造時より若干増大す
ることによりハードセグメント(結晶核)が大きくな
り、得られるポリウレタンフィルムの表面上に微細な凹
凸を多数形成するものである。
【0022】すなわち高結晶性、熱可塑性ポリウレタン
樹脂は既知の製造方法によって製造される。実際に利用
できる市販されている高結晶性、熱可塑性ポリウレタン
樹脂には武田バディシュウレタン工業株式会社製の高結
晶性アジペート系ポリウレタン樹脂(商品名エラストラ
ンC85A)がある。
【0023】また粘着性を示す表面を有する第2のフィ
ルム層をなす熱可塑性ポリウレタン樹脂も、前記の高結
晶性、熱可塑性ポリウレタン樹脂と同様にポリオールと
有機ジイソシアネートを短鎖ポリオールの存在下に付加
重合して得られるポリウレタンポリマーであり、かゝる
熱可塑性ポリウレタン樹脂としては 170〜 190℃の軟化
温度および77〜90のショアーA硬度(JIS A硬度)を有
するポリウレタン樹脂が好ましい。ショアーA硬度が77
より低いとフィルム製膜時にインフレーションチューブ
が目詰りし易くなり、ショアーA硬度が90を超えるとフ
ィルムの風合が悪くなってしまう。また軟化温度が 170
℃未満の場合には、フィルム製膜時にインフレーション
チューブが目詰りし易くなりフィルムを別々に剥すこと
が困難となる。一方軟化温度が 190℃を超える場合には
フィルムの柔軟性がなくなり風合がきわめて悪くなる。
【0024】尚、第1の本発明にて用いられる高結晶
性、熱可塑性ポリウレタン樹脂製のフィルム(a) 並びに
熱可塑性ポリウレタン樹脂製のフィルム(b) には、それ
らの性質を大きく変えない範囲内でポリオレフィン系、
スチレン系などの熱可塑性合成樹脂またはエラストマー
をブレンドすることによってフィルム形成性を適宜調節
することも可能である。
【0025】また上記のポリウレタン樹脂に更に紫外線
吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、防菌剤、着色剤、滑
剤及びシリカ、炭酸カルシウム等の無機フィラーなどの
各種添加剤を添加することによってフィルムの加工性、
耐久性、耐候性等をより一層向上させることが可能であ
る。
【0026】第1の本発明にて用いられる第2の本発明
によるポリウレタン2層接合フィルムの作製は、合成樹
脂の積層状フィルムの製造に用いられる慣用の技法によ
って行いうる。すなわち、例えば、実公昭63− 15291号
公報に記載されるように、別々に熔融した高結晶性、熱
可塑性ポリウレタン樹脂と、ポリウレタン樹脂とを、別
々に、環状の二層押出ダイを通して近接してフィルム状
に同時に押し出して直後にフィルム同志を融着させるこ
とから成る空冷インフレーション法によって積層フィル
ムを作る方法によって、あるいは前記の環状の二層押出
ダイを出る直前に2種の樹脂を合体してからフィルム状
に押し出すことから成る空冷インフレーション法によっ
て積層フィルムを作る方法によって簡便且つ安価に製造
できる。あるいは別に、一旦、夫々に別々にフィルムを
成形した後にフィルム2枚をローラー間で熱接着して積
層フィルムを作る方法も応用できる。
【0027】本発明による上記のポリウレタン2層接合
フィルムから第1の本発明の手袋または指サックを製造
する方法も、当該技術分野で慣用される技法で行いう
る。例えば、実公昭63− 15291号または実公平1− 240
98号公報に記載される手袋の製造法に準じて行いうる。
【0028】
【発明の実施の形態】添付図面の図1には、第1の本発
明による薄膜手袋の一例の図解的な斜視図が示される。
図1において、手袋1は、滑り性の表面を有するフィル
ム層と粘着性の表面を有するフィルム層とから成るポリ
ウレタン2層接合フィルム2と、同様な2層接合フィル
ム3から構成される。フィルム2およびフィルム3は夫
々の滑り性表面を内側に向き合せた位置で重ね合せて、
開口部4を残して手袋1の形状に合せて手の平状に裁断
されてあり、しかも周縁部5に沿ってヒートシールされ
た熔着部6により互に溶着されてあり、全体として手袋
1を形成している。
【0029】図2は、図1に示された手袋の周縁部とそ
の近くの部分の一部拡大断面の図解図である。手袋1を
構成するポリウレタン2層接合フィルム2および3は、
それぞれに、滑り性の表面を有する結晶性、熱可塑性ポ
リウレタン樹脂製の内側のフィルム層2Bまたは3B
と、粘着性の表面を有する、熱可塑性ポリウレタン樹脂
製の外側のフィルム層2Aまたは3Aとが重ね合されて
熱接合された積層構造を有し、手袋の周縁部5の所でフ
ィルム層2Bとフィルム層3Bの間が熔着部6で熔着さ
れてある。
【0030】次に、本発明を、手袋の製造を例示する次
の実施例1について具体的に説明する。
【0031】実施例1 (1) 空冷インフレーション法により硬度81,また JIS-K
7311の方法で測定して抗張力 34MPa,伸度 550%のポリ
ウレタンフィルムを形成できるアジペート系ポリウレタ
ン樹脂A(商品名パンデックスT−1180,大日本インキ
化学株式会社製)のペレットを用意した。また、空冷イ
ンフレーション法により、硬度85,抗張力 40MPa,伸度
500%のポリウレタンフィルムを形成できる高結晶性ア
ジペート系ポリウレタン樹脂B(商品名エラストランC
85A,武田バディシュウレタン工業株式会社製)のペレ
ットを用意した。
【0032】商品名パンデックスT−1180のポリウレタ
ン樹脂は分子量2000のポリ−(1,4−ブタン・エチレ
ンアジペート)グリコールと4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートと1,4−ブタンジオールとを付加
