JPH1133839A - 圧入方法 - Google Patents

圧入方法

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JPH1133839A
JPH1133839A JP19717697A JP19717697A JPH1133839A JP H1133839 A JPH1133839 A JP H1133839A JP 19717697 A JP19717697 A JP 19717697A JP 19717697 A JP19717697 A JP 19717697A JP H1133839 A JPH1133839 A JP H1133839A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】第1部材に運動エネルギを付与して第1部材を
第2部材に衝突により圧入する方法において、運動エネ
ルギのばらつき等にもかかわらず、第1部材と第2部材
との圧入長さを安定化させる。 【解決手段】圧入の終了時に、第1部材10と第2部材
12とをそれらの接近方向に対して直角な平面に対して
傾斜するストッパ面30を介して互いに衝突させる。そ
れにより、それら2部材10,12の衝突時に第1部材
10から第2部材12に余剰力が作用する場合に、その
余剰力に応じて第2部材12から第1部材10に作用す
る跳ね返り力の大きさがその余剰力より小さくなる。そ
の結果、第1部材10の第2部材12から跳ね返りが抑
制され、運動エネルギのばらつき等にもかかわらず、2
部材10,12の圧入長さLが安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、第1部材を第2部
材に圧入する技術に関するものであり、特に、第1部材
と第2部材との少なくとも一方に相互に接近する向きに
運動エネルギを付与して第1部材を第2部材に衝突によ
り圧入する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記圧入技術は第1部材と第2部材との
少なくとも一方の慣性を利用してそれら2部材の圧入を
行う技術である。この圧入技術は特開平9−66421
号公報に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】圧入技術においては一
般に、2部材の圧入長さを安定化させる技術が要望され
る。この要望を満たすべく、本発明者は上記圧入技術に
おいて、圧入の終了時に、2部材をそれらの接近方向に
対して直角なストッパ面において互いに衝突させる技術
を提案した。
【0004】その提案技術の一具体例は、図8に示すよ
うに、第1部材100および第2部材102にそれらの
接近方向に対して直角なストッパ面104,106をそ
れぞれ設けるとともに、第1部材100に運動エネルギ
を、第1部材100に実際に付与される運動エネルギの
ばらつき,第1部材100および第2部材102の圧入
代S(図9参照)のばらつきおよび第1部材100およ
び第2部材102の材料の硬度のばらつきにもかかわら
ず、第1部材100がそれのストッパ面104で確実に
第2部材102のストッパ面106に衝突する大きさで
付与し、それにより、圧入の終了時に、2部材100,
102をそれらの接近方向に対して直角なストッパ面1
04,106において互いに衝突させる技術である。
【0005】しかし、この提案技術においては、圧入終
了時に2部材がそれらの接近方向に直角なストッパ面に
おいて互いに衝突させられるため、2部材の圧入長さL
が運動エネルギのばらつき,圧入代Sのばらつきまたは
材料硬度のばらつきに応じて敏感に変動してしまう。そ
のため、この提案技術では、それら圧入条件のばらつき
に起因して圧入長さLが十分には安定化しない場合があ
る。以下、具体的に説明する。
【0006】この提案技術においては、上記のように、
圧入条件のばらつきにもかかわらず、第1部材100が
それのストッパ面104で確実に第2部材102のスト
ッパ面106に衝突するように運動エネルギの大きさが
設定されるため、大抵の場合において、真に必要な運動
エネルギより大きい運動エネルギが第1部材100に付
与されることになる。そのため、大抵の場合において、
第1部材100がそれのストッパ面104で第2部材1
02のストッパ面106に接触する瞬間に、第1部材1
00の運動エネルギが0とならず、余剰分を含むことに
なる。この運動エネルギの余剰分に基づき、圧入終了時
に、図9に示すように、第1部材100から第2部材1
02に、第1部材100の運動エネルギの余剰分に基づ
く余剰力F1 が作用することになり、さらに、その余剰
