JPH11340544A - 有機単分子膜の形成方法 - Google Patents

有機単分子膜の形成方法

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JPH11340544A
JPH11340544A JP10148869A JP14886998A JPH11340544A JP H11340544 A JPH11340544 A JP H11340544A JP 10148869 A JP10148869 A JP 10148869A JP 14886998 A JP14886998 A JP 14886998A JP H11340544 A JPH11340544 A JP H11340544A
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JP
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probe
semiconductor substrate
pattern
substrate
cantilever
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JP10148869A
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Kimitaka Ono
公隆 大野
Satoko Mitarai
郷子 御手洗
Kazushi Fujioka
一志 藤岡
Mikihiro Yamanaka
幹宏 山中
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Micromachines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の有機単分子膜の形成方法では、単純な
直線あるいはT字型のパターン形成しかできなかった。
従って、ナノメータレベルの幅を有し、かつ、ピンホー
ルが無く規則正しく分子が配列した自己組織化有機単分
子膜の任意のパターンを作製することのできる有機単分
子膜の形成方法が求められていた。 【解決手段】 上記問題を解決するための本発明に係る
有機単分子膜の形成方法は、表面に保護膜を有する半導
体基板に、探針を用いて前記保護層を除去することで所
望のパターン形成を行い、前記パターン形成によって露
出した半導体基板にチオール分子を吸着させることで、
選択的に有機単分子膜をパターン形成することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走査型ブローブ顕
微鏡を利用した有機単分子膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】次世代有機デバイス作製を実現させるた
めには、ナノメータサイズの良質で複雑な構造を有した
有機膜構造を構築すること、あるいは有機分子間及び有
機分子内の導電性等の基礎物性を調べるための分子レベ
ルでの有機分子の構造制御を行うことが重要な技術であ
る。従来、微細加工技術として用いられている半導体プ
ロセス技術に代表される電子線、イオン線、紫外線及び
X線等を用いたリソグラフイー技術では、15nmの線
幅の有機膜を作製するのが限界であり、これらの有機膜
は厚さが1μmと厚く高分子である為、ナノメータある
いは分子レベルで有機膜の構造を制御するには不向きな
技術であった。また、上記リソグラフイーによる微細加
工を用いた場合、ラインエッジが照射損傷を受けるため
必ずしも良質な有機膜構造を得られないという欠点があ
った。
【0003】上記の欠点を解消する対策として自己組織
化(self-OrganizationあるいはSelf-assembly)を用い
た各種基板上への有機単分子膜あるいは多層膜作製につ
いて、An Introduction to Ultrathin Organic Films F
rom Langmuir-Blodgette toSelf-Assembly:Abraham Ulm
an,Academic Pressl991などによる報告がなされてい
る。さらに、自己組織化を用いたナノ構造を作製する方
法が特開平9一237926号公報に記載されている。
GaAs基板にのみ選択的に吸着し得るメルカプタン分
子を溶媒に溶かし込んだ溶液中で、AlGaAs/Ga
Asヘテロ構造基板を劈開することにより、GaAs層
の表面にのみメルカプタン単分子が吸着され、良質でか
つ配列構造を有するナノ構造有機単分子膜を作製し、最
小幅10nmの有機膜が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、持開平
9−237926号公報に記載されている方法では、メ
ルカプタン溶媒を溶かし込んだ溶液中で劈開することで
