JPH11336824A - 多段式流体圧シリンダ - Google Patents

多段式流体圧シリンダ

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JPH11336824A
JPH11336824A JP14684598A JP14684598A JPH11336824A JP H11336824 A JPH11336824 A JP H11336824A JP 14684598 A JP14684598 A JP 14684598A JP 14684598 A JP14684598 A JP 14684598A JP H11336824 A JPH11336824 A JP H11336824A
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hydraulic cylinder
stage
cylinder
piston
pressure
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JP14684598A
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Michito Hirahara
道人 平原
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バウンド時、リバウンド時における異音や減
衰力の急激な変動を防止する。 【解決手段】 ピストン、ピストンロッドおよびシリン
ダケースからなる流体圧シリンダとこの流体圧シリンダ
をケースごと直列に組み合わせて該ケースをシリンダの
ロッドおよびピストンとして機能させる少なくとも2段
の流体圧シリンダを備えた多段式流体圧シリンダにおい
て、各段の流体圧シリンダは常に同一の力を発生するも
のとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のショックアブソ
ーバ等に適用して好適な多段式流体圧シリンダに関し、
とくに、車両のバウンドあるいはリバウンド時における
減衰力の急激な変化や異音を軽減しようとするものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来のショックアブソーバは、例えば図
14に示すように車体側に連結されるピストンpと、車
輪側に連結されるシリンダsとからなり、該シリンダs
の内部には油圧室s1 が形成されているのが一般的であ
ったが、かかる構造になるショックアブソーバにあって
は、単一のシリンダ(ピストンは一つ)で減衰力を発生
させるため、路面の凹凸によるホイールストロークに対
応して概略片側ホイールストロークの約3倍程度の長さ
の取付長が必要となり、ショックアブソーバの取付必要
スペースを確保しようとすると室内のスペースを狭める
という不具合があった。
【0003】すなわち、サスペンションのバウンドスト
ロークをXとした場合、リバウンドストロークも通常は
Xと同程度に設定することから、例えば図15 (a)お
よび(b)に各々最伸展時および最短縮時の状態を示す
一般的なショックアブソーバにおいては、構造上、理想
的な場合であっても最短縮時には最伸展時寸法の半分程
度までしか縮むことができないため、同図(c)に示す
寸法A,B,Cは各々X以上とする必要があって、ショ
ックアブソーバ取付長Dは、リバウンドストロークXの
3倍以上とする必要があったのである。
【0004】近年においては限られた車両スペースにお
いて従来よりもより一層広い車室空間を確保することが
一般的に要求される傾向にあるが、この点に関する改良
を試みたいものとして本出願人は先に、少なくとも2つ
のショックアブソーバを直列に組み合わせ、互いに隣接
するショックアブソーバのうち一方のショックアブソー
バ自体をピストンおよびピストンロッドとしてケースご
とその一端から内装することによってショックアブソー
バの寸法の短縮化を図りショックアブソーバを原因とす
る車両室内の狭小化を防止するような多段式の構造とし
た技術を特願平10−12412号にて提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の特願
