JPH10140034A - カーボンブラックの製造方法 - Google Patents

カーボンブラックの製造方法

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JPH10140034A
JPH10140034A JP23250397A JP23250397A JPH10140034A JP H10140034 A JPH10140034 A JP H10140034A JP 23250397 A JP23250397 A JP 23250397A JP 23250397 A JP23250397 A JP 23250397A JP H10140034 A JPH10140034 A JP H10140034A
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carbon black
reaction zone
diameter
combustion gas
reaction
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Nobutake Mise
信猛 見勢
Yutaka Fukuyama
裕 福山
Mamoru Nakayama
守 中山
Shigeru Kawakami
滋 川上
Yoshihiro Bizen
佳宏 尾前
Hiroaki Takehara
弘明 武原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高黒度と良分散性の両方を満足するカーボン
ブラックを効率的に製造する方法を提供する。一次粒子
径が小さく、しかも凝集体径が小さく、さらに凝集体分
布の幅が小さく大凝集体径の少ないカーボンブラックを
効率的に得るための製造方法を提供する。 【解決手段】 高温燃焼ガス流を形成させる第1反応帯
域と、得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合し
てカーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する
第2反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり反応を停止
させる第3反応帯域とを有する製造炉を用いるカーボン
ブラックの製造方法において、チョーク部の直径を17
0mm以下とし、チョーク部内の燃焼ガスの流速が25
0m/s以上とすることを特徴とするカーボンブラック
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は充填材料、補強材
料、導電材料及び着色顔料などの種々の用途に用いられ
るカーボンブラックの製造に関し、その物性を制御する
ための効果的な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】カーボンブラックは顔料、充填剤、及び補
強用顔料、耐候性改善剤として広く使用されており、そ
の製法は、一般に円筒状のカーボンブラック製造炉の第
1反応帯域に、炉軸方向又は接線方向に酸素含有ガスと
燃料を導入して、これらの燃焼によって得られた高温燃
焼ガス流を、引き続いて炉軸方向に設置されたつ第2反
応帯域に移動させながら、該ガス流中に原料炭化水素を
導入してカーボンブラックを生成させ、第3反応帯域で
反応ガスを急冷して反応を停止させるファーネス式製造
法が広く知られている。
【0003】樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において着
色剤として使用されるカーボンブラックは黒度、分散
性、光沢、着色力に優れたものが求められ、また主に自
動車用タイヤの補強剤として使用されるカーボンブラッ
クは耐摩耗性に優れたものが求められる。黒度、着色力
はカーボンブラックの一次粒子径への依存性が大きく、
一次粒子径が小さくなるほど高黒度となることが知られ
ている。例えば黒度と一次粒子径との関係は特開昭50
−68992号公報に開示されている。また、このよう
なカーボンブラックはタイヤの補強剤として使用された
場合には、高度の耐摩耗性を示すことが知られている。
【0004】また、一次粒子径の分布もゴム特性、特に
大きな耐摩耗性を要求されるタイヤトレッドゴム組成物
には大きな影響を与え、その一次粒子径分布も狭い方が
より好ましいとされている。一般的に平均粒子径の小さ
なものほどその分布は狭いが、一次粒子径分布を狭くす
る方法も開示されている(特開平3−33167号公
報)。
【0005】一次粒子径とともにカーボンブラックの特
性に影響を及ぼす要素として凝集体がある。凝集体の大
きさは、ゴムに配合した場合の引張応力や押し出し特
性、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配合した場合
の分散性や黒色度、粘度などに多大な影響を与える。カ
ーボンブラックは最終的には一次粒子が何個も連なった
凝集体の集合体で構成されており、この凝集体の大きさ
