JPH11336999A - 液化ガスの供給方法およびその装置 - Google Patents

液化ガスの供給方法およびその装置

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JPH11336999A
JPH11336999A JP14266098A JP14266098A JPH11336999A JP H11336999 A JPH11336999 A JP H11336999A JP 14266098 A JP14266098 A JP 14266098A JP 14266098 A JP14266098 A JP 14266098A JP H11336999 A JPH11336999 A JP H11336999A
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JP
Japan
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liquefied gas
pressure
gas
container
state
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JP14266098A
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English (en)
Inventor
Akira Oba
昭 大場
Kenichi Yoshida
謙一 吉田
Yuji Yoshimura
裕至 吉村
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NIPPON GAS KAIHATSU KK
Original Assignee
NIPPON GAS KAIHATSU KK
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Publication date
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  • Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で維持・保守が容易な液化ガスの
供給装置を提供する。 【解決手段】 供給管4からのガス消費により、第1の
ガス導出管11を介して容器3内の表面で熱交換して気化
した気体状態2aの液化ガス2を上部から供給する。連続
消費により第1のガス導出管11内の圧力が圧力調整バル
ブの設定圧力より低下すると遮断する。立ち上がり管16
内を容器3内の液体状態2bの液化ガス2が上り越え、熱
交換手段17で熱交換して気化して供給する。ガス消費の
停止により、第2のガス導出管15内の液体状態2bの液化
ガス2は徐々に気化して内圧が上昇し、立ち上がり管16
を経由して容器3内に戻る。水分などの不純物は立ち上
がり管16および熱交換手段17が上部に接続する分離容器
22の底部に分離し、ドレン24から除去する。簡単な構成
で不純物による配管や容器3の損傷を防止でき、容器3
の表面からの不足熱量のみを大気とにて熱交換でき、容
易に安定供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガスを気体状
態で供給する液化ガスの供給方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プロパンガスなどの液化ガスを気
体状態で供給する液化ガスの供給装置としては、例えば
容器に充填された液化ガスを取り出し、温水やヒータな
どの加熱手段により気体状態に熱交換して供給したり、
取り出した液体状態の液化ガスを減圧装置により減圧し
た後に大気とにて熱交換して気体状態で供給したり、家
庭用のプロパンガスなどのように容器の表面での大気と
の熱交換により気体状態で取り出し可能に容量の小さい
容器を用いるなどの各種構成が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱手
段により熱交換する構成では、装置が大型化するととも
に加熱手段のエネルギを別途必要とし、維持管理が煩雑
となるとともにコストの低減が図れない。
【0004】また、取り出した液体状態の液化ガスを減
圧装置により減圧して大気とにて熱交換する構成では、
減圧装置が必要となるとともに減圧により液体温度が低
くなるため、液化ガス中に含まれる不純物の凍結などに
よる減圧装置の予期しない作動不良を発生させたり、液
化ガスを大気とにて気体状態に熱交換させる熱量が多く
必要で、熱交換装置が大型化することにより、装置が大
型化する。
【0005】さらに、容器の表面で大気との熱交換によ
り気体状態で取り出す構成では、容器の容量を増大でき
ず、容量が少ないために頻繁に液化ガスを充填した容器
と交換する必要があり、保守管理が煩雑となる問題があ
る。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みて、簡単な構
成で維持および保守が容易な液化ガスの供給方法および
その装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液化ガス
の供給方法は、液化ガスを充填する容器から前記液化ガ
スを取り出し、気体状態で供給する液化ガスの供給方法
において、前記液化ガスを気体状態で供給する際の圧力
より高い圧力でのみ前記容器から前記液化ガスを気体状
態で取り出すとともに、この液化ガスを気体状態で取り
出す圧力条件より低い圧力でのみ前記容器から前記液化
ガスを液体状態で取り出し、この液体状態で取り出した
前記液化ガスを気体状態に熱交換して供給するものであ
る。
【0008】そして、液化ガスを気体状態で供給する際
の圧力より高い圧力で、容器の表面で大気などにて熱交
換により気体状態となった液化ガスを容器から取り出
し、この液化ガスの気体状態での取り出し圧力が低下し
た場合には、液化ガスを液体状態で取り出して気体状態
に熱交換して供給するため、容器の表面で気体状態に熱
交換する熱量が不足する分を液体状態で取り出して気体
状態に熱交換するので、液体状態の液化ガスを気体状態
に熱交換する熱量は少なく、大気などによる熱交換で容
易に気体状態で供給可能となり、簡単な構成で容易に安
定して気体状態で供給可能で、維持・保守性が向上す
る。
【0009】請求項2記載の液化ガスの供給方法は、請
求項1記載の液化ガスの供給方法において、液化ガスを
液体状態で取り出す際の圧力の設定は、前記液体状態の
液化ガスの水頭圧を利用するものである。
【0010】そして、液化ガスを液体状態で取り出す際
の圧力の設定として、液体状態の液化ガスの水頭圧を利
用するため、特別な装置を用いることなく簡単な構成で
液体状態の液化ガスが取り出し可能となるとともに、液
化ガスの使用の停止などにより液化ガスの気体状態での
供給が停止した際、取り出された液体状態での液化ガス
は、自重および熱交換により気体状態となることによる
体積膨張などにて、配管中での大気との熱交換などにて
暖められて容器に戻されるので、容器の表面からの熱交
換に必要な熱量が低減し、容器から気体状態での液化ガ
スの取り出し量が増大する。
【0011】請求項3記載の液化ガスの供給方法は、請
求項1または2記載の液化ガスの供給方法において、液
体状態で取り出した液化ガスを気体状態に熱交換する際
に、前記液化ガス中に混入し前記液化ガスが気体状態に
なる状態で気体状態にならない不純物を除去するもので
ある。
【0012】そして、液体状態で取り出した液化ガスを
気体状態に熱交換する際に、液化ガス中に混入し液化ガ
スが気体状態になる状態で気体状態にならない不純物を
除去するため、例えば自重により不純物を一箇所に集め
て取り出すなどが容易となり、液化ガスを水頭圧を利用
して液体状態で取り出す構成と組み合わせることによ
り、供給の停止の際に液化ガスが自重により容器に戻る
際に気体状態にならない不純物のみが容易に分離可能と
なり、不純物の残留による配管の損傷や容器に不純物が
残留することによる容器の損傷などを防止する。
【0013】請求項4記載の液化ガスの供給装置は、液
化ガスを充填する容器から前記液化ガスを取り出し、気
体状態で供給する液化ガスの供給装置において、一端が
供給側に開口し他端が前記容器の上部に接続され、この
容器内の気体状態の前記液化ガスを取り出す第1のガス
導出管と、この第1のガス導出管に設けられ、前記液化
ガスを気体状態で供給する際の圧力より高い圧力でのみ
前記容器内の気体状態の前記液化ガスを前記第1のガス
導出管を介して流通させる第1の圧力調整手段と、一端
が前記第1のガス導出管に接続され他端が前記容器の下
部に開口して接続され、この容器内の液体状態の前記液
化ガスを取り出す第2のガス導出管と、この第2のガス
導出管に設けられ、第1の圧力調整手段により設定され
た圧力より低い圧力でのみ前記容器内の液体状態の前記
液化ガスを前記第2のガス導出管を介して流通させる第
2の圧力調整手段と、前記第2のガス導出管に設けら
れ、流通する液体状態の前記液化ガスを気体状態に熱交
換する熱交換手段とを具備したものである。
【0014】そして、容器の上部に接続された第1のガ
ス導出管から第1の圧力調整手段により気体状態で供給
する際の圧力より高い圧力で、容器の表面で大気などに
て熱交換により気体状態となった液化ガスを容器の上部
から取り出し、この液化ガスの気体状態での取り出し圧
力が第1の圧力調整手段にて設定された圧力以下となる
場合には、第2の圧力調整手段により容器の下部に開口
して接続される第2のガス導出管を介して容器の下部か
ら液化ガスを液体状態で取り出して熱交換手段にて気体