清浄な断面のGaAs表面へのメルカプタン単分子の選
択化学吸着を利用している為、線幅や線と線との間隔は
基板のGaAs/AlGaAsの層間隔を変化させるこ
とや、ヘテロ構造を成長後劈開し、さらにその劈開面上
にGaAs−AlGaAs等の積層構造を成長させるこ
とにより制御している。そのため、複雑な形状に有機単
分子膜を形成することが困難であり、特開平9−237
926号公報の方法では、T−Shape構造のような
単純な構造を作製するのが限界であり、ナノメータレベ
ルで任意の形状のパターンを形成することが極めて困難
であった。一方、分子間及び分子内の導電性等の測定装
置の構造を実現するには、より複雑な構造のパターニン
グが必要であることが分かってきており、より複雑な構
造を有する有機単分子膜の形成が求められている。
【0005】本発明は、このような事情の下になされた
ものであり、その目的はナノメータレベルの幅を有し、
かつ、ピンホールが無く規則正しく分子が配列した自己
組織化有機単分子膜の任意のパターンを作製することの
できる有機単分子膜の形成方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る有機単分子
膜の形成方法は、表面に保護膜を有する半導体基板を非
酸化雰囲気内に載置し、探針を用いて前記半導体基板表
面上の保護層を除去することで所望のパターン形成を行
い、前記パターン形成されることによって露出した半導
体基板にチオール分子を吸着させることで、選択的に有
機単分子膜をパターン形成することを特徴とする。
【0007】前記探針を用いて保護膜を除去する方法
が、探針から半導体基板に所望の力を与えたまま、探針
を半導体基板に対して相対的に移動させることであるこ
と、または、探針と半導体基板との間に電圧を印加した
まま、探針を半導体基板に対して相対的に移動させるこ
とであることを特徴とする。
【0008】前記チオール分子を吸着させる方法が、前
記半導体基板をチオール分子を含む溶液に浸漬するこ
と、あるいは、前記半導体基板を真空装置内に載置し、
前記真空装置内にチオール分子を含む気体を供給するこ
とを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本実施例で用いた有機単
分子膜の微細加工装置の概略図である。1は原子間力顕
微鏡のカンチレバーであり、周知の光てこ方式の原子間
力顕微鏡(AFM)の取付部に取り付けられている。2
は自然酸化あるいは硫黄処理されたIII−V族半導体
基板である。3はXYZの移動が可能な三次元ピエゾス
キャナである。4は液体セルであり、基板表面及びカン
チレバー1が所定の少なくとも1種類のチオール分子を
含む溶液5に満たされ、かつ、溶液5がピエゾスキャナ
3に触れることが無いように密閉されている。6はカン
チレバー1の動作を制御するための制御部であり、7は
カンチレバーの探針であり、8は探針に接続された配線
であり、9は探針に電圧を印加する際のスイッチであ
る。10はAFM像を検出するための基板レーザ発振装
置であり、11は基板レーザ発振装置から出射されるレ
ーザ光であり、12は反射されたレーザ光を検出するた
めの4分割フォトダイオードである。
【0010】また、図2では、図1で示す微細加工装置
による保護膜付きIII−V族半導体基板上への有機単
分子膜の微細加工に関する処理工程を示す。本実施例で
の処理工程は、まず有機単分子膜を形成すべきラインの
始点付近の保護膜22の表面のAFM像の観察を行い、
その後に保護膜の剥離及び有機単分子膜の選択パターニ
ングを行う。
【0011】尚、III−V族半導体基板21の表面に
は、予め、保護膜22として自然酸化膜あるいは硫黄原
子膜が形成されている。保護膜22の作製方法として
は、基板表面を酸やアルカリなどのエッチングにより基
板表面を清浄化したり、あるいは劈開法により基板の清
浄面を露出させた後、大気中にしばらく放置することに
より自然酸化膜を形成することで作製できる。また、こ
の他に上記と同様な方法にて基板表面を清浄化した後、
硫化アンモニウムや過硫化アンモニウムの溶液中に浸漬
し、表面を数nm厚の硫黄の層を作製する方法を用いて
も良い。さらに、同様な方法にて基板表面を清浄化した
後、水素プラズマ処理を施すことにより、基板表面を水
素終端化し保護膜にする方法を用いても良い。これらの
方法以外にも、面内で均一なnmオーダーの保護膜を形
成できる方法ならどの様な方法を用いても構わない。
【0012】まず、予め決められたパターンにより定ま
るラインに沿って保護膜22を剥離する場合には、基板
の位置関係を確認するために、まず、剥離すべきライン
の始点付近の表面をカンチレバーで走査して、そのAF
M像を観察する必要がある。詳細には、この際、制御部
6が、基板2(III−V族半導体基板21、保護層2
2)を載置した3次元ピエゾスキャナに印加する電圧を
