JPH1134999A - 打ち上げ式無重力発生装置 - Google Patents
打ち上げ式無重力発生装置Info
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- JPH1134999A JPH1134999A JP18975497A JP18975497A JPH1134999A JP H1134999 A JPH1134999 A JP H1134999A JP 18975497 A JP18975497 A JP 18975497A JP 18975497 A JP18975497 A JP 18975497A JP H1134999 A JPH1134999 A JP H1134999A
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- launch
- braking
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Abstract
(57)【要約】
【課題】打ち上げ式無重力発生装置において、中空体の
下降時に、中空体の外カプセルに空気ブレーキをかけて
下降速度を遅くして制動直前に外カプセルと内部実験装
置台を一体化させ、制動時の衝撃を低減させる打ち上げ
式無重力発生装置を提供する。 【解決手段】基体1に、中空体(カプセル20)を上空
に打ち上げる打ち上げ手段と、上空から自由落下してく
る中空体を制動する制動手段とを備え、打ち上げ後自由
落下してくる中空体の内部に無重力状態を得る打ち上げ
式無重力発生装置Aにおいて、前記中空体は、下降時に
空気抵抗を増幅する部材(中空の半球27等)を備える
構成とした。
下降時に、中空体の外カプセルに空気ブレーキをかけて
下降速度を遅くして制動直前に外カプセルと内部実験装
置台を一体化させ、制動時の衝撃を低減させる打ち上げ
式無重力発生装置を提供する。 【解決手段】基体1に、中空体(カプセル20)を上空
に打ち上げる打ち上げ手段と、上空から自由落下してく
る中空体を制動する制動手段とを備え、打ち上げ後自由
落下してくる中空体の内部に無重力状態を得る打ち上げ
式無重力発生装置Aにおいて、前記中空体は、下降時に
空気抵抗を増幅する部材(中空の半球27等)を備える
構成とした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、中空体(以下適
宜「カプセル」と称する。)を上空に打ち上げ、上空か
ら自由落下してくるカプセルを回収し、カプセルの内部
に無重力状態を得る、打ち上げ式無重力発生装置に関す
るものである。
宜「カプセル」と称する。)を上空に打ち上げ、上空か
ら自由落下してくるカプセルを回収し、カプセルの内部
に無重力状態を得る、打ち上げ式無重力発生装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】地球上において、内部が空洞である中空
体(カプセル)を上空から地上に向けて自由落下させる
と、その内部が無重力状態となり、カプセル内部に搭載
した実験装置を使用して各種の無重力実験が行われる。
ここで、長時間の実験時間を確保するにはカプセルの落
下時間をなるべく長く取る必要があるため、長大な落下
塔(ドロップタワー)を有する落下式無重力発生装置の
構築が要請される。しかし、長大な落下塔の構築には強
度等の観点から問題が多く、また多額の費用がかかると
いう問題もある。
体(カプセル)を上空から地上に向けて自由落下させる
と、その内部が無重力状態となり、カプセル内部に搭載
した実験装置を使用して各種の無重力実験が行われる。
ここで、長時間の実験時間を確保するにはカプセルの落
下時間をなるべく長く取る必要があるため、長大な落下
塔(ドロップタワー)を有する落下式無重力発生装置の
構築が要請される。しかし、長大な落下塔の構築には強
度等の観点から問題が多く、また多額の費用がかかると
いう問題もある。
【0003】そこで従来においては、かかる問題点を解
消すべく、カプセルを上空に打ち上げる打ち上げ手段
と、上空から自由落下してくるカプセルを制動する手段
とを備えた、打ち上げ式無重力発生装置が開発されてい
る。このように構成すれば、カプセルが上空から地上に
向けて自由落下してくる間のみならず、カプセルを上空
に打ち上げてから上死点に達するまでの間もカプセル内
部に無重力状態を得ることができるため、同じ高さの装
置を使用する前記落下式と比較した場合には、約2倍の