力F1 に応じて第2部材102から第1部材100に跳
ね返り力F2 が作用することになる。このとき、ストッ
パ面104,106が2部材100,102の接近方向
(衝突方向)に直角であるため、跳ね返り力F2 は余剰
力F1 と等しい大きさを有することになる。そのため、
圧入条件にばらつきが発生し、それに応じて運動エネル
ギの余剰分すなわち余剰力F1 にばらつきが発生すれ
ば、そのばらつきに敏感に応答して跳ね返り力F2 が発
生することになる。その結果、圧入条件のばらつきに敏
感に応答して、第1部材100が第2部材102から跳
ね返る距離が変動してしまい、よって、圧入長さLが十
分には安定化しないのである。
【0007】本発明は以上の事情を背景としてなされた
ものであり、その課題は、運動エネルギのばらつき,圧
入代のばらつきおよび材料硬度のばらつきにもかかわら
ず、2部材の圧入長さが十分に安定化する圧入方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段,作用および効果】その課
題は、本発明により、第1部材と第2部材との少なくと
も一方に相互に接近する向きに運動エネルギを付与して
第1部材を第2部材に衝突により圧入する圧入方法を、
その圧入の終了時に、第1部材と第2部材とをそれらの
接近方向に対して直角な平面に対して傾斜するストッパ
面において互いに衝突させるものとすることによって解
決される。
【0009】圧入終了時に、第1部材と第2部材とをそ
れらの接近方向に対して直角なストッパ面において衝突
させる場合には、衝突時に各部材から相手部材に作用す
る余剰力と大きさが等しい跳ね返り力が、相手部材から
各部材に接近方向とは逆向きに作用することになる。こ
れに対して、圧入終了時に、第1部材と第2部材とをそ
れらの接近方向に対して直角な平面に対して傾斜するス
トッパ面において衝突させる場合には、衝突時に各部材
から相手部材に作用する余剰力より大きさが小さい跳ね
返り力が、相手部材から各部材に接近方向とは逆向きに
作用することになる。したがって、余剰力の大きさが同
じ状況でありながら、後者の場合に前者の場合における
より、衝突時に各部材が相手部材から受ける跳ね返り力
が低下し、衝突時に余剰力によって各部材が相手部材か
ら跳ね返る距離が短くなる。
【0010】以上の知見に基づき、上記圧入方法におい
ては、圧入の終了時に、第1部材と第2部材とがそれら
の接近方向に対して直角な平面に対して傾斜するストッ
パ面において互いに衝突させられる。
【0011】したがって、この圧入方法によれば、運動
エネルギのばらつき,圧入代のばらつきおよび材料硬度
のばらつきに対する跳ね返り力の大きさの感受性が鈍感
になり、それらばらつきにもかかわらず2部材の圧入長
さが十分に安定化するという効果が得られる。
【0012】この圧入方法は一般に、第1部材をそれの
棒状部分において、第2部材にそれの穴状部分において
圧入する形態で実施される。第1部材は、断面形状が一
定で真っ直ぐに延びる部材としたり、段付き棒等、断面
形状の変化を伴って真っ直ぐに延びる部材とすることが
できる。また、第2部材は、底部を有する穴を有する部
材としたり、底部を有しない穴を有する部材とすること
ができる。また、この圧入方法は、第1部材のみに運動
エネルギを付与して第1部材の棒状部分を第2部材の穴
状部分にしまり嵌合させる形態で実施したり、第2部材
のみに運動エネルギを付与して第2部材の穴状部分を第
1部材の棒状部分にしまり嵌合させる形態で実施するこ
とができる。また、この圧入方法は、第1部材と第2部
材との双方にそれぞれ運動エネルギを付与してそれら2
部材を相互に接近させて衝突させる形態で実施すること
もできる。また、この圧入方法においては、「ストッパ
面」を平面により構成することも、曲面により構成する
こともできる。また、この圧入方法において、「ストッ
パ面」を第1部材と第2部材との少なくとも一方に設け
ることも、それら2部材とは別の部材であってそれら2
部材に挟まれるものに設けることもできる。
【0013】上記圧入方法の一形態においては、前記ス
トッパ面が、第1部材のうちの棒状部分の先端部の周縁
と、第2部材のうちの穴状部分のうち、圧入状態で前記
周縁が接触する部分との少なくとも一方に設けられる。
ストッパ面が2部材双方に設けられる場合に、各ストッ
パ面の傾斜角度を互いに等しくし、それにより、衝突時
に2部材が面接触するようにすれば、衝突時に2部材の
いずれにも過大な面圧が発生せずに済み、過大な変形も
発生せずに済む。
【0014】上記圧入方法の別の形態においては、第2
部材のうちの穴状部分が、第2部材に段付き穴が開口部
