JPH11349313A - カーボンブラック製造装置及びカーボンブラックの製造方法 - Google Patents

カーボンブラック製造装置及びカーボンブラックの製造方法

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JPH11349313A
JPH11349313A JP10155816A JP15581698A JPH11349313A JP H11349313 A JPH11349313 A JP H11349313A JP 10155816 A JP10155816 A JP 10155816A JP 15581698 A JP15581698 A JP 15581698A JP H11349313 A JPH11349313 A JP H11349313A
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carbon black
reaction zone
combustion gas
choke
producing
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JP10155816A
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Nobutake Mise
信猛 見勢
Yutaka Fukuyama
裕 福山
Yuichi Sekine
勇一 関根
Hiroaki Takehara
弘明 武原
Takeshi Yamaguchi
山口  剛
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた特性を有するカーボンブラックを効率的
に製造する。 【解決手段】燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、
得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカーボン
ブラックを生成させる、チョーク部を有する第2反応帯
域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラック生
成反応を停止させる第3反応帯域とを有するカーボンブ
ラック製造装置であって、チョーク部の長さが500m
m以上であり、且つチョーク部が良熱伝導性材料製内管
を有する二重構造冷却セルを有するものであることを特
徴とするカーボンブラック製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充填材料・補強材
料・導電材料・及び着色顔料などの種々の用途に好適に
用いられるカーボンブラックの製造に関し、その物性を
制御する為の効果的な製造装置及び製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックは、顔料、充填材、補強
用顔料及び耐候性改善剤などとして広く使用されてお
り、その製法は、一般に円筒状のカーボンブラック製造
炉の第1反応帯域に、炉軸方向又は接線方向に酸素含有
ガスと燃料を導入して、これらの燃焼によって得られた
高温燃焼ガス流を、引き続いて炉軸方向に設置された第
2反応帯域に移動させながら、該ガス流中に原料炭化水
素を導入してカーボンブラックを生成させ、第3反応帯
域で残存炭化水素を炭化させた後、反応ガスを急冷して
反応を停止させるファーネス式製造法が広く知られてい
る。
【0003】特に樹脂着色剤、印刷インキ、塗料におい
て着色剤として使用されるカーボンブラックにおいては
黒度、分散性、光沢、着色力に優れた物が求められ、ま
た自動車用タイヤの補強剤として使用されるカーボンブ
ラックとしては主として耐磨耗性やグリップ性に優れた
物が求められる。黒度・着色力の優れたカーボンブラッ
クとしては、一般に一次粒子径が小さいカーボンブラッ
クが適切と言われている(特開昭50−68992号公
報)。又、このような小粒子径のカーボンブラックは、
タイヤの補強剤として使用された場合には、高度の耐磨
耗性を示すことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】小粒子径のカーボンブ
ラックを得るためには、第1反応帯域で発生させた高温
ガスをチョーク部を有する第2反応域に導入して加速
し、得られた高速ガス流中に原料炭化水素を噴霧し、ガ
スの運動及び熱エネルギーをもって液状供給原料を霧化
させることが効果的であることや、高温の燃焼ガス中に
原料炭化水素を導入してカーボンブラックを高い温度条
件下で製造することが有効であることは知られている。
しかしながら、カーボンブラックの1次粒子径が小さく
なるとカーボンブラック間の凝集力が増大し、樹脂、イ
ンキ、塗料、ゴム等のマトリックス中に分散させる事が
著しく困難となるため、小粒子径のカーボンブラック
程、分散不良を引き起こし易い。分散不良が発生する
と、マトリックス中に粗大な凝集物が存在する事から黒
度や光沢、着色力の低下が起こるとともに、凝集物界面
での剥離のため著しい力学的強度の低下を引き起こす事
から、顔料や充填材としての使用が出来なくなる。
【0005】一次粒子径とともにカーボンブラックの特
性に影響を及ぼす要素として凝集体がある。凝集体の大
