JPH11330575A - 圧電トランス、および圧電トランスの実装方法 - Google Patents

圧電トランス、および圧電トランスの実装方法

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JPH11330575A
JPH11330575A JP10130658A JP13065898A JPH11330575A JP H11330575 A JPH11330575 A JP H11330575A JP 10130658 A JP10130658 A JP 10130658A JP 13065898 A JP13065898 A JP 13065898A JP H11330575 A JPH11330575 A JP H11330575A
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JP10130658A
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Yukifumi Katsuno
超史 勝野
Yoshiaki Fuda
良明 布田
Toshiteru Ko
俊輝 胡
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で低背な、基板実装に適した圧電トラン
スを提供すること。 【解決手段】 圧電トランス円板11の径方向の共振モ
ードを利用した厚み方向の上下に内部電極16a.16
bとセラミック層とを交互に積層した圧電トランスであ
って、前記厚み方向の上下に位置する入力部12と出力
部13ともに径方向振動モードを用い、かつ前記入力部
12と前記出力部13との間に絶縁層14を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は入力側、あるいは出
力側、もしくは双方に径方向振動を利用した圧電トラン
スおよび圧電トランスの実装方法に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯テレビやノート型パソコンを
始め各種携帯電子機器の普及にともない、これらの機器
に直流電圧を供給するために商用交流電圧を電源とし直
流電圧を出力するACアダプターが用いられており、A
Cアダプターに用いられている電子部品の中で体積が大
きくかつ、ACアダプターの変換効率に影響を及ぼすも
のに電磁トランスがある。
【0003】最近、ACアダプターに対する高効率化、
小型低背化、電磁ノイズの低減や低消費電力かの要求が
高まり、電磁トランスに変わり、機械振動のエネルギー
を変換媒体とする圧電トランスの検討がなされている。
圧電トランスの効率は、この圧電トランスの出力インピ
ーダンスと負荷とのインピーダンスマッチングが重要で
あるが、ACアダプターの出力部に接続される各種携帯
電子機器の入力インピーダンスはおよそ数Ωから数十Ω
程度である。圧電トランスの出力インピーダンスは各周
波数ω(=2πf)と出力側制動容量Cd2によって式
(1)のように求まる。
【0004】 R=1/ωCd2 式(1) ここで一例としてR=60Ω、f=120kHz、のと
きCd2=160nFとなる。
【0005】実用的な寸法のACアダプター用の圧電ト
ランスにおいて、このような大きな制動容量を確保する
ためには対抗内部電極による積層構造が必要となってく
る。
【0006】出力側に対抗内部電極を採用する構造の一
例として、圧電セラミック円板の径方向振動を理止しな
がら、内部電極とセラミックスの積層方向が厚み方向と
する構造が考えられる。krを用いる場合のメリットと
して、各種振動モードの中で、最も電気機械結合係数が
高く、更に最も周波数定数が高いことがあげられる。
【0007】即ち圧電トランスの出力電力Poutは、 Pout keff2 ×v2 ×f×m 式(2) ここでkeff は実効的電気機械結合係数、vは振動速
度、fは駆動周波数、更にmはトランスの質量である。
上式から、krを用いた場合には、k及びfが大きくな
ることから、他の振動モードと比較して、同一出力電力
をより小さな体積で実現可能である。更に形状が円板状
であるから、低背である上に、損失分の発熱量をより効
率よく放熱することが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】krを用いる場合、特