平10−12412号にて提案した多段式流体圧シリン
ダは、車両のバウンド時あるいはリバウンド時におい
て、ピストンに均等に力が作用しない構造となっていた
ためある一つのピストンが他のピストンよりも先にシリ
ンダのストッパに接触して異音が発生したり、この時減
衰力の変動をもたらし車両の乗り心地に悪影響を与える
ことが考えられることから、アクティブサス等に用いら
れる油圧シリンダとしてはそのまま適用しにくいところ
に問題を残していた。
【0006】本発明は上述したような従来の問題点に着
目してなされたものであり、車両の室内スペースに悪影
響を与えることがない多段式の流体圧シリンダにおい
て、各段におけるシリンダのロッド、ピストンの位置ず
れを防止するとともに全てのシリンダが同等に作動する
ことによって異音や減衰力の変動をもたらすことのない
新規な多段式流体圧シリンダを提案することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は次
の構成によって成就される。すなわち、本発明の請求項
1に係る多段式液体圧シリンダは、ピストン、ピストン
ロッドおよびシリンダケースからなる流体圧シリンダと
この流体圧シリンダをケースごと直列に組み合わせて該
ケースをシリンダのロッドおよびピストンとして機能さ
せる少なくとも2段の流体圧シリンダを備えた多段式流
体圧シリンダであって、各段の流体圧シリンダは常に同
等の力を発生するものである、ところに特徴を有する。
【0008】また、本発明の請求項2に係る多段式液体
圧シリンダは、各段の液体圧シリンダが、シリンダケー
スとピストンとをつないで中立位置を保持しこの状態で
自然長を有する弾性体を有するものであり、各段の液体
圧シリンダにおけるバウンド側およびリバウンド側のス
トローク長、それぞれの弾性体のばね定数が、 L1b :L2b :…: Lnb=L1r : L2r:…: Lnr=1/K1
1/K2 …: 1/Kn ここに、 Lnb:n段目のバウンド側のストローク長 Lnr:n段目のリバウンド側のストローク長 Kn :n段目の弾性体のばね定数 の関係を有する点に特徴を有する。
【0009】また、本発明の請求項3に係る多段式液体
圧シリンダは、バウンド側のストローク長、リバウンド
側のストローク長および弾性体のばね定数が、 L1b :L2b :…: Lnb=L1r : L2r:…: Lnr=1/K1
1/K2 …: 1/Kn =1:1………:1 を満足するものである点に特徴を有する。
【0010】また、本発明の請求項4に係る多段式液体
圧シリンダは、各段の流体圧シリンダがピストンを境に
してその上室と下室を貫通する通路を備え、シリンダの
上室、下室の受圧面積差に反比例する圧力に制御する圧
力制御回路を有する点に特徴を有する。
【0011】さらに、本発明の請求項5に係る多段式液
体圧シリンダは、各段の液体圧シリンダがピストンを境
にしてその上室と下室とを貫通する通路を備え、シリン
ダの上下室における受圧面積差が各段でそれぞれ同等で
あり、各液体圧シリンダはそれぞれ個別の圧力制御経路
を有するが、各段において共通する制御回路を備えるも
のとする点に特徴を有する。
【0012】また、本発明の請求項6に係る多段式液体
圧シリンダは、各段の流体圧シリンダがピストンを境に
してその上室と下室とが貫通する通路と、互いに隣接す
る液体圧シリンダとをつなぐ連結孔とを備え、シリンダ
の上下室における受圧面積差が各段でそれぞれ同等であ
り、各液体圧シリンダは共通する単一の圧力制御経路と
この経路につながり各液体圧シリンダと共通する圧力制
御回路を有し、該圧力制御経路は各段の何れか一つの流
体圧シリンダと接続する点に特徴を有する。
【0013】さらに、本発明の請求項7に係る多段式流
体圧シリンダは、互いに隣接する液体圧シリンダのそれ
ぞれの間に、ピストンの動きに併せて伸縮可能であり、
端部における接触面積の変更によって各段の液体圧シリ
ンダの上室、下室の受圧面積差を同等とする伸縮機構を
有する点に特徴を有する。
【0014】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る流体圧シリンダ
においては、全ての流体圧シリンダに対して常に同等の
力を発生させるようにしたのでバウンドあるいはリバウ
