JPH11344777A - 画像立体出力装置及び印画材 - Google Patents

画像立体出力装置及び印画材

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JPH11344777A
JPH11344777A JP10164365A JP16436598A JPH11344777A JP H11344777 A JPH11344777 A JP H11344777A JP 10164365 A JP10164365 A JP 10164365A JP 16436598 A JP16436598 A JP 16436598A JP H11344777 A JPH11344777 A JP H11344777A
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Toru Iwane
透 岩根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作成が容易で可搬性のある記録媒体上に3次
元像を実感できる3次元画像を簡便な方法で形成し、写
真本来の楽しみを失うことなく観賞できる写真を生成で
きる画像立体出力装置及び印画材を提供する。 【解決手段】 物体位置測定手段1がアクティブ方式の
AF測距に基づいて、測距に用いる光束を2次元走査す
ることで所定の画角内における物体の奥行情報を取得
し、画像入力装置2が当該画角内の画像を取得し、情報
処理装置3が印刷装置4を制御して画像に重ね合わせて
奥行情報に基づいて凹凸を形成する画像立体出力装置及
び印画材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レリーフ状の立体
写真を撮影、形成する画像立体出力装置及び印画材に関
する。
【0002】
【従来の技術】物体あるいは画像の3次元的なデータを
得る装置としては、従来オートフォーカス(以下「A
F」と略称する)測距と、3次元測定機と、ホログラフ
ィーの3つが代表的に知られている。以下、各装置の内
容を簡単に説明する。
【0003】まず、AF測距は、カメラで被写体を写真
として撮影する際に、フィルム面上に焦点のあった像を
結ばせるために用いられるもので、通常3次元像の中か
ら代表的な一点を測距するものである。従って、厳密な
意味では、画像全体の3次元データを得ようとするもの
ではない。なお、複数の代表点について、測距を行う装
置も知られているが、その思想はあくまでも被写体の1
点を測距するためのものと考えられる。
【0004】次に、3次元測定機は、いわゆる接触式の
測定装置であって、接触式のマイクロメータを用いて、
測定物体を直交座標系をなすx,y及びz軸の3軸で測
定できるようにしたものである。すなわち、3次元測定
機は、物体の表面をマイクロメータでなぞっていき、各
接触点の座標位置を通常、計算機に入力することによ
り、ディスプレイ等の画像装置を介して3次元画像とし
て再生するものである。
【0005】物体の形状は千差万別であるので、一般に
マイクロメータで物体をなぞる作業は、人為的に、すな
わち手動で行う必要がある。しかも、この3次元測定装
置で、3次元情報を多く取り込んで精密に測定するため
には、物体の表面をもれなく、かつ微細にたどる必要が
ある。
【0006】次に、ホログラフィーは、コヒーレント光
源からの光束を2分割し、一方を物体に照射し、当該物
体からの反射光を物体波、他方を参照光として、両者を
干渉させ、当該干渉により得られた干渉縞を高解像力の
写真乾板等に記録するものである。
【0007】写真乾板等に記録されたホログラムは一種
の回折格子として作用し、参照光を照射することによ
り、あたかも物体が存在するかのように物体波を再生す
ることができる。このようにホログラム自体に物体の3
次元情報が含まれるために、該情報がそのまま利用でき
るか否かは別にして、3次元情報をそのまま取り入れる
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の各装置
は、以下に述べる問題を有している。すなわち、AF測
距装置及び3次元測定機で得られた3次元情報は、計算
機によって処理され、例えばディスプレイを介して表示
されるもので、例えば当該3次元情報を基にして再生さ
れた3次元画像を特定の方向から見た場合の投射図とし
て表示されるか、別途撮影された2次元画像に重ね合わ
せた等高線として表示されるしかない。
【0009】これでは、厳密な意味での3次元像という
ことはできず、3次元的画像を2次元的画像で暗喩して
いるに過ぎないというべきであり、つまり、3次元像を
実感できない。さらに、ディスプレイ等を介して表示さ
れるものでは、可搬性に欠ける。
【0010】一方、ホログラフィーは、可搬性のある記
録媒体(ホログラム)中に立体像を再現できるが、作成
時では被写体のわずかなブレによって画質が著しく劣化
する等、撮影が困難であり、観賞時の光源条件が限定さ
れ、さらに被写体と像とが等倍の大きさでなくてはなら
ず、実用的ではない。さらにホログラフィーでは、画像
を単色ではなくカラー画像としようとすると、作成がさ
らに困難になり、コストが膨大となって現実的でない。
【0011】そこで、旧来から3次元を実感できる像を
再現できる装置として19世紀のダゲレオタオプノに始
まり、現在まで用いられている、いわゆるステレオ写真
装置が考えられる。ステレオ写真装置は、例えば一定の
視差を有する2つのカメラを用いて同一の被写体に係る
写真をそれぞれ2枚1組で撮影し、各写真を人間の左右
の眼に対応する画像として見せるというものである。ス
テレオ写真では、人間が本来備える立体認識能力をその
まま利用しているので、人間が立体感を実感できるとの
意味では、非常に優れた方法であるといえる。
【0012】また、近年では、AF測距装置又は3次元
測定機を用いて得た3次元情報を基に、演算によってス
