JPH11326031A - 音波による伝搬時間の測定装置及び測定方法 - Google Patents

音波による伝搬時間の測定装置及び測定方法

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JPH11326031A
JPH11326031A JP10289773A JP28977398A JPH11326031A JP H11326031 A JPH11326031 A JP H11326031A JP 10289773 A JP10289773 A JP 10289773A JP 28977398 A JP28977398 A JP 28977398A JP H11326031 A JPH11326031 A JP H11326031A
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JP
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sound wave
time
frequency
reception
mask
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JP10289773A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Sugino
正芳 杉野
Yutaka Suzuki
豊 鈴木
Takuya Kondo
拓也 近藤
Toshimitsu Takahashi
利光 高橋
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 音波の減衰の有無にかかわらず、音波の測定
対象中の伝搬時間を簡単な構成にて高精度で測定し得る
伝搬時間の測定装置及び測定方法を提供する。 【解決手段】 超音波振動子10は、互いに近接する各
周波数にて超音波を時を異にして測定対象を通して反射
板Sに向け送信しこれら各超音波が反射板により測定対
象を通し反射されたとき当該各反射超音波を受信してそ
れぞれ受信信号を発生する。2値化回路80aは、増幅
回路70を通し各受信信号を受けてそれぞれ2値化出力
として発生する。超音波の送信からその受信信号に対す
る2値化出力の初期部までのマスク時間の経過後の各2
値化出力のレベル変化時期が位相としてそれぞれ位相算
出回路80bにより算出される。これら位相の差及び各
周波数に基づき測定対象中の音波の伝搬時間がマイクロ
コンピュータ20により算出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可聴音波や超音波
等の音波の測定対象中における伝搬時間の測定装置及び
測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、超音波を用いた伝搬時間
の測定装置においては、特公平7−26865号公報に
て示すような超音波干渉法を利用した測定装置がある。
この測定装置によれば、試料がバッファーロッドを介し
超音波振動子に対向して配置されている。そして、発振
回路制御器によりゲート増幅器のパルス幅を狭くした状
態で、このゲート増幅器のバースト信号により超音波振
動子から送信された超音波が試料により反射される。
【0003】これに伴い、包絡線検波器が当該反射超音
波に対する超音波振動子の受信信号に基づき包絡線検波
信号を生ずると、波高検出時間設定器が、波高検出器を
通して包絡線検波信号を読み取り、超音波によるバッフ
ァーロッドの一往復時間t0及び超音波による試料の一
往復時間2L/vを測定する。なお、Lは試料の厚さで
あり、vは超音波の試料中の速度である。
【0004】次に、発振回路制御器が、波高検出時間設
定器の測定出力に基づきゲート増幅器にパルス幅を制御
する信号を送り、波高検出器が、波高検出時間設定器の
設定時間〔t0 +{X−(1/2)(2L/v)}に
て、包絡線検波信号の波高の最大値及び最小値の間隔を
測定する。なお。Xは整数を表す。従って、この最大値
及び最小値の間隔を用いれば、試料中の超音波の伝搬時
間を算出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記測定装置
は、その構成上、ゲート増幅器にパルス幅を制御する信
号を出力することで超音波の周波数を変化させるにあた
り、シンセサイザ、包絡線検出器や波高検出器、波高検
出時間設定器等の多くの回路素子を必要とする。従っ
て、測定装置としての回路構成が非常に複雑になるとい
う不具合がある。
【0006】また、伝搬時間の測定にあたり、複数の反
射超音波の存在が必要であるため、測定対象が超音波を
大きく減衰させる物理的性質を有する場合には、伝搬時
間の算出精度が低下する。そこで、本発明は、このよう
なことに対処するため、音波の減衰の有無にかかわら
ず、この音波の測定対象中の伝搬時間を簡単な構成にて
高精度で測定し得る伝搬時間の測定装置及び測定方法を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、請求項1、2に記載の発明によれば、互いに近接す
る二つの周波数の各音波をそれぞれ時を異にして測定対
象を通して反射体に向け送信しこれら各音波が反射体に
より測定対象を通して反射されたとき当該各反射音波を
それぞれ受信し受信出力として発生し、少なくとも各受
信出力の初期部をそれぞれマスクし、これら各マスクの
状態の終了後における各受信出力の所定レベルへの変化
時期の間の位相の差及び各周波数に基づき測定対象中の
音波の伝搬時間を求める。
【0008】このように、互いに近接する二つの周波数
の各音波に対する各受信出力の所定レベルへの変化時期
の間の位相の差を利用して測定対象中の音波の伝搬時間
を求めるので、測定対象中において音波が減衰しても、
これに影響されることなく、伝搬時間の高精度の測定が
可能となる。この場合、少なくとも各受信出力の初期部
をそれぞれマスクするので、送信音波が受信反射音波の
初期部と重なっても、これに影響されることなく、伝搬
時間の高精度の測定が可能となる。
【0009】また、伝搬時間の測定は、マスクの状態の
終了後における各受信出力の所定レベルへの変化時期の
間の位相の差及び各周波数を用いて行うので、この種の
伝搬時間の測定方法の構成が簡単となる。ここで、請求
項2に記載の発明のように、各受信出力の初期部をそれ
ぞれマスクする状態が、各受信出力に対応する各音波の
送信から開始されれば、この送信から各受信出力の初期
部に至る時間の間の各種の外乱の影響を受けることな
く、伝搬時間の測定を高精度でなし得る。
【0010】また、請求項3、4に記載の発明によれ
ば、互いに近接する第1及び第2の周波数にて第1及び
第2のバースト信号をそれぞれ時を異にして発生し、第
1及び第2のバースト信号に基づき第1及び第2の周波
数にて音波を測定対象を通して反射体に向け送信してこ
れら各音波が反射体により測定対象を通し反射されたと
き当該各反射音波を受信しそれぞれ第1及び第2の受信
出力として発生し、各音波の送信からその反射音波に対
する受信出力の初期部までの各マスク時間の間マスクし
た状態にて、各マスク時間の経過後の第1及び第2の受
信出力の所定レベルへの低下時期をそれぞれ第1及び第
2の位相として算出し、これら第1及び第2の位相の差
及び第1及び第2の周波数に基づき測定対象中の前記音
波の伝搬時間を求める。
【0011】このように、互いに近接する第1及び第2
の周波数の各音波に対する第1及び第2の受信出力の所
定レベルへの変化時期の間の位相の差を利用して測定対
象中の音波の伝搬時間を求めるので、測定対象中におい
て音波が減衰しても、これに影響されることなく、伝搬
時間の高精度の測定が可能となる。この場合、各音波の
送信からその反射音波に対する受信出力の初期部までの
各マスク時間の間マスクするので、送信音波が受信反射
音波の初期部と重なったり、マスク時間の間に外乱が発
生しても、これらに影響されることなく、伝搬時間の高
精度の測定が可能となる。
【0012】また、伝搬時間の測定は、マスク時間の経
過後の第1及び第2の受信出力の所定レベルへの変化時
期に対応する第1及び第2の位相の差及び第1及び第2
の周波数を用いて行うので、この種の伝搬時間の測定方
法の構成が簡単となる。ここで、請求項4に記載の発明
のように、マスク時間を、各音波の送信からその反射音
波に対する受信出力の発生時期までの時間により補正す
るので、マスク時間が定まっていなくても適正に是正さ
れる。
【0013】これにより、請求項3に記載の発明と同様
の作用効果を達成できる。また、請求項5、7に記載の
発明によれば、互いに近接する第1及び第2の周波数に
て第1及び第2のバースト信号をそれぞれ時を異にして
