JPH11333389A - 板状部品の洗浄装置 - Google Patents

板状部品の洗浄装置

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JPH11333389A
JPH11333389A JP14261698A JP14261698A JPH11333389A JP H11333389 A JPH11333389 A JP H11333389A JP 14261698 A JP14261698 A JP 14261698A JP 14261698 A JP14261698 A JP 14261698A JP H11333389 A JPH11333389 A JP H11333389A
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JP
Japan
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cleaning
plate
component
wafer
unit
Prior art date
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Pending
Application number
JP14261698A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriyuki Dairoku
範行 大録
Yuichiro Tanaka
雄一郎 田中
Yoichi Takahara
洋一 高原
Tomonori Saeki
智則 佐伯
Susumu Aiuchi
進 相内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】板状部品の表面に汚染や処理ムラを生じさせな
い洗浄装置を提供する。 【解決手段】板状部品1の上下に配置された洗浄板10
1,121の面内温度は、それぞれ、その内部に内蔵さ
れている温度制御ユニット115,125によって制御
されている。処理流体は、上下洗浄板101,121に
開けられた噴出口103,104,123,124から、
回転中の板状部品1に向って噴出し、上下洗浄板101
と板状部品1との間を通過して、板状部品1の外縁から
流出する。板状部品1の外縁から流出した廃液は、上下
洗浄板101,121及び板状部品1の外周を覆うよう
に設けられた外輪フード208に捕捉される。そして、
この外輪フード208の内部は、外部のサイクロン式気
液分離器によって真空吸引されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ、磁
気記録ディスク媒体、液晶表示パネル、ブラウン管シャ
ドーマスク等の薄板状の部品を洗浄する洗浄装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハ等の薄板状の部品(以下、
板状部品と呼ぶ)を洗浄するための装置として、従来、
特開平8−150380号公報記載のスクラビング装置
が知られている。このスクラビング装置(以下、従来の
スクラビング装置と呼ぶ)は、板状部品に超純水をふき
つけながら、その表面を回転ブラシでスクラブ洗浄した
後、板状部品を高速回転させ、遠心力によって、その表
面に付着している水分(以下、洗浄廃液と呼ぶ)を除去す
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
スクラビング装置では、脱水乾燥時等における板状部品
の高速回転によって吹き飛ばされた洗浄廃液が、雰囲気
中にミストとして漂いつづけるため、洗浄によって清浄
化された板状部品の表面が、洗浄廃液の再付着によって
新たな汚染を受けることがある。
【0004】そこで、本発明は、洗浄廃液による板状部
品の表面の汚染を防止することができる洗浄装置を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、板状部品を略面内で回転させながら、当
該板状部品を洗浄する板状部品の洗浄装置であって、前
記板状部品の少なくとも片面側に、当該板状部品に対向
するように配置された洗浄板と、前記洗浄板側から前記
板状部材に向けて処理流体を噴出する流体供給手段と、
前記板状部材の外縁と前記洗浄板の外縁とを覆うフード
と、前記フード内に溜った処理流体を吸引する吸引手段
と、前記洗浄板の温度を制御する洗浄板温度制御手段と
を備えることを特徴とする板状部品の洗浄装置を提供す
る。
【0006】このような装置構成によれば、脱水乾燥時
等における板状部品の高速回転によって吹き飛ばされた
洗浄廃液が、フードと吸引手段とによって直ちに回収さ
れるため、洗浄廃液の付着による板状部品の表面の汚染
を回避することができる。
【0007】また、洗浄板の面内温度の制御によって、
洗浄板と板状部品との間を流れる処理流体の温度が調整
することができるため、板状部品に洗浄ムラが発生する
こともない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しなが
ら、本発明に係る実施の一形態について説明する。
【0009】最初に、円板状のシリコンウェハを洗浄対
象とした場合を一例に挙げて、本実施の形態に係る洗浄
装置の基本構成について説明する。
【0010】本洗浄装置は、図1及び図2に示すよう
に、ほぼ水平にウエハ1を支持するウェハ支持ユニット
200、ウエハ1の下面を洗浄する下洗浄ユニット12
0、ウェハ1の上面を洗浄する上洗浄ユニット100、
ウェハ1の着脱時等に上洗浄ユニット100を上下方向
に移動させる上下駆動ユニット(不図示)、上下洗浄ユニ
ット100,120にそれぞれ処理流体(洗浄薬液、純
水、乾燥窒素)を供給する処理流体供給ユニット(不図
示)、ウエハ支持ユニット200の外輪(後述)を回転さ
せる外輪駆動系210、ウエハ支持ユニット200の外
輪の回転を停止させ外輪停止ユニット(不図示)、ウエハ
支持ユニット200の内輪(後述)を回転させる内輪駆動
系230、両駆動系210,230を収容した円筒状の
洗浄ヘッドシャシーユニット250、使用済みの処理流
体を回収する気液回収ユニット260、本洗浄装置全体
を制御する制御装置(不図示)を備えている。これら各部
の詳細は、以下に示すとおりである。
【0011】ウェハ支持ユニット200は、ウェハ1の
外縁をチャックする複数のチャックピン201、全チャ
