JPH11344572A - イオン検出装置と電離放射線検出装置 - Google Patents

イオン検出装置と電離放射線検出装置

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JPH11344572A
JPH11344572A JP15483298A JP15483298A JPH11344572A JP H11344572 A JPH11344572 A JP H11344572A JP 15483298 A JP15483298 A JP 15483298A JP 15483298 A JP15483298 A JP 15483298A JP H11344572 A JPH11344572 A JP H11344572A
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shaped electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 イオン検出装置のセンサ部の小型、軽量化を
図る。 【解決手段】 イオン検出装置において、センサ部2の
陽極を棒状電極6で構成し、棒状電極6の周囲を保護カ
バー7で包囲し、保護カバー7には多数の透過孔7aを
設ける。棒状電極6と保護カバー7との間に空間8を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともイオン
の有無を検出可能なイオン検出装置と、少なくとも電離
放射線の有無を検出可能な電離放射線検出装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】半導体加工技術の微細化が急進する今
日、製造プロセスにおけるサブミクロン以下の微粒子付
着を引き起こす静電気障害は重要な問題である。そこ
で、このように静電気を嫌う製造プロセスでは、クリー
ンルームにイオナイザを設置し、除電対象物の静電気を
中和している。
【0003】このイオナイザには、イオン発生方法の違
いにより、コロナ放電型イオナイザと、光照射型イオナ
イザがある。コロナ放電型イオナイザは、多数の針状電
極に交流の高電圧を印加してコロナ放電を行わせ、針状
電極近傍の空気をイオン化して、このイオンによって除
電対象物の静電気を中和する。一方、光照射型イオナイ
ザは、例えば軟X線のような光をクリーンルーム内に照
射し、この光で直接クリーンルーム内のガス(例えば空
気)をイオン化し、このイオンによって除電対象物の静
電気を中和する。
【0004】前述した静電気障害の防止は、これらイオ
ナイザが正常に稼働して初めて達成される。そのため、
イオナイザの点検、保守管理は非常に重要である。従来
はそれぞれのイオナイザに対して次のような点検を行っ
ているが、それぞれ問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】コロナ放電型イオナイ
ザの場合には、イオナイザが正常に機能しているか否か
を検査するために、イオナイザの針状電極に対向して電
気導体プレートを配置し、このプレートに高電圧を印加
して表面電位の減衰を検出している。イオナイザが正常
に機能している場合には、表面電位の減衰時間並びに残
留電位が所定の許容範囲に収まるが、異常の場合には、
減衰に時間がかかったり残留電位に偏りが生じる。しか
しながら、この検査の実施には多大な労力を要し、面倒
であった。特に、多数設置されたイオナイザの全てにこ
の検査を実施するとなると尚更である。これに対処する
に、イオナイザの針状電極に印加される高電圧の静電誘
導により電位を生じる導体をセンサとして、あるいは、
イオナイザの針状電極で生成される正、負のイオンによ
って帯電する導体をセンサとして、このセンサを各イオ
ナイザに設置し、センサの出力信号をコンピュータ処理
してセンサの電位の変位をモニタリングするシステムも
あるが、これでは設備費が著しく高価になる。また、イ
オナイザの単なる動作検知を目的とする場合であれば、
イオン濃度計によりイオン発生を検知する方法や、コロ
ナ放電によって発生する紫外線を火炎センサで検知する
方法もあるが、イオン濃度計は高価な上、重量が重くて
取り扱いにくいという問題があり、火炎センサは真空管
で構成されているため寿命が短い上、精度が悪かった。
【0006】また、コロナ放電型イオナイザの場合には
針状電極に経時劣化が生じるため、必要に応じて針状電
極を清掃あるいは交換する必要がある。しかしながら、
針状電極の劣化の進度は個々の針状電極によって異な
り、前述の電気導体プレートを用いた検査方法では、多
数の針状電極の中から清掃あるいは交換すべき程に劣化
が進んでいるものを特定することが困難であった。