発生するバースト信号発生手段(30、50、60、1
10、130)と、第1及び第2のバースト信号に基づ
き第1及び第2の周波数にて音波を測定対象を通して反
射体に向け送信してこれら各音波が反射体により測定対
象を通し反射されたとき当該各反射音波を受信してそれ
ぞれ第1及び第2の受信出力を発生する音波送受信手段
(10)と、第1及び第2の受信出力をそれぞれ2値化
して第1及び第2の2値化出力を発生する2値化出力手
段(70、80a)と、音波送受信手段の音波の送信か
らその受信出力に対する2値化出力の初期部までのマス
ク時間の間マスクするマスク手段(100)と、マスク
時間の経過後の第1或いは第2の2値化出力のレベル変
化時期を第1或いは第2の位相として算出する位相算出
手段(80b)と、第1及び第2の位相の差及び第1及
び第2の周波数に基づき測定対象中の音波の伝搬時間を
算出する伝搬時間算出手段(150、160、161、
162、170)とを備える音波による伝搬時間の測定
装置が提供される。
【0014】これにより、請求項3に記載の発明の作用
効果を達成し得るような音波による伝搬時間の測定装置
を提供できる。また、請求項6、7に記載の発明によれ
ば、第1周波数にてバースト信号を発生するバースト信
号発生手段(30、50、60、110、110B、1
30B、130C)と、バースト信号に基づき第1周波
数にて音波を測定対象を通して反射体に向け送信してこ
の音波が反射体により測定対象を通し反射されたとき当
該反射音波を受信して受信出力を発生する音波送受信手
段(10)と、受信出力に基づき時を異にして第1周波
数及びこれに近接する第2周波数の各受信成分を第1及
び第2の受信成分として形成する受信成分形成手段(9
0)と、第1及び第2の受信成分をそれぞれ2値化して
第1及び第2の2値化出力を発生する2値化出力手段
(70、80a)と、音波送受信手段の音波の送信から
その受信出力に対する2値化出力の初期部までのマスク
時間の間マスクするマスク手段(100)と、マスク時
間の経過後の第1或いは第2の2値化出力のレベル変化
時期を第1或いは第2の位相として算出する位相算出手
段(80b)と、第1及び第2の位相の差及び第1及び
第2の周波数に基づき測定対象中の音波の伝搬時間を算
出する伝搬時間算出手段(150、160、161、1
62、170)とを備える音波による伝搬時間の測定装
置が提供される。
【0015】このように、バースト信号発生手段では第
1周波数にてバースト信号を発生するようにしておき、
受信成分形成手段でもって、受信出力に基づき時を異に
して第1周波数及びこれに近接する第2周波数の各受信
成分を第1及び第2の受信成分として形成するようにし
ても、請求項5に記載の発明と同様の作用効果を達成で
きる。
【0016】ここで、請求項7に記載の発明によれば、
伝搬時間算出手段は、第1及び第2の位相の差に応じて
前記第1及び第2の周波数に基づき前記測定対象中の前
記音波の波数を算出する波数算出手段(160、16
1、162)を備えて、上記算出波数、第1及び第2周
波数の一方及びこの一方の周波数に対応する第1及び第
2の位相の一方に基づき測定対象中の音波の伝搬時間を
算出する。
【0017】これにより、請求項5、6に記載の発明の
作用効果をより一層向上できる。また、請求項8、9に
記載の発明のように、周波数の音波を測定対象を通して
反射体に向け送信しこの音波が反射体により測定対象を
通して反射されたとき当該反射音波を受信し受信出力と
して発生し、この受信出力に基づき時を異にして周波数
及びこれに近接する周波数の各受信成分を形成し、請求
項1に記載の受信出力に代えて、これら各受信成分に基
づき請求項1に記載の発明と同様に音波の伝搬時間を求
めるようにしても、請求項1、2に記載の発明と同様の
作用効果を達成できる。
【0018】また、請求項10、11に記載の発明のよ
うに、所定の周波数にてバースト信号を発生し、このバ
ースト信号に基づき周波数にて音波を測定対象を通して
反射体に向け送信してこの音波が反射体により測定対象
を通し反射されたとき当該反射音波を受信し受信出力と
して発生し、この受信出力に基づき時を異にして前記周
波数及びこれに近接する周波数の各受信成分を形成し、
請求項3に記載の受信出力に代えて、当該各受信成分に
基づき請求項3に記載の発明と同様に音波の伝搬時間を
求めるようにしても、請求項3、4に記載の発明と同様
の作用効果を達成できる。
【0019】また、請求項12に記載の発明において
は、各マスクの状態が各受信出力の安定状態にて終了す
るか否かを各受信出力の位相の差及び各周波数に応じて
判定し、各マスクの状態が終了しないと判定されたとき
各マスクの状態が各受信出力の安定状態にて終了するよ
うに各マスクの終了時期を各受信出力の位相の差及び各
周波数に応じて補正する。
【0020】このように、各マスクの状態が各受信出力
の安定状態にて終了するように各マスクの状態の終了時
期が補正される。よって、各マスクの状態は各受信出力
の安定状態にて確実に終了する。よって、測定対象物に
対応する各マスクの終了時期が不明であっても、上記請
求項1及び2に記載の発明に比べて、より一層高精度に
て伝搬時間のの測定をし得る。
【0021】また、請求項13に記載の発明において
は、各マスク時間が第1及び第2の受信出力の各安定状
態にて終了するか否かを第1及び第2の位相の差及び第
1及び第2の周波数に応じて判定し、各マスク時間が終
了しないと判定されたとき各マスク時間が第1及び第2
の受信出力の各安定状態にて終了するように各マスク時
間の終了時期を第1及び第2の各位相の差及び各周波数
に応じて補正する。
【0022】このように、各マスク時間が第1及び第2
の受信出力の安定状態にて終了するように各マスク時間
の終了時期が補正される。よって、各マスク時間は第1
及び第2の受信出力の各安定状態にて確実に終了する。
よって、測定対象物に対応する各マスク時間が不明であ
っても、上記請求項3に記載の発明に比べて、より一層
高精度にて伝搬時間の測定をし得る。
【0023】また、請求項14に記載の発明において
は、各マスク時間が各受信出力の安定状態に対応する第
1及び第2の2値化出力の各状態にて終了するか否かを
第1及び第2の位相の差及び第1及び第2の周波数に応
じて判定する判定手段(210)と、当該判定手段によ
る各マスク時間が終了しないとの判定により各マスク時
間が各受信出力の安定状態に対応する第1及び第2の2
値化出力の各状態にて終了するように各マスク時間の終
了時期を第1及び第2の位相の差及び第1及び第2の周
波数に応じて補正する補正手段(211乃至213)と
を備える。
【0024】このように、各マスク時間が各受信出力の
安定状態に対応する第1及び第2の2値化出力の各状態
にて終了するように補正される。よって、各マスク時間
は各受信出力の各安定状態に対応する第1及び第2の2
値化出力の各状態にて確実に終了する。よって、測定対
象物に対応する各マスク時間が不明であっても、上記請
求項5及び6に記載の発明に比べて、より一層高精度に
て伝搬時間の測定をし得る。
【0025】また、請求項15に記載の発明において
は、各マスクの状態が各受信成分の安定状態にて終了す
るか否かを各受信成分の位相の差及び各周波数に応じて
判定し、各マスクの状態が終了しないと判定されたとき
各マスクの時間が各受信成分の安定状態にて終了するよ
うに各マスクの終了時期を各受信成分の位相の差及び各
周波数に応じて補正する。
【0026】このように、各マスクの状態が各受信成分
の安定状態にて終了するように各マスク状態の終了時期
が補正される。よって、各マスクの状態は各受信成分の
各安定状態にて確実に終了する。よって、測定対象物に
対応するマスクの終了時期が不明であっても、上記請求
項8及び9に記載の発明に比べて、より一層高精度にて
伝搬時間の測定をし得る。
【0027】なお、請求項1乃至15に記載の発明にお
いて、音波としては、可聴音波や超音波であってもよ
い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
により説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明に係る伝搬時間の測定
装置の第1実施形態を示している。この伝搬時間の測定
装置は、超音波振動子10と反射板Sとの間に存在する
測定対象の物理的性状を知るために、この測定対象を通
る超音波の伝搬時間を測定するものである。本第1実施
形態では、上記測定対象として、車両用燃料であるガソ
リンが採用されている。
【0029】超音波振動子10は、その送受信部11か
ら上記測定対象を通し反射板Sに向けて超音波を送信す
る。また、超音波振動子10は、送受信部11にて、反
