JP4220015B2 - 電離放射線検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくともイオンの有無を検出可能なイオン検出装置と、少なくとも電離放射線の有無を検出可能な電離放射線検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体加工技術の微細化が急進する今日、製造プロセスにおけるサブミクロン以下の微粒子付着を引き起こす静電気障害は重要な問題である。そこで、このように静電気を嫌う製造プロセスでは、クリーンルームにイオナイザを設置し、除電対象物の静電気を中和している。
【0003】
このイオナイザには、イオン発生方法の違いにより、コロナ放電型イオナイザと、光照射型イオナイザがある。コロナ放電型イオナイザは、多数の針状電極に交流の高電圧を印加してコロナ放電を行わせ、針状電極近傍の空気をイオン化して、このイオンによって除電対象物の静電気を中和する。一方、光照射型イオナイザは、例えば軟X線のような光をクリーンルーム内に照射し、この光で直接クリーンルーム内のガス(例えば空気)をイオン化し、このイオンによって除電対象物の静電気を中和する。
【0004】
前述した静電気障害の防止は、これらイオナイザが正常に稼働して初めて達成される。そのため、イオナイザの点検、保守管理は非常に重要である。従来はそれぞれのイオナイザに対して次のような点検を行っているが、それぞれ問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
コロナ放電型イオナイザの場合には、イオナイザが正常に機能しているか否かを検査するために、イオナイザの針状電極に対向して電気導体プレートを配置し、このプレートに高電圧を印加して表面電位の減衰を検出している。イオナイザが正常に機能している場合には、表面電位の減衰時間並びに残留電位が所定の許容範囲に収まるが、異常の場合には、減衰に時間がかかったり残留電位に偏りが生じる。しかしながら、この検査の実施には多大な労力を要し、面倒であった。特に、多数設置されたイオナイザの全てにこの検査を実施するとなると尚更である。これに対処するに、イオナイザの針状電極に印加される高電圧の静電誘導により電位を生じる導体をセンサとして、あるいは、イオナイザの針状電極で生成される正、負のイオンによって帯電する導体をセンサとして、このセンサを各イオナイザに設置し、センサの出力信号をコンピュータ処理してセンサの電位の変位をモニタリングするシステムもあるが、これでは設備費が著しく高価になる。また、イオナイザの単なる動作検知を目的とする場合であれば、イオン濃度計によりイオン発生を検知する方法や、コロナ放電によって発生する紫外線を火炎センサで検知する方法もあるが、イオン濃度計は高価な上、重量が重くて取り扱いにくいという問題があり、火炎センサは真空管で構成されているため寿命が短い上、精度が悪かった。
【0006】
また、コロナ放電型イオナイザの場合には針状電極に経時劣化が生じるため、必要に応じて針状電極を清掃あるいは交換する必要がある。しかしながら、針状電極の劣化の進度は個々の針状電極によって異なり、前述の電気導体プレートを用いた検査方法では、多数の針状電極の中から清掃あるいは交換すべき程に劣化が進んでいるものを特定することが困難であった。
【0007】
一方、光照射型イオナイザの場合には、電離放射線の出射の有無や、イオン化可能な放射線強度か否か(換言すれば、相対的放射線強度の計測)の検査が必要である。しかしながら、従来、このような単純な検査をするのに適した検査装置が存在しないため、この検査には慣用的に電離箱(サーベイメータ)を代用していた。周知のように、電離箱は、チャンバー内に陽極板と陰極板を備えて構成されており、両電極間に高電圧を印加した状態でチャンバー内に放射線が入射するとチャンバー内の気体が電離し、電離したイオンが各電極に引き付けられることによって両電極間に電流が流れるので、この電流値を測定し、これから電離量(放射線量)を検出するものである。
【0008】
しかしながら、この電離箱は、ある程度正確に線量を測定できるものの、高価で脆弱なため取り扱いに注意が必要であり、また、操作にもある程度専門的知識を要するので、光照射型イオナイザの前記検査には適していなかった。
【0009】
尚、大気圧の空気雰囲気において効率よくイオンを生成する電離放射線(軟X線等)は、極めて低エネルギ(10keV以下)の光であり、このような低エネルギ光子を即座に感知できる安価で操作性のよい機器はなく、即座に感知できるフィルムバッジのようなものも、現在のところ存在しない。低エネルギ光子を捉えて電気的信号に変換するフォトダイオードは存在するが、このフォトダイオードは電離放射線自体によって劣化するため寿命が短く、検出精度も悪く、使用に耐えなかった。
【0010】
また、前記電離箱はハンディタイプであるため、これを使って光照射型イオナイザの前記検査を実施するとなると、放射線防護設備内に作業者が立ち入り、当該電離放射線の光軸上に電離箱を位置合わせする作業を行う必要があり、安全作業上、あまり好ましくなかった。
