JPH11344615A - カラーフィルター形成用着色電着塗料組成物 - Google Patents

カラーフィルター形成用着色電着塗料組成物

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JPH11344615A
JPH11344615A JP15441298A JP15441298A JPH11344615A JP H11344615 A JPH11344615 A JP H11344615A JP 15441298 A JP15441298 A JP 15441298A JP 15441298 A JP15441298 A JP 15441298A JP H11344615 A JPH11344615 A JP H11344615A
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JP
Japan
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colored
coating composition
electrodeposition coating
group
color
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JP15441298A
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Satoshi Fujiwara
智 藤原
Mamoru Kiyoo
守 清尾
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色層を電着する際の印加電圧が低下でき、
それにより得られる着色層の表面粗度が良好である着色
電着塗料組成物、およびそれを用いた着色層の形成方法
の提供。 【解決手段】 (a)イオン性基を含有する水溶性もし
くは水分散性樹脂、(b)着色剤成分および(c)特定
の電解質を含有する着色電着塗料組成物であって、前記
電解質(c)が、前記着色電着塗料組成物の全重量に対
し、1.0×10-4〜1.0×10-2モル/kgの量で含有される
ことを特徴とする着色電着塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子等の
各種表示装置に用いられるカラーフィルターに関する。
特に、本発明は、低印加電圧での電着法により形成され
る着色パターンを有するカラーフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電着法によってカラーフィル
ターを製造する方法は多数提案されており、例えば、特
開昭61-203403号公報および同61-272720号公報等に記載
の方法が挙げられる。前記公報等に記載の電着法によっ
てカラーフィルターを製造する方法では、図2に示すよ
うに、通常、先ず、導電層102を含む基板100上に感光層
101を形成し、露光および現像工程に付して感光層に所
定のパターンを形成した後、そのパターンに対応させ
て、カーボンブラック等の黒色着色剤を含む電着塗料組
成物を用いて電着することにより、抵抗部としてのブラ
ックマトリックス105を形成する。次に、残りの前記感
光層に対し、所定の色に対応したパターニングを行い、
そのパターンに応じた所望の色の着色電着塗料組成物を
電着法により析出させて、着色層101'を形成することを
所望の色の数だけ繰り返すことにより、カラーフィルタ
ー200が製造される。このような方法は、ブラックマト
リックを着色層より先に形成することから、「ブラック
マトリックス先入れ方式」と呼ばれている。前記着色層
の膜厚は、通常、0.5〜5.0μmの範囲でかつ各色の着色
層の厚さが均一であることが望まれる。電着法による着
色層の形成は、着色塗料組成物を電着する際の印加電圧
の設定により、前記の範囲での膜厚制御が容易であるこ
とから、当該分野では従来から使用されている。
【0003】しかしながら、前記方式において、従来公
知の着色電着塗料組成物を用いてカラーフィルターを製
造した場合、先に形成されたブラックマトリックスが、
中に含まれるカーボンブラックによって高い導電性を発