ックピン201を一体的として支持シャフト138の軸
心周りに回転(公転)させる外輪203、外輪203との
相対回転によって全チャックピン201をそれぞれの内
部にある軸周りに回転(自転)させる内輪204、内輪2
04に対する各チャックピン201の上下動を阻止する
ピン押え206、外輪203の上部外周を被せられた円
筒状の外輪フード208、外輪203に外輪フード20
8を固定した結合ピン207を備えている。
【0012】そして、チャックピン201は、図3に示
すように、円柱状のピン部、このピン部の下部外周に形
成されているギヤ部を有している。ピン部の上端部は、
ピン部の中心軸(自転軸)を中心として180°切り欠か
れており、そこが、ウェハ1を単純支持するためのウェ
ハ開放部201bとなっている。また、ピン部の上端部
には、チャックピン201の自転に伴い、ウェハ開放部
201b上のウェハ1の外縁が嵌まり込むV字型のチャ
ック溝201aが形成されている。そして、ギヤ部に
は、その外周に、ギヤ201eが形成されている。ま
た、ギヤ部には、ピン部の中心軸を中心として、上下に
貫通する円弧状の貫通穴201cが複数あけられてい
る。これらの貫通孔201cの間の板部201dが板バ
ネとして機能するため、ギヤ201eに過大なトルクが
かかったとしても、そのトルクはピン部にまで及ばず、
ウェハ1やチャックピン201の損傷が発生しにくい。
【0013】そして、内外輪203,204は、何れ
も、支持シャフト138の中心軸(公転軸)を中心として
配置されている。外輪203の内周面には、チャックピ
ン201のギヤ部の一部が収容される円弧状溝202が
形成され、内輪204の外周面には、その円弧状溝20
2に収容されたチャックピン201のギヤ201eと噛
み合うギヤ205が形成されている。従って、外輪20
3と内輪204とが相対的に回転すると、各チャックピ
ン201は、それぞれ、ピン部の中心軸周りの自転運動
をしながら、支持シャフト138の中心軸周りの公転運
動を行う。
【0014】そして、外輪フード208は、支持シャフ
ト138を中心とした略円筒状をなしており、チャック
ピン201にチャックされたウェハ1の外縁の周りは、
この外輪フードによって覆われる。尚、この外輪フード
208は、外輪203の上部に結合ピン207で固定さ
れているため、外輪203と共に、支持シャフト138
を中心として回転する。
【0015】内輪駆動系230は、上端のフランジに内
輪204が固定されている内輪保持中空軸231、内輪
保持中空軸231の外周に固定ネジ233で固定された
カムフォロワ232、内輪保持中空軸231の下端に固
定されたギア付き回転円板234、ギヤ付き回転円板2
34に対して係合状態と離脱状態とをとるクラッチギア
235、クラッチギヤ235を回転させる内輪回転モー
タ237、内輪回転モータ237の回転速度を減速させ
る減速機236、ギヤ付き回転円板234を上下から回
転可能に支持するスラスト軸受238、スラスト軸受2
38を上下から挟み込む上下リング239,240、上
下リング239,240の間隔を保持する中空円筒状の
スペーサ245、スペーサ245の内部を通って上下リ
ング239,240に貫通するタイロッド246、タイ
ロッド246から上下リング239,240が外れるの
を防ぐネジ247、上下リング239,240を上下方
向に移動させる上下動シリンダ242、上下動シリンダ
242の駆動端を下リング240に連結する固定ネジ2
41、筐体2に対する上下動シリンダ242の取り付け
レベルを調節するためのスペーサ243等から構成され
ている。このような構成において、上下動シリンダ24
2の駆動により上下リング239,240が上下動する
と、ギヤ付き回転円板234が上下動し、内輪保持中空
軸231、内輪204及びチャックピン201も上下動
する。そして、ギヤ付き回転円板234や内輪保持中空
軸231等が上端位置に位置しているときには、ギヤ付
き回転円板234とクラッチギヤ235とが係合状態に
あり、内輪回転モータ237の駆動によりクラッチギヤ
235が回転すると、ギヤ付き回転円板234も回転
し、内輪保持中空軸231及び内輪204等が支持シャ
フト138を中心として回転する。その反対に、ギヤ付
き回転円板234や内輪保持中空軸231等が下端位置
に位置しているときには、ギヤ付き回転円板234とク
ラッチギヤ235とは離脱状態にあり、内輪回転モータ
237の駆動によってクラッチギヤ235が回転して
も、ギヤ付き回転円板234、内輪保持中空軸231及
び内輪204は回転しない。
【0016】外輪駆動系210は、上端のフランジに外
輪203と上軸受213の内輪とが固定されている外輪
保持中空軸211、外輪203の内側であって外輪保持
中空軸211のフランジに固定された外輪液止212、
支持シャフト138を中心として外輪保持中空軸211
を回転可能に支持した上下軸受213,215、上軸受
213の外輪と洗浄ヘッドシャーシユニット250の洗
浄ヘッドシャーシ251とに固定された上軸受保持部材
214、外輪保持中空軸211の下端と下軸受215の
内輪とに固定された下軸受内輪保持部材216、下軸受
215の外輪とと洗浄ヘッドシャーシユニット250の
洗浄ヘッドシャーシ251とに固定された下軸受外輪保
持部材218、下軸受内輪保持部材216と下軸受外輪
保持部材218との間に設けられたシール217、支持
シャフト138を中心として外輪保持中空軸211を回
転させる円筒状の外輪回転中空モータ219、下軸受内
輪保持部材216に固定ネジ221で固定されたスリッ
ト付きの回転円板220等から構成されている。
【0017】そして、外輪保持中空軸211の内部に
は、内輪駆動系230の内輪保持中空軸231が挿入さ
れている。外輪保持中空軸211に対して内輪保持中空
軸231がスムーズに回転及び上下動することができる
ように、これらの接触面(外輪保持中空軸211の内周
面及び内輪保持中空軸231の外周面)には、それぞれ
滑り軸受244が形成されている。また、外輪保持中空
軸211のフランジの外周には、外輪停止ユニット27
0の軸受(後述)が入りこむ溝が形成されている。
【0018】そして、下軸受内輪保持部材216には、
図4に示すように、内周側から外周側に貫通したカム溝
222が形成されている。このカム溝222は、所定の
待機位置222aから所定の長さ上方に伸び、その位置
222b(以下、ウェハチャック待ち位置222bと呼
