JPH11330995A - 無線通信機能付き情報処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線通信品質に影響を及ぼすレベル以上の高
調波を発生するクロックのみ分周数を変更する無線通信
機能付き情報処理装置を提供する。 【解決手段】 無線通信装置が接続可能な情報処理装置
において、基準発振信号を分周してクロックを生成する
クロック生成部１１２と、この分周数を制御するクロッ
ク制御部１１３と、無線使用周波数帯とクロック高調波
の周波数の重複を判定する周波数判定部１１４と、重複
すると判定された高調波の無線通信装置における受信レ
ベル測定を命令しかつその結果に基づいてクロック制御
部１１３に分周数変更を命令する妨害波レベル測定制御
部１１５とを備えることにより、情報処理装置のクロッ
ク高調波による通信品質劣化を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル携帯電
話や第二世代コードレス電話システムなどが利用できる
無線通信装置を接続あるいは内蔵可能で、その無線通信
上でデータ通信を行うことができる無線通信機能付きの
情報処理装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子メールやインターネットの急
激な普及、ディジタル携帯電話等のデータ通信に適した
無線通信インフラの整備、パーソナルコンピュータの小
型軽量化が進んでいる。これにより、データ通信可能な
無線通信装置をノートサイズのパーソナルコンピュータ
の例えばＰＣカードスロット経由で接続し、戸外での電
子メール利用やインターネット接続を日常的に行ってい
るユーザーの数も急激に増加している。

【０００３】上記のようなノートサイズパーソナルコン
ピュータを一例とする無線通信装置が接続可能な、言い
換えれば無線通信機能付きの情報処理装置においては、
特に受信無線周波数に対して、情報処理装置内部で使用
しているクロックの高調波が無線通信装置のアンテナな
どから受信されて妨害波となり、誤り率が劣化し、音声
通話における通話品質の低下やデータ通信におけるスル
ープットの低下をもたらし、最悪の場合、無線通信の切
断に至る可能性があるという問題があった。

【０００４】この問題を解決する従来例としては、特開
平８−２５５１１７号公報や特開平７−１５３９０号公
報で記載されている技術がある。

【０００５】上記の従来例では、無線通信装置の使用周
波数と情報処理装置内部で使用するクロックの高調波
（クロック高調波）が重複していないかどうかを通信接
続に先立って判定し、もし重複している場合には、クロ
ックの分周数を制御してクロックの周波数を変更し、ク
ロック高調波が無線使用周波数と重複しないようにして
いる。

【０００６】この従来の無線通信機能付き情報処理装置
は、例えば図３に示したように、アンテナ３０２と、通
信制御部３０３と、無線送信部３０４と、無線受信部３
０５と、通信インターフェース部３０６を主要構成要素
とする無線通信装置３０１と、ＣＰＵ３１０やＩ／Ｏや
メモリ等のコントローラ３１１を含む制御部３０９と、
周波数判定部３１４と、クロック制御部３１３と、クロ
ック生成部３１２と、通信インターフェース部３０８を
備えた情報処理装置３０７によって構成されている。

【０００７】無線通信装置３０１と情報処理装置３０７
は、お互いの通信インターフェース部３０６と３０８に
よって接続される。

【０００８】無線通信装置３０１のアンテナ３０２は、
音声通話やデータ通信の際に基地局との間で電波の送受
信を行う。通信制御部３０３は、変復調処理、ＴＤＭＡ
(Time Division Multiple Access) 等の信号組み立てや
分解、無線プロトコル処理を行う。無線送信部３０４
は、ベースバンド信号を送信高周波信号に変換し、無線
受信部３０５は、受信高周波信号をベースバンド信号に
変換する。無線通信を行う場合の使用無線周波数は、通
常基地局からの指示により決まり、その周波数で送受信
できるように通信制御部３０３が無線送信部３０４と無
線受信部３０５のシンセサイザ（図示していない）を制
御する。