ンド時において各流体圧シリンダは同じようにストロー
クすることになりストッパの接触による異音が発生した
り、衝撃を吸収する際の減衰力が変動するようなことは
ない。
【0015】本発明の請求項2に係る流体圧シリンダに
おいてはシリンダケースとピストンとをつなぎ、その中
立位置を保持した状態で自然長を有する弾性体を配置し
たので中立位置が安定的に保持される。また、バウンド
側のストローク長、リバウンド側のストローク長および
上記弾性体のばね定数はL1b :L2b :…: Lnb=L1r
L2r:…: Lnr=1/K1: 1/K2 …: 1/Kn の関係を満足
させることにより、何れのシリンダにおいてもフルスト
ローク状態でストッパに接触することになるからストロ
ーク中において異音が発生したり減衰力が急激に変更す
るようなことはない。
【0016】本発明の請求項3に係る多段式流体圧シリ
ンダにおいては、L1b :L2b :…:Lnb=L1r : L2r
…: Lnr=1/K1: 1/K2 …: 1/Kn = 1:1………:
1の条件を満たすようにしたので全てのシリンダにおい
てストローク長が同じになるとともにシリンダの長さを
短くできるのでスペース効率(全ストローク長/中立位
置からシリンダの端部までに至る寸法)が改善される。
【0017】本発明の請求項4に係る液体圧シリンダは
シリンダの上室と下室との間に通路を設けて、圧力制御
回路にて各段の液体圧シリンダとの関連においてシリン
ダの上室、下室の受圧面積差に反比例する圧力に制御す
るようにしたので一つの液体圧シリンダのみが大きくス
トロークするようなことはなく車両静止状態にあっても
ピストンロッドとして使用するシリンダが移動し続ける
ことなく中立位置に保持できる。ここに、例えば2段式
の液体圧シリンダを適用する場合においては制御圧力を
1 、p2 、ピストンの受圧面積差をΔA1 、Δ2 とす
るとp1 :p2 =ΔA2:ΔA1 の関係を保てばよく、
各段のシリンダのそれぞれに圧力制御弁を備えた構造の
ものでは一方の指令電流値をi1 、もう一方のシリンダ
の指令電流値をi 2 とすると、制御指令電流はコントロ
ーラにてi1 :i2 =ΔA2 :ΔA1 に保つようにす
る。
【0018】本発明の請求項5に係る多段式流体圧シリ
ンダにおいては流体圧シリンダの上室と下室を貫通する
通路を設け、該上下の室の受圧面積差を全てのシリンダ
において同等とし、圧力制御経路は別個に設けるがアキ
ュームレータや圧力制御弁を含めた制御回路を共通とし
たのでシリンダの受圧面積差が変わらぬ限り同一条件の
制御が可能になる。
【0019】本発明の請求項6に係る多段式流体圧シリ
ンダは、基本的には請求項4、5に係るものと共通する
が、圧力制御回路とこれにつながる経路は何れか一つの
流体圧シリンダに連結し、この経路および圧力制御回路
にて各段の液体圧シリンダを制御するので構造の簡素化
が可能になるだけでなく構造が簡素化されたぶん耐久性
の向上を図ることができる。
【0020】本発明の請求項7に係る多段式流体圧シリ
ンダにおいては、伸縮機構を設けるようにしたのでこの
端部における接触端の面積の調整によりピストンの受圧
面積の変更が可能であり各段でシリンダのサイズが異な
ろうともピストンの受圧面積を全て同等とすることがで
きる。また、伸縮機構をフレキシブルチューブの如き構
造のものとしその段数を増やすことによってスペース効
率が改善され車両搭載時に車室内へのシリンダの張り出
しを小さくすることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に従う多段式流体圧
シリンダを図面に従いより具体的に説明する。図1は本
発明 (請求項1〜4) に従う2段の例で示した流体圧シ
リンダであり、1は第1の流体圧シリンダ、2はケー
ス、3は第1の流体圧シリンダ1のロッド、4はピスト
ン、5はスプリング等からなる弾性体でありこの弾性体
5はロッド3、ピストン4の中立位置を保持するととも
にその状態で自然長L1rを有する。
【0022】また、6は第2の流体圧シリンダ、7は第
2の流体圧シリンダ6のケース、8は第1の流体圧シリ
ンダ1のケース2の先端部に設けたピストン、9は第2
のシリンダ6内に配置される弾性体であって、この弾性
