JPH11326251A - 熱拡散係数測定装置及びその方法 - Google Patents

熱拡散係数測定装置及びその方法

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JPH11326251A
JPH11326251A JP12571198A JP12571198A JPH11326251A JP H11326251 A JPH11326251 A JP H11326251A JP 12571198 A JP12571198 A JP 12571198A JP 12571198 A JP12571198 A JP 12571198A JP H11326251 A JPH11326251 A JP H11326251A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便な熱拡散係数測定法とその装置を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 熱応答の早い細い熱電対を2本を、一定
間隔で試料に接触させ、その延長上の一定の距離のとこ
ろに熱パルスを与えるた時の熱電対のの出力の時間変化
を記録する。それぞれの熱電対の出力がその最大値の1
/2になる時間の間隔と、熱パルスを与えた場所と各熱
電対との距離を知ることにより一定の数式により熱拡散
係数を知る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種固体材料の熱拡
散係数を測定する装置と方法に関するものであり、特に
熱拡散係数の大きな材料に適した装置と方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】熱拡散係数を初めとして、熱に関する物
理量の測定は一般に難しいとされ、またその精度の向上
も難しいとされている。しかしながら電子機器の小型化
・高機能化が進むにつれて、内部での発熱をいかに外に
排出するかと言った問題が大きくクローズアップされて
きている。この様な中で、熱伝導体・素子に関する研究
は大きな広がりを見せている。
【0003】特に、放熱や排熱をするための材料への要
望は大きいものとなってきている。十分なスペースがと
れない携帯用電子機器などにおいては、排熱のためにフ
ァンを用いるとそのためにエネルギーを消費し電池を早
く消耗させることになるだけでなくそのためのスペース
も無視できない大きさになる。この様なことから狭い隙
間から熱を外に効率的に排出するための材料が求められ
ている。すなわち小型軽量で熱伝導の良い物質が望ま
れ、そのための研究開発が広まりつつある。
【0004】この様な物質の熱伝導性を調べるために
は、熱伝導率ないし熱拡散率を測定することがまず必要
である。そのための方法として、簡便かつ迅速に測定で
きるものが望まれている。
【0005】しかし現在のところこの要求を十分満たし
ているものがない。熱拡散係数ないし熱伝導率を求める
ための方法は、定常(静的)法と過渡(動的)法に大き
く分けられる。これらの内定常法は、熱平衡状態におけ
る測定であり、実際には一回の測定に時間がかかり実用
的ではない。一方、過渡法は、一個の熱パルスないしは
一定周期の熱サイクルに対する応答を見るもので、測定
時間が比較的短くできることから既に実用化されている
装置もある。
【0006】すなわち単一熱パルスを用いるものはレー
ザーフラッシュ法と呼ばれる方法であって、レーザーな
いし光ビームをパルス状に試料の表面に照射し、その部
分に熱を発生させる。試料表面上で光を照射した場所か
ら一定距離だけ離れた表面の温度を熱電対又は放射温度
計で測定する。光を照射したときから測定場所での温度
上昇が起こる間での時間遅れを測定し、この距離と時間
から熱拡散率を計算するというものである。
【0007】また、交流カロリメトリ法というのは、一
定周期で断続する光を試料に当て、結果として熱サイク
ルを試料の一部に与え、その応答を計ることにより熱拡
散係数や熱伝導率を知るというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】レーザーフラッシュ法
によって熱拡散係数を測定するためには、試料表面で熱