制御する走査回路(不図示)を駆動して基板を水平面内
で適当に移動させながら、4分割フォトダイオード12
で検出されるカンチレバーで反射された基板レーザ発振
装置10からのレーザ光11の強度比較によって、保護
膜22と探針7の先端との接触に伴うマイクロてこの撓
み角を算出し、これを保護膜22の凹凸情報としてメモ
リに順次格納する。その結果、映像装置表示装置(不図
示)には、こうしてメモリに格納された一連の凹凸情報
に基づいて再現される保護膜22の保護膜のAFM像が
表示される。
【0013】このようにして獲得された、剥離すべきラ
インの始点付近の保護膜の表面のAFM像に基づいて、
3次元ピエゾスキャナに印加する電圧を制御する走査回
路を駆動して、保護膜の表面の剥離すべきラインの始点
に対して、カンチレバーの探針の位置決めをする。次
に、その時点でフォースカーブを取り、三次元ピエゾス
キャナに加える電圧に対応する基板2と探針7との距離
の関係を調査する。次に得られたフォースカーブに基づ
き、カンチレバー1の基板に与える力を所定の力になる
ようにピエゾスキャナの印加電圧を調整すると、カンチ
レバーの先端の探針により保護膜22が除去される。こ
の時の微細加工工程を図2(a)に示す。
【0014】さらに、この時の探針の先端と保護膜22
の表面との力を一定に保ちつつ、3次元スキャナに印加
する電圧を制御する走査回路を駆動して、この探針の先
端を保護膜22の表面に対して相対的に移動させること
により、予め設計された回路パターンにより定まるライ
ンに沿って保護膜22を剥離させてパターンを形成す
る。その結果、保護膜22が除去された清浄なIII−
V族半導体基板表面は、溶液5に曝されることになる。
この時の微細加工工程を図2(b)に示す。
【0015】その為、保護膜22が除去されて露出した
清浄なIII−V族半導体基板21と溶液5中の分子と
が反応して、上記の一連の操作によって得られたパター
ン状にチオール分子が1分子吸着した自己組織化単分子
膜23が得られることになる。この時の微細加工工程を
図2(c)に示す。
【0016】上記保護膜除去方法としては、カンチレバ
ー1の探針で基板2に所定の力を加えることで行った
が、上記と同様な装置を用いて、カンチレバーを導電性
カンチレバーに変更して基板との間に電圧を印加するこ
とにより基板2の表面に形成されている保護膜22を除
去することにより、自己組織化有機単分子膜のパターン
形成も行うことができる。その為には、カンチレバーの
探針7に導電性を持たせため、化学的に安定な白金や金
の導体あるいは溶液中に安定な酸化被覆を形成するチタ
ンやニッケル等でカンチレバーを被覆することが挙げら
れる。そして、探針7の被覆には、電極から引き出され
た配線8がそれぞれ接続されており、加工物の表面(本
実施の形態では、基板表面に形成された酸化膜あるいは
硫黄原子膜)を除去する際には、制御部6からスイッチ
9により探針の先端と基板表面との間に電圧が印加され
るようになっている。カンチレバー1に形成された探針
7を導体等の被覆で覆って、探針の先端に電圧を供給す
ることを行ったが、必ずしもこのようにする必要は無
く、例えば探針自体を、タングステンや白金等の導体、
あるいは適当な不純物を高濃度にドープしたシリコンも
しくは適当なイオンを注入したダイヤモンド等で形成
し、これをカンチレバーに接合しても構わない。
【0017】また、上記の実施の方法では、非酸化雰囲
気内で有機単分子膜形成を行うためにチオール分子を含
む溶液5中にて保護膜22を剥離したが、これらの微細
加工装置を超高真空排気装置の中に組み込み同様なパタ
ーニングを形成した後、クヌードセンセル(チオール分
子が常温で固体の場合)やボトル内に封じ込められたチ
オール分子をバリアブルリークバルブ(チオール分子が
常温で液体状の場合)を用いて、超高真空中にチオール
分子を導入することにより、III−V族半導体基板2
上にパターニングによって清浄面が表面に露出した領域
のみに自己組織化有機単分子膜を形成することが可能で
ある。
【0018】このように、有機単分子膜の微細加工装置
によれば、従来法に示された直線上のパターンのみでは
なく、任意の形状のパターンを形成することが可能とな
る。また、上記の構造を作製した後、保護膜上に特異的
に吸着しうる有機分子を含む溶液中に基板を浸漬するこ
とで、より複雑な有機単分子膜の微細構造も形成でき
る。
【0019】以下、微細加工装置を用いて行ったIII
−V族半導体基板の自己組織化有機単分子膜の選択形成
の具体的な実施例について説明する。 [実施例1]本実施例では、先端径50nmの探針が形
成されたカンチレバーを使用した。GaAs基板を大気
中で劈開後30分放置し、形成した自然酸化膜(厚さ約
0.3nm、エリプソメータにて測定)を試料ホルダー
にセットした。その後、セル内をエタノール溶媒1mM
オクタデシルメルカプタン(CH3(CH217SH)溶