現するために、後の工程で電着される着色電着塗料組成
物がブラックマトリックス上に析出するという問題が生
じ得る(図2中、符号207で表される部分)。このよう
にブラックマトリックス上に着色塗料組成物が析出する
と、それを含むカラーフィルターとした場合に、着色塗
料組成物の突起状の析出により表面平坦性が低下する。
このようなカラーフィルターの表面平坦性の低下は、そ
の後、ギャップを介して電気駆動部を含む基板と貼り合
わせて液晶ディスプレイとした場合に、液晶配向に乱れ
を生じさせ、結果として液晶装置のディスプレイ部に表
示ムラや色相ムラが発生し得る。
【0004】上記のような問題点を解決する手段として
は、着色層を電着により形成する際の印加電圧を下げる
こと、さらには、印加電圧を下げかつ電圧保持時間、す
なわち、電着時間を長くすることが有効であると考えら
れる。しかしながら、従来の着色電着塗料組成物を用い
て電着する場合、印加電圧を前記塗料組成物に適した設
定値から下げると、得られる析出膜厚が減少するため、
所望の色相を呈する着色層が得られない。そのため、前
記のように印加電圧を下げた場合、電着時間を長くする
と析出膜厚は増加する。しかしながら、この場合、ブラ
ックマトリックス上への着色層の析出は防止できるが、
電着浴中での浸漬時間が長くなるため、析出する電着膜
表層が再度、前記浴中へ溶解するという現象が生じ得
る。その結果、得られるカラーフィルターの表面粗度が
悪化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、着色層を電着により形成する際の印加電圧が効率良
く低下することができ、さらには、その低い印加電圧に
おいて、着色層を形成した場合でも、十分な膜厚と表面
粗度が確保でき、かつ製造された着色膜を含むカラーフ
ィルターの表面粗度が良好である、着色電着塗料組成物
を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決すべく達成されたものであって、詳しくは、(a)イ
オン性基含有水溶性もしくは水分散性樹脂、(b)着色
剤成分、および(c)電解質を含有する着色電着塗料組
成物を提供する。このような電着塗料組成物は、熱硬化
剤を含有するものであってよい。また、本発明は、上記
着色電着塗料組成物を用いた着色パターンの形成方法を
提供する。さらに、本発明は、上記方法により形成した
着色パターンを含むカラーフィルターも提供する。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、従来の着色電着塗料組
成物を使用した場合に比べて、低い印加電圧で電着でき
るため、ブラックマトリックスを先に形成した場合で
も、その上に着色膜の析出が生じない。さらに、本発明
の着色電着塗料組成物を用いると、低い印加電圧におい
て長い電着時間で着色膜を析出させた場合でも、平坦性
が高く表面粗度の良好な着色膜が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。(a)イオン性基を含有する水溶性もしくは水分散性樹
本発明の着色塗料組成物中に含有するのに適したイオン
性基を含有する水溶性もしくは水分散性樹脂としては、
イオン性基として、酸性基(例えば、カルボキシル基、
スルホン基、リン酸基)または塩基性基(例えば、アミ
ノ基、イミノ基)を含有するアクリル樹脂、エポキシ樹
脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げら
れる。イオン性基として、酸性を有する前記樹脂は通
常、塩基、例えばアンモニア、有機アミン、水酸化カリ
ウム等で中和することにより、水溶化もしくは水分散化
されて、負(−)に帯電する(これは、いわゆるアニオ
ン性樹脂である)。このような樹脂を電着塗料組成物中
に含有させることにより、電着塗装時に、被塗物を陽極
として着色塗膜が析出される。あるいは、イオン性基と
して、アミノ基のような塩基性基を有する樹脂は、塩
酸、硝酸等の無機酸あるいはリン酸、ギ酸、酢酸、ヒド
ロキシ酢酸、スルファミン酸、乳酸等の有機酸で中和し
て水溶化もしくは水分散化して正(+)に帯電させた
(すなわち、いわゆるカチオン性樹脂とした)後、前記