時間の無重力状態を得ることができる。逆に、必要とさ
れる時間だけ無重力状態を得るには、前記落下式と比較
して約1/4の大きさの装置を構成すればよいため、そ
の構築が容易であり費用も低減される。
消すべく、カプセルを上空に打ち上げる打ち上げ手段
と、上空から自由落下してくるカプセルを制動する手段
とを備えた、打ち上げ式無重力発生装置が開発されてい
る。このように構成すれば、カプセルが上空から地上に
向けて自由落下してくる間のみならず、カプセルを上空
に打ち上げてから上死点に達するまでの間もカプセル内
部に無重力状態を得ることができるため、同じ高さの装
置を使用する前記落下式と比較した場合には、約2倍の
時間の無重力状態を得ることができる。逆に、必要とさ
れる時間だけ無重力状態を得るには、前記落下式と比較
して約1/4の大きさの装置を構成すればよいため、そ
の構築が容易であり費用も低減される。
【0004】従来においては、前記打ち上げ手段及び制
動手段を備えた打ち上げ式無重力発生装置として、リニ
アモータ方式のものが開発されていた。このリニアモー
タ方式の打ち上げ式無重力発生装置のカプセル50は、
図7に示すように、上部が半球形の円筒形状の外カプセ
ル51の両サイドに、リニアモータの二次導体となるジ
ュラルミン製の翼52が取り付けられており、この翼5
2の外側には、ガイドレール53でガイドされるガイド
ローラ54が取り付けられ、翼52を挟むリニアモータ
の一次導体たる電極(図示せず)に発生する磁力により
加速度を得て、ガイドレール53に沿って昇降するよう
に構成されている。また、この外カプセル51の内部に
は、実験装置や試料を入れた内部実験装置台55が外カ
プセル51の内を上下動可能に収容されている。
動手段を備えた打ち上げ式無重力発生装置として、リニ
アモータ方式のものが開発されていた。このリニアモー
タ方式の打ち上げ式無重力発生装置のカプセル50は、
図7に示すように、上部が半球形の円筒形状の外カプセ
ル51の両サイドに、リニアモータの二次導体となるジ
ュラルミン製の翼52が取り付けられており、この翼5
2の外側には、ガイドレール53でガイドされるガイド
ローラ54が取り付けられ、翼52を挟むリニアモータ
の一次導体たる電極(図示せず)に発生する磁力により
加速度を得て、ガイドレール53に沿って昇降するよう
に構成されている。また、この外カプセル51の内部に
は、実験装置や試料を入れた内部実験装置台55が外カ
プセル51の内を上下動可能に収容されている。
【0005】このリニアモータ方式の打ち上げ式無重力
発生装置は、リニアモータの作用により外カプセル51
に加速度を与えてカプセル50を上昇させた後、自由落
下してくるカプセル50をリニアモータの作用により制
動して回収するものである。また、この打ち上げ式無重
力発生装置は、打ち上げ時には、内部実験装置台55を
外カプセル51の内底に置いて打ち上げるが、上昇時に
は外カプセル51が空気抵抗及びガイドレール53の抵
抗を受けるので、理論通りの放物線運動より遅い速度で
上昇する。一方、内部実験装置台55は空気抵抗等を受
けず理論通りの放物線運動で上昇するので、図8に示す
ように、上昇途中で内カプセル(内部実験装置台55)
は外カプセル51内部で浮き上がり(クリアランス)が
生じ、無重力状態になる。さらに、下降時にも外カプセ
ル51が空気抵抗等を受けて落下速度が遅くなるが、内
部実験装置台55は、空気抵抗等を受けないで自由落下
をするので、外カプセル51内部で徐々に下降する。そ
して、外カプセル51が着地する前にリニアモータによ
る電磁制動をかけて停止させる。
発生装置は、リニアモータの作用により外カプセル51
に加速度を与えてカプセル50を上昇させた後、自由落
下してくるカプセル50をリニアモータの作用により制
動して回収するものである。また、この打ち上げ式無重
力発生装置は、打ち上げ時には、内部実験装置台55を
外カプセル51の内底に置いて打ち上げるが、上昇時に
は外カプセル51が空気抵抗及びガイドレール53の抵
抗を受けるので、理論通りの放物線運動より遅い速度で
上昇する。一方、内部実験装置台55は空気抵抗等を受
けず理論通りの放物線運動で上昇するので、図8に示す
ように、上昇途中で内カプセル(内部実験装置台55)
は外カプセル51内部で浮き上がり(クリアランス)が
生じ、無重力状態になる。さらに、下降時にも外カプセ
ル51が空気抵抗等を受けて落下速度が遅くなるが、内
部実験装置台55は、空気抵抗等を受けないで自由落下