や形を制御する事はカーボンブラックの特性そのものを
制御する事につながり、一次粒子径の制御以上に重要で
ある。
【0006】凝集体はカーボンブラックの特性に大きな
影響を与え、これまで一次粒子径に起因すると考えられ
ていたカーボンブラックの特性の多くが、むしろ凝集体
径によってより良く説明できる場合のあることが明らか
になってきた。例えば、着色力などの光学的性質や配合
ゴム組成物の動的粘弾性特性や補強性に対しては、凝集
体径とその分布が大きな役割を果たしていると考えられ
る。樹脂着色用途でみた場合は、凝集体径は小さいほど
高黒度になる事が知られている。
【0007】一般に凝集体径を小さくする方法として
は、アルカリ金属塩またはその溶液を原料油に添加した
り、燃焼域或いは反応域に導入する事が行われている。
しかしながら、インキや塗料のビヒクル並びに樹脂に配
合した場合、小粒子径化及び小凝集体径化は分散性や流
動性の劣化をひきおこす。そこで、カーボンブラックの
特性と樹脂物性との関係に関しては、一般に二律背反の
関係にある黒色度と分散性をいかに満足させるかが重要
な点となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高黒度と良
分散性の両方を満足するカーボンブラックを効率的に製
造する方法を提供する。本発明は、一次粒子径が小さ
く、しかも凝集体径が小さく、さらに凝集体分布の幅が
小さいカーボンブラックを効率的に得るための製造方法
を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボン
ブラックのマトリックス中での分散挙動、黒度に影響す
る因子を解析し、従来に比して、より高黒度で良分散性
を有するカーボンブラックを得るために種々検討した結
果、微細凝集体が分散に悪影響を与えること、大凝集体
が黒度に悪影響を与えること、従って微細凝集体や大凝
集体のない均一な凝集体を有するカーボンブラックが、
高黒度で良分散性である事を見いだした。すなわち、小
粒子径、小凝集体径で凝集体径の分布がシャープなカー
ボンブラックが高黒度で分散性が良い、つまり上述の二
律背反関係にあると考えられてきた黒度と分散性との問
題を解決するものであることを発見したのである。
【0010】そこで、発明者らは、上述の優れた特性を
有するカーボンブラックを効率的に製造するための条件
につき更に鋭意検討を重ねた。その結果、特定のチョー
ク部を有するカーボンブラック製造炉を用い、チョーク
部内の燃焼ガスの流速を特定の範囲とすることにより、
上述の優れた特性を有するカーボンブラックを効率的に
製造することができることを見いだし、本発明に至っ
た。
【0011】すなわち、本発明は、高温燃焼ガス流を形
成させる第1反応帯域と、得られた高温燃焼ガス流に原
料炭化水素を混合してカーボンブラックを生成させる、
チョーク部を有する第2反応帯域と、第2反応帯域の下
流にあり反応を停止させる第3反応帯域とを有する製造
炉を用いるカーボンブラックの製造方法において、チョ
ーク部の直径を170mm以下とし、チョーク部内の燃
焼ガスの流速が250m/s以上とすることを特徴とす
るカーボンブラックの製造方法に存する。
【0012】本発明の製造方法に規定する範囲内におい
て、例えば原料炭化水素の挿入量等の種々の条件を変更
する事によって、所望の種々の物性を有するカーボンブ
ラックを製造することができる。従って種々の用途に使
用できる種々の品種のカーボンブラックを任意に、高収
率で製造できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、第1反応帯域、第2反応帯域及び第3反応帯
域を有する製造炉において、原料炭化水素を導入するこ
とによりカーボンブラックを得る、いわゆるファーネス
法に関するものである。
【0014】本発明の構成を、図を用いて説明する。図
1は、本発明で用いることのできるカーボンブラック製
造炉の一例を示す要部縦断面概略図である。炉は長さ方
向に、高温燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域1と、
得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合してカー
ボンブラックを生成させる、チョーク部を有する第2反
応帯域2と、第2反応帯域に引き続いた下流にあり、反
応を停止させる第3反応帯域3とに区分される。各反応
帯域のプロセス自体は、基本的には従来技術と同様の方
法を採ることができる。
【0015】第1反応帯域では一般に燃焼ノズル5から
燃料炭化水素と酸素含有ガスを導入し、高温ガス流を発
生させる。酸素含有ガスとしては一般に空気、酸素また
はそれらの混合物が用いられ、燃料炭化水素としては一
般に水素、一酸化炭素、天然ガス、石油ガス並びに重油
等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃
料が使用される。
【0016】第2反応帯域では第1反応帯域で得られた
高温ガス流に並流又は横方向に設けた原料炭化水素導入