【０００９】一方、情報処理装置３０７内のクロック生
成部３１２は、基準発振信号を分周して情報処理装置３
０７全体の制御を行う制御部３０９へ出力する各種クロ
ックを生成する。クロック制御部３１３は、クロック生
成部３１２における分周数を制御する。周波数判定部３
１４は、無線通信装置３０１における使用無線周波数を
通信インターフェース部３０６と３０８経由で受信し、
それとクロック制御部３１３が制御しているクロック生
成部３１２から出力されるクロック高調波が重複するか
どうかを判定する。もし、重複している場合は、重複し
ているクロックの分周数を変更するようにクロック制御
部３１３に要求する。 クロック制御部３１３は、分周数
を変更してクロックの周波数を変更し、クロック高調波
が無線使用周波数と重複しないようにする。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の無線通信機能付き情報処理装置では、無
線通信装置の使用無線周波数と情報処理装置内のクロッ
ク高調波の重複の有無のみでクロックの周波数変更の必
要性を判定している。

【００１１】ところが、実際に情報処理装置で発生する
クロック高調波が妨害波となって誤り率が劣化し、無線
通信の品質に影響を及ぼすのは、無線通信装置のアンテ
ナなどで受信された高調波のレベル（電力）が、無線通
信装置で採用している変調方式と検波方式によって定ま
るスレッショルドレベルよりも大きい場合である。

【００１２】従って、従来の情報処理装置では、アンテ
ナで受信されたクロックの高調波のレベルが、情報処理
装置のおかれた周囲環境、情報処理装置内の高調波放射
場所とアンテナとの距離等により、上記スレッショルド
レベルより小さい場合でも、クロックの分周比を大きく
して動作周波数を低下させ、結果的に情報処理装置の性
能を無意味に低下させているという問題点があった。

【００１３】ここで、装置が静止していて基地局からの
希望波レベルが時間的に一定であるとみなせるなら、正
確には希望波のレベルと妨害波のレベルの比によって無
線通信の品質が定まる。しかし、本発明で対象としてい
るような装置が移動していて基地局からの希望波レベル
が時間的に大きく変動するようなフェージング環境下で
は、一定の通信品質を時間的に連続して確保するために
は、希望波レベルの大小に関係なく妨害波レベルをある
レベル以下に抑える必要がある。

【００１４】本発明は、上記課題に鑑み、クロック高調
波のレベルが通信品質に影響を及ぼすレベル以上である
場合にのみクロックの分周数変更を行って動作周波数を
下げることにより、動作周波数低下による性能低下を極
力おさえてクロック高調波の妨害波による通信品質の劣
化をおさえる無線通信機能付き情報処理装置を提供する
ことを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の無線通信機能付き情報処理装置は、基準発振
信号を分周して情報処理装置全体の制御を行う制御部へ
のクロックを生成するクロック生成部と、前記クロック
生成部における分周数を制御するクロック制御部と、前
記無線通信装置における使用周波数帯と前記クロック生
成部から出力されるクロックの高調波が重複するかどう
か判定する周波数判定部と、前記無線通信装置に対し
て、前記周波数判定部で重複すると判定された使用周波
数帯におけるクロック高調波のレベル測定を要求し、さ
らに、レベル測定の結果に基づいて前記クロック制御部
に対して分周数制御を要求する妨害波レベル測定制御部
を具備することを特徴とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、無線通信装置が接続可能な情報処理装置であって、
基準発振信号を分周して情報処理装置全体の制御を行う
制御部へのクロックを生成するクロック生成部と、前記
クロック生成部における分周数を制御するクロック制御
部と、前記無線通信装置における使用周波数帯と前記ク
ロック生成部から出力されるクロックの高調波が重複す
るかどうか判定する周波数判定部と、前記無線通信装置
に対して、前記周波数判定部で重複すると判定された使
用周波数帯におけるクロック高調波のレベル測定を要求
し、さらに、レベル測定の結果に基づいて前記クロック
制御部に対して分周数制御を要求する妨害波レベル測定
制御部を具備する。

【００１７】この構成により、クロック高調波のレベル
が通信品質に影響を及ぼすレベル以上である場合にのみ
クロックの分周数変更を行って動作周波数を下げ、クロ
ック分周数変更による性能低下を極力抑えてクロック高
調波の妨害波による通信品質の劣化を抑えるという作用
が得られる。

【００１８】（実施の形態１）図１は、本発明の実施の
形態１における無線通信機能付き情報処理装置の構成図
である。

【００１９】この無線通信機能付き情報処理装置は、ア
ンテナ１０２と、通信制御部１０３と、無線送信部１０
４と、無線受信部１０５と、通信インターフェース部１
０６を主要構成要素とする無線通信装置１０１と、ＣＰ
Ｕ１１０やＩ／Ｏやメモリ等のコントローラ１１１を含
む制御部１０９と、周波数判定部１１４と、クロック制
御部１１３と、クロック生成部１１２と、妨害波レベル
測定制御部１１５と、通信インターフェース部１０８を
備えた情報処理装置１０７によって構成されている。