と同様にして電着塗装すると、被塗物が陰極として作用
し、着色塗膜が析出される。
【0009】本発明の着色電着塗料組成物は、カチオン
性であってもアニオン性であってもよいが、特にアニオ
ン性電着塗料組成物であることが好ましい。アニオン性
電着塗料組成物とする場合、前記酸性基を有する樹脂
は、酸性基を有する不飽和モノマー、および必要に応じ
て、水酸基を有する不飽和モノマー0〜60重量%並びに
他の不飽和モノマーを共重合することによって得られる
アクリル系アニオン樹脂が適している。上記酸性基とし
ては、特にカルボキシル基が好ましい。そのような酸性
基を有する不飽和モノマーとしては、例えば(メタ)ア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸
等、またはこれらの誘導体が挙げられる。前記酸性基を
有する樹脂は、必要に応じて、上記モノマーと水酸基を
有する不飽和モノマーおよびその他の不飽和モノマーと
のの共重合体であってよい。前記水酸基を有する不飽和
モノマーとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ラクトン変
性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコール(メタ)アクリレート、あるいはこれらの誘導
体が挙げられる。その他の不飽和モノマーは、スチレ
ン、メチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、酢酸ビニル、アクリロニトリル等、
従来公知のモノマーであってよい。
【0010】(b)着色剤成分 前記着色電着塗料組成物は、所望の色相を発現する着色
剤成分を含有する。そのような着色剤成分としては、染
料および/または顔料が挙げられる。前記着色剤成分
は、従来公知のいかなるものであってもよいが、モノア
ゾ、ジスアゾ、金属錯体等の不溶性アゾ系、アゾレーキ
系、フタロシアニン系、アントラキノン系、チオインジ
ゴ系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、イソ
インドリノン系、ジオキサジン系、キノフタロン系、ジ
ケトピロロピロール系の各種有機顔料が耐熱性、耐光性
の点で多用される。これらは、所望の色相を得るべく2
種以上併用してもよい。
【0011】本発明の着色電着塗料組成物中、上記着色
剤成分(b)の含有量は、所望の色相を発現するのに十
分な量であってよいが、多すぎると水分散性が悪化す
る。そのため、所望の色相を発現するのに必要な量の着
色剤成分(b)を、イオン性基を有する高分子分散剤あ
るいは界面活性剤を添加することにより、前記樹脂
(a)中に予め分散混合して顔料分散ペーストを形成し
た後、使用されるのが好ましい。この場合、イオン性基
を有する高分子樹脂組成物のイオン性(すなわち、アニ
オン性またはカチオン性)と、着色剤成分を分散する高
分子分散剤のイオン性は同一であるが、そのイオン種、
すなわち官能基種は必ずしも同一でなくてもよい。上記
着色剤成分(b)は、前記電着塗料組成物の固形分重量
に対し、3〜60重量%の量で含有される。前記着色剤成
分(b)の含有量が3重量%未満の場合、所望の色特性
が得られず、60重量%を超えると、色ムラのない均一な
着色膜が得られない。
【0012】(c)電解質 本発明の着色電着塗料組成物中の必須成分である電解質
(c)は、式:
【化2】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立し
て、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6の置換も
しくは非置換のアルキル基、アリール基、ベンジル基か
らなる群より選ばれる基を表すか、またはR1、R2、R
3およびR4は、互いに結合して、環構造を表し、An-
は、アニオンを表し、およびnは、1〜3の整数を表
す。)で表されるものである。上記式で表される電解質
において、水溶液中でカチオン性を発現する成分(前記
式中、左側成分)としては、例えば、アンモニア;モノ
-、ジ-およびトリ-メチルアミン、モノ-、ジ-およびト
リ-エチルアミン、モノ-、ジ-およびトリ-n-プロピルア