に(R、1)振動を用いる場合のデメリットとしては、 (I)振動の節(変位がゼロの点)が円板中央部のみで、
支持が困難であること。
【0009】(II)円板を厚み方向に分割して入出力部を
設ける場合、入出力間距離が極めて接近していることか
ら、入出力間の結合容量が大きくなり、伝導ノイズに対
する耐性が小さくなってしまうこと。
【0010】(III)入出力間の縁面距離が極めて小さく
電源(cf;ACアダプター用電源トランスでは通常2
〜3mm、強化絶縁でも0.5mm程度は必要)用に用
いることが出来ない等の問題がある。このため、 (I)の
理由から基板実装及び入出力端子の取り出しには注意が
必要であり、 (II) (III) の理由から電源としての用途
が限定されてる可能性があった。
【0011】それ故に、本発明の課題は、小型で低背
な、基板実装に適した圧電トランスを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧電ト
ランス円板の径方向の共振モードを利用した厚み方向の
上下に内部電極とセラミック層とを交互に積層した圧電
トランスにおいて、前記厚み方向の上下に位置する入力
部と出力部ともに径方向振動モードを用い、かつ前記入
力部と前記出力部との間に絶縁層を設けたことを特徴と
する圧電トランスが得られる。
【0013】また、本発明によれば、圧電トランス円板
の径方向の共振モードを利用した厚み方向の上下で内部
電極とセラミック層とを交互に積層し、前記厚み方向の
上下に位置する入力部と出力部ともに径方向振動モード
を用い、かつ前記入力部と前記出力部との間に絶縁層を
設けた圧電トランスの実装方法において、前記圧電トラ
ンスを絶縁材料によって作られている円筒形のパッケー
ジに内蔵し、該パッケージの内部において前記圧電トラ
ンスの支持を振動の節である前記圧電トランス板の中心
において弾性部材を用いて上下から挟み込み、かつ前記
圧電トランス円板の外縁面において前記弾性部材を用い
て上下から保持することを特徴とする実装方法が得られ
る。
【0014】なお、圧電トランスは、円板もしくは正方
形のような回転対称体を用いても径方向の振動を用いた
トランスを得ることができる。
【0015】
【作用】本発明の圧電トランスにより入力側、または出
力側、あるいは双方ともkrを用いた小型で低背な、基
板実装に適した圧電トランスを提供することが可能とな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】[実施例1]図1(a)〜図1
(c)は、本発明の圧電トランスの実施例1を示してい
る。図1(a)は圧電トランス円板の斜視図、図1
(b)は積層構造図、図1(c)は厚み方向における断
面図である。
【0017】実施例1における圧電トランスは、圧電セ
ラミック円板(以下、円板と呼ぶ)11の径方向の共振
モードを利用した厚み方向へ内部電極16a,16bと
セラミック層とを交互に積層した積層型の圧電トランス
である。この圧電トランスでは、入力部12と出力部1
3ともに径方向振動モードを用い、かつ入力部12と出
力部13との間にセラミックの絶縁層14が設けられて
いる。
【0018】具体的に説明すると、圧電トランスの寸法
は直径20mm、厚さ2.3mmである。円板11は厚
さ方向で上下に2等分されている。円板11の一方は入
力部12、もう一方は出力部13であり、入力部12お
よび出力部13の境界の中央の領域には、厚み0.3m
mのセラミックの絶縁層14が配置されている。
【0019】入力部12には、入力用電極15a,15
bが配置されている。入力用電極15a,15bは、そ
れぞれ入力信号印加用の側面外部電極17a,17bに
接続している。入力部12は、図中矢印で示すように、
厚み方向に分極されている。入力部12は1層である。
出力部13には同じく出力用内部電極16a,16bが
配置されている。これらの出力用内部電極16a,16
bは一枚置きに交互に側面に露出し、出力取り出し用側
面外部電極18aに接続している。
【0020】なお、出力取り出し用側面外部電極18a
は、一方のみを図示したが、反対側にもう一方の出力取
り出し用側面外部電極を有している。各電極17a,1
7b,18aにはリード線19が接続されている。出力
部13は厚み方向で一層置きに、互いに厚み方向に逆向