ぶ)から所定の長さ水平方向に伸び、さらに、その位置
222c(以下、ウェハチャック位置222cと呼ぶ)か
ら、待機位置222aより下方の位置222d(以下、
洗浄位置222dと呼ぶ)にまで伸びている。そして、
内輪駆動系230のカムフォロワ232が、このカム溝
222に摺動可能に嵌め込まれ、外輪203及び外輪保
持中空軸211対する内輪204及び内輪保持中空軸2
31の相対運動量(回転角、上下方向のスラスト移動量)
を規制している。即ち、ウェハチャック位置222cか
ら洗浄位置222dまでの長さは、チャックピン201
の上下方向のストローク量に相当する長さになってお
り、ウェハチャック待ち位置222bからウェハチャッ
ク位置222cまでの長さは、その間のカムフォロワ2
32の移動によってチャックピン201を約90°回転
させることができる長さになっている。
【0019】そして、外輪回転中空モータ219は、上
下軸受213,215のあいだに配置されている。この
外輪回転中空モータ219のステータは、支持シャフト
138を中心として円筒状をなし、その外周面がシャー
シ251に固定されている。この外輪回転中空モータ2
19のロータは、支持シャフト138を中心として円筒
状をなし、その内周面が外輪保持中空軸211に固定さ
れている。従って、この外輪回転中空モータ219が駆
動されると、外輪203は、支持シャフト138を中心
として回転する。
【0020】洗浄ヘッドシャーシユニット250は、内
輪回転モータ237等を収容した洗浄ヘッドシャーシ2
51、固定ねじ254で洗浄ヘッドシャーシ251に固
定された位置微調整可能な円板状のセンサプレート25
3、センサプレートの下面に取り付けられた3つの回転
センサ252、洗浄ヘッドシャーシ251の開口部を塞
ぐ蓋255を備えている。3つの回転センサ252(位
相差検出による回転検出のためのA相用とB相用、角度
原点検出のためのZ相用)は、何れもフォトインタラプ
トセンサであり、外輪駆動系210の回転円板220に
形成されている複数のスリットを通過した光を検出する
ことによって、外輪203の回転角度に比例したパルス
信号を発生する。これらの回転センサ252から出力さ
れたパルス信号は、外輪回転中空モータ219を制御す
るサーボコントロールユニット(不図示)に送られる。
【0021】処理流体供給ユニット500の配管系統
は、図5に示すように、乾燥窒素供給部501からの乾
燥窒素を上下洗浄ユニット100,120に供給する乾
燥窒素供給系と、純水供給部502からの純水を上下洗
浄ユニット100,120に供給する純水供給系と、薬
液供給部503からの薬液を上下洗浄ユニット100,
120に供給する薬液供給系と、薬液供給系中の薬液を
薬液回収部504に戻す薬液回収系とに4分割されてい
る。
【0022】そして、乾燥窒素供給系は、さらに、上洗
浄板の中央部に乾燥窒素を導く上洗浄板中央供給系と、
上洗浄板の周辺部に乾燥窒素を導く上洗浄板周辺供給系
と、下洗浄板の中央部に乾燥窒素を導く下洗浄板供給系
とに3分割されている。これら3つの系には、それぞ
れ、流量調整弁511,513,517、流量計521,
523,527、フィルタ531,533,537、エア
駆動仕切弁541,547,551が設けられている。そ
して、上洗浄板中央供給系のエア駆動仕切弁547は、
上洗浄ユニット100の上導入管102に接続され、上
洗浄板周辺供給系のエア駆動仕切弁541は、上洗浄ユ
ニット100の上周辺導入管105に接続されている。
また、下洗浄板供給系のエア駆動仕切弁551は、下洗
浄ユニット120の下導入管122に接続されている。
【0023】そして、純水供給系は、さらに、上洗浄板
の中央部に純水を導く上洗浄板中央供給系と、上洗浄板
の周辺部に純水を導く上洗浄板周辺供給系と、下洗浄板
の中央部に純水を導く下洗浄板供給系とに3分割されて
いる。これら3つの系統には、それぞれ、流量調整弁5
12,514,518、流量計522,524,528、フ
ィルタ532,534,538、エア駆動仕切弁542,
548,552が設けられている。そして、上洗浄板中
央供給系のエア駆動仕切弁548は、上洗浄ユニット1
00の上導入管102に接続され、上洗浄板周辺供給系
のエア駆動仕切弁542は、上洗浄ユニット100の上
周辺導入管105に接続されている。また、下洗浄板供
給系のエア駆動仕切弁552は、下洗浄ユニット120
の下導入管122に接続されている。
【0024】そして、薬液供給系は、さらに、上洗浄板
の中央部に洗浄液を導く上洗浄板中央供給系と、下洗浄
板の中央部に洗浄液を導く下洗浄板供給系とに2分割さ
れている。これら2つ系には、それぞれ、流量調整弁5
15,516、流量計525,526、フィルタ535,
536、第1エア駆動仕切弁543,546、第2エア
駆動仕切弁549,550が設けられている。そして、
上洗浄板中央供給系の第2エア駆動仕切弁549は、上
洗浄ユニット100の上導入管102に接続され、下洗
浄板供給系の第2エア駆動仕切弁550は、下洗浄ユニ
ット120の下導入管122に接続されている。
【0025】そして、薬液回収系は、薬液供給系の上洗
浄板中央供給系の第1エア駆動仕切弁543と第2エア
駆動仕切弁549との間から分岐した上薬液回収系と、
薬液供給系の下洗浄板供給系の第1エア駆動仕切弁54
6と第2エア駆動仕切弁550との間から分岐した下薬
液回収系とに2分割されている。これら2つの系には、
それぞれエア駆動仕切弁544,545が設けられてい
る。この薬液回収系を設けることによって、常に洗浄薬
液を循環させ、絶えず洗浄液がフィルタで濾過されるよ
うにしているため、洗浄液への異物等の混入を防止する
ことができる。
【0026】尚、下洗浄板供給系の3つのエア駆動仕切
弁550,551,552を下洗浄板101に直接設ける
ことが構造上困難であることから長くせざるを得ない下
導入管122には、エア駆動仕切弁553を介して、管
内部に残存した洗浄液等を取り除くためのサックバック
506が接続され、下洗浄ユニット120への処理流体
の切替えの高速化が図られている。サックバック506
の廃液排出口には、廃液処理設備(不図示)へと洗浄廃液
を導く廃液排出ラインが接続されている。
【0027】外輪停止ユニット270は、図6及び図7
に示すように、エアシリンダ271を有している。この
エアシリンダ271のシリンダケースは、スペーサ27
2、アングル274及びネジ273によって、シャーシ