状態に熱交換して供給するため、容器の表面で気体状態
に熱交換する熱量が不足する分を液体状態で取り出して
気体状態に熱交換するので、液体状態の液化ガスを気体
状態に熱交換する熱交換手段での熱量は少なくなり、大
気などにて容易に気体状態に熱交換でき、簡単な構成で
容易に安定して気体状態で供給可能で、維持・保守性が
向上する。
【0015】請求項5記載の液化ガスの供給装置は、請
求項4記載の液化ガスの供給装置において、第2の圧力
調整手段は、液体状態の液化ガスの水頭圧により第1の
圧力調整手段により設定された圧力より低い圧力に設定
された立ち上がり管を備えたものである。
【0016】そして、第1の圧力調整手段により設定さ
れた圧力より低い圧力に設定する第2の圧力調整手段
に、液体状態の液化ガスの水頭圧を利用した立ち上がり
管を備えたため、特別な装置を用いることなく簡単な構
成で液体状態の液化ガスが取り出し可能となるととも
に、液化ガスの使用の停止などにより液化ガスの気体状
態での供給が停止した際、取り出された液体状態での液
化ガスは、自重および熱交換により気体状態となること
による体積膨張などにて、配管中での大気との熱交換な
どにて暖められて容器に戻されるので、容器の表面から
の熱交換に必要な熱量が低減し、容器から気体状態での
液化ガスの取り出し量が増大する。
【0017】請求項6記載の液化ガスの供給装置は、請
求項5記載の液化ガスの供給装置において、第2のガス
導出管は、液化ガスが気体状態になる状態で気体状態に
ならない不純物を除去する不純物除去手段を備えたもの
である。
【0018】そして、第2のガス導出管に、液化ガスが
気体状態になる状態で気体状態にならない不純物を除去
する不純物除去手段を設けたため、例えば自重により不
純物を不純物除去手段に集めて取り出すなどが容易とな
り、液化ガスを水頭圧を利用して液体状態で取り出す構
成と組み合わせることにより、供給の停止の際に液化ガ
スが自重により容器に戻る際に気体状態にならない不純
物のみが容易に分離可能となり、不純物の残留による配
管の損傷や容器に不純物が残留することによる容器の損
傷などを防止する。
【0019】請求項7記載の液化ガスの供給装置は、請
求項6記載の液化ガスの供給装置において、不純物除去
手段は、立ち上がり管および熱交換手段が底部と間隙を
介した上部に接続され、底部に排出用のドレンを有した
分離容器を備えたものである。
【0020】そして、底部に排出用のドレンを有した分
離容器の底部に間隙を介する上部に立ち上がり管および
熱交換手段を接続して不純物除去手段を構成するため、
立ち上がり管を介して取り出された液体状態の液化ガス
は一旦分離容器に流入した後、熱交換手段に流入して気
体状態に熱交換されて供給される。また、供給の停止に
より、立ち上がり管中の液体状態の液化ガスが自重によ
り容器に戻ることにより、分離容器内や熱交換手段内の
気体状態にならない不純物は自重により分離容器の底部
に滞留する状態となり、不純物のみを分離容器内に分離
可能で、底部のドレンから容易に排出可能となり、簡単
な構成で不純物の残留による配管の損傷や容器に不純物
が残留することによる容器の損傷などを防止する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態の液
化ガスの供給装置の構成を図面を参照して説明する。
【0022】図1において、1は液化ガスの供給装置本
体で、この供給装置本体1は、例えばプロパンガスなど
の液化ガス2を充填して貯留する容器3と、図示しない
建造物内に配管され各部屋に液化ガス2を気体状態2aで
供給する供給管4との間に接続されている。
【0023】そして、容器3は、例えば直径が約0.8
m、長さ寸法が約1.65m、最大充填量が約300kg
の略円筒形状に形成され、外周面に図示しない地表面に
載置する脚部が設けられ、長手方向を略水平方向に沿っ
て地表面上に載置される。また、容器3には、地表面上
に載置された状態での上部に接続され端部に第1の開閉
バルブ6を有した第1の取出管7と、一端に第2の開閉
バルブ8を有し他端が容器3の底部に開口する第2の取
出管9とが設けられている。さらに、供給管4の供給装
置本体1が接続される端部には、気体状態2aの液化ガス
2を家庭用の一般的な供給圧力である例えば3kPaの圧
力で供給するための圧力調節弁10が設けられている。
【0024】また、供給装置本体1には、一端が容器3
の第1の開閉バルブ6に接続され、他端が供給管4の圧
力調節弁10に接続される第1のガス導出管11が設けられ
ている。そして、この第1のガス導出管11には、第1の
開閉バルブ6を介して第1の取出管7から流出する気体
状態2aの液化ガス2を、例えば極寒地を除くほとんど全
ての日本国内において、気化できる気温である−10℃
に相当する市販プロパンの飽和圧力の0.24MPa以上
で供給管4の圧力調節弁10に流通させる第1の圧力調整
手段としての圧力調整バルブ12が設けられている。な
お、第1のガス導出管11には、供給管4の圧力調節弁10
に接続される側の端部近傍に第1のバルブ13が設けられ
ている。
【0025】また、供給装置本体1には、一端が容器3
の第2の開閉バルブ8に接続され、他端が供給管4の圧
力調節弁10に第1のガス導出管11とともに接続される第
2のガス導出管15が設けられている。そして、この第2
のガス導出管15には、一端が容器3の第2の開閉バルブ
8に接続され長手方向を上下方向である略鉛直方向に沿
った第2の圧力調整手段としての立ち上がり管16を備え
ている。この立ち上がり管16は、圧力調整バルブ12によ
り遮断する圧力である0.24MPaの圧力以下でかつ供
給する圧力が3kPaより高い圧力の条件で、容器3内の
液体状態2bの液化ガス2を第2の開閉バルブ8を介して
第2の取出管9から供給管4の圧力調節弁10に流通させ
る水頭圧が得られる高さ寸法に設定されて逆U字状に形
成される。
【0026】また、第2のガス導出管15には、流通する
液体状態2bの液化ガス2を大気との熱交換により気体状
態にする熱交換手段17が設けられている。そして、この
熱交換手段17は、液体状態2bの液化ガス2を流通する流
通管18と、この流通管18の外周面に複数設けられた板状
のフィン19とにて構成されている。
【0027】さらに、第2のガス導出管15には、立ち上
がり管16と熱交換手段17との間に位置して、容器3から
供給管4に流通する液化ガス2から水分などの液化ガス
2より質量の重い不純物を除去する不純物除去手段21が
設けられている。この不純物除去手段21は、略箱状に形
成された分離容器22を有している。そして、この分離容
器22の底部には、この底部に溜まった水などの不純物を
取り出す取出バルブ23を有したドレン24が設けられてい
る。また、分離容器22の底部と間隙を介する上部には、
立ち上がり管16の第2の開閉バルブ8に接続される側と
反対側である下流側の端部が接続されているとともに、
熱交換手段17の流通管18の上流側が接続されている。
【0028】なお、第2のガス導出管15には、供給管4
の圧力調節弁10に接続される側の端部近傍に第1のガス
導出管11と同様に第2のバルブ25が設けられている。
【0029】次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0030】まず、供給装置本体1に液化ガス2が充填
された容器3を接続する。すなわち、供給装置本体1の
第1のガス導出管11に容器3の第1の開閉バルブ6を接
続するとともに、第2のガス導出管15の立ち上がり管16
に容器3の第2の開閉バルブ8を接続する。そして、容
器3の第1の開閉バルブ6および第2の開閉バルブ8を
開成するとともに、供給装置本体1の第1のバルブ13、
第2のバルブ25および圧力調整バルブ12を開成し、さら
に、供給管4の圧力調節弁10を開成して、液化ガス2の
気体状態2aでの供給待機状態にする。
【0031】なお、この供給待機状態では、容器3内の
圧力により、第1の開閉バルブ6を介して第1の取出管
7から、圧力調整バルブ12の設定圧力である0.24M
Pa以上で供給装置本体1の第1のガス導出管11および第
2のガス導出管15内に流入して充満する。このため、第
2のガス導出管15の立ち上がり管16には水頭圧が作用し
て、立ち上がり管16内を液体状態2bの液化ガス2が上昇
しないで容器3の液面位置と略同じ位置程度となってい
る。また、圧力調節弁10の設定圧力である3kPaで供給
管4内に気体状態2aの液化ガス2が流入して充満する。
【0032】この供給待機状態で、供給管4の末端部で
気体状態2aの液化ガス2の使用により、供給管4内の内
圧が下がる状態となって供給装置本体1から引かれるよ
うに気体状態2aの液化ガス2が流れ込む。この気体状態
2aの液化ガス2の供給管4への供給は、まず第1のガス
導出管11内から流入される。すなわち、第1のガス導出
管11からの0.24MPa以上の設定圧力での気体状態2a
の液化ガス2の供給により立ち上がり管16に水頭圧が作
用するため、立ち上がり管16内を液体状態2bの液化ガス
2が上昇しないで容器3の液面位置と略同じ位置程度と
なっている。
【0033】そして、液化ガス2の使用が続くと、容器
3内の気体状態2aの液化ガス2が少なくなるため、液体
状態2bの液化ガス2が容器3の表面において大気との熱
交換により気体状態2aに気化し、気体状態2aの液化ガス
2が第1のガス導出管11を介して供給管4に流通する。
【0034】ここで、容器3は、一般家庭において使用
されるプロパンガス用ボンベ(約50kg)のような小型
の容器に比して最大充填量が約300kgと大きいため、