きに分極されている。これらの出力部13は4層の積層
構造である。
【0021】分極は入出力双方とも、150℃のシリコ
ンオイル中で1kV/mmの電界強度で行った。試作し
た圧電トランスの出力側に負荷抵抗60Ωを接続し、振
動子定数とパワー特性を測定した結果を表1に示す。表
1では、振動子特性および70V入力時の諸特性(圧電
トランス単体、後述するパッケージがない状態を示して
いる。
【0022】
【表1】
【0023】[実施例2]図2(a)〜図2(c)は本
発明の圧電トランスの実施例2を示している。図2
(a)は円板の斜視図、図2(b)は積層構造図、図2
(c)は厚み方向における断面図である。
【0024】実施例2における圧電トランスは、円板2
1の径方向の共振モードを利用した厚み方向へ内部電極
25aとセラミック層とを交互に積層した積層型の圧電
トランスである。この圧電トランスは、厚み方向に3等
分した領域のうち、中央部を入力部23、入力部23の
上下を出力部26a,26bとしている。
【0025】なお、この圧電トランスでは、厚み方向に
3等分した領域の内、中央部を入力部23、その中央部
を出力部26a,26b、その上下を入力部23として
もよい。
【0026】具体的に説明すると、圧電トランスの寸法
は、直径20mm、厚さ2.3mmである。円板21は
厚さ方向に3等分され中央部は入力部23、その上下に
は出力部22a,22bが配置されている。入力部23
および出力部22a,22bの境界の領域には、厚み
0.15mmのセラミックの絶縁層24a,24bが配
置されている。入力部23には内部電極25aが配置さ
れている。内部電極25aはそれぞれ入力信号印加用の
側面外部電極27aに接続している。なお、側面外部電
極27aは、一方のみを図示したが、反対側にもう一方
の側面外部電極が設けられている。
【0027】入力部23は、図中矢印で示すように、厚
み方向に分極されている。この入力部23は1層であ
る。出力部22a,22bには同じく出力用内部電極2
6a,26bが配置されている。出力用内部電極26
a,26bは一枚置きに交互に側面に露出し、出力取り
出し用側面外部電極28a,28bに接続している。各
電極27a,28a,28bにはリード線29が接続さ
れている。
【0028】出力部22a,22bは厚み方向一層置き
に、互いに厚み方向に逆向きに分極されている。出力部
22a,22bは上下とも2層構造で、電気的に上下部
は並列に接続され、計4層の積層構造と等価になる。
【0029】分極は入出力双方とも、150℃のシリコ
ンオイル中で1kV/mmの電界強度で行った。試作し
た圧電トランスの出力側に負荷抵抗60Ωを接続し、振
動子定数とパワー特性を測定した結果を表1に示す。
【0030】[実施例3]図3(a)〜図3(c)は、
本発明の圧電トランスの実施例3を示している。図3
(a)は円板31の斜視図、図3(b)は積層構造図、
図3(c)は厚み方向断面図である。
【0031】実施例3の圧電トランスは、円板31の径
方向の共振モードを利用した厚み方向へ出力用の内部電
極38a,38bとセラミック層とを交互に積層した積
層型の圧電トランスである。この圧電トランスでは、外
部との絶縁のため、上下面にセラミックの絶縁層34を
設けてある。
【0032】トランスの寸法は、直径20mm、厚さ
2.3mmである。本実施例の構造は基本的に実施例1
のものに準じており、圧電トランス円板31の上下面に
セラミックの絶縁層が設けられているものである。
【0033】すなわち、円板31は厚さ方向に2等分さ
れ一方は入力部32、もう一方は出力部33であり、入
出力部の境界の中央の領域には厚さ0.2mmのセラミ
ックの絶縁層34が配置されている。また、円板31の
上下面にも厚さ50μmでセラミックの絶縁層35a,
35bが設けられている。入力部32には入力用電極3
6a,36bが配置されている。入力用電極36a,3
6bはそれぞれ入力信号印加用の側面外部電極37a,
37bに接続している。
【0034】入力部32は図中矢印で示すように厚み方
向に分極されている。出力部33には同じく出力用の内
部電極38a,38bが配置されている。出力用の内部
電極38a,38bは、一枚置きに交互に側面に露出
し、出力取り出し用側面外部電極39aに接続してい
る。
【0035】なお、出力取り出し用側面外部電極39a
