JPH11342312A - 固体電解質を用いた炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置 - Google Patents
固体電解質を用いた炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置Info
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- JPH11342312A JPH11342312A JP10150116A JP15011698A JPH11342312A JP H11342312 A JPH11342312 A JP H11342312A JP 10150116 A JP10150116 A JP 10150116A JP 15011698 A JP15011698 A JP 15011698A JP H11342312 A JPH11342312 A JP H11342312A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 排気等の気体状の炭素化合物、特に有害な炭
素化合物の除去処理において、使用する装置における追
加のメンテナンスの必要を無くし、長期間の安定的な使
用を可能とし、処理を低コスト化する。 【解決手段】 炭素化合物分解用装置1を用い、第二の
ケース10を利用して酸素ガス又は空気等の酸素含有気
体を供給することにより、板状の固体電解質2の陰極5
側表面に適当な量の酸素分子を供給し、電極4,5を介
して直流電源6により固体電解質2に直流電圧を印加
し、陰極5の表面の酸素分子を酸素イオンに変換すると
共に該酸素イオンを固体電解質2の陽極4側に伝導させ
て固体電解質2の陽極4側表面で原子状酸素(酸素ラジ
カル)を発生させ、陽極4側表面で発生した原子状の酸
素を用いて第一のケース8を利用して供給された炭素化
合物を分解する。
素化合物の除去処理において、使用する装置における追
加のメンテナンスの必要を無くし、長期間の安定的な使
用を可能とし、処理を低コスト化する。 【解決手段】 炭素化合物分解用装置1を用い、第二の
ケース10を利用して酸素ガス又は空気等の酸素含有気
体を供給することにより、板状の固体電解質2の陰極5
側表面に適当な量の酸素分子を供給し、電極4,5を介
して直流電源6により固体電解質2に直流電圧を印加
し、陰極5の表面の酸素分子を酸素イオンに変換すると
共に該酸素イオンを固体電解質2の陽極4側に伝導させ
て固体電解質2の陽極4側表面で原子状酸素(酸素ラジ
カル)を発生させ、陽極4側表面で発生した原子状の酸
素を用いて第一のケース8を利用して供給された炭素化
合物を分解する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は炭素化合物の分解方
法及び炭素化合物分解用装置にかかり、特に固体電解質
を用いて炭素化合物を分解する炭素化合物の分解方法及
び炭素化合物分解用装置に関する。
法及び炭素化合物分解用装置にかかり、特に固体電解質
を用いて炭素化合物を分解する炭素化合物の分解方法及
び炭素化合物分解用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の排気ガスによる汚染や、
冷暖房の完備等による居住空間での気密性の向上が逆に
もたらす各種接着剤等の炭素化合物、特に人体に有害若
しくは不快感を与えうるような有害化合物による汚染が
問題となっている。また一方、ゴミ焼却炉の廃ガス等の
中には発癌性物質であるダイオキシン等が含まれ、これ
ら有害化合物による環境の汚染が社会問題となってい
る。
冷暖房の完備等による居住空間での気密性の向上が逆に
もたらす各種接着剤等の炭素化合物、特に人体に有害若
しくは不快感を与えうるような有害化合物による汚染が
問題となっている。また一方、ゴミ焼却炉の廃ガス等の
中には発癌性物質であるダイオキシン等が含まれ、これ
ら有害化合物による環境の汚染が社会問題となってい
る。
【0003】同様にフロンガスについては、その排出に
より地球環境が受ける影響が問題とされている。これら
有害な化合物による環境汚染を防ぐためには、かかる有
害化合物分子を排出させないための対策を講じることも
必要であるが、排出ないし残存する有害化合物分子をす
みやかに取り除く手法の開発が快適で健康的な居住空間
を確保するために急務であると考えられている。
より地球環境が受ける影響が問題とされている。これら
有害な化合物による環境汚染を防ぐためには、かかる有
害化合物分子を排出させないための対策を講じることも
必要であるが、排出ないし残存する有害化合物分子をす
みやかに取り除く手法の開発が快適で健康的な居住空間
を確保するために急務であると考えられている。
【0004】有害化合物分子の除去については、白金等
の貴金属を触媒として分解に用いる触媒法、あるいは活
性炭やゼオライトを用いた吸着法が従来一般的であると
されている。
の貴金属を触媒として分解に用いる触媒法、あるいは活
性炭やゼオライトを用いた吸着法が従来一般的であると
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、触媒法
は当然酸素の存在を必要とするが、共存する気体分子の
種類によっては失活したり、劣化が生じえて、触媒の交
換が必要となる。また、吸着法も必然的に起こる飽和現
象のため、一定期間使用後に活性炭等の再生処理若しく
は交換が必要となる。
は当然酸素の存在を必要とするが、共存する気体分子の
種類によっては失活したり、劣化が生じえて、触媒の交
換が必要となる。また、吸着法も必然的に起こる飽和現
象のため、一定期間使用後に活性炭等の再生処理若しく
は交換が必要となる。
【0006】すなわち、従来から用いられている上記二
つの方法は、それを長期間使用し続けるために、要部で
ある触媒及び活性炭等の交換若しくは再生処理等の追加
のメンテナンス作業が必須となる。よって、かかる必須
のメンテナンスにより、上記従来の有害化合物分子の除
去方法は煩雑且つ高コストなものとされている。
つの方法は、それを長期間使用し続けるために、要部で
ある触媒及び活性炭等の交換若しくは再生処理等の追加
のメンテナンス作業が必須となる。よって、かかる必須
のメンテナンスにより、上記従来の有害化合物分子の除
去方法は煩雑且つ高コストなものとされている。
【0007】また、特にダイオキシンに関しては、過酸
化水素水を焼却炉等から排出される排ガス中に噴霧し、
触媒酸化により分解する技術が知られている。しかしこ
の方法では、過酸化水素水による触媒の劣化等が懸念さ
れ、触媒の交換等上記と同様のメンテナンスが必要とな
る。以上より、本発明の課題は、上記問題点を解決した
新規な有害化合物、特に有害な炭素化合物の除去方法及
び除去装置を提供することである。
化水素水を焼却炉等から排出される排ガス中に噴霧し、
触媒酸化により分解する技術が知られている。しかしこ
の方法では、過酸化水素水による触媒の劣化等が懸念さ
れ、触媒の交換等上記と同様のメンテナンスが必要とな
る。以上より、本発明の課題は、上記問題点を解決した
新規な有害化合物、特に有害な炭素化合物の除去方法及
び除去装置を提供することである。
【0008】また本発明の別の課題は、排気等の気体状
の炭素化合物、特に有害な炭素化合物の除去において、
使用する装置における追加のメンテナンスの必要を無く
し、長期間の安定的な使用を可能とすることであり、そ
れによってかかる処理を低コスト化することである。
の炭素化合物、特に有害な炭素化合物の除去において、
使用する装置における追加のメンテナンスの必要を無く
し、長期間の安定的な使用を可能とすることであり、そ
れによってかかる処理を低コスト化することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
炭素化合物の分解方法であって、固体電解質に直流電圧
を印加することにより該固体電解質の陽極側に発生した
原子状の酸素を用いて炭素化合物を分解することを特徴
とする。請求項2記載の発明は、請求項1記載の炭素化
合物の分解方法において、前記直流電圧の印加された固
体電解質の陽極側に前記炭素化合物を供給し、該固体電
解質の陰極側に酸素分子を供給して、炭素化合物を分解
することを特徴とする。
炭素化合物の分解方法であって、固体電解質に直流電圧
を印加することにより該固体電解質の陽極側に発生した
原子状の酸素を用いて炭素化合物を分解することを特徴
とする。請求項2記載の発明は、請求項1記載の炭素化
合物の分解方法において、前記直流電圧の印加された固
体電解質の陽極側に前記炭素化合物を供給し、該固体電
解質の陰極側に酸素分子を供給して、炭素化合物を分解
することを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の炭
素化合物の分解方法において、前記直流電圧の印加され
た固体電解質の陰極側で、還元反応により炭素化合物を
分解することを特徴とする。請求項4記載の発明は、請
求項1乃至請求項3のうち何れか一項記載の炭素化合物
の分解方法において、前記炭素化合物は物質の燃焼によ
り発生する排気中に含まれる炭素化合物であることを特
徴とする。
素化合物の分解方法において、前記直流電圧の印加され
た固体電解質の陰極側で、還元反応により炭素化合物を
分解することを特徴とする。請求項4記載の発明は、請
求項1乃至請求項3のうち何れか一項記載の炭素化合物
の分解方法において、前記炭素化合物は物質の燃焼によ
り発生する排気中に含まれる炭素化合物であることを特
徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のうち何れか一項記載の炭素化合物の分解方法にお
いて、前記炭素化合物は一般式Cp Hq Fr Cls (p
は自然数であり、q,r及びsは何れも0以上の整
数。)で表されるフロンガス又はダイオキシンの何れか
であることを特徴とする。
項4のうち何れか一項記載の炭素化合物の分解方法にお
いて、前記炭素化合物は一般式Cp Hq Fr Cls (p
は自然数であり、q,r及びsは何れも0以上の整
数。)で表されるフロンガス又はダイオキシンの何れか
であることを特徴とする。
【0012】請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求
項5のうち何れか一項記載の炭素化合物の分解方法にお
いて、前記固体電解質は、酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )か
らなることを特徴とする。請求項7記載の発明は、請求
項1乃至請求項5のうち何れか一項記載の炭素化合物の
分解方法において、前記固体電解質は、組成式Ce1-y
(Sm1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<
1,MはLi,Na及びKの少なくとも1つ。)、又は
組成式Zr 1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<
1,0<y<1,MはLi,Na及びKの少なくとも1
つ。)の何れかで表される材料からなることを特徴とす
る。
項5のうち何れか一項記載の炭素化合物の分解方法にお
いて、前記固体電解質は、酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )か
らなることを特徴とする。請求項7記載の発明は、請求
項1乃至請求項5のうち何れか一項記載の炭素化合物の
分解方法において、前記固体電解質は、組成式Ce1-y
(Sm1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<
1,MはLi,Na及びKの少なくとも1つ。)、又は
組成式Zr 1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<
1,0<y<1,MはLi,Na及びKの少なくとも1
つ。)の何れかで表される材料からなることを特徴とす
る。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求
項7のうち何れか一項記載の炭素化合物の分解方法にお
いて、前記固体電解質を加熱して炭素化合物を分解する
ことを特徴とする。請求項9記載の発明は、炭素化合物
分解用装置であって、固体電解質と、該固体電解質に直
流電圧を印加する電圧印加手段とからなり、該固体電解
質に直流電圧を印加することにより該固体電解質の陽極
側に発生した原子状の酸素を用いて炭素化合物を分解す
る構成とされたことを特徴とする。
項7のうち何れか一項記載の炭素化合物の分解方法にお
いて、前記固体電解質を加熱して炭素化合物を分解する
ことを特徴とする。請求項9記載の発明は、炭素化合物
分解用装置であって、固体電解質と、該固体電解質に直
流電圧を印加する電圧印加手段とからなり、該固体電解
質に直流電圧を印加することにより該固体電解質の陽極
側に発生した原子状の酸素を用いて炭素化合物を分解す
る構成とされたことを特徴とする。
【0014】請求項10記載の発明は、請求項9記載の
炭素化合物分解用装置において、前記直流電圧の印加さ
れた固体電解質の陽極側に前記炭素化合物を供給する供
給手段を具備することを特徴とする。請求項11記載の
発明は、請求項9又は請求項10の何れか記載の炭素化
合物分解用装置において、前記直流電圧の印加された固
体電解質の陰極側に酸素分子を供給する酸素供給手段を
具備することを特徴とする。
炭素化合物分解用装置において、前記直流電圧の印加さ
れた固体電解質の陽極側に前記炭素化合物を供給する供
給手段を具備することを特徴とする。請求項11記載の
発明は、請求項9又は請求項10の何れか記載の炭素化
合物分解用装置において、前記直流電圧の印加された固
体電解質の陰極側に酸素分子を供給する酸素供給手段を
具備することを特徴とする。
【0015】請求項12記載の発明は、請求項9又は請
求項10の何れか記載の炭素化合物分解用装置におい
て、前記直流電圧の印加された固体電解質の陰極側で、
還元反応により炭素化合物を分解する構成とされたこと
を特徴とする。請求項13記載の発明は、請求項9乃至
請求項12のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装
置において、前記炭素化合物は、物質の燃焼により発生
する排気中に含まれる炭素化合物であることを特徴とす
る。
求項10の何れか記載の炭素化合物分解用装置におい
て、前記直流電圧の印加された固体電解質の陰極側で、
還元反応により炭素化合物を分解する構成とされたこと
を特徴とする。請求項13記載の発明は、請求項9乃至
請求項12のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装
置において、前記炭素化合物は、物質の燃焼により発生
する排気中に含まれる炭素化合物であることを特徴とす
る。
【0016】請求項14記載の発明は、請求項9乃至請
求項13のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記炭素化合物は一般式Cp Hq Fr Cls
(pは自然数であり、q,r及びsは何れも0以上の整
数。)で表されるフロンガス又はダイオキシンの何れか
であることを特徴とする。
求項13のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記炭素化合物は一般式Cp Hq Fr Cls
