JPH11343284A - ピリダジノン化合物塩酸塩及びその製造法 - Google Patents
ピリダジノン化合物塩酸塩及びその製造法Info
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- JPH11343284A JPH11343284A JP5994899A JP5994899A JPH11343284A JP H11343284 A JPH11343284 A JP H11343284A JP 5994899 A JP5994899 A JP 5994899A JP 5994899 A JP5994899 A JP 5994899A JP H11343284 A JPH11343284 A JP H11343284A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 医薬品として安定なピリダジノン化合物
及びその製造法の提供。 【解決手段】(1)4−クロロ−5−[3−(4−ベン
ジルピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−
メトキシベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノン
の3/2塩酸塩の提供。 (2)アルコール系溶媒又はアルコール系−エステル系
混合溶媒中、塩化水素と水の存在下、晶析させることを
特徴とする上記(1)で示されるピリダジノン化合物3
/2塩酸塩の製造法の提供。
及びその製造法の提供。 【解決手段】(1)4−クロロ−5−[3−(4−ベン
ジルピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−
メトキシベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノン
の3/2塩酸塩の提供。 (2)アルコール系溶媒又はアルコール系−エステル系
混合溶媒中、塩化水素と水の存在下、晶析させることを
特徴とする上記(1)で示されるピリダジノン化合物3
/2塩酸塩の製造法の提供。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は気管支拡張作用、抗
アレルギー作用及び/又は抗血小板作用を有するピリダ
ジノン化合物の3/2塩酸塩及びその製造法に関する。
アレルギー作用及び/又は抗血小板作用を有するピリダ
ジノン化合物の3/2塩酸塩及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】式
(1)で示されるピリダジノン化合物4−クロロ−5−
[3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)カルボニ
ルメトキシ−4−メトキシベンジルアミノ]−3(2
H)−ピリダジノンはWO95/01343号公報、特開平8−
041033号公報に記載されており、気管支拡張作
用、抗アレルギー作用又は抗血小板作用を有する医薬品
として有用な化合物である。
(1)で示されるピリダジノン化合物4−クロロ−5−
[3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)カルボニ
ルメトキシ−4−メトキシベンジルアミノ]−3(2
H)−ピリダジノンはWO95/01343号公報、特開平8−
041033号公報に記載されており、気管支拡張作
用、抗アレルギー作用又は抗血小板作用を有する医薬品
として有用な化合物である。
【0003】
【化1】
【0004】同公報中にピリダジノン化合物(1)の塩
酸塩及びその製造法についても記載されているが、その
製造法により得られる2塩酸塩(参考例1参照)は優れ
た薬効を示すものの、吸湿性が高く、容易に分解が進行
することや、メタノール溶媒中でも速やかに分解するこ
となど安定性を考慮すると、残念ながら医薬品の原薬と
しては不適当なものであった。
酸塩及びその製造法についても記載されているが、その
製造法により得られる2塩酸塩(参考例1参照)は優れ
た薬効を示すものの、吸湿性が高く、容易に分解が進行
することや、メタノール溶媒中でも速やかに分解するこ