射板Sにより反射される超音波を上記測定対象を通し受
信して受信信号を発生する。また、伝搬時間の測定装置
は、マイクロコンピュータ20を備えており、このマイ
クロコンピュータ20は、図2にて示すフローチャート
に従い、コンピュータプログラムを実行し、周波数発生
器30及び位相測定器80の制御に要する演算処理やこ
の位相測定器80の出力による伝搬時間の演算処理等を
行う。
【0030】周波数発生器30は、マイクロコンピュー
タ20による制御のもと、周波数F1を有する第1周波
数信号或いは周波数F2を有する第2周波数信号をパル
ス状に順次発生する。但し、両周波数F1、F2は相互
に近接した値である。ゲート回路50は、周波数発生器
30からの第1或いは第2の周波数信号を駆動回路60
に順次出力する。
【0031】ここで、このゲート回路50は、周波数発
生器30から第1周波数信号を受けたとき、第2周波数
信号の出力を禁止した状態で、第1周波数信号を順次所
定数(例えば、8個)に達するまで駆動回路60に出力
する。また、ゲート回路50は、周波数発生器30から
の第1周波数信号を上記所定数だけ順次出力した後、超
音波振動子10が超音波の送信後その反射超音波の受信
に要する所要時間の経過に伴い、第1周波数信号の出力
を禁止した状態で、周波数発生器30からの第2周波数
信号を順次上記所定数に達するまで駆動回路60に出力
する。
【0032】このように、ゲート回路50は、周波数発
生器30からの第1周波数信号及び第2周波数信号を上
記所定数ずつ上記所要時間の経過毎に交互に駆動回路6
0に順次出力する。駆動回路60は、ゲート回路50か
らの各第1周波数信号に基づき第1バースト信号を順次
超音波振動子10に出力し、また、ゲート回路50から
の各第2周波数信号に基づき第2バースト信号を順次超
音波振動子10に出力する。このことは、超音波振動子
10は、第1バースト信号に基づき振動し周波数F1の
超音波を送信し、第2バースト信号に基づき振動し周波
数F2の超音波を送信することを意味する。
【0033】増幅器70は、超音波振動子10からの受
信信号を受けて増幅し増幅信号を位相測定器80に出力
する。位相測定器80は、2値化回路80aと、位相算
出回路80bとを備えている。2値化回路80aは、増
幅器70からの受信信号を所定閾値を基準として2値化
して2値化信号を位相算出回路80bに出力する。
【0034】ここで、超音波振動子10の受信信号が周
波数F1の反射超音波に対応するとき、上記2値化信号
を第1の2値化信号という。また、超音波振動子10の
受信信号が周波数F2の反射超音波に対応するとき、上
記2値化信号を第2の2値化信号という。位相算出回路
80bは、マイクロコンピュータ20からの後述するマ
スク信号の立ち下がり時期を起点として、2値化回路8
0aからの第1或いは第2の2値化信号の立ち下がり時
期における位相を後述のように算出する。
【0035】この場合、第1の2値化信号の立ち下がり
時期の位相をP1といい、第2の2値化信号の立ち下が
り時期の位相をP2という。そして、位相算出回路80
bは、その算出位相P1或いはP2を第1或いは第2の
位相データP1或いはP2としてマイクロコンピュータ
20に出力する。このように構成した本第1実施形態に
おいて、マイクロコンピュータ20は図2のフローチャ
ートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。
【0036】ステップ100において、マスク時間tが
設定されマスク信号として位相算出回路80bに出力さ
れる。ここで、マスク時間tは、図3にて示すごとく、
超音波振動子10が周波数F1或いはF2の超音波の送
信開始直前の時期からこの超音波の送信後反射板Sによ
り反射されて超音波振動子10により受信信号として受
信された後この受信信号の振幅が安定するまでの時間に
相当する。
【0037】なお、マスク時間tは、超音波による超音
波振動子10と反射板Sとの間の伝搬時間To(超音波
振動子10による超音波の送信後この超音波が反射板S
により反射されて超音波振動子10から受信信号が発生
する時までの時間)とこの伝搬時間Toの終了時、即
ち、受信信号の発生時期からその振幅の安定時期まで時
間(遅れ時間Tという)の和である(図3参照)。
【0038】ついで、ステップ110において、マイク
ロコンピュータ20が周波数発生器30に周波数F1を
設定処理すると、この周波数発生器30は、周波数F1
にて第1周波数信号をゲート回路50に出力する。する
と、ゲート回路50は、周波数発生器30からの第1周
波数信号を順次8個になるまで駆動回路60に出力す
る。これに伴い、駆動回路60は、各第1周波数信号に
応答して第1バースト信号を順次超音波振動子10に出
力する。
【0039】このため、超音波振動子10は、各第1バ
ースト信号に応答して、周波数F1の超音波を上記測定
対象を通し反射板Sに向け超音波を送信する。この送信
後、反射板Sが超音波を反射すると、この反射超音波
は、上記測定対象を通り超音波振動子10の送受信部1
1に入射する。このため、超音波振動子10は受信信号
を発生し増幅器70に出力し、この増幅器70が、増幅
信号を発生し2値化回路80aに出力する。
【0040】すると、この2値化回路80aは、増幅器
70の増幅信号の振幅を所定閾値を基準に2値化して第
1の2値化信号(図4(a)参照)を発生する。これに
伴い、位相算出回路80bが、2値化回路80aの第1
の2値化信号に基づき、マスク時間tの立ち下がり時期
を基準として、当該第1の2値化信号の立ち下がり時期
の位相P1(図4(b)参照)を算出し、第1位相デー
タP1としてマイクロコンピュータ20に出力する。
【0041】ここで、具体的には、位相P1は、次の数
1の式に基づきマスク時間t、伝搬時間To及び周波数
F1に応じて算出される。
【0042】
【数1】P1=t−T−(1/F1)・int(2D・
F1/c) 但し、数1の式で、Tは、受信信号の波頭からマスクの
終了時までの時間(遅延時間)である。Dは測定区間の
長さである。cは音速である。また、intは、整数化
を表す。
【0043】しかして、ステップ120において、当該
第1位相データP1がマイクロコンピュータ20のメモ
リに記憶される。ついで、ステップ130において、マ
イクロコンピュータ20が周波数発生器30に周波数F
2を設定処理すると、この周波数発生器30は、周波数
F2にて第2周波数信号をゲート回路50に出力する。
【0044】すると、ゲート回路50は、周波数発生器
30からの第2周波数信号を順次8個になるまで駆動回
路60に出力する。これに伴い、駆動回路60は、各第
2周波数信号に応答して第2バースト信号を順次超音波
振動子10に出力する。このため、超音波振動子10
は、各第2バースト信号に応答して、周波数F2の超音
波を上記測定対象を通し反射板Sに向け超音波を送信す
る。この送信後、反射板Sが超音波を反射すると、この
反射超音波は、上記測定対象を通り超音波振動子10の
送受信部11に入射する。
【0045】このため、超音波振動子10は受信信号を
発生し増幅器70に出力し、この増幅器70が、増幅信
号を発生し2値化回路80aに出力する。すると、この
2値化回路80aは、増幅器70の増幅信号の振幅を所
定閾値を基準に2値化して第2の2値化信号(図4
(b)参照)を発生する。これに伴い、位相算出回路8
0bが、2値化回路80aの第2の2値化信号に基づ
き、マスク時間tの立ち下がり時期を基準として、当該
第2の2値化信号の立ち下がり時期の位相P2(図4
(b)参照)を算出し、第2位相データP2としてマイ
クロコンピュータ20に出力する。
【0046】ここで、具体的には、位相P2は、次の数
2の式に基づきマスク時間t、伝搬時間To及び周波数
F2に応じて算出される。
【0047】
【数2】P2=t−T−(1/F2)・int(2D・
F2/c) しかして、ステップ140において、当該第2位相デー
タP2がマイクロコンピュータ20のメモリに記憶され
る。ついで、ステップ150において、各ステップ12
0及び140で前記メモリに記憶した第1位相データP
1と第2位相データP2との差dp=(P1−P2)が
算出される。
【0048】その後、ステップ160において、差dp
>0か否かが判定される。具体的には、次のようにして
判定される。数1及び数2の式を用いれば、差dpは、
次の数3の式により表される。
【0049】
【数3】 ここで、int(2D・F1/c)=N1とし、int
(2D・F2/c)=N2として表すと、差dpは次の
数4の式により表される。
【0050】
【数4】 dp=(1/F1)・N1−(1/F2)・N2 この数4の式において、両周波数F1、F2を相互に近
接した周波数とすれば、波数N1=N2或いはN1=N