【0011】
本発明はこのような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであり、小型で、構造が簡単で、取り扱い易く、安価で、イオンの有無や電離放射線の有無など簡単な検査に好適なイオン検出装置及び電離放射線検出装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
【0013】
本発明に係るイオン検出装置は、一方の電極にバイアス電圧を印加し、この電極の近傍の空間に存在するイオンであって印加した電圧の極性と逆極性のイオンを前記一方の電極に引き付け、これに起因して前記一方の電極と他方の電極との間に流れる電流を電流検出手段で検出することにより前記イオンの有無を検出するイオン検出装置において、前記一方の電極は棒状電極で構成されていて、前記他方の電極はアースであり、この棒状電極は間に空間を有して筒状の保護カバーによって包囲されていることを特徴とする。
【0014】
前記一方の電極が棒状電極で構成され、前記他方の電極がアースであるので、前記一方の電極である棒状電極に対向して位置し且つアースされた導体は全てが他方の電極になり、小型ながら電極面積が大きくイオン検出感度のよいイオン検出装置を得ることができる。
【0015】
尚、前記一方の電極である棒状電極に正のバイアス電圧を印加すれば棒状電極は陽極となり、負のバイアス電圧を印加すれば棒状電極は陰極となる。棒状電極を陽極とした場合には棒状電極に引き付けられるのはマイナスイオンであり、棒状電極を陰極とした場合には棒状電極に引き付けられるのはプラスイオンである。
【0016】
前記保護カバーに透過孔を設けると、保護カバーの外側に存在するバイアス電圧の極性と逆極性のイオンは、この透過孔を通って保護カバー内に進入し棒状電極に接近する。
【0017】
前記透過孔を保護カバーの一側にだけ設けると、透過孔を設けた側からだけ前記逆極性のイオンが透過孔を通って保護カバー内に進入するので、イオン検出方向を特定することができる。
【0018】
本発明に係るイオン検出装置の用途は、コロナ放電型イオナイザの動作検知に限るものではなく、イオンの有無、あるいは、イオン量の相対的な大小関係を判別する検査等に利用可能である。
【0019】
また、本発明に係る電離放射線検出装置は、一方の電極にバイアス電圧を印加し、この電極の近傍の空間に存在するイオンであって印加した電圧の極性と逆極性のイオンを前記一方の電極に引き付け、これに起因して前記一方の電極と他方の電極との間に流れる電流を電流検出手段で検出することにより電離放射線の有無を検出する電離放射線検出装置であって、前記一方の電極は棒状電極で構成されていて、前記他方の電極はアースであり、この棒状電極は間に空間を有して筒状の保護カバーによって包囲されていることを特徴とする。
【0020】
前記一方の電極が棒状電極で構成され、前記他方の電極がアースであるので、前記一方の電極である棒状電極に対向して位置し且つアースされた導体は全てが他方の電極になり、小型ながら電極面積が大きく電離放射線検出感度のよい電離放射線検出装置を得ることができる。
【0021】
尚、前記一方の電極である棒状電極に正のバイアス電圧を印加すれば棒状電極は陽極となり、負のバイアス電圧を印加すれば棒状電極は陰極となる。棒状電極を陽極とした場合には棒状電極に引き付けられるのはマイナスイオンであり、棒状電極を陰極とした場合には棒状電極に引き付けられるのはプラスイオンである。
【0022】
前記保護カバーに透過孔を設けると、電離放射線の照射により電離したガス分子のうちバイアス電圧の極性と逆極性のイオンが、この透過孔を通って保護カバー内に進入し棒状電極に接近する。電離放射線としては、軟X線や真空紫外線等を例示することができる。
【0023】
前記保護カバーが軟X線を透過させる材料で形成されていて、前記棒状電極との間の空間が保護カバーによって密封されている場合には、保護カバーを透過した軟X線が保護カバー内のガスを電離してイオン化し、これにより生成されたバイアス電圧の極性と逆極性のイオンだけが棒状電極に引き付けられる。したがって、軟X線の照射によって生じたイオンだけを検出することができるので、軟X線の検出に好適であり、検出精度も向上する。軟X線を透過させる材料としてはポリイミド系樹脂を例示することができる。
【0024】
本発明に係る電離放射線検出装置の用途は、光照射型イオナイザや電離放射線照射装置の動作検知に限るものではなく、電離放射線の有無あるいは電離放射線量の相対的な大小関係を判別する検査や、放射線防護施設からの放射線の漏洩検知等にも利用可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るイオン検出装置及び電離放射線検出装置の実施の形態を図1から図15の図面に基いて説明する。
【0026】
初めに、本発明に係るイオン検出装置及び電離放射線検出装置(以下の説明ではイオン検出装置という)の第1の実施の形態を図1から図10を参照して説明する。
【0027】
