JPH1132550A - コンバイン - Google Patents

コンバイン

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JPH1132550A
JPH1132550A JP7733798A JP7733798A JPH1132550A JP H1132550 A JPH1132550 A JP H1132550A JP 7733798 A JP7733798 A JP 7733798A JP 7733798 A JP7733798 A JP 7733798A JP H1132550 A JPH1132550 A JP H1132550A
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Kazuhiro Takahara
高原  一浩
Susumu Onishi
大西  進
Yoshiyuki Kono
嘉之 河野
Koji Yamagata
山形  浩司
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穀粒の含有水分、食味、及び外観品位などの
穀粒品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現
出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効
率の低下などを防止できるコンバインを提供する。 【解決手段】 穀粒の含有水分を検出する水分計31
と、この水分計による検出結果に基づいて採用するべき
コンバイン運転状態を示す運転状態報知装置Bとを備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植立穀稈を刈り取
って脱穀処理並びに選別処理を施して脱穀粒を回収する
コンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなコンバインにおいて
は、単位時間当たりの収穫量に応じて脱穀処理速度ある
いは選別処理速度を調節することによって、作業効率、
脱粒性能、あるいは選別精度の向上を図れるように構成
されていた。一般的に、脱穀処理速度は、扱室に配備さ
れた送塵弁の開度を調節して扱室における穀粒の滞留時
間を変更することによって調節されるものであり、単位
時間当たりの収穫量が少ない場合には、送塵弁の開度を
小さくして扱室における穀粒の滞留時間を長くすること
によって、穀粒に与える扱胴の打撃を多くすることがで
きて脱粒性能の向上を図ることができ、又逆に、単位時
間当たりの収穫量が多い場合には、送塵弁の開度を大き
くして扱室における穀粒の滞留時間を短くすることによ
って、扱室における穀粒詰まりを防止できて作業効率の
向上を図れるようになっている。一方、選別処理速度
は、揺動選別ケースに装備されたチャフシーブの開度を
調節してチャフシーブ上での穀粒(切れワラや藁屑など
を含むもの)の滞留時間を変更することによって調節さ
れるものであり、単位時間当たりの収穫量が少ない場合
には、チャフシーブの開度を小さくして漏下し難くする
(チャフシーブ上での穀粒の滞留時間を長くする)こと
によって、選別精度の向上を図れるとともに、穀粒を再
処理用の二番回収部に多く漏下させることができて脱粒
性能の向上を図ることができ、又逆に、単位時間当たり
の収穫量が多い場合には、チャフシーブの開度を大きく
して漏下し易くする(チャフシーブ上での穀粒の滞留時
間を短くする)ことによって、チャフシーブ上での穀粒
詰まりを防止できるとともに穀粒を穀粒回収用の一番回
収部に多く漏下させることができて、作業効率の向上を
図れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンバイン
の収穫対象となる籾などの穀粒は、同一圃場内のもので
あっても含有水分にバラツキのあるものであり、その含
有水分が所定値(籾の場合は含水率が24〜25%)よ
り多くなると脱穀処理時などにおいて損傷し易くなる。
又、生育時の気候や養分などの影響によって食味や青米
や未熟米等の発生率(外観品位)が変化するものであ
る。
【0004】そのため、上記の従来技術のように単に単
位時間当たりの収穫量に応じて脱穀処理速度あるいは選
別処理速度を調節するよう構成した場合には、収穫中の
穀粒が含水率の高い損傷し易いものであったとしても、
含水率の低い損傷し難いものと同様に、単位時間当たり
の収穫量が少なくなると、脱粒性能あるいは選別精度の
向上を図る点から、脱穀処理速度あるいは選別処理速度
が遅くなるように送塵弁又はチャフシーブの開度を小さ
くして、扱室における穀粒の滞留時間を長くするあるい
は穀粒を再処理用の二番回収部に多く漏下させる、とい
った調節を行うようになることから、穀粒に与える扱胴
の打撃などによる脱穀作用が過剰になって、穀粒を損傷
させて品質を低下させる不都合が生じるようになる。
又、食味が悪いあるいは外観品位が悪いものであったと
しても、単位時間当たりの収穫量が少なくなると、脱穀
処理速度あるいは選別処理速度が遅くなるように送塵弁
又はチャフシーブの開度を小さくして、扱室又はチャフ
シーブ上における穀粒の滞留時間を長くして脱粒性能又
は選別精度の向上を図るようになることから、不必要に
作業効率が悪くなる不都合が生じるようになっていた。
【0005】本発明の目的は、穀粒の含有水分、食味、
及び外観品位などの穀粒品質に応じた適切なコンバイン
運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低
下や不必要な作業効率の低下などを防止できるコンバイ
ンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうちの請求項1記載の発明では、穀粒品質
を検出する検出装置と、この検出装置による検出結果に
基づいて採用するべきコンバイン運転状態を示す運転状
態報知装置とを備えてあることを特徴とした。
【0007】〔作用〕上記請求項1記載の発明による
と、検出装置がコンバインにて収穫される穀粒の品質を
検出し、この検出結果に基づいて運転状態報知装置が採
用するべきコンバイン運転状態を示すようになることか
ら、運転状態報知装置にて示されたコンバイン運転状態
に基づいてコンバイン運転状態を変更することによっ
て、収穫される穀粒の品質に応じた適切なコンバイン運
転状態を容易に現出することができるようになる。そし
てこれによって、穀粒の品質を考慮した適切な脱穀処理
や選別処理などを行えるようになることから、品質の良
い穀粒であるにもかかわらず過脱穀などにより穀粒を損
傷させて品質を低下させる、あるいは、品質の悪い穀粒
