JPH11324348A - 破壊工法 - Google Patents

破壊工法

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JPH11324348A
JPH11324348A JP13007998A JP13007998A JPH11324348A JP H11324348 A JPH11324348 A JP H11324348A JP 13007998 A JP13007998 A JP 13007998A JP 13007998 A JP13007998 A JP 13007998A JP H11324348 A JPH11324348 A JP H11324348A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業が簡易かつ安全で、破壊力および破壊速
度(破壊時間)の制御が容易であり、しかも部分的な破
壊にも適した鉄筋コンクリート構造物以外にも適用可能
な破壊工法を提供すること。 【解決手段】 破壊対象物に複数の孔を穿設し、陽極酸
化性金属体および/またはアルカリ腐食を生じる金属体
を挿入し、これらの金属体を二つの群に分け、一方の群
の金属体を直流電源装置の正極に接続するとともに、他
方の群の金属体を前記直流電源装置の負極に接続し、直
流電流を通じて少なくとも正極に接続した方の金属体を
腐食・膨張させることによって破壊対象物を破壊するこ
とを特徴とする破壊工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物、基礎、道
路、橋等のコンクリート構造物などの破壊対象物を破壊
する工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、鉄筋コンクリート構造物など
のコンクリート構造物を破壊する場合にはブレーカやス
チールボール等を用いて外部から機械的衝撃を与える方
法が一般に用いられているが、騒音、振動や粉塵が発生
して周辺住民に多大な迷惑をかけることがあった。そこ
で、このような機械的衝撃によらない鉄筋コンクリート
構造物などのコンクリート構造物を破壊する方法とし
て、例えば特開昭59−120257号公報や特開昭6
0−55169号公報には水和膨張性破砕剤をコンクリ
ート破砕部に穿設した孔に充填する方法が開示されてい
る。これらは、CaOを主成分とする水和膨張性破砕剤
に水を加えて体積膨張を起こさせ、その膨張圧でコンク
リートを破砕しようとするものであるが、CaOと水と
の化学反応により孔内温度が急激に上昇するために孔の
内部気圧が高くなって破砕剤が孔から噴出することがあ
る。しかもこの化学反応速度を制御することは困難であ
るため、予想外の破砕剤の噴出により作業員が被災する
という危険があった。
【0003】一方、機械的衝撃によらない他の鉄筋コン
クリート構造物の破壊方法として、例えば特開昭52−
101835号公報や特開昭52−107132号公報
には鉄筋コンクリート中の鉄筋を直流電源のプラス端子
に接続するとともに、前記コンクリート中に埋設した
鉄、ニッケル、銅またはそれらの合金からなる陰極電極
を前記直流電源のマイナス端子に接続して直流電流を通
電し、鉄筋を酸化し膨張せしめて鉄筋コンクリートを破
砕する方法、および、NaClやCaCl2 を酸化促進
剤としてコンクリートに含浸させた後に鉄筋・陰極電極
間に直流電流を通電して鉄筋を酸化し膨張せしめて鉄筋
コンクリートを破砕する方法が開示されている。また、
特開平9−256649号公報にはコンクリート表面に
酸化促進剤を混入した陰極平板を被蔽し、鉄筋に直流電
流を通じて鉄筋を酸化し膨張せしめて鉄筋コンクリート
構造物を解体する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら鉄筋を酸化し膨
張せしめるコンクリート破壊方法は鉄筋の腐食量が通電
電流に比例して増えるために、コンクリート破壊速度を
制御することができるという優れた点を有するが、酸化
促進剤をコンクリートに含浸させる作業は煩雑で日数も
かかり、部分的に解体しようとする場合でも解体しない
部分にまで酸化促進剤が浸透して鉄筋を腐食させてしま
うという欠点がある。また、酸化促進剤を混入した陰極
平板でコンクリート表面を被蔽する方法においても、該
陰極平板の全面をコンクリート表面に付着させなければ
ならないために多数のコンクリートアンカーボルト等で
固定しなければならず、また、鉄筋を腐食させた後は先
ずこの陰極平板を取り外さなければコンクリートの破砕