2+1とすることができる。従って、N1=N2=Nと
すれば、数4の式は次の数5の式に変換できる。
【0051】
【数5】dp=N{(F1−F2)/(F1・F2)} また、N1=N2+1=Nとすれば、数4の式は次の数
6の式に変換できる。
【0052】
【数6】dp=N{(F1−F2)/(F1・F2)}
−(1/F2) ここで、N1>N2、即ちdp>0の場合は、数6の式
に対応し、N1=N2、即ちdp≦0は、数5の式に対
応する。そこで、ステップ160において、dp>0の
場合は、YESと判定され、dp≦0の場合はNOと判
定される。
【0053】しかして、ステップ160における判定が
YESとなる場合には、次の数7の式に基づき波数Nが
算出される。
【0054】
【数7】N=dp・F1・F2/(F1−F2) 一方、ステップ160における判定がNOとなる場合に
は、次の数8の式に基づき波数Nが算出される。
【0055】
【数8】N={F1・F2/(F1−F2)}{dp+
(1/F2)} なお、数7及び数8の各式は、数5及び数6の各式の変
形により得られる。このようにして波数Nが算出される
と、次のステップ170において、次の数9の式に基づ
き、上記測定対象中における超音波の伝搬時間Toが算
出される。
【0056】
【数9】To=t−{(N/F1)−P1} この場合、伝搬時間Toは、位相算出器80からの両位
相データP1、P2に基づき数7或いは数8の式を利用
して算出されるから、包絡線検波器等の複雑な回路構成
を採用することなく、簡単な処理にて伝搬時間Toの算
出が可能となる。
【0057】ここで、超音波振動子10の受信信号の振
幅のうち初期の不安定な振幅は、マスク時間tによりマ
スクされ、安定な振幅のみを利用して、マスク時間tの
周期を基準として、両位相P1、P2を算出する。従っ
て、伝搬時間Tの算出が高精度にてなされ得る。このこ
とは、伝搬時間Toの高精度測定が可能であることを意
味する。
【0058】その結果、このような伝搬時間Toを用い
れば、測定対象中の超音波の速度を高精度にて算出する
ことができ、これにより、高精度の距離計や測定対象の
物理的正常測定器の提供が可能となる。また、上述のよ
うに、超音波振動子10の受信信号の振幅のうち初期の
振幅はマスク時間tによりマスクされる。従って、超音
波振動子10の送信超音波が受信信号とその初期におい
て重なりあっても、これに影響されることなく、伝搬時
間Toの高精度の算出が可能となる。
【0059】なお、数9の式に代えて、次の数10の式
により波数Nを算出してもよい。
【0060】
【数10】To=t−{(N/F2)−P2} (第2実施形態)次に、本発明の第2実施形態につき図
5乃至図7を参照して説明する。この第2実施形態で
は、上記第1実施形態にて述べた増幅器70の出力がマ
イクロコンピュータ20にも付与され、かつ、上記第1
実施形態にて述べたフローチャート(図2参照)に代え
て、図6にて示すフローチャートが採用されている。
【0061】従って、マイクロコンピュータ20は、図
6のフローチャートに従い、増幅器70及び位相算出器
80の各出力に基づき演算処理をする。その他の構成は
上記第1実施形態と同様である。このように構成した本
第2実施形態においては、上記第1実施形態にて述べた
ステップ100(図2参照)の処理を行うことなく、上
記第1実施形態と同様に周波数F1の設定処理がステッ
プ110にてなされる。
【0062】然る後、上記第1実施形態と同様に周波数
F1に基づく増幅信号が増幅器70から位相算出器80
に加えて、マイクロコンピュータ20に出力される。す
ると、超音波振動子10から超音波が送信された後反射
板Sにより反射されて超音波振動子10から受信信号と
して出力されるまでの時間t’、即ち、反射波到来時間
t’(図7参照)が、周波数F1の設定時期及び増幅器
70の増幅信号の出力時期に応じて算出される。
【0063】ついで、ステップ112において、マスク
時間tが、反射波到来時間t’と所定遅延時間Δt(図
7参照)との和(t’+Δt)として設定される。ここ
で、増幅器70の増幅信号の振幅が所定のスレッショル
ドレベルを超えたときに反射波到来時間t’の終期を設
定することで、この終期を基準として所定遅延時間Δt
を設定する(図7参照)。
【0064】このようなステップ112における処理後
は、このステップ112におけるマスク時間tを基準と
して、上記第1実施形態と同様に、位相算出回路80b
の各位相の算出及びステップ120以後の演算処理がな
される。このように、上記第1実施形態とは異なり、マ
スク時間tが既知でなくても、上述のようにマスク時間
tを設定することで、上記第1実施形態と実質的に同様
の作用効果を達成できる。
【0065】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態につき図8を参照して説明する。この第3実施形態
では、上記第1実施形態にて述べたフローチャート(図
2参照)に代えて、図8にて示すフローチャートが採用
されている。従って、マイクロコンピュータ20は、図
8のフローチャートに従い、位相算出器80の出力に基
づき演算処理をする。その他の構成は上記第1実施形態
と同様である。
【0066】このように構成した本第3実施形態におい
て、マイクロコンピュータ20は図8のフローチャート
に従いコンピュータプログラムの実行を開始する。ステ
ップ100においては、上記第1実施形態と同様に、マ
スク時間tが設定されマスク信号として位相算出回路8
0bに出力される。ついで、上記第1実施形態のステッ
プ110に対応するステップ110Aの処理がなされ
る。
【0067】即ち、マイクロコンピュータ20の全体の
動作クロックの周波数をFとし、この周波数Fに基づき
周波数F1を分周することで、周波数F1は次の数11
の式により表される値として算出されて周波数発生器3
0に設定される。
【0068】
【数11】F1=A×F ここで、Aは、整数を表す。このようにマイクロコンピ
ュータ20が周波数発生器30に周波数F1を設定後、
上記第1実施形態と同様に、2値化回路80aが、増幅
器70の増幅信号に基づき第1の2値化信号(図4
(a)参照)を発生すると、位相算出回路80bが、2
値化回路80aの第1の2値化信号に基づき、マスク時
間tの立ち下がり時期を基準として、当該第1の2値化
信号の立ち下がり時期(位相P1)までを計数値C(整
数を表す)として上記クロックにより計数しマイクロコ
ンピュータ20に出力する。ここで、計数値Cは次の数
12の式により表される。
【0069】
【数12】C=P1×F しかして、上記第1実施形態におけるステップ120に
対応するステップ120Aにおいて、当該計数値Cがマ
イクロコンピュータ20のメモリに記憶される。
【0070】ついで、上記第1実施形態におけるステッ
プ130に対応するステップ130Aの処理がなされ
る。即ち、上記クロックの周波数Fに基づき周波数F2
を分周することで、周波数F2は次の数13の式により
表される値として算出されて周波数発生器30に設定さ
れる。
【0071】
【数13】F2=(A+X)×F ここで、Xは、整数を表す。このようにマイクロコンピ
ュータ20が周波数発生器30に周波数F2を設定後、
上記第1実施形態と同様に、2値化回路80aが、増幅
器70の増幅信号に基づき第1の2値化信号(図4
(a)参照)を発生すると、位相算出回路80bが、2
値化回路80aの第2の2値化信号(図4(b)参照)
に基づき、マスク時間tの立ち下がり時期を基準とし
て、当該第2の2値化信号の立ち下がり時期(位相P
2)までを計数値D(整数を表す)として上記クロック
により計数しマイクロコンピュータ20に出力する。こ
こで、計数値Dは次の数14の式により表される。
【0072】
【数14】D=P2×F しかして、上記第1実施形態におけるステップ140に
対応するステップ140Aにおいて、当該計数値Dがマ
イクロコンピュータ20のメモリに記憶される。
【0073】ついで、上記第1実施形態におけるステッ
プ150に対応するステップ150Aにおいて、各ステ
ップ120A及び140Aで前記メモリに記憶した各計
数値CとDとの差B=(C−D)が算出される。その
後、上記第1実施形態におけるステップ160に対応す
るステップ160Aにおいて、Bが上記クロックにより
計数されてB>0か否かが判定される。ここで、Bは上
記第1実施形態にて述べた差dpに応じて次の数15の
式により表される。
【0074】
【数15】B=dp×F このステップ160Aにおいて、B>0の場合は、YE
Sと判定され、B≦0の場合はNOと判定される。しか
して、ステップ160Aにおける判定がYESとなる場
合には、次の数16の式に基づき波数Nが算出される。
【0075】