となど安定性を考慮すると、残念ながら医薬品の原薬と
しては不適当なものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明者らは鋭意検討を行ったところ、ピリダジノン化
合物(1)には2塩酸塩の他に3/2塩酸塩(2)が存
在することを見出し、さらに試験例1に示す如く、3/
2塩酸塩(2)は、吸湿性及び安定性の点で明らかに優
れるという結果を得た。
本発明者らは鋭意検討を行ったところ、ピリダジノン化
合物(1)には2塩酸塩の他に3/2塩酸塩(2)が存
在することを見出し、さらに試験例1に示す如く、3/
2塩酸塩(2)は、吸湿性及び安定性の点で明らかに優
れるという結果を得た。
【0006】
【化2】
【0007】また化合物(1)及びその3/2塩酸塩
(2)のイヌにおける生体内動態を比較した。3/2塩
酸塩(2)は化合物(1)に比べ、最高血中濃度Cmax
は5.4倍、時間−血中濃度下面積AUC(0−∞)で
は2.3倍良好な結果が示された。従って3/2塩酸塩
(2)は化合物(1)と比較しても医薬品原体として優
れていることが示された。 結果 (10mg/kg経口投与 カプセル剤)
(2)のイヌにおける生体内動態を比較した。3/2塩
酸塩(2)は化合物(1)に比べ、最高血中濃度Cmax
は5.4倍、時間−血中濃度下面積AUC(0−∞)で
は2.3倍良好な結果が示された。従って3/2塩酸塩
(2)は化合物(1)と比較しても医薬品原体として優
れていることが示された。 結果 (10mg/kg経口投与 カプセル剤)
【0008】
【表1】
【0009】この3/2塩酸塩は、薬効面でも2塩酸塩
と同等の結果が得られたため、医薬品の原薬として十分
な適性を持つものであることを確認して本発明を完成し
た。
と同等の結果が得られたため、医薬品の原薬として十分
な適性を持つものであることを確認して本発明を完成し
た。
【0010】一方、参考例3に示すように1塩酸塩の製
造法も見い出した。しかし、この化合物も分解は伴わな
いものの高い吸湿性を示すことや、結晶が静電気を帯び
やすいこと、溶解性が劣ること、光により着色すること
など、物性面から見てやはり医薬品の原薬としては不適
当なものであった。同時に粉末X線回折により、この3
/2塩酸塩が2塩酸塩と1塩酸塩の混合物でないことも
明らかになった(試験例2参照。粉末X線回折のデータ
を図1に示す)。
造法も見い出した。しかし、この化合物も分解は伴わな
いものの高い吸湿性を示すことや、結晶が静電気を帯び
やすいこと、溶解性が劣ること、光により着色すること
など、物性面から見てやはり医薬品の原薬としては不適
当なものであった。同時に粉末X線回折により、この3
/2塩酸塩が2塩酸塩と1塩酸塩の混合物でないことも
明らかになった(試験例2参照。粉末X線回折のデータ
を図1に示す)。
【0011】即ち、本発明はピリダジノン化合物(1)
の3/2塩酸塩(2)及びその製造法に関するものであ
る。
の3/2塩酸塩(2)及びその製造法に関するものであ
る。
【0012】3/2塩酸塩(2)の製造法は、以下のと
おりである。 (1)ピリダジノン化合物(1)を塩化水素と水の存在
下、アルコール系溶媒又はアルコール系−エステル系混
合溶媒中、晶析させることを特徴とする製造法。 (2)ピリダジノン化合物(1)の2塩酸塩を塩化水素
と水の存在下、アルコール系溶媒又はアルコール系−エ
ステル系混合溶媒中、晶析させることを特徴とする製造
法。 (3)ピリダジノン化合物(1)の1塩酸塩を塩化水素
と水の存在下、アルコール系溶媒又はアルコール系−エ
ステル系混合溶媒中、晶析させることを特徴とする製造
法。 (4)アルコール系溶媒がメタノール又はエタノールで
ある上記(1)、(2)又は(3)記載の製造法。 (5)アルコール系−エステル系混合溶媒がメタノール
−酢酸エチル混合溶媒である上記(1)、(2)又は
(3)記載の製造法。 (6)アルコール系−エステル系混合溶媒がエタノール
−酢酸エチル混合溶媒である上記(1)、(2)又は
(3)記載の製造法。
おりである。 (1)ピリダジノン化合物(1)を塩化水素と水の存在
下、アルコール系溶媒又はアルコール系−エステル系混
合溶媒中、晶析させることを特徴とする製造法。 (2)ピリダジノン化合物(1)の2塩酸塩を塩化水素