(pは自然数であり、q,r及びsは何れも0以上の整
数。)で表されるフロンガス又はダイオキシンの何れか
であることを特徴とする。
【0017】請求項15記載の発明は、請求項9乃至請
求項14のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記電圧印加手段は、前記固体電解質上に設
けられた二つの多孔性電極と、該二つの電極それぞれに
接続された直流電源とからなることを特徴とする。請求
項16記載の発明は、請求項9乃至請求項15のうち何
れか一項記載の炭素化合物分解用装置において、前記固
体電解質は、酸化イットリウム(Y2 O3 )を固溶させ
た酸化ジルコニウム(ZrO2 )からなることを特徴と
する。
求項14のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記電圧印加手段は、前記固体電解質上に設
けられた二つの多孔性電極と、該二つの電極それぞれに
接続された直流電源とからなることを特徴とする。請求
項16記載の発明は、請求項9乃至請求項15のうち何
れか一項記載の炭素化合物分解用装置において、前記固
体電解質は、酸化イットリウム(Y2 O3 )を固溶させ
た酸化ジルコニウム(ZrO2 )からなることを特徴と
する。
【0018】請求項17記載の発明は、請求項9乃至請
求項15のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記固体電解質は、組成式Ce1-y (Sm
1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<1,M
はLi,Na及びKの少なくとも1つ。)、又は組成式
Zr 1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0
<y<1,MはLi,Na及びKの少なくとも1つ。)
の何れかで表される材料からなることを特徴とする。
求項15のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記固体電解質は、組成式Ce1-y (Sm
1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<1,M
はLi,Na及びKの少なくとも1つ。)、又は組成式
Zr 1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0
<y<1,MはLi,Na及びKの少なくとも1つ。)
の何れかで表される材料からなることを特徴とする。
【0019】請求項18記載の発明は、請求項9乃至請
求項17のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記固体電解質を加熱可能な加熱手段を具備
することを特徴とする。請求項1記載の発明によれば、
固体電解質に直流電圧を印加する事により生じる酸素イ
オン伝導を利用して、原子状酸素を発生させることが可
能であり、かかる原子状酸素は反応活性であることか
ら、この原子状酸素を用いて炭素化合物の酸化が可能と
なり、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
求項17のうち何れか一項記載の炭素化合物分解用装置
において、前記固体電解質を加熱可能な加熱手段を具備
することを特徴とする。請求項1記載の発明によれば、
固体電解質に直流電圧を印加する事により生じる酸素イ
オン伝導を利用して、原子状酸素を発生させることが可
能であり、かかる原子状酸素は反応活性であることか
ら、この原子状酸素を用いて炭素化合物の酸化が可能と
なり、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
【0020】このとき固体電解質は酸素のイオン伝導に
関わるのみであり、直接に炭素化合物を吸着して保持す
るわけではなく、長期間の繰り返し使用に対しても劣化
の懸念はない。従って、炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去において、従来技術では必須であった触媒の
交換等、使用する装置における追加のメンテナンスの必
要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用を可能と
し、それによってかかる除去処理を低コスト化すること
が可能である。
関わるのみであり、直接に炭素化合物を吸着して保持す
るわけではなく、長期間の繰り返し使用に対しても劣化
の懸念はない。従って、炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去において、従来技術では必須であった触媒の
交換等、使用する装置における追加のメンテナンスの必
要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用を可能と
し、それによってかかる除去処理を低コスト化すること
が可能である。
【0021】請求項2記載の発明によれば、直流電圧の
印加された固体電解質では、陰極側から酸素イオンの伝
導が生じ陽極側に原子状酸素が発生するため、十分な酸
素原子の発生が行なえるように、元となる酸素分子を十
分に固体電解質の陰極側に供給することができ、また、
発生した原子状酸素が炭素化合物と高効率に反応するよ
う、反応相手である炭素化合物を十分に陽極側に供給す
ることが可能となる。
印加された固体電解質では、陰極側から酸素イオンの伝
導が生じ陽極側に原子状酸素が発生するため、十分な酸
素原子の発生が行なえるように、元となる酸素分子を十
分に固体電解質の陰極側に供給することができ、また、
発生した原子状酸素が炭素化合物と高効率に反応するよ
う、反応相手である炭素化合物を十分に陽極側に供給す
ることが可能となる。
【0022】よって、炭素化合物、特に有害な炭素化合
物の除去処理において、高効率にそれを行なうことが可
能となる。請求項3記載の発明によれば、固体電解質に
直流電圧を印加する事により陽極側で起こる原子状酸素
の発生と共に、陰極側では酸素含有炭素化合物の酸素引
抜きによる還元反応を起こさせることが可能であり、酸
素を分子内に含有する炭素化合物を還元反応により固体
電解質の陰極側で分解することが可能である。
物の除去処理において、高効率にそれを行なうことが可
能となる。請求項3記載の発明によれば、固体電解質に
直流電圧を印加する事により陽極側で起こる原子状酸素
の発生と共に、陰極側では酸素含有炭素化合物の酸素引
抜きによる還元反応を起こさせることが可能であり、酸
素を分子内に含有する炭素化合物を還元反応により固体
電解質の陰極側で分解することが可能である。
【0023】よって、分解対象が分子内に酸素を含有す
る場合、固体電解質の陽極側でも陰極側でも分解させる
ことが可能であり、高効率の炭素化合物の分解が可能と
なる。請求項4記載の発明によれば、物質の燃焼によっ
て生ずる排気中に、不完全な燃焼によって残留若しくは
発生した炭素化合物が存在する場合、これを分解するこ
とが可能であり、従来から問題とされている焼却炉等か
ら排出される排気中に存在する有害な炭素化合物等を分
解することが可能となる。
る場合、固体電解質の陽極側でも陰極側でも分解させる
ことが可能であり、高効率の炭素化合物の分解が可能と
なる。請求項4記載の発明によれば、物質の燃焼によっ
て生ずる排気中に、不完全な燃焼によって残留若しくは
発生した炭素化合物が存在する場合、これを分解するこ
とが可能であり、従来から問題とされている焼却炉等か
ら排出される排気中に存在する有害な炭素化合物等を分
解することが可能となる。
【0024】従って、物質の燃焼により排出された排気
中の炭素化合物、特に有害な炭素化合物の除去におい
て、従来技術では必須であった触媒の交換等、使用する
装置における追加のメンテナンスの必要を無くし、長期
間の安定的かつ高効率な使用を可能とし、それによって
かかる除去処理を低コスト化することが可能である。請
求項5記載の発明によれば、現在、環境への影響や発癌
性等の毒性が社会問題となっているフロンガスやダイオ
キシンを分解除去することが可能となる。
中の炭素化合物、特に有害な炭素化合物の除去におい
て、従来技術では必須であった触媒の交換等、使用する
装置における追加のメンテナンスの必要を無くし、長期
間の安定的かつ高効率な使用を可能とし、それによって
かかる除去処理を低コスト化することが可能である。請
求項5記載の発明によれば、現在、環境への影響や発癌
性等の毒性が社会問題となっているフロンガスやダイオ
キシンを分解除去することが可能となる。
【0025】従って、フロンガスやダイオキシンの除去
において、従来技術では必須であった触媒の交換等、使
用する装置における追加のメンテナンスの必要を無く
し、長期間の安定的かつ高効率な使用を可能とし、それ
によってかかる除去処理を低コスト化することが可能で
ある。請求項6記載の発明によれば、酸化イットリウム
を固溶させた酸化ジルコニウムは高効率の酸素イオン伝
導体であり、かかる材料を固体電解質に利用することに
より、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
において、従来技術では必須であった触媒の交換等、使
用する装置における追加のメンテナンスの必要を無く
し、長期間の安定的かつ高効率な使用を可能とし、それ
によってかかる除去処理を低コスト化することが可能で
ある。請求項6記載の発明によれば、酸化イットリウム
を固溶させた酸化ジルコニウムは高効率の酸素イオン伝
導体であり、かかる材料を固体電解質に利用することに
より、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
【0026】請求項7記載の発明によれば、上記組成の
材料は、アルカリ金属の添加により酸化ジルコニウム等
に対し複数種の添加物が添加され、非伝導性の不純物の
析出の抑制と酸素欠陥の不規則性の増大を実現した材料
であり、酸素イオンを動きやすくさせ、非常に高い酸素
イオン伝導度を有する高効率の酸素イオン伝導体であ
る。
材料は、アルカリ金属の添加により酸化ジルコニウム等
に対し複数種の添加物が添加され、非伝導性の不純物の
析出の抑制と酸素欠陥の不規則性の増大を実現した材料
であり、酸素イオンを動きやすくさせ、非常に高い酸素
イオン伝導度を有する高効率の酸素イオン伝導体であ
る。
【0027】従って、かかる材料を固体電解質に利用す
ることにより、非常に高効率な炭素化合物の分解が可能
となる。請求項8記載の発明によれば、加熱により固体
電解質中の酸素イオン伝導度を向上させることが可能と
なり、高効率な炭素化合物の分解が可能となる。請求項
9記載の発明によれば、固体電解質に直流電圧を印加す
る事により生じる酸素イオン伝導を利用して、原子状酸
素を発生させることが可能であり、かかる原子状酸素は
反応活性であることから、この原子状酸素を用いて炭素
化合物の酸化が可能となり、高効率の炭素化合物の分解
が可能となる。
ることにより、非常に高効率な炭素化合物の分解が可能
となる。請求項8記載の発明によれば、加熱により固体
電解質中の酸素イオン伝導度を向上させることが可能と
なり、高効率な炭素化合物の分解が可能となる。請求項
9記載の発明によれば、固体電解質に直流電圧を印加す
る事により生じる酸素イオン伝導を利用して、原子状酸
素を発生させることが可能であり、かかる原子状酸素は
反応活性であることから、この原子状酸素を用いて炭素
化合物の酸化が可能となり、高効率の炭素化合物の分解
が可能となる。
【0028】このとき固体電解質は酸素のイオン伝導に
関わるのみであり、直接に炭素化合物を吸着して保持す
るわけではなく、長期間の繰り返し使用に対しても劣化
の懸念はない。従って、炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去において、従来技術では必須であった触媒の
交換等、使用する装置における追加のメンテナンスの必
要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用が可能で
あり、それによってかかる除去処理を低コストで行なう
ことの出来る炭素化合物分解用装置の提供が可能とな
る。
関わるのみであり、直接に炭素化合物を吸着して保持す
るわけではなく、長期間の繰り返し使用に対しても劣化
の懸念はない。従って、炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去において、従来技術では必須であった触媒の
交換等、使用する装置における追加のメンテナンスの必
要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用が可能で
あり、それによってかかる除去処理を低コストで行なう
ことの出来る炭素化合物分解用装置の提供が可能とな
る。
【0029】請求項10記載の発明によれば、直流電圧
の印加された固体電解質では、陰極側から酸素イオンの
伝導が生じ陽極側に原子状酸素が発生するため、発生し
た原子状酸素が炭素化合物と高効率に反応するよう、反
応相手である炭素化合物を十分に陽極側に供給すること
が可能となる。よって、炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去処理において、高効率にそれを行なうことの
できる炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。
の印加された固体電解質では、陰極側から酸素イオンの
伝導が生じ陽極側に原子状酸素が発生するため、発生し
た原子状酸素が炭素化合物と高効率に反応するよう、反
応相手である炭素化合物を十分に陽極側に供給すること
が可能となる。よって、炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去処理において、高効率にそれを行なうことの
できる炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。
【0030】請求項11記載の発明によれば、直流電圧
の印加された固体電解質では、陰極側から酸素イオンの
伝導が生じ陽極側に原子状酸素が発生するため、十分な
酸素原子の発生が行なえるように、元となる酸素分子を
十分に固体電解質の陰極側に供給することが可能とな
る。よって、炭素化合物、特に有害な炭素化合物の除去
処理において、高効率にそれを行なうことのできる炭素
化合物分解用装置の提供が可能となる。
の印加された固体電解質では、陰極側から酸素イオンの
伝導が生じ陽極側に原子状酸素が発生するため、十分な
酸素原子の発生が行なえるように、元となる酸素分子を
十分に固体電解質の陰極側に供給することが可能とな
る。よって、炭素化合物、特に有害な炭素化合物の除去
処理において、高効率にそれを行なうことのできる炭素
化合物分解用装置の提供が可能となる。
【0031】請求項12記載の発明によれば、固体電解
質に直流電圧を印加する事により陽極側で起こる原子状
酸素の発生と共に、陰極側では酸素含有炭素化合物の酸
素引抜きによる還元反応を起こさせることが可能であ
り、酸素を分子内に含有する炭素化合物を還元反応によ
り固体電解質の陰極側で分解することが可能である。よ
って、分解対象が分子内に酸素を含有する場合、固体電
解質の陽極側でも陰極側でも分解させることが可能な、