きさは、ゴムに配合した場合の引張応力や押し出し特
性、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合した場合
の分散性や黒色度、粘度などに多大な影響を与える。カ
ーボンブラックは最終的には一次粒子が何個も連なった
凝集体の集合体で構成されており、この凝集体の大きさ
や形を制御する事はカーボンブラックの特性そのものを
制御する事につながり、一次粒子径の制御以上に重要で
あることがわかっている。凝集体の効果については、凝
集体を単なる粒子とみなしてその大きさや分布の定量化
が行われている。凝集体を粒子として扱うことにより、
種々の粒子径測定技術が応用できるようになり、こうし
て測定される凝集体の大きさは凝集体径として表現され
ている。
【0006】凝集体はカーボンブラックの特性に大きな
影響を与え、これまで一次粒子径に起因すると考えられ
ていたカーボンブラックの特性の多くが、むしろ凝集体
径によってより良く説明できる場合のあることが明らか
になってきた。例えば、着色力などの光学的性質や配合
ゴム組成物の動的粘弾性特性や補強性に対しては、凝集
体径が大きな役割を果たしていると考えられる。樹脂着
色用途でみた場合は、凝集体径は小さいほど高黒度にな
るとされる。凝集体径を小さくする方法としては、アル
カリ金属塩またはその溶液を原料油に添加したり、燃焼
或いは反応域に導入する事が挙げられる。しかしなが
ら、このような小凝集体径化もまたカーボンブラックの
凝集性を増加させ、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂
に配合した場合、分散性や流動性の劣化をひきおこすと
いう問題がある。
【0007】小粒子径化及び小凝集体径化による分散性
や流動性の劣化を改善するのが粒子表面の官能基であ
り、官能基が増すほど分散性が向上すると言われてい
る。例えば特公昭46−18368号公報ではカーボン
ブラックをオゾンで酸化する方法が開示されている。ま
た、特公昭52−13808号公報にはカーボンブラッ
クを過酸化水素で酸化する方法が開示されている。しか
し、こうして酸化された酸性カーボンブラックが全てビ
ヒクルに優れた分散性を示すわけではない。分散不良を
避けて高い光学適性やゴム補強性を発揮する手段とし
て、カーボンブラックの1次粒子径分布を狭くする事が
有効であることが提案されており、この為の手段として
特開平3−33167号公報には、チョークの長さをカ
ーボンブラック粒子の生成反応の実質的な完結までチョ
ーク部内部にて行い、出口拡大部に発生する渦流の影響
をカーボンブラックの粒子生成が完了するまで与えない
ことにより、狭い粒子径のカーボンブラックを得ること
を図っている。また狭い粒子径分布のカーボンブラック
を得る方法としても、前述の高速ガス流中に原料炭化水
素を噴霧する製造方法の様に高い混合性の領域にてカー
ボンブラックを急速に生成させる方法が有効である事は
知られている。
【0008】原料油炭化水素を高速気化反応させて粒子
径分布の狭いカーボンブラックを製造するとともにカー
ボンブラックの製造効率を向上させる目的で、反応域
(チョーク部)のガス温度を高温化させる事が提案さ
れ、高温燃焼ガス発生設備及び高温ガスに耐えうる炉材
・構造等はこれまで種々提案されている。例えば、高純
度アルミナ又は、アルミナにクロミア・カルシア及びラ
ンタノイド元素酸化物を含有させた耐火材等を用いたも
のが提案されている。しかしながら1800℃以上の温
度で高流速のガスに接触させるとこれらの耐火材は何れ
も、温度による軟化と高流速、高乱流ガスの衝突により
著しく損傷・変形を受け、カーボンブラック製造に適し
た形状を維持する事が困難であることが本発明者らの検
討により判明した。一方、高い熱伝導率を持つ金属二重
管をチョーク部に用いてチョーク構造材の表面を冷却し
て高温ガスに耐える構造材を構築してカーボンブラック
を製造する事が提案されており(特開平5−9404号
公報)、このような構造材でチョークを構成することに
より、チョーク部の所望の形状を維持して高温高流速の
環境下でカーボンブラックを製造する試みであると考え
られる。
【0009】しかしながらこのような金属二重管構造の
チョーク構造を有する製造設備を用いて、高温ガスを高
速に導入したチョーク内で原料炭化水素を噴霧し、狭い
1次粒子径分布を持つ所望の粒子径レベルのカーボンブ
ラックを製造しても、市場で要求される高い漆黒度と良
好な分散性を両立する特性のカーボンブラックを得るこ
とには限界があることが判明した。すなわち、漆黒度と
分散性の向上したカーボンブラックを得るには上記金属
二重管構造のチョーク部では充分ではないと考えられ
た。以上説明したように、優れた品質バランスを発揮す
るカーボンブラックを効率的に生産することは困難であ
ったため、当業者においてその解決が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、叙上の課
題に鑑み鋭意検討した。より具体的には、本発明者ら
は、カーボンブラックのマトリックス中での分散挙動、
黒度に影響する因子を解析し、従来に比して、より高黒
度で良分散性を有するカーボンブラックを得るために種
々検討を行った結果、微細凝集体が分散に悪影響を与え