であるにもかかわらず脱粒性能又は選別精度の向上を図
ることによって不必要な作業効率の低下を招く、などの
不都合が生じることを防止できるようになる。尚、運転
状態報知装置としては、液晶表示式や音声出力式のもの
などを採用することができる。
【0008】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切な
コンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀
粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止でき
るコンバインを提供し得るに至った。
【0009】本発明のうちの請求項2記載の発明では、
上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒
の含有水分を計測する水分計であることを特徴とした。
【0010】〔作用〕上記請求項2記載の発明による
と、先述したように穀粒は含有水分が所定値(籾の場合
は例えば含水率24〜25%)より多くなると損傷し易
くなることから、検出装置としての水分計により検出さ
れる穀粒の含有水分が所定値を越えるのに伴って、運転
状態報知装置が穀粒の損傷を回避できるコンバイン運転
状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度を大きくす
る)を示すようになる。そして、この運転状態報知装置
に示されたコンバイン運転状態を現出させることによっ
て、例えば穀粒に対する脱穀作用が過剰になって損傷さ
せる不都合などが生じることを防止でき、もって、損傷
による穀粒の品質低下を防止することができるようにな
る。又逆に、検出装置により検出される穀粒の含有水分
が所定値以下になるのに伴って、報知装置が穀粒の脱粒
を促進させることのできるコンバイン運転状態(例えば
送塵弁又はチャフシーブの開度を小さくする)を示すよ
うになることから、この運転状態報知装置に示されたコ
ンバイン運転状態を現出させることによって脱粒性能の
向上を図れるようになる。
【0011】尚、先述したように、送塵弁の開度を大き
くすると、扱室における穀粒の滞留時間を短くすること
ができて穀粒に与える扱胴の打撃を少なくすることがで
き、又逆に、送塵弁の開度を小さくすると、扱室におけ
る穀粒の滞留時間を長くすることができて穀粒に与える
扱胴の打撃を多くすることができるようになることか
ら、含有水分が所定値より多く損傷し易い穀粒に対して
は、送塵弁の開度を大きくすることによって損傷による
穀粒の品質低下を防止することができ、又逆に、含有水
分が所定値以下で損傷し難い穀粒に対しては、送塵弁の
開度を小さくすることによって脱粒性能の向上を図るこ
とができるのである。一方、チャフシーブの開度を大き
くすると、穀粒を穀粒回収用の一番回収部に多く漏下さ
せることができて再処理用の二番回収部への漏下を抑制
することができ、又逆に、チャフシーブの開度を小さく
すると、穀粒を再処理用の二番回収部に多く漏下させる
ことができるようになることから、含有水分が所定値よ
り多く損傷し易い穀粒に対しては、チャフシーブの開度
を大きくすることによって損傷による穀粒の品質低下を
防止することができ、又逆に、含有水分が所定値以下で
損傷し難い穀粒に対しては、チャフシーブの開度を小さ
くすることによって脱粒性能の向上を図ることができる
のである。
【0012】〔効果〕従って、穀粒の含有水分に応じた
適切なコンバイン運転状態を容易に現出させることがで
きて、過脱穀などに起因した損傷による穀粒品質の低下
を防止することや、脱粒性能の向上を図ることのできる
コンバインを提供し得るに至った。
【0013】本発明のうちの請求項3記載の発明では、
上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒
の食味を計測する食味計であることを特徴とした。
【0014】〔作用〕上記請求項3記載の発明による
と、検出装置としての食味計により検出される穀粒の食
味が高くなると、運転状態報知装置が穀粒の損傷を回避
できるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシ
ーブの開度を大きくする)を示すようになる。そして、
ここで示されたコンバイン運転状態を現出させることに
よって、例えば穀粒に対する脱穀作用が過剰になって損
傷させる不都合などが生じることを防止でき、もって、
食味の高い穀粒の損傷による品質低下を防止することが
できるようになる。又、検出装置により検出される穀粒
の食味が低くなると、運転状態報知装置が作業効率の向
上を図ることのできるコンバイン運転状態(例えば送塵
弁又はチャフシーブの開度をより大きくする)を示すよ
うになる。そして、ここで示されたコンバイン運転状態
を現出させることによって、食味の低い穀粒であるにも
かかわらず脱粒性能や選別精度の向上を図るために不必
要に作業効率が悪くなることを防止できるようになる。
【0015】〔効果〕従って、穀粒の食味に応じた適切
なコンバイン運転状態を容易に現出させることができ
て、食味の高い穀粒の過脱穀などに起因した損傷による
品質低下を防止できるとともに、食味の低い穀粒に対す
る作業効率の向上を図ることのできるコンバインを提供
し得るに至った。
【0016】本発明のうちの請求項4記載の発明では、
上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒
の外観品位を計測する品位計であることを特徴とした。
【0017】〔作用〕上記請求項4記載の発明による
と、検出装置としての品位計により検出される穀粒の外
観品位が高くなると、報知装置が穀粒の損傷を回避でき
るコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブ
の開度を大きくする)を示すようになる。そして、ここ
で示されたコンバイン運転状態を現出させることによっ
て、例えば穀粒に対する脱穀作用が過剰になって損傷さ
せる不都合などが生じることを防止でき、もって、外観
品位の高い穀粒の損傷による品質低下を防止することが
できるようになる。又、検出装置により検出される穀粒
の外観品位が低くなると、運転状態報知装置が作業効率
の向上を図ることのできるコンバイン運転状態(例えば
送塵弁又はチャフシーブの開度をより大きくする)を示
すようになる。そして、ここで示されたコンバイン運転
状態を現出させることによって、外観品位の低い穀粒で
あるにもかかわらず脱粒性能や選別精度の向上を図るた
めに不必要に作業効率が悪くなることを防止できるよう
になる。
【0018】〔効果〕従って、穀粒の外観品位に応じた