テレオ写真を生成する方法も知られており、その製造も
容易である。
【0013】しかし、ステレオ写真は、観賞時に2枚の
写真を各々左右の眼に対応させるにあたり、一定の技能
と集中を要求される。つまり、観察者の脳でステレオ画
像が融合し、3次元的な画像が再生されるまでに時間が
かかったり、観賞のためにステレオ写真を眺める位置も
制約を受ける。
【0014】このような問題点を解決するために特別の
装置を用いることもあるが、いずれにしても1組の写真
を同時に観賞できる者は1名に限られることとなって、
複数人で同時に観賞して楽しめるという写真本来の醍醐
味が失われてしまう。
【0015】そこで、本発明は、作成が容易で可搬性の
ある記録媒体上に3次元像を実感できる3次元画像を簡
便な方法で形成し、写真本来の楽しみを失うことなく観
賞できる写真を生成できる画像立体出力装置及び印画材
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の画像立体出力装置は、撮影された被写体の画
像情報を取得する画像入力装置と、前記撮影された被写
体の奥行に関する奥行情報を取得する物体位置測定装置
と、画像を印刷するとともに凹凸を形成する印刷装置
と、前記取得した画像情報と前記取得した奥行情報とを
基に前記印刷装置を制御して、前記取得した画像情報に
対応する画像を印刷させるとともに当該画像に重ね合わ
せて前記取得した奥行情報に対応する凹凸を形成させる
情報処理装置とを有することを特徴とする。
【0017】また、好ましい態様では、前記情報処理装
置が、前記印刷装置を制御する際に、前記取得された奥
行情報に示される被写体までの距離に応じて、当該距離
が大になるにつれて情報縮小の割合を大きくして奥行情
報の縮小を行い、当該縮小した奥行情報に基づいて凹凸
を形成させることを特徴とする。
【0018】また、好ましい態様では、前記物体位置測
定装置が、画面を画素に分割して前記画素ごとに被写体
までの距離を示す奥行情報を取得し、前記情報処理装置
が、前記物体位置測定装置で取得した画素ごとの前記奥
行情報に当該奥行情報の空間周波数に応じて凹凸状態を
強調する情報の変換を行い、当該変換された奥行情報を
基に前記印刷装置にて凹凸を形成させることを特徴とす
る。
【0019】また、好ましい態様では、前記情報処理装
置が、前記奥行情報の空間周波数が高くなるほど凹凸状
態を強調することを特徴とする。
【0020】また、本発明の印画材は、基材と、熱又は
光により発泡し、与えられた熱又は光の量に応じた高さ
に凸状を形成する発泡性インクと、印刷面となる印刷用
基材とを順に層畳してなることを特徴とする。
【0021】また、本発明の別の印画材は、基材と、予
め発泡し、熱又は光により収縮し、与えられた熱又は光
の量に応じた低さに凹状を形成する発泡性インクと、印
刷面となる印刷用基材とを順に層畳してなることを特徴
とする。
【0022】また、画像立体出力装置の好ましい態様で
は、前記印刷装置が、上記の印画材の印刷用基材に画像
を印刷するとともに、前記印画材に対して熱又は光を照
射する手段を備え、前記印画材の発泡性インクを発泡又
は収縮させ、前記印画材に凹凸を形成し、前記情報処理
装置が、前記物体位置測定装置で取得した前記奥行情報
を基に、前記印刷装置を制御して、前記印刷される画像
に重ね合わせて凹凸を形成させることを特徴とする。
【0023】また、好ましい態様では、前記印刷装置の
うち、画像を印刷する印刷手段と、凹凸を形成する凹凸
刻印手段とを別個の装置にて構成したことを特徴とす
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、発明
の実施形態に係る画像立体出力装置を説明する。
【0025】図1は、実施形態の画像立体出力装置の概
略を説明するブロック図である。この画像立体出力装置
は、被写体OBに関する画像情報等を取り込む被写体情
報測定装置10と、取り込んだ画像情報等に基づいて立
体的な印刷を行う印刷装置4とを備える。
【0026】被写体情報測定装置10は、被写体OB各
点のまでの奥行(つまり距離)に関する情報を取得する
物体位置測定装置1と、被写体OBの2次元的な画像情
報を取り込む画像入力装置2と、画像入力装置2から出
力される画像情報や物体位置測定装置1から出力される
奥行情報に所定の処理を施す情報処理装置3とを備え
る。
【0027】印刷装置4は、データ通信用のケーブル、
コネクタ等を介して被写体情報測定装置10に対して分
離可能に接続されている。この印刷装置4は、被写体情
報測定装置10から出力された情報処理装置3による所
定の処理後の画像情報や奥行情報に基づいて、被写体O
Bについての3次元的な画像の印刷を行う。
【0028】物体位置測定装置1で用いられる奥行の計
測方法(測距方式)としては、撮影光学系Lを利用して
被写体OBに測距用光束を投射し、被写体からの反射光
を受光して3角測量の原理により測距を行う、いわゆる
外光式測距(アクティブ方式)を考える。これにより、
被写体OBの各点に関する測距情報、すなわち奥行情報
を得ることができる。
【0029】図2は、物体位置測定装置1による測距を
説明する図である。図1に示す被写体情報測定装置10
は、物体位置測定装置1を駆動して、測距用の光束を水
平および垂直方向に関してそれぞれ設けた走査光学系で
走査し、画面全体をカバーする領域にわたって測距信号
である奥行データを時系列(シーケンシャル)に取得し
ていく。この際、被写体情報測定装置10は、画像入力
装置2によって検出される被写体OBの2次元的な画像
データと、測距位置(奥行データを取得した位置)との
相関関係が保たれるように、一定のタイミングで奥行デ
ータを取り込む。すなわち、被写体OBの2次元画像上
での測距位置を特定しながら奥行データが取り込まれる
こととなる。
【0030】図3は、被写体情報測定装置10や印刷装