と水の存在下、アルコール系溶媒又はアルコール系−エ
ステル系混合溶媒中、晶析させることを特徴とする製造
法。 (3)ピリダジノン化合物(1)の1塩酸塩を塩化水素
と水の存在下、アルコール系溶媒又はアルコール系−エ
ステル系混合溶媒中、晶析させることを特徴とする製造
法。 (4)アルコール系溶媒がメタノール又はエタノールで
ある上記(1)、(2)又は(3)記載の製造法。 (5)アルコール系−エステル系混合溶媒がメタノール
−酢酸エチル混合溶媒である上記(1)、(2)又は
(3)記載の製造法。 (6)アルコール系−エステル系混合溶媒がエタノール
−酢酸エチル混合溶媒である上記(1)、(2)又は
(3)記載の製造法。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明化合物の製造法につ
いて説明する。WO95/01343号公報、特開平8−041
033号公報に記載されているクロロホルム−メタノー
ル−ジエチルエーテルの3成分系の溶媒より得られるピ
リダジノン化合物(1)の2塩酸塩は参考例2に示すよ
うな酢酸エチル−メタノールの2成分系の溶媒からも製
造できる。この時には塩化水素をメタノール溶液の形で
加えているが、これを実施例1に示す如く、35%塩酸
をメタノールで希釈したものに置き換えると本発明化合
物である3/2塩酸塩が得られた。即ち、水の存在が大
きな役割を果たしている。この条件下で種晶として2塩
酸塩を加えた場合でも得られる結晶は3/2塩酸塩であ
った。実施例により具体的に示した如く、晶析の条件が
大きく変化をしても3/2塩酸塩が得られることからも
この化合物が2塩酸塩と1塩酸塩の単なる混合物ではな
いことが明らかである。本発明の製造法に用いる化合物
(1)は、2塩酸塩でも、1塩酸塩でもよい。又、他の
塩を用いることもできる。
いて説明する。WO95/01343号公報、特開平8−041
033号公報に記載されているクロロホルム−メタノー
ル−ジエチルエーテルの3成分系の溶媒より得られるピ
リダジノン化合物(1)の2塩酸塩は参考例2に示すよ
うな酢酸エチル−メタノールの2成分系の溶媒からも製
造できる。この時には塩化水素をメタノール溶液の形で
加えているが、これを実施例1に示す如く、35%塩酸
をメタノールで希釈したものに置き換えると本発明化合
物である3/2塩酸塩が得られた。即ち、水の存在が大
きな役割を果たしている。この条件下で種晶として2塩
酸塩を加えた場合でも得られる結晶は3/2塩酸塩であ
った。実施例により具体的に示した如く、晶析の条件が
大きく変化をしても3/2塩酸塩が得られることからも
この化合物が2塩酸塩と1塩酸塩の単なる混合物ではな
いことが明らかである。本発明の製造法に用いる化合物
(1)は、2塩酸塩でも、1塩酸塩でもよい。又、他の
塩を用いることもできる。
【0014】使用できる溶媒としては医薬品原薬の製造
工程という要因も考慮して実施例2の酢酸エチル−エタ
ノールや実施例3のエタノール単独などを挙げることが
できるが、その他のアルコール系、エステル系の溶媒に
ついても、特に使用が限定されるものではない。例えば
アルコール系ではメタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、エチレングリコール等、エステル系では酢酸
メチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル等を挙
げることができる。
工程という要因も考慮して実施例2の酢酸エチル−エタ
ノールや実施例3のエタノール単独などを挙げることが
できるが、その他のアルコール系、エステル系の溶媒に
ついても、特に使用が限定されるものではない。例えば
アルコール系ではメタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、エチレングリコール等、エステル系では酢酸
メチル、酢酸イソプロピル、プロピオン酸エチル等を挙
げることができる。
【0015】溶媒の使用量について特に制限はないが、
少ないほど結晶化に要する時間は短縮される傾向にあ
る。ただし、化合物に対して1.5重量倍を下回ると撹拌
が困難になるなど、大量製造時における問題は生じる。