適切なコンバイン運転状態を容易に現出させることがで
きて、外観品位の高い穀粒の過脱穀などに起因した損傷
による品質低下を防止できるとともに、外観品位の低い
穀粒に対する作業効率の向上を図ることのできるコンバ
インを提供し得るに至った。
【0019】本発明のうちの請求項5記載の発明では、
上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒
の含有水分、食味、外観品位のうちのいずれか二つ以上
を計測するものであることを特徴とした。
【0020】〔作用〕上記請求項5記載の発明による
と、検出装置が収穫される穀粒の含有水分(傷つき易
さ)、食味、外観品位のうちのいずれか二つ以上を検出
し、この検出結果に基づいて報知装置が採用するべきコ
ンバイン運転状態を示すようになることから、報知装置
にて示されたコンバイン運転状態を現出させることによ
って収穫される穀粒の品質に対してより適切なコンバイ
ン運転状態を容易に現出することができるようになる。
そしてこれによって、穀粒の品質をより考慮したより適
切な脱穀処理や選別処理などを行えるようになることか
ら、品質の良い穀粒であるにもかかわらず過脱穀などに
より穀粒を損傷させて品質を低下させる、あるいは、品
質の悪い穀粒であるにもかかわらず脱粒性能又は選別精
度の向上を図ることによって不必要な作業効率の低下を
招く、などの不都合が生じることをより効果的に防止で
きるようになる。
【0021】〔効果〕従って、穀粒品質に対してより適
切なコンバイン運転状態を容易に現出することができ
て、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などをよ
り効果的に防止できるコンバインを提供し得るに至っ
た。
【0022】本発明のうちの請求項6記載の発明では、
上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態
として、扱胴の駆動速度状態を示すように構成してある
ことを特徴とした。
【0023】〔作用〕上記請求項6記載の発明による
と、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値
を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が
高くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバ
イン運転状態として扱胴の駆動速度の減速を示すように
なり、これに応じて扱胴の駆動速度を減速させることに
よって、脱穀処理の際に穀粒に与える扱胴の打撃力を弱
めることができる(自脱型コンバインにおいてはフィー
ドチェーンとの相対的な速度差から穀粒に与える扱胴の
打撃数を少なくすることもできる)ので、扱胴の打撃に
よる穀粒の損傷を防止することができるようになる。
又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値
以下になる、穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外
観品位が低くなるといった場合には、運転状態報知装置
がコンバイン運転状態として扱胴の駆動速度の増速を示
すようになり、これに応じて扱胴の駆動速度を増速させ
ることによって、脱穀処理の際に穀粒に与える扱胴の打
撃力を強めることができるとともに扱室における穀粒の
滞留時間を短くすることができるので、脱粒性能及び脱
穀作業効率の向上を図れるようになる。
【0024】しかも、検出装置により検出される穀粒の
含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あ
るいは外観品位が高くなるといった場合において、選別
精度の向上を図るためにチャフシーブの開度を小さくす
ることによって多くの穀粒が再処理用の二番回収部に漏
下して扱室に還元されるようになったとしても、報知装
置の示すコンバイン運転状態に応じて扱胴の駆動速度を
減速させていることから、穀粒の過脱穀に起因した損傷
を抑制できるようになる。
【0025】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた脱穀処
理状態を容易に現出させることができて、傷つき易い穀
粒や品質の高い穀粒の過脱穀に起因した損傷による品質
低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や品質の低
い穀粒に対する脱粒性能や脱穀作業効率の向上、更に
は、選別精度の向上と過脱穀による損傷防止の両立を図
ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0026】本発明のうちの請求項7記載の発明では、
上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態
として、穀粒を回転スクリューによって搬送する穀粒搬
送装置の駆動速度状態を示すように構成してある特徴と
した。
【0027】〔作用〕上記請求項7記載の発明による
と、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値
を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が
高くなるといった場合には、報知装置がコンバイン運転
状態として穀粒搬送装置の駆動速度の減速を示すように
なり、これに応じて穀粒搬送装置の駆動速度を減速させ
ることによって、穀粒搬送装置による穀粒搬送の際に穀
粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力を弱めるこ
とができるので、回転スクリューとの摩擦による穀粒の
損傷を防止することができるようになる。又、検出装置
により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になる、
穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外観品位が低く
なるといった場合には、報知装置がコンバイン運転状態
として穀粒搬送装置の駆動速度の増速を示すようにな
り、これに応じて穀粒搬送装置の駆動速度を増速させる
ことによって、穀粒搬送装置による穀粒搬送効率の向上
を図れるようになる。
【0028】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた穀粒搬
送状態を容易に現出させることができて、傷つき易い穀
粒や品質の高い穀粒の搬送負荷に起因した損傷による品