【0007】一方、光照射型イオナイザの場合には、電
離放射線の出射の有無や、イオン化可能な放射線強度か
否か(換言すれば、相対的放射線強度の計測)の検査が
必要である。しかしながら、従来、このような単純な検
査をするのに適した検査装置が存在しないため、この検
査には慣用的に電離箱(サーベイメータ)を代用してい
た。周知のように、電離箱は、チャンバー内に陽極板と
陰極板を備えて構成されており、両電極間に高電圧を印
加した状態でチャンバー内に放射線が入射するとチャン
バー内の気体が電離し、電離したイオンが各電極に引き
付けられることによって両電極間に電流が流れるので、
この電流値を測定し、これから電離量(放射線量)を検
出するものである。
【0008】しかしながら、この電離箱は、ある程度正
確に線量を測定できるものの、高価で脆弱なため取り扱
いに注意が必要であり、また、操作にもある程度専門的
知識を要するので、光照射型イオナイザの前記検査には
適していなかった。
【0009】尚、大気圧の空気雰囲気において効率よく
イオンを生成する電離放射線(軟X線等)は、極めて低
エネルギ(10keV以下)の光であり、このような低
エネルギ光子を即座に感知できる安価で操作性のよい機
器はなく、即座に感知できるフィルムバッジのようなも
のも、現在のところ存在しない。低エネルギ光子を捉え
て電気的信号に変換するフォトダイオードは存在する
が、このフォトダイオードは電離放射線自体によって劣
化するため寿命が短く、検出精度も悪く、使用に耐えな
かった。
【0010】また、前記電離箱はハンディタイプである
ため、これを使って光照射型イオナイザの前記検査を実
施するとなると、放射線防護設備内に作業者が立ち入
り、当該電離放射線の光軸上に電離箱を位置合わせする
作業を行う必要があり、安全作業上、あまり好ましくな
かった。
【0011】本発明はこのような従来の技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、小型で、構造が簡単で、取
り扱い易く、安価で、イオンの有無や電離放射線の有無
など簡単な検査に好適なイオン検出装置及び電離放射線
検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、以下の手段を採用した。
【0013】本発明に係るイオン検出装置は、一方の電
極にバイアス電圧を印加し、この電極の近傍の空間に存
在するイオンであって印加した電圧の極性と逆極性のイ
オンを前記一方の電極に引き付け、これに起因して前記
一方の電極と他方の電極との間に流れる電流を電流検出
手段で検出することにより前記イオンの有無を検出する
イオン検出装置において、前記一方の電極は棒状電極で
構成されていて、前記他方の電極はアースであり、この
棒状電極は間に空間を有して筒状の保護カバーによって
包囲されていることを特徴とする。
【0014】前記一方の電極が棒状電極で構成され、前
記他方の電極がアースであるので、前記一方の電極であ
る棒状電極に対向して位置し且つアースされた導体は全
てが他方の電極になり、小型ながら電極面積が大きくイ
オン検出感度のよいイオン検出装置を得ることができ
る。
【0015】尚、前記一方の電極である棒状電極に正の
バイアス電圧を印加すれば棒状電極は陽極となり、負の
バイアス電圧を印加すれば棒状電極は陰極となる。棒状
電極を陽極とした場合には棒状電極に引き付けられるの
はマイナスイオンであり、棒状電極を陰極とした場合に
は棒状電極に引き付けられるのはプラスイオンである。
【0016】前記保護カバーに透過孔を設けると、保護
カバーの外側に存在するバイアス電圧の極性と逆極性の
イオンは、この透過孔を通って保護カバー内に進入し棒
状電極に接近する。
【0017】前記透過孔を保護カバーの一側にだけ設け
ると、透過孔を設けた側からだけ前記逆極性のイオンが
透過孔を通って保護カバー内に進入するので、イオン検
出方向を特定することができる。
【0018】本発明に係るイオン検出装置の用途は、コ
ロナ放電型イオナイザの動作検知に限るものではなく、
イオンの有無、あるいは、イオン量の相対的な大小関係
を判別する検査等に利用可能である。
【0019】また、本発明に係る電離放射線検出装置
は、一方の電極にバイアス電圧を印加し、この電極の近
傍の空間に存在するイオンであって印加した電圧の極性
と逆極性のイオンを前記一方の電極に引き付け、これに
起因して前記一方の電極と他方の電極との間に流れる電
流を電流検出手段で検出することにより電離放射線の有
無を検出する電離放射線検出装置であって、前記一方の
電極は棒状電極で構成されていて、前記他方の電極はア
ースであり、この棒状電極は間に空間を有して筒状の保
護カバーによって包囲されていることを特徴とする。