置4の詳細な構造を説明する図である。
【0031】物体位置測定装置1は、測距光束を被写体
OBに対して水平方向と水平垂直にそれぞれ走査する走
査光学系11と、走査光学系11を駆動する走査用ドラ
イバー12と、走査用ドライバー12を制御する走査制
御部材13と、投光用の光源と被写体OBで反射して帰
還した光を受光する受光素子とを具備する奥行検出部材
14と、走査のタイミングを生成するタイミング発生器
15と、タイミング発生器15が出力しているタイミン
グに合わせて奥行検出部材14の出力から奥行データを
取り込むデータ入力部材16とを有している。
【0032】画像入力装置2は、後に詳細に説明する
が、撮影光学系Lの結像面に投影される被写体OBの2
次元的な平面像に対応する光電変換信号を発生する撮像
素子と、これを駆動して画像データを取り出す回路とを
備える。なお、画像入力装置2によって画像データを検
出する際には、物体位置測定装置1の出力に基づいて被
写体OBに自動的にピントを合わせることも可能であ
る。
【0033】情報処理装置3は、データ入力部材16か
ら出力される奥行データと画像入力装置2から出力され
る画像データとを受け取って所定の演算処理を施す情報
処理コンピュータCOMと、処理後の奥行データである
凹凸データや処理後の画像データである印画データを必
要に応じて保管するデータ記憶装置DMとを具備してい
る。
【0034】印刷装置4は、情報処理装置3から出力さ
れる印画データに基づいて発泡性インクを内包した本発
明の印画材に2次元画像を印刷する印画部41と、情報
処理装置3から出力される凹凸データに基づいて発泡性
インクを発泡させてレリーフ状の凹凸を形成する凹凸刻
印部42とを備える。
【0035】図4は、被写体情報測定装置10を構成す
る走査光学系の構造を説明する図である。この光学系で
は、発光ダイオード等の投光用光源LSからの光束をレ
ンズL1、第1及び第2リレー光学系RS1、RS2、
対物レンズOBL等を介して被写体OBに投射し、被写
体OBを出射して上記の光路を逆行する反射光の角度か
ら被写体距離を測定する。かかる測距方式は、通常のコ
ンパクトカメラ等で広く使用されており、被写体からの
反射光の角度は、対物レンズOBLを通してアナログポ
ジションセンサーである受光素子DET上の受光点の移
動となって検出される。
【0036】光軸AXから一定距離はなれた投光用光源
LSから出射した光束は、レンズL1によって光軸AX
上に結像する。この結像位置には走査光学系であるガル
バノミラーGMが設けられており、ガルバノミラーGM
の角度を変えることで光束を所定の一次元方向に振るこ
とができる。ガルバノミラーGMを駆動するドライバー
装置12aは、印可電圧に応じてミラーの角度をサーボ
的に動作させる装置であり、図3のタイミング発生器1
5が発生するタイミング信号に応じて走査制御部材13
が発生する駆動信号に基づいて、ガルバノミラーGMの
角度を調節する。ガルバノミラーGMで反射された光束
は、リレーレンズ系RS1を通した後、ガルバノミラー
GMの反射面と共役な位置に配置されたポリゴンミラー
PMで再び反射される。
【0037】ポリゴンミラーPMは、多角形の反射ミラ
ーであり、一定速度で回転してやると、光束径が小さい
反射光は傾斜的に反射方向を変え、急峻に初期位置へ戻
るというような三角波で走査される。光軸AXに垂直な
平面において、上述のガルバノミラーGMと直交する方
向にポリゴンミラーPMによる光走査が行われるように
ミラーの回転方向を定めると、光束を2次元的に走査す
ることができる。ポリゴンミラーPMを駆動するドライ
バー装置12bは、ミラーを定速で回転させる装置であ
り、図3のタイミング発生器15が発生するタイミング
信号に応じて走査制御部材13が発生する駆動信号に基
づいて、ポリゴンミラーPMの回転位置を調節する。
【0038】一般に、ポリゴンミラーの光走査速度はガ
ルバノミラーに比べて速いので、画面上の垂直走査にガ
ルバノミラーGMを使用し、画面上の水平走査にポリゴ
ンミラーPMを使用することが好ましい。つまり、水平
軸のまわりにガルバノミラーGMを回転させ、垂直軸の
まわりにポリゴンミラーPMを回転させる。
【0039】このとき、垂直方向の予定分解能nと同じ
回数だけポリゴンミラーPMが光束を走査する間に、ガ
ルバノミラーGMが光束を縦方向に片道走査すると、n
回の水平走査が一回の縦走査の間に行われることにな
る。これにより、縦方向nの分解能を有する2次元走査
が可能となる。
【0040】一方、横方向の走査の分解能については、
一回の水平方向の走査がなされる間に予定分解能mと同
じ回数のサンプリングを実施してやればよい。例えば、
1秒間に600×400個の分解能を持つ操作を行う場
合は、少なくとも、4.2μs間に一度のサンプリング
(測距)が必要となる。実際には、走査の回帰時間ない
しはブランキングの時間が光束径の大きさや走査部材の
性能などから必要になることから、この値の3割減程度
の時間でのサンプリングが必要とされる。
【0041】ここで、リレーレンズ系RS1、RS2の
倍率は、走査領域の比率と走査部材で限定される走査角
度とを整合することによって定められる。例えば、ポリ
ゴンミラーPMを正12角形の多面体であるとすると、
光の走査角度は最大で60度であり、ポリゴンミラーP
Mの回転数は一秒間に400/12=33.3回転、す
なわち2000rpmが必要となる。一方、垂直走査の
ガルバノミラーGMに関しては、サーボ駆動であり、ま
た回転に制限がないため、比較的自由にパラメータを決
めることができる。仮にガルバノミラーGMによる光の
走査角度を40度とすれば、リレーレンズ系RS1、R
S2は等倍、60度とするなら3/2倍の倍率が必要に
なる。
【0042】図4に示す光学系では、被写体OBから反
射してきた検出光は、ガルバノミラーGMやポリゴンミ
ラーPMの回転位置に拘わらず、被写体OBまでの距離