が発生する場所と時間を厳密に決めてやる必要がある。
先ず時間をはっきり決めてやるためには、光ビームを試
料の一部に照射させる方法を用いるのが最もやりやす
い。
【0009】しかしながらある程度の熱を与えるために
は、どうしても光で照射する面積ないし時間を大きくし
なければならない。ところが試料上で光ビームが照射さ
れる面積が大きくなると計算が複雑になるばかりでな
く、測定誤差が大きくなることになる。また、時間を長
くすることも同様に測定誤差を大きくする。
【0010】熱拡散係数の大きな物質であればあるほど
これらの誤差は大きくなる。交流カロリメトリ法におい
てもやはり熱拡散係数が大きい物質になると温度の振幅
が小さくなり測定誤差が大きくなるという欠点がある。
またこれらの方法はいずれも平面状の材料の測定を行え
るだけである。
【0011】実際には、折り曲げたりした立体構造体と
して使用することが多くあり、そのような実際に近い形
での熱拡散率の測定が必要となる場合も多い。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明は、試料の温度の時間的な変化を熱の拡散する
方向に沿った2点で同時に測定することにより、熱源に
関する制限を緩和する。 すなわち、熱を与えた位置か
ら測定点までの間の熱の移動を測定するのではなく、熱
源から離れた2点間の熱の移動を測定する。この様にす
ることにより、最初に試料に与える熱の分布が、矩形パ
ルス状である必要がなくなり、実質的に時間的ないし空
間的にガウス分布で近似できるようなものであればよい
ことになる。 そのために例えば、加熱したヒーターを
接触させるような方法でも十分な測定精度が得られるも
のとなる。もちろん、このことは熱源として光照射によ
る加熱を用いることを妨げるものではない。
【0013】実際の測定においては、試料上で2つの熱
電対の延長上にパルス的に熱を与えると1次元ガウス分
布でよく近似される熱分布を作ることができ、この分布
は時間と共に拡散の法則に従って広がってゆく。
【0014】それに伴い、前記のように設置した熱電対
等の温度測定装置の出力は図2のような時間変化をす
る。それぞれの熱電対出力曲線についてその値がそれぞ
れの最大値の1/2となる初めの方の時間をt1、t
2(単位sec)とすると、試料の熱拡散係数DはD=
0.135(x1−x2)(x1+x2)/(t1−t2
(単位cm2/sec)という式で計算できる。係数の
0.135は拡散方程式をデルタ関数的な温度分布を初
期条件として解くことにより得られる解を、2点間で温
度を測定するときの各点での温度変化を考えることによ
り得られるもので、より厳密な値を計算できるが、実用
的には少数点以下3桁あれば十分である。折り曲げ等の
変形した部分がx1とx2の間に来るようにすると、立体
的に成形された板状ないし棒状物体の熱拡散係数を測定
することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は、
板状試料の表面上で一定間隔の2点の温度を連続的に測
定できるようにした試料表面上の所定の位置にパルス的
に熱を与える手段を備えたものである。
【0016】前記所定の位置に熱をパルス的に与えたと
き、前記温度測定をできる2点におけるそれぞれの温度
の変化を連続的に測定し、その2点間の熱の移動にかか
る時間と熱を与えた場所と温度測定をする2点間とのそ
れぞれの距離とから熱拡散率を測定する装置である。
【0017】本発明の請求項2記載の発明は、パルス的
に熱を与える手段が、温度測定をする2点を結ぶ直線の
延長上に位置することを特徴とする。
【0018】本発明の請求項3記載の発明は、試料の所
定の場所に熱パルスを与えた時、前記試料上の一定間隔
だけ離れた2点の温度の変化において、温度がその最高
値の1/2まで昇温するまでの時間をそれぞれt1、t2
とし、温度測定をしている場所と熱パルスを与えた場所
との距離をそれぞれx1、x2としたとき、この試料の熱
拡散係数DをD=0.135(x1−x2)(x1+x2
/(t1−t2)として求めることを特徴とする請求項1
記載の熱拡散係数を測定する方法およびその装置であ
る。
【0019】本発明の請求項4記載の発明は、試料の2
点の温度を測定する手段として2本の熱電対を用い、熱