は一方のみを図示したが反対側にもう一方の出力取り出
し用側面外部電極を有している。各電極37a,38
a,38bにはリード線39が接続されている。入力部
32は1層である。出力部33は厚み方向一層置きに、
互いに厚み方向に逆向きに分極されている。これらの出
力部33は4層の積層構造である。
【0036】分極は入出力双方とも、150℃のシリコ
ンオイル中で1kV/mmの電界強度で行った。試作し
た圧電トランス方向に逆向きに分極されている。出力部
33は4層の積層構造である。分極は入出力双方とも、
150℃のシリコンオイル中で1kV/mmの電界強度
で行った。試作した圧電トランスの出力側に負荷抵抗6
0Ωを接続し、振動子定数とパワー特性を測定した結果
を表1に示す。
【0037】また、実施例2の構造の圧電トランスに関
し、本実施例と同様に、上下面にセラミック絶縁層を設
けることが可能であることはいうまでもない。
【0038】[実施例4]図4は本発明の圧電トランス
の実施例4を示している。この実施例4では振動子構造
の該略を示している。図示の圧電トランスにおいては、
入力用端子電極41a,41bと出力用端子電極42
a,42bとを、実施例3に示した円板31の上下どち
らか一方か、もしくは両平面にまとめて設けてある。
【0039】実施例4の圧電トランス構造は基本的に、
実施例3の圧電トランス構造に準じており、入力および
出力信号を取り出すための入力用端子電極41a,41
bと出力用端子電極42a,42bとを設ける工夫がな
されている。
【0040】すなわち、圧電トランスの内部構造は、実
施例3の圧電トランスと全く同一であるが、上下面の絶
縁層35a,35b上に入力端子用外部電極41a,4
1b、出力端子用外部電極42a,42b(入力、出力
が反対でもかまわない。)を設け、またその位置を円板
外周部としたものである。各電極41a,41b、42
a,42bにはリード線49が接続されている。
【0041】[実施例5]図5は本発明の実施例5の圧
電トランスの振動子構造の該略図を示している。実施例
5における圧電トランスにおいては、入力用端子電極5
1a,51bと出力用端子電極52aとを、円板31の
上下どちらか一方か、もしくは両平面の中心部に設けて
ある。なお、出力用端子電極52aは、一方のみを図示
したが、反対側にもう一方の出力用端子電極が設けられ
ている。
【0042】この実施例5の圧電トランス構造も基本的
に、実施例3のものに準じており、入力、出力信号を取
り出すための端子用外部電極入力用端子電極51a,5
1b、出力用端子電極52aを設けかたを工夫したもの
である。
【0043】すなわち、圧電トランスの内部構造は、実
施例3の圧電トランスと全く同一であるが、上下面の絶
縁層35a,35b上に入力端子用外部電極、出力端子
用外部電極を設け、リード線59に接続する位置を振動
の節(径方向変位がゼロである点)である円板31の中
心部に可能な限り近づけるため、側面からの外部電極5
1a,51bを円板31の中心近くにまで引き回したも
のである。なお、実施例5では、入力あるいは出力一方
を円板31の片面にまとめ、もう一方を反対面において
まとめる構造としているが、入力、出力双方の計4端子
を片面の中心付近にまとめてもかまわない。
【0044】[実施例6]図6(a)および図6(b)
は、実施例6における円板トランスの実装方法を示して
いる。図6(a)は実装用のパッケージの斜視図、図6
(b)は断面図である。
【0045】圧電トランスを用いた実装方法において、
圧電トランス62は絶縁材料を用いた薄い円筒形のパッ
ケージ61a,61bに内蔵され、パッケージ61a,
61bの内部において圧電トランス62の支持は、振動
の節である円板中心においてシリコンゴム等の弾性部材
を用いて上下から挟み込み、かつ円板の外縁面におい
て、シリコンゴム等の弾性部材63a,63bを用いて
上下あるいは側面から保持することによっておこなわれ
る。
【0046】前述したように、絶縁材にて形成された薄
い円柱状のパッケージ61a,61b中には、圧電トラ
ンス62が実装されており、圧電トランス62の支持は
円板中央部を支持する弾性部材63a,63bおよび円
板の外周部上下面64a,64b,64c,64dおよ
び円板外周部側面65a,65bにおいて行われてい
る。また、リード端子69はパッケージ61a上に設け