(奥行き)に応じた受光素子DET上の位置に到達す
る。このように、走査系(ガルバノミラーGMやポリゴ
ンミラーPM)の位置関係がどのようになっていようと
も、基本的に同じ光路を検出光が通るために、投光用光
源LS及び受光素子DETから見る限り、走査系は測距
動作とは関係が無いとみることもできる。この結果、受
光素子DETの位置検出信号に基づいて被写体OBまで
の距離を測定すること、すなわち被写体OBの奥行きを
決定することが可能となる。つまり、物体位置測定装置
1による奥行データの取得は、その測距の回数やその処
理速度に関する事項を除けば、通常のカメラに装備され
ているAF機構とほぼ同一の構成によって達成される。
【0043】次に、図4に基づいて、被写体OBの2次
元的な画像を検出するための光学系部分について説明す
る。被写体OBから出射して対物レンズOBLを通過し
た光束をハーフミラーHMで反射して分割し、結像した
像(一次像)をリレーレンズL2、L3で再結像させ、
2次像面に撮像素子CCDなどを配置し物体画像を取り
込む。ここで、一次結像面にフィルターを挿入し被写界
深度を見かけ上浅くすること、または同結像面にオプチ
カルローパスフィルターを挿入しより良い画像を得るこ
とができる。また、リレー光学系を用いないで、一次結
像面に直接撮像素子を配置すれば、装置を小型化でき
る。
【0044】以下、上記奥行データ(即ち立体情報)と
上記画像データ(即ち平面情報)との合成について説明
する。ここで、対物レンズOBL後方のハーフミラーH
Mで反される光束を撮像素子CCDに投影することよっ
て得られた画像信号は、画像データとして信号処理回路
CKT1によって読み出され、情報処理コンピュータC
OMで適当な画像処理が施された後にデータ記憶装置D
Mに格納される。また、対物レンズOBL後方のハーフ
ミラーHMを通過する光束によって得られた測距信号
は、信号処理回路CKT2によって奥行データに変換さ
れ、さらに情報処理コンピュータCOMによって奥行デ
ータやこれに圧縮等の加工を施した奥行データに変換さ
れ、走査位置が特定できる形、若しくは配列でデータ記
憶装置DMに格納される。つまり、奥行検出用の走査光
の水平および垂直走査に際しての要素数(測距ポイント
数)と撮像素子CCDの画素数とを一致させておけば、
画像データと奥行データを関連けて記憶するだけで、各
画素の画像情報に対して容易に奥行情報を対応させるこ
とができる。また、画素数と走査の要素数とが一致して
いなくとも、所定の演算処理でデータを補完、規格化す
ることでかかる対応を行なうことができ、2次元な画像
情報と奥行情報とを対応させることもできる。
【0045】図5は、図4に示す信号処理回路CKT2
の具体的な回路構成を説明する回路図である。図5
(a)は投光用光源LSを駆動する回路を示し、図5
(b)は受光素子DETからの信号を処理する回路を示
す。なお、投光用光源LS及び受光素子DETは、図3
の奥行検出部材14に対応する。
【0046】図5(a)に示す投光用光源LSは、タイ
ミング発生器15からのタイミング信号が入力される駆
動回路に駆動されて適当な間隔で点滅する。
【0047】図5(b)に示す回路は、検出光の入射位
置を検出するPSDである受光素子DETと、その両端
端子から出力される電流信号を電圧信号に変換する一対
のアンプ22と、両アンプ22から信号を切り換えて出
力するマルチプレクサ23と、マルチプレクサ23の出
力をADコンバージョン間におけるデータ安定のため一
時的に保持するサンプル&ホールド回路24と、サンプ
ル&ホールド回路24の出力するアナログ信号をディジ
タル信号に変換するADコンバータ25とを備える。な
お、図5(b)で能動端子とあるのは、図5(b)に示
した回路を機能させるための信号の入力を外部から受け
るためのものである。
【0048】図6〜図8は、走査およびデータ取得の動
作タイミングをより詳細に説明する図である。
【0049】図6(a)〜(c)は、走査に関するタイ
ミングを示す図である。前述したようにガルバノミラー
GMは、図6(a)の三角波で表されるように垂直方向
に走査され、片道の送りが終了するとすばやく元の位置
に戻るという動作を繰り返す。図6(b)は、今回の走
査の終了と次回の走査の始まりのタイミングを告げる垂
直同期信号を示す。このタイミング信号は、いわゆる帰
線区間に対応し、この間(戻りの区間)では、実効的走
査が行われない。なお、図6(c)に示すように、垂直
走査信号における片道の送りの区間には、n回の水平走
査信号が含まれており、前述したように一度の垂直走査
が行われる間にn回の水平走査が実行されるようになっ
ている。
【0050】ここで、一画面を一秒で走査すると仮定す
ると、ガルバノミラーGMによる一走査期間もほぼ一秒
に等しいことから、ガルバノミラーGMはかなりな低速
駆動で足る。具体的には、図3の走査制御部材13が、
タイミング発生器15からのタイミング信号に基づい
て、走査に必要な周波数の三角波をアナログ的にサーボ
信号として走査用ドライバー12に供給し、ガルバノミ
ラーGMを図6(a)に示すように駆動する。
【0051】他方、水平走査はポリゴンミラーPMを一
定速度で回転させることで行っているので、通常はサー
ボ的に臨機応変な変化を得ることはできない。例えば図
6(b)の垂直同期信号をn+x(ここでxは帰線区間
等のロス)に分周する場合は、この垂直同期信号を基本
にPLL等の制御によって、高精度の回転を実行する必
要がある。ここで、ポリゴンミラーPMの一部を利用し
てここに主光束と無関係な光を入射させることによって
ポリゴンミラーPMの回転状態をモニターすれば、ポリ
ゴンミラーPMの回転を要求される精度で制御すること
もきる。また、ポリゴンミラーPMの回転軸から周面ま
での距離の変化をホトインタラプターで検出して同様の
信号を得ることもできる。
【0052】また、本実施形態では水平走査をポリゴン