【００２０】無線通信装置１０１と情報処理装置１０７
は、お互いの通信インターフェース部１０６と１０８に
よって接続される。

【００２１】図１で、アンテナ１０２、無線送信部１０
４、無線受信部１０５、通信インターフェース部１０６
及び１０８、ＣＰＵ１１０やコントローラ１１１を含む
制御部１０９、クロック生成部１１２は、図３で示した
従来の無線通信機能付き情報処理装置と同じ構成、動作
である。

【００２２】一方、通信制御部１０３は、変復調処理、
ＴＤＭＡ(Time Division MultipleAccess) 等の信号組
み立てや分解、無線プロトコル処理を行い、無線通信を
行う場合の使用無線周波数は、通常基地局からの指示に
より決まり、その周波数で送受信できるように通信制御
部１０３が無線送信部１０４と無線受信部１０５のシン
セサイザを制御する点は従来と同じであるが、さらに、
情報処理装置１０７内の妨害波レベル測定制御部１１５
からの命令によって、使用無線周波数におけるクロック
高調波の受信レベルを測定するように無線受信部１０５
を制御し、その測定結果を妨害波レベル測定制御部１１
５に出力する機能が付加されている。

【００２３】具体的には、無線受信部１０５のシンセサ
イザを制御して使用無線周波数におけるクロック高調波
を受信できるように周波数を同調し、連続受信状態にす
る。その後、無線受信部１０５に内蔵されている受信ア
ンプから出力される受信高調波の受信電界強度に比例し
た直流電圧を通信制御部１０３においてＡ／Ｄ変換し、
受信高調波レベルを算出し、妨害波レベル測定制御部１
１５に出力する。

【００２４】また、周波数判定部１１４は、無線通信装
置１０１における使用無線周波数を通信インターフェー
ス部１０６と１０８経由で受信し、それとクロック制御
部１１３が制御しているクロック生成部１１２から出力
されるクロックの高調波が重複するかどうかを判定する
点は従来と同じであるが、重複している場合に、妨害波
レベル測定制御部１１５の動作に起動をかける機能を有
する点が異なる。

【００２５】妨害波レベル測定制御部１１５は、新たな
機能ブロックであり、周波数判定部１１４から起動をか
けられると、通信制御部１０３に対して、使用周波数帯
におけるクロック高調波のレベル測定を要求し、さら
に、レベル測定の結果に基づいてクロック制御部１１３
に対して分周数制御を要求する。

【００２６】また、クロック制御部１１３は、クロック
生成部１１２における分周数を制御する点は従来と同じ
であるが、その制御が妨害波レベル測定制御部１１５か
ら要求される点が異なる。

【００２７】次に上記無線通信機能付き情報処理装置の
通信開始時の動作に関して図２のフローチャートを参照
しながら説明する。

【００２８】まず、ステップＳ２００において、無線通
信の使用周波数（ＦＲ）が基地局（図１には図示されて
いない）から無線通信装置１０１に通知される。

【００２９】ステップＳ２０１では、無線通信装置１０
１がＦＲに関する情報（例えば受信信号の占有周波数帯
幅）を通信インターフェース部１０６及び１０８経由で
情報処理装置１０７内の周波数判定部１１４に送信す
る。

【００３０】ステップＳ２０２では、周波数判定部１１
４が、ＦＲを中心とする受信信号占有周波数帯にクロッ
ク生成部１１２で生成されるクロック（Ｆｉ：ｉ＝０，
１，２…）の高調波（ｎＦｉ：ｎ＝１，２，３…）が重
複するか否かを判定する。もし、一切が重複しない（Ｎ
Ｏ）なら、通信を開始するためステップＳ２０９に移行
する。もし重複する高調波がある（ＹＥＳ）ならステッ
プＳ２０３へ移行する。

【００３１】ステップＳ２０３では、ステップＳ２０２
で重複していると判定された高調波の無線通信装置１０
１における受信レベルを測定するため、妨害波レベル測
定制御部１１５が、無線通信装置１０１に対してその高
調波受信レベルの測定を要求する。この際、妨害波レベ
ル測定制御部１１５は、クロック制御部１１３に対し、
上記で重複している複数のクロックの高調波受信レベル
を個別に測定できるようクロックの分周比を制御するこ
とを要求し、かつそれに同期させて無線通信装置１０１
に対する測定要求を発行する。