【数16】N=B/X 一方、ステップ160Aにおける判定がNOとなる場合
には、次の数17の式に基づき波数Nが算出される。
【0076】
【数17】N=(A+B+X)/X このようにして波数Nが算出されると、次のステップ1
70Aにおいて、次の数18の式に基づき、上記測定対
象中における超音波の伝搬時間Toがステップ161A
又は162Aにおける波数Nに基づき算出される。
【0077】
【数18】To=t−{(NA−C)/F} この場合、伝搬時間Toは、位相算出器80からの計数
値Cに基づき算出されるから、伝搬時間Toの算出がよ
り一層簡単となる。その他の作用効果は上記第1実施形
態と同様である。
【0078】図9及び図10は、上記各実施形態の変形
例を示している。上記各実施形態において、超音波の伝
搬路によっては、超音波振動子10の超音波受信レベル
にばらつきが発生し、これに伴い、波数Nの値がばらつ
くことがある。このような場合には、波数Nの算出結果
を、図9にて示す波数Nとその変換値との関係を表すテ
ーブルを用いて修正すれば、伝搬時間Toの安定化が可
能となる。具体的には、波数Nが図9にて示す各範囲に
あるとき、この波数Nは、図示矢印で示す変換値に変換
修正される。
【0079】このような修正によれば、カーボンスーツ
等の汚れが上記伝搬路の超音波に混入しても、伝搬時間
Toが、図10にて示すように、略直線Lに沿うように
安定化した値をとる。なお、図10にて、曲線L1は、
カーボンスーツ等の汚れが上記伝搬路の超音波に混入し
た場合において上記修正をしない場合を示す。 (第4実施形態)次に、本発明の第4実施形態につき図
11乃至図14を参照して説明する。
【0080】この第4実施形態においては、図11にて
示すごとく、周波数発生器30A及びゲート回路50A
が、上記第1実施形態にて述べた周波数発生器30及び
ゲート回路50に代えて、採用されるとともに、周波数
形成回路90が、上記第1実施形態にて述べた増幅器7
0と位相測定器80との間に接続されている。周波数発
生器30Aは、その作動状態において、上記第1実施形
態にて述べた周波数F1にて周波数信号を発生する。
【0081】ゲート回路50Aは、マイクロコンピュー
タ20による後述のような制御を受け、所定時間の間ゲ
ートを開く毎に周波数発生器30Aからの周波数信号を
8パルスだけ上記第1実施形態にて述べた駆動回路60
に出力する。周波数信号形成回路90は、両バンドパス
フィルタ90a、90b(以下、両BPF90a、90
bという)と、アナログ切り換えスイッチ90cとを備
えている。BPF90aは、上記第1実施形態にて述べ
た増幅器70の増幅信号から周波数F1の成分を濾波し
この周波数F1の成分を第1フィルタ信号として発生す
る。一方、BPF90aは、増幅器70の増幅信号から
上記第1実施形態にて述べた周波数F2の成分を濾波し
この周波数F2の成分を第2フィルタ信号として発生す
る。
【0082】アナログ切り換えスイッチ90cは、マイ
クロコンピュータ20による後述のような制御を受けて
切り換えられ、BPF90aの第1フィルタ信号或いは
BPF90bの第2フィルタ信号を位相測定器80に出
力する。位相測定器80の2値化回路80aは、第1或
いは第2のフィルタ信号を2値化し第1或いは第2の2
値化信号として位相算出回路80bに出力する。その他
の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0083】このように構成した本第4実施形態におい
て、マイクロコンピュータ20は図12のフローチャー
トに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。な
お、周波数発生器30Aは、その作動開始に伴い周波数
F1(図13参照)にて周波数信号を発生しゲート回路
50Aに出力する。上記第1実施形態と同様にステップ
100においてマスク時間t(図13参照)が設定され
マスク信号として位相算出回路80bに出力される。
【0084】ついで、ステップ110Bにおいて、アナ
ログ切り換えスイッチ90cのBPF90a側への切り
換え処理がなされる。このため、アナログ切り換えスイ
ッチ90cがBPF90bを2値化回路80aから遮断
してBPF90aを2値化回路80aに切り換え接続す
る。ついで、ステップ110Cにおいて、ゲート回路5
0Aのゲートを開く処理がなされる。このため、ゲート
回路50Aがそのゲートを開き周波数発生器30Aから
の周波数信号を順次8個になるまで駆動回路60に出力
する。これに伴い、駆動回路60は、各周波数信号に応
答して、バースト信号(上記第1実施形態にて述べた第
1バースト信号に相当する)を順次超音波振動子10に
出力する。
【0085】このため、超音波振動子10は、各バース
ト信号に応答して、周波数F1の超音波を上記測定対象
を通し反射板Sに向け超音波を送信する(図13参
照)。この送信後、反射板Sが超音波を反射すると、こ
の反射超音波は、上記測定対象を通り超音波振動子10
の送受信部11に入射する(図13参照)。これに伴
い、超音波振動子10は受信信号(図14(a)参照)
を発生し増幅器70に出力し、この増幅器70が、増幅
信号を発生する。すると、BPF90a、90bが、そ
れぞれ、当該増幅信号に基づき第1及び第2のフィルタ
信号を発生する(図14(b)(c)参照)。
【0086】ここで、上述のごとく、BPF90aが2
値化回路80aに接続されているため、BPF90aの
第1フィルタ信号のみがアナログ切り換えスイッチ90
cを介し2値化回路80aに出力される。すると、この
2値化回路80aは、BPF90aの第1フィルタ信号
の振幅を上記第1実施形態にて述べた所定閾値を基準に
2値化して第1の2値化信号(図4(a)参照)を発生
する。
【0087】これに伴い、位相算出回路80bが、2値
化回路80aの第1の2値化信号に基づき、マスク時間
tの立ち下がり時期を基準として、当該第1の2値化信
号の立ち下がり時期の位相P1(図4(b)参照)を上
記第1実施形態と同様にして算出し、第1位相データP
1としてマイクロコンピュータ20に出力する。しかし
て、ステップ120において、当該第1位相データP1
がマイクロコンピュータ20のメモリに記憶される。
【0088】ついで、ステップ130において、アナロ
グ切り換えスイッチ90cのBPF90b側への切り換
え処理がなされる。このため、アナログ切り換えスイッ
チ90cがBPF90aを2値化回路80aから遮断し
てBPF90bを2値化回路80aに切り換え接続す
る。ついで、ステップ130Cにおいて、ゲート回路5
0Aのゲートを開く処理がなされる。このため、ゲート
回路50Aがそのゲートを開き周波数発生器30Aから
の周波数信号を順次8個になるまで駆動回路60に出力
する。これに伴い、駆動回路60は、各周波数信号に応
答して、上述と同様にバースト信号を順次超音波振動子
10に出力する。
【0089】このため、超音波振動子10は、各バース
ト信号に応答して、上述と同様に周波数F1の超音波を
上記測定対象を通し反射板Sに向け超音波を送信する。
この送信後、反射板Sが超音波を反射すると、この反射
超音波は、上記測定対象を通り超音波振動子10の送受
信部11に入射する。すると、超音波振動子10は当該
受信信号を発生し増幅器70に出力し、この増幅器70
が、増幅信号を発生し両BPF90a、90bに出力す
る。
【0090】これに伴い、両BPF90a、90bは、
上述と同様に、それぞれ、第1及び第2のフィルタ信号
を発生する。ここで、上述のごとく、BPF90bが2
値化回路80aに接続されているため、BPF90bの
第2フィルタ信号のみがアナログ切り換えスイッチ90
cを介し2値化回路80aに出力される。
【0091】すると、この2値化回路80aは、BPF
90bの第2フィルタ信号の振幅を上記所定閾値を基準
に2値化して第2の2値化信号(図4(b)参照)を発
生する。これに伴い、位相算出回路80bが、2値化回
路80aの第2の2値化信号に基づき、マスク時間tの
立ち下がり時期を基準として、当該第2の2値化信号の
立ち下がり時期の位相P2(図4(b)参照)を算出
し、上記第1実施形態にて述べたと同様にして第2位相
データP2としてマイクロコンピュータ20に出力す
る。そして、ステップ140において、当該第2位相デ
ータP2がマイクロコンピュータ20のメモリに記憶さ
れる。
【0092】以下、上記第1実施形態と同様にステップ
160乃至170の処理がなされて、上記測定対象中に
おける超音波の伝搬時間Toが算出される。以上述べた
ように、上記第1実施形態のように周波数発生器30に
て両周波数F1、F2の周波数信号を発生するのではな
く、本第4実施形態のように、周波数発生器30Aにて