液を満たし、カンチレバーホルダーを所定の位置にセッ
トした。そして、カンチレバーの探針の基板に対する力
を約10nNに維持したまま、相対速度100nm/秒
で移動させた。移動後のAFM像の観察により、幅が2
0nmのラインが約0.5nmの深さであり、表面の薄
い酸化膜が剥離されていることを確認した。そのままの
状態で基板を1時間放置したものをAFM像により観察
すると、幅が20nmで高さが0.8nmのラインに変
化していることが分かった。このラインの近傍を摩擦力
顕微鏡を用いて調べたところ、ライン上は他の領域に比
べ摩擦力が小さく、選択的にオクタデシルメルカプタン
の自己組織化単分子膜が形成されていることが確認され
た。この際、保護膜22を剥離する際の、カンチレバー
に加える力は1nN〜500nNが好ましく、100〜
500nNがより好ましい。また、カンチレバーを走査
する速度は、1〜10μm/秒が好ましく、3〜7μm
がより好ましい。
【0020】[実施例2]本実施例では、先端径100
nmの探針が形成されたカンチレバーを使用した。In
Sb基板を大気中で劈開後、硫化アンモニア溶液に5分
間浸漬し硫黄膜(厚さ約0.2nm、光電子分光法にて
測定)を形成させたものを試料ホルダーにセットした。
その後、セル内をエタノール溶媒0.2mMヘキサデシ
ルメルカプタン(CH3(CH215SH)溶液を満た
し、カンチレバーホルダーを所定の位置にセットした。
そして、カンチレバーの探針の基板に対する電圧を約4
Vに維持したまま、相対速度3μm/秒で移動させた。
移動後のAFM像の観察により、幅が50nmのライン
が約0.3nmの深さであり、表面の薄い酸化膜が剥離
されていることを確認した。そのままの状態で基板を2
0分放置したものをAFM像により観察すると、幅が5
0nmで高さが1.3nmのラインに変化していること
が分かった。このラインの近傍を摩擦力顕微鏡を用いて
調べたところ、ライン上は他の領域に比べ摩擦力が小さ
く選択的にヘキサデシルメルカプタンの自己組織化単分
子膜が形成されていることが確認された。この際、保護
膜22を剥離する際の、カンチレバーに与える電圧は1
〜10Vが好ましく、1〜4Vがより好ましいが、これ
らの電圧は基板の種類、基板の導電性によって異なるた
め、基板の種類やその抵抗率によって調節しなければな
らない。また、カンチレバーを走査する速度は、1〜1
0μm/秒が好ましく、3〜7μmがより好ましいが、
探針−基板間に印加する電圧によって調節しなければな
らない。我々の実験によれば、基板探針間の電圧を固定
した場合、走査速度を速くすることにより硫黄膜が除去
される幅が小さくなることが分かっている。従って、走
査速度を変化させることによって、有機単分子膜の線幅
を自由に変化させることが可能である。
【0021】[実施例3]本実施例では、微細加工装置
を超高真空排気装置内(真空度約1×10-10Torr)に
導入し先端径50nmの探針が形成されたカンチレバー
を使用した。InAs基板を大気中で劈開後、1時間水
素プラズマ中に暴露し水素終端化処理を施したものを、
ロードロックチヤンバー内で真空荒引き後、超高真空槽
内の試料ホルダーにセットした。そして、カンチレバー
の探針の基板に対する電圧を約3Vに維持したまま、相
対速度500nm/秒で移動させた。移動後のAFM像
の観察により、幅が10nmのラインが約0.4nmの
深さであり、表面の薄い酸化膜が剥離されていることを
確認した。さらに、そのままの状態で基板を、予め用意
されたドデシルメルカプタンが封入されたボトルをバリ
アブルリークバルブを徐々に開け、真空度約10-8Torr
に到達するまでドデシルメルカプタン分子を超高真空内
に導入した。そのまま1時間放置したものをAFM像に
より観察すると、幅が10nmで高さが0.5nmのラ
インに変化していることが分かり選択的にドデシルメル
カプタンの自己組織化学分子膜が形成されていることが
確認された。本実施例では、保護膜22を剥離する際の
カンチレバーに与える電圧は1〜10Vが好ましく、3
〜7Vがより好ましいが、電圧は基板の種類、基板の導
電性によって異なるため、基板の種類やその抵抗率によ
って調節しなければならない。また、カンチレバーを走
査する速度は、1〜10μm/秒が好ましく、0.5〜
3μmがより好ましいが、探針−基板間に印加する電圧
によって調節しなければならない。我々の実験によれ
ば、基板−探針間の電圧を固定した場合、走査速度を速
くすることにより硫黄膜が除去される幅が小さくなるこ
とが分かっている。また、本実施例では走査型原子間力
顕微鏡を用いたが、本実施例と同様なことができれば走
査型トンネル顕微鏡を用いても良い。
【0022】本実施例では真空度約10-8Torrでチオー
ル分子を含む気体を供給したが、真空度10-6Torr以下
の真空度にすれば有機単分子膜を形成することができ