251の外周に固定されている。また、このエアシリン
ダ271のシリンダロッドの先端には、ネジ276で、
ブレーキヘッドカバー278が固定されている。そし
て、このブレーキヘッドカバー278の上下動は、シャ
ーシ251の上部外周の溝251aに固定されたガイド
283によって案内される。そして、このブレーキヘッ
ドカバー278の軸279の外周には、スペーサ281
及びネジ280によって軸受282が固定されている。
外輪203及び外輪保持中空軸211の回転中にエアシ
リンダ271を駆動させ、この軸受282が外輪保持中
空軸211のフランジの外周の溝211aに入ると、外
輪の回転は停止する。
【0028】上下駆動ユニット300は、図8に示すよ
うに、上洗浄ユニット100の上洗浄板101が固定さ
れた洗浄板固定梁301、洗浄板固定梁301を上洗浄
ユニット100と共に上下動させる上下動テーブル30
3を備えている。
【0029】気液回収ユニット260は、周期的に深さ
が変化する溝が外輪フード208の内壁に沿うように環
状に形成されている円筒型樋261、円筒型樋261の
溝の最深部のそれぞれ接続された複数の気液回収管26
2を備えている。尚、円筒型樋261は、図8に示すよ
うに、筐体2に立てられた複数の支柱264に固定され
た樋支持金具263に固定されている。
【0030】さらに、気液回収ユニット260は、図5
に示すように、複数の気液回収管262から排出された
洗浄廃液から気体と液体とを分離するサイクロン式気液
分離器560、気液回収管262からの処理流体と外部
から混入した空気とを吸引させるべくサイクロン式気液
分離器560の排気口から真空吸引する真空ポンプ50
5を備えている。そして、サイクロン式気液分離器56
0の廃液排出口には、を廃液処理設備(不図示)へと洗浄
廃液を導く廃液排出ライン507が接続されている。
【0031】ウェハ洗浄中及びウエハ乾燥中、ウエハ支
持ユニットの高速回転に伴う遠心力で上下洗浄板とウェ
ハとの間から飛び出した処理流体は、外輪フード208
の内壁をつたって円筒型樋261の溝に流れ込み、さら
に気液回収管262を介して、サイクロン式気液分離器
560に吸引される。そして、サイクロン式気液分離器
560で気体から遠心分離された液体(洗浄液と水との
混合液)が廃液排出ライン507に排出される。
【0032】尚、廃液処理設備の処理能力によっては、
サイクロトロン式気液分離器560からの廃液排出ライ
ン507と、サックバック506からの廃液排出ライン
とに、それぞれ切替え弁を設けて、洗浄廃液を、高濃度
廃液と低濃度廃液とに分別して回収できるようにするこ
とが望ましい。
【0033】上洗浄ユニット100は、ウェハ支持ユニ
ットに支持されたウェハ1の上面に対向するように配置
された円板状の上洗浄板101、処理流体供給ユニット
500の上洗浄板中央供給系の3つのエア駆動仕切弁5
47,548,549等によって構成された上バルブユニ
ット107を備えている。これらは、何れも、洗浄液
(酸アルカリ等の薬液)に侵食されないように、その主要
な部分が、耐薬品性に優れた材料、例えばフッ素樹脂等
で形成されていることが望ましい。
【0034】そして、この上洗浄板101に、図9に示
すように、その中央部に、その上面から下面にぬける上
導入管102が形成されている。この上導入管102の
下面側は、上洗浄板101の下面中央から処理流体を噴
出する上主噴出口103と、上主噴出口回りから処理流
体を噴出する上補助噴出口104とに分岐している。そ
して、この上導入管102の上面側には、上バルブ駆動
空気導入口110からの空気によって駆動される上バル
ブユニット107が接続されている。尚、111は、空
気排出用の上バルブ駆動空気排出口である。
【0035】また、この上洗浄板101には、その外周
部に、その上面から下面にぬける上周辺噴出口106が
形成され、この上周辺噴出口106の上面側に上周辺導
入管105が接続されている。そして、上周辺導入管1
05の他端に、処理流体供給ユニット500の上洗浄板
周辺供給系の2つのエア駆動仕切弁541,542が接
続されている。
【0036】更に、上洗浄板101には、図10に示す
ように、その下面側に、その面内温度を制御する温度制
御ユニット115が内蔵されている。
【0037】この温度制御ユニット115は、外部から
供給された電流に応じて表裏面間で熱搬送を行うドーナ
ツ型の熱電変換素子(例えば、ペルチェ素子等)115a
と、熱伝導性に優れた銅合金等で形成されたドーナツ型
のバックプレート115bと、バックプレート115b
を介して熱電変換素子115aの裏面(熱電効果(例え
ば、ペルチェ効果)による熱の発生/吸収面、かつ、ジ
ュール熱を逃がす面)と熱交換を行うことによって熱電
変換素子115aの熱電効果を促進する水冷/温水式の
給廃熱体115cとの三層構造を有しており、かつ、熱
電変換素子115aを上洗浄板101の下面側に向けて
配置されている。そして、熱電変換素子115aに供給
される電流は、制御装置によって制御されている。
【0038】給廃熱体115cは、図11に示すよう
に、2つに折り曲げたパイプを、その折屈部Aが芯側に
なるようになるように螺線に巻き回すことによって形成
されている。そして、パイプの両端(給水口及び排水口)
は、何れも、給廃熱体115cの中央部への上バルブユ
ニット107の配置を妨げない部位、即ち、給廃熱体1
15cの最外周に位置付けられている。
【0039】従って、この給廃熱体115cの給水口か
ら温水または冷水(以下、熱伝達媒体と呼ぶ)を供給する
と、この熱伝達媒体は、給廃熱体115cの中央部を経
由し、給廃熱体115cの外周の排水口から流れ出す。
このような往復経路で熱伝達媒体が循環する給廃熱体1
15cには、その面内に、パイプ内を通過する熱伝達媒
体の水温変化による温度ムラが生じにくい。また、この
給廃熱体115cと熱電変換素子115aとの間にはバ
ックプレート115bが介在させてあるため、この給廃
熱体115cを熱電変換素子115aの裏面に直接接触
させた場合と異なり、熱電変換素子115aの裏面の局
所加熱または局所冷却が起こらない。従って、熱電変換
素子115aの裏面全体を一様に加熱または冷却するこ
とができる。
【0040】下洗浄ユニット120は、ウェハ支持ユニ
ットに支持されたウェハ1の下面に対向するように配置
された円板状の下洗浄板121、上端で下洗浄板121
を支持する中空円筒型の支持シャフト138、支持シャ