ノズル6から原料炭化水素を噴霧導入し、原料炭化水素
を熱分解させてカーボンブラックに転化させる。原料炭
化水素としては一般にベンゼン、トルエン、キシレン、
ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素、クレオ
ソート油、カルボン酸油等の石炭系炭化水素、エチレン
ヘビーエンドオイル、FCCオイル等の石油系重質油、
アセチレン系不飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ペ
ンタンやヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素などが好適に
使用される。
【0017】第3反応帯域は高温反応ガスを1000〜
800℃以下に冷却するため、反応停止流体導入用ノズ
ル7から水等の液体あるいは気体の冷却媒体を噴霧す
る。冷却されたカーボンブラックは、捕集バッグフィル
ター等でガスと分離し回収する等公知の一般的プロセス
をとることができる。なお、図中、4は耐火物製炉、8
はコントロールバルブである。
【0018】本発明において、第2反応帯域はチョーク
部を有するものである。本発明においては、チョーク部
における燃焼ガスの流速を250m/s以上とすること
を特徴とする。本発明者らの検討により、カーボンブラ
ックの一次粒子の小粒子径化を達成するためには、原料
炭化水素が導入された直後、原料炭化水素を製造炉内の
燃焼ガス内に導入した直後の原料炭化水素の液滴径を極
力小さくする事が効果があることが判明した。
【0019】カーボンブラックの製造においては、従来
より高速度燃焼ガスの運動及び熱エネルギーを原料炭化
水素の微粒化に利用することは知られている。しかしな
がら、従来の技術では充分な小粒子径化は達成されてい
ない。そこで、高速気流中における液滴の微粒化機構に
ついて更に鋭意検討したところ、気流による液滴の微粒
化はガスと粒子の相対速度差及び気流中に噴霧された粒
子が気流の速度近くまで加速されるまでの時間と関係が
ある事がわかった。
【0020】原料炭化水素が微粒化された後の最終到達
径とガスの流速を関係を検討すると、ガス流速が250
m/sまではガス流速が大きくなるにつれて最終到達径
は急激に減少するが250m/s以上では緩やかに減少
する事がわかった。従って、絞り部に導入するガスの流
速は250m/s以上が必要で、望ましくは500m/
s程度が良く、絞り部中にほぼガスの流れに横方向に原
料炭化水素を導入する事が望ましいことが本発明者らの
検討により明らかにされた。したがって、250m/s
未満では、本発明で目的とする充分な小粒子径化の効果
は得られない。
【0021】さらに、本発明においては、チョークの直
径は170mm以下とする。特に好ましくは30〜17
0mm、更に好ましくは50〜150mmである。この
範囲で特に小粒子径、小凝集体径で、しかも凝集体分布
がシャープなものを容易に得ることができることを本発
明者らは見いだした。このように本発明において特定値
以上の流速で特定値以下の小口径のチョーク部を通過さ
せることにより好ましい物性を有するカーボンブラック
を得ることができることの理由としてはおそらく、直径
の小さなチョーク内で燃焼ガス流速を高速に保つことに
より、チョーク内のガスの持つ乱流混合の大きさが大き
くなり、原料炭化水素の液滴の微粒化が促進されるだけ
でなく、カーボンブラック生成反応が起こる雰囲気が一
様となり、燃焼ガスの持つ熱エネルギーを効率良くカー
ボンブラック生成反応に利用する事ができるため、反応
の速度が上がり、また反応場が均一となり、短時間でカ
ーボンブラックが生成して炭化することが可能となり、
その結果、小粒子径、小凝集体径で凝集体分布がシャー
プなカーボンブラックを効率良く作ることができるため
と考えられる。
【0022】また、原料炭化水素を炉内に均一に分散さ
せるために、原料炭化水素は2個以上のノズルから炉内
に導入する事が好ましい。こうすることにより、特に凝
集体径、粒子径共にシャープなカーボンブラックを得る
ことができる。原料炭化水素の供給位置はチョーク部分
でしかもチョーク部の入口から燃焼ガスの断面平均流速
基準で1ms以内の範囲とするのが好適である。好まし
くは0.6ms以内である。この範囲で導入することに
より、特に小粒子径で凝集体径の均一なカーボンブラッ
クを容易に得ることができる。
【0023】なお、ここでチョーク部開始部位であるチ
ョーク部の入口は、流路の最も狭い部分を含み、流路の
縮小する軸方向に対する角度が5°を超える値から5°
以下に変化する部位をいう。一方、チョーク部の終端で
あるチョーク部の出口は、流路の縮小する軸方向に対す
る角度が5°を超える値となる部位をいう。原料炭化水
素を導入する部位における温度は、好ましくは1600
〜1700℃、より好ましくは1700〜2400℃、
さらに好ましくは1800〜2400℃である。この範
囲で特に原料炭化水素が均一に気化、熱分解するために
充分高温雰囲気となり、凝集体分布、粒子径分布の特に
シャープなカーボンブラックとなる。