同量当りの表面積が小さくなり、容器3の表面での大気
との熱交換では十分に気化できなくなり、第1のガス導
出管11内の圧力が低下する。そして、設定圧力である
0.24MPaを下回ると、圧力調整バルブ12が動作して
閉成し、容器3からの気体状態2aの液化ガス2の流出を
停止させる。
【0035】この第1のガス導出管11の遮断により、供
給装置本体1内の圧力は次第に低下する。この供給装置
本体1の圧力の低下により、容器3内の圧力が作用して
容器3内の液体状態2bの液化ガス2が立ち上がり管16を
上り始め、供給管4への供給する圧力3kPaを維持する
ために必要な圧力調節弁10の最低一次圧力の0.2MPa
にまで低下するまでに、容器3内の圧力が水頭圧を上回
って立ち上がり管16を越えて不純物除去手段21の分離容
器22内に流入する。なお、この立ち上がり管16の流過お
よび分離容器22への流入の間に液体状態2bの液化ガス2
の一部は気化する。さらに、分離容器22内が満たされる
と、分離容器22内の液体状態2bの液化ガス2は熱交換手
段17の流通管18に流入し、大気との熱交換により気体状
態2aに気化されて、圧力調節弁10を介して供給管4に供
給される。
【0036】また、ガス消費が停止した場合、第2のガ
ス導出管15内に流入した液体状態2bの液化ガス2は、熱
交換手段17や分離容器22、立ち上がり管16などの表面に
おいて大気と熱交換して徐々に気化する。そして、第2
のガス導出管15内の圧力が次第に容器3内の圧力に近似
する圧力になるとともに、立ち上がり管16内の気化して
いない液体状態2bの液化ガス2は、水頭圧により次第に
容器3内に落下するように戻る。
【0037】ここで、液化ガス2中には、水分などの液
化ガス2より質量の重い重質物質である不純物が含まれ
ている場合、立ち上がり管16の頂部から分離容器22ま
で、あるいは、分離容器22から熱交換手段17までで、液
体状態2bの液化ガス2が大気との熱交換により気化した
際に水分などの不純物は気化せずに水として残留する状
態となるが、立ち上がり管16の頂部から分離容器22ま
で、あるいは、分離容器22から熱交換手段17までの水
は、立ち上がり管16を乗り越えることなく自重により分
離容器22に流れ落ちて分離容器22の底部に滞留する。そ
して、取出バルブ23を開成してドレン24から滞留する水
などの不純物を除去する。
【0038】このため、第2のガス導出管15内に気化さ
れずに残留する不純物は、不純物除去手段21の分離容器
22に分集されて立ち上がり管16を介して容器3内に戻る
ことを防止できる。したがって、容器3内や第2のガス
導出管15内に不純物が次第に濃縮される状態を防止で
き、不純物による容器3の損傷などを防止できる。
【0039】そして、容器3内の液化ガス2の残量が少
なくなった場合には、供給装置本体1に接続した状態で
容器3に設けた図示しない充填口から液化ガス2を充填
する。
【0040】また、供給装置本体1の保守点検などを行
う場合には、第1の開閉バルブ6または第2の開閉バル
ブ8、第1のバルブ13または第2のバルブ25を交互に閉
成してガスの供給を停止させることなく行うことができ
る。
【0041】上記実施の形態は、大きな容量の容器3を
用いても、連続消費により容器3の表面での熱交換が不
十分となって液化ガス2の気体状態2aでの取り出し圧力
が低下すると、液化ガス2を液体状態2bで取り出して気
体状態2aに熱交換して供給する。このため、液体状態2b
の液化ガス2を気体状態2aに熱交換する熱量を、容器3
の表面で熱交換する熱量の不足した分を取り出した液体
状態2bの液化ガス2の気化分だけでよく、大気などによ
る熱交換でも十分に安定して気体状態2aで供給でき、熱
交換のための装置も小型化でき、従来のように容量の小
さいプロパンガス用ボンベを頻繁に交換することがな
く、また液体状態2bで取り出した液化ガス2を従来のよ
うに全量を加熱手段にて加熱する必要もなく、装置構造
を簡略化および小型化でき、装置の製造性を向上でき、
装置コストやランニングコストを低減できるとともに、
維持管理や保守管理が容易となり、維持管理や保守管理
のコストも低減できる。
【0042】また、容器3の表面での熱交換が不十分と
なって液化ガス2の気体状態2aでの取り出し圧力の低下
分を、水頭圧を利用した立ち上がり管16により液体状態
2bで取り出すため、弁やバルブなどにて圧力設定する構
造に比して簡略化でき、不純物による弁やバルブの動作
不良を生じるおそれがなく簡単な構造で液体状態2bでの
取り出しができるとともに、液化ガス2の使用の停止で
あるガス消費が停止された場合に、容器3に戻る際に大
気との熱交換などにて暖められるので、容器3の表面か
らの熱交換に必要な熱量が低減して容器3からの気体状
態2aでの取り出し量を増大できる。
【0043】さらに、上述したように、不純物除去手段
21を液体状態2bで取り出した液化ガス2を気体状態2aに
気化させて供給する第2のガス導出管15に設けたため、
液化ガス2の気化では気化しない水分などの不純物によ
る容器や第2のガス導出管15の損傷などを防止できる。
【0044】また、不純物除去手段21として、上部に立
ち上がり管16および熱交換手段17の流通管18が接続され
底部にドレン24を有した分離容器22を用い、ガス消費の
停止にて液化ガス2が容器3に戻り、気化されない不純
物は分離容器22に分集するため、簡単な構造で容易に不
純物のみを分離除去でき、不純物の残留による配管の損
傷や容器3に不純物が残留することによる損傷などを容
易に防止できる。
【0045】なお、上記実施の形態において、不純物除
去手段21として、上部に立ち上がり管16および熱交換手
段17の流通管18が接続され底部にドレン24を有した分離
容器22を用いて説明したが、例えば熱交換手段17の流通
管18を略鉛直方向に立設し、底部にドレン24を設けて不
純物除去手段を構成するなど不純物を除去するいずれの
構成のものでもよい。
【0046】さらに、熱交換手段17としては、大気との
熱交換による構成に限らず、ヒータや温水、井戸水など
を用いるいずれの構成でもできる。
【0047】また、容器3を地表面上に設置して説明し
たが、地中に埋設するなどしてもよい。
【0048】一方、圧力調整バルブ12の設定として−1
0℃で大気との熱交換により気化できる圧力0.24M
Paに設定したが、環境に対応して適宜設定すればよい。
【0049】
【実施例】次に、上記実施の形態の供給装置本体1を用
いて、具体的なガスの供給動作を説明する。
【0050】なお、容器3は、直径が約0.8m、長さ
寸法が約1.65m、最大充填量が約300kgの略円筒
形状とし、市販プロパンであるプロパン98 mol%、ブ
タン2 mol%の液化ガス2を約100kg充填して容器3
内の圧力を0.39MPaとする。また、外気温度が2℃
で風速は微風とし、容器3内の液体状態2bの温度を2℃
とする。この状態での液化ガス2である市販プロパンの
性状は表1に示す性状となる。なお、容器3内に充填さ
れた液化ガス2の液体状態2bの大気と熱交換される容器
3の表面積は、約2m2 となる。
【0051】
【表1】 この液体状態2b(+2℃)の液化ガス2が気体状態2a
(−10℃)に気化するのに利用できる熱量は、表1に
示す性状から、 (69.5−62.6)×100=690〔kcal〕 となり、この熱量を設定した気化可能な温度条件である
−10℃までに気体状態2aに気化されるガス量に換算す
ると、 690÷93.6=7.4〔kg〕 となる。
【0052】そして、市販プロパンの消費量を10kg/h
とすると、消費している間の大気からの熱交換の際の入
熱量は、外気温度や風速などの条件から得られる総括伝
熱係数約10kcal/m2 h℃に基づき、 10×2×(2−(−10))/2×7.4/10=8
8.8〔kcal〕 となり、この消費している間に気体状態2aに気化される
ガス量は、 88.8÷93.6=0.95〔kg〕 となる。
【0053】したがって、圧力調整バルブ12が設定圧力
である0.24MPaを下回って閉成することにより第1
のガス導出管11が遮断するまでの時間は、 (7.4+0.95)÷10=0.835〔h〕 となり、連続消費開始から約50分後に第1のガス導出
管11が遮断することとなる。このため、さらに連続消費
する場合には、第2のガス導出管15から液体状態2bの液
化ガス2を取り出し、熱交換手段17にて熱交換させるこ
ととなる。
【0054】一方、第1のガス導出管11が遮断されて第
2のガス導出管15から液化ガス2を供給する状態を説明
する。
【0055】なお、立ち上がり管16の高さ寸法を容器3
の頂部から1mとした。また、容器3内に市販プロパン
を約100kg充填した際の液面から容器3の頂部までの
高さ寸法は、0.53mとなる。このため、立ち上がり
管16による水頭圧は、 544×(1+0.53)=832〔kg/m2 〕 となり、約0.008MPaとなる。
【0056】したがって、圧力が0.24MPaを下回っ
て第1のガス導出管11の圧力調整バルブ12が遮断した後
は、第1のガス導出管11内に残存する気体状態2aの液化
ガス2および立ち上がり管16を上昇する液体状態2bの一
部が気化した気体状態2aの液化ガス2が供給管4に供給
を続け、圧力が0.232MPa(0.24−0.00
8)まで低下すると、液体状態2bは立ち上がり管16を上
り越えて分離容器22内に流入し、さらに一部気化されつ
つ熱交換手段17に流入して完全に気化され、供給管4に
供給される。
【0057】次に、立ち上がり管16と供給圧力との関係
について説明する。
【0058】ここで、供給管4に供給する圧力3kgを維
持するために必要な圧力調節弁10の最低一次圧力は0.