を供給する手段として一定温度に加熱したヒーターを用
いる熱拡散率測定方法と装置である。この時、熱電対は
応答が早くかつ試料表面の熱流を妨げないようにできる
だけ細い(素線の直径が0.1mm以下)ものが望まし
い。
【0020】また、ヒーターの温度は多くの場合200
℃以下程度とあまり高くない温度とするが厳密に特定の
温度にする必要はない。
【0021】ヒーターの熱容量にもよるが、100℃以
上450℃以下が好ましい。このヒーターを短時間機械
的に試料の所定の位置に接触させることにより試料に熱
パルスを与えるようにしたものである。もちろん温度測
定に非接触の放射温度計を用いることができるが、接近
した2点を測定するのには装置が大きく不便であるとと
もに、温度測定の領域が熱電対より大きくなるため、そ
の分の校正が必要になる。光ファイバを用いた放射温度
計を用いる等するとこの欠点がある程度克服される。
【0022】本発明の請求項5記載の発明は、請求項4
に記載したのと同じく試料の2点の温度を測定するため
に細い熱電対を用いるが、熱パルスを与えるのにヒータ
ーの代わりに光ビームを用いるものである。
【0023】本発明の請求項6記載の発明は、試料から
空気への熱伝導及びそれに伴う対流による熱の散逸を防
ぐためのものであって、試料及び熱パルスを与えるヒー
ター部分を真空容器の中に設置し、ポンプで排気するこ
とにより真空で測定を行えるようにしたものである。
【0024】本発明の請求項7記載の発明は、室温より
低い温度及び室温より高い温度領域での熱拡散係数の測
定ができるようにするために、試料及び熱パルスを与え
る部分が温度調節装置の中に入れられ、さらにその温度
調節装置が真空容器の中に入れられているものである。
低温での測定では、大気中で行うと霜が着くなどの問題
があり、又高温では酸化などの問題が起こるので、真空
排気ができる容器中で真空又は適当な不活性ガス雰囲気
として測定が行えるようにしたものである。
【0025】本発明の請求項8記載の発明は、立体的に
折り曲げられた構造を持つ板状及び棒状の物体に対して
適用するときに特に必要となる方法について述べている
ものであり、具体的には熱電対を2対用い、そのうち少
なくとも1対は、x、y、z3軸のうちの少なくとも2
軸ついてそれぞれ5mm以上動かせるようにするもので
ある。
【0026】その範囲内で任意の位置において温度測定
が可能になり、各種の形状に成形した試料に対して、必
要な位置に熱電対を設置することができる。2対の熱電
対の両者を移動可能とすれば、より自由度を増すことが
できる。この方法は当然平板状の試料を測定するに当た
っても便利であることはいうまでもない。
【0027】(実施の形態1)本発明をシート状のグラ
ファイトに適用した例を示す。この物質は熱拡散係数が
大きく、従来の方法ではなかなか正確な値が求められな
かったものである。図1において15は試料台であって
熱伝導性の悪い材料で作られており、その上に断熱のた
めに布を貼ってあり、昇降機構(図示せず)によって位
置の調整ができるようにした。布の代わりに発泡スチロ
ールやグラスウールなど断熱性の良いものを用いること
もできる。
【0028】特に高温での熱拡散率の測定にはグラスウ
ールやカーボンウールなど耐熱性の高い物質が必要であ
る。測定するグラファイトシート11をこの試料台に載
せ昇降機構によって試料を熱電対12及び13と接触さ
せる。熱電対12及び13は、熱の応答をよくするため
に線の直径が0.05mmと細いアルメル−クロメル熱
電対であり、あらかじめ決められた間隔(本実施の形態
では2cm)に設定しておく。
【0029】また、熱電対の出力は直接2ペンのレコー
ダーに入力する。レコーダーの記録紙を一定速度で送り
ながらヒーター14を一瞬だけ試料に接触させすぐに離
す。ヒーターを接触させる位置はあらかじめ決めてお
く。本実施の形態ではその位置を熱電対13から見て熱
電対12とは反対側で1.5cm離れた位置とした。
【0030】この様にした結果、レコーダーには概略図
2のような曲線がかかれた。この図でそれぞれの曲線で
その値が最大値の1/2になる時間をt2、t3とすると
2−t3=0.12secが得られ、熱拡散係数Dは前
記の式から11cm2/secと得られた。
【0031】また銅の板を用いたところt2−t3=1.