【0024】原料炭化水素の導入部位は、チョーク部内
であってしかもチョーク入り口から燃焼ガスの断面平均
流速基準で1ms以内の範囲とすることが好適である。
より好ましくは、0.6ms以内の範囲とする。この部
位で導入することにより、特に小粒子径で凝集体径の均
一なカーボンブラックを得ることができる。原料炭化水
素の導入後、チョーク内における滞留時間は、0.4m
s以上とするのが好ましい。これにより、凝集体分布が
特にシャープなカーボンブラックを容易に得ることがで
きる。凝集体は原料炭化水素が熱分解後、縮合し、液滴
へと凝縮後、核となる前駆体が形成、相互の衝突を経
て、融着炭化し生成するものと考えられる。したがっ
て、チョーク内の滞留時間を上記の範囲とすることによ
り、流路変化等による高撹乱場を受けることなく凝集体
が生成しうるためと考えられる。
【0025】原料炭化水素導入部位における酸素濃度
は、好ましくは3vol%以下とする。より好ましく
は、0.05〜1vol%である。燃焼ガス中の酸素の
存在は反応帯域での原料炭化水素の一部燃焼が起こり、
そのため反応帯域の不均一が生じる。従来の技術ではフ
ァーネスブラックは原料油の一部部分燃焼によって生成
すると考えられていたため、燃焼ガス中の残存酸素濃度
を5〜10vol%程度にし、原料油を一部部分燃焼さ
せていたが、発明者らの検討により、意外にも原料炭化
水素を導入する部位における酸素濃度が少ないほど、燃
焼反応におけるCO2の発生割合が増加し、燃焼反応に
おける発熱量が大きくなり、燃焼ガスの高温化がはかれ
ること、また歩留まりも大幅に改善すること、原料油の
部分燃焼が少ないため、カーボンブラックの生成する領
域の雰囲気が均一に保たれ、凝集体径分布が特にシャー
プなカーボンブラックを得ることができることが判明し
た。
【0026】原料炭化水素導入部位における酸素濃度の
測定は、原料炭化水素導入部位における気体を採取し、
例えばガスクロマトグラフィー測定装置で窒素、酸素、
二酸化炭素、一酸化炭素、水素、メタン、アセチレンを
測定することにより求めることができる。なお燃焼で発
生する水は計算には入れない。以上説明した本発明のカ
ーボンブラックの製造方法により、凝集体が小さくしか
も分布がシャープであり、さらに小粒子径であるカーボ
ンブラックを得ることができる。従来より凝集体の評価
指標として、cDBPやカーボンブラックの水分散系に
おける遠心沈降法、電子顕微鏡解析が知られているが、
最近では凝集体の大きさ、分布の評価に遠心沈降法が用
いられている。本発明の実施例においては、凝集体径が
シャープであることの指標として、遠心沈降法による凝
集体ストークス相当径分布における最大頻度ストークス
相当径Dmodと最大頻度ストークス相当径の半値幅D1/2
の比を用いて評価した。
【0027】
【実施例】以下に本発明を、実施例を挙げて更に具体的
に説明する。 (実施例1〜5)図1に示す、空気導入ダクトと燃焼バ
ーナーを備える内径500mm、長さ1400mmの第
1反応帯域、該第1反応帯域にから連接され、周辺から
複数の原料ノズルを貫設した内径50mm、長さ300
mmのチョーク部を有する第2反応帯域、クエンチ装置
を備えた内径100mm、長さ6000mmの第3反応
帯域、及び絞り機構として内弁径80mmのコントロー
ルバルブを順次結合した構造のカーボンブラック製造炉
を設置した。原料ノズル位置は、チョーク入口から10
0mmである。
【0028】上記の炉を用い、表−1に示す各条件によ
りカーボンブラックを製造した。燃料及び原料炭化水素
としてクレオソート油を使用した。得られたカーボンブ
ラックの各種特性を表−2に示した。表−1中、「燃焼
ガス温度」、「燃焼ガス酸素濃度」及び「炉内圧力」は
原料炭化水素を導入する部位におけるものである。「燃
焼ガス流速」は、チョーク部内における流速である。
「カリウム濃度」は原料炭化水素中に添加されたKOH
の濃度を、カリウムの濃度として規定したものである。
【0029】得られたカーボンブラックの分析的性質を
決定するため、次の試験方法を用いた。 (比表面積)比表面積(N2SA)はASTM D30
37−88に従って決定した。 (cDBP)破砕DBP吸収数(cDBP)はASTM
D−3493−88に従って決定した。 (Dmod、D1/2)最大頻度ストークス相当径(Dmod
及びストークス相当径半値幅(D1/2)は次のようにし
て決定した。
【0030】スピン液として20%エタノール溶液を用
い、遠心沈降式の流度分布測定装置(JLオートメーシ
ョン社製 DCF3型)により、ストークス相当径を測
定し、ストークス相当径対与えられた試料中の相対的発
生頻度のヒストグラム(図2)を作る。ヒストグラムの
ピーク(A)から線(B)を、Y軸に平行にX軸まで引
き、ヒストグラムのX軸の点(C)で終わらせる。点
(C)でのストークス直径が最大頻度ストークス相当径
modである。また、得られた線(B)の中点(F)を
決定し、その中点(F)を通りX軸に平行に線(G)を
引く。線(G)はヒストグラムの分布曲線と2点D及び
Eで交わる。カーボンブラック粒子の2点D及びEの二