フト138の上端付近の外周を囲むように下洗浄板12
1の下面に固定された円筒状の飛沫防止壁137を備え
ている。これらのうち、荷重がかかる支持シャフト13
7と固定ねじ139とだけは、剛性の高いステンレス等
で形成されている必要があるが、その他の構成部品は、
洗浄液(酸アルカリ等の薬液)に侵食されないように、そ
の主要部分が、耐薬品性に優れた材料、例えばフッ素樹
脂等で形成されていることが望ましい。
【0041】そして、下洗浄板121の中央部には、上
洗浄板101の中央部と同様に、下洗浄板121の上面
中央から処理流体を噴出する上主噴出口123と、上主
噴出口回りから処理流体を噴出する下補助噴出口124
とに分岐する流体路が形成されている。この流体路の他
端は、支持シャフト138の内部の下導入管122を介
して、処理流体供給ユニット500の下洗浄板中央供給
系の3つのエア駆動仕切弁550,551,552が接続
されている。
【0042】また、下洗浄板121にも、上面側にも、
上洗浄板101の温度制御ユニット115と同様な温度
制ユニット125が内蔵されている。従って、上洗浄板
101と同様に、下洗浄板121の上面の面内温度も制
御することができる。
【0043】そして、支持シャフト138の下端は、僅
かに筐体2を突き抜け、シャフト固定ネジ139で筐体
2に固定されている。
【0044】次に、この洗浄装置の動作について説明す
る。
【0045】ウェハ洗浄前の待機状態においては、上洗
浄ユニット100は、最上位置に退避している。また、
内輪保持中空軸231のカムフォロワ232は、図4
(b)に示すように、下軸受内輪保持部材216のカム溝
222の待機位置222aに位置している。内輪保持中
空軸231、内輪204及びチャックピン201は、上
下方向において、それぞれの中段レベルに位置してい
る。また、内輪駆動系230の上下動シリンダ242の
駆動端、これに連結されている上下リング239,24
0、内輪保持中空軸231に固定されているギヤ付き回
転円板234も、上下方向において中段レベルに位置し
ている。ギヤ付き回転円板234とクラッチギヤ235
とは係合状態である。また、外輪停止ユニット270の
エアシリンダ271のシリンダロッド先端の軸受282
は、外輪保持中空軸211の溝211aに嵌まり込んで
いる。このため、外輪保持中空軸211及びこれに固定
された外輪203は回転不能に拘束されている。
【0046】この待機状態から、内輪駆動系230の上
下動シリンダ242の駆動端を前進させ、ウェハチャッ
ク待ち状態にする。上下動シリンダ242の駆動端が前
進すると、これに連結されている上下リング239,2
40、上下リング239,240に挟まれているギヤ付
き回転円板234、ギヤ付き回転円板234が固定され
ている内輪保持中空軸231、内輪保持中空軸231に
取り付けられているカムフォロワ232及び内輪20
4、さらに、内輪204に対して相対的に上下動不能な
チャックピン201も、それぞれの最上位置に至る。こ
のとき、カムフォロワ232は、カム溝222内の最上
端のウェハチャック待ち位置222bに位置し、これ以
上、上昇できない状態になっている。このため、カムフ
ォロワ232が取り付けられている内輪保持中空軸23
1や、これに固定されている内輪204等も、これ以
上、上昇できない。
【0047】そして、チャックピン201の上端部は、
いずれも、外輪フード208の上端よりも上方に突出
し、チャックピン201にウェハ1が取り付けやすいよ
うになっている。各チャックピン201のウェハ開放部
201bは、支持シャフト138側を向いている。これ
らのウェハ開放部201bにウェハ1を載せると、内輪
回転モータ237を駆動させ、ウェハチャック状態にす
る。ウェハ待機状態と同様にギヤ付き回転円板234と
クラッチギヤ235とが係合状態であるため、内輪回転
モータ237の駆動によって、ギヤ付き回転円板23
4、このギヤ付き回転円板234が固定されている内輪
保持中空軸231、これに固定されている内輪204
が、支持シャフト138を中心として回転する。外輪2
03は、外輪停止ユニット270で回転不能に拘束され
ているから、内輪204は、外輪203に対して相対的
に回転する。このように内輪204が外輪203に対し
て相対回転すると、カムフォロワ232がカム溝222
のウェハチャック待ち位置222bからウェハチャック
位置222cまで移動して、内輪204と外輪203と
の間に挟まれているチャックピン201が90°自転
し、チャックピン201のチャック溝201aが支持シ
ャフト138側を向く。そのチャック溝201aに、ウ
ェハ開放部201bで単純支持されていたウェハ1の外
縁が嵌まり込む。
【0048】このように複数のチャックピン201にウ
ェハ1がチャックされると、内輪駆動系230の上下動
シリンダ242の駆動端を下降させる。上下動シリンダ
242の駆動端が下降すると、上下動シリンダ242の
駆動端に連結されている上下リング239,240、上
下リング239,240に挟まれギヤ付き回転円板23
4、このギヤ付き回転円板234が下端に固定されてい
る内輪保持中空軸231、内輪保持中空軸231に取り
付けられているカムフォロワ232及び内輪204、さ
らに、内輪204に対して相対的に上下動不能なチャッ
クピン201も、それぞれの最下位置に至る。この過程
で、ウェハ1も下降し、下洗浄ユニット120の下洗浄
板121に近づく。チャックピン201等が最下位置に
至ったとき、カムフォロワ232は、図4(a)に示すよ
うに、カム溝222の洗浄位置222dに位置し、これ
以上、下降することができない状態になっているため、
カムフォロワ232が取り付けられている内輪保持中空
軸231、これに固定された内輪204、さらにチャッ
クピン201等も、これ以上、下降することができない
状態になっている。なお、この状態においては、ギヤ付
き回転円板234とクラッチギヤ235とが離脱状態に
あり、内輪回転モータ237を駆動させても、ギヤ付き
回転円板234、これが固定されている内輪保持中空軸
231及び内輪204を回転させることができない。
【0049】さらに上下動ユニット300の上下動テー
ブル303を駆動し、上洗浄ユニット100の上洗浄板
101を下降させて、複数のチャックピン201でチャ
ックされているウェハ1に上洗浄板101を近づけ、洗
浄状態にする。このときの洗浄板101の下面とウェハ