をするので、外カプセル51内部で徐々に下降する。そ
して、外カプセル51が着地する前にリニアモータによ
る電磁制動をかけて停止させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方式の打ち上げ式無重力発生装置においては、着地直
前にカプセル50にリニアモータによる制動をかける
が、この制動は外カプセル51に直接に作用し、外カプ
セル51内で浮き上がっている内カプセル(内部実験装
置台55)には直接に作用しない。また、図8に示すよ
うに、外カプセル51と内カプセル(内部実験装置台5
5)の上死点のタイミングが異なるため、外カプセル5
1の下降開始後も、内部実験装置台55と外カプセル5
1のクリアランスは広がり続け、図9に示すように、制
動時に最大のクリアランスとなる。つまり、外カプセル
51に制動が作用すると内部実験装置台55は外カプセ
ル51の内底に衝突してしまい、この時の衝撃で内部実
験装置台55に搭載した実験装置や試料を破損してしま
うという問題があった。
来方式の打ち上げ式無重力発生装置においては、着地直
前にカプセル50にリニアモータによる制動をかける
が、この制動は外カプセル51に直接に作用し、外カプ
セル51内で浮き上がっている内カプセル(内部実験装
置台55)には直接に作用しない。また、図8に示すよ
うに、外カプセル51と内カプセル(内部実験装置台5
5)の上死点のタイミングが異なるため、外カプセル5
1の下降開始後も、内部実験装置台55と外カプセル5
1のクリアランスは広がり続け、図9に示すように、制
動時に最大のクリアランスとなる。つまり、外カプセル
51に制動が作用すると内部実験装置台55は外カプセ
ル51の内底に衝突してしまい、この時の衝撃で内部実
験装置台55に搭載した実験装置や試料を破損してしま
うという問題があった。
【0007】本発明は上記問題点を解決すべくなされた
もので、下降時に、外カプセル51に空気ブレーキをか
けて下降速度を遅くして制動直前に外カプセル51と内
部実験装置台55を一体化させ、制動時の衝撃を低減さ
せる打ち上げ式無重力発生装置を提供するものである。
もので、下降時に、外カプセル51に空気ブレーキをか
けて下降速度を遅くして制動直前に外カプセル51と内
部実験装置台55を一体化させ、制動時の衝撃を低減さ
せる打ち上げ式無重力発生装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
課題を解決すべくなされたものであり、その手段とし
て、基体に、中空体を上空に打ち上げる打ち上げ手段
と、上空から自由落下してくる中空体を制動する制動手
段とを備え、打ち上げ後自由落下してくる中空体の内部
に無重力状態を得る打ち上げ式無重力発生装置におい
て、前記中空体は、下降時に空気抵抗を増幅する部材を
備える構成とすることにより、制動時の衝撃を低減させ
たものである。また、前記空気抵抗を増幅する部材とし
て、前記中空体の上方に取り付けられた中空の半球を備
えたことにより、制動時の衝撃を低減させたものであ
る。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前記中
空体の下端に取り付けられた下側開口の断面凹状の部材
を備えたことにより、制動時の衝撃を低減させたもので
ある。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前記
中空体の周囲に取付けられた下側が末広がりの鍔状の部
材を備えたことにより、制動時の衝撃を低減させたもの
である。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の周囲に取付けられた下側開口の断面略円錐状
の部材を備えたことにより、制動時の衝撃を低減させた
ものである。また、前記空気抵抗を増幅する部材の各々
を適宜組み合わせて使用し、制動時の衝撃を低減させた
ものである。
課題を解決すべくなされたものであり、その手段とし
て、基体に、中空体を上空に打ち上げる打ち上げ手段
と、上空から自由落下してくる中空体を制動する制動手
段とを備え、打ち上げ後自由落下してくる中空体の内部
に無重力状態を得る打ち上げ式無重力発生装置におい
て、前記中空体は、下降時に空気抵抗を増幅する部材を
備える構成とすることにより、制動時の衝撃を低減させ
たものである。また、前記空気抵抗を増幅する部材とし
て、前記中空体の上方に取り付けられた中空の半球を備