ること、大凝集体が黒度に悪影響を与えること、従って
微細凝集体や大凝集体のない均一な凝集体分布を有する
カーボンブラックが、高黒度で良分散性である事を見い
だした。すなわち、小粒子径、小凝集体径で凝集体径の
分布がシャープで且つ大凝集体の存在しないカーボンブ
ラックが高黒度で分散性が良い、つまり二律背反関係に
あると考えられてきた黒度と分散性との問題を解決する
ものであることを発見した。そして更に、特定のチョー
ク部を有するカーボンブラック製造装置を用いることで
上記目的の優れた特性を有するカーボンブラックの製造
が達成できることを見いだし、本発明に至った。すなわ
ち本発明は、高い漆黒度と良好な分散性を両立する優れ
た適性バランスのカーボンブラックを効率的に製造する
方法及び製造装置を提供するものであり、本発明は、
【0011】(1)燃焼ガス流を形成させる第1反応帯
域と、得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカ
ーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する第2
反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラ
ック生成反応を停止させる第2反応帯域とを有するカー
ボンブラック製造装置であって、チョーク部の長さが5
00mm以上であり、且つチョーク部が良熱伝導性材料
製内管を有する二重構造冷却セルを有するものであるこ
とを特徴とするカーボンブラック製造装置、(2)燃焼
ガス流を形成させる第1反応帯域と、得られた燃焼ガス
流に原料炭化水素を混合してカーボンブラックを生成さ
せる、チョーク部を有する第2反応帯域と、第2反応帯
域の下流にあり、カーボンブラック生成反応を停止させ
る第3反応帯域とを有するカーボンブラック製造装置で
あって、チョーク部の長さが500mm以上であり、且
つチョーク部が良熱伝導性材料製内管を有する二重構造
冷却セルを有するものであるカーボンブラック製造装置
を用いることを特徴とするカーボンブラック製造方法、
【0012】(3)燃焼ガス流を形成させる第1反応帯
域と、得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカ
ーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する第2
反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラ
ック生成反応を停止させる第3反応帯域とを有するカー
ボンブラック製造装置であって、原料炭化水素導入位置
からチョーク部拡大部までの長さが400mm以上であ
り、且つチョーク部が良熱伝導性材料製内管を有する二
重構造冷却セルを有するものであることを特徴とするカ
ーボンブラック製造装置、並びに(4)燃焼ガス流を形
成させる第1反応帯域と、得られた燃焼ガス流に原料炭
化水素を混合してカーボンブラックを生成させる、チョ
ーク部を有する第2反応帯域と、第2反応帯域の下流に
あり、カーボンブラック生成反応を停止させる第3反応
帯域とを有するカーボンブラック製造装置であって、原
料炭化水素導入位置からチョーク部拡大部までの長さが
400mm以上であり、且つ良熱伝導性材料製内管を有
する二重構造冷却セルを有するものであるカーボンブラ
ック製造装置を用いることを特徴とするカーボンブラッ
ク製造方法に存する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造装置及び製造
方法についての詳細を記述する。本発明は、第1反応帯
域、第2反応帯域及び第3反応帯域を有する製造炉にお
いて、原料炭化水素を導入することによりカーボンブラ
ックを得る、いわゆるファーネス法に関するものであ
る。本発明の構成を、図を用いて説明する。図1は、本
発明のカーボンブラック製造装置の一例を示す要部縦断
面概略図である。炉は長さ方向に、燃焼ガス流を形成さ
せる第1反応帯域1と、得られた高温燃焼ガス流に原料
炭化水素を混合してカーボンブラックを生成させる、チ
ョーク部を有する第2反応帯域2と、第2反応帯域に引
き続いた下流にあり、反応を停止させる第3反応域3に
区分される。各反応帯域のプロセス自体は、基本的に従
来技術と同様の方法を採ることができる。なお図1中、
9は耐火物製炉壁である。第1反応帯域では一般に燃焼
ノズル4から燃料炭化水素と酸素含有ガスを導入し、高
温ガス流を反応させる。酸素含有ガスとしては一般に空
気、酸素又はそれらの混合物が用いられ、燃料炭化水素
としては一般に水素、一酸化炭素、天然ガス、石油ガ
ス、カーボンブラック製造排ガス等の気体燃料並びに重
油及び等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系
液体燃料が使用される。
【0014】燃焼帯域とも称される第1反応帯域におい
ては、燃焼ガス中の酸素濃度をできるだけ抑制すること
が望ましい。燃焼ガス中の酸素の存在により第2反応帯
域での原料炭化水素の一部燃焼が起こり、第2反応帯域
の不均一につながる。後述のとおり第2反応帯域、特に
原料炭化水素導入位置における燃焼ガス中の酸素濃度は
3vol%以下が好ましく、より好ましくは0.05〜
1%が好適であるため、かかる条件を達成すべく第1反