質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や品質の
低い穀粒の搬送効率の向上を図ることのできるコンバイ
ンを提供し得るに至った。
【0029】本発明のうちの請求項8記載の発明では、
上記請求項7記載の発明において、前記穀粒搬送装置が
脱穀装置の二番還元装置であることを特徴とした。
【0030】〔作用〕上記請求項8記載の発明による
と、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値
を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が
高くなるといった場合には、報知装置がコンバイン運転
状態として二番還元装置の駆動速度の減速を示すように
なり、これに応じて二番還元装置の駆動速度を減速させ
ることによって、二番還元装置による穀粒搬送の際に穀
粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力を弱めるこ
とができるので、二番還元装置の回転スクリューとの摩
擦による穀粒の損傷を防止することができるようにな
る。又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所
定値以下になる、穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒
の外観品位が低くなるといった場合には、運転状態報知
装置がコンバイン運転状態として二番還元装置の駆動速
度の増速を示すようになり、これに応じて二番還元装置
の駆動速度を増速させることによって、二番還元装置に
よる穀粒搬送効率の向上を図れるようになる。
【0031】特に、二番還元装置が再脱穀処理部を有す
るものである場合には、運転状態報知装置の示すコンバ
イン運転状態に応じて二番還元装置の駆動速度を減速さ
せることによって、二番還元装置による再脱穀処理の際
に穀粒に与える再脱穀処理部での打撃力を弱めることが
できるので、再脱穀処理部での打撃による穀粒の損傷を
も防止することができるようになり、逆に、報知装置の
示すコンバイン運転状態に応じて二番還元装置の駆動速
度を増速させることによって、二番還元装置による再脱
穀処理の際に穀粒に与える再脱穀処理部での打撃力を強
めることができるとともに再脱穀処理部における穀粒の
滞留時間を短くすることができるので、脱粒性能及び脱
穀作業効率の向上をも図れるようになる。又、検出装置
により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀
粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるとい
った場合において、選別精度の向上を図るためにチャフ
シーブの開度を小さくすることによって穀粒が再処理用
の二番回収部に多く漏下するようになったとしても、運
転状態報知装置の示すコンバイン運転状態に応じて二番
還元装置の駆動速度を減速させていることから、穀粒の
過脱穀や搬送負荷に起因した損傷を抑制できるようにな
る。
【0032】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた二番還
元装置の駆動状態を容易に現出させることができて、傷
つき易い穀粒や品質の高い穀粒の二番還元装置における
搬送負荷に起因した損傷(二番還元装置に再脱穀処理部
を有するものにおいては過脱穀に起因した損傷も含む)
による品質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒
や品質の低い穀粒の二番還元装置における搬送効率の向
上(二番還元装置に再脱穀処理部を有するものにおいて
は脱粒性能及び脱穀作業効率の向上を含む)、更には、
選別精度の向上と搬送負荷(二番還元装置に再脱穀処理
部を有するものにおいては過脱穀を含む)による損傷防
止の両立を図ることのできるコンバインを提供し得るに
至った。
【0033】本発明のうちの請求項9記載の発明では、
上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態
として、エンジンの駆動速度状態を示すように構成して
あることを特徴とした。
【0034】〔作用〕上記請求項9記載の発明による
と、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値
を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が
高くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバ
イン運転状態としてエンジンの駆動速度の減速を示すよ
うになり、これに応じてエンジンの駆動速度を減速させ
ることによって、エンジンにて駆動される扱胴、穀粒搬
送装置、及び、二番還元装置等の駆動速度が同時に減速
され、扱胴による扱き処理における穀粒に対する打撃が
緩和されると共に、穀粒搬送の際に穀粒が受ける回転ス
クリューとの間での摩擦力を弱めることができ、穀粒の
損傷を防止することができるようになる。又、検出装置
により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になる、
穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外観品位が低く
なるといった場合には、運転状態報知装置がコンバイン
運転状態としてエンジンの駆動速度の増速を示すように
なり、これに応じてエンジンの駆動速度を増速させるこ
とによって、扱胴の回転数や穀粒搬送装置の回転数が増
速して、扱胴による脱粒作用や穀粒搬送装置による穀粒
搬送の作業効率の向上を図れるようになる。
【0035】〔効果〕従って、扱胴や穀粒搬送装置等の
複数の装置に対して一挙に回転数を変更させることが可
能なエンジンの駆動状態について、穀粒品質に応じた駆
動状態を容易に現出させることができて、複数の装置を
各別に操作するものに較べて能率のよい状態で、傷つき
易い穀粒や品質の高い穀粒の搬送負荷に起因した損傷に
よる品質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や
品質の低い穀粒の搬送効率の向上を図ることのできるコ
ンバインを提供し得るに至った。
【0036】本発明のうちの請求項10記載の発明で
は、上記請求項6〜9のいずれか一つに記載の発明にお
いて、前記運転状態報知装置は、前記駆動速度状態とし
て、前記検出装置の検出結果に基づいて採用するべき適
正な回転数を表示するように構成してあることを特徴と
した。