ができないなど作業が煩雑となる欠点がある。更に、こ
れら従来の直流電流を通電して鉄筋を腐食膨張せしめて
鉄筋コンクリートを破砕する方法では、鉄筋の膨張によ
るコンクリートの持ち上げ力のみに頼らざるを得ないた
めに、埋め込み鉄筋の間隔が広かったり、コンクリート
のかぶりが厚かったりすると、十分な破砕力が得られず
にコンクリート構造物の破壊に長時間を要するという欠
点があった。また、これらの方法は鉄筋を酸化・膨張さ
せるものであるため、鉄筋コンクリート構造物以外には
適用できないという問題点もあった。
【0005】本発明はこのような従来技術における問題
点を解決し、作業が簡易かつ安全で、破壊力および破壊
速度(破壊時間)の制御が容易であり、しかも部分的な
破壊にも適し、さらに鉄筋コンクリート構造物以外のコ
ンクリート構造物や岩石等の破壊にも適用できる破壊工
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、次のような知見を得て
本発明を完成するに至った。コンクリート中に陽極酸化
性金属体を複数箇所に埋設し、これらの陽極酸化性金属
体を二つの群に分け、その一方を直流電源装置の正極に
接続し、他方を前記直流電源装置の負極に接続して直流
電流を通じると、正極に接続された金属体は陽極となっ
て酸化、腐食し膨張するので、コンクリートに強い膨張
圧がかかり、埋め込み鉄筋の間隔が広かったりコンクリ
ートのかぶりが厚い鉄筋コンクリートのみならず、内部
に鉄筋を含まないコンクリートも容易に破壊することが
できる。この場合、負極に接続する陽極酸化性金属体の
代わりに他の導電体を使用してもよい。また、コンクリ
ート中にアルカリ腐食を生じる金属体を複数箇所に埋設
し、これらのアルカリ腐食を生じる金属体を二つの群に
分け、一方の金属体を直流電源装置の正極に接続し、他
方を前記直流電源装置の負極に接続して直流電流を通じ
るか、またはコンクリート中に陽極酸化性金属体および
アルカリ腐食を生じる金属体を複数箇所に埋設し、陽極
酸化性金属体を直流電源装置の正極に接続し、アルカリ
腐食を生じる金属体を直流電源装置の負極に接続して直
流電流を通じると、直流電源装置の正極に接続された金
属体は陽極となって酸化、腐食し膨張するとともに、負
極に接続されたアルカリ腐食を生じる金属体は陰極とな
ってアルカリ腐食を起こして膨張する。従って、コンク
リート中に埋設された金属体の全てが膨張することにな
るため、前記の正極に接続した陽極酸化性金属体の膨張
圧のみを利用する場合よりも強い膨張圧がコンクリート
にかかることになり、埋め込み鉄筋の間隔が広かった
り、コンクリートのかぶりが厚い鉄筋コンクリートや、
内部に鉄筋を含まないコンクリートを更に容易に破砕す
ることができる。
【0007】なお、コンクリートに穿設した孔中に前記
金属体を単に挿入、埋設したのみではコンクリートと金
属体との電気的接触抵抗が高く、前記金属体が十分に腐
食・膨張しないおそれがあるが、このような場合にはコ
ンクリートと金属体との間に芒硝、塩化ナトリウム若し
くは粘土のうちのいずれか1種以上と水との混合体、ま
たはモルタルなどのバックフィルを介在させて電気的接
触を向上させるのが好ましい。また、バックフィルは前
記金属体の腐食・膨張による圧力を効果的にコンクリー
トに伝達する効果もあるが、前記金属体の腐食生成物や
バックフィルがコンクリートの外にはみ出ると腐食・膨
張による圧力が十分にコンクリートにかからないおそれ
があり、このような場合には前記腐食生成物等がコンク
リートからはみ出るおそれがある部分を封止材を用いて
封止するのが好ましい。
【0008】本発明は次の(1)〜(7)の構成を有す
るものである。 (1)破壊対象物に複数の孔を穿設して陽極酸化性金属
体を挿入し、該陽極酸化性金属体を二つの群に分け、一
方の群の金属体を直流電源装置の正極に接続するととも
に、他方の群の金属体を前記直流電源装置の負極に接続
し、直流電流を通じて前記直流電源装置の正極に接続し
た金属体を腐食・膨張させることによって破壊対象物を
破壊することを特徴とする破壊工法。 (2)破壊対象物に複数の孔を穿設してアルカリ腐食を
生じる金属体を挿入し、該アルカリ腐食を生じる金属体
を二つの群に分け、一方の群の金属体を直流電源装置の
正極に接続するとともに、他方の群の金属体を前記直流
電源装置の負極に接続し、直流電流を通じて双方の金属
体を腐食・膨張させることによって破壊対象物を破壊す
ることを特徴とする破壊工法。 (3)破壊対象物に複数の孔を穿設し、該孔を二つの群