【0020】前記一方の電極が棒状電極で構成され、前
記他方の電極がアースであるので、前記一方の電極であ
る棒状電極に対向して位置し且つアースされた導体は全
てが他方の電極になり、小型ながら電極面積が大きく電
離放射線検出感度のよい電離放射線検出装置を得ること
ができる。
【0021】尚、前記一方の電極である棒状電極に正の
バイアス電圧を印加すれば棒状電極は陽極となり、負の
バイアス電圧を印加すれば棒状電極は陰極となる。棒状
電極を陽極とした場合には棒状電極に引き付けられるの
はマイナスイオンであり、棒状電極を陰極とした場合に
は棒状電極に引き付けられるのはプラスイオンである。
【0022】前記保護カバーに透過孔を設けると、電離
放射線の照射により電離したガス分子のうちバイアス電
圧の極性と逆極性のイオンが、この透過孔を通って保護
カバー内に進入し棒状電極に接近する。電離放射線とし
ては、軟X線や真空紫外線等を例示することができる。
【0023】前記保護カバーが軟X線を透過させる材料
で形成されていて、前記棒状電極との間の空間が保護カ
バーによって密封されている場合には、保護カバーを透
過した軟X線が保護カバー内のガスを電離してイオン化
し、これにより生成されたバイアス電圧の極性と逆極性
のイオンだけが棒状電極に引き付けられる。したがっ
て、軟X線の照射によって生じたイオンだけを検出する
ことができるので、軟X線の検出に好適であり、検出精
度も向上する。軟X線を透過させる材料としてはポリイ
ミド系樹脂を例示することができる。
【0024】本発明に係る電離放射線検出装置の用途
は、光照射型イオナイザや電離放射線照射装置の動作検
知に限るものではなく、電離放射線の有無あるいは電離
放射線量の相対的な大小関係を判別する検査や、放射線
防護施設からの放射線の漏洩検知等にも利用可能であ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るイオン検出装
置及び電離放射線検出装置の実施の形態を図1から図1
5の図面に基いて説明する。
【0026】初めに、本発明に係るイオン検出装置及び
電離放射線検出装置(以下の説明ではイオン検出装置と
いう)の第1の実施の形態を図1から図10を参照して
説明する。
【0027】図1はイオン検出装置の概略構成を示す全
体図である。イオン検出装置は、本体部1と、センサ部
2と、本体部1とセンサ部2とを電気的に接続するセン
サケーブル3とを備えている。センサ部2について、図
2から図5を参照して詳述すると、センサ部2は、底部
に1対の固定ネジ孔4が設けられた取付ベース部5を備
え、この取付ベース部5の一端側からは、陽極としての
断面円形のステンレス製の棒状電極6が前方に延びると
ともに、この棒状電極6を包囲するように円筒状の保護
カバー7が前方に延びている。棒状電極6と保護カバー
7との間には空間8が設けられている。保護カバー7に
は、取付ベース部5近傍を除くほぼ全周面と前端面に、
空間8に連なる多数の透過孔7aが設けられている。
【0028】また、取付ベース部5の他端側からは、棒
状電極6に電気的に接続されたコネクタ部9が後方に延
びている。このコネクタ部9にはセンサケーブル3が着
脱可能である。
【0029】本体部1は、その内部に、駆動回路部10
と制御回路部11を備えている。駆動回路部10は、電
源ケーブル12を介して本体部1に入力された交流10
0Vの電圧を所定の大きさの直流高電圧に変換するため
に、変圧器、整流器、定電圧器(いずれも図示せず)等
を備え、駆動回路部10で変換された直流高電圧は高圧
抵抗13及びセンサケーブル3を介してセンサ部2の棒
状電極6にバイアス電圧として印加される。
【0030】また、高圧抵抗13は駆動回路部10を介
して抵抗14にも接続されており、抵抗14は後述する
アース端子25に接続されている。抵抗14の両端はオ
ペアンプ16に接続されており、オペアンプ16で増幅
された電圧が制御回路部11に入力される。制御回路部
11は、イオン濃度バーグラフ表示部17と、感度調整
部18と、警報装置部19とを備えている。
【0031】本体部1の正面には、図6及び図8に示す
ように、電源スイッチ20と、低イオン濃度警報ランプ
21と、複数のイオン濃度モニタランプ22と、感度調
整摘み23が設けられている。
【0032】低イオン濃度警報ランプ21は、制御回路
部11の警報装置部19によりイオン濃度が基準濃度よ
りも低いと判定されたときに点灯する。イオン濃度モニ
タランプ22は制御回路部11のイオン濃度バーグラフ
表示部17によって点灯制御され、検出されたイオン濃
度の大きさに応じていずれかのランプ22が点灯する。
詳述すると、イオン濃度が低いときには図6において左
端のランプ22が点灯し、イオン濃度が高くなるにした