られた複数の取り出し孔66a,66b,66c,66
dから外部に引き出される。
【0047】試作したパッケージ61a,61bに実施
例1によって説明した圧電トランス円板11を実装し、
トランス出力側に負荷抵抗60Ωを接続し、振動子定数
とパワー特性を測定した結果を表2に示す。表2では、
70V入力時の諸特性をパッケージに圧電トランスを実
装した状態を示している。
【0048】
【表2】
【0049】[実施例7]図7は実施例7における圧電
トランスの実装方法を示している。図7(a)は実装用
パッケージの斜視図、図7(b)は断面図である。
【0050】圧電トランス72は、絶縁材料を用い、さ
らに放熱性の向上のため中央部から外縁部にいたる途中
までを切り欠いた薄い円筒形のパッケージ71a,71
bに内蔵されている。圧電トランス72の支持は、外縁
面においてシリコンゴム等の弾性部材を用いて上下及び
側面から保持することによって行われる。
【0051】すなわち、絶縁材にて形成された上下2分
割の薄い円柱状のパッケージ71a,71bは、中央部
に放熱用あるいはリード線79を取り出すための取り出
し用の空孔77a,77bが設けられており、内部には
圧電トランス72が実装されている。支持は円板の外周
部上下面73a,73b,73c,73dおよび円板の
外周部側面74a,74bにおいて行われている。また
リード線79はパッケージ71aの中央部に設けられた
空孔77a,77bから外部に引き出される。
【0052】試作したパッケージ71a,71bに圧電
トランス72を実装し、トランス出力側に負荷抵抗60
Ωを接続し、振動子定数とパワー特性を測定した結果を
表2に示す。
【0053】[実施例8]図8は本発明の圧電トランス
の実装方法の実施例8をを示している。図8(a)は実
装用のパッケージの斜視図、図8(b)は断面図、図8
(c)は金属端子の概略図である。この実装方法におい
ては、実施例5と同じ圧電トランス82を用い、振動の
節である円板の中心部上下において金属製の板バネ85
を用い、支持と端子取り出しを兼ねている。
【0054】この圧電トランス82の実装方法では、絶
縁材にて形成された薄い円柱状のパッケージ81a,8
1b中に、圧電トランス82が実装されており、支持お
よびリード線89との端子接続は、円板中心部上下にお
いてパッケージ81aに設けられた金属端子83a,8
3b(円板の上面用)およびパッケージ81bに設けら
れた金属端子83c,83d(円板トランス下面用)に
おいて行われている。
【0055】また、パッケージ81a,81bの内部に
設けられたシリコンゴム等の弾性部材によっても円板は
支持されている。
【0056】試作したパッケージに圧電トランスを実装
し、トランス出力側に負荷抵抗60Ωを接続し、振動子
定数とパワー特性を測定した結果を表2に示す。
【0057】[実施例9]図9は本発明の圧電トランス
の実装方法の実施例9を示している。図9(a)は実装
用のパッケージの斜視図、図9(b)は断面図、図9
(c)は径方向の断面図(パッケージの上蓋をとり、内
部をオープンにした状態)である。
【0058】この圧電トランス92の実装方法において
は、圧電トランス92の外縁部に外部電極95を設け、
パッケージ91a,91bの外縁部内側に設けられた入
出力信号用の金属端子83a,83b,83c,83d
と接続あるいは接触させている。
【0059】絶縁材にて形成された薄い円柱状のパッケ
ージ91a,91b中に、実施例1〜4のいずれかの圧
電トランスと同様な圧電トランス92の一つが実装され
ている。リード線99までの接続は、円板外周部におい
て、パッケージ81a,81bの内縁部に設けられた金
属端子83a,83b,83c,83dが圧電トランス
92の側面外部電極95と接し、これらの金属端子83
a,83b,83c,83dがパッケージ91a,91
bの外側にてリード線99と接続することで行われてい
る。
【0060】また、圧電トランス92の支持は、実施例
6の場合と同様に複数設けられたシリコンゴム等の弾性
部材によって行われる。また試作したパッケージ91
a,91bに圧電トランス92を実装し、圧電トランス
92の出力側に負荷抵抗60Ωを接続し、振動子定数と
パワー特性を測定した結果を表2に示す。
【0061】なお、表1では上段に微少振動時の振動子
定数、下段に負荷を接続した状態での振動子定数とパワ