に分け、一方の群の孔には陽極酸化性金属体を、他方の
群の孔にはアルカリ腐食を生じる金属体を挿入し、前記
陽極酸化性金属体を直流電源装置の正極に接続するとと
もに、前記アルカリ腐食を生じる金属体を前記直流電源
装置の負極に接続し、直流電流を通じて双方の金属体を
腐食・膨張させることによって破壊対象物を破壊するこ
とを特徴とする破壊工法。
【0009】(4)前記破壊対象物に穿設した孔に、前
記陽極酸化性金属体および/またはアルカリ腐食を生じ
る金属体をバックフィルを介在させて挿入することを特
徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つの破壊工
法。 (5)前記破壊対象物に穿設した孔に、前記陽極酸化性
金属体および/またはアルカリ腐食を生じる金属体を挿
入した後、あるいは前記陽極酸化性金属体および/また
はアルカリ腐食を生じる金属体をバックフィルを介在さ
せて挿入した後、前記孔の入口を封止材で封止すること
を特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1つの破壊
工法。 (6)前記陽極酸化性金属体が、鉄、亜鉛、マグネシウ
ムおよびアルミニウム、ならびにこれらの金属の1種以
上を基体とする合金からなる群から選択されるいずれか
1種以上であることを特徴とする前記(1)または
(3)〜(5)のいずれか1つの破壊工法。 (7)前記アルカリ腐食を生じる金属体が、亜鉛、マグ
ネシウムおよびアルミニウムの金属、ならびにこれらの
金属の1種以上を基体とする合金からなる群から選択さ
れるいずれか1種以上であることを特徴とする前記
(2)〜(5)のいずれか1つの破壊工法。
【0010】本発明で使用する陽極酸化性金属体は電気
分解の際に陽極で酸化反応を起こす金属体であり、陽極
溶解によって生じた腐食生成物が膨張する特性を有する
ものであれば問題なく使用でき、その具体例としては
鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムまたはこれらの
金属の1種以上を基体とする合金類を挙げることができ
る。また、本発明で使用するアルカリ腐食を生じる金属
体はアルカリ域において腐食を生じる金属体であり、そ
の例としては、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カ
ドミウム、インジウム、スズ、ガリウム、ジルコニウ
ム、ベリリウム等またはこれらの金属の1種以上を基体
とする合金類を挙げることができるが、コンクリート中
で陰極として作用した場合の腐食性、電気電導度、人体
に対する安全性および経済性等を総合すると、亜鉛、マ
グネシウム若しくはアルミニウムまたは亜鉛、マグネシ
ウム若しくはアルミニウムを基体とした合金が本発明に
使用するアルカリ腐食を生じる金属体として特に好まし
い。なお、アルカリ腐食を生じる金属体は一般に陽極酸
化性金属体であり、直流電源装置の正極に接続する金属
体としても使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は本発明の工法を鉄筋コンクリ
ート構造物の破壊に適用した状態の1例を示す概略断面
図であり、図2は陽極酸化性金属体またはアルカリ腐食
を生じる金属体が腐食・膨張した後のコンクリート構造
物の表面を示す図である。図1において1は鉄筋であり
2はコンクリートである。この鉄筋コンクリート構造物
に本発明を適用する際は、コンクリート2にコンクリー
トドリル等を用いて適宜穿孔した後、この孔4にバック
フィル11を充填した状態で鉄、亜鉛、マグネシウム若
しくはアルミニウムまたはこれらの合金などからなる陽
極酸化性金属体5a、5bを挿入、設置してリード線3
a、3bを接続し、更に孔4の入口をモルタルまたは金
属キャップなどの封止材12で封止する。金属体5aを
直流電源装置6の正極に、金属体5bを負極に接続して
直流電流を流すと、金属体5aは陽極となって酸化、腐
食されて表面に腐食生成物を蓄積するために、図2に示
すようにコンクリート2にはこれらの膨張圧で亀裂7が
生じ破壊される。なお、この場合において負極に接続す
る金属体5bは必ずしも陽極酸化性金属体である必要は
なく、腐食を生じない金属体やグラファイトなど、任意
の導電体を使用することができる。
【0012】また、前記孔4にバックフィル11を充填
した状態で亜鉛、マグネシウム若しくはアルミニウムま
たはこれらの合金などからなるアルカリ腐食を生じる金
属体5a、5bを挿入、設置してリード線3a、3bを