少ないほど結晶化に要する時間は短縮される傾向にあ
る。ただし、化合物に対して1.5重量倍を下回ると撹拌
が困難になるなど、大量製造時における問題は生じる。
【0016】塩化水素の使用量は少なくとも化合物
(1)に対して2モル倍(塩化水素)は必要だが、上限
について特に制限はない。しかし、経済性、操作性、化
合物が加水分解される危険性を考えると2倍モル〜8倍
モル、好ましくは2.5〜4倍モルの範囲で実施するのが良
い。塩化水素は35%塩酸溶液を使用してもよい。塩酸
中の水がこの製造法において重要な役割を示すことにつ
いては既に述べた通りである。
(1)に対して2モル倍(塩化水素)は必要だが、上限
について特に制限はない。しかし、経済性、操作性、化
合物が加水分解される危険性を考えると2倍モル〜8倍
モル、好ましくは2.5〜4倍モルの範囲で実施するのが良
い。塩化水素は35%塩酸溶液を使用してもよい。塩酸
中の水がこの製造法において重要な役割を示すことにつ
いては既に述べた通りである。
【0017】3/2塩酸塩を得るには水の量は使用する
原料である4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペ
ラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシ
ベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノンに対し
て、0.17から1重量倍の範囲が好ましい。使用する
溶媒の種類及び量により最適な水分量は異なるが,具体
的にはエタノール−酢酸エチル系混合溶媒では0.5倍
が最適である。実施例では市販の濃塩酸を用いたので、
塩酸の濃度は35%のものを使用しているが、必ずしも
これに限定されるものではない。
原料である4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペ
ラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシ
ベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノンに対し
て、0.17から1重量倍の範囲が好ましい。使用する
溶媒の種類及び量により最適な水分量は異なるが,具体
的にはエタノール−酢酸エチル系混合溶媒では0.5倍
が最適である。実施例では市販の濃塩酸を用いたので、
塩酸の濃度は35%のものを使用しているが、必ずしも
これに限定されるものではない。
【0018】実施例に記載されている通り、結晶化には
比較的時間を要する。従って、塩酸添加後の高い晶析温
度は化合物の加水分解を引き起こすためによい条件とは
言えない。反対に低温になりすぎると油状物が生じるな
ど、結晶化が妨げられることがある。そのため、−20〜
40℃の範囲、好ましくは0〜20℃の範囲で結晶化を行う
のが良い。また、結晶化の時間を短縮するために種晶を
使用することは非常に有効である。
比較的時間を要する。従って、塩酸添加後の高い晶析温
度は化合物の加水分解を引き起こすためによい条件とは
言えない。反対に低温になりすぎると油状物が生じるな
ど、結晶化が妨げられることがある。そのため、−20〜
40℃の範囲、好ましくは0〜20℃の範囲で結晶化を行う
のが良い。また、結晶化の時間を短縮するために種晶を
使用することは非常に有効である。
【0019】
【実施例】実施例(参考例、製造例、試験例) 以下、本発明について実施例(参考例、製造例、試験
例)を挙げて詳述するが、本発明はこれらの実施例に何
ら限定されるものではない。実施例中に種晶と表現して
いるものはすべて表題化合物と同一の化合物を指してい
る。また2塩酸塩、3/2塩酸塩、1塩酸塩は硝酸銀に
よる塩素イオンの滴定により決定した。
例)を挙げて詳述するが、本発明はこれらの実施例に何
ら限定されるものではない。実施例中に種晶と表現して
いるものはすべて表題化合物と同一の化合物を指してい
る。また2塩酸塩、3/2塩酸塩、1塩酸塩は硝酸銀に
よる塩素イオンの滴定により決定した。
【0020】試験例1 2塩酸塩及び3/2塩酸塩 25℃ 75%RHにおける吸湿