2MPaとする。また、第1のガス導出管11の圧力調整バ
ルブ12の圧力設定は、液体状態2bの液化ガス2が気体状
態2aに気化できる最低温度の−10℃に対応した0.2
4MPaとする。そして、立ち上がり管16での水頭圧は、
圧力調節弁10の最低一次圧力以下となる前に液体状態2b
の液化ガス2を取り出して気化させる必要があることか
ら、 0.24−0.2=0.04MPa=4000〔kg/m
2 〕 4000÷544=7.4〔m〕 となり、立ち上がり管16は、容器3内の液面から頂部ま
での高さ寸法が7.4mより低くなる高さで形成する必
要がある。すなわち、立ち上がり管16は、第1のガス導
出管11により遮断する圧力以下で、かつ、第1のガス導
出管11による遮断する圧力と圧力調節弁10の必要最低一
次圧力との差圧より小さい水頭圧となる高さ寸法に設定
する。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の液化ガスの供給方法によ
れば、液化ガスを気体状態で供給する際の圧力より高い
圧力で、容器の表面で熱交換により気体状態となった液
化ガスを容器から取り出し、容器の表面で気体状態に熱
交換する熱量が不足して取り出し圧力が低下した場合に
液体状態で取り出して気体状態に熱交換して供給するた
め、液体状態の液化ガスを気体状態に熱交換する熱量が
少なくなり、例えば大気でも容易に熱交換でき、簡単な
構成で容易に安定して気体状態で供給でき、維持・保守
性を向上できる。
【0060】請求項2記載の液化ガスの供給方法によれ
ば、請求項1記載の液化ガスの供給方法の効果に加え、
液化ガスを液体状態で取り出す際の圧力の設定として水
頭圧を利用するため、特別な装置を用いることなく簡単
な構成で液体状態での取り出しができるとともに、ガス
消費が停止した場合、取り出した液体状態の液化ガスは
自重および熱交換により気体状態に体積膨張するなどに
て戻される際に配管中で大気との熱交換などにて暖めら
れるので、容器の表面からの熱交換に必要な熱量を低減
でき、容器から気体状態での取り出し量を増大できる。
【0061】請求項3記載の液化ガスの供給方法によれ
ば、請求項1または2記載の液化ガスの供給方法の効果
に加え、液体状態で取り出した液化ガスを気体状態に熱
交換する際に液化ガス中に混入し気体状態にならない不
純物を除去するため、例えば自重により不純物を一箇所
に集めて取り出すなどが容易となり、不純物の残留によ
る配管の損傷や容器に不純物が残留することによる容器
の損傷などを防止できる。
【0062】請求項4記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、液化ガスを気体状態で供給する際の圧力より高い圧
力で、容器の表面で熱交換により気体状態となった液化
ガスを容器から取り出し、容器の表面で気体状態に熱交
換する熱量が不足して取り出し圧力が低下した場合に液
体状態で取り出して気体状態に熱交換して供給するた
め、液体状態の液化ガスを気体状態に熱交換する熱量が
少なくなり、例えば大気でも容易に熱交換でき、簡単な
構成で容易に安定して気体状態で供給でき、維持・保守
性を向上できる。
【0063】請求項5記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、請求項4記載の液化ガスの供給装置の効果に加え、
第1の圧力調整手段により設定された圧力より低い圧力
に設定する第2の圧力調整手段に水頭圧を利用した立ち
上がり管を備えたため、簡単な構成で液体状態での取り
出しができるとともに、ガス消費が停止した場合、取り
出した液体状態の液化ガスは自重および熱交換により気
体状態に体積膨張するなどにて戻される際に配管中で大
気との熱交換などにて暖められるので、容器の表面から
の熱交換に必要な熱量を低減でき、容器から気体状態で
の取り出し量を増大できる。
【0064】請求項6記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、請求項5記載の液化ガスの供給装置の効果に加え、
第2のガス導出管に熱交換により気体状態にならない不
純物を除去する不純物除去手段を設けたため、例えば自
重により不純物を不純物除去手段に集めて取り出すなど
が容易となり、不純物の残留による配管や容器の損傷な
どを容易に防止できる。
【0065】請求項7記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、請求項6記載の液化ガスの供給装置の効果に加え、
分離容器の上部に立ち上がり管および熱交換手段を接続
して不純物除去手段を構成するため、ガス消費の停止に
より、立ち上がり管中の液体状態の液化ガスが自重によ
り容器に戻ることにより、分離容器内や熱交換手段内の
気体状態にならない不純物は自重により分離容器の底部
に滞留する状態となるので、不純物のみを分離容器内に
分離でき、底部のドレンから容易に排出でき、簡単な構
成で不純物の残留による配管や容器の損傷などを容易に
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の液化ガスの供給装置本
体を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 液化ガスの供給装置本体 2 液化ガス 2a 気体状態 2b 液体状態 3 容器 11 第1のガス導出管 12 第1の圧力調整手段としての圧力調整バルブ 15 第2のガス導出管 16 第2の圧力調整手段としての立ち上がり管 17 熱交換手段 21 不純物除去手段 22 分離容器 24 ドレン
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 液化ガスの供給方法およびその装
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液化ガスを気体状
態で供給する液化ガスの供給方法およびその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、プロパンガスなどの液化ガスを気
体状態で供給する液化ガスの供給装置としては、例えば
容器に充填された液化ガスを取り出し、温水やヒータな
どの加熱手段により気体状態に熱交換して供給したり、
取り出した液体状態の液化ガスを減圧装置により減圧し
た後に大気とにて熱交換して気体状態で供給したり、家
庭用のプロパンガスなどのように容器の表面での大気と
の熱交換により気体状態で取り出し可能に容量の小さい
容器を用いるなどの各種構成が採られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱手
段により熱交換する構成では、装置が大型化するととも
に加熱手段のエネルギを別途必要とし、維持管理が煩雑
となるとともにコストの低減が図れない。
【0004】また、取り出した液体状態の液化ガスを減
圧装置により減圧して大気とにて熱交換する構成では、
減圧装置が必要となるとともに減圧により液体温度が低
くなるため、液化ガス中に含まれる不純物の凍結などに
よる減圧装置の予期しない作動不良を発生させたり、液
化ガスを大気とにて気体状態に熱交換させる熱量が多く
必要で、熱交換装置が大型化することにより、装置が大
型化する。
【0005】さらに、容器の表面で大気との熱交換によ
り気体状態で取り出す構成では、容器の容量を増大でき
ず、容量が少ないために頻繁に液化ガスを充填した容器
と交換する必要があり、保守管理が煩雑となる問題があ
る。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みて、簡単な構
成で維持および保守が容易な液化ガスの供給方法および
その装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の液化ガス
の供給方法は、液化ガスを充填する容器から前記液化ガ
スを液体状態および気体状態のいずれかの状態で取り出
し、前記液体状態の液化ガスは熱交換により気体状態に
気化し、所定の圧力の気体状態で供給する液化ガスの供
給方法であって、前記液化ガスを気体状態で供給する際
の圧力より前記容器の表面で熱交換により前記容器内の
気体状態に気化された液化ガスの圧力が高い場合には、
前記容器内の液体状態の液化ガスが前記容器から流出す
るためのあらかじめ設定された所定の水頭圧により前記
容器の上部から前記気化された気体状態の液化ガスのみ
取り出し、前記液化ガスを気体状態で供給する際の圧
力より前記容器の表面で熱交換により前記容器内の気体
状態に気化された液化ガスの圧力低い場合には、前記