えたことにより、制動時の衝撃を低減させたものであ
る。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前記中
空体の下端に取り付けられた下側開口の断面凹状の部材
を備えたことにより、制動時の衝撃を低減させたもので
ある。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前記
中空体の周囲に取付けられた下側が末広がりの鍔状の部
材を備えたことにより、制動時の衝撃を低減させたもの
である。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の周囲に取付けられた下側開口の断面略円錐状
の部材を備えたことにより、制動時の衝撃を低減させた
ものである。また、前記空気抵抗を増幅する部材の各々
を適宜組み合わせて使用し、制動時の衝撃を低減させた
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る打ち上げ式無
重力発生装置の実施の形態について、図1乃至図3に基
づいて説明を行う。図1は、本発明に係る打ち上げ式無
重力発生装置の装置全体の概要を示す正面図であり、図
2は、図1の打ち上げ式無重力発生装置のカプセルを示
す一部破断の拡大図であり、図3は、図1の打ち上げ式
無重力発生装置の打ち上げ時のカプセル内部の状態を示
す模式図である。
重力発生装置の実施の形態について、図1乃至図3に基
づいて説明を行う。図1は、本発明に係る打ち上げ式無
重力発生装置の装置全体の概要を示す正面図であり、図
2は、図1の打ち上げ式無重力発生装置のカプセルを示
す一部破断の拡大図であり、図3は、図1の打ち上げ式
無重力発生装置の打ち上げ時のカプセル内部の状態を示
す模式図である。
【0010】本発明に係る打ち上げ式無重力発生装置A
は、図1に示すように、基体1に、中空体たるカプセル
20の打ち上げ・制動手段であるリニアモータ式の打ち
上げ・制動装置10を備え、さらに、その他の付属機器
を備えてなるものである。以下、その詳細について具体
的に説明を行う。
は、図1に示すように、基体1に、中空体たるカプセル
20の打ち上げ・制動手段であるリニアモータ式の打ち
上げ・制動装置10を備え、さらに、その他の付属機器
を備えてなるものである。以下、その詳細について具体
的に説明を行う。
【0011】基体1は、例えば、底板2の上に、複数本
の縦支柱4、横梁6が組み合わされて塔状に構成される
ものである。図示する実施の形態においては、四角形状
に構成される底板2の両側面の中央部には、それぞれ2
本の縦支柱4が立設される。なお、その本数は2本に限
定されるものではない。この縦支柱4は、打ち上げ式無
重力発生装置Aの高さを画するものであるため、カプセ
ル20を打ち上げ回収することによりカプセル20の内
部に得られる無重力状態が必要とされる時間だけ継続す
るように、その長さを適宜構成する。また、縦支柱4の
内側面には、カプセル20に形成されるガイドローラ2
4と係合してカプセル20を支持するガイドレール5が
取り付けられている。縦支柱4の高さ方向における数ヶ
所には、それぞれの縦支柱4同士を連結して基体1を堅
牢に構成するための横梁6が複数設けられる。
の縦支柱4、横梁6が組み合わされて塔状に構成される
ものである。図示する実施の形態においては、四角形状
に構成される底板2の両側面の中央部には、それぞれ2
本の縦支柱4が立設される。なお、その本数は2本に限
定されるものではない。この縦支柱4は、打ち上げ式無
重力発生装置Aの高さを画するものであるため、カプセ
ル20を打ち上げ回収することによりカプセル20の内
部に得られる無重力状態が必要とされる時間だけ継続す
るように、その長さを適宜構成する。また、縦支柱4の
内側面には、カプセル20に形成されるガイドローラ2
4と係合してカプセル20を支持するガイドレール5が
取り付けられている。縦支柱4の高さ方向における数ヶ
所には、それぞれの縦支柱4同士を連結して基体1を堅
牢に構成するための横梁6が複数設けられる。
【0012】また、リニアモータ式の打ち上げ・制動装
置10は、直線的に電極を埋め込んだコイル11と、こ
のコイル11に電源を供給するコントロール装置12か
ら構成され、このコントロール装置12からコイル11
の電極に供給する電源の電圧、周波数を変化させること
により、カプセル20を加速して打ち上げを行い、また
下降するカプセル20を減速して停止させるものであ
る。