がって、点灯するランプ22が順次右側に移っていく。
感度調節摘み23を回動操作することにより、制御回路
部11の感度調整部18を介してイオン検出感度を調整
することができる。
【0033】本体部1の背面には、図7及び図8に示す
ように、電源ケーブル12を着脱可能な電源ケーブル端
子24と、アース端子25と、センサケーブル3が着脱
可能なセンサケーブル端子26と、出力端子27が設け
られている。
【0034】次に、このイオン検出装置の作用を、光照
射型イオナイザの動作検知を目的とした使用例で説明す
る。
【0035】図10は静電気中和機能を備えた生産室の
断面図であり、この生産室100では、生産装置101
の上部空間(以下、生産空間という)102を2mm厚
の塩化ビニル製の遮蔽板103で密閉状態に包囲し、生
産空間102の上方隅部に設置された軟X線照射装置1
04から軟X線を照射し、生産空間102の空気をイオ
ン化して、生産空間102に設置された帯電物105の
静電気を中和する。この図において、ハッチング部は軟
X線照射装置104から軟X線が照射される範囲(軟X
線照射範囲)を示している。また、生産室100の側面
には、軟X線照射装置104と対角な位置に点検等の為
の開閉扉106が設けられている。扉106の開閉と軟
X線照射装置104の稼働はインターロックされてお
り、扉106が閉じている時にだけ軟X線照射装置10
4が稼働し、扉106が開いている時には軟X線照射装
置104が停止するように制御されている。
【0036】この例の場合には、イオン検出装置のセン
サ部2を生産室100内であって扉106の近傍位置A
に固定しておく。そして、センサ部2に接続したセンサ
ケーブル3を生産室から引き出しておき、本体部1に接
続しておく。また、本体部1のアース端子25をアース
させておく。尚、図10では本体部1とセンサケーブル
3の図示を省略している。
【0037】電源ケーブル12を交流100Vに接続
し、電源スイッチ20をONにすると、駆動回路部10
によって変換された直流高電圧がセンサ2の棒状電極6
にバイアス電圧として印加される。このイオン検出装置
においては、棒状電極6が陽極であり、陰極はアースと
なるので、棒状電極6の周りで対向して位置する導体で
あってアースされたものは全て陰極となる。したがっ
て、棒状電極6の全外表面が陽極面となり、センサ部2
は小型ながら、優れた検出感度を有することとなる。
【0038】軟X線照射装置104からの軟X線照射に
より、生産室100内における軟X線照射範囲の空気及
びセンサ部2の空間8の空気がイオン化されていれば、
センサ部2の周囲のマイナスイオンは保護カバー7の透
過孔7aを通って棒状電極6に引き付けられ、空間8内
のマイナスイオンは直接に棒状電極6に引き付けられ
て、電子が棒状電極6からセンサケーブル3、抵抗14
を通ってアースに流れ、結果的に、この電子の流れと逆
の方向に電流が流れることになる。図9はイオン検出装
置の動作原理図であり、図1と同一態様部分に同一符号
を付している。
【0039】そして、抵抗14を流れる電流の大きさ
は、抵抗14の両端の電圧値として検出され、オペアン
プ16で増幅されて制御回路部11に入力される。制御
回路部11においては、この入力電圧値に基づいて、イ
オン濃度バーグラフ表示部17がいずれのイオン濃度モ
ニタランプ22を点灯するかを判定し、警報装置部19
が入力電圧値と基準電圧値の大小を判定して、入力電圧
値が基準電圧値よりも小さいと判定した場合には低イオ
ン濃度警報ランプ21を点灯する。
【0040】ここで、基準電圧値を、帯電物105の静
電気を中和するのに必要なイオン量の下限値に対応する
電圧値としておけば、低イオン濃度警報ランプ21が点
灯した時には、軟X線照射装置104からの軟X線照射
量が不足なため帯電物105に対する静電気中和が不良
であると判定することができ、軟X線照射装置104に
おいて軟X線を出射する軟X線管が劣化したものと判断
することができる。
【0041】また、低イオン濃度警報ランプ21が点灯
していない場合には、現状では帯電物105の静電気中
和が十分に達成されていると判断することができ、いず
れのイオン濃度モニタランプ22が点灯しているかによ
って、軟X線の相対的強度を知ることができ、これから
前記軟X線管の寿命を容易に予測することができる。
【0042】さらに、扉106を開いた時に低イオン濃
度警報ランプ21が点灯すれば、扉106と軟X線照射
装置104とのインターロック回路が正常に作動してい
ることを確認することができ、開扉後の安全作業を担保
することができる。
【0043】また、センサ部2を生産室100の外部
(例えば、扉106の近傍位置B)に設置しておくと、
生産室100からの軟X線の漏洩を検知することができ