試験 塩化ナトリウムの飽和水溶液を用いて調湿液を調製し、
これを恒湿容器に入れ、25℃に保ち温湿度条件の調製を
行う。2塩酸塩0.4g及び3/2塩酸塩0.2gをはかり瓶
に入れ試料の調製を行った後、先の温湿度条件下におい
て吸湿試験を行い、水分及び分解物含量の変化を経時的
に追い、吸湿性及び安定性を比較した。以下、吸湿試験
の結果(水分含量及び分解物の経時変化)を示す。
試験 塩化ナトリウムの飽和水溶液を用いて調湿液を調製し、
これを恒湿容器に入れ、25℃に保ち温湿度条件の調製を
行う。2塩酸塩0.4g及び3/2塩酸塩0.2gをはかり瓶
に入れ試料の調製を行った後、先の温湿度条件下におい
て吸湿試験を行い、水分及び分解物含量の変化を経時的
に追い、吸湿性及び安定性を比較した。以下、吸湿試験
の結果(水分含量及び分解物の経時変化)を示す。
【0021】
【表2】
【0022】試験法2 3/2塩酸塩が2塩酸塩と1塩酸塩の混合物でないこと
を証明するにあたり、粉末X線回折測定法を用いて、各
化合物の各結晶形のX線回折パターンを比較した。以
下、その測定法について説明する。1塩酸塩、3/2塩
酸塩及び2塩酸塩の粉末X線回折の測定を行う。更に、
1塩酸塩及び2塩酸塩を等量ずつ混合した物理的混合サ
ンプルに対し、同様にX線回折を測定し、各化合物の各
結晶形のX線回折パターンと比較する。この結果より3
/2塩酸塩の粉末X線回折パターンは1塩酸塩と2塩酸
塩の物理的混合サンプルの粉末X線回折パターンとは明
らかに違うことが判明し、3/2塩酸塩が1塩酸塩と2
塩酸塩の単なる混合物ではないことが明らかとなった。
を証明するにあたり、粉末X線回折測定法を用いて、各
化合物の各結晶形のX線回折パターンを比較した。以
下、その測定法について説明する。1塩酸塩、3/2塩
酸塩及び2塩酸塩の粉末X線回折の測定を行う。更に、
1塩酸塩及び2塩酸塩を等量ずつ混合した物理的混合サ
ンプルに対し、同様にX線回折を測定し、各化合物の各
結晶形のX線回折パターンと比較する。この結果より3
/2塩酸塩の粉末X線回折パターンは1塩酸塩と2塩酸
塩の物理的混合サンプルの粉末X線回折パターンとは明
らかに違うことが判明し、3/2塩酸塩が1塩酸塩と2
塩酸塩の単なる混合物ではないことが明らかとなった。
【0023】参考例1: 2塩酸塩 クロロホルム−メ
タノール−ジエチルエーテルの3成分系での晶析 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシー4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン 2塩酸塩4−クロ
ロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)
カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルアミノ]−
3(2H)−ピリダジノン75.0gをクロロホルム3
00mlに加え、加温し溶解した。この溶液にエタノー
ル300mlを加え、更に34.5w/w%塩化水素−エ
タノール50gを加えた。この溶液にクロロホルム10
0ml、ジエチルエーテル500mlを加え、室温下一
晩撹拌した。沈殿物を濾取し、減圧下、60℃で5時間
乾燥し表題化合物77.8gを白色粉末として得た。 融点:178.3−182.4℃
タノール−ジエチルエーテルの3成分系での晶析 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシー4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン 2塩酸塩4−クロ
ロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)
カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルアミノ]−
3(2H)−ピリダジノン75.0gをクロロホルム3
00mlに加え、加温し溶解した。この溶液にエタノー
ル300mlを加え、更に34.5w/w%塩化水素−エ
タノール50gを加えた。この溶液にクロロホルム10
0ml、ジエチルエーテル500mlを加え、室温下一