高効率の炭素化合物の分解を行なう炭素化合物分解用装
置の提供が可能となる。
質に直流電圧を印加する事により陽極側で起こる原子状
酸素の発生と共に、陰極側では酸素含有炭素化合物の酸
素引抜きによる還元反応を起こさせることが可能であ
り、酸素を分子内に含有する炭素化合物を還元反応によ
り固体電解質の陰極側で分解することが可能である。よ
って、分解対象が分子内に酸素を含有する場合、固体電
解質の陽極側でも陰極側でも分解させることが可能な、
高効率の炭素化合物の分解を行なう炭素化合物分解用装
置の提供が可能となる。
【0032】請求項13記載の発明によれば、物質の燃
焼によって生ずる排気中に、不完全な燃焼によって残留
若しくは発生した炭素化合物が存在する場合、これを分
解することが可能であり、従来から問題とされている焼
却炉等から排出される排気中に存在する有害な炭素化合
物等を分解することが可能となる。従って、物質の燃焼
により排出された排気中の炭素化合物、特に有害な炭素
化合物の除去において、従来技術では必須であった触媒
の交換等、追加のメンテナンスの必要が無く、長期間の
安定的かつ高効率な使用ができ、それによってかかる除
去処理を低コスト化することができる炭素化合物分解用
装置の提供が可能となる。
焼によって生ずる排気中に、不完全な燃焼によって残留
若しくは発生した炭素化合物が存在する場合、これを分
解することが可能であり、従来から問題とされている焼
却炉等から排出される排気中に存在する有害な炭素化合
物等を分解することが可能となる。従って、物質の燃焼
により排出された排気中の炭素化合物、特に有害な炭素
化合物の除去において、従来技術では必須であった触媒
の交換等、追加のメンテナンスの必要が無く、長期間の
安定的かつ高効率な使用ができ、それによってかかる除
去処理を低コスト化することができる炭素化合物分解用
装置の提供が可能となる。
【0033】請求項14記載の発明によれば、現在、環
境への影響や発癌性等の毒性が社会問題となっているフ
ロンガスやダイオキシンを分解除去することが可能とな
る。従って、フロンガスやダイオキシンの除去におい
て、従来技術では必須であった触媒の交換等の追加のメ
ンテナンスの必要が無く、長期間の安定的かつ高効率な
使用が可能であり、それによってかかる除去処理を低コ
スト化することができる炭素化合物分解用装置の提供が
可能となる。
境への影響や発癌性等の毒性が社会問題となっているフ
ロンガスやダイオキシンを分解除去することが可能とな
る。従って、フロンガスやダイオキシンの除去におい
て、従来技術では必須であった触媒の交換等の追加のメ
ンテナンスの必要が無く、長期間の安定的かつ高効率な
使用が可能であり、それによってかかる除去処理を低コ
スト化することができる炭素化合物分解用装置の提供が
可能となる。
【0034】請求項15記載の発明によれば、電極を多
孔性とすることにより酸素、酸素イオン及び原子状酸素
は電極を自由に通り抜けることができ、電圧の印加を高
効率にするため、固体電解質の表面を覆うように電極を
設けることが可能となる。従って、高効率の炭素化合物
の分解を行なう炭素化合物分解用装置の提供が可能とな
る。
孔性とすることにより酸素、酸素イオン及び原子状酸素
は電極を自由に通り抜けることができ、電圧の印加を高
効率にするため、固体電解質の表面を覆うように電極を
設けることが可能となる。従って、高効率の炭素化合物
の分解を行なう炭素化合物分解用装置の提供が可能とな
る。
【0035】請求項16記載の発明によれば、酸化イッ
トリウムを固溶させた酸化ジルコニウムは高効率の酸素
イオン伝導体であり、かかる材料を固体電解質に利用す
ることにより、高効率の炭素化合物の分解ができる炭素
化合物分解用装置の提供が可能となる。請求項17記載
の発明によれば、上記組成の材料は、アルカリ金属の添
加により酸化ジルコニウム等に対し複数種の添加物が添
加され、非伝導性の不純物の析出の抑制と酸素欠陥の不
規則性の増大を実現した材料であり、酸素イオンを動き
やすくさせ、非常に高い酸素イオン伝導度を有する高効
率の酸素イオン伝導体である。
トリウムを固溶させた酸化ジルコニウムは高効率の酸素
イオン伝導体であり、かかる材料を固体電解質に利用す
ることにより、高効率の炭素化合物の分解ができる炭素
化合物分解用装置の提供が可能となる。請求項17記載
の発明によれば、上記組成の材料は、アルカリ金属の添
加により酸化ジルコニウム等に対し複数種の添加物が添
加され、非伝導性の不純物の析出の抑制と酸素欠陥の不
規則性の増大を実現した材料であり、酸素イオンを動き
やすくさせ、非常に高い酸素イオン伝導度を有する高効
率の酸素イオン伝導体である。
【0036】従って、かかる材料を固体電解質に利用す
ることにより、非常に高効率な炭素化合物の分解ができ
る炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。請求項1
8記載の発明によれば、加熱により固体電解質中の酸素
イオン伝導度を向上させることが可能となり、高効率な
炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解用装置の提供
が可能となる。
ることにより、非常に高効率な炭素化合物の分解ができ
る炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。請求項1
8記載の発明によれば、加熱により固体電解質中の酸素
イオン伝導度を向上させることが可能となり、高効率な
炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解用装置の提供
が可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面等を用いながら説明する。固体電解質、特に酸
化イットリウム(Y2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニ
ウム(ZrO2 )は、代表的な酸素イオン伝導体として
知られ、その応用例としては酸素センサ、燃料電池など
が挙げられている。
て、図面等を用いながら説明する。固体電解質、特に酸
化イットリウム(Y2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニ
ウム(ZrO2 )は、代表的な酸素イオン伝導体として
知られ、その応用例としては酸素センサ、燃料電池など
が挙げられている。
【0038】今回、比較的低温条件下で、かかる固体電
解質に電圧を印加することにより陽極側に酸素が生じ、
その酸素が炭素化合物等の分解・除去に利用できること
が見出された。また、同時に陰極側では酸素を含有する
化合物から酸素の引き抜きにより還元反応が生じ、かか
る還元反応が炭素化合物等の分解・除去に利用できるこ
とが見出された。
解質に電圧を印加することにより陽極側に酸素が生じ、
その酸素が炭素化合物等の分解・除去に利用できること
が見出された。また、同時に陰極側では酸素を含有する
化合物から酸素の引き抜きにより還元反応が生じ、かか
る還元反応が炭素化合物等の分解・除去に利用できるこ
とが見出された。
【0039】従って、本発明は、そのような特性を有す
る固体電解質の応用の一つとしてなされたものである。
よって、本発明は、化合物の分解に固体電解質を使用す
るものであり、その分解の対象となるものは、原子状の
酸素と反応しうる炭素化合物、及び酸素を含有して酸素
引抜き反応による還元反応を起こしうる炭素化合物を全
て含みうる。
る固体電解質の応用の一つとしてなされたものである。
よって、本発明は、化合物の分解に固体電解質を使用す
るものであり、その分解の対象となるものは、原子状の
酸素と反応しうる炭素化合物、及び酸素を含有して酸素
引抜き反応による還元反応を起こしうる炭素化合物を全
て含みうる。
【0040】つまり、本発明は、炭素化合物、即ち有機
化合物及び有機化合物には分類されないが炭素原子を含
んで構成されている四塩化炭素、一酸化炭素、シアン化
水素等の分子の分解に固体電解質を使用する。かかる固
体電解質による現象は、従来から問題となっている居住
空間に存在する人体に有害若しくは不快感を与えるよう
な有害化合物の分解・除去に応用することが可能であ
り、また有害化合物による環境汚染に対する防御方法と
しても有効なものと成りうる。
化合物及び有機化合物には分類されないが炭素原子を含
んで構成されている四塩化炭素、一酸化炭素、シアン化
水素等の分子の分解に固体電解質を使用する。かかる固
体電解質による現象は、従来から問題となっている居住
空間に存在する人体に有害若しくは不快感を与えるよう
な有害化合物の分解・除去に応用することが可能であ
り、また有害化合物による環境汚染に対する防御方法と
しても有効なものと成りうる。
【0041】すなわち、本発明にかかる分解方法及び分
解装置の対象として特に意図されるのは、現在社会的に
問題となっており、その分解又は環境への拡散の防止と
除去が望まれているものである。具体的には、人体に有
害な化合物であり、それには人体に悪影響を及ぼしうる
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド
類、アセトン等のケトン類、エーテル類、メタノール等
のアルコール類、カルボン酸類、ベンゼン、トルエン等
の芳香族化合物が含まれる。
解装置の対象として特に意図されるのは、現在社会的に
問題となっており、その分解又は環境への拡散の防止と
除去が望まれているものである。具体的には、人体に有
害な化合物であり、それには人体に悪影響を及ぼしうる
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド
類、アセトン等のケトン類、エーテル類、メタノール等
のアルコール類、カルボン酸類、ベンゼン、トルエン等
の芳香族化合物が含まれる。
【0042】また、一般式Cp Hq Fr Cls (pは自
然数であり、q,r及びsは何れも0以上の整数。)で
表されるフロンガス等のハロゲン置換された炭化水素
や、PCB、クロロベンゼン等の上記化合物のハロゲン
置換された物なども含まれる。従って、現在のその毒性
の大きさと環境への影響が強く懸念されているダイオキ
シンも含まれる。
然数であり、q,r及びsは何れも0以上の整数。)で
表されるフロンガス等のハロゲン置換された炭化水素
や、PCB、クロロベンゼン等の上記化合物のハロゲン
置換された物なども含まれる。従って、現在のその毒性
の大きさと環境への影響が強く懸念されているダイオキ
シンも含まれる。
【0043】また、「有害」なる概念については、ここ
では臭いについての特性もまた含んでおり、人体に有害
な化合物には人に異臭や悪臭を感じさせる化合物も含ま
れる。尚、本発明は以下に説明する構成を有しており、
有機化合物や無機化合物の区別なく、原子状の酸素と反
応しうる化合物及び酸素を含有して酸素引抜き反応を受
けうる化合物を全て分解可能である。
では臭いについての特性もまた含んでおり、人体に有害
な化合物には人に異臭や悪臭を感じさせる化合物も含ま
れる。尚、本発明は以下に説明する構成を有しており、
有機化合物や無機化合物の区別なく、原子状の酸素と反
応しうる化合物及び酸素を含有して酸素引抜き反応を受
けうる化合物を全て分解可能である。
【0044】よって、本発明により、無機化合物、特に
悪臭の原因となるアンモニアやアミン等の化合物や有害
な酸化窒素(NOx )もまた、必要に応じて本発明の方
法や装置に特段の変形を行なうことなく、分解若しくは
除去の対象となりうる。以下、より詳細にその実施形態
を説明する。図1は本発明にかかる一実施形態である炭
素化合物分解用装置の構成の概略を説明する図である。
悪臭の原因となるアンモニアやアミン等の化合物や有害
な酸化窒素(NOx )もまた、必要に応じて本発明の方
法や装置に特段の変形を行なうことなく、分解若しくは
除去の対象となりうる。以下、より詳細にその実施形態
を説明する。図1は本発明にかかる一実施形態である炭
素化合物分解用装置の構成の概略を説明する図である。
【0045】本発明にかかる一実施形態である炭素化合
物分解用装置1は、板状の固体電解質2と、固体電解質
2に直流電圧を印加する電圧印加手段3とからなる。電
圧印加手段3は、固体電解質2の対向する二つの表面を
覆うように設けられた二つの多孔性電極4,5と、二つ
の電極4,5それぞれに接続された直流電源6とからな
る。
物分解用装置1は、板状の固体電解質2と、固体電解質
2に直流電圧を印加する電圧印加手段3とからなる。電
圧印加手段3は、固体電解質2の対向する二つの表面を
覆うように設けられた二つの多孔性電極4,5と、二つ
の電極4,5それぞれに接続された直流電源6とからな
る。
【0046】そして、直流電圧の印加された固体電解質
2の陽極4側に炭素化合物を供給する供給手段として、
固体電解質2の電極4を有する面に設けられ、固体電解
質2が一つの壁を構成してその固体電解質2と共に外部
から隔離された空間を形成する第一のケース8を有す
る。同様に、直流電圧の印加された固体電解質2の陰極
5側に酸素分子を供給する酸素供給手段として、固体電
解質2の電極5を有する面に設けられ、固体電解質2が
一つの壁を構成してその固体電解質2と共に外部から隔
離された空間を形成する第二のケース10を有する。
2の陽極4側に炭素化合物を供給する供給手段として、
固体電解質2の電極4を有する面に設けられ、固体電解
質2が一つの壁を構成してその固体電解質2と共に外部
から隔離された空間を形成する第一のケース8を有す
る。同様に、直流電圧の印加された固体電解質2の陰極
5側に酸素分子を供給する酸素供給手段として、固体電
解質2の電極5を有する面に設けられ、固体電解質2が
一つの壁を構成してその固体電解質2と共に外部から隔
離された空間を形成する第二のケース10を有する。
【0047】そして、第一のケース8の固体電解質2に
隣接して対向する二つの壁面にはそれぞれ気体の吸排気
の可能な出入口11,12が設けられており、第一のケ
ース8と固体電解質2とにより形成される上記空間内へ
の分解対象となる化合物の導入と該空間からの分解生成
物の排出を可能にしている。従って、第一のケース8は
分解対象となる炭素化合物を供給する手段(図示されな
い)を伴い、供給手段としての機能を果たす。
隣接して対向する二つの壁面にはそれぞれ気体の吸排気
の可能な出入口11,12が設けられており、第一のケ
ース8と固体電解質2とにより形成される上記空間内へ
の分解対象となる化合物の導入と該空間からの分解生成
物の排出を可能にしている。従って、第一のケース8は
分解対象となる炭素化合物を供給する手段(図示されな
い)を伴い、供給手段としての機能を果たす。
【0048】同様に、第二のケース10の固体電解質2
に隣接して対向する二つの壁面にはそれぞれ気体の吸排
気の可能な出入口13,14が設けられており、第二の
ケース10と固体電解質2とにより形成される上記空間
内への化合物分解に用いる酸素の適度な導入を可能にし
ている。従って、第二のケース10は炭素化合物の分解
に用いる酸素を供給する手段(図示されない)と共に、
酸素供給手段としての機能を果たす。
に隣接して対向する二つの壁面にはそれぞれ気体の吸排
気の可能な出入口13,14が設けられており、第二の
ケース10と固体電解質2とにより形成される上記空間
内への化合物分解に用いる酸素の適度な導入を可能にし
ている。従って、第二のケース10は炭素化合物の分解
に用いる酸素を供給する手段(図示されない)と共に、