【0037】〔作用〕上記請求項10記載の発明による
と、採用するべき適正な回転数を表示することによっ
て、コンバイン運転状態を人為的に調整する場合に、例
えば、調整すべき方向(高回転側、あるいは、低回転側
等)だけを表示するような場合に較べて、最も適正な回
転数に能率よく調整することが可能であり、それだけ作
業能率が向上するものとなる。
【0038】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切な
コンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀
粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止でき
るものでありながら、適切なコンバイン運転状態を現出
させる場合の操作が能率よく行えるものとなった。
【0039】本発明のうちの請求項11記載の発明で
は、上記請求項6〜9のいずれか一つに記載の発明にお
いて、前記運転状態報知装置は、前記駆動速度状態とし
て、前記検出装置の検出結果に基づいて人為操作するべ
き操作方向を表示するように構成してあることを特徴と
した。
【0040】〔作用〕上記請求項11記載の発明による
と、駆動速度状態として、前記検出装置の検出結果に基
づいて人為操作するべき操作方向を表示することによっ
て、コンバイン運転状態を人為的に調整する場合に、例
えば、調整すべき値を絶対値で表示するような場合に較
べて、人間の操作感覚から理解し易い人為操作すべき操
作方向を表示することで、操作を誤り無く実行すること
が可能であり、作業性に優れたものとなる。
【0041】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切な
コンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀
粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止でき
るものでありながら、適切なコンバイン運転状態を現出
させる場合の操作が能率よく行えるものとなった。
【0042】本発明のうちの請求項12記載の発明で
は、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明にお
いて、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状
態として、エンジンの回転数を人為的に変更調節するエ
ンジン回転数調節手段の操作目標位置を示すように構成
してあることを特徴とした。
【0043】上記請求項12記載の発明によると、コン
バイン運転状態として、エンジンの回転数を人為的に変
更調節するエンジン回転数調節手段の操作目標位置を示
すように構成することによって、コンバイン運転状態
(エンジン回転数)をエンジン回転数調整手段によって
人為的に調整する場合に、その操作目標位置に向けて人
為操作すればよく、操作誤り等の少ない状態で最も適正
な回転数に能率よく調整することが可能であり、それだ
け作業能率が向上するものとなる。
【0044】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切な
エンジン回転数の操作目標位置を容易に現出することが
できて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下など
を防止できるものでありながら、適切なコンバイン運転
状態を現出させる場合の操作が能率よく行えるものとな
った。
【0045】本発明のうちの請求項13記載の発明で
は、上記請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明に
おいて、穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量を示す表
示装置を備えている特徴とした。
【0046】〔作用〕上記請求項13記載の発明による
と、表示装置にて穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量
が示されることから、各圃場での収穫量などを容易に認
識することができるようになる。特に、例えば検出装置
により穀粒の含有水分が検出され、報知装置により穀粒
の含有水分が示される場合には、穀粒の含有水分と収穫
量を認識できることから、効率的あるいは計画的な乾燥
処理がより一層行い易くなり、乾燥処理におけるエネル
ギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味
の低下などをより効果的に防止することができるように
なる。
【0047】〔効果〕従って、各圃場での収穫量などを
容易に認識することができて、収穫作業後の乾燥処理に
おけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒
の形質や食味の低下などの防止をより効果的に図ること
のできるコンバインを提供し得るに至った。
【0048】本発明のうちの請求項14記載の発明で
は、上記請求項1〜13のいずれか一つに記載の発明に
おいて、前記検出装置による検出結果を示す品質報知装
置を備えていることを特徴としている。
【0049】〔作用〕上記請求項14記載の発明による
と、検出装置により収穫される穀粒の品質(含有水分、
食味、外観品位など)が検出されると、運転状態報知装
置によって、その検出結果に基づいた採用するべきコン
バイン運転状態が示されるとともに、その検出結果自体
もが示されるようになることから、作業者は、採用する
べきコンバイン運転状態に加えて穀粒品質をも認識でき
るようになる。そしてこれによって、運転状態報知装置
にて示されたコンバイン運転状態を単に現出させる以外
に、そのコンバイン運転状態を参考にして、収穫する穀
粒の品種や産地の特徴などを活かしならがらの穀粒品質
に応じた独自のコンバイン運転状態を現出させることも
容易に行えるようになる。又、収穫の段階から穀粒品質
を認識できることによって、収穫作業後の穀粒の等階級
選別などを容易にすることができるようになる。特に、
例えば検出装置により穀粒の含有水分が検出される場合
には、収穫の段階から穀粒の含有水分を認識できること
から、収穫作業後の穀粒乾燥処理の際における穀粒の含
有水分に応じた分別を容易にすることができるととも
に、効率的あるいは計画的な乾燥処理が行い易くなる。
つまり、収穫作業後の作業効率の向上を図ることができ
るとともに、乾燥処理におけるエネルギーの損失あるい
は過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などを防止