1の上面との間隔、及び、下洗浄板121の上面とウェ
ハ1の下面との間隔は、何れも、0.6mm程度であ
る。但し、乾燥窒素によるウェハの乾燥処理が開始され
たら、上洗浄板101の下面とウェハ1の上面との間隔
を3mm程度にする。
【0050】以上の洗浄状態になると、上洗浄板101
の下面及び下洗浄板121の上面を所定温度にするた
め、これらに内蔵されている温度制御ユニット115,
125のペルチェ素子115a,125aへの電流の供
給、及び、給廃熱体115c,125cへの熱伝達媒体
の供給を開始する。そして、薬液供給部503、純水供
給部502、乾燥窒素供給部501から、処理流体供給
ユニット500を介して、上下洗浄ユニット100,1
20に、薬液、純水、乾燥窒素を順次供給すると共に、
外輪停止ユニット270のエアシリンダ271を駆動
し、外輪203の拘束を解除してから、外輪回転中空モ
ータ219を駆動する。このとき、カムフォロワ232
は、カム溝222の洗浄位置222dに位置し、その水
平移動が阻止されているため、カムフォロワ232が取
り付けられている内輪保持中空軸231は、カム溝22
2が形成されている下軸受内輪保持部材216及びこれ
が固定されている外輪保持中空軸211に対して相対回
転することができない。従って、外輪回転中空モータ2
19の駆動によって、外輪保持中空軸211のみなら
ず、内輪保持中空軸231も外輪保持中空軸211と一
体的に回転する。この回転によって、内輪204及び外
輪203も、支持シャフト138を中心として一体的に
回転し、内輪204と外輪203との間の複数のチャッ
クピン201は、支持シャフト138を中心として公転
する。これにより、複数のチャックピン201にチャッ
クされているウェハ1も支持シャフト138を中心とし
て回転する。
【0051】上洗浄板101に供給された処理流体は、
上洗浄板101の上主噴出口103や上補助噴出口10
4等から噴出し、上洗浄板101の下面とウェハ1の上
面との間を通過して、ウェハ1の外縁から、洗浄廃液と
して流出する。一方、下洗浄板121に供給された処理
流体は、下洗浄板121の下主噴出口123や下補助噴
出口124から噴出し、下洗浄板121の上面とウェハ
1の下面との間を通過して、ウェハ1の外縁から、洗浄
廃液として流出する。このとき上洗浄板101の下面温
度及び下洗浄板121の上面温度が所定温度に維持され
ているため、ウェハ1の上下面全域に渡って、処理条件
を満たす一定温度の処理流体を作用させることができ
る。従って、例えば、フッ酸エッチング処理等、温度変
化に敏感な低温洗浄処理においても、ウェハ1の上下面
に処理ムラが発生しにくくなる。
【0052】このとき、上洗浄板101とウェハ1の上
面との間、下洗浄板121とウェハ1の下面との間に
は、処理流体の通過によって、それぞれ、ベルヌーイの
定理に応じた圧力が生じている。そして、上洗浄板10
1とウェハ1の上面との間の圧力と、下洗浄板121と
ウェハ1の下面との間の圧力は、基本的に同じになり、
両者間において、微妙な圧力バランスがとられている。
ところが、処理流体供給ユニット500の一部に支障が
生じた場合、処理流体供給ユニット500の操作ミスが
あった場合等においては、上洗浄板101に供給する処
理流体の流量と、下洗浄板121に供給する処理流体の
流量とのバランスが僅かに崩れることがある。このよう
な場合、上洗浄板101とウェハ1の上面との間の圧力
と、下洗浄板121とウェハ1の下面との間の圧力との
圧力バランスが崩れ、上洗浄板101と下洗浄板121
との間で、ウェハ1は傾こうとしたり、上下に移動しよ
うとする。しかしながら、ウェハ1は、複数のチャック
201でしっかりとチャックされているため、ウェハ1
が傾いたり、上下に移動することはなく、これを原因し
たウェハの損傷や汚れを回避することができる。
【0053】ウェハ1の外縁から流出した洗浄廃液は、
ウェハ1の外周側に位置している外輪フード208に捕
捉され、外輪203と共に回転している外輪フード20
8から、気液回収ユニット260の樋261に流れ込
む。そして、気液回収ユニット260の樋261に溜っ
た洗浄廃液は、気液回収管262を介して、サイクロン
式気液分離器263に吸引される。従って、洗浄処理中
には洗浄廃液の逆流が防止され、乾燥処理中には洗浄廃
液のミスト化を防止することができ、洗浄廃液の付着に
よるウェハ1の表面の汚染を回避することができる。
【0054】尚、サイクロン式気液分離器263内で、
洗浄廃液は、気体(乾燥窒素等)と液体(薬液、純水等)と
に分離され、気体は、真空ポンプ505を経て排気さ
れ、液体は、廃液排出ライン507を経て廃液処理設備
に送られる。
【0055】ウェハ1の洗浄処理及び乾燥処理が終了す
ると、外輪回転中空モータ219を停止し、外輪停止ユ
ニット270のエアシリンダ271を駆動して、外輪2
03を回転不能に拘束すると共に、上下動テーブル30
3を駆動して、上洗浄ユニット100を上方に退避させ
る。そして、内輪駆動系230の上下動シリンダ242
の駆動端を上昇させて、ウェハチャック状態にする。さ
らに、内輪回転モータ237を駆動して、ウェハチャッ
ク待ち状態にし、チャックピン201によるウェハ1の
チャック状態を解除する。最終的に、チャックピン20
1からウェハ1を取り除き、内輪駆動系230の上下動
シリンダ242の駆動端を下降させて、待機状態に戻
す。
【0056】ところで、本実施の形態では、3層構造を
有する温度制御ユニット151,120を使用すること
によって、上下洗浄板101,121の面内温度を制御
しているが、このような温度制御ユニット151,12
0によらなくとも、上下洗浄板101,121の面内温
度を制御することは可能である。
【0057】例えば、図12に示すように、温度制御ユ
ニット151,120から熱電素子115a,120aを
取り外し、制御装置が、給廃熱体115c,120cに
供給される熱伝達媒体の温度が制御するようにすれば、
給廃熱体115c,120cを、上下洗浄板101,12
1を放熱もしくは吸熱させる温度調節用部品として利用
することができる。このようにすれば、熱電素子115
a,120aを取り外した分だけ、温度制御ユニットの
薄型化及び装置製造コストの削減を図ることができる。
また、能動素子である熱電素子115a,120aを取
り外したことにより、故障、制御ミス等の発生率が低減
する。尚、このような構成の洗浄装置は、高速な温度切