酸素供給手段としての機能を果たす。
【0049】この時、第一のケース8と固体電解質2と
により形成される上記空間と第二のケース10と固体電
解質2とにより形成される上記空間とは固体電解質2を
介して隔てられていることになる。また、第一のケース
8と固体電解質2とにより形成される上記空間内に設け
られ、固体電解質2を加熱可能な構成とされたヒーター
からなる加熱手段(図示されない)を具備し、炭素化合
物の分解に際して、固体電解質2を加熱条件の下に置く
ことを可能にしている。
により形成される上記空間と第二のケース10と固体電
解質2とにより形成される上記空間とは固体電解質2を
介して隔てられていることになる。また、第一のケース
8と固体電解質2とにより形成される上記空間内に設け
られ、固体電解質2を加熱可能な構成とされたヒーター
からなる加熱手段(図示されない)を具備し、炭素化合
物の分解に際して、固体電解質2を加熱条件の下に置く
ことを可能にしている。
【0050】以上の構成を有することにより、本発明に
かかる一実施形態である炭素化合物分解用装置1におい
ては、第二のケース10を利用して酸素ガス又は空気等
の酸素含有気体を供給することにより、板状の固体電解
質2の陰極5側表面に適当な量の酸素分子を供給し、電
極4,5を介して直流電源6により固体電解質2に直流
電圧を印加し、陰極5の表面の酸素分子を酸素イオンに
変換すると共に該酸素イオンを固体電解質2の陽極4側
に伝導させて固体電解質2の陽極4側表面で原子状酸素
(酸素ラジカル)を発生させ、陽極4側表面で発生した
原子状の酸素を用いて第一のケース8を利用して供給さ
れた炭素化合物を分解することができる。
かかる一実施形態である炭素化合物分解用装置1におい
ては、第二のケース10を利用して酸素ガス又は空気等
の酸素含有気体を供給することにより、板状の固体電解
質2の陰極5側表面に適当な量の酸素分子を供給し、電
極4,5を介して直流電源6により固体電解質2に直流
電圧を印加し、陰極5の表面の酸素分子を酸素イオンに
変換すると共に該酸素イオンを固体電解質2の陽極4側
に伝導させて固体電解質2の陽極4側表面で原子状酸素
(酸素ラジカル)を発生させ、陽極4側表面で発生した
原子状の酸素を用いて第一のケース8を利用して供給さ
れた炭素化合物を分解することができる。
【0051】このとき、分解対象化合物がダイオキシン
等分子構造内に酸素を含有するものについては、陽極4
側での酸素ラジカルによる分解と同時に、陰極5側では
酸素引き抜きの還元反応が起こり、陰極5側でも化合物
の分解が生じうる。従って、ダイオキシン等分子内に酸
素を含有する分解対象化合物の場合、上記のような陰極
5への酸素の供給と共に、又は酸素の供給の代わりとし
て、かかる化合物を陰極5側に供給することにより、還
元反応により分解・除去を行なうことができる。
等分子構造内に酸素を含有するものについては、陽極4
側での酸素ラジカルによる分解と同時に、陰極5側では
酸素引き抜きの還元反応が起こり、陰極5側でも化合物
の分解が生じうる。従って、ダイオキシン等分子内に酸
素を含有する分解対象化合物の場合、上記のような陰極
5への酸素の供給と共に、又は酸素の供給の代わりとし
て、かかる化合物を陰極5側に供給することにより、還
元反応により分解・除去を行なうことができる。
【0052】具体的な化合物の分解について、特に、一
般式Cp Hq Fr Cls (pは自然数であり、q,r及
びsは何れも0以上の整数。)で表されるフロンガスを
分解・除去する場合、式(1)に示される反応が陽極上
で生じる。すなわち、固体電解質から発生された酸素ラ
ジカルによりフロンガスは二酸化炭素及び水に変換され
ると共に、塩化水素、フッ化水素、OCl及びOFを発
生する。この塩化水素、フッ化水素、OCl及びOF等
の酸性ガスは従来技術による排ガス処理技術により除去
・浄化可能である。
般式Cp Hq Fr Cls (pは自然数であり、q,r及
びsは何れも0以上の整数。)で表されるフロンガスを
分解・除去する場合、式(1)に示される反応が陽極上
で生じる。すなわち、固体電解質から発生された酸素ラ
ジカルによりフロンガスは二酸化炭素及び水に変換され
ると共に、塩化水素、フッ化水素、OCl及びOFを発
生する。この塩化水素、フッ化水素、OCl及びOF等
の酸性ガスは従来技術による排ガス処理技術により除去
・浄化可能である。
【0053】
【化1】
【0054】また、分子内に酸素を含有するダイオキシ
ンを分解・除去する場合、式(3)に示される反応が陽
極上で生じる。すなわち、フロンガスの場合と同様に、
固体電解質から発生された酸素ラジカルによりフロンガ
スは二酸化炭素及び水に変換されると共に、塩化水素、
フッ化水素、OCl及びOFを発生する。この塩化水
素、フッ化水素、OCl及びOF等の酸性ガスは、同様
に従来技術による排ガス処理技術により除去・浄化可能
である。
ンを分解・除去する場合、式(3)に示される反応が陽
極上で生じる。すなわち、フロンガスの場合と同様に、
固体電解質から発生された酸素ラジカルによりフロンガ
スは二酸化炭素及び水に変換されると共に、塩化水素、
フッ化水素、OCl及びOFを発生する。この塩化水
素、フッ化水素、OCl及びOF等の酸性ガスは、同様
に従来技術による排ガス処理技術により除去・浄化可能
である。
【0055】
【化2】
【0056】このとき、ダイオキシンは上記したように
元々分子内に酸素を含有しており、陰極側では式(2)
に示される反応が生じる。すなわち、固体電解質の陰極
側で脱酸素反応(還元反応)が進行し、還元反応による
分解も生じる。また、以上のような目的と構成と機構と
を有する本発明の実施形態においては、当然に炭素化合
物の高い分解効率を有することが望まれるが、固体電解
質から発生して炭素化合物の分解にかかる原子状の酸素
の量をより多くするほど炭素化合物の高効率の分解が期
待できる。
元々分子内に酸素を含有しており、陰極側では式(2)
に示される反応が生じる。すなわち、固体電解質の陰極
側で脱酸素反応(還元反応)が進行し、還元反応による
分解も生じる。また、以上のような目的と構成と機構と
を有する本発明の実施形態においては、当然に炭素化合
物の高い分解効率を有することが望まれるが、固体電解
質から発生して炭素化合物の分解にかかる原子状の酸素
の量をより多くするほど炭素化合物の高効率の分解が期
待できる。
【0057】また陰極場での酸素含有化合物からの酸素
引抜きを効率よく行なうことにより炭素化合物の高効率
の分解が期待できる。これらは何れも固体電解質中での
高い酸素イオン伝導により達成できる。従って、本発明
にかかる一実施形態である炭素化合物分解用装置1にお
いては、上記のように固体電解質2を加熱可能な構成と
されたヒーターからなる加熱手段(図示されない)を具
備し、炭素化合物の分解に際して、固体電解質2を加熱
条件の下に置くことを可能にしている。
引抜きを効率よく行なうことにより炭素化合物の高効率
の分解が期待できる。これらは何れも固体電解質中での
高い酸素イオン伝導により達成できる。従って、本発明
にかかる一実施形態である炭素化合物分解用装置1にお
いては、上記のように固体電解質2を加熱可能な構成と
されたヒーターからなる加熱手段(図示されない)を具
備し、炭素化合物の分解に際して、固体電解質2を加熱
条件の下に置くことを可能にしている。
【0058】尚、固体電解質2に供給される炭素化合物
や酸素を含有する気体が高温状態にあり、又は装置1の
置かれる環境が高温環境下にあり、それにより固体電解
質2の高温化が十分に図られる場合は、固体電解質2を
加熱可能な構成とされたヒーターからなる加熱手段は必
ずしも必要はなく、設ける必要はない。こうして、固体
電解質2を加熱することにより得られた、炭素化合物の
分解における固体電解質の温度条件と炭素化合物の分解
効率との関係については、後に示す本発明にかかる実施
例において詳述するが、固体電解質2がより高温条件下
にあるほど、高い効率の炭素化合物の分解を可能にして
いる。
や酸素を含有する気体が高温状態にあり、又は装置1の
置かれる環境が高温環境下にあり、それにより固体電解
質2の高温化が十分に図られる場合は、固体電解質2を
加熱可能な構成とされたヒーターからなる加熱手段は必
ずしも必要はなく、設ける必要はない。こうして、固体
電解質2を加熱することにより得られた、炭素化合物の
分解における固体電解質の温度条件と炭素化合物の分解
効率との関係については、後に示す本発明にかかる実施
例において詳述するが、固体電解質2がより高温条件下
にあるほど、高い効率の炭素化合物の分解を可能にして
いる。
【0059】このような炭素化合物の分解効率の温度依
存性は、固体電解質2を高温条件下に置くことにより、
より高い酸素イオン伝導度が実現されたためと理解され
る。従って、以上の構成と機構に従う固体電解質を用い
た化合物の分解において、固体電解質の酸素イオン伝導
をより高くすることで、炭素化合物の分解効率の向上が
可能である。
存性は、固体電解質2を高温条件下に置くことにより、
より高い酸素イオン伝導度が実現されたためと理解され
る。従って、以上の構成と機構に従う固体電解質を用い
た化合物の分解において、固体電解質の酸素イオン伝導
をより高くすることで、炭素化合物の分解効率の向上が
可能である。
【0060】固体電解質に関して説明すると、酸素イオ
ン伝導を有する固体電解質として、、螢石構造を有する
ジルコニア(ZrO2 )やセリア(CeO2 )にY(イ
ットリウム)やSm(サマリウム)を添加したZr1-y
Yy O2-y/2 やCe1-y Sm y O2-y/2 等が既に知られ
ている。かかる物質からなる固体電解質は、本発明の一
実施形態である炭素化合物分解用装置1において使用可
能である。これらの物質のこのような特性は、添加物の
ドープにより結晶格子中に酸素欠陥を生じさせ、結晶中
を酸素イオンが動きやすくなるためである。
ン伝導を有する固体電解質として、、螢石構造を有する
ジルコニア(ZrO2 )やセリア(CeO2 )にY(イ
ットリウム)やSm(サマリウム)を添加したZr1-y
Yy O2-y/2 やCe1-y Sm y O2-y/2 等が既に知られ
ている。かかる物質からなる固体電解質は、本発明の一
実施形態である炭素化合物分解用装置1において使用可
能である。これらの物質のこのような特性は、添加物の
ドープにより結晶格子中に酸素欠陥を生じさせ、結晶中
を酸素イオンが動きやすくなるためである。
【0061】そこで、より酸素イオン伝導度を高くする
ため、添加成分の濃度を増大させようとした場合、ある
程度までは添加濃度に従い酸素イオン伝導度は上昇す
る。しかし、添加物の濃度がある範囲を超えると、酸素
欠損量は増加するが、イオン伝導度は逆に低下してしま
う現象が知られている。これは酸素欠損同士あるいは酸
素欠損と添加元素(YやSm)との会合現象の結果であ
ると理解されている。
ため、添加成分の濃度を増大させようとした場合、ある
程度までは添加濃度に従い酸素イオン伝導度は上昇す
る。しかし、添加物の濃度がある範囲を超えると、酸素
欠損量は増加するが、イオン伝導度は逆に低下してしま
う現象が知られている。これは酸素欠損同士あるいは酸
素欠損と添加元素(YやSm)との会合現象の結果であ
ると理解されている。
【0062】しかしながら、発明者らはこの低下の原因
を詳細に調べたところ、伝導度の低下の原因は上記会合
現象ではなく、焼結体(固体電解質)の粒子間に析出し
た非伝導性の不純物の存在であるとを見出した。これら
の不純物は少量であるためX線回折などの一般的分析手
段では検出されにくいが、粒子と粒子の間を通る際には
大きな障害となると思われる。
を詳細に調べたところ、伝導度の低下の原因は上記会合
現象ではなく、焼結体(固体電解質)の粒子間に析出し
た非伝導性の不純物の存在であるとを見出した。これら
の不純物は少量であるためX線回折などの一般的分析手
段では検出されにくいが、粒子と粒子の間を通る際には
大きな障害となると思われる。
【0063】そこで、単一の添加物ではなく、複数の添
加物の方が析出量の減少および酸素欠陥の不規則性が増
加すると期待した。複数の添加物の組み合わせついて
は、酸素欠損の増加に効果的であるLi(リチウム)や
Na(ナトリウム)等のアルカリ土類金属の添加を試み
たところ、イオン伝導度が上昇することを見出した。従
って、以下の二つの組成式: 組成式;Ce1-y (Sm1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦
x<1,0<y<1,MはLi,Na及びKの少なくと
も1つ。)は 組成式;Zr1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x
<1,0<y<1,MはLi,Na及びKの少なくとも
1つ。) の何れかで表される材料からなる固体電解質は上昇され
た高い酸素イオン伝導度を示し、これらを使用すること
により炭素化合物の高い分解効率を有する炭素化合物の
分解方法及び炭素化合物分解用装置の提供が可能であ
る。
加物の方が析出量の減少および酸素欠陥の不規則性が増
加すると期待した。複数の添加物の組み合わせついて
は、酸素欠損の増加に効果的であるLi(リチウム)や
Na(ナトリウム)等のアルカリ土類金属の添加を試み
たところ、イオン伝導度が上昇することを見出した。従
って、以下の二つの組成式: 組成式;Ce1-y (Sm1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦
x<1,0<y<1,MはLi,Na及びKの少なくと
も1つ。)は 組成式;Zr1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x
<1,0<y<1,MはLi,Na及びKの少なくとも
1つ。) の何れかで表される材料からなる固体電解質は上昇され
た高い酸素イオン伝導度を示し、これらを使用すること
により炭素化合物の高い分解効率を有する炭素化合物の
分解方法及び炭素化合物分解用装置の提供が可能であ
る。
【0064】これらの固体電解質の製造方法とイオン伝
導度のデータについては、以下の実施例において示す。
次に、本発明にかかる一実施形態である炭素化合物分解
用装置1において使用する電極について説明する。電極
4,5は固体電解質2での原子状酸素の発生の効率を向
上するため、板状の固体電解質2の対向する二つの表面
を覆うように設けられるている。従って、固体電解質2
中を伝導する酸素イオンを透過させうる構造を有してい
る必要がある。即ち、内部に酸素イオンの透過可能な適
当な穴を有していなければならない。
導度のデータについては、以下の実施例において示す。
次に、本発明にかかる一実施形態である炭素化合物分解
用装置1において使用する電極について説明する。電極
4,5は固体電解質2での原子状酸素の発生の効率を向
上するため、板状の固体電解質2の対向する二つの表面
を覆うように設けられるている。従って、固体電解質2
中を伝導する酸素イオンを透過させうる構造を有してい
る必要がある。即ち、内部に酸素イオンの透過可能な適
当な穴を有していなければならない。
【0065】従って、本発明にかかる一実施形態である
炭素化合物分解用装置1においては、多孔性の白金又は
銀電極が使用可能である。その形成については、ペース
ト状の白金又は銀を固体電解質の表面に塗布し、これを
焼成することにより多孔性の状態とすることができる。
また、炭素化合物の分解効率やコストの低下を考慮する