することができるようになる。
【0050】〔効果〕従って、収穫する穀粒の品種や産
地の特徴などを活かした適切なコンバイン運転状態をも
容易に現出することができて、穀粒の品種や産地の特徴
などに応じた品質を損なうことを防止できるとともに、
収穫作業後の作業効率の向上や、乾燥処理におけるエネ
ルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食
味の低下などの防止を図ることのできるコンバインを提
供し得るに至った。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0052】図1にはコンバインの全体側面が示されて
おり、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装
置1Aを備えた走行機体1、走行機体1の前部に昇降自
在に連結された刈取部2、刈取部2により刈り取られて
搬送された穀稈を脱穀して穀粒を選別回収する脱穀装置
3、脱穀装置3により選別回収された穀粒を貯留する穀
粒タンク4、穀粒タンク4に貯留した穀粒を機外に排出
する穀粒排出搬送装置5、及び走行機体1の右前部に配
置された操縦部6、などによって自脱型に構成されてい
る。
【0053】図1〜3に示すように、脱穀装置3は、刈
取部2から供給搬送される刈取穀稈の株元側を挾持して
後方に向けて搬送するフィードチェーン7、フィードチ
ェーン7により搬送される刈取穀稈の穂先側が供給され
る扱室8、扱室8にて刈取穀稈の穂先側に打撃を与えて
脱穀処理を施す扱胴9、脱穀処理が施されて単粒化した
穀粒や切れワラなどを漏下させる受網10、受網10か
ら漏下した穀粒や切れワラなどを篩い選別する揺動選別
ケース11、揺動選別ケース11により篩い選別される
穀粒や切れワラなどに向けて選別風を供給する唐箕1
2、揺動選別機構11にて選別された穀粒を回収する一
番物回収部13、揺動選別機構11にて選別された穀粒
や切れワラなどからなる混在物を回収する二番物回収部
14、一番物回収部13に回収された穀粒を脱穀装置3
の右側方に搬送する回転スクリュー型の一番物回収コン
ベヤ(穀粒搬送装置の一例)15、二番物回収部14に
回収された混在物を脱穀装置3の右側方に搬送する回転
スクリュー型の二番物回収コンベヤ(穀粒搬送装置の一
例)16、一番物回収コンベヤ15にて搬送された穀粒
を穀粒タンク4に向けて揚送する回転スクリュー型の揚
送コンベヤ(穀粒搬送装置の一例)17、及び二番物回
収コンベヤ16にて搬送された混在物を揺動選別ケース
11に向けて還元搬送する回転スクリュー型の二番還元
装置(穀粒搬送装置の一例)18、などによって構成さ
れている。揺動選別ケース11には、単位時間当たりの
処理量に応じて開度調節可能なチャフシーブ11Aや、
穀粒を一番物回収部13に向けて漏下させるグレンシー
ブ11Bなどが装備されている。二番還元装置18に
は、二番物回収部14に回収された混在物に対して再脱
穀処理を施す再脱穀処理部18Aが装備されている。
【0054】図1に示すように、穀粒排出搬送装置5
は、穀粒タンク4内の穀粒を後方に向けて搬送する回転
スクリュー型の底部コンベヤ(穀粒搬送装置の一例)1
9、底部コンベヤ19にて搬送された穀粒を上方に向け
て搬送する回転スクリュー型の縦送りコンベヤ(穀粒搬
送装置の一例)20、及び縦送りコンベヤ20にて搬送
された穀粒を所定の排出位置に向けて搬送する回転スク
リュー型の排出オーガ(穀粒搬送装置の一例)21、な
どによって構成されている。
【0055】図3に示すように、クローラ式走行装置1
Aは、走行機体1の右前部に搭載されたエンジン22か
らの動力が、主クラッチ23、静油圧式無段変速装置2
4、及びギヤ式変速装置25、などを介して伝達される
ことによって駆動されるようになっている。刈取部2
は、ギヤ式変速装置25からの動力が刈取クラッチ26
などを介して伝達されることによって駆動されるように
なっている。脱穀装置3は、エンジン22からの動力が
脱穀クラッチ27及び脱穀装置伝動系28などを介して
伝達されることによって駆動されるようになっている。
脱穀装置伝動系28には、扱胴9の駆動速度変更用の第
一変速機構28A、一番物回収コンベヤ15及び揚送コ
ンベヤ17の駆動速度変更用の第二変速機構28B、並
びに二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18の駆
動速度変更用の第三変速機構28Cが装備されている。
穀粒排出搬送装置5は、エンジン22からの動力が排出
クラッチ29、及び穀粒排出搬送装置5の駆動速度変更
用の変速機構30、などを介して伝達されることによっ
て駆動されるようになっている。第一変速機構28A、
第二変速機構28B、第三変速機構28C、及び変速機
構30は、夫々ベルト無段型に構成されるとともに、操
縦部6に装備された各操作レバー(図示せず)にて操作
できるよう構成されている。
【0056】ところで、コンバインの収穫対象となる籾
などの穀粒は、同一圃場内のものであっても含有水分に
バラツキのあるものであり、その含有水分が所定値(籾
の場合は含水率が24〜25%)より多くなると脱穀処
理時などにおいて損傷し易くなる。そこで、図1に示す
ように、穀粒タンク4の上部には、揚送コンベヤ17に
て搬送された穀粒の一部を受け取って穀粒品質の一例で
ある穀粒の含有水分を計測する検出装置Aとしての破壊
型の水分計31が配備されている。又、図4に示すよう
に、水分計31は、検出した穀粒の含有水分を走行機体
1に搭載されたマイクロコンピュータなどからなる制御
部32へ出力するようになっている。制御部32には、
穀粒の含有水分に応じたコンバイン運転状態として、穀
粒の含有水分に応じた扱胴9の適正駆動速度、一番物回
収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17の適正駆動速度、
二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18の適正駆
動速度、並びに穀粒排出搬送装置5の適正駆動速度の夫
々が記憶されており、制御部32は、水分計31により
検出された穀粒の含有水分が入力されると、穀粒の含有
水分、採用するべき扱胴9の駆動速度状態、一番物回収
コンベヤ15及び揚送コンベヤ17の駆動速度状態、二
番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18の駆動速度
状態、並びに穀粒排出搬送装置5の駆動速度状態の夫々
を操縦部6に配備した液晶表示部33に表示させるよう
になっている。つまり、制御部32及び液晶表示部33