1secとなり、熱拡散係数として1.2cm2/se
cという文献値と同一の値が得られた。
【0032】本実施の形態では、レコーダーに記録する
方式を用いたが、ヒーターの接触機構の制御も含めコン
ピューターによるデータ収集、解析を行い、迅速に結果
を得るようにすることは容易である。
【0033】温度を測定する試料上の2点の間隔は5乃
至30mmが望ましい。5mm以上近づくと、上記2点
の温度の温度曲線のピークの位置を十分に分離できな
い。また、温度を与える位置と、温度を測定する2点が
直線上に並んだ場合、2点の測定間隔が30mm以上離
れることは、1点は、温度を与える位置から30mm以
上離れることになり、温度曲線の山がブロードになり、
ピークの位置が不明確になってしまう。
【0034】また、温度を与える点と、測定点は、5m
m以上離れていることが望ましい。これ以上近づくと、
測定点は、熱源の輻射熱(空中を伝わってきた熱)の影
響を受けてしまうからである。
【0035】また、30mm以上離れてしまうと、温度
曲線の山がブロードになり、ピークの位置が不明確にな
ってしまう。
【0036】(実施の形態2)本発明をブロック状の固
体に適用した例を図3に示す。測定される銅のブロック
31に2cm離れて細い穴34、35が中央まで穿たれ
ている。この穴の中に絶縁された線径0.05mmの熱
電対32、33が挿入されている。これらの熱電対は実
施の形態1の場合と同じようにレコーダーに入力される
ようにした。
【0037】(図では省略)別の熱した銅のブロック3
6を測定される銅ブロックの熱電対33に近い側の側面
(図中にハッチングで示した面)に一瞬だけ接触させ直
ちに離した。この時の熱電対32、33の時間変化を実
施の形態1と同様にして解析した結果、熱拡散係数とし
て1.2cm2/secと、実施の形態1と同様な結果
が得られた。
【0038】(実施の形態3)実施の形態1と同様に試
料であるグラファイトシートと細い熱電対を配置して、
ヒーターを短時間接触させる代わりに、アルゴンイオン
レーザーの光を直径2mmに絞って試料表面の熱電対1
3から1.5cm離れた所定の場所に短時間照射した。
2本の熱電対の信号は2ペンのレコーダーで記録され
た。その図から実施の形態1と同様にt2−t3=0.1
2secが得られ、熱拡散係数Dは前記の式から11c
2/secと得られた。
【0039】(実施の形態4)本発明を試料加熱可能な
装置としたものを示す。図4において、46はステンレ
ス製の真空容器で、ターボ分子ポンプ及びロータリーポ
ンプ(共に図示せず)によって10-5Pa以下の圧力ま
で排気できるようになっている。真空中で測定を行うの
は、高温での試料が酸化等の劣化を防ぐためと、電気炉
及び試料の熱による対流に起因する試料周辺での熱分布
の乱れを防ぐためである。
【0040】試料41はグラスウール49を貼った試料
台45上に設置され、2分割管状電気炉47の中におか
れ、熱電対42、43が2cm離して試料に接触するよ
うにした。試料台は、カーボンブロックの上にポリイミ
ドを高温熱処理して作ったフレキシブルなグラファイト
シート44が貼ってあり、その上にグラスウール49を
貼った構成になっている。このグラファイトシート44
は熱伝導性がよいことから試料周辺の温度を均一にする
効果が大きく測定精度の向上に有効であった。
【0041】また、石英のグラスウール49は試料と試
料台の断熱を図るものであり、試料に与えた熱パルスが
試料台に逃げないようにするものである。試料に熱パル
スを与える熱源はタンタルヒーター410を用い、試料
温度より300℃ほど高くなるよう設定した。この熱源
は移動機構48により極短時間だけ試料に接触するよう
になっている。この装置によって、室温から800℃ま
での温度範囲での熱拡散係数の測定ができた。
【0042】また、熱源としてレーザー光を用いるため