と、酸化物電極の使用が望ましい。特に、分解する化合
物の種類が特定される場合、その化合物を吸着しやすい
電極の使用が望ましい。
炭素化合物分解用装置1においては、多孔性の白金又は
銀電極が使用可能である。その形成については、ペース
ト状の白金又は銀を固体電解質の表面に塗布し、これを
焼成することにより多孔性の状態とすることができる。
また、炭素化合物の分解効率やコストの低下を考慮する
と、酸化物電極の使用が望ましい。特に、分解する化合
物の種類が特定される場合、その化合物を吸着しやすい
電極の使用が望ましい。
【0066】例えば、一酸化窒素を分解しようとする場
合、組成式La1-x Mx CuO4 (M=Sr(ストロン
チウム)、Ba(バリウム))で表される材料は一酸化
窒素を吸着しやすく、組成式La1-x SrMO3 (M=
Mn(マンガン)、Co(コバルト))で表される材料
は炭化水素に対する酸化触媒としても知られているの
で、電極としてふさわしい。
合、組成式La1-x Mx CuO4 (M=Sr(ストロン
チウム)、Ba(バリウム))で表される材料は一酸化
窒素を吸着しやすく、組成式La1-x SrMO3 (M=
Mn(マンガン)、Co(コバルト))で表される材料
は炭化水素に対する酸化触媒としても知られているの
で、電極としてふさわしい。
【0067】また、電極の構造については、例えば排ガ
ス中での使用においてフライアッシュ等の微粒子から電
極を保護し、電極の耐久性を向上するために、電極表面
にジルコニア等の多孔性セラミクスによる保護膜を設け
ることも可能である。次に、本発明にかかる一実施形態
である炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置
1の変形例について説明する。
ス中での使用においてフライアッシュ等の微粒子から電
極を保護し、電極の耐久性を向上するために、電極表面
にジルコニア等の多孔性セラミクスによる保護膜を設け
ることも可能である。次に、本発明にかかる一実施形態
である炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置
1の変形例について説明する。
【0068】図2は、本発明にかかる一実施形態である
炭素化合物分解用装置の第一変形例の構成の概略を説明
する図である。尚、図1の炭素化合物分解用装置1との
比較において同等の構造を有して同じ機能を果たす部分
に対しては説明の便宜上同じ符号を使用している。本発
明にかかる一実施形態の第一変形例である炭素化合物分
解用装置21は、炭素化合物分解用装置1のそれと同様
の板状の固体電解質2と、固体電解質2に直流電圧を印
加する電圧印加手段3とからなり、炭素化合物分解用装
置1が具備する第二のケース10に対応する部分を有し
ない以外は、図1の炭素化合物分解用装置1と同様の構
成を有し、同様に分解対象となる炭素化合物等が第一の
ケース8に供給されて、固体電解質2に供給され、炭素
化合物は分解される。
炭素化合物分解用装置の第一変形例の構成の概略を説明
する図である。尚、図1の炭素化合物分解用装置1との
比較において同等の構造を有して同じ機能を果たす部分
に対しては説明の便宜上同じ符号を使用している。本発
明にかかる一実施形態の第一変形例である炭素化合物分
解用装置21は、炭素化合物分解用装置1のそれと同様
の板状の固体電解質2と、固体電解質2に直流電圧を印
加する電圧印加手段3とからなり、炭素化合物分解用装
置1が具備する第二のケース10に対応する部分を有し
ない以外は、図1の炭素化合物分解用装置1と同様の構
成を有し、同様に分解対象となる炭素化合物等が第一の
ケース8に供給されて、固体電解質2に供給され、炭素
化合物は分解される。
【0069】この第一変形例である炭素化合物分解用装
置21は、酸素分子を供給する酸素供給手段を具備しな
いため、大気環境下など、空気中若しくは酸素が周囲に
十分存在する条件下に設置されて、炭素化合物分解に用
いられるのに適している。次に図3は、本発明にかかる
一実施形態である炭素化合物分解用装置の第二変形例の
構成の概略を説明する図である。
置21は、酸素分子を供給する酸素供給手段を具備しな
いため、大気環境下など、空気中若しくは酸素が周囲に
十分存在する条件下に設置されて、炭素化合物分解に用
いられるのに適している。次に図3は、本発明にかかる
一実施形態である炭素化合物分解用装置の第二変形例の
構成の概略を説明する図である。
【0070】本発明にかかる一実施形態である炭素化合
物分解用装置の第二変形例31は、炭素化合物分解用装
置1のそれと同様の板状の固体電解質32と、固体電解
質32に直流電圧を印加する電圧印加手段33とからな
る。電圧印加手段33は、固体電解質32の対向する二
つの表面を覆うように設けられた炭素化合物分解用装置
1のそれと同様の二つの多孔性電極34,35と、二つ
の電極34,35それぞれに接続された直流電源36と
からなる。
物分解用装置の第二変形例31は、炭素化合物分解用装
置1のそれと同様の板状の固体電解質32と、固体電解
質32に直流電圧を印加する電圧印加手段33とからな
る。電圧印加手段33は、固体電解質32の対向する二
つの表面を覆うように設けられた炭素化合物分解用装置
1のそれと同様の二つの多孔性電極34,35と、二つ
の電極34,35それぞれに接続された直流電源36と
からなる。
【0071】また、固体電解質32上の適当な位置に設
けられ、固体電解質32を加熱可能な構成とされたヒー
ターからなる加熱手段(図示されない)を具備し、炭素
化合物の分解に際して、固体電解質32を加熱条件の下
に置くことを可能にしている。すなわち、炭素化合物分
解用装置1が具備する第一及び第二のケース8,10に
対応する部分を有しない以外は、図1の炭素化合物分解
用装置1と同様の構成を有する。
けられ、固体電解質32を加熱可能な構成とされたヒー
ターからなる加熱手段(図示されない)を具備し、炭素
化合物の分解に際して、固体電解質32を加熱条件の下
に置くことを可能にしている。すなわち、炭素化合物分
解用装置1が具備する第一及び第二のケース8,10に
対応する部分を有しない以外は、図1の炭素化合物分解
用装置1と同様の構成を有する。
【0072】以上の構成を有することにより、本発明に
かかる一実施形態である炭素化合物分解用装置の第二変
形例31においては、板状の固体電解質32の陰極35
側表面に適当な量の酸素分子が供給され、電極34,3
5を介して直流電源36により固体電解質32に直流電
圧を印加し、陰極35の表面の酸素分子を酸素イオンに
変換すると共に該酸素イオンを固体電解質32の陽極3
4側に伝導させて固体電解質32の陽極34側表面で原
子状酸素を発生させ、陽極34側表面で発生した原子状
の酸素を用いて炭素化合物を分解することができる。
かかる一実施形態である炭素化合物分解用装置の第二変
形例31においては、板状の固体電解質32の陰極35
側表面に適当な量の酸素分子が供給され、電極34,3
5を介して直流電源36により固体電解質32に直流電
圧を印加し、陰極35の表面の酸素分子を酸素イオンに
変換すると共に該酸素イオンを固体電解質32の陽極3
4側に伝導させて固体電解質32の陽極34側表面で原
子状酸素を発生させ、陽極34側表面で発生した原子状
の酸素を用いて炭素化合物を分解することができる。
【0073】このとき、分解対象化合物がダイオキシン
等分子構造内に酸素を含有するものについては、陽極3
4側での酸素ラジカルによる分解と同時に、陰極35側
では酸素引き抜きの還元反応が起こり、陰極35側でも
化合物の分解が生じうる。従って、ダイオキシン等分子
内に酸素を含有する分解対象化合物の場合、上記のよう
な陰極35への酸素の供給と共に、又は酸素の供給の代
わりとして、かかる化合物を陰極35側に供給すること
により、還元反応により分解・除去を行なうことができ
る。
等分子構造内に酸素を含有するものについては、陽極3
4側での酸素ラジカルによる分解と同時に、陰極35側
では酸素引き抜きの還元反応が起こり、陰極35側でも
化合物の分解が生じうる。従って、ダイオキシン等分子
内に酸素を含有する分解対象化合物の場合、上記のよう
な陰極35への酸素の供給と共に、又は酸素の供給の代
わりとして、かかる化合物を陰極35側に供給すること
により、還元反応により分解・除去を行なうことができ
る。
【0074】この第二変形例である炭素化合物分解用装
置31は、酸素分子を供給する酸素供給手段と炭素化合
物を供給する供給手段とを具備しないため、大気環境下
など、空気中若しくは酸素が周囲に十分存在する条件下
において、分解対象となる炭素化合物が酸素と共に存在
する場合、その場に設置されて、炭素化合物分解に用い
られるのに適している。
置31は、酸素分子を供給する酸素供給手段と炭素化合
物を供給する供給手段とを具備しないため、大気環境下
など、空気中若しくは酸素が周囲に十分存在する条件下
において、分解対象となる炭素化合物が酸素と共に存在
する場合、その場に設置されて、炭素化合物分解に用い
られるのに適している。
【0075】具体的には、有害炭素化合物が存在する室
内環境下での使用や、排気管の内部に固体電解質32と
電極34,35からなる部分を挿入して設置し、酸素と
炭素化合物を含む排気中で使用することなどが可能であ
る。次に、本発明にかかる一実施形態である炭素化合物
分解用装置の第三変形例43について説明する。
内環境下での使用や、排気管の内部に固体電解質32と
電極34,35からなる部分を挿入して設置し、酸素と
炭素化合物を含む排気中で使用することなどが可能であ
る。次に、本発明にかかる一実施形態である炭素化合物
分解用装置の第三変形例43について説明する。
【0076】炭素化合物分解用装置の第三変形例41
は、第二変形例31における固体電解質32を加熱可能
な構成とされたヒーターからなる加熱手段(図示されな
い)に対応する部分を有しない以外は、図3の炭素化合
物分解用装置31と同様の構成を有し、自身が具備する
加熱手段を利用しないで同様に分解対象となる炭素化合
物等を分解する。
は、第二変形例31における固体電解質32を加熱可能
な構成とされたヒーターからなる加熱手段(図示されな
い)に対応する部分を有しない以外は、図3の炭素化合
物分解用装置31と同様の構成を有し、自身が具備する
加熱手段を利用しないで同様に分解対象となる炭素化合
物等を分解する。
【0077】図4は、本発明にかかる一実施形態である
炭素化合物分解用装置の第三変形例の使用例を説明する
図である。尚、図3の炭素化合物分解用装置31との比
較において同等の構造を有して同じ機能を果たす部分に
対しては説明の便宜上同じ符号を使用している。そし
て、二つの電極34,35それぞれに接続された直流電
源は図中では省略している。
炭素化合物分解用装置の第三変形例の使用例を説明する
図である。尚、図3の炭素化合物分解用装置31との比
較において同等の構造を有して同じ機能を果たす部分に
対しては説明の便宜上同じ符号を使用している。そし
て、二つの電極34,35それぞれに接続された直流電
源は図中では省略している。
【0078】第三変形例である炭素化合物分解用装置4
1は、排出される排気が酸素と炭素化合物を含み、その
温度が300°C〜600°Cにも及ぶような、焼却炉
等の焼成装置の煙突等の排気管42の内部で用いられる
のに適する。すなわち、固体電解質32と電極34,3
5からなる部分をそのような排気管の内部に挿入して設
置し、酸素と炭素化合物を含む排気中でその排気によっ
て加熱されながら、含有する酸素を使用し、上記第二変
形例31と同様に含有する炭素化合物を分解するのに適
している。
1は、排出される排気が酸素と炭素化合物を含み、その
温度が300°C〜600°Cにも及ぶような、焼却炉
等の焼成装置の煙突等の排気管42の内部で用いられる
のに適する。すなわち、固体電解質32と電極34,3
5からなる部分をそのような排気管の内部に挿入して設
置し、酸素と炭素化合物を含む排気中でその排気によっ
て加熱されながら、含有する酸素を使用し、上記第二変
形例31と同様に含有する炭素化合物を分解するのに適
している。
【0079】従って、ゴミ焼却場として現在特にダイオ
キシンの発生が懸念されている旧来あるいは小型のゴミ
焼却炉へ上記装置41を組み込むことにより、現状のゴ
ミ焼却場のゴミ処理機能を保持し、現有施設の状態のま
ま、例えばダイオキシンの生成量を低減できる。この
時、図に示すように、排気管42内に炭素化合物分解用
装置41を並べて炭素化合物の分解を高効率に行なうこ
とも可能である。その場合、固体電解質32と電極3
4,35からなる部分を複数用意し、それらに接続され
る直流電源は一つとすることも可能である。
キシンの発生が懸念されている旧来あるいは小型のゴミ
焼却炉へ上記装置41を組み込むことにより、現状のゴ
ミ焼却場のゴミ処理機能を保持し、現有施設の状態のま
ま、例えばダイオキシンの生成量を低減できる。この
時、図に示すように、排気管42内に炭素化合物分解用
装置41を並べて炭素化合物の分解を高効率に行なうこ
とも可能である。その場合、固体電解質32と電極3
4,35からなる部分を複数用意し、それらに接続され
る直流電源は一つとすることも可能である。
【0080】以上より、本発明に従い、炭素化合物、特
にダイオキシン等の有害な炭素化合物の分解・除去処理
において、使用する装置における追加のメンテナンスの
必要を無くし、長期間の安定的な使用を可能とし、それ
によってかかる処理を低コスト化することができる。次
に本発明にかかる実施例を説明する。
にダイオキシン等の有害な炭素化合物の分解・除去処理
において、使用する装置における追加のメンテナンスの
必要を無くし、長期間の安定的な使用を可能とし、それ
によってかかる処理を低コスト化することができる。次
に本発明にかかる実施例を説明する。
【0081】
【実施例】(実施例1)固体電解質の製造とイオン伝導
度評価 本発明にかかる一実施形態である図1乃至図4に示され
た炭素化合物分解用装置に使用可能な固体電解質の製造
方法を、ジルコニアにイットリウムを固溶し、更にナト
リウム(Na)を添加した系を例にして説明する。
度評価 本発明にかかる一実施形態である図1乃至図4に示され
た炭素化合物分解用装置に使用可能な固体電解質の製造
方法を、ジルコニアにイットリウムを固溶し、更にナト
リウム(Na)を添加した系を例にして説明する。
【0082】一般に、アルカリ金属を含む化合物は高温
で分解、蒸発しやすいため、通常の固相反応では組成の
変動やズレが予想される。そこで本発明にかかる実施例
においては、アルカリ以外の成分は共沈法により混合
し、それにアルカリ金属の炭酸塩を添加して反応させる
湿式・乾式混合法を採用した。先ず、ジルコニウムの原
料として水に可溶な塩、例えばオキシ塩化ジルコニウム
(ZrOCl2 ),イットリウムの原料として酸化イッ
トリウム(Y2 O3 )を用いた。これらを所定の組成に
なるように秤取り、できるだけ少量の酸性の水溶液に溶
解させた。一方、予め用意した強塩基性水溶液に滴下し
た。このときの水溶液のpHが10以上であることを確
認した。
で分解、蒸発しやすいため、通常の固相反応では組成の
変動やズレが予想される。そこで本発明にかかる実施例
においては、アルカリ以外の成分は共沈法により混合
し、それにアルカリ金属の炭酸塩を添加して反応させる
湿式・乾式混合法を採用した。先ず、ジルコニウムの原
料として水に可溶な塩、例えばオキシ塩化ジルコニウム
(ZrOCl2 ),イットリウムの原料として酸化イッ