図1はイオン検出装置の概略構成を示す全体図である。イオン検出装置は、本体部1と、センサ部2と、本体部1とセンサ部2とを電気的に接続するセンサケーブル3とを備えている。センサ部2について、図2から図5を参照して詳述すると、センサ部2は、底部に1対の固定ネジ孔4が設けられた取付ベース部5を備え、この取付ベース部5の一端側からは、陽極としての断面円形のステンレス製の棒状電極6が前方に延びるとともに、この棒状電極6を包囲するように円筒状の保護カバー7が前方に延びている。棒状電極6と保護カバー7との間には空間8が設けられている。保護カバー7には、取付ベース部5近傍を除くほぼ全周面と前端面に、空間8に連なる多数の透過孔7aが設けられている。
【0028】
また、取付ベース部5の他端側からは、棒状電極6に電気的に接続されたコネクタ部9が後方に延びている。このコネクタ部9にはセンサケーブル3が着脱可能である。
【0029】
本体部1は、その内部に、駆動回路部10と制御回路部11を備えている。駆動回路部10は、電源ケーブル12を介して本体部1に入力された交流100Vの電圧を所定の大きさの直流高電圧に変換するために、変圧器、整流器、定電圧器(いずれも図示せず)等を備え、駆動回路部10で変換された直流高電圧は高圧抵抗13及びセンサケーブル3を介してセンサ部2の棒状電極6にバイアス電圧として印加される。
【0030】
また、高圧抵抗13は駆動回路部10を介して抵抗14にも接続されており、抵抗14は後述するアース端子25に接続されている。抵抗14の両端はオペアンプ16に接続されており、オペアンプ16で増幅された電圧が制御回路部11に入力される。制御回路部11は、イオン濃度バーグラフ表示部17と、感度調整部18と、警報装置部19とを備えている。
【0031】
本体部1の正面には、図6及び図8に示すように、電源スイッチ20と、低イオン濃度警報ランプ21と、複数のイオン濃度モニタランプ22と、感度調整摘み23が設けられている。
【0032】
低イオン濃度警報ランプ21は、制御回路部11の警報装置部19によりイオン濃度が基準濃度よりも低いと判定されたときに点灯する。イオン濃度モニタランプ22は制御回路部11のイオン濃度バーグラフ表示部17によって点灯制御され、検出されたイオン濃度の大きさに応じていずれかのランプ22が点灯する。詳述すると、イオン濃度が低いときには図6において左端のランプ22が点灯し、イオン濃度が高くなるにしたがって、点灯するランプ22が順次右側に移っていく。感度調節摘み23を回動操作することにより、制御回路部11の感度調整部18を介してイオン検出感度を調整することができる。
【0033】
本体部1の背面には、図7及び図8に示すように、電源ケーブル12を着脱可能な電源ケーブル端子24と、アース端子25と、センサケーブル3が着脱可能なセンサケーブル端子26と、出力端子27が設けられている。
【0034】
次に、このイオン検出装置の作用を、光照射型イオナイザの動作検知を目的とした使用例で説明する。
【0035】
図10は静電気中和機能を備えた生産室の断面図であり、この生産室100では、生産装置101の上部空間(以下、生産空間という)102を2mm厚の塩化ビニル製の遮蔽板103で密閉状態に包囲し、生産空間102の上方隅部に設置された軟X線照射装置104から軟X線を照射し、生産空間102の空気をイオン化して、生産空間102に設置された帯電物105の静電気を中和する。この図において、ハッチング部は軟X線照射装置104から軟X線が照射される範囲(軟X線照射範囲)を示している。また、生産室100の側面には、軟X線照射装置104と対角な位置に点検等の為の開閉扉106が設けられている。扉106の開閉と軟X線照射装置104の稼働はインターロックされており、扉106が閉じている時にだけ軟X線照射装置104が稼働し、扉106が開いている時には軟X線照射装置104が停止するように制御されている。
【0036】
この例の場合には、イオン検出装置のセンサ部2を生産室100内であって扉106の近傍位置Aに固定しておく。そして、センサ部2に接続したセンサケーブル3を生産室から引き出しておき、本体部1に接続しておく。また、本体部1のアース端子25をアースさせておく。尚、図10では本体部1とセンサケーブル3の図示を省略している。
【0037】
電源ケーブル12を交流100Vに接続し、電源スイッチ20をONにすると、駆動回路部10によって変換された直流高電圧がセンサ2の棒状電極6にバイアス電圧として印加される。このイオン検出装置においては、棒状電極6が陽極であり、陰極はアースとなるので、棒状電極6の周りで対向して位置する導体であってアースされたものは全て陰極となる。したがって、棒状電極6の全外表面が陽極面となり、センサ部2は小型ながら、優れた検出感度を有することとなる。
【0038】