体9はピストン8とこれにつながる第1の液体圧シリン
ダ1を第2の液体圧シリンダ6の中立位置で保持し、第
1の流体圧シリンダ1の弾性体5と同様に中立位置を保
持した状態で自然長L 2rを有する。
【0023】ここで、第1の流体圧シリンダ1と第2の
液体圧シリンダ6は直列に組み合わされていて、第1の
流体圧シリンダ1のケース2自体を第2の液体圧シリン
ダ2に内装させることによって、第2の液圧シリンダ2
のシリンダのロッドおよびピストンとして機能させる仕
組みになっている。
【0024】また、10は第1の流体圧シリンダ1のピ
ストン4を境にしてその上室uP1と下室un1を貫通する
通路、11は第1の流体圧シリンダ1に圧力を伝える油
圧経路、12は圧力制御弁、13は経路11内に配置さ
れ圧力の変動を防止するアキュームレータである。
【0025】また、14は第2の流体圧シリンダ6のピ
ストン8を境にしてその上室uP2と下室un2とを貫通す
るように設けられた通路、15は第2の流体圧シリンダ
6に圧力を伝える油圧経路、16は経路15に設けられ
た圧力制御弁、17は経路15内に配置され圧力の変動
を防止するアキュームレータである。
【0026】本発明に従う流体圧シリンダは上部に位置
する第1の流体圧シリンダ1が下部に位置する第2のシ
リンダ6のピストンロッド、ピストンとして内装される
多段式の流体圧シリンダであって、第1の液圧シリンダ
1および第2の液圧シリンダ6には共にピストンの中立
位置を保持するために弾性体5, 9が配置されるが、こ
の弾性体5, 9は比較的弱いばね定数を有するものであ
り、中立位置で自然長となるようにする。そして弾性体
5, 9のばね定数とピストンのストローク可動長とは次
の関係が成り立つように設定する。
【0027】第1の流体圧シリンダ1のストローク可動
長さとして車両のバウンド時におけるストローク長をL
1r、リバウンド時におけるストローク長をL1b、弾性体
5のばね定数をK1 とし、第2の流体圧シリンダ2のス
トローク可能長さとして車両のバウンド時におけるスト
ローク長をL2r、リバウンド時のストローク長をL2b
弾性体9のばね定数をK2 として、 L1 b :L2 b =L1 r :L2 r =1/K1 :1/K2
【0028】第1の流体圧シリンダ1はロッド3の中を
通して下室un1へ制御油圧が導かれ、さらに通路10を
通して上室uP1へも制御油圧が導かれることになる。一
方、第2の流体圧シリンダ6は下室un2の下端から直接
制御油圧が、さらに、通路14と通して上室uP2シリン
ダ6へと導かれる。
【0029】油圧を制御するものとして本発明において
は圧力制御弁12, 16を適用する場合を示したが、本
発明はとくにこれにのみ限定されない。図2は圧力制御
弁の具体的な構成を示したものである。圧力制御弁1
2, 16は図3に示すように指令電流に応じて供給圧、
排出圧を出力することになり、たとえ制御可能な周波数
以上の入力が入ったとしても経路11, 15にはそれぞ
れアキュームレータ13, 17が設置されているので各
段のシリンダロッドがピストンとともにスムーズにスロ
ークしてその変動を吸収することになる。
【0030】この例において、第1の流体圧シリンダ1
の指令電流をi1 、第2の流体圧シリンダ2の指令電流
をi2 とし、ピストンの受圧面積差を第1の流体圧シリ
ンダ、第2の流体圧シリンダでそれぞれΔA1 , ΔA2
とすると、コントローラにおいてはi1 :i2 =Δ
2 :ΔA1 の関係を保つような電流値を圧力制御弁に
対して指令する。
【0031】圧力制御弁への指令は上記のようにi1
2 =ΔA2 :ΔA1 の関係を保つようにするものであ
るから各段のシリンダに供給される制御圧力は第1の流
体圧シリンダ1の制御圧力をp1 、第2の流体圧シリン
ダ6の制御圧力をp2 とした場合に、p1 :p2
1 :i2 =ΔA2 :ΔA1 となる。ここに、第1の液
体圧シリンダ1において発生する力はp1 ・ΔA1 、ま
た、第2の液体圧シリンダ6においてはp2 ・ΔA2
あり、上記の関係を考慮するとp1 ・ΔA1 =p2・Δ
2 であり、第1の流体圧シリンダ1と第2の液体圧シ
リンダ6に発生する制御力は等しいことになり、したが
って本発明においては各段の一方のシリンダのみが大き