側において大径部、底部側において小径部となる状態で
形成されることによって形成されたものであり、前記ス
トッパ面が、第1部材のうちの棒状部分の先端部の周縁
と、第2部材のうちの穴状部分のうち前記大径部と小径
部とを互いに接続する接続部であって圧入状態で前記周
縁が接触する部分との少なくとも一方に設けられる。と
ころで、圧入時に、第1部材のうちの棒状部分の先端部
と第2部材のうちの穴状部分の底部との間に閉じた空間
が形成される場合がある。この場合には、空気の圧縮
率、すなわち、圧入開始時に存在する閉じた空間の容積
1 から圧入終了時に存在する閉じた空間の容積V2
差し引いた値ΔVを容積V1 で割り算した値が大きいほ
ど、圧入長さを精度よく管理することが困難になる。こ
れに対して、本形態においては、小径部を有しない形態
に比較して、圧入開始時の容積V1 が小径部内の空間分
増加するとともに、圧入終了時の容積V2 も小径部内の
空間分増加し、それにより、空気の圧縮率が低下するた
め、空気が圧縮し易くなって圧入長さを精度よく管理す
ることが容易になる。
【0015】上記圧入方法のさらに別の形態において
は、第1部材のうちの棒状部分の先端部に第2部材を向
く位置において凹部が設けられる一方、第2部材のうち
の穴状部分のうち、圧入状態で前記凹部に嵌合する位置
にその凹部に嵌合する凸部が設けられ、前記ストッパ面
が、前記凹部と凸部との少なくとも一方に設けられる。
【0016】上記圧入方法のさらに別の形態において
は、第1部材に段付き部が先端部において小径部、その
先端部より後方の部分において大径部となる状態で形成
され、その小径部が前記棒状部分として機能するもので
あり、前記ストッパ面が、第1部材のうち小径部と大径
部とを互いに接続する接続部と、第2部材のうちの穴状
部分の開口部であって圧入状態で前記接続部と接触する
部分との少なくとも一方に設けられる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】本発明に係る圧入方法の一実施形態は、第
1部材を移動部材、第2部材を静止部材として第1部材
を第2部材に圧入する方法であり、具体的には、図1に
示すように、第1部材10を加速して第1部材10のう
ちの棒状部分11を第2部材12のうちの穴状部分16
に衝突により圧入する方法である。
【0019】第1部材10は円形断面で一軸線に沿って
延びる形状を有しており、それの一端部に棒状部分11
が設けられている。この棒状部分11の先端部18はそ
れの周縁において面取り(C面取り。R面取りでも
可。)されており、それにより、その周縁に先端部テー
パ面20が形成されている。この先端部テーパ面20
は、第1部材10の軸線に対して直角な平面に対して傾
斜させられている。
【0020】これに対して、第2部材12は、図3に示
すように、概して円筒状を成すとともに、それと同軸に
段付きの有底穴として穴状部分16が形成されている。
この穴状部分16は、図1に示すように、開口部側に大
径穴22、底部側に小径穴24がそれぞれ形成されて構
成されている。この穴状部分16のうちそれら大径穴2
2の周面と小径穴24の周面とを互いに接続する接続面
30がテーパ面として形成されている。この接続面30
は、第2部材12の軸線に対して直角な平面に対して傾
斜させられている。この接続面30は、圧入の終了時
に、第1部材10の先端部18において、平らな先端面
と先端部テーパ面20とが互いに接する境界線に接触し
て本発明における「ストッパ面」として機能し、それに
より、第1部材10および第2部材12の圧入長さLを
規制する。
【0021】圧入後に棒状部分11が大径穴22にしま
り嵌合させられた状態となるため、圧入前に棒状部分1
1の外径が大径穴22の内径より大きくされている。図
1において破線は、棒状部分11の圧入前の形状を示し
ている。棒状部分11には、それの外周面においてセレ
ーション加工が施され、それにより、棒状部分11の外
周面が圧入時に比較的容易に潰れるようになっている。
【0022】上記のように、本実施形態においては、接
続面30が「ストッパ面」として機能するようになって
いる。したがって、圧入終了時に、第1部材10の先端
部18が接続面30に接触した瞬間に第1部材10の運
動エネルギが0とならず、第1部材10から第2部材1
2に余剰力F1 が作用すると、図2に示すように、その
余剰力F1 は接続面30にその接続面30の法線方向に
おいては分力F1N、接線方向においては分力F1Tとして
作用する。分力F1Nおよび分力F1Tは、接続面30の法
線方向と第2部材12の軸線方向との成す角度をθとす