晩撹拌した。沈殿物を濾取し、減圧下、60℃で5時間
乾燥し表題化合物77.8gを白色粉末として得た。 融点:178.3−182.4℃
【0024】参考例2: 2塩酸塩 酢酸エチル−メタ
ノールの2成分系での晶析 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン2.60gをメタノ
ール6.51g,酢酸エチル2.60gに加え、内温4
5℃に加温し溶解した。この溶液に10w/w%塩化水素
−メタノール7.30gを加えた。35℃まで緩やかに
降温し,種晶を投入し結晶を析出させた。この溶液に酢
酸エチル8.95gを加え、室温下1.5時間,氷冷下
2時間熟成した。沈殿物を濾取し、減圧下、60℃で2
時間乾燥し表題化合物2.41gを白色粉末として得
た。 融点:178.3−182.4℃
ノールの2成分系での晶析 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン2.60gをメタノ
ール6.51g,酢酸エチル2.60gに加え、内温4
5℃に加温し溶解した。この溶液に10w/w%塩化水素
−メタノール7.30gを加えた。35℃まで緩やかに
降温し,種晶を投入し結晶を析出させた。この溶液に酢
酸エチル8.95gを加え、室温下1.5時間,氷冷下
2時間熟成した。沈殿物を濾取し、減圧下、60℃で2
時間乾燥し表題化合物2.41gを白色粉末として得
た。 融点:178.3−182.4℃
【0025】参考例3: 1塩酸塩 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン2.14gをメタノ
ール10.67g, 4mol/kg塩酸メタノール溶液,酢
酸エチル15.20gに加え、加熱し溶解した。室温下
5時間撹拌した後,沈殿物を濾取し、減圧下、60℃で
2時間乾燥し表題化合物2.41gを白色粉末として得
た。4mol/kg塩酸メタノール溶液は,35%塩酸水溶液
41.7gとメタノール58.3gより調製したものを
用いた。 融点:191.6−196.2℃
−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン2.14gをメタノ
ール10.67g, 4mol/kg塩酸メタノール溶液,酢
酸エチル15.20gに加え、加熱し溶解した。室温下
5時間撹拌した後,沈殿物を濾取し、減圧下、60℃で
2時間乾燥し表題化合物2.41gを白色粉末として得
た。4mol/kg塩酸メタノール溶液は,35%塩酸水溶液
41.7gとメタノール58.3gより調製したものを
用いた。 融点:191.6−196.2℃
【0026】実施例1: 3/2塩酸塩 酢酸エチル−
メタノールの2成分系 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン6.42gをメタノ
ール15.21gに加え,15℃に保つ。4mol/kg塩酸
メタノール溶液3.0gを加え撹拌した。4mol/kg塩酸
メタノール溶液を更に6.0g,水を1.11g加え、
結晶を完全に溶解させた。溶解確認後,種晶130mgを
加えて1.5時間晶析した。晶析後、酢酸エチル77.
13gを約1時間かけて滴下した。滴下後、30分かけて
5℃とし、更に1.5時間かけて0℃まで冷却した。結
晶を濾取し、9gのメタノール/酢酸エチル混液で洗浄
後、減圧乾燥し式(2)で示されるピリダジノン化合物
3/2塩酸塩6.42gを白色結晶として得た。なお、
4mol/kg塩酸メタノール溶液は,35%塩酸水溶液4
1.7gとメタノール58.3gより調製したものを用
いた。 融点:167.6−172.0℃
メタノールの2成分系 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジルピペラジン−1
−イル)カルボニルメトキシ−4−メトキシベンジルア
ミノ]−3(2H)−ピリダジノン6.42gをメタノ
ール15.21gに加え,15℃に保つ。4mol/kg塩酸
メタノール溶液3.0gを加え撹拌した。4mol/kg塩酸
メタノール溶液を更に6.0g,水を1.11g加え、
結晶を完全に溶解させた。溶解確認後,種晶130mgを
加えて1.5時間晶析した。晶析後、酢酸エチル77.