応帯域における燃焼条件を設定するのが望ましい。燃焼
帯域での温度は第2反応帯域において原料炭化水素の気
化量、気化速度を向上し、均一な気化、熱分解を達成す
るために充分高温雰囲気であることが望ましく、160
0℃以上が好ましく、より好ましくは1700〜240
0℃が好適である。このような高温化を達成することに
より原料炭化水素と混合するガス温度が上昇され、カー
ボンブラックの生産量が向上すると同時に、より小粒子
径カーボンブラックの生産が可能となる。
【0015】第2反応帯域では第1反応帯域で得られた
高温の燃焼ガス流に並流又は横方向に設けた原料炭化水
素ノズル5から原料炭化水素をチョーク部へ噴霧導入
し、原料炭化水素を熱分解させてカーボンブラックに転
化させる。原料炭化水素としては一般にベンゼン、トル
エン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族
炭化水素、クレオソート油、カルボン酸油等の石炭系炭
化水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCCオイル、
重油、軽油等の石油系炭化水素、アセチレン系不飽和炭
化水素、エチレン系炭化水素、ペンタンやヘキサン等の
脂肪族飽和炭化水素、メタン、エタン、プロパン、ブタ
ン、天然ガス等の炭化水素ガス等が好適に使用される。
図1中、2で示される第2反応帯域はチョーク部からな
り、良熱伝導性材料製の内管を有する二重構造冷却セル
を有している。
【0016】本発明の第1の態様に於いては、上述の第
2反応帯域に於けるチョーク部として、特定のものを使
用することを特徴とする。すなわち、長さが500mm
以上であり、且つ良熱伝導性材料製内管を有する二重構
造冷却セルを用いたチョークである。チョーク部の長さ
は500mm以上とする。チョーク部の長さは500m
m以上であれば、目的とするカーボンブラックの粒子径
等により適宜選択することができる。一般に粒子径の大
きいカーボンブラックを得る場合ほど、長いチョーク部
が必要であり、一般的な小粒子径カーボンブラックであ
る12〜13nmのもので、最低500nm以上有れば
充分であるが、20nm程度のカーボンブラックでは、
最低700mm以上とするべきである。このように、好
ましくは500mm〜3000mmである。この範囲と
することにより、得られるカーボンブラックにおいては
中心径に比して1.3倍以上の大きな凝集体の含有率を
特に小さくすることが出来ることを本発明者らは見いだ
したのである。尚、3000mmを超えても格別の効果
が得られるわけではないので、装置建設の経済上は、3
000mm以下の長さとすればよい。本発明の第2の態
様においては、原料炭化水素導入位置からチョーク部拡
大部までの長さを400mm以上とする。400mm以
上とすることにより、得られるカーボンブラックにおい
て大凝集体含有率を特に小さくすることができる。40
0mm以上であれば特に限定されず、チョーク部の長
さ、後述するチョーク部入口から原料炭化水素導入位置
までの距離及び目的とするカーボンブラックの特性など
に応じて適宜、選択すればよい。尚、チョーク部拡大部
とは後述するチョーク部出口を指す。
【0017】本発明では、第2反応帯域にあるチョーク
部が良熱伝導性材料製内管を有する二重構造冷却セルを
有することを特徴とする。ここで、良熱伝導性材料製内
管を有する二重構造冷却セルとは、良熱伝導性材料製の
内管と、外管とにより構成される二重管であって、例え
ば内管と外管との間隙に冷却媒体を流通させて炉壁と熱
交換させることにより炉壁の過熱を防ぐことが可能な構
造の冷却セルをいう。冷却媒体を流通させるための構造
としては二重管部分の端部に冷却媒体の挿入口、他端に
冷却媒体の排出口を設けるといった手段を適宜適用する
ことができる。内管の材質は良熱伝導性の材料とする。
ここで良熱伝導性の材料とは、所望のカーボンブラック
生成反応条件下においてチョーク部の温度を所望の範囲
に維持するに足る熱交換が、二重管の両管の間に流通さ
せる媒体との間に可能な程度の熱伝導率を有する材質を
指し、熱伝導率として具体的には60kcal/mhr
℃以上,好ましくは140kcal/mhr℃以上、よ
り好ましくは300kcal/mhr℃以上、さらに好
ましくは330kcal/mhr℃以上である。材質と
してより具体的には高熱伝導率の金属である銅、アルミ
ニウム、あるいはこれらを含有する合金等が挙げられ
る。特に好ましくは、例えばリン脱酸銅等の高純度銅等
が挙げられる。金属以外の材料としては例えばSiC、
ダイヤモンド、窒化アルミ、窒化珪素等が有る。これら
金属以外の材料は薄く出来ない、割れやすいと言った欠
点があり本発明におけるチョーク部の冷却セルとして用
いるには成型方法、冷却構造等を工夫することが必要で
ある。このように良熱伝導性の材料を用いることによ
り、カーボンブラック生成反応を高温で行い所望の物性
を得るために炉内を高温に保持すること、さらにはその
ような高温でのカーボンブラックの製造を長期間にわた
って炉内壁の状態が変化することなく一定の条件に継続
しつつ行うことが可能となる。したがって、2000℃
以上の高温下においても耐久性を保持しチョーク内の高
温ガス流等の内容物が漏れたり吹き出したりすることが