れば、 F1N=F1 ・cos θ F1T=F1 ・sin θ なる各式で表される。
【0023】ところで、第1部材10の先端部18およ
び接続面30間の摩擦係数は一般に、1よりかなり小さ
いため、説明の便宜上、無視し、かつ、第1部材10の
運動エネルギの余剰分が第1部材10と第2部材12と
に歪みエネルギとして蓄えられることはないと仮定すれ
ば、分力F1Nと大きさが等しい反力FR が接続面30か
ら第1部材10に作用することとなり、その反力FR
うち各部材10,12の軸線方向(2部材10,12の
接近方向に等しい)における成分のみが跳ね返り力F2
として作用することになる。結局、跳ね返り力F2 は、 F2 =FR ・cos θ=F1N・cos θ=F1 ・cos 2 θ なる式で表されることになる。
【0024】このように、第1部材10から接続面30
に余剰力F1 が作用する場合に、その余剰力F1 と等し
い大きさで跳ね返り力F2 が接続面30から第1部材1
0に作用するのではなく、余剰力F1 より小さい大きさ
で跳ね返り力F2 が作用することになるのである。
【0025】なお、本実施形態においては、先端部テー
パ面20および接続面30間で傾斜角度が互いに等しく
されていないが、互いに等しくすることが可能である。
接続面30のみならず先端部テーパ面20も「ストッパ
面」として機能するようにすることが可能なのであり、
このようにすれば、ストッパ面同士の衝突時に各ストッ
パ面に過大な面圧が発生せずに済み、過大な変形も発生
せずに済む。
【0026】この圧入方法は図3に示す圧入機により実
施される。この圧入機は、第2部材12を水平な姿勢で
保持する保持装置40を備えている。保持装置40は、
ハウジング42と、そのハウジング42に形成された空
気室46とを有し、その空気室46内において第2部材
12を保持する。空気室46は貫通穴47により常時大
気と連通させられている。ハウジング42には、一端部
において空気室46と連通し、他端部において大気と連
通する貫通穴48が形成されている。この貫通穴48は
キャップ50がボルト52等によりハウジング42に着
脱可能に取り付けられることによって閉塞される。キャ
ップ50には、空気室46の側において、第2部材12
の両端部のうち第1部材10と衝突する端部とは反対側
の端部(後方)において嵌合する嵌合穴53が形成され
ている。
【0027】圧入機は、さらに、第1部材10を実質的
に気密かつ摺動可能に案内する案内通路54を備えてい
る。案内通路54は、ハウジング42の内部通路55と
通路形成部材としてのパイプ56の内部通路とにより、
保持装置40における第2部材12と同軸に形成されて
いる。案内通路54はそれの一端部において空気室46
に接続されている。その案内通路54に第1部材10が
それの棒状部分14において実質的に気密かつ摺動可能
に嵌合されている。
【0028】圧入機は、さらに、第1部材10を加速す
る加速装置58を備えている。加速装置58は、第1部
材10の後方圧を大気圧より高圧にする高圧化装置60
を備えている。高圧化装置60は、(a) ハウジング62
と、(b) 高圧空気を保持して必要に応じて供給する高圧
源64と、(c) ハウジング62に形成された空気室66
とを備えている。高圧源64は例えば、コンプレッサと
制御弁とを含む構成とされる。空気室66は空気通路6
8により高圧源64と接続され、また、案内通路54の
他端部とも接続されている。
【0029】次にこの圧入方法の内容を時系列的に説明
する。2部材10,12の圧入に先立ち、各部材10,
12が圧入機に所定位置においてセットされる。この状
態で高圧空気が高圧源64から空気通路68を経て空気
室66に供給されれば、その高圧空気は案内通路54内
の空間に供給される。高圧空気が案内通路54内の空間
に供給されれば、第1部材10の後方圧が大気圧より高
圧にされる。そして、第1部材10は、後方圧が高圧に
されることによって第1部材10の軸線に平行な方向に
加速され、それにより、第1部材10が運動エネルギを
付与される。その結果、第1部材10が第2部材12に
同軸状態で接近し、やがて第1部材10が第2部材12
と衝突し、それにより、それら2部材10,12の圧入
が行われる。圧入終了後、キャップ50をハウジング4
2から取り外すことによって圧入組立体としての2部材
10,12が保持装置40から取り出される。
【0030】加速装置58は、標準運動エネルギより大
きい運動エネルギを第1部材10に付与するように設計
されている。標準運動エネルギは、第1部材10および
第2部材12の圧入代Sが正規であり、かつ、それら2