によって、検出装置Aとしての水分計31による検出結
果に基づいて採用するべきコンバイン運転状態を示す運
転状態報知装置Bが構成されている。
【0057】以上の構成から、水分計31がコンバイン
にて収穫される穀粒の含有水分を検出し、この検出結果
に基づいて運転状態報知装置Bが採用するべきコンバイ
ン運転状態として、扱胴9、一番物回収コンベヤ15及
び揚送コンベヤ17、二番物回収コンベヤ16及び二番
還元装置18、並びに穀粒排出搬送装置5、の各駆動速
度状態を示すようになることから、運転状態報知装置B
にて示されたそれらの駆動速度状態に基づいて、操縦者
が人為操作によって、扱胴9用の第一変速機構28A、
一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17用の第二
変速機構28B、二番物回収コンベヤ16及び二番還元
装置18用の第三変速機構28C、並びに穀粒排出搬送
装置5用の変速機構30、の各変速操作を行うことによ
って、収穫される穀粒の含有水分に応じた適切な扱胴
9、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17、二
番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18、並びに穀
粒排出搬送装置5、の駆動速度状態を容易に現出するこ
とができるようになっている。つまり、穀粒の含有水分
を考慮した適切な脱穀処理及び穀粒搬送を行えるように
なることから、含有水分が所定値を越える損傷し易い穀
粒であるにもかかわらず扱胴9を高速駆動させることに
よって、脱穀処理の際に穀粒に与える扱胴9の打撃力が
不必要に強くなって穀粒が損傷する、及び、含有水分が
所定値を越える損傷し易い穀粒であるにもかかわらず一
番物回収コンベヤ15、二番物回収コンベヤ16、揚送
コンベヤ17、二番還元装置18、及び穀粒排出搬送装
置5を高速駆動させることによって、穀粒搬送の際に穀
粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力が不必要に
強くなって穀粒が損傷する、といった不都合が生じるこ
とを防止できるようになっている。
【0058】又、運転状態報知装置Bには、水分計31
により検出された穀粒の含有水分を表示する品質結果を
示す品質報知装置35が備えられ、操縦者は採用するべ
きコンバイン運転状態に加えて穀粒の含有水分をも認識
できることから、運転状態報知装置Bにて示されたコン
バイン運転状態を単に現出させる以外に、そのコンバイ
ン運転状態を参考にして、収穫する穀粒の品種や産地の
特徴などを活かしならがらの穀粒の含有水分に応じた独
自のコンバイン運転状態を現出させることも容易に行え
るようになっている。又、収穫の段階から穀粒の含有水
分を認識できることによって、収穫作業後の穀粒乾燥処
理の際における穀粒の含有水分に応じた分別を容易にす
ることができるとともに、効率的あるいは計画的な乾燥
処理が行い易くなることから、収穫作業後の作業効率の
向上を図ることができるとともに、乾燥処理におけるエ
ネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や
食味の低下などを防止することができるようになってい
る。
【0059】図1及び図4に示すように、走行機体1に
は、穀粒タンク4に貯留された脱穀粒の重量を検出する
ロードセルからなる重量計34が配備されている。運転
状態報知装置Bには、重量計34による検出結果を示す
表示装置36が備えられている。つまり、表示装置36
にて穀粒タンク4に貯留された脱穀粒の重量が示される
ことから、穀粒の含有水分に加えて収穫量を認識できる
ことから、効率的あるいは計画的な乾燥処理がより一層
行い易くなり、乾燥処理におけるエネルギーの損失ある
いは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などをよ
り効果的に防止することができるようになっている。
【0060】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。 (1)検出装置Aとしては、穀粒品質として穀粒の食味
を計測する食味計や、穀粒品質として穀粒における外観
品位を計測する品位計、などであってもよく、又、穀粒
の含有水分、食味、外観品位のうちのいずれか二つ以上
を計測するものであってもよく、更に、非破壊型のもの
であってもよい。 (2)検出装置Aの配設箇所としては、刈取部2、脱穀
装置3、あるいは穀粒排出搬送装置5、などであっても
よい。 (3)運転状態報知装置Bとしては、採用するべきコン
バイン運転状態(例えば扱胴9の駆動速度など)を具体
的に数値表示あるいはグラフィック表示するものであっ
てもよい。このように数値表示する場合に、例えば、図
5に示すように、現在の実数値(回転数)を表示すると
共に、採用するべき目標回転数を別途表示するようにし
てもよく、これらの表示を複数の作動部毎に各別に備え
る構成としてもよい。又、コンバイン運転状態として、
例えば、エンジン22に対する燃料供給量を変更調整す
ることによって出力を調整するアクセル装置37に対し
て、人為的に変更調整を指令するエンジン回転数調節手
段として、図6に示すような回転操作式のアクセル操作
具38の操作領域に沿って、例えば複数のLEDランプ
40を並列配備させた状態で、採用するべき運転状態と
しての操作目標位置に対応するLEDランプ40を点灯
させて、人為操作する場合、その目標位置に向けて操作
させるように、運転状態報知装置Bを構成するものでも
よい。尚、この場合エンジン回転数に限らず、扱胴や搬
送装置の変速装置に対する調整手段に対して操作目標を
表示するような構成としてもよい。更に又、図7に示す
ように、前記エンジン回転数調節手段としての揺動操作
式のアクセル操作具39の近傍位置に、前記検出装置の
検出結果に基づいて人為操作するべき操作方向を表示す
る運転状態報知装置Bを備える構成としてもよい。つま
り、アクセル増速方向へ操作すべきことを表示する増速
指令ランプ41aと、アクセル減速方向へ操作すべきこ
とを表示する減速指令ランプ41bとを備えて、採用す
るべき運転状態としての操作目標位置に達するとそのラ
ンプが消灯するようにしてもよい。このような構成はエ
ンジン回転数調節に限らず、扱胴や穀粒搬送装置の変速
操作構成に適用してもよい。又、コンバイン運転状態を
音声出力するものであってもよく、更には、文字表示、
グラフィック表示、音声出力などのうちのいずれか二つ
以上を行うものであってもよい。 (4)運転状態報知装置Bにより示されるコンバイン運
転状態としては、扱胴9の駆動速度状態のみ、穀粒搬送