る。この使用方法の場合には、イオン検出装置は純粋に
電離放射線検出装置ということができる。
【0044】このイオン検出装置では、センサ部2を非
常に小型、軽量にでき、狭い場所にも設置可能になり、
センサ部2の取り扱いが容易である。また、棒状電極6
はステンレス製で劣化することがないので、棒状電極6
の寿命は半永久的であり、メンテナンスを必要としな
い。また、イオン検出装置は、本体部1とセンサ部2と
センサケーブル3に分離可能であるので、運搬、取り扱
いが容易である。さらに、センサ部2を放射線防護施設
内に固定して常時モニタも可能であり、作業の安全性を
確保することができる。
【0045】また、この実施の形態では、本体部1の電
源として交流電源を用いているが、バッテリー等の直流
電源を本体部1の電源として本体部1に装備させると、
携帯性が向上し、さらに取り扱い易くなる。
【0046】〔第2の実施の形態〕次に、本発明に係る
イオン検出装置及び電離放射線検出装置の第2の実施の
形態を図11から図13の図面を参照して説明する。
【0047】第2の実施の形態のイオン検出装置及び電
離放射線検出装置(以下の説明ではイオン検出装置とい
う)が第1の実施の形態のものと異なる点は、センサ部
2の保護カバー7の構造にある。第1の実施の形態で
は、保護カバー7のほぼ全周面と前端面に透過孔7aを
設けているが、第2の実施の形態では、図11及び図1
2に示すように、保護カバー7の一側にのみ透過孔7a
を設けている。このように構成すると、イオン検出方向
を特定することができる。その他の構成は第1の実施の
形態と同じであるので、図中、同一態様部分に同一符号
を付して説明を省略する。
【0048】イオン検出方向を特定することができる
と、次のような使い方をすることができ、便利である。
前述したように、コロナ放電型イオナイザにおいては、
図13に示すように、電極部200に多数の針状電極2
01を備えており、この針状電極201は経時劣化する
が、劣化の進度は個々の針状電極201で差があり、交
換すべき針状電極201を特定する必要がある。
【0049】イオン検出方向を特定できる第2の実施の
形態のセンサ部2を用い、透過孔7aが設けられた側を
針状電極201に対向するように位置させて、針状電極
201の一つ一つについてイオン濃度の検出を行えば、
いずれの針状電極201を交換すべきか特定することが
できる。
【0050】〔第3の実施の形態〕次に、本発明に係る
電離放射線検出装置の第3の実施の形態を図14及び図
15の図面を参照して説明する。
【0051】第3の実施の形態の電離放射線検出装置が
第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態のものと異
なる点は、センサ部2の保護カバー7の構造にある。第
1の実施の形態あるいは第2の実施の形態では、保護カ
バー7に透過孔7aを設けたが、第3の実施の形態で
は、保護カバー7に透過孔7aを全く設けず、棒状電極
6の周囲の空間8を保護カバー7によって密閉する。さ
らに、第3の実施の形態では、保護カバー7を、軟X線
を透過させる材料(例えばポリイミド系樹脂)で形成す
る。
【0052】このようにすると、保護カバー7を透過し
た軟X線によってのみ空間8内の空気がイオン化され、
これに起因して生じた電流だけが電離放射線検出装置に
よって検出されることになる。したがって、センサ部2
の外に軟X線以外のイオン発生源がある場合にも、その
イオン発生源で発生したイオンに影響されることなく、
軟X線を確実に検出することができる。したがって、軟
X線の検出精度が向上する。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイオ
ン検出装置によれば、バイアス電圧を印加する一方の電
極を棒状電極で構成し、この棒状電極を間に空間を有し
て筒状の保護カバーによって包囲し、他方の電極をアー
スとしたことにより、小型ながら電極面積を大きくする
ことができ、イオン検出感度を向上させることができ
る。
【0054】前記保護カバーの一側にだけ透過孔を設け
た場合には、イオン検出方向を特定することができる。
【0055】また、本発明に係る電離放射線検出装置に
よれば、バイアス電圧を印加する一方の電極を棒状電極
で構成し、この棒状電極を間に空間を有して筒状の保護
カバーによって包囲し、他方の電極をアースとしたこと
により、小型ながら電極面積を大きくすることができ、
電離放射線検出感度を向上させることができる。
【0056】前記保護カバーを軟X線を透過させる材料
で形成し、前記陽極との間の空間を保護カバーによって
密封した場合には、軟X線の検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るイオン検出装置の第1の実施の