に、図5のように真空容器でフタの部分に石英ガラスの
窓のあるものを用い、同じく管状電気炉57にも上に直
径1cmの穴の開いたものを用意した。電気炉の穴の位
置に試料の加熱部が来るように設置し、それ以外は前記
本実験の形態と同じ構成として、ミラーで上から垂直に
アルゴンレーザーの光を1msec試料に照射して試料
に温度パルスを与えることができるようにした。
【0043】また試料の2点間の温度は熱電対を用いて
測定することもできるが、ここでは放射温度計52、5
3を用いた。この放射温度計で試料温度を測定するため
に、管状電気炉57には更に2個の穴が開けてある。放
射温度計の出力変化から室温から400℃までの試料温
度範囲で熱拡散係数を求めることができた。照射するレ
ーザーの強度を大きくすることができればより高い試料
温度での測定も可能である。
【0044】図4と同様に、試料51は、試料台55上
に設置され、試料台55は、カーボンブロックの上にポ
リイミドを高温熱処理して作ったフレキシブルなグラフ
ァイトシート56が貼ってあり、その上にグラスウール
54を貼った構成になっている。
【0045】(実施の形態5)本発明による熱拡散係数
の測定を低温で行う方法と装置を示す。図6において6
6はステンレス製の真空容器で、ターボ分子ポンプ及び
ロータリーポンプ(共に図示せず)によって10-5Pa
以下の圧力まで排気できるようになっている。真空中で
測定を行うのは、低温にしたときに試料や試料台に結露
しないようにするためおよび熱パルスが対流により逃げ
ることを防ぐためである。
【0046】試料台65は銅ブロック製で、中にヒータ
ー610が設置されている。この銅ブロック試料台は液
体窒素等の寒剤を入れる魔法瓶67によって冷却され
る。寒剤による冷却と中のヒーターの発熱をバランスさ
せて測定温度を設定することができる。試料61の温度
が測定温度になったら試料をリフト69によって試料台
から浮かせて熱拡散係数の測定を行うことが望ましい。
試料が試料台に接触したままでは、測定のために与えた
熱パルスの熱が試料台の方にに逃げてしまい、測定の精
度が損なわれる。
【0047】熱源(ヒーター)64は移動機構68によ
り極短時間だけ試料に接触するようになっている。6
2,63は熱電対である。
【0048】(実施の形態6)本発明による熱拡散係数
の測定を立体的に折り曲げたグラファイトのシートにつ
いて行った方法と装置を示す。図7で71はコの字型に
折り曲げたグラファイトシートのリボンであり、熱電対
72、73はx、y、z3軸の可動装置(図示せず)に
固定された熱電対であって、試料の大きさに合わせて温
度を測定する位置に熱電対の接点を持っていくことがで
きる。74が熱源(ヒーター)である。この様な装置を
用いることにより、各種の形状の試料の熱拡散係数を測
定することができた。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、簡便な方
法により正確に熱拡散係数の測定が出きる。さらに求め
られた熱拡散係数に測定した物質の比熱と密度をかける
と熱伝導率が求まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による熱拡散係数の測定
方法の模式図
【図2】本発明の実施の形態1による熱拡散係数測定に
おける熱電対出力の時間変化の模式図
【図3】本発明の実施の形態2によるブロック状固体の
熱拡散係数測定法の模式図
【図4】本発明の実施の形態4のヒーターによる熱パル
ス印加と熱電対による測定を用いた熱拡散係数の測定方
法の模式図
【図5】本発明の実施の形態4のレーザー光による熱パ
ルス印加と放射温度計による温度測定を用いた熱拡散係
数測定方法の模式図
【図6】本発明の実施の形態5による低温での熱拡散係
数測定方法の模式図
【図7】本発明の実施の形態6による立体構造に加工し
た試料の熱拡散係数測定方法の模式図
【符号の説明】