液体状態の液化ガスが前記水頭圧を超えることにより前
記容器の底部から前記液体状態の液化ガスを取り出し、
この液体状態で取り出した前記液化ガスを気体状態に熱
交換して供給するものである。
【0008】そして、液化ガスを気体状態で供給する際
の圧力より、容器の表面で大気などにて熱交換により気
体状態となった液化ガスの圧力が高い場合には、容器内
の液体状態の液化ガスが前記容器から流出するためのあ
らかじめ設定された所定の水頭圧により容器から液体状
態の液化ガスが流出することなく、液化ガスを気体状態
容器の上部から取り出し、この液化ガスの気体状態で
の取り出し圧力が低下した場合には、液体状態の液化ガ
スがあらかじめ設定された所定の水頭圧を超えて、液化
ガスを液体状態で容器の底部から取り出し気体状態に
熱交換して所定の圧力で供給するため、容器の表面で気
体状態に熱交換する熱量が不足する分を液体状態で取り
出して気体状態に熱交換するので、液体状態の液化ガス
を気体状態に熱交換する熱量は少なく、大気などによる
熱交換で容易に気体状態で供給可能となり、簡単な構成
で容易に安定して気体状態で供給可能で、維持・保守性
が向上する。さらに、特別な装置を用いることなく立ち
上がり管などの簡単な構成で気体状態で取り出すのに不
足する分を液体状態で取り出し可能となるとともに、液
化ガスの使用の停止などにより液化ガスの気体状態での
供給が停止した際、取り出された液体状態での液化ガス
は、自重および熱交換により気体状態となることによる
体積膨張などにて、配管中での大気との熱交換などにて
暖められて容器に戻されるので、容器の表面からの熱交
換に必要な熱量が低減し、容器から気体状態での液化ガ
スの取り出し量が増大する。
【0009】請求項2記載の液化ガスの供給方法は、請
求項1記載の液化ガスの供給方法において、液体状態で
取り出した液化ガスを気体状態に熱交換する際に、前記
液化ガス中に混入し前記液化ガスが気体状態になる状態
で気体状態にならない不純物を除去するものである。
【0010】そして、液体状態で取り出した液化ガスを
気体状態に熱交換する際に、液化ガス中に混入し液化ガ
スが気体状態になる状態で気体状態にならない不純物を
除去するため、例えば自重により不純物を一箇所に集め
て取り出すなどが容易となり、供給の停止の際に液化ガ
スが自重により容器に戻る際に気体状態にならない不純
物のみが容易に分離可能となり、不純物の残留による配
管の損傷や容器に不純物が残留することによる容器の損
傷などを防止する。
【0011】請求項3記載の液化ガスの供給方法は、請
項2記載の液化ガスの供給方法において、不純物の除
去は、容器から取り出した液体状態の液化ガスを表面で
熱交換可能な分離容器の上部から流入させ、この分離容
器内に流入した前記液化ガスを前記分離容器の底部と間
隙を介した上部から取り出して気体状態に熱交換する熱
交換手段へ流出させるものである。
【0012】そして、容器から取り出した液体状態の
化ガスを表面で熱交換可能な分離容器の底部と間隙を介
した上部から流入させ、この分離容器内に流入した液化
ガスを分離容器の上部から取り出して気体状態に熱交換
する熱交換手段へ流出させるため、例えば自重により不
純物を一箇所に集めて取り出すなどが容易となり、供
の停止の際に液化ガスが自重により容器に戻る際に気体
状態にならない不純物のみが分離容器の底部に容易に分
離可能となり、簡単な構成で不純物の残留による配管の
損傷や容器に不純物が残留することによる容器の損傷な
どを防止する。
【0013】請求項4記載の液化ガスの供給装置は、液
化ガスを充填する容器から前記液化ガスを液体状態およ
び気体状態のいずれかの状態で取り出し、前記液体状態
の液化ガスは熱交換により気体状態に気化し、所定の圧
力の気体状態で供給する液化ガスの供給装置であって
一端が供給側に開口し他端が前記容器の上部に接続さ
れ、この容器の表面で熱交換により気化された前記容器
内の気体状態の前記液化ガスを取り出す第1のガス導出
管と、この第1のガス導出管に設けられ、前記液化ガス
を気体状態で供給する際の前記圧力より高い圧力でのみ
前記容器内の気体状態の前記液化ガスを前記第1のガス
導出管を介して流通させる第1の圧力調整手段と、一端
が前記第1のガス導出管に接続され他端が前記容器の
部に開口して接続され、この容器内の液体状態の前記液
化ガスを取り出す第2のガス導出管と、この第2のガス
導出管に設けられ、前記容器内の液体状態の液化ガスが
前記容器から流出するための水頭圧が第1の圧力調整手
段により設定された圧力より低い圧力に設定され、この
水頭圧より低い圧力でのみ前記容器内の液体状態の前記
液化ガスを前記第2のガス導出管を介して流通させる
ち上がり管を備えた第2の圧力調整手段と、前記第2の
ガス導出管に前記立ち上がり管より供給側に位置して
けられ、流通する液体状態の前記液化ガスを気体状態に
熱交換する熱交換手段とを具備したものである。
【0014】そして、容器の上部に接続された第1のガ
ス導出管から第1の圧力調整手段により気体状態で供
給する際の圧力より高い圧力で、容器の表面で大気など
にて熱交換により気体状態となった液化ガスを容器の上
部から取り出し、この液化ガスの気体状態での取り出し
圧力が第1の圧力調整手段にて設定された圧力以下とな
る場合には、第2の圧力調整手段の立ち上がり管による
液体状態の液化ガスが容器から流出するための水頭圧
より容器の部に開口して接続される第2のガス導出
管を介して容器の部から液化ガスを液体状態で取り出
して熱交換手段にて気体状態に熱交換し、所定の圧力で
供給するため、容器の表面で気体状態に熱交換する熱量
が不足する分を液体状態で取り出して気体状態に熱交換
するので、液体状態の液化ガスを気体状態に熱交換する
熱交換手段での熱量は少なくなり、大気などにて容易に
気体状態に熱交換でき、簡単な構成で容易に安定して気
体状態で供給可能で、維持・保守性が向上する。さら
に、特別な装置を用いることなく簡単な構成のあらかじ
め設定された所定の水頭圧とする立ち上がり管により、
気体状態で取り出すのに不足する分を液体状態で取り出
し可能となるとともに、液化ガスの使用の停止などによ
り液化ガスの気体状態での供給が停止した際、取り出さ
れた液体状態での液化ガスは、自重および熱交換により
気体状態となることによる体積膨張などにて、配管中で
の大気との熱交換などにて暖められて容器に戻されるの
で、容器の表面からの熱交換に必要な熱量が低減し、容
器から気体状態での液化ガスの取り出し量が増大する。
【0015】請求項5記載の液化ガスの供給装置は、請
求項4記載の液化ガスの供給装置において、第2のガス
導出管は、液化ガスが気体状態になる状態で気体状態に
ならない不純物を除去する不純物除去手段を備えたもの
である。
【0016】そして、第2のガス導出管に、液化ガスが
気体状態になる状態で気体状態にならない不純物を除去
する不純物除去手段を設けたため、例えば自重により不
純物を不純物除去手段に集めて取り出すなどが容易とな
り、供給の停止の際に液化ガスが自重により容器に戻る
際に気体状態にならない不純物のみが容易に分離可能と
なり、不純物の残留による配管の損傷や容器に不純物が
残留することによる容器の損傷などを防止する。
【0017】請求項6記載の液化ガスの供給装置は、請
求項5記載の液化ガスの供給装置において、不純物除去
手段は、立ち上がり管および熱交換手段が底部と間隙を
介した上部に接続され、底部に排出用のドレンを有した
分離容器を備えたものである。
【0018】そして、底部に排出用のドレンを有した分
離容器の底部に間隙を介する上部に立ち上がり管および
熱交換手段を接続して不純物除去手段を構成するため、
立ち上がり管を介して取り出された液体状態の液化ガス
は一旦分離容器に流入した後、熱交換手段に流入して気
体状態に熱交換されて供給される。また、供給の停止に
より、立ち上がり管中の液体状態の液化ガスが自重によ
り容器に戻ることにより、分離容器内や熱交換手段内の
気体状態にならない不純物は自重により分離容器の底部
に滞留する状態となり、不純物のみを分離容器内に分離
可能で、底部のドレンから容易に排出可能となり、簡単
な構成で不純物の残留による配管の損傷や容器に不純物
が残留することによる容器の損傷などを防止する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態の液
化ガスの供給装置の構成を図面を参照して説明する。
【0020】図1において、1は液化ガスの供給装置本
体で、この供給装置本体1は、例えばプロパンガスなど
の液化ガス2を充填して貯留する容器3と、図示しない
建造物内に配管され各部屋に液化ガス2を気体状態2aで