部材10,12の材料硬度も正規である状況で、第1部
材10の先端部18が第2部材12の接続面30に接触
する瞬間に第1部材10の運動エネルギが0となる大き
さと定義されている。加速装置58が第1部材10に付
与する運動エネルギの大きさは実験等により取得される
が、その大きさは例えば、標準運動エネルギの1.5倍
程度とすることができる。以上により、本実施形態にお
いては、運動エネルギ,圧入代Sおよび材料硬度のばら
つきに起因して、第1部材10の先端部18が第2部材
12の接続面30に到達しないうちに第1部材10が停
止してしまうことが防止される。運動エネルギ,圧入代
Sおよび材料硬度のばらつきにもかかわらず、第1部材
10の先端部18が確実に第2部材12の接続面30に
衝突するようになっているのである。
【0031】その結果、第1部材10は、第2部材12
との衝突時に第2部材12に余剰力F1 を付与すること
になるが、前述のように、それら2部材10,12は斜
面である接続面30において互いに衝突させられるた
め、第2部材12から第1部材10に跳ね返り力F2
その余剰力F1 より小さい大きさで作用することにな
る。したがって、跳ね返り力F2 が作用しても、第1部
材10が第2部材12から全く跳ね返らないか、たとえ
跳ね返るとしてもその距離が小さく抑えられる。
【0032】以上の説明から明らかなように、本実施形
態によれば、2部材の少なくとも一方に付与される運動
エネルギのばらつき,2部材の圧入代Sのばらつきおよ
び2部材の材料硬度のばらつきに対する跳ね返り力F2
の大きさの感受性が鈍感となり、それらばらつきにもか
かわらず2部材の圧入長さLが十分に安定化するという
効果が得られる。この効果に基づき、2部材の圧入長さ
Lを精度よく管理するために運動エネルギ,圧入代Sお
よび材料硬度のばらつきを厳しく管理することが不可欠
ではなくなるという効果が得られる。
【0033】さらに、本実施形態においては、圧入開始
時に2部材10,12間に形成された閉じた空間が圧入
終了時にすべて消滅するのではなく、小径穴24内の空
間は圧入開始前にも圧入終了後にも存在する。したがっ
て、本実施形態においては、小径穴24を有しない場合
に比較して、圧入のために空気を圧縮しなければならな
い比率が小さて済むこととなり、空気を圧縮し易くなっ
て圧入長さLを精度よく管理することが容易になるとい
う効果も得られる。
【0034】別の実施形態を説明する。ただし、本実施
形態は先の実施形態と共通する要素が多いため、共通す
る要素については同一の符号を使用することによって文
章および図による説明を省略し、異なる要素についての
み詳細に説明する。
【0035】先の実施形態においては、第2部材12に
設けられた接続面30がストッパ面として機能するよう
になっているが、本実施形態においては、図4に示すよ
うに、接続面80が、第2部材12の軸線に対して直角
な平面で構成されており、圧入終了時には、先端部テー
パ面20が、接続面80と小径穴24の周面とが互いに
接する境界線82に衝突する。すなわち、本実施形態に
おいては、第1部材10に設けられた先端部テーパ面2
0が「ストッパ面」として機能するようになっているの
である。したがって、本実施形態においては、図5に示
すように、第1部材10が第2部材12に先端部テーパ
面20において衝突させられ、それにより、先の実施形
態における理由に準じた理由により、余剰力F1 より小
さい大きさで跳ね返り力F2 が発生することとなる。
【0036】さらに別の実施形態を説明する。ただし、
先の二実施形態と共通する要素については同一の符号を
使用することによって詳細な説明を省略し、異なる要素
についてのみ詳細に説明する。
【0037】図6に示すように、本実施形態において
は、棒状部分11の先端部18の先端面の中央部に凹部
100が形成されている。その凹部100の開口部の周
縁が面取りされ、それにより、その周縁に凹部テーパ面
102が形成されている。この凹部テーパ面102は、
第1部材10の軸線に対して直角な平面に対して傾斜さ
せられている。
【0038】先の二実施形態においてはいずれも、穴状
部分16が段付き穴として形成されているが、本実施形
態においては、同一断面で真っ直ぐに延びる有底の円筒
穴として形成されるとともに、その底部に、その円筒穴
の開口部に向かって円形断面で突出する凸部104が設
けられている。この凸部104の先端部の周縁が面取り
され、それにより、その周縁に凸部テーパ面106が形
成されている。この凸部テーパ面106は、第2部材1
2の軸線に対して直角な平面に対して傾斜させられてい
る。また、この凸部テーパ面106は、圧入状態で上記