置10は、直線的に電極を埋め込んだコイル11と、こ
のコイル11に電源を供給するコントロール装置12か
ら構成され、このコントロール装置12からコイル11
の電極に供給する電源の電圧、周波数を変化させること
により、カプセル20を加速して打ち上げを行い、また
下降するカプセル20を減速して停止させるものであ
る。
【0013】この打ち上げ式無重力発生装置Aに使用さ
れる中空体のカプセル20は、図2に示すように、二重
カプセル構造になっており、円筒形状の外カプセル21
の本体部21aの内部に、円盤状の内部実験装置台22
が上下動可能に収納されている。 この外カプセル21
の上端部21bは、外カプセル21の上昇時に空気抵抗
が減少するよう半球形に形成されており、反対に外カプ
セル21の下端部21cは、外カプセル21の下降時に
空気抵抗を増幅する部材として下側が開口された半球形
の凹面に形成されている。なお、下端部21cは、必ず
しも半球形の凹面にする必要はなく、平面にしてもかま
わない。
れる中空体のカプセル20は、図2に示すように、二重
カプセル構造になっており、円筒形状の外カプセル21
の本体部21aの内部に、円盤状の内部実験装置台22
が上下動可能に収納されている。 この外カプセル21
の上端部21bは、外カプセル21の上昇時に空気抵抗
が減少するよう半球形に形成されており、反対に外カプ
セル21の下端部21cは、外カプセル21の下降時に
空気抵抗を増幅する部材として下側が開口された半球形
の凹面に形成されている。なお、下端部21cは、必ず
しも半球形の凹面にする必要はなく、平面にしてもかま
わない。
【0014】また、外カプセル21の本体部21aの外
側面の両側には、リニアモータの二次導体となるジュラ
ルミン製の翼23,23が取り付けられ、この翼23,
23の外側面には、左右に適数のガイドローラ24が設
けられており、このガイドローラ24が基体2の縦支柱
4に取り付けられるガイドレール5に係合することによ
り、カプセル20はガイドレール5に沿って昇降を行
う。内部実験装置台22の上には、各種の無重力実験を
行う実験装置25が固定されている。
側面の両側には、リニアモータの二次導体となるジュラ
ルミン製の翼23,23が取り付けられ、この翼23,
23の外側面には、左右に適数のガイドローラ24が設
けられており、このガイドローラ24が基体2の縦支柱
4に取り付けられるガイドレール5に係合することによ
り、カプセル20はガイドレール5に沿って昇降を行
う。内部実験装置台22の上には、各種の無重力実験を
行う実験装置25が固定されている。
【0015】さらに、この外カプセル21の上方には、
本体部21aより複数の支持材26が立設され、この支
持材26には空気抵抗を増幅する部材として空気ブレー
キの役目を果たす2個の中空の半球27が開口面を下に
して取付けられている。この実施の形態では、中空の半
球27を2個にしたが、2個に限定されるものではな
く、必要に応じて増減してよい。
本体部21aより複数の支持材26が立設され、この支
持材26には空気抵抗を増幅する部材として空気ブレー
キの役目を果たす2個の中空の半球27が開口面を下に
して取付けられている。この実施の形態では、中空の半
球27を2個にしたが、2個に限定されるものではな
く、必要に応じて増減してよい。
【0016】このように構成された打ち上げ式無重力発
生装置Aの動作説明を図1及び図3に基づいて行う。ま
ず、スタート時は、カプセル20は打ち上げ・制動装置
10に位置され、実験装置25が固定された内部実験装
置台22は、図3(a)に示すように、外カプセル21
の内底に載置されている。次いで、カプセル20はリニ
アモータの作用により加速されて打ち上げられる。
生装置Aの動作説明を図1及び図3に基づいて行う。ま
ず、スタート時は、カプセル20は打ち上げ・制動装置
10に位置され、実験装置25が固定された内部実験装
置台22は、図3(a)に示すように、外カプセル21
の内底に載置されている。次いで、カプセル20はリニ
アモータの作用により加速されて打ち上げられる。
【0017】打ち上げられたカプセル20の上昇中は、
外カプセル21は加速度により上昇するが、重力と空気
抵抗やガイドローラの抵抗により上昇速度が落ちてきて
遂には速度が0となり、上死点に達する。一方、内部実
験装置台22は、外カプセル21によって加速され一緒
に上昇するが、外カプセル21と異なり空気抵抗やガイ
ドローラの抵抗を受けないので、外カプセル21と内部