ー特性を表示してある。ここで fr;共振周波数 Cd1,Cd2;入力側、出力側制動容量 Qm2 ;出力側機械的品質係数(損失係数の逆数) 1/ωCd2;負荷マッチング状態でのインピーダンス γ1 ,γ2 ;入力側、出力側容量比 Pout;出力電力 をそれぞれ示している。また表2では実装状態でのパッ
ケージの良否を評価するものであるから上段の振動子定
数は簡略化し、支持の影響を受けやすいQmと容量比γ
の評価のみにとどめてある。
【0062】更にkrを用いた従来構造の圧電トランス
として、図10(a)、図10(b)および図10
(c)に示すような構造の円板状の圧電トランスを試作
し比較を行った。図10(a)は円板101の斜視図、
図10(b)は積層構造図、図10(c)は厚み方向の
断面図である。
【0063】圧電トランスの寸法は、その他のトランス
と同様に、直径20mm、厚さ2.3mmである。円板
101は厚さ方向に2等分され一方は入力部102、も
う一方は出力部103である。
【0064】入力部102には入力用電極104が設け
られ、入力信号印加用の側面外部電極105と接続して
いる。出力部103には出力用内部電極106a,10
6bが配置され、一枚置きに交互に側面に露出し、出力
取り出し用側面外部電極108aと接続している。な
お、出力取り出し用側面外部電極108aは、反対側に
もう一方の出力取り出し用側面外部電極が設けられてい
る。出力取り出し用側面外部電極108aには、リード
線109が接続されている。入力部102は、図中矢印
で示すように、円板101上面の電極104と出力部1
02のなかの最上段の内部電極106aとの間で厚み方
向に分極されている。
【0065】すなわち、入力部102は1層であり、電
極の一部を出力部103と共有している。出力部103
は厚み方向一層置きに、互いに厚み方向に逆向きに分極
されている。出力部103は4層の積層構造である。分
極は入出力双方とも、150℃のシリコンオイル中で1
kV/mmの電界強度で行った。試作した圧電トランス
の出力側に負荷抵抗60Ωを接続し、振動子定数とパワ
ー特性を測定した結果を表1に示す。
【0066】表1において実施例1〜5いずれの圧電ト
ランスにおいても、図10の従来例のkrを用いた積層
圧電トランスと比較して、効率で2〜3%程度低下し、
そのため温度上昇量が数度アップしていることが分か
る。これは実施例1〜5いずれの圧電トランスにおいて
も入出力間、あるいは上下面にセラミック絶縁層が設け
られており、これによって全体の体積にしめる圧電性を
持たない(励振、出力取り出しに寄与しない単なるセラ
ミック部分のことで、通常、圧電不活性部と称する。)
が存在するためである。
【0067】むしろ、体積中に10数%の不活性部の存
在にも関わらず、圧電トランスとしての基本的な動作特
性が得られ90%以上の効率が得られたことが重要であ
る。
【0068】次にパッケージ中に実装した状態での評価
を見ると支持による影響でQmが低下していることが分
かる。また駆動時にはトランス単体の時よりも温度上昇
量が大きくなっている。ただし、パッケージ上蓋に空孔
を設けた実施例7の場合だけは、トランス単体の場合と
大差ない。実際にはトランス単体で動作させることはあ
り得ず、必ずパッケージを用いる必要がある。最終的に
本発明においては、端子接続の困難な径方向振動をもち
い、更に入出力間やトランス上下面にセラミック絶縁層
を設けた構造の圧電トランスにおいて、実装状態で90
%以上の効率と伝送電力15Wが確保でき、その時の温
度上昇量は30〜45℃であった。
【0069】
【発明の効果】本発明の圧電トランスにより入力側、ま
たは出力側、あるいは双方ともkrを用いた小型で低背
な、基板実装に適した圧電トランスを提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施例1の圧電トランスの斜視図、
(b)は実施例1の圧電トランスの積層構造図、(c)
は実施例1の圧電トランスの断面図である。
【図2】(a)は実施例2の圧電トランスの斜視図、
(b)は実施例2の圧電トランスの積層構造図、(c)
は実施例2の圧電トランスの断面図である。
【図3】(a)は実施例3の圧電トランスの斜視図、
(b)は実施例3の圧電トランスの積層構造図、(c)
は実施例3の圧電トランスの断面図である。
【図4】実施例4の圧電トランスの斜視図である。