ミン、モノ-、ジ-およびトリ-イソプロピルアミン、モ
ノ-、ジ-およびトリ-イソブチルアミン、sec-ブチルア
ミン、3-ペンチルアミン、N-メチルヘキシルアミン等の
第1級、第2級、第3級および第4級アルキルアミン化
合物類;アニリン、ベンジルアミン、ジベンジルアミ
ン、N,N-ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、
1-メチル-3-フェニルプロピルアミン等の第1級、第2
級、第3級および第4級アラルキルアミン化合物類;ヒ
ドロキシルアミン、モノエタノールアミン、3-プロパノ
ールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエ
チルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン等
のヒドロキシル基含有アミン化合物類;モルホリン、ピ
ペリジン、ピロリドン、ピリジンおよびそれらの誘導体
等の環状アミン類を挙げることができる。これらは1種
以上使用できる。上記カチオン性成分としては、好まし
くは、上記式(I)中、R1〜R4がすべて水素原子であ
るアンモニア、あるいはR1〜R4のうち少なくとも1個
の水素原子と少なくとも1個のメチル基もしくはエチル
基を有するモノ-、ジ-もしくはトリ-メチルアミンまた
はモノ-、ジ-トリ-エチルアミンをそれぞれ単独で使用
できる。
【0013】上記電解質において、水溶液中でアニオン
性を発現する成分(前記式中、右側成分)としては、無
機酸、有機酸のいずれであってもよく、例えば、塩酸、
過塩素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水
素化合物;硝酸、硫酸、亜硫酸、炭酸水、硫化水素、リ
ン酸、フッ化ホウ素酸、フッ化リン酸等の無機酸化合
物;ギ酸、酢酸、乳酸、安息香酸、シュウ酸等の有機酸
およびそれらのエステル化合物;または(メタ)アクリ
ル酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン
酸、2-アクリロイロキシエチルリン酸等の分子中に不飽
和二重結合を有する有機酸化合物等が挙げられる。本発
明の着色電着塗料組成物中には、上記化合物の中から選
ばれる少なくとも1つの電解質(例えば、硝酸アンモニ
ウム、硝酸クロライド等)が存在し得る。
【0014】本発明の着色電着塗料組成物において、前
記電解質は、電着後の塗膜を乾燥し、かつ高温ポストベ
ーク処理した後、前記電解質から誘導されるイオンが残
留しにくいものが好ましい。前記イオンの残留は、それ
を含む液晶ディスプレイとした場合に、液晶中に前記イ
オンが溶出するため、ディスプレイ特性を著しく劣化さ
せるため好ましくない。上記理由から、酸性基を有する
高分子樹脂を用いた電着塗料の場合を例にとると、含有
される電解質のカチオン成分としては高揮発性の面から
アンモニアが適しており、またアニオン成分としては、
着色膜析出時に同時に酸化され析出することがないもの
が好ましく、硫酸、硝酸、炭酸水、リン酸、過塩素酸等
が適している。
【0015】前記電解質(c)は、前記電着塗料組成物
の全重量に対し、1.0×10-4〜1.0×10-2モル/kgの量
で含有される。前記電解質(c)の含有量が1.0×10-4
モル/kg未満の場合、低印加電圧における電着膜の析
出が十分に行えない。電解質(c)の含有量が1.0×10
-2モル/kgを超えると、印加電圧の値によって、析出
する電着塗料組成物の膜厚の変化の度合いが大きくなる
ため、カラーフィルターの析出膜厚の制御が困難である
ばかりか、電着塗料組成物が保管時に凝集することがあ
る。
【0016】本発明の着色電着塗料組成物中において、
上記電解質(c)は、イオン性基を含有する水溶性もし
くは水分散性樹脂(a)を水溶化または水分散化する際
の脱イオン水に予め所定量含有させても、あるいは電解
質(c)含有水溶液を予め調製し、別に調製した前記樹
脂(a)の水溶化物もしくは水分散化物と着色剤成分
(b)の混合物を撹拌しながら、前記電解質含有水溶液
を所望量添加してもよい。より好ましくは、後者の方法
において、前記水溶液中の電解質(c)濃度を1.0×10
モル/kg以下とする。1.0×10モル/kg以下の電解