ミラーPMにより行っているが、光音響素子を利用すれ
ば一定速度でない走査も可能である。このような音響素
子はスタティックな素子であることから、騒音や振動な
どの弊害を避けることもできる。ただし、音響素子を用
いて走査をする場合には、奥行検出用の光について波長
の単一性が要求されることから、投光用光源LSをレー
ザとせざるを得ず、また走査角が狭いためにリレーレン
ズRS1の倍率など光学系にかかる負担が大きくなるた
め、一般的にはコストがかかる。従って、本装置が使用
される目的に応じて走査装置の仕様(ミラーと音響素子
のいずれを用いるか)を選択することが望ましい。
【0053】次に、図3に示すデータ入力部材16等を
用いた奥行データの取得について説明をする。
【0054】図7(a)〜(c)は、水平走査信号とデ
ータ取得との関係を表したものである。図7(a)はポ
リゴンミラーPMの反射面の角度に対応し、図7(b)
は、水平走査の垂直同期信号を示し、いわゆる帰線区間
に対応する。
【0055】水平方向のデータ数(密度)をm個とする
と、一度の水平走査が行われている間にm回のデータ取
得がなされなければならない。また、本実施形態のよう
な外光式の測距であれば、被写体の背景に元々存在する
光が外乱光となって、測定誤差となるおそれがある。そ
こで、投光用光源LSを周期的に点滅させ、オンにした
状態での測定とオフにした状態での測定をセットにして
行い、両者の差に基づいて投光された信号から得られる
本来の測距値を得ることが望ましい。
【0056】このため、図7(c)に示すようなタイミ
ングで、図5(a)に示す回路において、一度の水平走
査の間にm回の投光用光源LSの発光のオン・オフを行
わせる。そして、図7(d)に示すようなタイミング
で、図5(b)に示す回路において、投光用光源LSの
オン時とオフ時のそれぞれで受光素子DETからの検出
信号をデータホールドした上でADコンバージョンを行
う。
【0057】図8(a)〜(e)は、さらに詳しい信号
のタイミングを示す図である。受光素子DETに接続さ
れた初段のアンプ22で増幅された検出信号は(図8
(a)参照)、図8(b)に示すようなタイミングで複
数の信号から一つを選択するマルチプレクサ23によっ
て時分割で切替えられる。マルチプレクサ23の出力
は、図8(d)に示すようなタイミングでADコンバー
タ25によってデジタル化されて、図8(e)に示すよ
うな奥行データが情報処理コンピュータCOMに送られ
る。情報処理コンピュータCOMは、PSD21上に結
ばれた光点の位置の移動に対応する奥行データから被写
体OBまでの実際の距離を算出する。本装置では、一回
の測距に少なくとも4回のADコンバージョンと1回の
投光用光源LSのオン・オフが必要となる。このため、
ADコンバータ25は1MHz程度の変換速度が必要と
なる。
【0058】次に、情報処理コンピュータCOMにおけ
る奥行データの処理について説明する。情報処理コンピ
ュータCOMは、図5(b)の回路から出力された奥行
きデータから、まず受光素子DETへの検出光の入射点
(光点位置x)を算出する。受光素子DETの両端子か
らの信号電流に対応してADコンバータ25から出力さ
れる一対のデジタル信号値をI1、I2とするならば、光
点位置xは、両値I1、I2を比例分割したものとして与
えられ、具体的には次の[数1]で表されることにな
る。
【0059】
【数1】 この実施形態では、前述のように外乱光の影響が生じな
いようにするので、投光してない時の受光素子DETに
対応するデジタル信号値をId1、Id2とし、光点位置
xを、次の[数2]から求めることとする。
【0060】
【数2】 次に、情報処理コンピュータCOMは、光点位置xを被
写体OBの走査点までの距離に換算する。この距離は、
各走査点に対応する距離データとして一旦データ記憶装
置DMに保存される。
【0061】次に、情報処理コンピュータCOMは、デ
ータ記憶装置DMに格納された距離データを基にレリー
フ状の凹凸を形成するための距離圧縮処理を行う。つま
り、例えばレリーフ加工の処理により高さが最大1mm
までの凹凸しか形成できない場合(後に説明する発泡性
インクでは1mm程度の凹凸が実現可能なダイナミック
レンジとなる)には、この1mm中に奥行きを表現しな
ければならない。このことは、距離データに示された奥
行きの幅を1mm以内に収めるよう圧縮しなければなら
ないことを意味するが、以下に示すような理由によっ
て、一般に単純な比例縮小とすることはできない。
【0062】すなわち、例えば画面の奥行きの最も深い
場所で高々5mであったとして、前景に人がいる画像を
仮定すると、人の鼻の高さが3cm程度であるから、単
純に5mを1mmに収めるという比例縮小をすると、こ
の鼻を形成する凹凸は6μmということとなる。これで
は、人の顔を凹凸で表現すること自体意味をなさなくな
る。さらに、奥行きの深さが10m、20mとなると、
事情はより悪化する。このような理由から、前景では大
きく、背景は小さく圧縮するようにしなければならな
い。このような目的を達成するため、距離データを例え
ば次の[数3]に示す関数で圧縮して距離圧縮データを
得ることが考えられる。
【0063】
【数3】 ここで、aは定数であり、xは対物レンズOBLから被
写体までの距離である。この関係を用いて、具体的に最
大距離をDf、最至近距離をDn、最大凹凸量をhとす
ると、位置xにおける凹凸量yは、次の[数4]で演算
できる。
【0064】
【数4】 [数4]を用いて、被写体までの最至近距離を1m、最
大距離を5m、最大凹凸量を1mmとして、最至近距離
での3cmの凹凸に対応する凹凸量を演算すると、36
μmとなり、また、最至近距離での10cmの凹凸量は
114μmとなって、これならば識別可能な凹凸である
といえる。
【0065】さらに、このようにして距離データを圧縮
して得られた距離圧縮データをさらに処理することもで