11、31、41、51、61、71 試料 12、13 熱電対 52、53 放射温度計 14、410、64、74 ヒーター 15、45、55、65 試料台 46、66 ステンレス製真空容器 47、57 管状電気炉 48、68 駆動機構

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料上の2点の温度を測定する手段と、
    パルス的に熱を与える手段とを備え、前記2点における
    温度の変化を連続的に測定し、その2点間の熱の移動に
    かかる時間と熱を与えた場所と温度測定をする2点間と
    のそれぞれの距離とから熱拡散係数を測定する熱拡散係
    数測定装置。
  2. 【請求項2】 パルス的に熱を与える手段は、温度測定
    をする2点を結ぶ直線の延長上に位置することを特徴と
    する請求項1記載の熱拡散係数測定装置。
  3. 【請求項3】 試料の所定の場所に熱パルスを与えた
    時、前記試料上の2点の温度の変化において、それぞれ
    の最大値の1/2まで昇温するまでの時間をt1、t2
    し、温度測定をしている場所と熱パルスを与えた場所と
    の距離をx1、x 2(単位cm)としたとき、この試料の
    熱拡散係数DをD=0.135(x1−x 2)(x1
    2)/(t1−t2)(単位cm2/sec)として求め
    ることを特徴とする請求項2記載の熱拡散係数測定装
    置。
  4. 【請求項4】 試料上の2点の温度を測定する手段とし
    て、一定間隔で設置された2本の熱電対を用い、熱を与
    える手段として、測定試料温度より100ないし450
    ℃高い一定温度にあらかじめ加熱した熱源で、その試料
    に接する部分の大きさが、前記2つの温度測定点を結ぶ
    方向での幅が5mm以下であるようなものを試料に接触
    させることにより熱パルスを与えるようにした請求項1
    乃至3記載の熱拡散係数測定装置。
  5. 【請求項5】 板状試料の表面の2点の温度を測定する
    手段として、一定間隔で設置された2対の十分細い熱電
    対を用い、熱を与える手段として、レーザービームない
    し集光したランプの光を試料に短時間照射するようにし
    た請求項1および2記載の熱拡散係数測定装置。
  6. 【請求項6】 試料及び熱パルスを与える部分が真空容
    器の中に設置されことを特徴とする請求項1乃至3記載
    の熱拡散係数測定装置。
  7. 【請求項7】 試料及び熱パルスを与える部分が温度調
    節装置の中に入れられ、室温より低い温度及び室温より
    高い温度領域での熱拡散係数の測定ができるようにした
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の熱拡散係数測定
    装置。
  8. 【請求項8】 立体的に折り曲げられた構造を持つ板状
    及び棒状の物体に対して熱電対を2対用い、そのうち少
    なくとも1対は、x、y、z3軸のうち少なくとも2軸
    ついてはそれぞれ5mm以上動かせるようにして、その
    範囲内で任意の位置において温度測定が可能になるよう
    にしたことを特徴とする請求項1乃至3記載の熱拡散係
    数測定装置。
  9. 【請求項9】 試料上の1点に与えたパルス的な熱を、
    試料上の2点で測定することによって、試料の熱拡散係
    数を測定する方法であって、前記2点における温度の変
    化を連続的に測定し、その2点間の熱の移動にかかる時
    間と熱を与えた場所と温度測定をする2点間とのそれぞ
    れの距離とから熱拡散係数を測定する熱拡散係数測定方
    法。
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