凹部テーパ面102と平行となるように形成されてお
り、よって、2部材10,12の圧入終了時に凹部テー
パ面102と面接触する。
【0039】本実施形態においては、圧入終了時に、2
部材10,12が各々「ストッパ面」として機能する凹
部テーパ面102と凸部テーパ面106とにおいて互い
に衝突し、よって、第1部材10から第2部材12に余
剰力F1 が作用する場合に、その余剰力F1 より小さい
大きさで跳ね返り力F2 が第2部材12から第1部材1
0に作用する。
【0040】さらに別の実施形態を説明する。ただし、
最初の二実施形態と共通する要素については同一の符号
を使用することによって詳細な説明を省略し、異なる要
素についてのみ詳細に説明する。
【0041】図7に示すように、本実施形態において
は、棒状部分11が段付き状とされ、先端部に小径部1
20、その先端部から後方の部分に大径部122がそれ
ぞれ形成され、かつ、それら小径部120の周面と大径
部112の周面とを互いに接続する接続面124がテー
パ面とされている。この接続面124は、第1部材10
の軸線に対して直角な平面に対して傾斜させられてい
る。
【0042】最初の二実施形態においてはいずれも、穴
状部分16が段付き穴として形成されているが、本実施
形態においては、同一断面で真っ直ぐに延びる有底の円
筒穴として形成されるともに、その円筒穴の開口部の周
縁が面取りされ、それにより、その周縁に円筒穴テーパ
面126が形成されている。この円筒穴テーパ面126
は、第2部材12の軸線に対して直角な平面に対して傾
斜させられている。また、この円筒穴テーパ面126
は、圧入状態で上記接続面124と平行となるように形
成され、それにより、2部材10,12の圧入終了時に
接続面124と面接触する。
【0043】本実施形態においては、圧入終了時に、2
部材10,12が各々「ストッパ面」として機能する接
続面124と円筒穴テーパ面126とにおいて互いに衝
突し、よって、第1部材10から第2部材12に余剰力
1 が作用する場合に、その余剰力F1 より小さい大き
さで跳ね返り力F2 が第2部材12から第1部材10に
作用する。
【0044】以上、本発明のいくつかの実施形態を図面
に基づいて詳細に説明したが、それらの他にも、特許請
求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて
種々の変形,改良を施した形態で本発明を実施すること
ができるのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である圧入方法が実施され
る様子を示す側面断面図である。
【図2】図1における要部を拡大して示す側面断面図で
ある。
【図3】上記実施形態を実施するのに好適な圧入機を示
す平面断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態である圧入方法が実施さ
れる様子を示す側面断面図である。
【図5】図4における要部を拡大して示す側面断面図で
ある。
【図6】本発明のさらに別の実施形態である圧入方法が
実施される様子を示す側面断面図である。
【図7】本発明のさらに別の実施形態である圧入方法が
実施される様子を示す側面断面図である。
【図8】本発明者が本発明に先立って提案した圧入方法
が実施される様子を示す側面断面図である。
【図9】図8における要部を拡大して示す側面断面図で
ある。
【符号の説明】
10 第1部材 11 棒状部分 12 第2部材 16 穴状部分 20 先端部テーパ面 30,80,124 接続面 102 凹部テーパ面 106 凸部テーパ面 126 円筒穴テーパ面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1部材と第2部材との少なくとも一方に
    相互に接近する向きに運動エネルギを付与して第1部材
    を第2部材に衝突により圧入する圧入方法であって、 その圧入の終了時に、第1部材と第2部材とをそれらの
    接近方向に対して直角な平面に対して傾斜するストッパ
    面において互いに衝突させることを特徴とする圧入方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6460242B1 (en) * 1998-04-23 2002-10-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Inertia press fitting method

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