きる。例えばm×nの2次元配列に圧縮された距離圧縮
データが格納されているとすると、この配列の各要素と
この要素の近隣の要素とから新たな距離圧縮データを作
成する。
【0066】具体的には、i行j列の距離圧縮データを
ijとし、自分自身を中心として隣接する3×3個、或
いは5×5個の距離圧縮データを一次結合して、i行j
列の新たな奥行情報bijを次の[数5]により演算でき
る。なお、各要素に対応する新たな距離圧縮データは、
常にもとの距離圧縮データに基づいて演算され、先行し
て演算された新たな奥行情報は利用されない。
【0067】
【数5】 ここで、lijは、一次結合に関する係数であるが2次元
配列のデータに倣って次の[数6]のように行列形式で
記述するのが普通である。
【0068】
【数6】 ここで、l22はその画素位置のデータに係る係数であ
り、l21はその上方のデータに係る係数であり、l23
その下方のデータに係る係数である。
【0069】なお、画像の縁の部分では隣接する距離圧
縮データの要素が不足するために、[数5]によって距
離圧縮データを演算する場合に、いずれかの係数は使用
されないようになる。つまり、出力されるデータは(m
−2)×(n−2)の大きさになる。
【0070】ここで具体的に、次の[数7]で示すよう
な係数の組を考えると、[数7]の係数の組を利用して
距離圧縮データを演算すると、隣接する距離圧縮データ
の差と自分自身の大きさとが新たな距離圧縮データとな
るために、距離圧縮データの配列中で空間周波数の高い
と細部が強調されるようになる。つまり、急峻に奥行き
が変化する場所が強調され、輪郭の凹凸が大きく形成さ
れるようになる。
【0071】
【数7】 また、次の[数8]に示すような係数の組としても同様
の効果を得ることができる。
【0072】
【数8】 係数について行列の規模を拡大し、画素に対応するスケ
ールで各要素を変化させれば事実上フーリエ変換と同じ
こととなって、任意の周波数成分を強調できる。人の脳
が視覚によって得られる対象を認識するときには、明度
の差が情報密度によって変化したり、ディテールも必要
な部分が強調されたりする。この過程は一様ではない
が、一般的に空間周波数の高いものを強調し、低いもの
を間引いて認識する。つまり、上記のように距離データ
を変換することは、かかる人の脳の認識行為と一致して
いるため、限られた凹凸に奥行情報を収めることができ
るとともに、観賞時に自然に感じられるようになってい
る。
【0073】また、この行列を移動平均の形として、空
間周波数の低い場所を強調する、いわゆるローパスフィ
ルタとすれば、ノイズが多い距離データを処理するのに
有効である。
【0074】次に、情報処理コンピュータCOMは、画
像入力装置2から入力された画像データを画像処理した
後の画像データと、物体位置測定装置1から得た奥行デ
ータを圧縮、変形して得た距離圧縮データとを合成し、
1組のデータセットとしてデータ記憶装置DMに保管す
るとともに、必要なタイミングでこれらを印刷データと
して印刷装置4に送り出す。合成に際しては、例えば、
走査光の要素数と受光素子DETの画素数とを一致さ
せ、それらのアドレスの関連づけを行っておく。つま
り、画像と奥行きが重畳して1つのデータとなり、3次
元像のデータが得られる。
【0075】ここで、印刷装置4について説明をするの
に先立って、印刷装置4によって、印刷及び凹凸形成が
なされる印画材について説明する。
【0076】図9は、印画材の断面図である。印画材
は、図9(a)に示すように、紙、樹脂等の基材51上
に、主に熱により発泡し、与えられた熱量に応じた高さ
に凸状を形成する発泡性インク52が略一様の厚みに塗
布され、その上に印刷面となる薄い印刷用基材53が層
畳してある。なお、印刷用基材53は、発泡性インク5
2が発泡する際に破断することがないように、十分な伸
縮性が確保されていることが望ましい。例えば、印刷用
基材53として、樹脂、コーティング紙等が考えられ
る。
【0077】発泡性インク52は、熱量に応じて発泡す
るもので、熱が加えられたポイントが発泡して凸となる
ようになっている。具体的には、レーザプリンタと同様
にして、半導体レーザ光を印画材50上で走査しながら
照射して、それによって熱を与え、望むポイントを所望
の量だけ発泡させて図9(b)に示すような凸状を形成
するのである。
【0078】なお、発泡性インク52は、予め発泡して
おり、熱量に応じて収縮するようなものであっても構わ
ない。このような発泡性インク52を用いる場合には、
後に説明する印刷装置4において、凹を形成すべき部分
に熱を加えるようにすればよい。
【0079】次に、印刷装置4について説明する。図1
0は、印刷装置4の構成ブロック図であり、図11は、
凹凸刻印手段の概要を表す説明図である。印刷装置4
は、図10に示すように、印画材50の印刷用基材53
に2次元画像を印刷する印刷手段である印画部41と、
発泡性インク52に凹凸を形成する凹凸刻印部42と、
印画材50を印画部41及び凹凸刻印部42に対して相
対的に移動させる走査装置43と、印画部41、凹凸刻
印部42及び走査装置43を制御する印刷制御装置45
とから構成されている。
【0080】印刷装置4は、まず情報処理コンピュータ
COMを介して、データ記憶装置DMに格納された画像
データを印画データとして印刷制御装置45に取り込
む。次に、印画部41により、印刷制御装置45に渡さ
れたm×n画素の印画データを基に印画材50上に例え
ばカラー画像を印刷する。印刷の方法は、一般的なプリ
ンタと同様のものであるので、詳しい説明を省略する
が、発泡性インク52が主に熱によって発泡するので、
感熱方式は不都合であり、インクジェット等が好適であ
る。
【0081】そして、印刷装置4は、情報処理コンピュ
ータCOMを介して、データ記憶装置DMに格納された
距離圧縮データを凹凸データとして印刷制御装置45に