接続し、孔4の入口をモルタルまたは金属キャップなど
の封止材12で封止して金属体5aを直流電源装置6の
正極に、金属体5bを負極に接続して直流電流を流せ
ば、金属体5aは陽極となって酸化、腐食され、また、
金属体5bは陰極となって、例えばAlO2 - やHZn
2 2-イオンをつくり、アルカリ環境中で腐食される。
この酸化、腐食された金属体5aおよびアルカリ腐食さ
れた金属体5bは共に表面に腐食生成物を蓄積するため
に、図2に示すようにコンクリート2にはこれらの膨張
圧で亀裂7が生じ破壊される。
【0013】なお、金属体5aに例えば鉄鋼のようなア
ルカリ腐食性を示さない陽極酸化性金属を用いて直流電
源装置6の正極に接続し、アルカリ腐食を生じる金属体
5bを負極に接続して直流電流を流しても同様の結果が
得られる。金属体5a、5bを挿入する孔4の数、穿孔
位置、孔径および孔の深さ等は、破壊対象とする鉄筋コ
ンクリート構造物の構成、破壊個所の大きさ、形状等に
より適宜設定すればよい。なお、金属体5a、5bの数
は必ずしも同数である必要はなく、適宜一方を多くした
構成とすることもできる。また、これらの実施態様にお
いてはいずれもバックフィルおよび封止材を使用する例
を示したが、破壊条件によってはこれらを使用しない
か、またはどちらか一方をのみを適用することも可能で
ある。
【0014】
【実施例】次に従来例および本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図3及び図4に示すように直径13m
mの異径棒鋼の鉄筋1を20cm間隔で3本づつ格子状
に組み、コンクリートかぶり深さを5cmとした縦横
1.0m、厚さ20cmの鉄筋コンクリート供試体8を
4台製作し、鉄筋格子の間に1か所づつコンクリート表
面から垂直に直径32mm、深さ120mmの孔4を穿
設した後、孔4に芒硝、塩化ナトリウム、粘土および水
を混合したバックフィル11を充填してこれらの供試体
8を垂直に起こした。
【0015】(従来法による比較例)前記4台のうちの
1つの供試体8については、図3に示すように鉄筋1の
露出部分にリード線3aを接続し直流電源装置6の正極
に接続して鉄筋1を陽極9とし、孔4にはリード線3b
を接続した直径25.4mm、長さ10cmの鋼棒を挿
入した後、孔4の入口をモルタルで封止し、リード線3
bを直流電源装置6の負極に接続して鋼棒を陰極10と
した。この状態で直流電源装置6からの出力電流を2A
に調整して通電した結果、通電開始約2時間35分後に
鉄筋格子直上に亀裂が現れ始め、亀裂が鉄筋格子直上全
体に広がったのは通電開始約3時間40分経過後であっ
た。供試体8のコンクリートかぶり部分をハンマーで軽
く叩いたところ、亀裂周辺部のコンクリートかぶり部分
は浮いていたが、その他のコンクリートかぶり部分は完
全には浮いておらず、かなりの力を入れてハンマーで叩
いても剥がれ落ちなかった。
【0016】(実施例1)残りの供試体8のうちの1つ
については、4個の孔4に図4に示すようにリード線3
a、3bを接続した直径25.4mm、長さ10cmの
アルミニウム合金棒(亜鉛:5重量%、インジウム:
0.02重量%、残部:アルミニウム)を挿入した後、
孔4の入口をモルタルで封止し、対角にある2つのアル
ミニウム合金棒のリード線3aをそれぞれ直流電源6の
正極に接続して陽極9とし、残りの2つのアルミニウム
合金棒のリード線3bをそれぞれ直流電源6の負極に接
続して陰極10とした。比較例と同様に該直流電源装置
6からの出力電流を2Aに調整して通電した結果、約2
時間経過後には全ての孔4から最長約10cmの亀裂が
放射状に伸び、約2時間45分経過後にはそれぞれの孔
4から伸びた亀裂と所々で繋がったので通電を止めた。
供試体8のコンクリートかぶり部分をハンマーで軽く叩
いたところ、コンクリートかぶり部分全体が完全に浮い
ており、亀裂に沿った小さな破片となって剥がれ落ち
た。
【0017】(実施例2)残りの供試体8の1つについ
ては、4個の孔4のうちの対角にある2個に図4に示す
ようにリード線3aを接続した直径25.4mm、長さ
10cmの鋼棒を挿入して直流電源装置6の正極に接続
して陽極9とし、残りの2個の孔4にリード線3bを接
続した直径25.4mm、長さ10cmのアルミニウム
合金棒(亜鉛:5重量%、インジウム:0.02重量
%、残部:アルミニウム)を挿入して直流電源装置6の
負極に接続して陰極10とした。なお、鋼棒およびアル
ミニウム合金棒を挿入した後、孔4の入口をモルタルで
封止した。比較例および実施例1と同様に該直流電源装