実験装置台22の加速度に差が生じ、図3(b)に示す
ように、内部実験装置台22が外カプセル21の中で浮
き上がる状態となり、無重力状態が発生する。
外カプセル21は加速度により上昇するが、重力と空気
抵抗やガイドローラの抵抗により上昇速度が落ちてきて
遂には速度が0となり、上死点に達する。一方、内部実
験装置台22は、外カプセル21によって加速され一緒
に上昇するが、外カプセル21と異なり空気抵抗やガイ
ドローラの抵抗を受けないので、外カプセル21と内部
実験装置台22の加速度に差が生じ、図3(b)に示す
ように、内部実験装置台22が外カプセル21の中で浮
き上がる状態となり、無重力状態が発生する。
【0018】次いで、カプセル20が上死点を過ぎて下
降に入ると、カプセル20は重力によって下向きに加速
される。外カプセル21は空気抵抗やガイドローラの抵
抗を受けて理論値より遅くなり、内部実験装置台22は
空気抵抗やガイドローラの抵抗を受けないので理論値通
り下降するが、上死点を過ぎた段階では、図3(c)に
示すように、内部実験装置台22は、外カプセル21の
中でまだ浮き上がり状態となっており、無重力状態が発
生している。
降に入ると、カプセル20は重力によって下向きに加速
される。外カプセル21は空気抵抗やガイドローラの抵
抗を受けて理論値より遅くなり、内部実験装置台22は
空気抵抗やガイドローラの抵抗を受けないので理論値通
り下降するが、上死点を過ぎた段階では、図3(c)に
示すように、内部実験装置台22は、外カプセル21の
中でまだ浮き上がり状態となっており、無重力状態が発
生している。
【0019】さらに、カプセル20が下降すると、カプ
セル20の下降速度が増すが、外カプセル21の下端部
21cに形成された半球形の凹面と、外カプセル21の
上方に取り付けられた2個の中空の半球27の空気ブレ
ーキ作用により、下降速度が抑えられる。そのため、外
カプセル21の中で浮き上っていた内部実験装置台22
は、図3(d)に示すように、外カプセル21の底に静
かに軟着陸して載置され、この状態で外カプセル21が
リニアモータの作用により制動されるので、外カプセル
21と内部実験装置台22が一緒に停止する。
セル20の下降速度が増すが、外カプセル21の下端部
21cに形成された半球形の凹面と、外カプセル21の
上方に取り付けられた2個の中空の半球27の空気ブレ
ーキ作用により、下降速度が抑えられる。そのため、外
カプセル21の中で浮き上っていた内部実験装置台22
は、図3(d)に示すように、外カプセル21の底に静
かに軟着陸して載置され、この状態で外カプセル21が
リニアモータの作用により制動されるので、外カプセル
21と内部実験装置台22が一緒に停止する。
【0020】このように、本発明の実施の形態によれ
ば、カプセル20が制動される前に、内部実験装置台2
2は外カプセル21と一体になり、カプセル20が制動
されても内部実験装置台22が外カプセル21の内底に
衝突することが防止されるので、内部実験装置台22に
固定された実験装置25が安全に保護される。
ば、カプセル20が制動される前に、内部実験装置台2
2は外カプセル21と一体になり、カプセル20が制動
されても内部実験装置台22が外カプセル21の内底に
衝突することが防止されるので、内部実験装置台22に
固定された実験装置25が安全に保護される。
【0021】
【実施例】次に、本発明の実施例を図4乃至図6に基づ
いて説明する。図4に示す実施例は、カプセル20の本
体の周囲に、空気抵抗を増幅する部材として空気ブレー
キ用の下側が末広がりの鍔状の部材31を取り付けたも
ので、この鍔状の部材31の個数及び外径寸法等はブレ
ーキ効果を実験して適宜決定することができる。
いて説明する。図4に示す実施例は、カプセル20の本
体の周囲に、空気抵抗を増幅する部材として空気ブレー
キ用の下側が末広がりの鍔状の部材31を取り付けたも
ので、この鍔状の部材31の個数及び外径寸法等はブレ
ーキ効果を実験して適宜決定することができる。
【0022】図5に示す実施例は、カプセル20の本体
の周囲に、空気抵抗を増幅する部材として空気ブレーキ
用の中空の断面半円錐状の部材32を複数個取り付けた
もので、この断面半円錐状の部材32の詳細は図6に示
す。また、この断面半円錐状の部材32の個数及び外径
寸法等はブレーキ効果を実験して適宜決定することがで
きる。
の周囲に、空気抵抗を増幅する部材として空気ブレーキ
用の中空の断面半円錐状の部材32を複数個取り付けた