なく、またチョーク内面としての好ましい程度の平滑性
を維持することが可能となるために高品質のカーボンブ
ラックの生産が可能となるのである。外管の材質は特に
制限されず、冷却セルという構造体としての耐久性が維
持できればよい。すなわち、内管と外管の間に冷却水等
の冷却媒体を流通させ内管との間で熱交換をしうる構造
としうるために、例えば冷却媒体が水である場合には外
管に要求される特性は、水圧に耐えること、水に溶けな
いこと、設置できること等が挙げられる。冷却に用いる
冷却媒体は特に限定されず、空気、窒素等の各種の気
体、水等の液体を適宜選択して用いればよい。なお、以
上説明した冷却セルは、必要に応じて長さ方向に分割す
る等、適宜構造を設計することができる。図1における
チョーク部2は、良熱伝導性材料から成る内管7、及び
外管8の二重構造冷却セルにより形成されており、冷媒
入口10から導入された水等の冷媒が冷媒出口から排出
されるまでの間に内管と熱交換することにより、上記特
定長さを有するチョーク部において反応条件を所望の程
度にまで均一化し且つ斯かる所望の条件をチョーク部内
の所望の長さにおける反応条件を一定に維持することが
可能となるのである。このように、本発明により初め
て、凝集体及び凝集体分布として好適な範囲にあるカー
ボンブラックを得ることが可能となるのである。
【0018】チョーク内のガス流速は速いほど良い。原
料炭化水素は導入後、燃焼ガスの運動及び熱エネルギー
により微粒化されるが、その時の燃焼ガスの速度は速い
程良く、250m/s以上が好ましく、300〜500
m/sが好適である。また原料炭化水素を炉内に均一に
分散させるために、原料炭化水素は2個以上のノズルか
ら炉内に導入することが好ましい。チョーク内のガスを
高速に保つことにより燃焼ガスの持つ運動エネルギー及
び熱エネルギーを原料炭化水素の微細化に利用できるた
め結果的に小粒子径のカーボンブラックが得られると同
時に、チョーク内の乱流混合によりカーボンブラック生
成反応が起こる雰囲気が一様となり粒子径分布の幅の小
さなカーボンブラックが得られる。また、燃焼ガスの持
つ熱エネルギーを効率良くカーボンブラック生成反応に
利用する事ができるため、反応の速度が上がり、また反
応場が均一となり、その結果凝集体径の小さなカーボン
ブラックを容易に得ることに寄与しているものと考えら
れる。
【0019】原料炭化水素の導入位置も又、得られるカ
ーボンブラックの特性に対する重要な要素であるが、発
明者らの原料炭化水素の供給位置をさまざまに変えた実
験及び検討によれば、小粒子径で凝集体径の均一なカー
ボンブラックを作るためには、炭化水素供給位置はチョ
ーク内でしかもチョーク入口部分から燃焼ガスの断面平
均流速基準で1ms以内、より好ましくは0.6ms以
内の位置に有ることが、小粒子径カーボンブラックを得
るためには特に好適であることが判明した。またチョー
ク部入口から原料炭化水素導入位置までの距離は100
mm近傍とすることが、小粒子径で凝集体径の均一なカ
ーボンブラックを製造するのに好ましい。
【0020】上述のとおり本発明においてはチョーク部
の長さ等を規定するが、ここでチョーク部開始部位であ
るチョーク部の入口は、流路の最も狭い部分を含み、流
路の縮小する軸方向に対する角度が5°を超える値から
5°以下に変化する部位をいう。一方、チョーク部の終
端であるチョーク部の出口は、流路の縮小する軸方向に
対する角度が5°を超える値となる部分をいう。第2反
応帯域における燃焼ガス中の酸素濃度は好ましくは3v
ol%以下とする。より好ましくは0.05〜1vol
%である。このため、燃焼帯域すなわ第1反応帯域に於
いて燃焼ガス中の酸素濃度をできるだけ抑制することが
望ましい。燃焼ガス中の酸素の存在により、反応帯域す
なわち第2反応帯域での原料炭化水素の一部燃焼が起こ
り、そのため反応帯域の不均一が生じることがあるため
である。
【0021】微小な凝集体は主として微小な粒子が凝集
して生成していることから、粒子径分布をシャープにす
るための各条件、すなわち高流速域において原料炭化水
素を導入する等の方法を採るのが望ましい。さらに、大
凝集体はカーボンブラックの凝集過程において、撹乱を
与える事により比較的重い質量の凝集体がこの撹乱流に
よって移動し相互に衝突する事によって生成する事が本
発明者らの検討により判明しており、本発明においては
カーボンブラックの凝集過程に相当する製造装置の領域
における撹乱流を抑制する事で大凝集体の生成抑制が達
成出来たものと考えられる。つまり、本発明により凝集
体径が均一でかつ大凝集体径の無いカーボンブラックが
得られるのは、原料炭化水素が炉内に導入され高い混合
性により高温燃焼ガスと急速に混合され気化・昇温した
後の、カーボンブラックの一次粒子及び凝集体が生成す
るまでの反応帯域の条件が均一となっているため、原料
炭化水素が導入され気化した以降カーボンブラックの一
次粒子が生成しこれら衝突し凝集体が生成する反応が完
了するまで即ちカーボンブラックの粒子及び凝集体の表
面が衝突による融着が起こらない程度までに充分に固化
するまでの間の流路断面形状の大幅な変化による高撹乱
を防止することができ、さらにチョーク部内表面の凹凸
面と高速ガスとの衝突及び剥離により誘起される渦流に
よる撹乱も防止されるという双方の条件が満たされるた