周波数F1の周波数信号を発生し、両BPF90a、9
0bにて、両周波数F1、F2の成分を作り出してアナ
ログ切り換えスイッチ90cを通し選択的に2値化回路
80aに出力するようにしても、上記第1実施形態と同
様の作用効果を達成できる。
【0093】(第5実施形態)次に、本発明の第5実施
形態につき図15及び図16を参照して説明する。この
第5実施形態では、上記第1実施形態にて述べたフロー
チャート(図2参照)に代えて、図15及び図16にて
示すフローチャートが採用されている。当該フローチャ
ートは、図2に示すフローチャートのうちステップ14
0とステップ150との間にステップ200乃至ステッ
プ203を加えると共に、図2に示すステップ161及
びステップ162の双方とステップ170との間に、ス
テップ210及びステップ231を加えて構成されてい
る。
【0094】なお、図15に示すステップ110からス
テップ140迄の間には、ステップ130ステップ及び
ステップ140が便宜上省略されているが、図15に示
すステップ100乃至ステップ140は、図2に示すス
テップ100乃至ステップ140と同一である。マイク
ロコンピュータ20は図15及び図16のフローチャー
トに従い、演算処理をする。その他の構成は上記第1実
施形態と同様である。
【0095】このように構成した本第5実施形態におい
ては、マイクロコンピュータ20は図15及び図16の
フローチャートに従い、コンピュータプログラムの実行
を開始する。ステップ100においては、上記第1実施
形態と同様に、マスク時間tが設定されマスク信号とし
て位相算出回路80に出力される。なお、以下、当該マ
スク時間tを設定マスク時間tという。
【0096】ついで、ステップ110乃至ステップ14
0の処理が上記第1実施形態と同様になされる。その
後、ステップ200で、設定マスク時間tの立ち下がり
時期が上記第1実施形態にて述べた両受信信号の一部に
各々重複するか否かの判定がなされる。具体的には、位
相P1と第1周波数信号の1周期(以下、周期τ1とい
う)との比較判定と、位相P2と第2周波数信号の1周
期(以下、周期τ2という)との比較判定との双方の比
較判定がなされる。なお、第1周波数信号の周波数とし
ては、200KHzが採用されており、第2周波数信号
の周波数としては、210KHzが採用されている。
【0097】しかして、ステップ200で、位相P1>
「1周期τ1」或いは位相P2>「1周期τ2」であれ
ばYESと判定される。換言すれば、位相P1>「1周
期τ1 」かつ位相P2≦「1周期τ2 」であればYES
と判定され、位相P1≦「1周期τ1 」かつ位相P2>
「1周期τ2 」であってもYESと判定されて、位相P
1>「1周期τ1 」かつ位相P2>「1周期τ2 」であ
ればYESと判定される。
【0098】このようなステップ200でのYESとの
判定は、設定マスク時間tの立ち下がり時期が上記各受
信信号のうち少なくとも一方の一部に重複していないこ
とを意味する。そこで、ステップ200における判定で
YESとなる場合には、ステップ201で、設定マスク
時間tと「伝搬時間の下限値」との比較判定がなされ
る。当該伝搬時間の下限値は「第1周波数信号の波数×
1周期τ1 」を意味しており、当該下限値のデータはマ
イクロコンピュータ20のメモリに予め記憶されてい
る。なお、本第5実施形態では、上記第1周波数信号の
波数は8個である。
【0099】しかして、ステップ201で、設定マスク
時間t<「伝搬時間の下限値」であるならばYESと判
定される。そこで、ステップ201における判定でYE
Sとなる場合には、ステップ202で、設定マスク時間
tが「伝搬時間の上限値」に再設定され、ステップ11
0の処理がなされる。当該伝搬時間の上限値は、測定対
象に基づき予め算出された伝搬時間の上限時間のデータ
を意味し、このデータはマイクロコンピュータ20のメ
モリに予め記憶されている。
【0100】一方、ステップ201で、設定マスク時間
t≧「マスク時間の下限値」となるのであればNOと判
定される。そこで、ステップ201における判定でNO
となる場合には、ステップ203で、設定マスク時間t
が「設定マスク時間t−補正値h1 」に再設定され、ス
テップ110の処理がなされる。当該補正値h1として
は、1周期τ1が採用されている。
【0101】また、ステップ200で、位相P1≦「1
周期τ1 」かつ位相P2≦「1周期τ2」であるならば
NOとの判定がなされる。このことは、設定マスク時間
tの立ち下がり時期が上記各受信信号の一部に各々重複
していることを意味する。そこで、ステップ200にお
ける判定がNOとなる場合には、ステップ150乃至ス
テップ161或いはステップ150乃至ステップ162
の処理が上記第1実施形態と同様になされる。
【0102】その後、ステップ210で、波数N=5か
否かが判定される。当該波数Nは上記第1実施形態にて
述べた数7の式或いは数8の式にて算出されたデータで
あって、上記ステップ210での処理は、設定マスク時
間tの立ち下がり時期が上記各受信信号の振幅の安定部
分にて一致するか否か判定を意味する。換言すれば、上
記判定処理でもって、設定マスク時間tの立ち下がり時
期が上記各安定状態に対応する第1及び第2の2値化信
号の各部分にて一致するか否かが判定される。なお、本
第5実施形態では、上記安定部分としては、上記各受信
信号の各波頭から5個めの波の部分が採用さている。
【0103】そして、ステップ210で、波数N≠5で
あるならば、NOと判定され、ステップ211において
波数N>5か否かが判定される。しかして、ステップ2
11で、波数N>5であるならばYESと判定される。
このことは、設定マスク時間tの立ち下がり時期が上記
各2値化信号のうち各波頭から各々6個目の波以後の部
分にて一致することを意味する。
【0104】そこで、ステップ211におけるYESと
の判定となる場合には、ステップ212で、設定マスク
時間tが「設定マスク時間t−補正値h2」に再設定さ
れ、ステップ110の処理がなされる。当該補正値h2
としては、1周期τ1 が採用されている。一方、ステッ
プ211で、波数N<5であるならばNOと判定され
る。このことは、設定マスク時間tの立ち下がり時期が
上記両2値化信号のうち両波頭から各々4個目の波迄の
部分にて一致することを意味する。
【0105】そこで、ステップ211におけるNOとの
判定となる場合には、ステップ213で、設定マスク時
間tが「設定マスク時間t+補正値h3」に再設定さ
れ、ステップ110の処理がなされる。当該補正値h3
としては、1周期τ1が採用されている。しかして、ス
テップ210で、波数N=5であるならば、YESと判
定される。このことは、設定マスク時間tの立ち下がり
時期が上記各安定状態に対応する各2値化信号の各状態
にて一致することを意味する。
【0106】そこで、ステップ220で、位相P2と
「1周期τ2の20%」との比較が判定される。この判
定処理は、設定マスク時間tの立ち下がり時期を上記第
2の2値化信号の波頭から5個目の波のうちその立ち下
がり時期(図17にて符号Q2参照)より前の部分にて
一致させるためである(図17参照)。そして、ステッ
プ220で、位相P2≦「1周期τ2の20%」である
ならばNOと判定されて、ステップ221で、設定マス
ク時間tが「設定マスク時間t+補正値h4」に再設定
されてステップ110の処理がなされる。当該補正値h
4としては、1周期τ1の5%のデータが採用されてい
る。
【0107】一方、ステップ220で、位相P2>「1
周期τ2の20%」であるならば、YESとの判定がな
さる。このことは、設定マスク時間tの立ち下がり時期
が上記第2の2値化信号の波頭から5個目の波のうち上
記立ち下がり時期(図17にて符号Q2参照)より前の
部分に一致することを意味する。そして、ステップ23
0で、位相P1と「1周期τ1の70%」との比較判定
がなされる。この判定処理は、設定マスク時間tの立ち
下がり時期を上記第1の2値化信号の波頭から5個目の
周期のうちその立ち下がり部分(図17にて符号Q1参
照)より前の部分に一致させるためである(図17参
照)。
【0108】しかして、ステップ230で、位相P1>
「1周期τ1の70%」であるならば、NOと判定され
て、ステップ231で、設定マスク時間tが「設定マス
ク時間t−補正値h5」に再設定され、ステップ110
の処理がなされる。当該補正値h5としては、1周期τ
1 の5%が採用されている。また、ステップ230で、
位相P1≦「1周期τ1の70%」であるならば、YE
Sとの判定がなされる。このことは、設定マスク時間t
の立ち下がり時期が上記第1の2値化信号の波頭から5
個目の周期のうち上記立ち下がり(図17にて符号Q1
参照)より前の部分に一致することを意味する。