もので、この断面半円錐状の部材32の詳細は図6に示
す。また、この断面半円錐状の部材32の個数及び外径
寸法等はブレーキ効果を実験して適宜決定することがで
きる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、基体に、
中空体を上空に打ち上げる打ち上げ手段と、上空から自
由落下してくる中空体を制動する制動手段とを備え、打
ち上げ後自由落下してくる中空体の内部に無重力状態を
得る、打ち上げ式無重力発生装置において、前記中空体
は、下降時に空気抵抗を増幅する部材を備える構成とす
ることにより、制動時の衝撃を低減させたものであるの
で、制動時における外カプセルと内カプセルとの衝突を
回避することができ、内部実験装置台に固定された実験
装置等の破損を防止できる。また、前記空気抵抗を増幅
する部材は、前記中空体の上方に取り付けられた中空の
半球とすることにより、空気ブレーキの効果を増すこと
ができ、中空の半球の数を増減して空気ブレーキの効果
を適宜に設定することができる。また、前記空気抵抗を
増幅する部材として、前記中空体の下端に取り付けられ
た下側開口の断面凹状の部材を備えたことにより、空気
ブレーキの効果を増すことができる。また、前記空気抵
抗を増幅する部材として、前記中空体の周囲に取付けら
れた下側が末広がりの鍔状の部材を備えたことにより、
空気ブレーキの効果を増すことができ、鍔状の部材の数
を増減して空気ブレーキの効果を適宜に設定することが
できる。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の周囲に取付けられた下側開口の断面半円錐状
の部材を備えたことにより、空気ブレーキの効果を増す
ことができ、その数を増減して空気ブレーキの効果を適
宜に設定することができる。さらに、前記空気抵抗を増
幅する部材を適宜組み合わせることにより、空気ブレー
キの効果を一層高めることができる。
中空体を上空に打ち上げる打ち上げ手段と、上空から自
由落下してくる中空体を制動する制動手段とを備え、打
ち上げ後自由落下してくる中空体の内部に無重力状態を
得る、打ち上げ式無重力発生装置において、前記中空体
は、下降時に空気抵抗を増幅する部材を備える構成とす
ることにより、制動時の衝撃を低減させたものであるの
で、制動時における外カプセルと内カプセルとの衝突を
回避することができ、内部実験装置台に固定された実験
装置等の破損を防止できる。また、前記空気抵抗を増幅
する部材は、前記中空体の上方に取り付けられた中空の
半球とすることにより、空気ブレーキの効果を増すこと
ができ、中空の半球の数を増減して空気ブレーキの効果
を適宜に設定することができる。また、前記空気抵抗を
増幅する部材として、前記中空体の下端に取り付けられ
た下側開口の断面凹状の部材を備えたことにより、空気
ブレーキの効果を増すことができる。また、前記空気抵
抗を増幅する部材として、前記中空体の周囲に取付けら
れた下側が末広がりの鍔状の部材を備えたことにより、
空気ブレーキの効果を増すことができ、鍔状の部材の数
を増減して空気ブレーキの効果を適宜に設定することが
できる。また、前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の周囲に取付けられた下側開口の断面半円錐状
の部材を備えたことにより、空気ブレーキの効果を増す
ことができ、その数を増減して空気ブレーキの効果を適
宜に設定することができる。さらに、前記空気抵抗を増
幅する部材を適宜組み合わせることにより、空気ブレー
キの効果を一層高めることができる。
【図1】本発明に係る打ち上げ式無重力発生装置の装置
全体の概要を示す正面図である。
全体の概要を示す正面図である。
【図2】図1の打ち上げ式無重力発生装置のカプセルを
示す一部破断の拡大図である。
示す一部破断の拡大図である。
【図3】図1の打ち上げ式無重力発生装置の打ち上げ時
のカプセル内部の状態を示す模式図である。
のカプセル内部の状態を示す模式図である。
【図4】本発明に係る打ち上げ式無重力発生装置の実施
例を示す正面図である。
例を示す正面図である。
【図5】本発明に係る打ち上げ式無重力発生装置の実施
例を示す正面図である。
例を示す正面図である。
【図6】図5の打ち上げ式無重力発生装置の空気抵抗を
増幅する部材の拡大図である。
増幅する部材の拡大図である。
【図7】従来の打ち上げ式無重力発生装置のカプセルを
示す正面図である。
示す正面図である。