質(c)濃度の水溶液とすることにより、樹脂(a)お
よび着色剤成分(b)を含有する前記混合物中への添加
時に、局所的なpH変化が生じ難いため、塗料組成物全
体の凝集を抑制することができる。
【0017】(d)熱硬化剤 さらに、本発明の着色電着塗料組成物は、例えば、メラ
ミン、エポキシ、ブロックイソシアナート化合物等のよ
うな従来公知の熱硬化剤を含有していてもよい。本発明
では、このような熱硬化剤を単独であるいは混合して含
有してよい。上記熱硬化剤(d)は、前記電着塗料組成
物の固形分重量に対し、0.5〜35重量%の量で含有され
る。前記熱硬化剤(d)の含有量が0.5重量%未満の場
合、最終硬化膜に必要とされる十分な硬度が得られず、
35重量%を超えると、熱硬化剤(d)の水分散性が乏し
いが故に、電着塗料組成物が保管時に凝集することがあ
る。
【0018】本発明の着色電着塗料組成物を用いた着色
パターンの形成方法を、添付の図1を用いて以下に詳し
く説明する。本発明の方法は、透明導電層を有する透明
基板上に、(i)ポジ型感光性樹脂組成物を塗布して感光
層を形成する工程、(ii)前記感光層に、ブラックマトリ
ックスパターンに対応するマスクを介して露光し、現像
することにより、ブラックマトリックスパターンを形成
した後、該ブラックマトリックスパターンに黒色電着塗
料組成物を電着させて、ブラックマトリックスを形成す
る工程、(iii)前記感光層に、着色パターンに対応した
マスクを介して露光し、現像することにより、所定の部
位の透明導電層を露出させる工程、および(iv)前記露出
部位に、本発明の上記着色電着塗料組成物を電着させ
て、所望の色の着色層を形成する工程を含む。本発明の
方法は、所望により、前記工程(iv)の後、前工程で使用
した着色電着塗料組成物とは異なる色の着色電着塗料組
成物を用いて前記工程(iii)および(iv)を少なくとも1
回繰り返すことを含む。この場合、多色の着色パターン
が得られる。
【0019】本発明の方法では、図1に示すように、先
ず、表面に導電層12を含む基板10上に感光層11を形成す
る[上記工程(i);図1中、(a)]。その後、前記感光層
を、図2に示したのと同様の「ブラックマトリックス先
入れ方式」を採用して、露光および現像工程並びに黒色
塗料組成物を用いた着色工程に付すことにより、抵抗部
としてのブラックマトリックス15を形成する[上記工程
(ii);図1中、(b)〜(c)]。次に、残りの前記感光層に
対し、所望の色相の着色パターンに対応したフォトマス
ク13'を用いてパターニングを行う。現像後、除去され
た露光部に、所望の色相を発現し得る着色電着塗料組成
物を電着法により析出させて、着色層11'を形成する
[上記工程(iii)〜(iv);図1中、(d)〜(e)]。所望に
より、必要な画素の色相の数だけ、上記工程(iii)〜(i
v)を繰り返す(図1中、(f))ことにより、多色着色パ
ターンを得ることも可能である。
【0020】上記で得られた着色パターンを含む複合膜
において、未着色の感光層(すなわち、表示画素に対応
しない不要部分)を、所定の光源を用いて全面露光した
後、不要な感光層部分を現像除去し、さらに高温でポス
トベークすることにより、カラーフィルター20が製造さ
れる(図1中、(g)〜(h))。
【0021】ここで使用する透明基板は、液晶表示装置
に従来使用されているガラス基板やプラスチック基板等
であってよい。前記透明基板上に設けられる透明導電層
は、ITO(Indium-Tin-Oxide)膜、酸化インジウム
膜、酸化アンチモン膜、あるいはそれらの複合膜が挙げ
られるが、透過率少なくとも70%以上、および導電率20
0Ω/cm2以下、好ましくは50Ω/cm2以下であるものが
好ましい。前記透明導電層は、蒸着もしくはスパッタリ
ング等の方法により形成される。透明導電層の厚さは、
製造しようとする液晶表示装置の寸法や精度、使用する
液晶の電気特性等によって変化してよいが、好ましくは
10〜500nmの範囲である。
【0022】本発明の工程(1)では、前記透明導電層上
に、ポジ型感光性樹脂組成物により感光層を形成する。
本発明での使用に適したポジ型感光性樹脂組成物は、1
度形成された感光層を複数回パターニング(露光、加熱