軟X線照射装置104からの軟X線照射により、生産室100内における軟X線照射範囲の空気及びセンサ部2の空間8の空気がイオン化されていれば、センサ部2の周囲のマイナスイオンは保護カバー7の透過孔7aを通って棒状電極6に引き付けられ、空間8内のマイナスイオンは直接に棒状電極6に引き付けられて、電子が棒状電極6からセンサケーブル3、抵抗14を通ってアースに流れ、結果的に、この電子の流れと逆の方向に電流が流れることになる。図9はイオン検出装置の動作原理図であり、図1と同一態様部分に同一符号を付している。
【0039】
そして、抵抗14を流れる電流の大きさは、抵抗14の両端の電圧値として検出され、オペアンプ16で増幅されて制御回路部11に入力される。制御回路部11においては、この入力電圧値に基づいて、イオン濃度バーグラフ表示部17がいずれのイオン濃度モニタランプ22を点灯するかを判定し、警報装置部19が入力電圧値と基準電圧値の大小を判定して、入力電圧値が基準電圧値よりも小さいと判定した場合には低イオン濃度警報ランプ21を点灯する。
【0040】
ここで、基準電圧値を、帯電物105の静電気を中和するのに必要なイオン量の下限値に対応する電圧値としておけば、低イオン濃度警報ランプ21が点灯した時には、軟X線照射装置104からの軟X線照射量が不足なため帯電物105に対する静電気中和が不良であると判定することができ、軟X線照射装置104において軟X線を出射する軟X線管が劣化したものと判断することができる。
【0041】
また、低イオン濃度警報ランプ21が点灯していない場合には、現状では帯電物105の静電気中和が十分に達成されていると判断することができ、いずれのイオン濃度モニタランプ22が点灯しているかによって、軟X線の相対的強度を知ることができ、これから前記軟X線管の寿命を容易に予測することができる。
【0042】
さらに、扉106を開いた時に低イオン濃度警報ランプ21が点灯すれば、扉106と軟X線照射装置104とのインターロック回路が正常に作動していることを確認することができ、開扉後の安全作業を担保することができる。
【0043】
また、センサ部2を生産室100の外部(例えば、扉106の近傍位置B)に設置しておくと、生産室100からの軟X線の漏洩を検知することができる。この使用方法の場合には、イオン検出装置は純粋に電離放射線検出装置ということができる。
【0044】
このイオン検出装置では、センサ部2を非常に小型、軽量にでき、狭い場所にも設置可能になり、センサ部2の取り扱いが容易である。また、棒状電極6はステンレス製で劣化することがないので、棒状電極6の寿命は半永久的であり、メンテナンスを必要としない。また、イオン検出装置は、本体部1とセンサ部2とセンサケーブル3に分離可能であるので、運搬、取り扱いが容易である。さらに、センサ部2を放射線防護施設内に固定して常時モニタも可能であり、作業の安全性を確保することができる。
【0045】
また、この実施の形態では、本体部1の電源として交流電源を用いているが、バッテリー等の直流電源を本体部1の電源として本体部1に装備させると、携帯性が向上し、さらに取り扱い易くなる。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明に係るイオン検出装置及び電離放射線検出装置の第2の実施の形態を図11から図13の図面を参照して説明する。
【0047】
第2の実施の形態のイオン検出装置及び電離放射線検出装置(以下の説明ではイオン検出装置という)が第1の実施の形態のものと異なる点は、センサ部2の保護カバー7の構造にある。第1の実施の形態では、保護カバー7のほぼ全周面と前端面に透過孔7aを設けているが、第2の実施の形態では、図11及び図12に示すように、保護カバー7の一側にのみ透過孔7aを設けている。このように構成すると、イオン検出方向を特定することができる。その他の構成は第1の実施の形態と同じであるので、図中、同一態様部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
イオン検出方向を特定することができると、次のような使い方をすることができ、便利である。前述したように、コロナ放電型イオナイザにおいては、図13に示すように、電極部200に多数の針状電極201を備えており、この針状電極201は経時劣化するが、劣化の進度は個々の針状電極201で差があり、交換すべき針状電極201を特定する必要がある。
【0049】
イオン検出方向を特定できる第2の実施の形態のセンサ部2を用い、透過孔7aが設けられた側を針状電極201に対向するように位置させて、針状電極201の一つ一つについてイオン濃度の検出を行えば、いずれの針状電極201を交換すべきか特定することができる。
【0050】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明に係る電離放射線検出装置の第3の実施の形態を図14及び図15の図面を参照して説明する。
【0051】
第3の実施の形態の電離放射線検出装置が第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態のものと異なる点は、センサ部2の保護カバー7の構造にある。第1の実施の形態あるいは第2の実施の形態では、保護カバー7に透過孔7aを設けたが、第3の実施の形態では、保護カバー7に透過孔7aを全く設けず、棒状電極6の周囲の空間8を保護カバー7によって密閉する。さらに、第3の実施の形態では、保護カバー7を、軟X線を透過させる材料(例えばポリイミド系樹脂)で形成する。