形態における概略構成を示す図である。
【図2】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置のセンサ部の正面図である。
【図3】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置のセンサ部の底面図である。
【図4】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置のセンサ部の左側面図である。
【図5】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置のセンサ部の右側面図である。
【図6】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置の本体部の正面図である。
【図7】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置の本体部の背面図である。
【図8】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置の本体部の右側面図である。
【図9】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装
置の動作原理図である。
【図10】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出
装置の一使用例を示す図である。
【図11】 本発明に係るイオン検出装置の第2の実施
の形態におけるセンサ部の正面図である。
【図12】 前記第2の実施の形態におけるイオン検出
装置のセンサ部の底面図である。
【図13】 前記第2の実施の形態におけるイオン検出
装置の一使用例を示す図である。
【図14】 本発明に係るイオン検出装置の第3の実施
の形態におけるセンサ部を一部断面にして示す正面図で
ある。
【図15】 前記第3の実施の形態におけるイオン検出
装置の動作原理図である。
【符号の説明】
1 本体部 2 センサ部 3 センサケーブル 6 棒状電極 7 保護カバー 7a 透過孔 8 空間 11 制御回路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増島 政義 神奈川県横浜市鶴見区上の宮2−15−18 菊名パークホームズ5−504 (72)発明者 高島 浩 東京都国分寺市北町4−20−2 ノースタ ウンI102

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の電極にバイアス電圧を印加し、こ
    の電極の近傍の空間に存在するイオンであって印加した
    電圧の極性と逆極性のイオンを前記一方の電極に引き付
    け、これに起因して前記一方の電極と他方の電極との間
    に流れる電流を電流検出手段で検出することにより前記
    イオンの有無を検出するイオン検出装置において、前記
    一方の電極は棒状電極で構成されていて、前記他方の電
    極はアースであり、この棒状電極は間に空間を有して筒
    状の保護カバーによって包囲されていることを特徴とす
    るイオン検出装置。
  2. 【請求項2】 前記保護カバーには透過孔が設けられて
    いることを特徴とする請求項1に記載のイオン検出装
    置。
  3. 【請求項3】 前記透過孔は保護カバーの一側に設けら
    れていることを特徴とする請求項2に記載のイオン検出
    装置。
  4. 【請求項4】 一方の電極にバイアス電圧を印加し、こ
    の電極の近傍の空間に存在するイオンであって印加した
    電圧の極性と逆極性のイオンを前記一方の電極に引き付
    け、これに起因して前記一方の電極と他方の電極との間
    に流れる電流を電流検出手段で検出することにより電離
    放射線の有無を検出する電離放射線検出装置であって、
    前記一方の電極は棒状電極で構成されていて、前記他方
    の電極はアースであり、この棒状電極は間に空間を有し
    て筒状の保護カバーによって包囲されていることを特徴
    とする電離放射線検出装置。
  5. 【請求項5】 前記保護カバーには透過孔が設けられて
    いることを特徴とする請求項4に記載の電離放射線検出
    装置。
  6. 【請求項6】 前記保護カバーは軟X線を透過させる材
    料で形成されていて、前記一方の電極との間の空間が保
    護カバーによって密封されていることを特徴とする請求
    項4に記載の電離放射線検出装置。
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