【図5】実施例5の圧電トランスの斜視図である。
【図6】(a)は実施例6の圧電トランスの実装用パッ
ケージの斜視図、(b)は実施例6の圧電トランスの実
装用パッケージの断面図である。
【図7】(a)は実施例7の圧電トランスの実装用パッ
ケージの斜視図、(b)は実施例7の圧電トランスの実
装用パッケージの断面図である。
【図8】(a)は実施例8の圧電トランスの実装用パッ
ケージの斜視図、(b)は実施例8の圧電トランスの実
装用パッケージの断面図、(c)は板バネの斜視図であ
る。
【図9】(a)は実施例9の圧電トランスの実装用パッ
ケージの斜視図、(b)は実施例9の圧電トランスの実
装用パッケージの断面図、(c)は径方向の断面図であ
る。
【図10】(a)は従来の圧電トランスの実装用パッケ
ージの斜視図、(b)は従来の圧電トランスの積層構造
図、(c)は従来の圧電トランスの実装用パッケージの
断面図である。
【符号の説明】
11,21,31,101 圧電セラミック円板 12,23,32,102 入力部 13,22a,22b,33 出力部 14,24a,24b,34 絶縁層 15a,15b,104 入力用電極 16a,16b,25a,38a,38b 内部電極 17a,17b,27a,37a,37b 側面外部
電極 18a,28a,28b,39a,108a 出力取
り出し用側面外部電極 26a,26b 出力用内部電極 41a,41b,51a,51b 入力用端子電極 42a,42b,52a 出力用端子電極 61a,61b,71a,71b,81a,81b,9
1a,91bパッケージ 62,72,82,92 圧電トランス 63a,63b 弾性部材 83a,83b,83c,83d 金属端子

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向の上下に内部電極とセラミック層と
    を交互に積層した圧電トランスにおいて、前記厚み方向
    の上下に位置する入力部と出力部ともに径方向振動モー
    ドを用い、かつ前記入力部と前記出力部との間に絶縁層
    を設けたことを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向へ内部電極とセラミック層を交互に
    積層した圧電トランスにおいて、厚み方向の上下方向で
    3等分した領域のうち、中央部を入力部、該入力部の上
    下を出力部としたことを特徴とする圧電トランス。
  3. 【請求項3】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向の上下に内部電極とセラミック層と
    を交互に積層した圧電トランスにおいて、厚み方向の上
    下方向で3等分した領域のうち、中央部を出力部、該出
    力部の上下を入力部としたことを特徴とする圧電トラン
    ス。
  4. 【請求項4】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向の上下に内部電極とセラミック層と
    を交互に積層した圧電トランスにおいて、外部と絶縁す
    るために上下面にセラミック絶縁層を設けたことを特徴
    とする圧電トランス。
  5. 【請求項5】 請求項1の圧電トランスにおいて、入力
    用端子電極と出力用端子電極とを、前記圧電トランス円
    板の少なくとも上下の一方にまとめて設けてあることを
    特徴とする圧電トランス。
  6. 【請求項6】 請求項1の圧電トランスにおいて、入力
    用端子電極と出力用端子電極を、前記圧電トランス円板
    の少なくとも両平面の一方面の中心部に設けてあること
    を特徴とする圧電トランス。
  7. 【請求項7】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向の上下で内部電極とセラミック層と
    を交互に積層し、前記厚み方向の上下に位置する入力部
    と出力部ともに径方向振動モードを用い、かつ前記入力
    部と前記出力部との間に絶縁層を設けた圧電トランスの
    実装方法において、前記圧電トランスを絶縁材料によっ
    て作られているパッケージに内蔵し、該パッケージの内
    部において前記圧電トランスの支持を振動の節である前
    記圧電トランス円板の中心において弾性部材を用いて上