取り込む。次に、凹凸刻印部42により、印刷制御装置
45に渡されたm×n画素に対応する凹凸データを基
に、印刷した画像にスーパインポーズして凹凸を形成す
る。このように、印刷を先にして、凹凸形成を後にした
のは、凹凸を作成した後では、印刷面が平面ではなくな
っているので、一般に良質の印刷を行うことが期待でき
ないからである。
【0082】なお、印刷装置4は、図10に示すよう
に、印画部41と凹凸刻印部42とを一体にして、並列
に配置し、印画材を順次処理できるようにすることが考
えられるが、印画部41と凹凸刻印部42とを各々独立
した装置とすることもできる。この場合、上記のような
印画材に一般的な印刷機で印刷を施した後、凹凸刻印部
42によって凹凸を付加することも可能である。
【0083】図11は、凹凸刻印部42の構造を説明す
る図である。凹凸刻印部42は、印画材50の発泡性イ
ンク52を過熱加工するためのレーザ光を発生する半導
体レーザ51と、印画材50の移動方向(主走査方向)
に垂直な副走査方向にレーザ光を走査しるポリゴンミラ
ー52と、印画材50上にレーザスポットを集光するf
−θレンズ53とから主に構成されている。動作につい
て説明する。半導体レーザ51からのレーザ光は、ポリ
ゴンミラー52で反射され、f−θレンズ53によって
印画材50上に集光される。ポリゴンミラー52は、副
走査のために回転しており、図11の紙面に平行な副走
査方向に印画材50の左から右へと副走査を繰り返し行
っている。印画材50の熱発泡性インクは、照射強度に
応じて発熱し発泡するから、一回の副走査によってこの
副走査方向の画素に対応する一列の凹凸が実現されるこ
とになる。
【0084】そして、一列の副走査が終了すると、凹凸
刻印部42は次の一列の走査が始まるまでに縦方向一列
分に相当する距離だけ印画材50を移動して、新たな列
に対して走査を行うことができるようにする。M個の一
列走査をN回繰り返せばM×Nの画素数に対応する凹凸
が形成され、画像にレリーフ状の凹凸を形成することが
できるようになる。
【0085】以上の説明から明らかなように、上記実施
形態の画像立体出力装置によれば、印画材50に画像を
プリントするとともに画像の各点の奥行に対応してレリ
ーフ状の凹凸を形成する。つまり、印画材50に、ステ
レオ写真やホログラムとは異なり、実際に立体の形状を
有するものが印刷されるので、視線方向、照明角によら
ず3次元像を実感でき、また作成が容易であり、写真本
来の楽しみを失うことなく観賞できる写真を生成でき
る。
【0086】また、上記実施形態の印画材50によれ
ば、通常の印画材50と同様の大きさとすることがで
き、3次元像を実感できる3次元画像を可搬性のある記
録媒体上に形成することができる。
【0087】図12は、図5(a)に示す回路の変形例
であり、図13は、図5(b)に示す回路の変形例であ
る。図12は、ADコンバータ25等の速度が問題にな
る場合を考慮したものであり、発振器により投光用光源
LSが発生する光を特定の周波数で変調する。この場
合、図13に示すように、電流電圧変換用のアンプ22
とマルチプレクサ23との間に、電流電圧変換用のアン
プ22が出力する信号から投光用光源LSが投光する光
の周波数の信号を抽出するバンドパスフィルタ26を設
ける。さらに、マルチプレクサ23とサンプル&ホール
ド回路24との間に、図12に示す発振器の発信周波数
に対応する周波数成分を抽出するとともに整流を行うバ
ンドパス回路27と、キャリアの周波数を除いて平滑化
するためのローパスフィルタ28とを設ればよい。
【0088】図12に示す回路おいて、発振器によって
発生させる特定周波数として、自然界に稀な周波数を選
択しておくと、タイミングを計って光源をオン・オフす
ることなしに、外乱や直流の成分が除かれる。したがっ
て、[数1]の演算により、測距を行うことができ、I
1とI2との2回のADコンバージョンで1セットの奥行
データを得ることができるようになる。
【0089】この方法によれば、奥行検出に必要なデー
タ量を半分に減らせるので、非常に高速にデータをサン
プリングしたい場合や、走査密度を増大させたい場合、
さらにデータ量を増大させてしかも安定した若しくは精
度の高い奥行データをサンプリングしたい場合にも有効
である。
【0090】なお、図5(a)や図12の回路に示す投
光用光源LSをLEDとすると、1MHz程度の周波数
帯域で光の立ち上がり特性が劣化する場合もあるため、
LEDに代えてLD等の素子を使用することができ
る。
【0091】
【発明の効果】上記説明したように本発明の画像立体出
力装置によれば、画像情報を取得するとともに、例えば
アクティブ方式のAF測距に用いる光束を2次元走査す
ることで所定の画角内における物体の奥行情報を取得し
て、画像情報に基づいて印刷された画像に重ね合わせる
ように奥行情報に基づいて凹凸を形成することで、簡便
な方法で3次元像を再生できる。
【0092】また、本発明の画像立体出力装置によれ
ば、奥行情報に示される被写体までの距離に応じて情報
の縮小を行い、縮小した奥行情報に基づいて凹凸を形成
することで、可搬性のある記録媒体上に3次元像を実感
できる3次元画像を形成できる。
【0093】また、本発明の画像立体出力装置によれ
ば、奥行情報の縮小をする際に、奥行情報の空間周波数
に応じて凹凸状態を強調するように凹凸を形成すること
で、立体をより実感できる3次元画像を形成できる。
【0094】また、本発明の画像立体出力装置によれ
ば、奥行情報の空間周波数が高くなるほど凹凸状態を強
調するように凹凸を形成することで、鑑賞時により自然
な立体を実感できる3次元画像を形成できる。
【0095】また、本発明の印画材によれば、基材と熱
又は光により凸状を形成する発泡性インクと印刷基材と
を順に層畳したもので、可搬性のある記録媒体であり、
鑑賞時の視線方向や照明角によらず3次元像を実感で
き、写真本来の楽しみを失うことなく鑑賞しうる3次元