トリウム(Y2 O3 )を用いた。これらを所定の組成に
なるように秤取り、できるだけ少量の酸性の水溶液に溶
解させた。一方、予め用意した強塩基性水溶液に滴下し
た。このときの水溶液のpHが10以上であることを確
認した。
【0083】析出した共沈物をデカンテーション等によ
って水洗した後、濾過した。得られた共沈物を乾燥し
た。1000°Cで熱処理し、重量減少を調べた。重量
減少を考慮して、必要なナトリウム原料(本実施例の場
合、NaCO3 )を秤量し、共沈物とボールミルにて湿
式混合した。
って水洗した後、濾過した。得られた共沈物を乾燥し
た。1000°Cで熱処理し、重量減少を調べた。重量
減少を考慮して、必要なナトリウム原料(本実施例の場
合、NaCO3 )を秤量し、共沈物とボールミルにて湿
式混合した。
【0084】1000〜1100°Cの温度範囲で仮焼
きした後、成形し、1300〜1500°Cで焼成し
た。こうして所望の組成を有するアルカリ金属添加固体
電解質が得られた。以下に、同様にして得られたアルカ
リ金属(Li,Na)を添加された固体電解質の組成と
イオン伝導度(σ)をまとめて示す。
きした後、成形し、1300〜1500°Cで焼成し
た。こうして所望の組成を有するアルカリ金属添加固体
電解質が得られた。以下に、同様にして得られたアルカ
リ金属(Li,Na)を添加された固体電解質の組成と
イオン伝導度(σ)をまとめて示す。
【0085】イオン伝導度は、800°Cの温度条件の
下で直流4端子法により測定した。 Zr1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2系試料(M=Li) y=0.2 σ(S/cm):800°C x=0.0 1.26×10-2 x=0.1 1.58×10-2 x=0.3 2.51×10-2 Ce1-y (Sm1-x Mx )y O2-xy-y/2系試料(M=Na) y=0.2 σ(S/cm):800°C x=0.0 6.03×10-2 x=0.15 6.31×10-2 x=0.30 6.61×10-2 x=0.45 6.92×10-2 上記組成式において、x=0である従来材料は、y=
0.2の時、イオン伝導度は最大を示し、それ以降yが
増加するに連れて急激にイオン伝導度は減少することが
知られている。しかし、得られた結果が示すように、y
を固定し、xを変化させ酸素欠陥を増加することによ
り、イオン伝導度が増加している。
下で直流4端子法により測定した。 Zr1-y (Y1-x Mx )y O2-xy-y/2系試料(M=Li) y=0.2 σ(S/cm):800°C x=0.0 1.26×10-2 x=0.1 1.58×10-2 x=0.3 2.51×10-2 Ce1-y (Sm1-x Mx )y O2-xy-y/2系試料(M=Na) y=0.2 σ(S/cm):800°C x=0.0 6.03×10-2 x=0.15 6.31×10-2 x=0.30 6.61×10-2 x=0.45 6.92×10-2 上記組成式において、x=0である従来材料は、y=
0.2の時、イオン伝導度は最大を示し、それ以降yが
増加するに連れて急激にイオン伝導度は減少することが
知られている。しかし、得られた結果が示すように、y
を固定し、xを変化させ酸素欠陥を増加することによ
り、イオン伝導度が増加している。
【0086】以上の結果より、上記の製法に従う上記組
成の固体電解質は従来固体電解質を使用した場合に比
べ、より高効率の炭素化合物分解用装置の提供を可能に
する。 (実施例2)アセトンの分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、アセトンの分解を行なっ
た。
成の固体電解質は従来固体電解質を使用した場合に比
べ、より高効率の炭素化合物分解用装置の提供を可能に
する。 (実施例2)アセトンの分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、アセトンの分解を行なっ
た。
【0087】この時、炭素化合物分解用装置1を構成す
る固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )を
使用し、電極には白金ペーストの焼成により得られた多
孔性白金電極を使用した。分解は以下の通りに行なっ
た。希釈ガスに窒素を使用し、アセトンをパーミエータ
ーを用いてガス化し、このアセトン反応ガスを出入口1
1から炭素化合物分解用装置1の第一のケース8に供給
し、出入口12を閉じてケース8内をアセトン反応ガス
で満たした。そして第二のケース10には出入口13か
ら空気を供給した。
る固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )を
使用し、電極には白金ペーストの焼成により得られた多
孔性白金電極を使用した。分解は以下の通りに行なっ
た。希釈ガスに窒素を使用し、アセトンをパーミエータ
ーを用いてガス化し、このアセトン反応ガスを出入口1
1から炭素化合物分解用装置1の第一のケース8に供給
し、出入口12を閉じてケース8内をアセトン反応ガス
で満たした。そして第二のケース10には出入口13か
ら空気を供給した。
【0088】次に、ヒーターにより固体電解質2を加熱
した。加熱温度は、300°C、350°C、400°
C、450°C及び500°Cの5条件とした。次に直
流電源6により固体電解質に8ボルト程度迄の直流電圧
を印加し、所定時間のアセトンの分解反応を行なった。
反応の評価は、ケース8の出入口12を開いて、FID
ガスクロマトグラフィー装置へ分解反応後のケース8内
のガスを供給し、行なった。
した。加熱温度は、300°C、350°C、400°
C、450°C及び500°Cの5条件とした。次に直
流電源6により固体電解質に8ボルト程度迄の直流電圧
を印加し、所定時間のアセトンの分解反応を行なった。
反応の評価は、ケース8の出入口12を開いて、FID
ガスクロマトグラフィー装置へ分解反応後のケース8内
のガスを供給し、行なった。
【0089】結果は図5〜図9に示すが、図5は、30
0°C条件下におけるアセトンの分解の様子を示す図で
あり、電圧無印加時のケース8内のアセトン及び水の濃
度が電圧の印加により変化する様子を示す図である。同
様に、図6は350°C条件下におけるアセトンの分解
の様子を示す図であり、図7は400°C条件下におけ
るアセトンの分解の様子を示す図であり、図8は450
°C条件下におけるアセトンの分解の様子を示す図であ
り、図9は500°C条件下におけるアセトンの分解の
様子を示す図である。
0°C条件下におけるアセトンの分解の様子を示す図で
あり、電圧無印加時のケース8内のアセトン及び水の濃
度が電圧の印加により変化する様子を示す図である。同
様に、図6は350°C条件下におけるアセトンの分解
の様子を示す図であり、図7は400°C条件下におけ
るアセトンの分解の様子を示す図であり、図8は450
°C条件下におけるアセトンの分解の様子を示す図であ
り、図9は500°C条件下におけるアセトンの分解の
様子を示す図である。
【0090】図に示された結果より、電圧の印加により
アセトンの減少が生じるとともに、その分解生成物の一
つと解される水の濃度が増大していることがわかり、ま
たその程度は印加電圧の大きさに対応しており、電圧の
印加によりアセトンが分解していることは明らかであ
る。そして、300°C条件下における6.7ボルトの
電圧の印加(残留アセトン濃度68.5ppm)、又は
450°C条件下における1.9ボルトの電圧の印加
(残留アセトン濃度19.0ppm)等の分解条件によ
りケース8内のアセトン濃度は0ppm近くまで低下し
ており、非常に高い効率のアセトンの分解が行なわれた
ことが分かる。
アセトンの減少が生じるとともに、その分解生成物の一
つと解される水の濃度が増大していることがわかり、ま
たその程度は印加電圧の大きさに対応しており、電圧の
印加によりアセトンが分解していることは明らかであ
る。そして、300°C条件下における6.7ボルトの
電圧の印加(残留アセトン濃度68.5ppm)、又は
450°C条件下における1.9ボルトの電圧の印加
(残留アセトン濃度19.0ppm)等の分解条件によ
りケース8内のアセトン濃度は0ppm近くまで低下し
ており、非常に高い効率のアセトンの分解が行なわれた
ことが分かる。
【0091】以上より、本発明にかかる炭素化合物分解
用装置により高効率のアセトンの分解がなされることが
確認された。また、固体電解質2がより高温条件下にあ
るほど、低い印加電圧でアセトンは効率よく分解されて
おり、より高い温度条件が高い効率の炭素化合物の分解
を可能にしている。
用装置により高効率のアセトンの分解がなされることが
確認された。また、固体電解質2がより高温条件下にあ
るほど、低い印加電圧でアセトンは効率よく分解されて
おり、より高い温度条件が高い効率の炭素化合物の分解
を可能にしている。
【0092】このような炭素化合物の分解効率の温度依
存性は、固体電解質2を高温条件下に置くことにより、
より高い酸素イオン伝導度が実現されたためと理解され
る。 (実施例3)アセトアルデヒドの分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、アセトンの分解を行なっ
た。
存性は、固体電解質2を高温条件下に置くことにより、
より高い酸素イオン伝導度が実現されたためと理解され
る。 (実施例3)アセトアルデヒドの分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、アセトンの分解を行なっ
た。
【0093】この時、炭素化合物分解用装置1を構成す
る固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )を
使用し、電極には白金ペーストの焼成により得られた多
孔性白金電極を使用した。分解は以下の通りに行なっ
た。希釈ガスに窒素を使用し、アセトアルデヒドをパー
ミエーターを用いてガス化し、このアセトアルデヒド反
応ガスを出入口11から炭素化合物分解用装置1の第一
のケース8に供給し、出入口12を閉じてケース8内を
アセトアルデヒド反応ガスで満たした。そして第二のケ
ース10には出入口13から空気を供給した。
る固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )を
使用し、電極には白金ペーストの焼成により得られた多
孔性白金電極を使用した。分解は以下の通りに行なっ
た。希釈ガスに窒素を使用し、アセトアルデヒドをパー
ミエーターを用いてガス化し、このアセトアルデヒド反
応ガスを出入口11から炭素化合物分解用装置1の第一
のケース8に供給し、出入口12を閉じてケース8内を
アセトアルデヒド反応ガスで満たした。そして第二のケ
ース10には出入口13から空気を供給した。
【0094】次に、ヒーターにより固体電解質2を加熱
した。加熱温度は、300°C、350°C、400°
C、450°C、500°Cの5条件とした。次に直流
電源6により固体電解質に8ボルト程度迄の直流電圧を
印加し、所定時間のアセトアルデヒドの分解反応を行な
った。反応の評価は、ケース8の出入口12を開いて、
FIDガスクロマトグラフィー装置へ分解反応後のケー
ス8内のガスを供給し、行なった。
した。加熱温度は、300°C、350°C、400°
C、450°C、500°Cの5条件とした。次に直流
電源6により固体電解質に8ボルト程度迄の直流電圧を
印加し、所定時間のアセトアルデヒドの分解反応を行な
った。反応の評価は、ケース8の出入口12を開いて、
FIDガスクロマトグラフィー装置へ分解反応後のケー
ス8内のガスを供給し、行なった。
【0095】結果は図10及び図11に示すが、図10
は、300°C条件下におけるアセトアルデヒドの分解
の様子を示す図であり、電圧無印加時のケース8内のア
セトアルデヒド及び水の濃度が電圧の印加により変化す
る様子を示す図である。図10と同様の分解は、350
°C、400°C、450°C及び500°C条件下の
分解でも見られた。
は、300°C条件下におけるアセトアルデヒドの分解
の様子を示す図であり、電圧無印加時のケース8内のア
セトアルデヒド及び水の濃度が電圧の印加により変化す
る様子を示す図である。図10と同様の分解は、350
°C、400°C、450°C及び500°C条件下の
分解でも見られた。
【0096】そして、図11は、300°Cから500
°C条件下における変換率と印加電圧の関係を示す図で
ある。300°Cから500°C条件下におけるアセト
アルデヒドの分解反応の様子を一つのグラフにまとめて
示したものである。ここで、変換率とは、電圧無印加条
件下でケース8内がアセトアルデヒド反応ガスで満たさ
れた後の所定時間後のアセトアルデヒドの濃度を基に
し、その濃度に対する各電圧印加後のケース8内のアセ
トアルデヒドの濃度の割合を示すものである。
°C条件下における変換率と印加電圧の関係を示す図で
ある。300°Cから500°C条件下におけるアセト
アルデヒドの分解反応の様子を一つのグラフにまとめて
示したものである。ここで、変換率とは、電圧無印加条
件下でケース8内がアセトアルデヒド反応ガスで満たさ
れた後の所定時間後のアセトアルデヒドの濃度を基に
し、その濃度に対する各電圧印加後のケース8内のアセ
トアルデヒドの濃度の割合を示すものである。
【0097】図に示された結果より、電圧の印加により
アセトアルデヒドの減少が生じるとともに、その分解生
成物の一つと解される水の濃度が増大していることがわ
かり、またその程度は印加電圧の大きさに対応してお
り、電圧の印加によりアセトアルデヒドが分解している
ことは明らかである。そして、350°C条件下におけ
る6.7ボルトの電圧の印加(残留アセトアルデヒド濃
度0ppm)、又は450°C条件下における2.0ボ
ルトの電圧の印加(残留アセトアルデヒド濃度0pp
m)等の分解条件によりケース8内のアセトアルデヒド
濃度は0ppmまで低下しており、非常に高い効率のア
セトアルデヒドの分解が行なわれたことが分かる。
アセトアルデヒドの減少が生じるとともに、その分解生
成物の一つと解される水の濃度が増大していることがわ
かり、またその程度は印加電圧の大きさに対応してお
り、電圧の印加によりアセトアルデヒドが分解している
ことは明らかである。そして、350°C条件下におけ
る6.7ボルトの電圧の印加(残留アセトアルデヒド濃
度0ppm)、又は450°C条件下における2.0ボ
ルトの電圧の印加(残留アセトアルデヒド濃度0pp
m)等の分解条件によりケース8内のアセトアルデヒド
濃度は0ppmまで低下しており、非常に高い効率のア
セトアルデヒドの分解が行なわれたことが分かる。
【0098】以上より、本発明にかかる炭素化合物分解
用装置により高効率のアセトアルデヒドの分解がなされ
ることが確認された。また、固体電解質2がより高温条
件下にあるほど、低い印加電圧でアセトアルデヒドは効
率よく分解されており、より高い温度条件が高い効率の
炭素化合物の分解を可能にしている。
用装置により高効率のアセトアルデヒドの分解がなされ
ることが確認された。また、固体電解質2がより高温条
件下にあるほど、低い印加電圧でアセトアルデヒドは効
率よく分解されており、より高い温度条件が高い効率の
炭素化合物の分解を可能にしている。
【0099】このような炭素化合物の分解効率の温度依
存性は、固体電解質2を高温条件下に置くことにより、
より高い酸素イオン伝導度が実現されたためと理解され