13gを約1時間かけて滴下した。滴下後、30分かけて
5℃とし、更に1.5時間かけて0℃まで冷却した。結
晶を濾取し、9gのメタノール/酢酸エチル混液で洗浄
後、減圧乾燥し式(2)で示されるピリダジノン化合物
3/2塩酸塩6.42gを白色結晶として得た。なお、
4mol/kg塩酸メタノール溶液は,35%塩酸水溶液4
1.7gとメタノール58.3gより調製したものを用
いた。 融点:167.6−172.0℃
【0027】実施例2: 3/2塩酸塩 酢酸エチル−
エタノールの2成分系 エタノール4.3g、水1.08g、4−クロロ−5−[3−
(4−ベンジルピペラジン−1−イル)カルボニルメト
キシ−4−メトキシベンジルアミノ]−3(2H)−ピ
リダジノン2.15gを30℃に保ち、4mol/kg塩酸エタノール
溶液1.0gを加え、溶解するまで撹拌した。この溶液の温
度を15℃にし、そこに4mol/kg塩酸エタノール溶液2.0g
を加え、更に種晶40mgを加えて5時間晶析した。晶析
後、酢酸エチル21.5gを約1時間かけて滴下した。滴下
後、30分かけて5℃とし、更に1.5時間かけて0℃まで冷
却した。結晶を濾取し、少量のエタノール/酢酸エチル
混液で洗浄後、減圧乾燥し式(2)で示されるピリダジ
ノン化合物3/2塩酸塩2.04gを白色結晶として得た。な
お、4mol/kg塩酸エタノール溶液は,35%塩酸水溶液
41.7gとエタノール58.3gより調製したものを
用いた。 融点:167.6−172.0℃
エタノールの2成分系 エタノール4.3g、水1.08g、4−クロロ−5−[3−
(4−ベンジルピペラジン−1−イル)カルボニルメト
キシ−4−メトキシベンジルアミノ]−3(2H)−ピ
リダジノン2.15gを30℃に保ち、4mol/kg塩酸エタノール
溶液1.0gを加え、溶解するまで撹拌した。この溶液の温
度を15℃にし、そこに4mol/kg塩酸エタノール溶液2.0g
を加え、更に種晶40mgを加えて5時間晶析した。晶析
後、酢酸エチル21.5gを約1時間かけて滴下した。滴下
後、30分かけて5℃とし、更に1.5時間かけて0℃まで冷
却した。結晶を濾取し、少量のエタノール/酢酸エチル
混液で洗浄後、減圧乾燥し式(2)で示されるピリダジ
ノン化合物3/2塩酸塩2.04gを白色結晶として得た。な
お、4mol/kg塩酸エタノール溶液は,35%塩酸水溶液
41.7gとエタノール58.3gより調製したものを
用いた。 融点:167.6−172.0℃
【0028】以下、条件設定の目的で行った実験を実施
例として記載する。原料は化合物(1)を用いた。溶媒
量は原料に対する重量倍、塩化水素は原料に対する使用
モル数、種晶は原料に対する重量%を示した。
例として記載する。原料は化合物(1)を用いた。溶媒
量は原料に対する重量倍、塩化水素は原料に対する使用
モル数、種晶は原料に対する重量%を示した。
【0029】
【表3】
【0030】実施例3: 3/2塩酸塩 エタノール単
独 エタノール4.3g、4mol/kg塩酸エタノール溶液2.0g、水
1.08gの混合溶液を15℃に保ち、4−クロロ−5−[3
−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)カルボニルメ
トキシ−4−メトキシベンジルアミノ]−3(2H)−
ピリダジノン2.15g (4mmol)を少しずつ加え、溶解
した。その溶液に種晶40mgを加え15℃のまま14時間
晶析した。晶析後、エタノール21.5gを約1時間か
けて滴下した。滴下後、30分かけて5℃とし、更に
1.5時間かけて0℃まで冷却した。この結晶を濾取
し、少量のエタノールで洗浄後、減圧乾燥し、式(2)
で示されるピリダジノン化合物3/2塩酸塩1.84gを白
色結晶として得た。 融点:167.6−172.0℃
独 エタノール4.3g、4mol/kg塩酸エタノール溶液2.0g、水
1.08gの混合溶液を15℃に保ち、4−クロロ−5−[3
−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)カルボニルメ
トキシ−4−メトキシベンジルアミノ]−3(2H)−
ピリダジノン2.15g (4mmol)を少しずつ加え、溶解
した。その溶液に種晶40mgを加え15℃のまま14時間
晶析した。晶析後、エタノール21.5gを約1時間か
けて滴下した。滴下後、30分かけて5℃とし、更に
1.5時間かけて0℃まで冷却した。この結晶を濾取
し、少量のエタノールで洗浄後、減圧乾燥し、式(2)
で示されるピリダジノン化合物3/2塩酸塩1.84gを白
色結晶として得た。 融点:167.6−172.0℃
【0031】
【図1】3/2塩酸塩が1塩酸塩と2塩酸塩の単なる混
合物ではないことを示す粉末X線回折データ
合物ではないことを示す粉末X線回折データ
A:2塩酸塩 B:1塩酸塩 C:1塩酸塩と2塩酸塩の等量混合物 D:3/2塩酸塩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上川路 美奈子 東京都千代田区神田錦町3丁目7番地1 日産化学工業株式会社内
Claims (7)
- 【請求項1】 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジル
ピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−メト
キシベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノンの3