および現像)に付することから、露光部の速やかな現像
液溶解性と未露光部の現像液に対する塗膜安定性(すな
わち、現像液への非溶解性や現像液による変質耐性
等)、適した光源を用いたフォトリソグラフィー法によ
る良好なパターニング性および2〜10μm程度の解像
度、製造効率に悪影響を及ぼさない程度の感度等が要求
される。ポジ型感光性樹脂組成物は、塩基性の水性現像
液で現像可能なものが好ましい。溶剤現像型ポジ型感光
性樹脂組成物は、後の工程で形成する焼成硬化前のスペ
ーサー樹脂層に悪影響を及ぼす可能性がある点、並びに
現像液の廃棄・回収処理が必要である点等から、本発明
での使用には好ましくない。
【0023】上記ポジ型感光性樹脂組成物は、スピンコ
ーターまたはロールコーター等の汎用の塗布装置を用い
て前記導電膜上に塗布される。その後、所望の温度で加
熱することによって、ポジ型感光性レジスト層が得られ
る。本発明において、ポジ型感光性レジスト層の乾燥膜
厚は、0.5〜5μm程度である。
【0024】前記感光層を従来使用されている超高圧水
銀灯等の光源を用いて露光した後、その露光部を現像除
去することにより、ブラックマトリックスまたは所望の
色相の着色層に対応したパターン形態で導電層を露出さ
せる。前記感光層の露光において、必要な露光量は、使
用する感光性樹脂組成物の感度に依存して変化してよ
い。
【0025】その後の現像は、好ましくは塩基性の水性
現像液(例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液、ジメチルエタノールアミン水溶液、水酸化カ
リウム水溶液等)を用いて0.5〜4分間行う。現像後
は、基板表面への塩基性の塩の析出や現像液中の金属の
残留を避けるために、基板全体をイオン交換水や純水等
を使用して十分に水洗してから乾燥させる。
【0026】次に、前記導電層の露出部位に、本発明の
着色電着塗料組成物を電着させて、所望の色の着色層を
形成する。ここで、本発明の塗料組成物の電着工程は、
前記カチオン性またはアニオン性着色電着塗料組成物を
電着浴として使用し、パターニング後の基板を前記電着
浴中に浸漬し、従来よりも低い印加電圧(例えば、約22
ボルト以下の電圧)を約10秒〜1分間印加することによ
って行われる。形成される着色層は、所望の色相を発現
し得るのに十分な厚さを有する必要があり、通常、0.5
〜5.0μm、好ましくは1.0〜3.0μmであり得る。
【0027】前記工程を経て形成された着色層を含む感
光層に、さらに所定の光源を用いて全面露光を施し、不
要な感光層部分を現像除去する。この全面露光も、前記
と同様に、従来使用されている超高圧水銀灯等の光源を
用いて行ってよく、その後の現像も、前述と同じもので
あってよい。
【0028】本発明では、上記現像除去により、不要な
感光層部分を除去した後、着色層を含む基板全体を高温
でポストベーク処理に付することにより、所望のカラー
フィルターが得られる。。ここで、高温でのポストベー
ク処理とは、基本的に約200℃以上、約280℃未満の温度
での処理をいう。
【0029】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。調製例1:ブラックマトリックスの作製 ガラス基板の表面全体に公知の方法によりITO膜(イ
ンジウム−錫酸化物膜:0.10〜0.20μm)を形成し、さ
らにITO膜上に、逐次露光現像性を有するポジ型感光
性樹脂組成物(エクセリードPR-145、日本ペイント社
製)をスピンコーティング法により塗布し、乾燥して、
乾燥膜厚2.0μmの感光層を形成した。この感光層上に
ブラックマトリックスパターンに対応した遮光パターン
を有するフォトマスクを用い、露光機(MAP-1200L、大
日本スクリーン社製)により露光量500mJ/cm2で露光を
行った。次に、露光後の感光層を、専用現像液[エクセ
リードDP-034(日本ペイント社製)の5倍希釈液]を用
いて35℃で2分間現像処理し、水洗後、135℃で10分間
乾燥させて、ブラックマトリックスパターン形態でIT
O膜を露出させた。その後、前記露出パターン部を有す
る基板全体を、予め23℃に調整された黒色用電着塗料組
成物(エクセリードED-BK-1403、日本ペイント社製)浴