重合させたポリウレタン重合体を主体とするものであ
る。また商品名エラストランC85Aのポリウレタン樹脂
は、分子量1800のポリ(1,4−ブタン・エチレンアジ
ペート)グリコールと4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートと1,6−ヘキサンジオールとを付加重合
させて得られた高結晶性ポリウレタン重合体を主体とす
るものである。
【0033】(2) 上記のポリウレタン樹脂A(パンデッ
クスT−1180)のペレットと、高結晶性ポリウレタン樹
脂B(エラストランC85A)のペレットとを、別々に、
慣用の空冷インフレーション式フィルム成型機の環状の
2層押し出しダイを通し、直後に融着させる空冷インフ
レーション法で2層接合の積層フィルムを作製した。こ
の際の加工温度は 210℃であり、作製された積層フィル
ムの厚さは50ミクロンとした。
【0034】(3) 上記のようにして作製された各種フィ
ルムを用い、それらフィルムの2枚を重ね合せ、しかも
この際にウレタン樹脂Aよりなるフィルム層が外側に、
ウレタン樹脂Bよりなるフィルム層が内側に来るように
重ね合わせ、合成樹脂フィルムの薄膜手袋の製造に慣用
される製袋機により、手の平状に裁断し、さらに開口部
を残して裁断周縁部に沿ってヒートシールして、薄膜手
袋に加工した。
【0035】また比較のため、手袋の内側と外側とのフ
ィルム層を以下の通り取替えることにより同様に薄膜手
袋を作製した。
【0036】製造された手袋を手に装着し且つ物品を把
握する実験を行って、手に対する手袋の装着の容易性の
良、不良、ならびに把握時に手袋からの物品の滑り落ち
の難易性の良、不良を評価した。得られた評価の結果を
次の表1に要約して示す。
【0037】
【0038】さらに、上記の実施例1および比較例1〜
3の手袋について、タンブリング法による発塵量測定試
験(JIS-B-9923)によって、手袋から発生された塵粉の有
無を試験したが、何れの手袋も無塵性であると認められ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜手袋の一例の図解的な斜視図
である。
【図2】図1に示された手袋の周縁部およびその近くの
部分の一部拡大断面の図解図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】商品名パンデックスT−1180のポリウレタ
ン樹脂は分子量2000のポリ−(1,4−ブタン・エチレ
ンアジペート)グリコールと4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートと1,4−ブタンジオールとを付加
重合させたポリウレタン重合体を主体とするものであ
る。また商品名エラストランC85Aのポリウレタン樹脂
は、分子量1800のポリ(1,4−ブタンアジペート)グ
リコールと4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
トと1,6−ヘキサンジオールとを付加重合させて得ら
れた高結晶性ポリウレタン重合体を主体とするものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インフレーション成形法で製膜して作ら
    れたフィルムであって両表面に微細な凹凸を多数有し且
    つ人の皮膚に対して滑り性の両表面を有する高結晶性、
    熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム(a) を、インフレー
    ション成形法でフィルム形成能のある熱可塑性ポリウレ
    タン樹脂製で且つ人の皮膚に対して粘着性を示す平らな
    表面をもつフィルム(b) に同時押し出し法により積層し
    て作られた厚さ20〜 100ミクロンのポリウレタン2層接
    合フィルムを2枚重ね合わせ、しかもこの際、前者フィ
    ルム(a) の滑り性の表面が内側に且つ後者フィルム(b)
    の粘着性の表面が外側になるように、前記の2枚を重ね
    合わせ、手袋の形状または指サックの形状に該2層接合
    フィルムの重ね合わせた2枚を裁断し、開口部を残して
    裁断周縁部の所でヒートシールして成る手袋または指サ
    ックであることを特徴とする、熱可塑性ポリウレタン樹
    脂2層接合フィルム製の無塵性薄膜手袋または指サッ
    ク。
  2. 【請求項2】 インフレーション成形法で製膜して作ら
    れたフィルムであって両表面に微細な凹凸を多数有し且
    つ人の皮膚に対して滑り性の両表面を有する高結晶性、
    熱可塑性ポリウレタン樹脂フィルム(a) を、インフレー
    ション成形法でフィルム形成能のある熱可塑性ポリウレ
    タン樹脂製で且つ人の皮膚に対して粘着性を示す平らな
    表面をもつフィルム(b) に同時押し出し法により積層し
    て作られた厚さ20〜 100ミクロンのポリウレタン2層接
    合フィルムであることを特徴とする、フィルムの一方の
    表面が人の皮膚に対して滑り性を有し且つ他方の表面が
    人の皮膚に対して粘着性を有するポリウレタン2層接合
    フィルム。
JP16725298A 1998-06-15 1998-06-15 ポリウレタン2層接合フィルム製の手袋または指サック Pending JPH11350219A (ja)

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