装置の駆動速度状態のみ、あるいは穀粒搬送装置である
穀粒排出搬送装置5、一番物回収コンベヤ15、二番物
回収コンベヤ16、揚送コンベヤ17、及び二番還元装
置18、のうちのいずれか一つの駆動速度状態であって
もよい。又、それ以外に、エンジン22の回転数、チャ
フシーブ11Aの開度状態、揺動選別ケース11の駆動
速度状態(揺動選別ケース11の揺動駆動速度が変速可
能に構成されている場合)、送塵弁の開度状態(扱室8
に開度調節可能な送塵弁が備えられている場合)、唐箕
12の駆動速度状態(唐箕12が変速可能に構成されて
いる場合)、あるいはフィードチェーン7の駆動速度状
態(フィードチェーン7が変速可能に構成されている場
合)、などをコンバイン運転状態として運転状態報知装
置Bにより示すように構成してもよい。 (5)脱穀クラッチ27と脱穀装置伝動系28との間に
変速装置を介装し、この変速装置の変速操作によって扱
胴9、一番物回収コンベヤ15、二番物回収コンベヤ1
6、揚送コンベヤ17、及び二番還元装置18、の各駆
動速度調節を一挙に行えるように構成してもよい。 (6)上記実施形態では、採用するべきコンバイン運転
状態を運転状態報知装置によって示すようにして、操縦
者が人為操作に基づいてそのコンバイン運転状態にさせ
るようにしたが、このように採用するべきコンバイン運
転状態を運転状態報知装置によって示す構成に加えて、
コンバイン運転状態(例えば、扱胴や穀粒搬送装置、そ
の他の装置の駆動速度)が採用するべき運転状態になる
ように自動的に調整制御する自動制御構成を併用する構
成としてもよい。更に又、このような自動制御構成を併
用する構成であって、自動制御状態と手動による変更調
整とに切り換え自在な構成を採用した場合において、自
動制御状態から手動調整状態に切り換えられた状態で、
例えば図5に示すように、採用するべき運転状態とし
て、人為操作する場合の操作目標位置に対応する箇所を
表示する構成として、自動制御状態ではそのような表示
を行わないように切り換える構成としてもよい。 (7)上記実施形態では、検出装置による検出結果を示
す品質報知装置35や穀粒タンクに貯留された脱穀粒の
重量を示す表示装置36等を備える場合を例示したが、
このような品質報知装置35あるいは表示装置36のい
ずれか一方を備えない構成であってもよく、あるいは、
それらを共に備えない構成等であってもよい。 (8)コンバインとしては全稈投入型のものであっても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】脱穀装置の縦断側面図
【図3】伝動構成を示す図
【図4】報知装置の制御構成を示すブロック図
【図5】別実施形態の運転状態報知装置を示す図
【図6】別実施形態の運転状態報知装置を示す図
【図7】別実施形態の運転状態報知装置を示す図
【符号の説明】
A 検出装置 B 運転状態報知装置 3 脱穀装置 4 穀粒タンク 9 扱胴 18 二番還元装置 22 エンジン 31 水分計 35 品質報知装置 36 表示装置 38,39 エンジン回転数調節手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山形 浩司 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 穀粒品質を検出する検出装置と、この検
    出装置による検出結果に基づいて採用するべきコンバイ
    ン運転状態を示す運転状態報知装置とを備えてあるコン
    バイン。
  2. 【請求項2】 前記検出装置が穀粒の含有水分を計測す
    る水分計である請求項1記載のコンバイン。
  3. 【請求項3】 前記検出装置が穀粒の食味を計測する食
    味計である請求項1記載のコンバイン。
  4. 【請求項4】 前記検出装置が穀粒の外観品位を計測す
    る品位計である請求項1記載のコンバイン。
  5. 【請求項5】 前記検出装置が穀粒の含有水分、食味、
    外観品位のうちいずれか二つ以上を計測するものである
    請求項1記載のコンバイン。
  6. 【請求項6】 前記運転状態報知装置は、前記コンバイ
    ン運転状態として、扱胴の駆動速度状態を示すように構
    成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバ
    イン。
  7. 【請求項7】 前記運転状態報知装置は、前記コンバイ
    ン運転状態として、穀粒を回転スクリューによって搬送
    する穀粒搬送装置の駆動速度状態を示すように構成して
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
  8. 【請求項8】 前記穀粒搬送装置が脱穀装置の二番還元
    装置である請求項7記載のコンバイン。
  9. 【請求項9】 前記運転状態報知装置は、前記コンバイ
    ン運転状態として、エンジンの駆動速度状態を示すよう
    に構成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコ
    ンバイン。
  10. 【請求項10】前記運転状態報知装置は、前記駆動速度
    状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて採用す
    るべき適正な回転数を表示するように構成してある請求
    項6〜9のいずれか1項に記載のコンバイン。
  11. 【請求項11】前記運転状態報知装置は、前記駆動速度
    状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて人為操
    作するべき操作方向を表示するように構成してある請求
    項6〜9のいずれか1項に記載のコンバイン。
  12. 【請求項12】前記運転状態報知装置は、前記コンバイ
    ン運転状態として、エンジンの回転数を人為的に変更調
    節するエンジン回転数調節手段の操作目標位置を示すよ
    うに構成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    コンバイン。
  13. 【請求項13】穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量を
    示す表示装置を備えている請求項1〜12のいずれか1
    項に記載のコンバイン。
  14. 【請求項14】前記検出装置による検出結果を示す品質
    報知装置を備えている請求項1〜13のいずれか1項に
    記載のコンバイン。
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