る。 (実施例4)フロンガス Freon−113の分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、フロンガス Freon−
113の分解を行なった。
存性は、固体電解質2を高温条件下に置くことにより、
より高い酸素イオン伝導度が実現されたためと理解され
る。 (実施例4)フロンガス Freon−113の分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、フロンガス Freon−
113の分解を行なった。
【0100】この時、炭素化合物分解用装置1を構成す
る固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )を
使用し、電極には白金ペーストの焼成により得られた多
孔性白金電極を使用した。分解は以下の通りに行なっ
た。希釈ガスに窒素を使用し、0.1%のフロンガス
Freon−113と窒素(残分)からなるフロン反応
ガスを出入口11から炭素化合物分解用装置1の第一の
ケース8に供給し、出入口12を開け、フロンガスを連
続的に通気した。そして第二のケース10には出入口1
3から空気を供給した。
る固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウム(Y
2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )を
使用し、電極には白金ペーストの焼成により得られた多
孔性白金電極を使用した。分解は以下の通りに行なっ
た。希釈ガスに窒素を使用し、0.1%のフロンガス
Freon−113と窒素(残分)からなるフロン反応
ガスを出入口11から炭素化合物分解用装置1の第一の
ケース8に供給し、出入口12を開け、フロンガスを連
続的に通気した。そして第二のケース10には出入口1
3から空気を供給した。
【0101】次に、ヒーターにより固体電解質2を70
0°Cで加熱した。次に直流電源6により固体電解質に
5ボルト迄の直流電圧を印加し、所定時間のフロンガス
Freon−113の分解反応を行なった。反応の評
価は、FIDガスクロマトグラフィー装置へ分解反応後
のケース8内のガスを供給し、行なった。尚、併せて分
解時に固体電解質2を流れる電流を測定し、その電流値
から原子状酸素濃度を計算により求めた。
0°Cで加熱した。次に直流電源6により固体電解質に
5ボルト迄の直流電圧を印加し、所定時間のフロンガス
Freon−113の分解反応を行なった。反応の評
価は、FIDガスクロマトグラフィー装置へ分解反応後
のケース8内のガスを供給し、行なった。尚、併せて分
解時に固体電解質2を流れる電流を測定し、その電流値
から原子状酸素濃度を計算により求めた。
【0102】
【表1】
【0103】結果は表1及び図12に示すが、図12
は、700°C条件下におけるフロンガス Freon
−113の分解の様子を示す図であり、700°C条件
下におけるFreon−113の除去率と印加電圧の関
係を示す図である。ここで、Freon−113の除去
率とは、電圧無印加条件下でケース8内にフロン反応ガ
スが供給され、充填された直後のFreon−113の
濃度を基にし、その濃度に対する各電圧印加(0V、即
ち無印加も含む)後所定時間経過時点でのケース8内の
Freon−113濃度の割合を示すものである。
は、700°C条件下におけるフロンガス Freon
−113の分解の様子を示す図であり、700°C条件
下におけるFreon−113の除去率と印加電圧の関
係を示す図である。ここで、Freon−113の除去
率とは、電圧無印加条件下でケース8内にフロン反応ガ
スが供給され、充填された直後のFreon−113の
濃度を基にし、その濃度に対する各電圧印加(0V、即
ち無印加も含む)後所定時間経過時点でのケース8内の
Freon−113濃度の割合を示すものである。
【0104】表及び図に示された結果より、電圧の印加
により、そしてその高さに依存してフロンガス Fre
on−113が分解していることは明らかである。そし
て、2ボルトの電圧の印加等の分解条件によりケース8
内のフロンガスFreon−113濃度は0にまで低下
しており、非常に高い効率のフロンガスFreon−1
13の分解が行なわれたことが分かる。
により、そしてその高さに依存してフロンガス Fre
on−113が分解していることは明らかである。そし
て、2ボルトの電圧の印加等の分解条件によりケース8
内のフロンガスFreon−113濃度は0にまで低下
しており、非常に高い効率のフロンガスFreon−1
13の分解が行なわれたことが分かる。
【0105】以上より、本発明にかかる炭素化合物分解
用装置により高効率のフロンガスFreon−113の
分解がなされることが確認された。 (実施例5)クロロベンゼンの分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、クロロベンゼンの分解を行
なった。
用装置により高効率のフロンガスFreon−113の
分解がなされることが確認された。 (実施例5)クロロベンゼンの分解 本発明にかかる一実施形態である図1に示された炭素化
合物分解用装置1を使用し、クロロベンゼンの分解を行
なった。
【0106】クロロベンゼンは、その分子構造の主要部
分の同一性から、PCBやダイオキシンの模擬物質とし
て用いられた。従って、クロロベンゼンに関する結果よ
り、PCBやダイオキシンに対する本発明の効果を類推
することができる。この時、炭素化合物分解用装置1を
構成する固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウ
ム(Y2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO
2 )を使用し、電極には白金ペーストの焼成により得ら
れた多孔性白金電極を使用した。
分の同一性から、PCBやダイオキシンの模擬物質とし
て用いられた。従って、クロロベンゼンに関する結果よ
り、PCBやダイオキシンに対する本発明の効果を類推
することができる。この時、炭素化合物分解用装置1を
構成する固体電解質2には、8モル%の酸化イットリウ
ム(Y2 O3 )を固溶させた酸化ジルコニウム(ZrO
2 )を使用し、電極には白金ペーストの焼成により得ら
れた多孔性白金電極を使用した。
【0107】分解は以下の通りに行なった。希釈ガスに
窒素を使用し、クロロベンゼンをパーミエーターを用い
てガス化し、この0.2%のクロロベンゼンを含むクロ
ロベンゼン反応ガスを出入口11から炭素化合物分解用
装置1の第一のケース8に供給し、出入口12を開け、
クロロベンゼンを連続的に通気した。そして第二のケー
ス10には出入口13から空気を供給した。
窒素を使用し、クロロベンゼンをパーミエーターを用い
てガス化し、この0.2%のクロロベンゼンを含むクロ
ロベンゼン反応ガスを出入口11から炭素化合物分解用
装置1の第一のケース8に供給し、出入口12を開け、
クロロベンゼンを連続的に通気した。そして第二のケー
ス10には出入口13から空気を供給した。
【0108】次に、ヒーターにより固体電解質2を70
0°Cで加熱した。次に直流電源6により固体電解質に
5ボルト迄の直流電圧を印加し、所定時間のクロロベン
ゼンの分解反応を行なった。反応の評価は、FIDガス
クロマトグラフィー装置へ分解反応後のケース8内のガ
スを供給し、行なった。尚、併せて分解時に固体電解質
2を流れる電流を測定し、その電流値から原子状酸素濃
度を計算により求めた。
0°Cで加熱した。次に直流電源6により固体電解質に
5ボルト迄の直流電圧を印加し、所定時間のクロロベン
ゼンの分解反応を行なった。反応の評価は、FIDガス
クロマトグラフィー装置へ分解反応後のケース8内のガ
スを供給し、行なった。尚、併せて分解時に固体電解質
2を流れる電流を測定し、その電流値から原子状酸素濃
度を計算により求めた。
【0109】
【表2】
【0110】結果は表2及び図13に示すが、図13
は、700°C条件下におけるクロロベンゼンの分解の
様子を示す図であり、700°C条件下におけるクロロ
ベンゼンの除去率と印加電圧の関係を示す図である。こ
こで、クロロベンゼンの除去率は、上記実施例4のFr
eon−113の除去率と同様にして求めた。
は、700°C条件下におけるクロロベンゼンの分解の
様子を示す図であり、700°C条件下におけるクロロ
ベンゼンの除去率と印加電圧の関係を示す図である。こ
こで、クロロベンゼンの除去率は、上記実施例4のFr
eon−113の除去率と同様にして求めた。
【0111】表及び図に示された結果より、電圧の印加
により、そしてその高さに依存してクロロベンゼンが分
解していることは明らかである。そして、4ボルトの電
圧の印加等の分解条件によりケース8内のクロロベンゼ
ン濃度は0にまで低下しており、非常に高い効率のクロ
ロベンゼンの分解が行なわれたことが分かる。
により、そしてその高さに依存してクロロベンゼンが分
解していることは明らかである。そして、4ボルトの電
圧の印加等の分解条件によりケース8内のクロロベンゼ
ン濃度は0にまで低下しており、非常に高い効率のクロ
ロベンゼンの分解が行なわれたことが分かる。
【0112】以上の結果から、本発明にかかる炭素化合
物分解用装置により高効率のクロロベンゼンの分解がな
されることが確認され、本発明にかかる炭素化合物分解
用装置が、PCBやダイオキシンの分解と除去に有効で
あることが示された。以上より、排気等の気体状の炭素
化合物、特にフロンガスやダイオキシン含む有害な炭素
化合物の除去において、使用する装置における追加のメ
ンテナンスの必要を無くし、高効率の分解効率を達成し
ながら、処理を低コスト化することが可能となった。
物分解用装置により高効率のクロロベンゼンの分解がな
されることが確認され、本発明にかかる炭素化合物分解
用装置が、PCBやダイオキシンの分解と除去に有効で
あることが示された。以上より、排気等の気体状の炭素
化合物、特にフロンガスやダイオキシン含む有害な炭素
化合物の除去において、使用する装置における追加のメ
ンテナンスの必要を無くし、高効率の分解効率を達成し
ながら、処理を低コスト化することが可能となった。
【0113】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、炭素化合
物、特に有害な炭素化合物の除去において、従来技術で
は必須であった触媒の交換等、使用する装置における追
加のメンテナンスの必要を無くし、長期間の安定的かつ
高効率な使用を可能とし、それによってかかる除去処理
を低コスト化することが可能である。
物、特に有害な炭素化合物の除去において、従来技術で
は必須であった触媒の交換等、使用する装置における追
加のメンテナンスの必要を無くし、長期間の安定的かつ
高効率な使用を可能とし、それによってかかる除去処理
を低コスト化することが可能である。
【0114】請求項2記載の発明によれば、炭素化合
物、特に有害な炭素化合物の除去処理において、高効率
にそれを行なうことが可能となる。請求項3記載の発明
によれば、分解対象が分子内に酸素を含有する場合、固
体電解質の陽極側でも陰極側でも分解させることが可能
であり、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
物、特に有害な炭素化合物の除去処理において、高効率
にそれを行なうことが可能となる。請求項3記載の発明
によれば、分解対象が分子内に酸素を含有する場合、固
体電解質の陽極側でも陰極側でも分解させることが可能
であり、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
【0115】請求項4記載の発明によれば、物質の燃焼
により排出された排気中の炭素化合物、特に有害な炭素
化合物の除去において、従来技術では必須であった触媒
の交換等、使用する装置における追加のメンテナンスの
必要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用を可能
とし、それによってかかる除去処理を低コスト化するこ
とが可能である。
により排出された排気中の炭素化合物、特に有害な炭素
化合物の除去において、従来技術では必須であった触媒
の交換等、使用する装置における追加のメンテナンスの
必要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用を可能
とし、それによってかかる除去処理を低コスト化するこ
とが可能である。
【0116】請求項5記載の発明によれば、フロンガス
やダイオキシンの除去において、従来技術では必須であ
った触媒の交換等、使用する装置における追加のメンテ
ナンスの必要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使
用を可能とし、それによってかかる除去処理を低コスト
化することが可能である。請求項6記載の発明によれ
ば、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
やダイオキシンの除去において、従来技術では必須であ
った触媒の交換等、使用する装置における追加のメンテ
ナンスの必要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使
用を可能とし、それによってかかる除去処理を低コスト
化することが可能である。請求項6記載の発明によれ
ば、高効率の炭素化合物の分解が可能となる。
【0117】請求項7記載の発明によれば、非常に高効
率な炭素化合物の分解が可能となる。請求項8記載の発
明によれば、高効率な炭素化合物の分解が可能となる。
請求項9記載の発明によれば、炭素化合物、特に有害な
炭素化合物の除去において、従来技術では必須であった
触媒の交換等、使用する装置における追加のメンテナン
スの必要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用が
可能であり、それによってかかる除去処理を低コストで
行なうことの出来る炭素化合物分解用装置の提供が可能
となる。
率な炭素化合物の分解が可能となる。請求項8記載の発
明によれば、高効率な炭素化合物の分解が可能となる。
請求項9記載の発明によれば、炭素化合物、特に有害な
炭素化合物の除去において、従来技術では必須であった
触媒の交換等、使用する装置における追加のメンテナン
スの必要を無くし、長期間の安定的かつ高効率な使用が
可能であり、それによってかかる除去処理を低コストで
行なうことの出来る炭素化合物分解用装置の提供が可能
となる。
【0118】請求項10記載の発明によれば、炭素化合
物、特に有害な炭素化合物の除去処理において、高効率
にそれを行なうことのできる炭素化合物分解用装置の提
供が可能となる。請求項11記載の発明によれば、炭素
化合物、特に有害な炭素化合物の除去処理において、高
効率にそれを行なうことのできる炭素化合物分解用装置
の提供が可能となる。
物、特に有害な炭素化合物の除去処理において、高効率
にそれを行なうことのできる炭素化合物分解用装置の提
供が可能となる。請求項11記載の発明によれば、炭素
化合物、特に有害な炭素化合物の除去処理において、高
効率にそれを行なうことのできる炭素化合物分解用装置
の提供が可能となる。
【0119】請求項12記載の発明によれば、分解対象
が分子内に酸素を含有する場合、固体電解質の陽極側で