中に浸漬して通電することにより、電着法により前記露
出パターン部に黒色着色層を析出させた。着色層析出時
の印加電圧は35Vであった。電着条件は、35Vに達する
までの立ち上げ時間:5秒、35Vでの保持時間:5秒と
した。電着後、基板を速やかに純水洗浄し、160℃で10
分間乾燥硬化させることにより、膜厚2.0μmの平滑な
ブラックマトリックス層を形成した。
【0030】調製例2:青色用電着塗料組成物(a)の調
青色電着塗料組成物(エクセリードED-B-1400、日本ペ
イント社製)100重量部をディスパ−で撹拌しながら、
そこへ、電解質としての硝酸アンモニウム含有量を予め
1.0モル/kgに調製した硝酸アンモニウム(特級試
薬、キシダ化学社製)水溶液0.33重量部を滴下して混合
することにより、硝酸アンモニウム含有量3.4×10-3
ル/kgの青色着色用電着塗料組成物(a)を調製し
た。
【0031】調製例3〜9:青色着色用電着塗料組成物
(b)〜(h)の調製 電解質として、硝酸アンモニウムの代わりに、表1に示
す化合物を使用したこと以外は調製例2と同様にして、
青色着色用電着塗料組成物(b)〜(h)を作製した。
【0032】比較調製例1および2:比較用青色着色用
電着塗料組成物(i)および(j)の調製 電解質を全く含有しないこと以外は調製例2と同様にし
て、青色着色用電着塗料組成物(i)を作製した。また、
電解質として、硝酸アンモニウムの代わりに、アンモニ
ア水(特級試薬、和光純薬工業社製)を使用したこと以
外は調製例2と同様にして、青色着色用電着塗料組成物
(j)を作製した。
【0033】
【表1】 上記表1中の注釈は、以下の意味を表す。 1)DMEA+:N,N-ジメチルエタノールアミンイオン 2)MOP+:モルホリニウムイオン 3)An+:アニリニウムイオン 4)Pr+:ピリジニウムイオン
【0034】実施例1 上記調製例1で作製したブラックマトリックス層を含む
前記基板において、未露光部の感光層上に青色画素パタ
ーンに対応する遮光パターンを有するフォトマスクを介
して、前記露光機において露光量500mJ/cm2で露光し
た。次に、露光後の感光層を、専用現像液[エクセリー
ドDP-034(日本ペイント社製)の5倍希釈液]を用いて3
5℃で2分間現像処理し、水洗後、135℃で10分間乾燥さ
せて、青色着色層に相当するパターン形態でITO膜を
露出させた。前記調製例2で作製した青色電着塗料組成
物の浴を予め23℃に調整し、前記露出パターン部を有す
る基板全体を、この浴中に浸漬して通電することによ
り、電着法により前記露出パターン部に青色着色層(膜
厚2.0μm)を析出させた。着色層析出時の印加電圧は1
9.0Vであった。電着条件は、19.0Vに達するまでの立
ち上げ時間:5秒、35Vでの保持時間:5秒とした。電
着後、所望のパターンで青色着色層が得られた。本実施
例において形成された青色着色層を含む複合膜におい
て、ブラックマトリックス膜上には青色着色層が析出し
ていなかった。
【0035】実施例2〜8 上記で調製された各青色着色用電着塗料組成物(b)〜(h)
を表1に示す印加電圧で電着したこと以外は、上記実施
例1と同様にして、青色着色層が形成された複合膜が得
られた。
【0036】比較例1および2 上記で調製された各青色着色用電着塗料組成物(i)およ
び(j)を表1に示す印加電圧で電着したこと以外は、上
記実施例1と同様にして、青色着色層が形成された複合
膜が得られた。
【0037】上記実施例1〜8では、目標膜厚2.0μm
の青色着色層を得るための印加電圧を従来よりも著しく
低減できた。さらに、これらの実施例では、青色着色層
はいずれも所定の露出パタン部位にのみ析出し、ブラッ
クマトリックス上への析出はなかった。他方、比較例1
および2では、目標膜厚2.0μmの青色着色層を得るた
めに、従来通り、高い印加電圧を必要とし、さらには、
形成された青色着色層がブラックマトリックス上にも析
出していた。
【0038】表面粗度の測定 上記実施例1および2並びに比較例1で得られた青色着
色層について、表面粗度を測定した。表面粗度とは、触
針式膜厚計(α−STEP、テンコール・インスツルメ
ンツ・ジャパン社製)を用いて測定された測定間隔500