【0052】
このようにすると、保護カバー7を透過した軟X線によってのみ空間8内の空気がイオン化され、これに起因して生じた電流だけが電離放射線検出装置によって検出されることになる。したがって、センサ部2の外に軟X線以外のイオン発生源がある場合にも、そのイオン発生源で発生したイオンに影響されることなく、軟X線を確実に検出することができる。したがって、軟X線の検出精度が向上する。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るイオン検出装置によれば、バイアス電圧を印加する一方の電極を棒状電極で構成し、この棒状電極を間に空間を有して筒状の保護カバーによって包囲し、他方の電極をアースとしたことにより、小型ながら電極面積を大きくすることができ、イオン検出感度を向上させることができる。
【0054】
前記保護カバーの一側にだけ透過孔を設けた場合には、イオン検出方向を特定することができる。
【0055】
また、本発明に係る電離放射線検出装置によれば、バイアス電圧を印加する一方の電極を棒状電極で構成し、この棒状電極を間に空間を有して筒状の保護カバーによって包囲し、他方の電極をアースとしたことにより、小型ながら電極面積を大きくすることができ、電離放射線検出感度を向上させることができる。
【0056】
前記保護カバーを軟X線を透過させる材料で形成し、前記陽極との間の空間を保護カバーによって密封した場合には、軟X線の検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るイオン検出装置の第1の実施の形態における概略構成を示す図である。
【図2】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置のセンサ部の正面図である。
【図3】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置のセンサ部の底面図である。
【図4】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置のセンサ部の左側面図である。
【図5】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置のセンサ部の右側面図である。
【図6】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置の本体部の正面図である。
【図7】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置の本体部の背面図である。
【図8】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置の本体部の右側面図である。
【図9】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置の動作原理図である。
【図10】 前記第1の実施の形態におけるイオン検出装置の一使用例を示す図である。
【図11】 本発明に係るイオン検出装置の第2の実施の形態におけるセンサ部の正面図である。
【図12】 前記第2の実施の形態におけるイオン検出装置のセンサ部の底面図である。
【図13】 前記第2の実施の形態におけるイオン検出装置の一使用例を示す図である。
【図14】 本発明に係るイオン検出装置の第3の実施の形態におけるセンサ部を一部断面にして示す正面図である。
【図15】 前記第3の実施の形態におけるイオン検出装置の動作原理図である。
【符号の説明】
1 本体部
2 センサ部
3 センサケーブル
6 棒状電極
7 保護カバー
7a 透過孔
8 空間
11 制御回路部

Claims (4)

  1. 離放射線の有無を検出する電離放射線検出装置であって、
    バイアス電圧が印加される棒状電極と、
    前記棒状電極を収容する筒状の保護カバーであって、該棒状電極と該保護カバーとの間に空間を有する保護カバーと、
    前記保護カバーに収容された前記棒状電極と該保護カバーの外側のアースとの間の空間を通過する前記電離放射線を、該棒状電極に繋がれた線とアースされた線との間を流れる電流で検出する電流検出手段と、を備える、
    電離放射線検出装置。
  2. 前記保護カバーは、複数の透過孔を有する、
    請求項1に記載の電離放射線検出装置。
  3. 前記保護カバーは、前記棒状電極と該保護カバーとの間の空間を密封している、
    請求項1に記載の電離放射線検出装置。
  4. 前記保護カバーは、少なくとも10keVの前記電離放射線を透過可能な材料で構成されている、
    請求項3に記載の電離放射線検出装置。
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