    下から挟み込み、かつ前記圧電トランス円板の外縁面に
    おいて前記弾性部材を用いて上下から保持することを特
    徴とする圧電トランスの実装方法。
  8. 【請求項8】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向の上下で内部電極とセラミック層と
    を交互に積層し、前記厚み方向の上下に位置する入力部
    と出力部ともに径方向振動モードを用い、かつ前記入力
    部と前記出力部との間に絶縁層を設けた圧電トランスの
    実装方法において、前記圧電トランスを絶縁材料によっ
    て作られているパッケージに内蔵し、該パッケージの内
    部において前記圧電トランスの支持を振動の節である前
    記圧電トランス円板の中心において弾性部材を用いて上
    下から挟み込み、かつ圧電トランス円板の外縁面におい
    て前記弾性部材を用いて側面から保持することを特徴と
    する圧電トランスの実装方法。
  9. 【請求項9】 圧電トランス円板の径方向の共振モード
    を利用した厚み方向の上下で内部電極とセラミック層と
    を交互に積層し、前記厚み方向の上下に位置する入力部
    と出力部ともに径方向振動モードを用い、かつ前記入力
    部と前記出力部との間に絶縁層を設けた圧電トランスの
    実装方法において、前記圧電トランスは絶縁材料を用
    い、さらに放熱性の向上のため中央部から外縁部にいた
    る途中までを切り欠いた円筒形のパッケージに内蔵さ
    れ、前記圧電トランスの支持を外縁面において弾性部材
    を用いて上下及び側面から保持することを特徴とする圧
    電トランスの実装方法。
  10. 【請求項10】 圧電トランス円板の径方向の共振モー
    ドを利用した厚み方向の上下で内部電極とセラミック層
    とを交互に積層し、前記厚み方向の上下に位置する入力
    部と出力部ともに径方向振動モードを用い、かつ前記入
    力部と前記出力部との間に絶縁層を設けた圧電トランス
    の実装方法において、入力用端子電極と出力用端子電極
    とを、前記圧電トランス円板の少なくとも上下の一方に
    まとめて設け、振動の節である前記圧電トランス円板の
    中心部の上下において金属製の板バネを用いて、前記圧
    電トランスの支持と前記入力用端子電極と前記出力用端
    子電極との端子取り出しとを兼ねることを特徴とする圧
    電トランスの実装方法。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至9記載の圧電トランスの
    実装方法において、前記圧電トランスの外縁部に外部電
    極を設け、前記パッケージの外縁部内側に設けた入出力
    信号用の金属端子と前記外部電極とを接続もしくは接触
    させることを特徴とする圧電トランスの実装方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6452313B2 (en) * 2000-03-30 2002-09-17 Taiyo Yuden Co., Ltd. Multilayer piezoelectric transformer
US6577044B1 (en) * 1999-06-01 2003-06-10 Beijing Hanzhiyuan Electron Co., Ltd. Multi-output composite piezoelectric transformer with expansion vibration mode
US6614144B2 (en) * 2001-10-04 2003-09-02 Force International, Corp. Multilayer piezoelectric transformer
US6617757B2 (en) * 2001-11-30 2003-09-09 Face International Corp. Electro-luminescent backlighting circuit with multilayer piezoelectric transformer

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