くストロークするようなことはない。
【0032】第1の流体圧シリンダ1と第2の流体圧シ
リンダ6の制御力が等しい場合において力の釣り合いを
図4を用いて考えると第1の流体圧シリンダ1と第2の
流体圧シリンダ2とばね定数はK1 ・X1 =K2 ・X2
であるから、常にX1 ・X2=K2 ・K1 となり第1の
流体圧シリンダ1と第2の流体圧シリンダ6は常に
2 :K1 の比率でストロークすることになるのでフル
バウンドあるいはフルリバウンド状態となって初めて何
れのシリンダにおいてもピストンがストッパに接触する
ので、シリンダのストローク中に異音が発生したり減衰
力が急変するようなことはない。
【0033】本発明においてはバウンド側のストローク
長を Lnb、リバウンド側のストローク長を Lnr、弾性体
のばね定数をK n とした場合において、 L1b:L2b
…: L nb=L1r : L2r:…: Lnr=1/K1: 1/K2 …: 1
/Kn = 1:1………:1のように等しく設定すると、
図5、図6にそれぞれ比較して示すようにシリンダの全
体のストローク長を大きくできるのでスペース効率の改
善に有利になる。
【0034】図7は本発明に従う多段式流体圧シリンダ
の他の例 (請求項5、7) を示したものである。この例
においてもばね定数とストロークの関係は上掲図1の構
造のものと同様に設定することが前提になる。この例で
は、第2の流体圧シリンダ6の下室un 2 に弾性体9を
配置するとともに図8にその断面を模式的に示すように
フレキシブルチューブ形式になる伸縮機構18 (伸縮機
構は複数の筒体を伸縮自在に連結したものからなるが、
その連結部分はオイルシール等のシール部材が配置され
ていてその両端はシリンダに強固に固定保持される) を
配置した構造になっている。
【0035】この例では第2の流体圧シリンダ6におい
て収縮機構18の密着スペース (収縮機構が最も縮んだ
ときの寸法) と弾性体9の密着長さ (弾性体が最も縮ん
だときの寸法) の何れか長い方の分だけストローク長さ
が短くなりバウンド時のストロークに若干の影響がある
ものの、弾性体9および収縮機構18の何れも下室u n2
に設けたことにより第2の流体圧シリンダ6においては
リバウンド時のシリンダのストロークには全く影響を与
えることがない利点がある。
【0036】伸縮機構18はそれ自体に制御圧が作用せ
ず、ピストン8との接触域においてその接触面積を調整
することによって受圧面積を変更することができように
なっており、このため、接触面積を調整することにより
受圧面積を変更して上下室における受圧面積差を各段の
流体圧シリンダで等しくなるようにする。
【0037】ここで、第1の流体圧シリンダ1における
ピストン4の上下面における面積差をΔAとし、第2の
流体圧シリンダ6のピストン8の上下面における面積差
をΔA2 とすると、伸縮機構18が第2の流体圧シリン
ダ6に接触している面積はΔA2 −ΔA=ΔAとなり各
ピストンが受ける面積の上下面の差は何れもΔAとな
る。
【0038】第1の流体圧シリンダ1と第2の流体圧シ
リンダ6とにおいて発生する力を等しくする場合、受圧
面積差は等しいことになるから各流体圧シリンダには同
一の圧力のもと作動流体を供給すればよく、従って図7
に示した如く圧力制御弁やアキュームレータ等を含む圧
力制御回路は共用することが可能であり構造が簡素化で
きるばかりでなく比較的高価な制御弁を減らすことがで
きるので設備にかかるコストを抑えることができ、しか
も制御の信頼性の向上にもつながる。
【0039】図9、図10は本発明に従う流体圧シリン
ダの他の例(請求項6)を示したものである。この例に
示した流体圧シリンダは何れもばね定数とストローク長
の関係が本発明で規定するところの条件を満足したもの
とし、ピストンの受圧面積は第1のシリンダ1と第2の
流体圧シリンダ6とで同等であり、さらに、第1の流体
圧シリンダ1と第2の流体圧シリンダ6との間にそれら
を相互につなぐ連結孔19を設けた構造になっている。
このような連結孔19を設けることによって単一の制御
回路および経路で第1の流体圧シリンダ1および第2の
流体圧シリンダ6の圧力制御が可能になる。このような
構成においては車輪と車体がストロークして相対位置が