つのストークス直径の差の絶対値がストークス相当径半
値幅D1/2値である。 (PVC黒度)PVC黒度は、本発明のカーボンブラッ
クをPVC樹脂に添加、2本ロールにより分散、シート
化し、三菱化学(株)カーボンブラック「#40」、
「#45」の黒度を各々1点、10点と基準値を定め、
試料の黒度を視感判定により評価した。 (分散指数)分散指数は次の方法により評価した。LD
PE樹脂中の分散状態を観察し、未分散凝集塊の数をカ
ウントし、この数が多い、すなわち、分散指数が大きい
ほど、分散性が悪いと評価した。
【0031】250ccバンバリーミキサーにてLDP
E樹脂に試料カーボンブラックを40重量%配合し11
5℃、4分混練りする。 配合条件 LDPE樹脂 101.89g ステアリン酸カルシウム 1.39g イルガノックス1010 0.87g 試料カーボンブラック 69.43g 次に120℃2本ロールミルにてカーボンブラック濃度
が1重量%に成るように希釈する。
【0032】希釈コンパウンド作成条件 LDPE樹脂 58.3g ステアリン酸カルシウム 0.2g カーボンブラック40%配合樹脂 1.5g スリット幅0.3mmでシート化し、このシートをチッ
プに切断、240℃のホットプレート上で65±3μm
のフィルムに成形する。倍率20倍の光学顕微鏡にて
3.6mm×4.7mmの視野中の0.2mm以上の直
径の未分散凝集塊の直径分布を測定し、その総面積を計
算する。この面積を0.35mm径の未分散凝集塊の面
積を基準に、総面積を基準面積で割り、基準粒子の個数
とし計算する。これを16視野以上観察し、平均値を分
散指数とする。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】(比較例1)得られたカーボンブラックを
チョーク径は50mmであるが、チョーク内流速が10
0m/sと遅い場合、及びチョーク内流速は250m/
sであるがチョーク径が180mmと大きい場合をそれ
ぞれ比較例1及び比較例2として比較した。
【0036】表2に示すように、比較例1は実施例1〜
5に比べると、D1/2/Dmodが大きく、分散指数も高く
分散性が悪い。また、比較例2は比表面積N2SAが小
さく、粒子径が大きく、高黒度が低い。
【0037】
【発明の効果】以上の通り、本発明によるカーボンブラ
ックは、樹脂着色剤、印刷インキ、塗料において黒色顔
料として使用したときに、従来二律背反の関係にあり困
難とされていた黒色度と分散性を満足する。従って、樹
脂着色剤、印刷インキ、塗料において黒色顔料として大
変有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いることのできるカーボンブラック
製造炉の一例を示す要部縦断面概略図
【図2】最大頻度ストークス相当径(Dmod)及びスト
ークス相当径半値幅(D1/2)の求め方を示す図
【符号の説明】 4 耐火物製炉 8 コントロールバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 滋 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内 (72)発明者 尾前 佳宏 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内 (72)発明者 武原 弘明 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱化学株式会社黒崎事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温燃焼ガス流を形成させる第1反応帯域
    と、得られた高温燃焼ガス流に原料炭化水素を混合して
    カーボンブラックを生成させる、チョーク部を有する第
    2反応帯域と、第2反応帯域の下流にあり反応を停止さ
    せる第3反応帯域とを有する製造炉を用いるカーボンブ
    ラックの製造方法において、チョーク部の直径を170
    mm以下とし、チョーク部内の燃焼ガスの流速が250
    m/s以上とすることを特徴とするカーボンブラックの
    製造方法。
  2. 【請求項2】チョーク部内における原料炭化水素を導入
    する部位がチョーク入口から1ms以内の場所である請
    求項1に記載のカーボンブラックの製造方法。
  3. 【請求項3】原料炭化水素を導入する部位の酸素濃度が
    3vol%以下である請求項1又は2に記載のカーボン
    ブラックの製造方法。
JP23250397A 1997-08-28 1997-08-28 カーボンブラックの製造方法 Pending JPH10140034A (ja)

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JP23250397A JPH10140034A (ja) 1997-08-28 1997-08-28 カーボンブラックの製造方法
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