た。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る有機単分子膜の形成方法に
よれば、薄い保護膜で被覆された半導体基板の任意の場
所を探針の機械的あるいは電界蒸発により保護層を剥離
するので、従来法では不可能であった複雑な形状の自己
組繊化有機単分子のパターニングがナノメータレベルで
実現させることが可能となる。さらに、探針の形状や探
針と基板の間に加える力あるいは電圧を変化させること
により、形成すべき線幅を制御することも可能である。
これにより、これまで困難であった分子そのものの導電
性の評価や、分子デバイスを作製するための複雑な構造
を形成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る微細加工装置を示す
図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る微細加工の工程を示
す図である。
【符号の説明】
1 カンチレバー 2 基板 3 ピエゾスキャナ 4 液体セル 5 溶液 6 制御部 7 探針 8 配線 9 スイッチ 10 基板レーザ発振装置 11 レーザ光 12 4分割フォトダイオード 21 III−V族半導体基板 22 保護膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 幹宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に保護膜を有する半導体基板を非酸
    化雰囲気内に載置し、探針を用いて前記半導体基板表面
    上の保護層を除去することで所望のパターン形成を行
    い、前記パターン形成によって露出した半導体基板にチ
    オール分子を吸着させることで、選択的に有機単分子膜
    をパターン形成することを特徴とする有機単分子膜の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記探針を用いて保護膜を除去する方法
    が、探針から半導体基板に所定の力を与えたまま、探針
    を半導体基板に対して相対的に移動させることであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の有機単分子膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記探針を用いて保護膜を除去する方法
    が、探針と半導体基板との間に電圧を印加したまま、探
    針を半導体基板に対して相対的に移動させることである
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機単分子膜の形成
    方法。
  4. 【請求項4】 前記チオール分子を吸着させる方法が、
    前記半導体基板をチオール分子を含む溶液に浸漬するこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の有機
    単分子膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記チオール分子を吸着させる方法が、
    前記半導体基板を真空装置内に載置し、前記真空装置内
    にチオール分子を含む気体を供給することを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載の有機単分子膜の形成
    方法。
JP10148869A 1998-05-29 1998-05-29 有機単分子膜の形成方法 Pending JPH11340544A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007101352A1 (en) * 2006-03-09 2007-09-13 The University Of Western Ontario Method of selective removal of organophosphonic acid molecules from their self-assembled monolayer on si substrates

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007101352A1 (en) * 2006-03-09 2007-09-13 The University Of Western Ontario Method of selective removal of organophosphonic acid molecules from their self-assembled monolayer on si substrates

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