変化するためフレキシブルチューブ等からなる伸縮機構
18を使用せざるを得ないが圧力制御経路も一本でよい
ので構造がさらに簡素化できコストの低減に有利であ
り、経路の設置を固定化することが可能であり、制御性
のより一層の信頼性向上につながる。
【0040】図11は第1の流体圧シリンダ1と第2の
流体圧シリンダ6の他にさらに第3の流体圧シリンダ2
0を設けた例である。この例においても弾性体21、通
路22、連結孔23さらに収縮機構24を追加した他は
基本的な構造は変わることがなく、ばね定数、ストロー
ク長(バウンド側、リバウンド側)は、 L1b :L2b :L3b =L1r : L2r: L3r=1/K1: 1/K2
1/K3 とし、各シリンダにおけるピストンの上下面の受圧面積
差をそれぞれ同等 (ΔA 1 =ΔA2 =ΔA3 ) とすれば
よく、とくに3段を超えるような複数段の流体圧シリン
ダにおいてはピストン、シリンダの中立状態でのシリン
ダの全長をより短くするのに有利であり、このような多
段式流体圧シリンダをショックアブソーバとして車両に
搭載する場合には室内へのシリンダの張り出しをより小
さくすることが可能になる。
【0041】シリンダを作動させるための流体としては
油を用いることができるが本発明はこれのみに限定され
るものではなく空気等を使用してシリンダを作動させる
ようにしてもよい。
【0042】図12は比較例とした多段式流体圧シリン
ダのバウンドの際のピストン、ロッドの作動状況を示し
たものであり、図13は本発明に従う流体圧シリンダの
バウンドの際の作動状況を示したものである。図12の
ようなシリンダにおいては第1の流体圧シリンダと第2
の流体圧シリンダの作動に不一致があった場合には何れ
かのシリンダのピストンが先にストッパにタッチして異
音や減衰力の急変を招くことになっていたが、図13に
示すこの発明に従う流体圧シリンダにおいては第1の流
体圧シリンダ1も第2の流体圧シリンダ16も同様に作
動するのでフルストローク状態で初めてストッパにタッ
チすることになる。
【0043】以上のように本発明においては、各段のシ
リンダにおいて発生する力が常に同等になるようにすべ
く、バウンド側、リバウンド側ともに各段のストローク
長の比率を等しく設定しかつ、ピストン、シリンダの中
立位置を保持するためのばね定数を各段のストローク長
の逆比に設定するようにしたので各段のシリンダが同様
のストロークを行うので異音が発生したりシリンダの制
御力 (減衰力) が変動するようなことがなく車両の乗り
心地を悪化させることはない。また、本発明の多段式の
流体圧シリンダは、現在使用されているような1段の油
圧アクティブサスペンションのシリンダにおいて使用さ
れているような流体圧供給経路が短くてすむので制御の
応答性もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う多段式流体圧シリンダの構成を示
した図である。
【図2】圧力制御弁の構造を示した図である。
【図3】圧力制御弁に供給する電流と制御ポートからの
出力 (圧力) との関係を示したグラフである。
【図4】本発明に従う多段式流体圧シリンダの作動要領
の説明図である。
【図5】本発明に従う多段式流体圧シリンダのバウンド
ストローク長を示した図である。
【図6】比較例とした多段式流体圧シリンダのバウンド
ストローク長を示した図である。
【図7】本発明に従う多段式流体圧シリンダの構成例を
示した図である。
【図8】収縮機構の要部の断面を示した図である。
【図9】本発明に従う多段式流体圧シリンダの他の構成
例を示した図である。
【図10】本発明に従う多段式流体圧シリンダの他の構
成例を示した図である。
【図11】本発明に従う多段式流体圧シリンダの他の構
成例を示した図である。
【図12】(a)(b)(c) は本発明で規定する条件を満足し
ない多段式流体圧シリンダの作動状況を示した図であ
る。
【図13】(a)(b)(c)は本発明に従う多段式流体圧シリ
ンダの作動状況を示した図である。
【図14】従来形式のショックアブソーバの構成を示し
た図である。
【図15】従来形式のショックアブソーバの作動状況の
説明図であり、(a) は最伸展時の状態を、(b) は最短縮
時の状態を、さらに(c) は中立位置における状態をそれ