μmにおける着色層の最大膜厚と最小膜厚の差であっ
て、単位:μmで表される。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2の結果より、本発明の青色着色用電着
塗料組成物を用いた着色層(実施例1および2)は、電
解質を含まない着色層に比べ、表面粗度が小さい、すな
わち、平滑な層であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の着色パターン形成方法を表す模式的な
工程断面図である。
【図2】従来の着色パターン形成方法を表す模式的な工
程断面図である。
【符号の説明】
10、100…透明基板、11、11'、101、10
1'…感光層、12、102…透明導電膜、13、1
3'、103、103'…フォトマスク、15、105…
ブラックマトリックス、20、200…カラーフィルタ
ー、207…ブラックマトリックス上に析出した着色塗
料組成物。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)イオン性基を含有する水溶性もし
    くは水分散性樹脂、(b)着色剤成分、および(c)
    式: 【化1】 (式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立し
    て、水素原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜6の置換も
    しくは非置換のアルキル基、アリール基、ベンジル基か
    らなる群より選ばれる基を表すか、またはR1、R2、R
    3およびR4は、互いに結合して、環構造を表し、An-
    は、アニオンを表し、およびnは、1〜3の整数を表
    す。)で表される電解質を含有する着色電着塗料組成物
    であって、前記電解質(c)が、前記着色電着塗料組成
    物の全重量に対し、1.0×10-4〜1.0×10-2モル/kgの
    量で含有されることを特徴とする着色電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】 イオン性基を含有する水溶性もしくは水
    分散性樹脂(a)において、イオン性基がカルボキシル
    基であることを特徴とする請求項1記載の着色電着塗料
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記電解質(c)において、前記式中の
    カチオン成分がアンモニウムイオンであることを特徴と
    する請求項1記載の着色電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】 (d)熱硬化剤をさらに含有する請求項
    1〜3のいずれかに記載の着色電着塗料組成物。
  5. 【請求項5】 透明導電層を有する透明基板上に、 (i)ポジ型感光性樹脂組成物を塗布して感光層を形成す
    る工程、 (ii)前記感光層に、ブラックマトリックスパターンに対
    応するマスクを介して露光し、現像することにより、ブ
    ラックマトリックスパターンを形成した後、該ブラック
    マトリックスパターンに黒色電着塗料組成物を電着させ
    て、ブラックマトリックスを形成する工程、 (iii)前記感光層に、着色パターンに対応したマスクを
    介して露光し、現像することにより、所定の部位の透明
    導電層を露出させる工程、および (iv)前記露出部位に、請求項1記載の着色電着塗料組成
    物を電着させて、所望の色の着色層を形成する工程を含
    む着色パターン形成方法であって、所望により、前記工
    程(iv)の後、前工程で使用した着色電着塗料組成物とは
    異なる色の着色電着塗料組成物を用いて前記工程(iii)
    および(iv)を少なくとも1回繰り返すことを含む着色パ
    ターン形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の方法により形成される着色パ
    ターンを有するカラーフィルター。
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