【0109】そして、ステップ230での判定でYES
となる場合には、ステップ170で、上記第1実施形態
と同様に、伝搬時間Tが演算される。以上説明したよう
に、各設定マスク時間tの立ち下がり時期が両受信信号
の各一部と重複するように各設定マスク時間tの立ち下
がり時期が補正される。また、設定マスク時間tの立ち
下がり時期が上記各安定部分に対応する上記各2値化信
号の各部分(N=5)にて一致するように設定マスク時
間tの立ち下がり時期が補正される。
【0110】これにより、設定マスク時間tの立ち下が
り時期が上記各安定部分に対応する上記各2値化信号の
各部分(N=5)にて確実に一致する。このため、測定
対象物に対応するマスク時間が不明であっても、上記第
1実施形態よりも、より一層精度よく伝搬時間を測定で
きる。また、上述の如く、設定マスク時間tの立ち下が
り時期は、上記第1の2値化信号の5個目の波のうちそ
の立ち下がり時期より前の部分に一致する(図17参
照)。これと共に、設定マスク時間tの立ち下がり時期
は、上記第2の2値化信号の5個目の波のうちその立ち
下がり時期より前の部分に一致する。
【0111】これにより、両位相P1、P2の差dp
は、必ず、正の値になる(dp=P1−P2>0)。こ
のため、波数Nは上記第1実施形態にて述べた数7の式
でもって算出されることになる。よって、伝搬時間の測
定を複数行った場合には、各々、算出された波数N、ひ
いては、伝搬時間の各算出値のばらつきが少なくなる。
従って、当該各算出値を加味した伝搬時間を算出する場
合には、その算出精度は高いものになる。
【0112】なお、本第5実施形態では、上述の如く、
両位相P1、P2の差dpは、必ず、正の値になるよう
にした例について説明したが、これに限らず、両位相P
1、P2の差dpは、必ず、負の値になるようにしても
よい。この場合、波数Nは、必ず、数8の式でもって算
出されることになる。例えば、設定マスク時間tの立ち
下がり時期を、図18に示す如く、上記第1の2値化信
号の5個目の波のうちその立ち下がり時期(図18にて
符号Q1参照)より前の部分に一致させる。これと共
に、設定マスク時間tの立ち下がり時期を、上記第2の
2値化信号の5個目の波のうちその立ち下がり時期(図
18にて符号Q2参照)より後の部分に一致させるよう
にする。
【0113】これにより、両位相P1、P2の差dpが
正の値になる場合と同様の効果が得られる。なお、本第
5実施形態では、両受信波のうちその振幅の安定部分と
しては、両受信波の両波頭から両5波目の部分が採用さ
れてた例について説明したが、これに限らず、上記両受
信波の全体を100%とすると、上記両受信波の波頭か
ら50%の部分と90%の部分との間であればよい。
【0114】また、本第5実施形態では、補正値h2と
しては、1周期τ1の値を採用した例について説明した
が、これに限らず、零より大きく且つ1周期τ1以下の
値であればよい。さらに、本第5実施形態では、補正値
h3としては、1周期τ1の値を採用した例について説
明したが、これに限らず、零より大きく且つ1周期τ1
以下の値であればよい。
【0115】なお、本発明の実施にあたっては、超音波
に限ることなく、可聴音波等の各種の音波を用いて上記
測定対象中の伝搬時間を測定するようにしても、上記各
実施形態と同様の作用効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図3】上記第1実施形態におけるマスク時間t、伝搬
時間To、遅れ時間Tを周波数F1、F2の送信超音波
及び受信信号との関係で示すタイミングチャートであ
る。
【図4】(a)は、第1及び第2の2値化信号のタイミ
ングチャートであり、(b)は、(a)の符号Aの楕円
で囲う部分を拡大して示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態を示すブロック図であ
る。
【図6】図5のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図7】上記第2実施形態のおけるマスク時間t、反射
波到来時間t’及び遅延時間Δtをスレッショルドレベ
ル及び増幅信号との関係で示すタイミングチャートであ
る。
【図8】本発明の第3実施形態の要部であるマイクロコ
ンピュータの作用を示すフローチャートである。
【図9】上記各実施形態の変形例を示す波数Nとその変
換値との関係を特定してなるテーブルを表す図表であ
る。
【図10】上記変形例の効果を、伝搬時間と試料Sの変
位との関係で、波数Nの変換のない場合と比較して示す
グラフである。
【図11】本発明の第4実施形態を示すブロック図であ
る。
【図12】図11のマイクロコンピュータの作用を示す
フローチャートである。
【図13】上記第4実施形態におけるマスク時間t、伝
搬時間To、遅れ時間Tを周波数F1の送信超音波及び
受信信号との関係で示すタイミングチャートである。
【図14】(a)乃至(c)は上記第4実施形態におけ
る受信信号、BPF90aの出力、BPF90bの出力
を示すタイミングチャートである。
【図15】本発明の第5実施形態の要部であるマイクロ
コンピュータの作用の一部を示すフローチャートであ
る。
【図16】上記第5実施形態のマイクロコンピュータの
残りの作用を示すフローチャートである。
【図17】上記第5実施形態の第1及び第2の2値化信
号のタイミングチャートである。
【図18】上記第5実施形態の他の例の第1及び第2の
2値化信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
10…超音波振動子、20…マイクロコンピュータ、3
0、30A…周波数発生器、50、50A…ゲート回
路、60…駆動回路、70…増幅器、80…位相算出
器、80a…2値化回路、80b…位相算出回路、90
…周波数信号形成回路、90a、90b…BPF、90
c…アナログ切り換えスイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 拓也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高橋 利光 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに近接する二つの周波数の各音波を
    それぞれ時を異にして測定対象を通して反射体に向け送
    信しこれら各音波が前記反射体により前記測定対象を通
    して反射されたとき当該各反射音波をそれぞれ受信し受
    信出力として発生し、 少なくとも前記各受信出力の初期部をそれぞれマスク
    し、これら各マスクの状態の終了後における前記各受信
    出力の所定レベルへの変化時期の間の位相の差及び前記
    各周波数に基づき前記測定対象中の前記音波の伝搬時間
    を求めるようにした音波による伝搬時間の測定方法。
  2. 【請求項2】 前記各受信出力の初期部をそれぞれマス
    クする状態が、前記各受信出力に対応する各音波の送信
    から開始されることを特徴とする請求項1に記載の音波
    による伝搬時間の測定方法。
  3. 【請求項3】 互いに近接する第1及び第2の周波数に
    て第1及び第2のバースト信号をそれぞれ時を異にして
    発生し、 前記第1及び第2のバースト信号に基づき前記第1及び
    第2の周波数にて音波を測定対象を通して反射体に向け
    送信してこれら各音波が前記反射体により前記測定対象
    を通し反射されたとき当該各反射音波を受信しそれぞれ
    第1及び第2の受信出力として発生し、 前記各音波の送信からその反射音波に対する受信出力の
    初期部までの各マスク時間の間マスクした状態にて、前
    記各マスク時間の経過後の前記第1及び第2の受信出力
    の所定レベルへの低下時期をそれぞれ第1及び第2の位
    相として算出し、 これら第1及び第2の位相の差及び前記第1及び第2の
    周波数に基づき前記測定対象中の前記音波の伝搬時間を
    求めるようにした音波による伝搬時間の測定方法。
  4. 【請求項4】 前記各マスク時間を、前記各音波の送信
    からその反射音波に対する受信出力の発生時期までの時
    間により補正することを特徴とする請求項3に記載の音
    波による伝搬時間の測定方法。
  5. 【請求項5】 互いに近接する第1及び第2の周波数に
    て第1及び第2のバースト信号をそれぞれ時を異にして
    発生するバースト信号発生手段(30、50、60、1
    10、130)と、 前記第1及び第2のバースト信号に基づき前記第1及び
    第2の周波数にて音波を測定対象を通して反射体に向け
    送信してこれら各音波が前記反射体により前記測定対象