/2塩酸塩。 - 【請求項2】 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジル
ピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−メト
キシベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノンを塩
化水素と水の存在下、アルコール系溶媒又はアルコール
系−エステル系混合溶媒中、晶析させることを特徴とす
る請求項1記載の化合物の製造法。 - 【請求項3】 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジル
ピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−メト
キシベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノンの2
塩酸塩を塩化水素と水の存在下、アルコール系溶媒又は
アルコール系−エステル系混合溶媒中、晶析させること
を特徴とする請求項1記載の化合物の製造法。 - 【請求項4】 4−クロロ−5−[3−(4−ベンジル
ピペラジン−1−イル)カルボニルメトキシ−4−メト
キシベンジルアミノ]−3(2H)−ピリダジノンの1
塩酸塩を塩化水素と水の存在下、アルコール系溶媒又は
アルコール系−エステル系混合溶媒中、晶析させること
を特徴とする請求項1記載の化合物の製造法。 - 【請求項5】 アルコール系溶媒がメタノール又はエタ
ノールである請求項2、3又は4記載の製造法。 - 【請求項6】 アルコール系−エステル系混合溶媒がメ
タノール−酢酸エチル混合溶媒である請求項2、3又は
4記載の製造法。 - 【請求項7】 アルコール系−エステル系混合溶媒がエ
タノール−酢酸エチル混合溶媒である請求項2、3又は
4記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5994899A JPH11343284A (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-08 | ピリダジノン化合物塩酸塩及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-85920 | 1998-03-31 | ||
JP8592098 | 1998-03-31 | ||
JP5994899A JPH11343284A (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-08 | ピリダジノン化合物塩酸塩及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343284A true JPH11343284A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=26401013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5994899A Pending JPH11343284A (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-08 | ピリダジノン化合物塩酸塩及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11343284A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009502870A (ja) * | 2005-07-30 | 2009-01-29 | ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 1−[(3−シアノピリジン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−アミノピペリジン−1−イル)キサンチンの塩酸塩及び水和物、その合成及びその薬剤としての使用 |
JP2012020503A (ja) * | 2010-07-15 | 2012-02-02 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 水硬性材料の乾燥方法 |
-
1999
- 1999-03-08 JP JP5994899A patent/JPH11343284A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009502870A (ja) * | 2005-07-30 | 2009-01-29 | ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 1−[(3−シアノピリジン−2−イル)メチル]−3−メチル−7−(2−ブチン−1−イル)−8−(3−アミノピペリジン−1−イル)キサンチンの塩酸塩及び水和物、その合成及びその薬剤としての使用 |
JP2012020503A (ja) * | 2010-07-15 | 2012-02-02 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 水硬性材料の乾燥方法 |
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