JPH11335944A - 蓄光性繊維と再帰反射性繊維とを含有してなる繊維製品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 暗所での存在がより確認し易い、発光性と再
帰反射性を兼ね備えた繊維製品を提供する。 【解決手段】畜光性繊維と再帰反射性繊維とを含有して
なる繊維製品。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、夜間や暗がりで特
に有用な繊維製品に関し、特に、蓄光性繊維と再帰反射
性繊維とを含有する繊維製品に関する。

【０００２】

【従来技術】従来、蛍光板や反射板等が広く使用されて
いることは周知であり、近年においては、蓄光剤料を含
有する蓄光性糸や再帰反射性糸も開発されるに至り、衣
料用途にも応用されている。ここにおける蓄光剤料と
は、照射された光を吸収し、照射光がなくなった後に、
長時間にわたって発光する剤料であり、再帰反射は、受
光した光を、入射光と同方向に反射させるものであるか
ら、蓄光性糸と再帰反射性糸の作用効果は全く異なる。

【０００３】従って、それぞれの用途も自ずから異な
り、蓄光性糸を用いた製品は、暗所でその存在が分かる
程度に発光すれば良く、光に照らされた時にその存在が
きわ立つというものではない。これに対し、再帰反射性
糸を用いた製品は暗所では全くその存在が分からない
が、光に照らされた時にはその存在がきわ立つので、交
通標識等に特に有効となる。

【０００４】即ち、再帰反射は、光源方向に光を反射す
るので、光源方向からその物体の存在を確認することが
できるだけであり、他の方向から同時にその存在を確認
できるというものではない。しかしながら、夜間におけ
る歩行者や自転車等は、その存在の確認ができるだけ容
易であること、および多方向から確認できることが望ま
れる。

【０００５】また、登山等において、夜間等、暗くなっ
てからテントを張ったり、張り替える場合には、懐中電
灯の光だけをたよりとしては作業性が悪いので、ロープ
自体が発光すれば便利である。特に、暗所で遭難者を捜
索する場合には、光が直接当たらなくてもその存在を分
り易くできると共に、直接光が照射された場合にその存
在をきわ立たせることは重要である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、暗
所で長時間発光し得ると共に光が照射された場合に再帰
反射によってその存在をきわ立たせることについて鋭意
検討した結果、蓄光性糸と再帰反射性糸を組み合せて使
用することにより意外性のある紐や布を得ることがで
き、従来になくユニークで特殊な用途が創出されること
を見出し、本発明に到達した。従って本発明の目的は、
暗所で発光すると共に、再帰反射性をも有する繊維製品
を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
少なくとも蓄光性繊維及び再帰反射性繊維とを含有する
ことを特徴とする繊維製品によって達成された。本発明
における蓄光性繊維とは、予め光を吸収して蓄えたエネ
ルギーを、暗所で徐々に発光の形で放出することのでき
る繊維であり、再帰反射性繊維とは、光が照射されたと
き、その光源方向に光を反射する性質を有する繊維を意
味する。

【０００８】本発明における蓄光性繊維は、例えばＺｎ
ＳやＣａＳなど、或は、Ａｌ_２Ｏ_３、ＣａＯ及びＭｇＯ
を主成分とする蓄光性化合物を公知の方法により練り込
んだ合成高分子化合物のチップから溶融紡糸して得た糸
からなる繊維であり、糸の太さはロープ用、衣料用等の
用途によって異なる。上記合成高分子化合物は、溶融紡
糸が可能な公知の高分子化合物の中から用途に合わせて
適宜選択されるが、強度その他の品質の観点から、特に
ポリエステル高分子又はポリアミド高分子を使用するこ
とが好ましい。尚、蓄光性化合物の練り込み量は、高分
子繊維本来の物性を下げないために、１０重量％以下で
あることが好ましい。

【０００９】本発明における再帰反射性繊維とは、ポリ
エステルシート等の基板にアルミニウムを反射面として
蒸着し、その上にガラスの微小球を敷きつめ、更に透明
層を設けて前記ガラスの微小球を封じ込めて製造した再
帰反射シートを、各再帰反射面が夫々表裏となるように
２枚張り合わせた後裁断することによって得た糸からな
る。上記のようにして得られた再帰反射性糸は、それを
そのまま用いることも、補強用の透明糸を撚り合わせた
後用いることもできる。

【００１０】本発明の繊維製品は、前記蓄光性糸と再帰
反射性糸並びに必要に応じて用いる補強用の透明糸を織
ったり、撚り合わせた、布地、リボン、紐、ロープ等ま
たは不繊布である。これらの各製品は公知の方法によっ
て容易に製造することができる。暗所での視認性や再帰
反射性を良好とする上からは、補強用の糸の使用量は少
ない方が好ましい。製品中に占める蓄光性繊維及び再帰
反射性繊維の合計量は５０重量％以上である事が好まし
く、特に９０重量％以上であることが視認性を高める上
から好ましい。

【００１１】本発明の繊維製品は種々の用途に使用する
ことができる。例えば、布地であれば、それを用いて旗
とし、遭難場所を知らせるために使用すれば夜間の発見
に極めて有効である。また、ゴムボート用布材として使
用すれば、夜間の発見が容易となるので、緊急避難用ゴ
ムボートとして好適である。

【００１２】また、テント用ロープとして使用すれば、
暗所におけるロープの扱いが容易となるので便利である
し、カラオケ用リモコンの下げ紐として使用すれば、単
にリモコンの存在場所が分り易くなるばかりでなく、紐
がキラキラ光ったり浮き上がって見えるので、面白グッ
ズとしても機能する。

【００１３】

【発明の効果】本発明の繊維製品は、暗所で発光するの
で、その存在を視認し易いばかりでなく、光を照射され
た場合には更にその存在をきわ立たせることができるの
で、特に、夜間の捜索や操作が想定されるような場合の
用途や、夜間の歩行者や自転車用等、暗所での視認性を
改善することが望まれる用途として好適である。また、
発光と反射の両性質を兼ね備えた製品は未だ知られてい
ないので、その意外性から面白グッズとしても有望であ
る。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも蓄光性繊維及び再帰反射性繊維
   とを含有することを特徴とする繊維製品。
2. 【請求項２】蓄光性繊維及び再帰反射性繊維の合計量
   が、全体の５０重量％以上である、請求項１に記載され
   た繊維製品。
3. 【請求項３】蓄光性繊維及び再帰反射性繊維の合計量が
   全体の９０重量％以上である、請求項２に記載された繊
   維製品。
4. 【請求項４】繊維製品が、布地、リボン、紐又はロープ
   である請求項１〜３の何れかに記載された繊維製品。
5. 【請求項５】請求項４に記載された布地を用いて製造さ
   れてなる、帽子、傘、ゴムボート、又は旗。
6. 【請求項６】テント用に製造された、請求項４に記載さ
   れたロープ。
7. 【請求項７】携帯電話又はリモコン用下げ紐として編ま
   れてなる、請求項４に記載された紐。
8. 【請求項８】蓄光性繊維及び再帰反射性繊維を織り込ん
   だ紐を下げ紐として有することを特徴とするカラオケ用
   リモコン。