【図8】従来の打ち上げ式無重力発生装置のカプセル打
ち上げ特性を示す図である。
ち上げ特性を示す図である。
【図9】従来の打ち上げ式無重力発生装置のカプセルの
クリアランス発生カーブを示す図である。
クリアランス発生カーブを示す図である。
A 打ち上げ式無重力発生装置 1 基体 2 底板 4 縦支柱 5 ガイドレール 6 横梁 10 打ち上げ・制動装置 11 コイル 12 コントロール装置 20 カプセル 21 外カプセル 22 内部実験装置台 23 翼 24 ガイドローラ 25 実験装置 26 支持材 27 中空の半球 31 鍔状の部材 32 断面半円錐状の部材
Claims (5)
- 【請求項1】 基体に、中空体を上空に打ち上げる打ち
上げ手段と、上空から自由落下してくる中空体を制動す
る制動手段とを備え、打ち上げ後自由落下してくる中空
体の内部に無重力状態を得る打ち上げ式無重力発生装置
において、 前記中空体は、下降時に空気抵抗を増幅する部材を備え
ていることを特徴とする打ち上げ式無重力発生装置。 - 【請求項2】 前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の上方に取り付けられた中空の半球を備えたこ
とを特徴とする請求項1に記載の打ち上げ式無重力発生
装置。 - 【請求項3】 前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の下端に取り付けられた下側開口の断面凹状の
部材を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に
記載の打ち上げ式無重力発生装置。 - 【請求項4】 前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の周囲に取付けられた下側が末広がりの鍔状の
部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の
いずれか一項に記載の打ち上げ式無重力発生装置。 - 【請求項5】 前記空気抵抗を増幅する部材として、前
記中空体の周囲に取付けられた下側開口の断面略半円錐
状の部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項
4のいずれか一項に記載の打ち上げ式無重力発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18975497A JPH1134999A (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | 打ち上げ式無重力発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18975497A JPH1134999A (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | 打ち上げ式無重力発生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1134999A true JPH1134999A (ja) | 1999-02-09 |
Family
ID=16246627
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18975497A Pending JPH1134999A (ja) | 1997-07-15 | 1997-07-15 | 打ち上げ式無重力発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1134999A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103253385A (zh) * | 2013-05-29 | 2013-08-21 | 哈尔滨工业大学 | 一种空间六自由度受控与失重模拟装置 |
-
1997
- 1997-07-15 JP JP18975497A patent/JPH1134999A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103253385A (zh) * | 2013-05-29 | 2013-08-21 | 哈尔滨工业大学 | 一种空间六自由度受控与失重模拟装置 |
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