供給する供給管4との間に接続されている。
【0021】そして、容器3は、例えば直径が約0.8
m、長さ寸法が約1.65m、最大充填量が約300kg
の略円筒形状に形成され、外周面に図示しない地表面に
載置する脚部が設けられ、長手方向を略水平方向に沿っ
て地表面上に載置される。また、容器3には、地表面上
に載置された状態での上部に接続され端部に第1の開閉
バルブ6を有した第1の取出管7と、一端に第2の開閉
バルブ8を有し他端が容器3の底部に開口する第2の取
出管9とが設けられている。さらに、供給管4の供給装
置本体1が接続される端部には、気体状態2aの液化ガス
2を家庭用の一般的な供給圧力である例えば3kPaの圧
力で供給するための圧力調節弁10が設けられている。
【0022】また、供給装置本体1には、一端が容器3
の第1の開閉バルブ6に接続され、他端が供給管4の圧
力調節弁10に接続される第1のガス導出管11が設けられ
ている。そして、この第1のガス導出管11には、第1の
開閉バルブ6を介して第1の取出管7から流出する気体
状態2aの液化ガス2を、例えば極寒地を除くほとんど全
ての日本国内において、気化できる気温である−10℃
に相当する市販プロパンの飽和圧力の0.24MPa以上
で供給管4の圧力調節弁10に流通させる第1の圧力調整
手段としての圧力調整バルブ12が設けられている。な
お、第1のガス導出管11には、供給管4の圧力調節弁10
に接続される側の端部近傍に第1のバルブ13が設けられ
ている。
【0023】また、供給装置本体1には、一端が容器3
の第2の開閉バルブ8に接続され、他端が供給管4の圧
力調節弁10に第1のガス導出管11とともに接続される第
2のガス導出管15が設けられている。そして、この第2
のガス導出管15には、一端が容器3の第2の開閉バルブ
8に接続され長手方向を上下方向である略鉛直方向に沿
った第2の圧力調整手段としての立ち上がり管16を備え
ている。この立ち上がり管16は、圧力調整バルブ12によ
り遮断する圧力である0.24MPaの圧力以下でかつ供
給する圧力が3kPaより高い圧力の条件で、容器3内の
液体状態2bの液化ガス2を第2の開閉バルブ8を介して
第2の取出管9から供給管4の圧力調節弁10に流通させ
る水頭圧が得られる高さ寸法に設定されて逆U字状に形
成される。
【0024】また、第2のガス導出管15には、流通する
液体状態2bの液化ガス2を大気との熱交換により気体状
態にする熱交換手段17が設けられている。そして、この
熱交換手段17は、液体状態2bの液化ガス2を流通する流
通管18と、この流通管18の外周面に複数設けられた板状
のフィン19とにて構成されている。
【0025】さらに、第2のガス導出管15には、立ち上
がり管16と熱交換手段17との間に位置して、容器3から
供給管4に流通する液化ガス2から水分などの液化ガス
2より質量の重い不純物を除去する不純物除去手段21が
設けられている。この不純物除去手段21は、略箱状に形
成された分離容器22を有している。そして、この分離容
器22の底部には、この底部に溜まった水などの不純物を
取り出す取出バルブ23を有したドレン24が設けられてい
る。また、分離容器22の底部と間隙を介する上部には、
立ち上がり管16の第2の開閉バルブ8に接続される側と
反対側である下流側の端部が接続されているとともに、
熱交換手段17の流通管18の上流側が接続されている。
【0026】なお、第2のガス導出管15には、供給管4
の圧力調節弁10に接続される側の端部近傍に第1のガス
導出管11と同様に第2のバルブ25が設けられている。
【0027】次に、上記実施の形態の動作を説明する。
【0028】まず、供給装置本体1に液化ガス2が充填
された容器3を接続する。すなわち、供給装置本体1の
第1のガス導出管11に容器3の第1の開閉バルブ6を接
続するとともに、第2のガス導出管15の立ち上がり管16
に容器3の第2の開閉バルブ8を接続する。そして、容
器3の第1の開閉バルブ6および第2の開閉バルブ8を
開成するとともに、供給装置本体1の第1のバルブ13、
第2のバルブ25および圧力調整バルブ12を開成し、さら
に、供給管4の圧力調節弁10を開成して、液化ガス2の
気体状態2aでの供給待機状態にする。
【0029】なお、この供給待機状態では、容器3内の
圧力により、第1の開閉バルブ6を介して第1の取出管
7から、圧力調整バルブ12の設定圧力である0.24M
Pa以上で供給装置本体1の第1のガス導出管11および第
2のガス導出管15内に流入して充満する。このため、第
2のガス導出管15の立ち上がり管16には水頭圧が作用し
て、立ち上がり管16内を液体状態2bの液化ガス2が上昇
しないで容器3の液面位置と略同じ位置程度となってい
る。また、圧力調節弁10の設定圧力である3kPaで供給
管4内に気体状態2aの液化ガス2が流入して充満する。
【0030】この供給待機状態で、供給管4の末端部で
気体状態2aの液化ガス2の使用により、供給管4内の内
圧が下がる状態となって供給装置本体1から引かれるよ
うに気体状態2aの液化ガス2が流れ込む。この気体状態
2aの液化ガス2の供給管4への供給は、まず第1のガス
導出管11内から流入される。すなわち、第1のガス導出
管11からの0.24MPa以上の設定圧力での気体状態2a
の液化ガス2の供給により立ち上がり管16に水頭圧が作
用するため、立ち上がり管16内を液体状態2bの液化ガス
2が上昇しないで容器3の液面位置と略同じ位置程度と
なっている。
【0031】そして、液化ガス2の使用が続くと、容器
3内の気体状態2aの液化ガス2が少なくなるため、液体
状態2bの液化ガス2が容器3の表面において大気との熱
交換により気体状態2aに気化し、気体状態2aの液化ガス
2が第1のガス導出管11を介して供給管4に流通する。
【0032】ここで、容器3は、一般家庭において使用
されるプロパンガス用ボンベ(約50kg)のような小型
の容器に比して最大充填量が約300kgと大きいため、
同量当りの表面積が小さくなり、容器3の表面での大気
との熱交換では十分に気化できなくなり、第1のガス導
出管11内の圧力が低下する。そして、設定圧力である
0.24MPaを下回ると、圧力調整バルブ12が動作して
閉成し、容器3からの気体状態2aの液化ガス2の流出を
停止させる。
【0033】この第1のガス導出管11の遮断により、供
給装置本体1内の圧力は次第に低下する。この供給装置
本体1の圧力の低下により、容器3内の圧力が作用して
容器3内の液体状態2bの液化ガス2が立ち上がり管16を
上り始め、供給管4への供給する圧力3kPaを維持する
ために必要な圧力調節弁10の最低一次圧力の0.2MPa
にまで低下するまでに、容器3内の圧力が水頭圧を上回
って立ち上がり管16を越えて不純物除去手段21の分離容
器22内に流入する。なお、この立ち上がり管16の流過お
よび分離容器22への流入の間に液体状態2bの液化ガス2
の一部は気化する。さらに、分離容器22内が満たされる
と、分離容器22内の液体状態2bの液化ガス2は熱交換手
段17の流通管18に流入し、大気との熱交換により気体状
態2aに気化されて、圧力調節弁10を介して供給管4に供
給される。
【0034】また、ガス消費が停止した場合、第2のガ
ス導出管15内に流入した液体状態2bの液化ガス2は、熱
交換手段17や分離容器22、立ち上がり管16などの表面に
おいて大気と熱交換して徐々に気化する。そして、第2
のガス導出管15内の圧力が次第に容器3内の圧力に近似
する圧力になるとともに、立ち上がり管16内の気化して
いない液体状態2bの液化ガス2は、水頭圧により次第に
容器3内に落下するように戻る。
【0035】ここで、液化ガス2中には、水分などの液
化ガス2より質量の重い重質物質である不純物が含まれ
ている場合、立ち上がり管16の頂部から分離容器22ま
で、あるいは、分離容器22から熱交換手段17までで、液
体状態2bの液化ガス2が大気との熱交換により気化した
際に水分などの不純物は気化せずに水として残留する状
態となるが、立ち上がり管16の頂部から分離容器22ま
で、あるいは、分離容器22から熱交換手段17までの水
は、立ち上がり管16を乗り越えることなく自重により分
離容器22に流れ落ちて分離容器22の底部に滞留する。そ
して、取出バルブ23を開成してドレン24から滞留する水
などの不純物を除去する。
【0036】このため、第2のガス導出管15内に気化さ
れずに残留する不純物は、不純物除去手段21の分離容器
22に分集されて立ち上がり管16を介して容器3内に戻る
ことを防止できる。したがって、容器3内や第2のガス