ぞれ示した図である。
【符号の説明】
1 第1の流体圧シリンダ 2 ケース 3 ロッド 4 ピストン 5 弾性体 6 第2の流体圧シリンダ 7 ケース 8 ピストン 9 弾性体 10 通路 11 油圧経路 12 圧力制御弁 13 アキュームレータ 14 通路 15 油圧経路 16 圧力制御弁 17 アキュームレータ 18 伸縮機構 19 連結孔 20 第3の流体圧シリンダ 21 弾性体 22 通路 23 連結孔 24 収縮機構 L1r 自然長 L2r 自然長 U P 上室 U n 下室

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストン、ピストンロッドおよびシリン
    ダケースからなる流体圧シリンダとこの流体圧シリンダ
    をケースごと直列に組み合わせて該ケースをシリンダの
    ロッドおよびピストンとして機能させる少なくとも2段
    の流体圧シリンダを備えた多段式流体圧シリンダであっ
    て、各段の流体圧シリンダは常に同一の力を発生するも
    のである、ことを特徴とする多段式流体圧シリンダ。
  2. 【請求項2】 各段の液体圧シリンダは、シリンダケー
    ス内においてロッドおよびピストンの中立位置を保持し
    この状態で自然長を有する弾性体を有するものであり、
    各段の液体圧シリンダにおけるバウンド側およびリバウ
    ンド側のストローク長、それぞれの弾性体のばね定数が
    下記の関係を有するものである、請求項1記載の多段式
    流体圧シリンダ。 記 L1b :L2b :…: Lnb=L1r : L2r:…: Lnr=1/K1
    1/K2 …: 1/Kn ここに、 Lnb:n段目のバウンド側のストローク長 Lnr:n段目のリバウンド側のストローク長 Kn :n段目の弾性体のばね定数
  3. 【請求項3】 各段の流体圧シリンダは、バウンド側の
    ストローク長、リバウンド側のストローク長および弾性
    体のばね定数が下記の関係を有するものである、請求項
    2記載の多段式流体圧シリンダ。 記 L1b :L2b :…: Lnb =L1r : L2r:…: Lnr =1/K1: 1/K2 …: 1/Kn = 1:1………:1
  4. 【請求項4】 各段の流体圧シリンダはピストンを境に
    してその上室と下室を貫通する通路を備え、各段の液圧
    シリンダとの関連においてシリンダの上室、下室の受圧
    面積差に反比例する圧力に制御する圧力制御回路を有す
    る、請求項2又は3の何れかに記載の多段式流体圧シリ
    ンダ。
  5. 【請求項5】 各段の液体圧シリンダはピストンを境に
    してその上室と下室とを貫通する通路を備え、シリンダ
    の上下室における受圧面積差が各段でそれぞれ同等であ
    り、各液体圧シリンダはそれぞれ個別の圧力制御経路を
    有するが、各段において共通する制御回路を備えたもの
    である、請求項2又は3の何れかに記載の多段式流体圧
    シリンダ。
  6. 【請求項6】 各段の流体圧シリンダはピストンを境に
    してその上室と下室とが貫通する通路と、互いに隣接す
    る液体圧シリンダとをつなぐ連結孔とを備え、シリンダ
    の上下室における受圧面積差が各段でそれぞれ同等であ
    り、各液体圧シリンダは共通する単一の圧力制御経路と
    この経路につながり各液体圧シリンダと共通する圧力制
    御回路を有し、該圧力制御経路は各段の何れか一つの液
    体圧シリンダと接続するものである、請求項2又は3記
    載の多段式流体圧シリンダ。
  7. 【請求項7】 互いに隣接する液体圧シリンダのそれぞ
    れの間に、ピストンの動きに併せて伸縮可能であり、端
    部における接触面積の変更によって各段の液体圧シリン
    ダの上室、下室の受圧面積差を同等とする伸縮機構を有
    する、請求項5又は6記載の多段式流体圧シリンダ。
JP14684598A 1998-05-28 1998-05-28 多段式流体圧シリンダ Withdrawn JPH11336824A (ja)

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