【００３２】ステップＳ２０４では、無線通信装置１０
１が、妨害波レベル測定制御部１１５の要求に応じてク
ロック高調波の受信レベルを測定する。このレベル測定
の結果は、妨害波レベル測定制御部１１５に送信され
る。

【００３３】ステップＳ２０５では、妨害波レベル測定
制御部１１５が、あらかじめ定められている通信品質を
保証する妨害波受信レベルのスレッショルドレベルと、
無線通信装置１０１で測定した高調波受信レベルの大き
さを比較する。

【００３４】上記で重複している高調波の受信レベルが
すべてスレッショルドレベルより小さい（ＹＥＳ）なら
ば、そのまま通信を開始してもよいと判定し、ステップ
Ｓ２０９へ移行する。もし、上記で重複している高調波
の受信レベルのうちで、スレッショルドレベル以上のも
のがある（ＮＯ）ならば、高調波の元となるクロックの
周波数を変更する必要があると判定しステップＳ２０６
に移行する。

【００３５】ステップＳ２０６では、ステップＳ２０５
でスレッショルドレベル以上であると判定された高調波
の元のクロックに対してのみ周波数変更をすべくその分
周数を変更する。そのために、該当するクロックの分周
数変更を施すようクロック制御部１１３に要求する。

【００３６】ステップＳ２０７では、クロック制御部１
１３が、分周数変更の必要ありと判定されたクロックに
関する新たな分周数情報をクロック生成部１１２に送信
する。

【００３７】ステップＳ２０８では、該当するクロック
の分周数が変更され、クロック生成部１１２より出力さ
れる。

【００３８】次に、新たに設定したクロックの高調波
が、ＦＲを中心とする受信信号占有周波数帯に重複して
いないかどうかを再度判定するため、ステップＳ２０２
に移行する。

【００３９】ステップＳ２０９では、無線通信を開始す
る。なお、図２では、通信開始時の動作を説明したが、
通信終了時の際には、クロック生成部１１２が発生する
クロック周波数は、無線通信を行わない時に情報処理装
置が動作できる最高の周波数に戻る。

【００４０】また、通信中に装置が移動し、使用無線周
波数を変更するようなチャネル切り替えが発生した場合
は、図２において変更されたクロックをいったん元に戻
し、新たに基地局から通知された使用周波数に関して再
度ステップＳ２００から開始する。

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、無
線通信装置を一体化接続して、あるいは内蔵して無線通
信機能を実現する情報処理装置において、クロック高調
波のレベルが通信品質に影響を及ぼすレベル以上である
場合にのみクロックの分周数変更を行って動作周波数を
下げ、クロック分周数変更による情報処理部の性能低下
を極力抑えつつ、クロック高調波の妨害波による通信品
質の劣化を抑えることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態１における無線通信機能付
き情報処理装置の構成図

【図２】本発明の実施の形態１における無線通信機能付
き情報処理装置の通信開始時の動作に関するフローチャ
ート

【図３】従来の無線通信機能付き情報処理装置の構成図

【符号の説明】

１０１ 無線通信装置 １０２ アンテナ １０３ 通信制御部 １０４ 無線送信部 １０５ 無線受信部 １０６ 通信インターフェース部 １０７ 情報処理装置 １０８ 通信インターフェース部 １０９ 制御部 １１０ ＣＰＵ １１１ コントローラ １１２ クロック生成部 １１３ クロック制御部 １１４ 周波数判定部 １１５ 妨害波レベル測定制御部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】無線通信装置が接続可能な情報処理装置に
   おいて、 基準発振信号を分周して情報処理装置全体の制御を行う
   制御部へのクロックを生成するクロック生成部と、 前記クロック生成部における分周数を制御するクロック
   制御部と、 前記無線通信装置における使用周波数帯と前記クロック
   生成部から出力されるクロックの高調波が重複するかど
   うか判定する周波数判定部と、 前記無線通信装置に対して、前記周波数判定部で重複す
   ると判定された使用周波数帯におけるクロック高調波の
   レベル測定を要求し、さらに、レベル測定の結果に基づ
   いて前記クロック制御部に対して分周数制御を要求する
   妨害波レベル測定制御部を具備することを特徴とする情
   報処理装置。