導出管15内に不純物が次第に濃縮される状態を防止で
き、不純物による容器3の損傷などを防止できる。
【0037】そして、容器3内の液化ガス2の残量が少
なくなった場合には、供給装置本体1に接続した状態で
容器3に設けた図示しない充填口から液化ガス2を充填
する。
【0038】また、供給装置本体1の保守点検などを行
う場合には、第1の開閉バルブ6または第2の開閉バル
ブ8、第1のバルブ13または第2のバルブ25を交互に閉
成してガスの供給を停止させることなく行うことができ
る。
【0039】上記実施の形態は、大きな容量の容器3を
用いても、連続消費により容器3の表面での熱交換が不
十分となって液化ガス2の気体状態2aでの取り出し圧力
が低下すると、液化ガス2を液体状態2bで取り出して気
体状態2aに熱交換して供給する。このため、液体状態2b
の液化ガス2を気体状態2aに熱交換する熱量を、容器3
の表面で熱交換する熱量の不足した分を取り出した液体
状態2bの液化ガス2の気化分だけでよく、大気などによ
る熱交換でも十分に安定して気体状態2aで供給でき、熱
交換のための装置も小型化でき、従来のように容量の小
さいプロパンガス用ボンベを頻繁に交換することがな
く、また液体状態2bで取り出した液化ガス2を従来のよ
うに全量を加熱手段にて加熱する必要もなく、装置構造
を簡略化および小型化でき、装置の製造性を向上でき、
装置コストやランニングコストを低減できるとともに、
維持管理や保守管理が容易となり、維持管理や保守管理
のコストも低減できる。
【0040】また、容器3の表面での熱交換が不十分と
なって液化ガス2の気体状態2aでの取り出し圧力の低下
分を、水頭圧を利用した立ち上がり管16により液体状態
2bで取り出すため、弁やバルブなどにて圧力設定する構
造に比して簡略化でき、不純物による弁やバルブの動作
不良を生じるおそれがなく簡単な構造で液体状態2bでの
取り出しができるとともに、液化ガス2の使用の停止で
あるガス消費が停止された場合に、容器3に戻る際に大
気との熱交換などにて暖められるので、容器3の表面か
らの熱交換に必要な熱量が低減して容器3からの気体状
態2aでの取り出し量を増大できる。
【0041】さらに、上述したように、不純物除去手段
21を液体状態2bで取り出した液化ガス2を気体状態2aに
気化させて供給する第2のガス導出管15に設けたため、
液化ガス2の気化では気化しない水分などの不純物によ
る容器や第2のガス導出管15の損傷などを防止できる。
【0042】また、不純物除去手段21として、上部に立
ち上がり管16および熱交換手段17の流通管18が接続され
底部にドレン24を有した分離容器22を用い、ガス消費の
停止にて液化ガス2が容器3に戻り、気化されない不純
物は分離容器22に分集するため、簡単な構造で容易に不
純物のみを分離除去でき、不純物の残留による配管の損
傷や容器3に不純物が残留することによる損傷などを容
易に防止できる。
【0043】なお、上記実施の形態において、不純物除
去手段21として、上部に立ち上がり管16および熱交換手
段17の流通管18が接続され底部にドレン24を有した分離
容器22を用いて説明したが、例えば熱交換手段17の流通
管18を略鉛直方向に立設し、底部にドレン24を設けて不
純物除去手段を構成するなど不純物を除去するいずれの
構成のものでもよい。
【0044】さらに、熱交換手段17としては、大気との
熱交換による構成に限らず、ヒータや温水、井戸水など
を用いるいずれの構成でもできる。
【0045】また、容器3を地表面上に設置して説明し
たが、地中に埋設するなどしてもよい。
【0046】一方、圧力調整バルブ12の設定として−1
0℃で大気との熱交換により気化できる圧力0.24M
Paに設定したが、環境に対応して適宜設定すればよい。
【0047】
【実施例】次に、上記実施の形態の供給装置本体1を用
いて、具体的なガスの供給動作を説明する。
【0048】なお、容器3は、直径が約0.8m、長さ
寸法が約1.65m、最大充填量が約300kgの略円筒
形状とし、市販プロパンであるプロパン98 mol%、ブ
タン2 mol%の液化ガス2を約100kg充填して容器3
内の圧力を0.39MPaとする。また、外気温度が2℃
で風速は微風とし、容器3内の液体状態2bの温度を2℃
とする。この状態での液化ガス2である市販プロパンの
性状は表1に示す性状となる。なお、容器3内に充填さ
れた液化ガス2の液体状態2bの大気と熱交換される容器
3の表面積は、約2m2 となる。
【0049】
【表1】 この液体状態2b(+2℃)の液化ガス2が気体状態2a
(−10℃)に気化するのに利用できる熱量は、表1に
示す性状から、 (69.5−62.6)×100=690〔kcal〕 となり、この熱量を設定した気化可能な温度条件である
−10℃までに気体状態2aに気化されるガス量に換算す
ると、 690÷93.6=7.4〔kg〕 となる。
【0050】そして、市販プロパンの消費量を10kg/h
とすると、消費している間の大気からの熱交換の際の入
熱量は、外気温度や風速などの条件から得られる総括伝
熱係数約10kcal/m2 h℃に基づき、 10×2×(2−(−10))/2×7.4/10=8
8.8〔kcal〕 となり、この消費している間に気体状態2aに気化される
ガス量は、 88.8÷93.6=0.95〔kg〕 となる。
【0051】したがって、圧力調整バルブ12が設定圧力
である0.24MPaを下回って閉成することにより第1
のガス導出管11が遮断するまでの時間は、 (7.4+0.95)÷10=0.835〔h〕 となり、連続消費開始から約50分後に第1のガス導出
管11が遮断することとなる。このため、さらに連続消費
する場合には、第2のガス導出管15から液体状態2bの液
化ガス2を取り出し、熱交換手段17にて熱交換させるこ
ととなる。
【0052】一方、第1のガス導出管11が遮断されて第
2のガス導出管15から液化ガス2を供給する状態を説明
する。
【0053】なお、立ち上がり管16の高さ寸法を容器3
の頂部から1mとした。また、容器3内に市販プロパン
を約100kg充填した際の液面から容器3の頂部までの
高さ寸法は、0.53mとなる。このため、立ち上がり
管16による水頭圧は、 544×(1+0.53)=832〔kg/m2 〕 となり、約0.008MPaとなる。
【0054】したがって、圧力が0.24MPaを下回っ
て第1のガス導出管11の圧力調整バルブ12が遮断した後
は、第1のガス導出管11内に残存する気体状態2aの液化
ガス2および立ち上がり管16を上昇する液体状態2bの一
部が気化した気体状態2aの液化ガス2が供給管4に供給
を続け、圧力が0.232MPa(0.24−0.00
8)まで低下すると、液体状態2bは立ち上がり管16を上
り越えて分離容器22内に流入し、さらに一部気化されつ
つ熱交換手段17に流入して完全に気化され、供給管4に
供給される。
【0055】次に、立ち上がり管16と供給圧力との関係
について説明する。
【0056】ここで、供給管4に供給する圧力3kPa
維持するために必要な圧力調節弁10の最低一次圧力は
0.2MPaとする。また、第1のガス導出管11の圧力調
整バルブ12の圧力設定は、液体状態2bの液化ガス2が気
体状態2aに気化できる最低温度の−10℃に対応した
0.24MPaとする。そして、立ち上がり管16での水頭
圧は、圧力調節弁10の最低一次圧力以下となる前に液体
状態2bの液化ガス2を取り出して気化させる必要がある
ことから、 0.24−0.2=0.04MPa=4000〔kg/m
2 〕 4000÷544=7.4〔m〕 となり、立ち上がり管16は、容器3内の液面から頂部ま
での高さ寸法が7.4mより低くなる高さで形成する必
要がある。すなわち、立ち上がり管16は、第1のガス導
出管11により遮断する圧力以下で、かつ、第1のガス導
出管11による遮断する圧力と圧力調節弁10の必要最低一
次圧力との差圧より小さい水頭圧となる高さ寸法に設定
する。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の液化ガスの供給方法によ
れば、液化ガスを気体状態で供給する際の圧力より、
器の表面で大気などにて熱交換により気体状態となった
液化ガスの圧力が高い場合には、容器内の液体状態の液
化ガスが前記容器から流出するためのあらかじめ設定さ
れた所定の水頭圧により容器から液体状態の液化ガスが
流出することなく、液化ガスを気体状態で容器の上部
ら取り出し、この液化ガスの気体状態での取り出し圧力
が低下した場合には、液体状態の液化ガスがあらかじめ
設定された所定の水頭圧を超えて、液化ガスを液体状態