めであると考えられる。
【0022】すなわち、カーボンブラックの凝集体は原
料炭化水素が熱分解後、縮合し、液滴へ凝集後、核とな
る前駆体が形成し一次粒子が生成、その後粒子の相互の
衝突を経て、融着炭化し生成するものと考えられ、凝集
体の分布を制御しようとする場合は粒子径分布を制御す
る場合と比較して、更に長い時間制御が必要であること
が本発明者らの検討により明らかとなった。これは粒子
は重合途中の液相炭化水素の段階で凝集し生成するのに
対し、凝集体の生成はこの液相粒子が衝突し融着した状
態のまま更に重合が進み炭化し反応領域温度において固
体の状態となる為この液相の炭化水素が高温下で固化す
るまでに時間を要する為と考えられ、粒子生成時間の2
倍〜5倍の時間を要している事が本発明者らによる種々
実験の結果を踏まえた検討により明らかとなったのであ
る。
【0023】本発明では、チョーク部の長さ、あるいは
原料炭化水素導入位置からチョーク部出口までの長さを
特定値以上とし、且つチョークを特定材質及び特定構造
とすることにより、チョーク内面を平滑な面で構成し且
つ長期間の製造設備使用の間でこの内面の平滑性が損な
われず又チョーク内径の変動も防止することを達成して
いると考えられる。すなわちチョーク部の構造として上
述のものを有する製造装置を用いてカーボンブラックを
製造することにより、カーボンブラック生成反応におけ
る上述の要件が達成され得ることが考えられる。つまり
本発明の特定構造を有するチョーク部を採用することに
より、高温・高流速条件下でもチョーク部が劣化するこ
とも防止でき、好ましい特性のカーボンブラックを安定
して製造することが初めて可能となったのである。
【0024】なお、チョーク長さを長く保ち、比較的狭
い粒子寸法分布のカーボンブラックを得ることは特開平
3−33167号公報中に記載されている。しかし、そ
の効果においてカーボンブラックの特性に影響を与える
最も重要な因子である凝集体径分布への影響に関しては
全く記述が無く、またチョークの径については好適寸法
が直径7〜10インチとの記載があるのみであり、本発
明のチョーク部の条件とは異なっている。本発明におい
ては、チョークの長さを特定値以上とすることにより凝
集体径が小さくかつ分布のシャープで大凝集体径のもの
が少ないカーボンブラックを得ることができ、前記公報
記載の発明とは内容が全く異なるものである。
【0025】第3反応帯域は高温反応ガスを1000〜
800℃以下に冷却するため、反応停止流体導入用ノズ
ル6から水等を噴霧する。冷却されたカーボンブラック
は捕集バッグフィルター等でガスと分離し回収する等公
知の一般的プロセスをとることができる。以上説明した
本発明のカーボンブラックの製造装置あるいはカーボン
ブラックの製造方法により、優れた特性を有するカーボ
ンブラックを効率的に得ることができる。従来より凝集
体の指標評価として、CrDBPやカーボンブラックの
水分散系に於ける遠心沈降法、電子顕微鏡解析が知られ
ているが、最近では凝集体の大きさ、分布の評価に遠心
沈降法が用いられている。本発明の実施例に於いては、
凝集体径がシャープで有ることの指標として、遠心沈降
法による凝集体ストークス相当径分布における最大頻度
ストークス相当径Dmodと最大頻度ストークス相当径の
半値幅D1/2の比を、また大凝集径が無いことの指標と
して体積75%径D75を用いて評価した。本発明のカー
ボンブラック製造装置及び本発明のカーボンブラックの
製造方法により、遠心沈降法による凝集体ストークス相
当径分布における最大頻度ストークス相当径Dmodと最
大頻度ストークス相当径の半値幅D1/2の比すなわちD
1/2/Dmodが0.6以下、体積75%径とのDmod比す
なわちD75/Dmodが1.3以下である、小粒子径、小
凝集体径で凝集体径分布がシャープで大凝集体径のもの
が少ないカーボンブラックを効率的に得ることが出来
る。さらに、PVC黒度を高めるためにより好ましいも
のである平均粒子径20nm以下のカーボンブラックも
容易に得ることが出来る。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明する。 (実施例1〜2)概要を図1に示す、空気導入ダクトと
燃焼バーナーを備える内径500mm、長さ1400m
mの第1反応帯域、該第1反応帯域に連接され、周辺か
ら複数の原料ノズルを貫設した内径50mm、長さ80
0mmのチョーク部を有する第2反応帯域、及びクエン
チ装置を備えた内径200mm、長さ6000mmの第
3反応帯域を順次連結した構造のカーボンブラック製造
装置を設置した。原料炭化水素の導入位置は、チョーク
部入り口から100mmとし、チョーク部の材質は、リ
ン脱酸銅製二重管構造冷却セルを使用したものである。
上記の製造装置を用いて、表−1に示す各条件に従って
カーボンブラックを製造した。燃料にはプロパンガスを
使用し、原料炭化水素にはクレオソート油(表−1中
「原料油」と記載)を使用した。表−1中、「炉内温
度」、「燃焼ガス酸素濃度」、「燃焼ガス流速」は原料
炭化水素を導入する位置に於けるものである。「燃焼空
気酸素濃度」は空気導入ダクトより導入される空気中の
酸素濃度である。「カリウム濃度」は原料炭化水素中に
添加されたKOHの濃度を、カリウムの濃度として規定
したものである。得られたカーボンブラックの各種特性