も陰極側でも分解させることが可能な、高効率の炭素化
合物の分解を行なう炭素化合物分解用装置の提供が可能
となる。請求項13記載の発明によれば、物質の燃焼に
より排出された排気中の炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去において、従来技術では必須であった触媒の
交換等、追加のメンテナンスの必要が無く、長期間の安
定的かつ高効率な使用ができ、それによってかかる除去
処理を低コスト化することができる炭素化合物分解用装
置の提供が可能となる。
が分子内に酸素を含有する場合、固体電解質の陽極側で
も陰極側でも分解させることが可能な、高効率の炭素化
合物の分解を行なう炭素化合物分解用装置の提供が可能
となる。請求項13記載の発明によれば、物質の燃焼に
より排出された排気中の炭素化合物、特に有害な炭素化
合物の除去において、従来技術では必須であった触媒の
交換等、追加のメンテナンスの必要が無く、長期間の安
定的かつ高効率な使用ができ、それによってかかる除去
処理を低コスト化することができる炭素化合物分解用装
置の提供が可能となる。
【0120】請求項14記載の発明によれば、フロンガ
スやダイオキシンの除去において、従来技術では必須で
あった触媒の交換等の追加のメンテナンスの必要が無
く、長期間の安定的かつ高効率な使用が可能であり、そ
れによってかかる除去処理を低コスト化することができ
る炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。請求項1
5記載の発明によれば、高効率の炭素化合物の分解を行
なう炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。
スやダイオキシンの除去において、従来技術では必須で
あった触媒の交換等の追加のメンテナンスの必要が無
く、長期間の安定的かつ高効率な使用が可能であり、そ
れによってかかる除去処理を低コスト化することができ
る炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。請求項1
5記載の発明によれば、高効率の炭素化合物の分解を行
なう炭素化合物分解用装置の提供が可能となる。
【0121】請求項16記載の発明によれば、高効率の
炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解用装置の提供
が可能となる。請求項17記載の発明によれば、非常に
高効率な炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解用装
置の提供が可能となる。請求項18記載の発明によれ
ば、高効率な炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解
用装置の提供が可能となる。
炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解用装置の提供
が可能となる。請求項17記載の発明によれば、非常に
高効率な炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解用装
置の提供が可能となる。請求項18記載の発明によれ
ば、高効率な炭素化合物の分解ができる炭素化合物分解
用装置の提供が可能となる。
【図1】本発明にかかる一実施形態である炭素化合物分
解用装置の構成の概略を説明する図である。
解用装置の構成の概略を説明する図である。
【図2】本発明にかかる一実施形態である炭素化合物分
解用装置の第一変形例の構成の概略を説明する図であ
る。
解用装置の第一変形例の構成の概略を説明する図であ
る。
【図3】本発明にかかる一実施形態である炭素化合物分
解用装置の第二変形例の構成の概略を説明する図であ
る。
解用装置の第二変形例の構成の概略を説明する図であ
る。
【図4】本発明にかかる一実施形態である炭素化合物分
解用装置の第三変形例の使用例を説明する図である。
解用装置の第三変形例の使用例を説明する図である。
【図5】300°C条件下におけるアセトンの分解の様
子を示す図である。
子を示す図である。
【図6】350°C条件下におけるアセトンの分解の様
子を示す図である。
子を示す図である。
【図7】400°C条件下におけるアセトンの分解の様
子を示す図である。
子を示す図である。
【図8】450°C条件下におけるアセトンの分解の様
子を示す図である。
子を示す図である。
【図9】500°C条件下におけるアセトンの分解の様
子を示す図である。
子を示す図である。
【図10】300°C条件下におけるアセトアルデヒド
の分解の様子を示す図である。
の分解の様子を示す図である。
【図11】300°Cから500°C条件下における変
換率と印加電圧の関係を示す図である。
換率と印加電圧の関係を示す図である。
【図12】700°C条件下におけるフロンガス Fr
eon−113の分解の様子を示す図である。
eon−113の分解の様子を示す図である。
【図13】700°C条件下におけるクロロベンゼンの
分解の様子を示す図である。
分解の様子を示す図である。
【符号の説明】 1,21,31,41 炭素化合物分解用装置 2,32 固体電解質 3,33 電圧印加手段 4,34 陽極 5,35 陰極 6,36 直流電源 8 第一のケース 10 第二のケース 11,12,13,14 気体の出入口 42 排気管
Claims (18)
- 【請求項1】 固体電解質に直流電圧を印加することに
より該固体電解質の陽極側に発生した原子状の酸素を用
いて炭素化合物を分解することを特徴とする炭素化合物
の分解方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の炭素化合物の分解方法に
おいて、 前記直流電圧の印加された固体電解質の陽極側に前記炭
素化合物を供給し、該固体電解質の陰極側に酸素分子を
供給して、炭素化合物を分解することを特徴とする炭素
化合物の分解方法。 - 【請求項3】 請求項1記載の炭素化合物の分解方法に
おいて、 前記直流電圧の印加された固体電解質の陰極側で、還元
反応により炭素化合物を分解することを特徴とする炭素
化合物の分解方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のうち何れか一項
記載の炭素化合物の分解方法において、 前記炭素化合物は物質の燃焼により発生する排気中に含
まれる炭素化合物であることを特徴とする炭素化合物の
分解方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のうち何れか一項
記載の炭素化合物の分解方法において、 前記炭素化合物は一般式Cp Hq Fr Cls (pは自然
数であり、q,r及びsは何れも0以上の整数。)で表
されるフロンガス又はダイオキシンの何れかであること
を特徴とする炭素化合物の分解方法。 - 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のうち何れか一項
記載の炭素化合物の分解方法において、 前記固体電解質は、酸化イットリウム(Y2 O3 )を固
溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )からなることを
特徴とする炭素化合物の分解方法。 - 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のうち何れか一項
記載の炭素化合物の分解方法において、 前記固体電解質は、組成式Ce1-y (Sm1-x Mx )y
O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<1,MはLi,Na
及びKの少なくとも1つ。)、又は組成式Zr 1-y (Y
1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<1,M
はLi,Na及びKの少なくとも1つ。)の何れかで表
される材料からなることを特徴とする炭素化合物の分解
方法。 - 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のうち何れか一項
記載の炭素化合物の分解方法において、 前記固体電解質を加熱して炭素化合物を分解することを
特徴とする炭素化合物の分解方法。 - 【請求項9】 固体電解質と、該固体電解質に直流電圧
を印加する電圧印加手段とからなり、 該固体電解質に直流電圧を印加することにより該固体電
解質の陽極側に発生した原子状の酸素を用いて炭素化合
物を分解する構成とされたことを特徴とする炭素化合物
分解用装置。 - 【請求項10】 請求項9記載の炭素化合物分解用装置
において、 前記直流電圧の印加された固体電解質の陽極側に前記炭
素化合物を供給する供給手段を具備することを特徴とす
る炭素化合物分解用装置。 - 【請求項11】 請求項9又は請求項10の何れか記載
の炭素化合物分解用装置において、 前記直流電圧の印加された固体電解質の陰極側に酸素分
子を供給する酸素供給手段を具備することを特徴とする
炭素化合物分解用装置。 - 【請求項12】 請求項9又は請求項10の何れか記載
の炭素化合物分解用装置において、 前記直流電圧の印加された固体電解質の陰極側で、還元
反応により炭素化合物を分解する構成とされたことを特
徴とする炭素化合物分解用装置。 - 【請求項13】 請求項9乃至請求項12のうち何れか
一項記載の炭素化合物分解用装置において、 前記炭素化合物は、物質の燃焼により発生する排気中に
含まれる炭素化合物であることを特徴とする炭素化合物
分解用装置。 - 【請求項14】 請求項9乃至請求項13のうち何れか
一項記載の炭素化合物分解用装置において、 前記炭素化合物は一般式Cp Hq Fr Cls (pは自然
数であり、q,r及びsは何れも0以上の整数。)で表
されるフロンガス又はダイオキシンの何れかであること
を特徴とする炭素化合物分解用装置。 - 【請求項15】 請求項9乃至請求項14のうち何れか
一項記載の炭素化合物分解用装置において、 前記電圧印加手段は、前記固体電解質上に設けられた二
つの多孔性電極と、該二つの電極それぞれに接続された
直流電源とからなることを特徴とする炭素化合物分解用
装置。 - 【請求項16】 請求項9乃至請求項15のうち何れか
一項記載の炭素化合物分解用装置において、 前記固体電解質は、酸化イットリウム(Y2 O3 )を固
溶させた酸化ジルコニウム(ZrO2 )からなることを
特徴とする炭素化合物分解用装置。 - 【請求項17】 請求項9乃至請求項15のうち何れか
一項記載の炭素化合物分解用装置において、 前記固体電解質は、組成式Ce1-y (Sm1-x Mx )y
O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<1,MはLi,Na
及びKの少なくとも1つ。)、又は組成式Zr 1-y (Y
1-x Mx )y O2-xy-y/2(0≦x<1,0<y<1,M
はLi,Na及びKの少なくとも1つ。)の何れかで表
される材料からなることを特徴とする炭素化合物分解用
装置。 - 【請求項18】 請求項9乃至請求項17のうち何れか
一項記載の炭素化合物分解用装置において、 前記固体電解質を加熱可能な加熱手段を具備することを
特徴とする炭素化合物分解用装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10150116A JPH11342312A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 固体電解質を用いた炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10150116A JPH11342312A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 固体電解質を用いた炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11342312A true JPH11342312A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=15489847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10150116A Pending JPH11342312A (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 固体電解質を用いた炭素化合物の分解方法及び炭素化合物分解用装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11342312A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006224037A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 酸化反応促進方法及びその装置 |
WO2009125716A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 住友電気工業株式会社 | ガス分解素子およびガス分解方法 |
JP2021133329A (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-13 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | Voc電気化学式浄化ユニットおよび浄化方法 |
-
1998
- 1998-05-29 JP JP10150116A patent/JPH11342312A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006224037A (ja) * | 2005-02-18 | 2006-08-31 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 酸化反応促進方法及びその装置 |
WO2009125716A1 (ja) * | 2008-04-09 | 2009-10-15 | 住友電気工業株式会社 | ガス分解素子およびガス分解方法 |
US8641887B2 (en) | 2008-04-09 | 2014-02-04 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Gas decomposition apparatus and method for decomposing gas |
US9446350B2 (en) | 2008-04-09 | 2016-09-20 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Gas decomposition apparatus and method for decomposing gas |
JP2021133329A (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-13 | 株式会社ノリタケカンパニーリミテド | Voc電気化学式浄化ユニットおよび浄化方法 |
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