像を実現できる。
【0096】また、本発明の印画材によれば、基材と熱
又は光により凹状を形成する発泡性インクと印刷基材と
を順に層畳したもので、可搬性のある記録媒体であり、
鑑賞時の視線方向や照明角によらず3次元像を実感で
き、写真本来の楽しみを失うことなく鑑賞しうる3次元
像を実現できる。
【0097】また、本発明の画像立体出力装置によれ
ば、本発明の印画材に印刷した画像に重ね合わせて凹凸
を形成する印刷装置及び情報処理装置を備えている。し
たがって、可搬性のある記録媒体である印画材上に立体
を実感できる3次元画像を形成できる。
【0098】また、本発明の画像立体出力装置は、印刷
を行う印刷手段と凹凸を形成する凹凸刻印手段とを別個
の装置として備えている。したがって、一般的な印刷機
で画像を印刷してから凹凸刻印手段によって凹凸を形成
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の画像立体出力装置の概
略を説明する図である。
【図2】図1の装置による被写体からの情報の取得を説
明図である。
【図3】実施形態の画像立体出力装置の構成を説明する
ブロック図である。
【図4】被写体情報出力装置の光学系等の構成の一例を
示す図である。
【図5】(a)、(b)は、データを取得するための回
路の構成図である。
【図6】(a)〜(c)は、走査に関するタイミングを
示す図である。
【図7】(a)〜(d)は、走査信号とデータ取得の関
係を概念的に表したものである。
【図8】(a)〜(e)は、データを取得するための回
路の構成図である。
【図9】(a)、(b)は、印画材の断面図である。
【図10】印刷装置の構成を説明するブロック図であ
る。
【図11】凹凸刻印部の概要を表す説明図である。
【図12】データを取得するための別の回路例を示す図
である。
【図13】データを取得するための別の回路例を示す図
である。
【符号の説明】
1 物体位置測定装置 2 画像入力装置 3 情報処理装置 4 印刷装置 10 被写体情報測定装置 11 走査光学系 12 走査用ドライバー 13 走査制御部材 14 奥行検出部材 15 タイミング発生器 16 データ入力部材 41 印画部 42 凹凸刻印部 43 走査装置 45 印刷制御装置 50 印画材 51 基材 52 発泡性インク 53 印刷用基材 COM 情報処理コンピュータ DET 受光素子 DM データ記憶装置 GM ガルバノミラー HM ハーフミラー LS 投光用光源 OB 被写体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影された被写体の画像情報を取得する
    画像入力装置と、 前記撮影された被写体の奥行に関する奥行情報を取得す
    る物体位置測定装置と、 画像を印刷するとともに凹凸を形成する印刷装置と、 前記取得した画像情報と前記取得した奥行情報とを基に
    前記印刷装置を制御して、前記取得した画像情報に対応
    する画像を印刷させるとともに当該画像に重ね合わせて
    前記取得した奥行情報に対応する凹凸を形成させる情報
    処理装置と、を有することを特徴とする画像立体出力装
    置。
  2. 【請求項2】 前記情報処理装置は、前記印刷装置を制
    御する際に、前記取得された奥行情報に示される被写体
    までの距離に応じて、当該距離が大になるにつれて情報
    縮小の割合を大きくして奥行情報の縮小を行い、当該縮
    小した奥行情報に基づいて凹凸を形成させることを特徴
    とする請求項1記載の画像出力装置。
  3. 【請求項3】 前記物体位置測定装置は、画面を画素に
    分割して前記画素ごとに被写体までの距離を示す奥行情
    報を取得し、 前記情報処理装置は、前記物体位置測定装置で取得した
    画素ごとの前記奥行情報に当該奥行情報の空間周波数に
    応じて凹凸状態を強調する情報の変換を行い、当該変換
    された奥行情報を基に前記印刷装置にて凹凸を形成させ
    ることを特徴とする請求項1記載の画像立体出力装置。
  4. 【請求項4】 前記情報処理装置は、前記奥行情報の空
    間周波数が高くなるほど凹凸状態を強調することを特徴
    とする請求項3記載の画像立体出力装置。
  5. 【請求項5】 基材と、熱又は光により発泡し、与えら
    れた熱又は光の量に応じた高さに凸状を形成する発泡性
    インクと、印刷面となる印刷用基材とを順に層畳してな
    ることを特徴とする印画材。
  6. 【請求項6】 基材と、予め発泡し、熱又は光により収
    縮し、与えられた熱又は光の量に応じた低さに凹状を形
    成する発泡性インクと、印刷面となる印刷用基材とを順
    に層畳してなることを特徴とする印画材。
  7. 【請求項7】 前記印刷装置は、請求項5又は請求項6
    記載の印画材の印刷用基材に画像を印刷するとともに、
    前記印画材に対して熱又は光を照射する手段を備え、前
    記印画材の発泡性インクを発泡又は収縮させ、前記印画
    材に凹凸を形成し、 前記情報処理装置は、前記物体位置測定装置で取得した
    前記奥行情報を基に、前記印刷装置を制御して、前記印
    刷される画像に重ね合わせて凹凸を形成させることを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3記載の画像立体
    出力装置。
  8. 【請求項8】 前記印刷装置のうち、画像を印刷する印
    刷手段と、凹凸を形成する凹凸刻印手段とを別個の装置
    にて構成したことを特徴とする請求項7記載の画像立体
    出力装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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