を表−2に示す。得られたカーボンブラックの分析的性
質を決定するため、次の試験方法を用いた。
【0027】(比表面積)比表面積(N2SA)はAS
TM D3037−88に従って決定した。 (CrDBP)破砕DBP吸収数(CrDBP)はAS
TM D−3493−88に従って決定した。 (Dmod、D1/2)最大頻度ストークス相当径(Dmo
d)及びストークス相当径半値幅(D1/2)は、次の様
にして決定した。スピン液として20%エタノール溶液
を用い、遠心沈降式の粒度分布測定装置(JLオートメ
ーション社製 DCF3型)により、ストークス相当径
を測定し、ストークス相当径を測定し、ストークス相当
径対与えられた試料中の相対的発生頻度のヒストグラム
(図2)を作る。ヒストグラムのピーク(A)から線
(B)を、Y軸に平行にX軸まで引き、ヒストグラムの
X軸の点(C)で終わらせる。 また、得られた線
(B)の中点(F)を決定し、その中点(F)を決定
し、その中点(F)を通りX軸に平行に線(G)を引
く。線(G)はヒストグラムの分布曲線と、2点D及び
Eで交わる。カーボンブラック粒子の2点D及びEの2
つのストークス直径の差の絶対値がストークス相当径半
値幅D1/2値である。
【0028】(D75)体積75%径(D75)は次の様
にして決定した。上記最大頻度ストークス径を決定する
方法に於いて、ストークス相対径対試料の相対的発生頻
度のヒストグラム図2から、それぞれのストークス直径
と頻度から体積を求め、ストークス直径対その直径まで
の得られた試料の体積総和を表すグラフを作る。よって
(図3)中の点(A)は、全試料の体積の総和を表す。
ここで、この体積総和の75%の値の点(B)を決定
し、点(B)よりX軸と交わった点(D)の値が体積7
5%径(D75)である。 (PVC黒度)PVC黒度は、本発明のカーボンブラッ
クをPVC樹脂に添加、2本ロールにより分散、シート
化し、三菱化学(株)カーボンブラック「#40」「#
45」の黒度を各々1点、10点と基準値を定め、資料
の黒度を視感判定により評価した。
【0029】(分散指数)分散指数は次の方法により評
価した。LDPE樹脂中の分散状態を観察し、未分散凝
集塊の数をカウントし、その数の多い、すなわち、分散
指数が大きいほど、分散性は悪いと評価した。250c
cバンバリーミキサーにてLDEP樹脂に試料カーボン
ブラックを40重量%配合 し、115℃、4分混練す
る。 配合条件 LDPE樹脂 101.89g ステアリン酸カルシウム 1.39g イルガノックス1010 0.87g 試料カーボンブラック 69.43g 次に120℃で、2本ロールミルにてカーボンブラック
濃度が1重量%になるように希釈する。 希釈コンパウンド作成条件 LDPE樹脂 58.3g ステアリン酸カルシウム 0.2g カーボンブラック40%配合樹脂 1.5% スリット幅0.3mmでシート化し、このシートをチッ
プに切断、240℃のホットプレート上で65±3μm
のフィルムに成形する。倍率20倍の光学顕微鏡にて
3.6mm×47mmの視野中の0.2mm以上の直径
の未分散塊の直径分布を測定し、その総面積を計算す
る。この面積を0.35mm径の未分散凝集塊の面積を
基準に、総面積を基準面積で割り、基準粒子の個数とし
計算する。これを16視野以上観察し、平均値を分散指
数とする。
【0030】(粒子径)電子顕微鏡法による。電子顕微
鏡法とは、以下に示す方法である。カーボンブラックを
クロロホルムに投入し、200KHzの超音波てら20
分照射して分散させた後、分散試料を支持膜に固定す
る。これを透過型電子顕微鏡で写真撮影し、写真上の直
径と写真の拡大倍率により粒子径を計算する。この操作
を1500回にわたって実施し、それらの値の算術平均
により求める。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】(比較例1)チョーク部の内径が60mm
であること、及びチョーク部の材質が高純度アルミナ煉
瓦であってチョーク部が二重構造を有さないものを使用
したものであること以外は実施例1〜2で用いたと同様
の製造装置を設置した。 (比較例2)チョーク部の長さが250mmであるこ
と、及びチョーク部の材質がステンレス製二重管構造冷
却セルを使用したものであること以外は実施例1〜2で
用いたと同様の製造装置を設置した。得られた本発明の
カーボンブラックを比較例と比べると、表−2から明ら
かなように、実験例で得られたカーボンブラックは比較
例のカーボンブラックに比べ、D1/2/Dmodが小さく凝
集体径の分布がシャープである。また、D75も小さく、
大凝集体径のものが少ない。 また、高黒色度を呈し、
分散指数も低く、分散性が良好である。
【0034】
【発明の効果】以上の通り、本発明により得られるカー
ボンブラックは、樹脂着色剤、新聞インキ、塗料におい
て黒色顔料に使用したときに、従来二率背反関係にあり
困難とされていた黒色度と分散性を満足する画期的なも
のである。従って、樹脂着色剤、印刷インキ、塗料に於
いて大変有用である。本発明の製造装置及び製造方法に
より、このような優れた特性を有するカーボンブラック
を効率的に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカーボンブラック製造装置の一例を示