替えを必要としない洗浄処理に適している。
【0058】あるいは、図13に示すように、熱電素子
115a,120aの代わりに、螺線状に巻き回した抵
抗線(ニクロム線等)115d,120dを使用し、制御
装置が、各抵抗線115d,120dに印加される電圧
を制御するようにしても構わない。抵抗線115d,1
20dは、上下洗浄板101,121の外縁付近等に設
けることが困難な給廃熱体115c,120cの併設を
必要とせず、その取付けの自由度が高いため、これを温
度調節用部品として利用すれば、上下洗浄板101,1
21に、その目標面内温度分布に適したレイアウトで温
度調節用部品を設けることが可能となる。また、細い抵
抗線115d,120dを狭ピッチで巻き回して使用す
れば、上下洗浄板の面内温度の不均一が生じにくくなる
ため、確実に、ウェハ1の上下面の全域に渡って均一な
処理流体を作用させることができるようになる。尚、こ
のような構成の洗浄装置は、高温洗浄中の薬液の温度低
下を防止する必要がある洗浄処理への使用に適してい
る。
【0059】また、本実施の形態では、洗浄処理及び乾
燥処理の何れにおいても、上下洗浄板101,121の
面内温度が均一になるようにしているが、上下洗浄板1
01,121の面内温度に勾配をもたせることによっ
て、ウェハの上下面における処理ムラの発生を効果的に
抑制できることもある。
【0060】例えば、乾燥処理中における処理ムラの発
生防止を主眼とする場合には、図14に示すように、上
下洗浄ユニット100,120の外周に抵抗線115d,
125dを設けることが望ましい。このように上下洗浄
ユニット100,120の外周だけを局所的に加熱すれ
ば、気化熱による雰囲気温度の低下によって乾燥速度が
低下しやすいウェハ外周部の乾燥が促進されるため、ウ
ェハの上下面における処理ムラの発生を抑制することが
できる。そして、更に、図16に示すように、上洗浄板
101の下面を凹面形状にすれば、乾燥処理中、外部か
らウェハ収容部への酸素の混入が防止され、ウェハ収容
部内の雰囲気の酸素濃度が低くおさえされるため、ウェ
ハの上下面(特に、外周領域)の酸化膜の成長を抑制する
ことができる。尚、図16において、上下洗浄板10
1,121に上補助噴出口を設けていないのは、分岐を
なくし、その分、上下主噴出口103,123の開口面
積を広くすることによって、上下主導入管102,12
2の内部に異物がつまるのを防止するためである。上周
辺噴出口106の開口面積を広くしているのも、これと
同様な理由からである。
【0061】また、ウェハ1の一部領域における異物処
理能力の低下防止を主眼とする場合には、図15に示す
ように、各温度制御ユニット115,121に組み込ま
れている熱電変換素子をそれぞれ同心状に分割し、制御
装置が、各分割領域の熱電変換素子115a1,115a
2,...,115an,121a1,121a2,...,121an
に供給される電流をそれぞれ独立に制御できるようにす
ることが望ましい。スピン洗浄装置の異物除去能力は、
ウェハの表面全域に渡って均一という訳ではなく、処理
流体の流速が遅いウェハ1の中央領域において劣ること
が知られているが、このような構成にすれば、上下洗浄
板101,121の中央領域を外周領域よりも高温に
し、ウェハ1の中央領域に対する異物除去作用を促進す
ることが可能となるため、ウェハ1の表面の処理ムラの
発生を効果的に防止することができる。
【0062】さて、以上説明した洗浄装置は、洗浄廃液
の回収能力に優れているため、これを、湿気の混入を嫌
うプロセス装置(真空成膜装置、高温処理装置等)と連結
して使用しても、プロセス装置側の処理に支障を生じる
ことはない。例えば、本洗浄装置と、洗浄後のウェハに
成膜する真空成膜装置とを連結する場合には、図17に
示すように、本洗浄装置の洗浄ヘッド3と真空成膜装置
の高温処理室8との間を搬送室7で連結し、搬送室7内
に、洗浄ヘッド3で清浄化されたウェハ1を高温処理室
8へと搬送するアーム4を設置すればよい。但し、洗浄
ヘッド3と搬送室7との間にはエアロック6を設け、高
温処理室8と搬送室7との間にはゲートバルブ9を設け
てある。洗浄ヘッド3側からの洗浄廃液の漏洩を殆ど考
慮する必要がないため、これらエアロック6及びゲート
バルブ9は、簡単な耐食性処理が施された比較的単純な
構造のものであれば足りる。
【0063】尚、11は、洗浄前のウェハ1を搬送室7
に搬入するための受入口であり、10は、受入口11か
ら受け入れられたウェハ1を一旦待機させるためのエレ
ベータ部である。
【0064】
【発明の効果】本発明に係る洗浄装置によれば、洗浄処
理中の洗浄廃液の逆流及び乾燥処理中の洗浄廃液ミスト
の発生が抑制されるため、従来、洗浄処理及び乾燥処理
中に起こりがちであった洗浄廃液による板状部品の表面
の汚染を防止することができる。また、板状部品の表面
に作用する処理流体を温度制御することができるため、
板状部品の表面の処理ムラの発生を抑制することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置(洗浄状
態)の縦断面図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置(洗浄状
態)の他方向からの縦断面図である。
【図3】本発明の実施の一形態に係るチャックピンの斜
視図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係るカム溝とカムフォ
ロワとの関係を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の一形態に係る処理流体供給ユニ
ット及び気液回収ユニットの系統図である。
【図6】本発明の実施の一形態に係る外輪停止ユニット
の正面図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る外輪停止ユニット
の要部切欠き側面図である。
【図8】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の側面図
である。
【図9】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄部
の立面図である。
【図10】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄
部の断面図である。
【図11】本発明の実施の一形態に係る温度制御ユニッ