容器の底部から取り出し気体状態に熱交換して所定
の圧力で供給するため、液体状態の液化ガスを気体状態
に熱交換する熱量が少なくなり、例えば大気でも容易に
熱交換でき、簡単な構成で容易に安定して気体状態で供
給でき、維持・保守性を向上できる。さらに、特別な装
置を用いることなく立ち上がり管などの簡単な構成で気
体状態で取り出すのに不足する分を、弁やバルブなどに
て圧力設定する構造に比して簡略化でき、不純物による
弁やバルブの動作不良を生じるおそれがなく簡単な構造
で液体状態で取り出しできるとともに、液化ガスの使用
の停止などにより液化ガスの気体状態での供給が停止し
た際、取り出された液体状態での液化ガスは、自重およ
び熱交換により気体状態となることによる体積膨張など
にて、配管中での大気との熱交換などにて暖められて容
器に戻されるので、容器の表面からの熱交換に必要な熱
量を低減でき、容器から気体状態での液化ガスの取り出
し量を増大できる。
【0058】請求項2記載の液化ガスの供給方法によれ
ば、請求項1記載の液化ガスの供給方法の効果に加え
体状態で取り出した液化ガスを気体状態に熱交換する
際に液化ガス中に混入し気体状態にならない不純物を除
するため、例えば自重により不純物を一箇所に集めて
取り出すなどが容易となり、不純物の残留による配管の
損傷や容器に不純物が残留することによる容器の損傷な
どを防止できる。
【0059】請求項3記載の液化ガスの供給方法によれ
ば、請求項2記載の液化ガスの供給方法の効果に加え、
容器から取り出した液体状態液化ガスを表面で熱交換
可能な分離容器の底部と間隙を介した上部から流入さ
せ、この分離容器内に流入した液化ガスを分離容器の上
部から取り出して気体状態に熱交換する熱交換手段へ流
出させるため、例えば自重により不純物を一箇所に集め
て取り出すなどが容易となり、供給の停止の際に液化ガ
スが自重により容器に戻る際に気体状態にならない不純
物のみが分離容器の底部に容易に分離でき、簡単な構成
不純物の残留による配管の損傷や容器に不純物が残留
することによる容器の損傷などを防止できる。
【0060】請求項4記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、液化ガスを気体状態で供給する際の圧力より高い圧
力で、容器の表面で熱交換により気体状態となった液
化ガスを容器の上部から取り出し、容器の表面で気体状
態に熱交換する熱量が不足して取り出し圧力が低下した
場合には、立ち上がり管による液体状態の液化ガスが容
器から流出するための水頭圧を上回り、液体状態の液化
ガスが容器の底部から取り出して気体状態に熱交換し
所定の圧力で供給するため、容器の表面で気体状態に熱
交換する熱量が不足する分を液体状態で取り出して気体
状態に熱交換するので、液体状態の液化ガスを気体状態
に熱交換する熱量が少なくなり、例えば大気でも容易に
熱交換でき、簡単な構成で容易に安定して気体状態で供
給でき、維持・保守性を向上できる。さらに、特別な装
置を用いることなく簡単な構成のあらかじめ設定された
所定の水頭圧とする立ち上がり管により、気体状態で取
り出すのに不足する分を、弁やバルブなどにて圧力設定
する構造に比して簡略化でき、不純物による弁やバルブ
の動作不良を生じるおそれがなく簡単な構造で液体状態
で取り出しできるとともに、液化ガスの使用の停止など
により液化ガスの気体状態での供給が停止した際、取り
出された液体状態での液化ガスは、自重および熱交換に
より気体状態となることによる体積膨張などにて、配管
中での大気との熱交換などにて暖められて容器に戻され
るので、容器の表面からの熱交換に必要な熱量を低減で
き、容器から気体状態での液化ガスの取り出し量を増大
できる。
【0061】請求項5記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、請求項4記載の液化ガスの供給装置の効果に加え、
第2のガス導出管に熱交換により気体状態にならない不
純物を除去する不純物除去手段を設けたため、例えば自
重により不純物を不純物除去手段に集めて取り出すなど
が容易となり、不純物の残留による配管や容器の損傷な
どを容易に防止できる。
【0062】請求項6記載の液化ガスの供給装置によれ
ば、請求項5記載の液化ガスの供給装置の効果に加え、
分離容器の上部に立ち上がり管および熱交換手段を接続
して不純物除去手段を構成するため、ガス消費の停止に
より、立ち上がり管中の液体状態の液化ガスが自重によ
り容器に戻ることにより、分離容器内や熱交換手段内の
気体状態にならない不純物は自重により分離容器の底部
に滞留する状態となるので、不純物のみを分離容器内に
分離でき、底部のドレンから容易に排出でき、簡単な構
成で不純物の残留による配管や容器の損傷などを容易に
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の液化ガスの供給装置本
体を示すブロック図である。
【符号の説明】 1 液化ガスの供給装置本体 2 液化ガス 2a 気体状態 2b 液体状態 3 容器 11 第1のガス導出管 12 第1の圧力調整手段としての圧力調整バルブ 15 第2のガス導出管 16 第2の圧力調整手段としての立ち上がり管 17 熱交換手段 21 不純物除去手段 22 分離容器 24 ドレン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガスを充填する容器から前記液化ガ
    スを取り出し、気体状態で供給する液化ガスの供給方法
    において、 前記液化ガスを気体状態で供給する際の圧力より高い圧
    力でのみ前記容器から前記液化ガスを気体状態で取り出
    すとともに、この液化ガスを気体状態で取り出す圧力条
    件より低い圧力でのみ前記容器から前記液化ガスを液体
    状態で取り出し、 この液体状態で取り出した前記液化ガスを気体状態に熱
    交換して供給することを特徴とする液化ガスの供給方
    法。
  2. 【請求項2】 液化ガスを液体状態で取り出す際の圧力
    の設定は、前記液体状態の液化ガスの水頭圧を利用する
    ことを特徴とする請求項1記載の液化ガスの供給方法。
  3. 【請求項3】 液体状態で取り出した液化ガスを気体状
    態に熱交換する際に、前記液化ガス中に混入し前記液化
    ガスが気体状態になる状態で気体状態にならない不純物
    を除去することを特徴とする請求項1または2記載の液
    化ガスの供給方法。
  4. 【請求項4】 液化ガスを充填する容器から前記液化ガ
    スを取り出し、気体状態で供給する液化ガスの供給装置
    において、 一端が供給側に開口し他端が前記容器の上部に接続さ
    れ、この容器内の気体状態の前記液化ガスを取り出す第
    1のガス導出管と、 この第1のガス導出管に設けられ、前記液化ガスを気体
    状態で供給する際の圧力より高い圧力でのみ前記容器内
    の気体状態の前記液化ガスを前記第1のガス導出管を介
    して流通させる第1の圧力調整手段と、 一端が前記第1のガス導出管に接続され他端が前記容器
    の下部に開口して接続され、この容器内の液体状態の前
    記液化ガスを取り出す第2のガス導出管と、 この第2のガス導出管に設けられ、第1の圧力調整手段
    により設定された圧力より低い圧力でのみ前記容器内の
    液体状態の前記液化ガスを前記第2のガス導出管を介し
    て流通させる第2の圧力調整手段と、 前記第2のガス導出管に設けられ、流通する液体状態の
    前記液化ガスを気体状態に熱交換する熱交換手段とを具
    備したことを特徴とする液化ガスの供給装置。
  5. 【請求項5】 第2の圧力調整手段は、液体状態の液化
    ガスの水頭圧により第1の圧力調整手段により設定され
    た圧力より低い圧力に設定された立ち上がり管を備えた
    ことを特徴とする請求項4記載の液化ガスの供給装置。
  6. 【請求項6】 第2のガス導出管は、液化ガスが気体状
    態になる状態で気体状態にならない不純物を除去する不
    純物除去手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の
    液化ガスの供給装置。
  7. 【請求項7】 不純物除去手段は、立ち上がり管および
    熱交換手段が底部と間隙を介した上部に接続され、底部
    に排出用のドレンを有した分離容器を備えたことを特徴
    とする請求項6記載の液化ガスの供給装置。
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