    を通し反射されたとき当該各反射音波を受信してそれぞ
    れ第1及び第2の受信出力を発生する音波送受信手段
    (10)と、 前記第1及び第2の受信出力をそれぞれ2値化して第1
    及び第2の2値化出力を発生する2値化出力手段(7
    0、80a)と、 前記音波送受信手段の音波の送信からその受信出力に対
    する前記2値化出力の初期部までのマスク時間の間マス
    クするマスク手段(100)と、 前記マスク時間の経過後の前記第1或いは第2の2値化
    出力のレベル変化時期を第1或いは第2の位相として算
    出する位相算出手段(80b)と、 前記第1及び第2の位相の差及び前記第1及び第2の周
    波数に基づき前記測定対象中の音波の伝搬時間を算出す
    る伝搬時間算出手段(150、160、161、16
    2、170)とを備える音波による伝搬時間の測定装
    置。
  6. 【請求項6】 第1周波数にてバースト信号を発生する
    バースト信号発生手段(30、50、60、110、1
    10B、130B、130C)と、 前記バースト信号に基づき前記第1周波数にて音波を測
    定対象を通して反射体に向け送信してこの音波が前記反
    射体により前記測定対象を通し反射されたとき当該反射
    音波を受信して受信出力を発生する音波送受信手段(1
    0)と、 前記受信出力に基づき時を異にして前記第1周波数及び
    これに近接する第2周波数の各受信成分を第1及び第2
    の受信成分として形成する受信成分形成手段(90)
    と、 前記第1及び第2の受信成分をそれぞれ2値化して第1
    及び第2の2値化出力を発生する2値化出力手段(7
    0、80a)と、 前記音波送受信手段の音波の送信からその受信出力に対
    する前記2値化出力の初期部までのマスク時間の間マス
    クするマスク手段(100)と、 前記マスク時間の経過後の前記第1或いは第2の2値化
    出力のレベル変化時期を第1或いは第2の位相として算
    出する位相算出手段(80b)と、 前記第1及び第2の位相の差及び前記第1及び第2の周
    波数に基づき前記測定対象中の音波の伝搬時間を算出す
    る伝搬時間算出手段(150、160、161、16
    2、170)とを備える音波による伝搬時間の測定装
    置。
  7. 【請求項7】 前記伝搬時間算出手段は、 前記第1及び第2の位相の差に応じて前記第1及び第2
    の周波数に基づき前記測定対象中の前記音波の波数を算
    出する波数算出手段(160、161、162)を備え
    て、 前記算出波数、前記第1及び第2周波数の一方及びこの
    一方の周波数に対応する前記第1及び第2の位相の一方
    に基づき前記測定対象中の音波の伝搬時間を算出するこ
    とを特徴とする請求項5又は6に記載の音波による伝搬
    時間の測定装置。
  8. 【請求項8】 所定の周波数の音波を測定対象を通して
    反射体に向け送信しこの音波が前記反射体により前記測
    定対象を通して反射されたとき当該反射音波を受信し受
    信出力として発生し、 この受信出力に基づき時を異にして前記周波数及びこれ
    に近接する周波数の各受信成分を形成し、 少なくともこれら各受信成分の初期部をそれぞれマスク
    し、これら各マスクの状態の終了後における前記各受信
    成分の所定レベルへの変化時期の間の位相の差及び前記
    各周波数に基づき前記測定対象中の前記音波の伝搬時間
    を求めるようにした音波による伝搬時間の測定方法。
  9. 【請求項9】 前記各受信成分の初期部をそれぞれマス
    クする状態が、前記各受信成分に対応する音波の送信か
    ら開始されることを特徴とする請求項8に記載の音波に
    よる伝搬時間の測定方法。
  10. 【請求項10】 所定の周波数にてバースト信号を発生
    し、 前記バースト信号に基づき前記周波数にて音波を測定対
    象を通して反射体に向け送信してこの音波が前記反射体
    により前記測定対象を通し反射されたとき当該反射音波
    を受信し受信出力として発生し、 この受信出力に基づき時を異にして前記周波数及びこれ
    に近接する周波数の各受信成分を形成し、 前記音波の送信からその反射音波に対する各受信成分の
    初期部までの各マスク時間の間マスクした状態にて、前
    記各マスク時間の経過後の前記各受信成分の所定レベル
    への低下時期をそれぞれ位相として算出し、 これら位相の差及び前記各周波数に基づき前記測定対象
    中の前記音波の伝搬時間を求めるようにした音波による
    伝搬時間の測定方法。
  11. 【請求項11】 前記各マスク時間を、前記音波の送信
    からその反射音波に対する受信成分の発生時期までの時
    間により補正することを特徴とする請求項10に記載の
    音波による伝搬時間の測定方法。
  12. 【請求項12】 前記各マスクの状態が前記各受信出力
    の安定状態にて終了するか否かを前記各受信出力の前記
    位相の差及び前記各周波数に応じて判定し、 前記各マスクの状態が終了しないと判定されたとき前記
    各マスクの状態が前記各受信出力の安定状態にて終了す
    るように前記各マスクの終了時期を前記各受信出力の前
    記位相の差及び前記各周波数に応じて補正することを特
    徴とする請求項1又は2に記載の音波による伝搬時間の
    測定方法。
  13. 【請求項13】 前記各マスク時間が前記第1及び第2
    の受信出力の各安定状態にて終了するか否かを前記第1
    及び第2の位相の差及び前記第1及び第2の周波数に応
    じて判定し、 前記各マスク時間が終了しないと判定されたとき前記各
    マスク時間が前記第1及び第2の受信出力の前記各安定
    状態にて終了するように前記各マスク時間の終了時期を
    前記第1及び第2の各位相の差及び前記各周波数に応じ
    て補正することを特徴とする請求項3に記載の音波によ
    る伝搬時間の測定方法。
  14. 【請求項14】 前記各マスク時間が前記各受信出力の
    安定状態に対応する前記第1及び第2の2値化出力の各
    状態にて終了するか否かを前記第1及び第2の位相の差
    及び前記第1及び第2の周波数に応じて判定する判定手
    段(210)と、 当該判定手段による前記各マスク時間が終了しないとの
    判定により前記各マスク時間が前記各受信出力の安定状
    態に対応する前記第1及び第2の2値化出力の各状態に
    て終了するように前記各マスク時間の終了時期を前記第
    1及び第2の位相の差及び前記第1及び第2の周波数に
    応じて補正する補正手段(211乃至213)とを備え
    たことを特徴とする請求項5又は6に記載の音波による
    伝搬時間の測定装置。
  15. 【請求項15】 前記各マスクの状態が前記各受信成分
    の安定状態にて終了するか否かを前記各受信成分の位相
    の差及び前記各周波数に応じて判定し、 前記各マスクの状態が終了しないと判定されたとき前記
    各マスクの時間が前記各受信成分の安定状態にて終了す
    るように前記各マスクの終了時期を前記各受信成分の位
    相の差及び前記各周波数に応じて補正することを特徴と
    する請求項8又は9に記載の音波による伝搬時間の測定
    方法。
JP10289773A 1997-12-08 1998-10-12 音波による伝搬時間の測定装置及び測定方法 Withdrawn JPH11326031A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014106102A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Kageyoshi Katakura 非接触音響検査装置および非接触音響検査方法
CN111551636A (zh) * 2020-04-02 2020-08-18 合肥工业大学 一种超声波烟气层析成像的方法
CN113807459A (zh) * 2021-09-27 2021-12-17 深圳蓝宝利电子有限公司 感应开关控制方法、系统和电子设备

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CN113807459B (zh) * 2021-09-27 2023-11-07 深圳蓝宝利电子有限公司 感应开关控制方法、系统和电子设备

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