トの内部構造を説明するための図である。
【図12】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄
部の断面図である。
【図13】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄
部の断面図である。
【図14】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄
部の断面図である。
【図15】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄
部の断面図である。
【図16】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置の洗浄
部の断面図である。
【図17】本発明の実施の一形態に係る洗浄装置と、洗
浄後の板状部品に所定の処理を施す装置とを備えたシス
テムの概略構成図である。
【符号の説明】
1…シリコンウェハ 2…筐体 100…上洗浄ユニット 101…上洗浄板 107…上バルブユニット 115…(上洗浄板の)温度制御ユニット 120…下洗浄ユニット 121…下洗浄板 125…(下洗浄板の)温度制御ユニット 138…支持シャフト 200…ウェハ支持ユニット 201…チャックピン 201a…チャック溝 201b…ウェハ開放部 201e…(チャックピンの)ギヤ 202…(外輪の)円弧状溝 203…外輪 204…内輪 205…(内輪の)ギヤ 206…ピン押え 208…外輪フード(被覆部材) 210…外輪駆動系 211…外輪保持中空軸 216…下軸受内輪保持部材 219…外輪回転中区モータ 222…カム溝 222a…待機位置 222b…ウェハチャック待ち位置 222c…ウェハチャック位置 222d…洗浄位置 230…内輪駆動系 231…内輪保持中空軸 232…カムフォロワ 234…ギヤ付き回転円板 235…クラッチギヤ 237…内輪回転モータ 242…上下動シリンダ 250…シャーシユニット 251…シャーシ 258…樋支持金具 260…気液回収ユニット 261…樋 262…気液回収管 263…サイクロン式気液分離器 263a…廃液入口 263b…気体排出口 263c…廃液排出口 265…真空ポンプ 270…外輪停止ユニット 300…上下駆動ユニット 303…上下動テーブル 500…処理流体供給ユニット 501…乾燥窒素供給部 502…純水供給部 503…薬液供給部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐伯 智則 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 相内 進 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】板状部品を略面内で回転させながら、当該
    板状部品を洗浄する板状部品の洗浄装置であって、 前記板状部品の少なくとも片面側に、当該板状部品に対
    向するように配置された洗浄板と、 前記洗浄板から前記板状部品に向けて処理流体を噴出さ
    せる流体供給手段と、 前記板状部材の外縁と前記洗浄板の外縁とを覆うフード
    と、 前記フード内に溜った処理流体を吸引する吸引手段と、 前記洗浄板の温度を制御する洗浄板温度制御手段とを備
    えることを特徴とする板状部品の洗浄装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の板状部品の洗浄装置であっ
    て、 前記流体供給手段は、洗浄液、水及び気体のうちで、前
    記処理流体を切り替えることを特徴とする板状部品の洗
    浄装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の板状部品の洗浄装
    置であって、 前記洗浄板温度制御手段の温度制御によって、前記洗浄
    板の面内の中央部と外周部に、互いに温度が異なる領域
    が形成されることを特徴とする板状部品の洗浄装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2及び3のうちの何れか1項記
    載の板状部品の洗浄装置であって、 前記洗浄板温度制御手段は、 温度調整用部品として前記洗浄板に設けられた配管と、 前記配管に流体を送る流体供給手段と、 前記流体の温度を制御する流体温度制御手段とを備える
    ことを特徴とする板状部品の洗浄装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2及び3のうちの何れか1項記
    載の板状部品の洗浄装置であって、 前記洗浄板温度制御手段は、 温度調整用部品として前記洗浄板に設けられた熱電変換
    素子と、 前記電熱変換素子に印加される電流を制御する電流制御
    手段とを備えることを特徴とする板状部品の洗浄装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2及び3のうちの何れか1項記
    載の板状部品の洗浄装置であって、 前記洗浄板温度制御手段は、 温度調整用部品として前記洗浄板に設けられた抵抗線
    と、 前記抵抗線に印加される電圧を制御する電圧制御手段と
    を備えることを特徴とする板状部品の洗浄装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6記載の板状部品の洗浄装
    置であって、 前記温度調整用部品は、前記洗浄板の面内の中央部を中
    心として同心状に設けられたことを特徴とする板状部品
    の洗浄装置。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、4、5、6および7の
    うちの何れか1項記載の板状部品の洗浄装置と、 前記洗浄装置による洗浄処理の前工程または後工程の処
    理を、前記板状部品に施すプロセス装置と、 前記洗浄装置と前記プロセス装置との間で前記板状部品
    を搬送する板状部品搬送手段と、 前記板状部品搬送手段により前記板状部品が搬送される
    搬送路を外部から遮蔽する搬送室とを備えたことを特徴
    とするシステム。
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