す要部縦断面概略図
【図2】最大頻度ストークス相当径(Dmod)及びスト
ークス相当径半値幅(D1/2)の求め方を示す図
【図3】体積75%径の求め方を示す図
【符号の説明】
1 第1反応帯域 2 第2反応帯域 3 第3反応帯域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武原 弘明 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内 (72)発明者 山口 剛 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、
    得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカーボン
    ブラックを生成させる、チョーク部を有する第2反応帯
    域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラック生
    成反応を停止させる第3反応帯域とを有するカーボンブ
    ラック製造装置であって、チョーク部の長さが500m
    m以上であり、且つチョーク部が良熱伝導性材料製内管
    を有する二重構造冷却セルを有するものであることを特
    徴とするカーボンブラック製造装置。
  2. 【請求項2】燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、
    得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカーボン
    ブラックを生成させる、チョーク部を有する第2反応帯
    域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラック生
    成反応を停止させる第3反応帯域とを有するカーボンブ
    ラック製造装置であって、チョーク部の長さが500m
    m以上であり且つチョーク部が良熱伝導性材料製内管を
    有する二重構造冷却セルを有するものであるカーボンブ
    ラック製造装置内でカーボンブラック生成反応を行うこ
    とを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
  3. 【請求項3】燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、
    得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカーボン
    ブラックを生成させる、チョーク部を有する第2反応帯
    域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラック生
    成反応を停止させる第3反応帯域とを有するカーボンブ
    ラック製造装置であって、原料炭化水素導入位置からチ
    ョーク部拡大部までの長さが400mm以上であり、且
    つチョーク部が良熱伝導性材料製内管を有する二重構造
    冷却セルを有するものであることを特徴とするカーボン
    ブラック製造装置。
  4. 【請求項4】燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域と、
    得られた燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカーボン
    ブラックを生成させる、チョーク部を有する第2反応帯
    域と、第2反応帯域の下流にあり、カーボンブラック生
    成反応を停止させる第3反応帯域とを有するカーボンブ
    ラック製造装置であって、原料炭化水素導入位置からチ
    ョーク部拡大部までの長さが400mm以上であり且つ
    チョーク部が良熱伝導性材料製内管を有する二重構造冷
    却セルを有するものであるカーボンブラック製造装置内
    でカーボンブラック生成反応を行うことを特徴とするカ
    ーボンブラック製造方法。
  5. 【請求項5】チョーク部内の燃焼ガス温度が1600℃
    以上である請求項2又は4のいずれかに記載のカーボン
    ブラックの製造方法。
  6. 【請求項6】チョーク部内の燃焼ガス流速が250m/
    s以上である請求項2、4又は5記載のカーボンブラッ
    クの製造方法。
  7. 【請求項7】原料炭化水素導入位置が、チョーク部内で
    あって、チョーク部入口から1ms以内である請求項
    2、4、5又は6記載のカーボンブラックの製造方法。
  8. 【請求項8】原料炭化水素導入位置における燃焼ガス中
    の酸素濃度が3vol%以上である請求項2、4、5、
    6又は7記載のカーボンブラックの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007302520A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Tokai Carbon Co Ltd 炭素微小球とその製造方法

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