置6からの出力電流を2Aに調整して通電した結果、約
1時間50分経過後には全ての孔4から最長約10cm
の亀裂が放射状に伸び、約2時間30分経過後にはそれ
ぞれの孔4から伸びた亀裂が隣の孔4から伸びたき裂と
所々で繋がったので通電を止めた。供試体8のコンクリ
ートかぶり部分をハンマーで軽く叩いたところ、コンク
リートかぶり部分全体が完全に浮いており、亀裂に沿っ
た小さな破片となって剥がれ落ちた。
【0018】(実施例3)残りの1つの供試体8につい
ては、4個の孔4のうちの3個に図5に示すようにリー
ド線3aを接続した直径25.4mm、長さ10cmの
鋼棒を挿入して直流電源装置6の正極に接続して陽極9
とし、残りの1個の孔4にリード線3bを接続した陽極
9と同様の鋼棒を挿入して直流電源装置6の負極に接続
して陰極10とした。なお、鋼棒を挿入した後、孔4の
入口をモルタルで封止した。比較例および実施例1と同
様に該直流電源装置6からの出力電流を2Aに調整して
通電した結果、約2時間20分経過後には陽極9となる
鋼棒を挿入した孔4から最長約10cmの亀裂が放射状
に伸び、約2時間45分経過後にはそれぞれの陽極9と
なる鋼棒を挿入した孔4から伸びた亀裂が隣の陽極9と
なる鋼棒を挿入した孔4から伸びたき裂と所々で繋がっ
たので通電を止めた。供試体8のコンクリートかぶり部
分をハンマーで軽く叩いたところ、陰極10の周囲部分
を除いたコンクリートかぶり部分が完全に浮いており、
亀裂に沿った小さな破片となって剥がれ落ちた。
【0019】
【発明の効果】以上に説明したように本発明の工法
(1)は、コンクリート構造物等の破壊対象物に複数の
孔を穿設して陽極酸化性金属体を挿入し、これらの陽極
酸化性金属体を二つの群に分け、一方の陽極酸化性金属
体を直流電源装置の正極に接続するとともに、他方の陽
極酸化性金属体を前記直流電源装置の負極に接続して電
圧を印加するように構成されており、コンクリート等の
破壊速度を通電量で制御できる他、陽極となる陽極酸化
性金属体が腐食し膨張するためコンクリートの表面に無
数の亀裂を発生させることができるので、コンクリート
中の鉄筋の有無に関わらず簡易かつ安全にコンクリート
構造物等を破壊することができる。また、本発明の工法
(2)および(3)はコンクリート構造物等の破壊対象
物に複数の孔を穿設してアルカリ腐食を生じる金属体を
挿入し、これらのアルカリ腐食を生じる金属体を2つの
群に分け、一方のアルカリ腐食を生じる金属体を直流電
源装置の正極に接続するとともに、他方のアルカリ腐食
を生じる金属体を前記直流電源装置の負極に接続して電
圧を印加するように構成するか、あるいは、前記2つの
群のうち一方の群の孔には陽極酸化性金属体を、他方の
群の孔にはアルカリ腐食を生じる金属体を挿入し、前記
陽極酸化性金属体を直流電源装置の正極に接続するとと
もに、前記アルカリ腐食を生じる金属体を前記直流電源
装置の負極に接続して電圧を印加するように構成されて
おり、コンクリート等の破壊速度を通電量で制御できる
他、アルカリ腐食を生じる金属体や陽極酸化性金属体の
双方が腐食し膨張するため、より速くコンクリートの表
面に無数の亀裂を発生させることができるので、コンク
リート中の鉄筋の有無に関わらず、一層簡易かつ安全に
コンクリート構造物等を破壊することができるという優
れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を鉄筋コンクリート構造物に適用した状
態の1例を示す概略断面図である。
【図2】アルカリ腐食を生じる金属体を腐食・膨張させ
た後のコンクリート構造物の表面を示す図である。
【図3】従来例を表した俯瞰図である。
【図4】本発明の1実施例を表した俯瞰図である。
【図5】本発明の他の実施例を表した俯瞰図である。
【符号の説明】
1 鉄筋 2 コンクリート 3a,3b リ
ード線 4 孔 5a,5b 金属体 6 直流電源装置 7
亀裂 8 コンクリート供試体 9 陽極 10 陰
極 11 バックフィル 12 封止材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破壊対象物に複数の孔を穿設して陽極酸
    化性金属体を挿入し、該陽極酸化性金属体を二つの群に
    分け、一方の群の金属体を直流電源装置の正極に接続す
    るとともに、他方の群の金属体を前記直流電源装置の負
    極に接続し、直流電流を通じて前記直流電源装置の正極
    に接続した金属体を腐食・膨張させることによって破壊
    対象物を破壊することを特徴とする破壊工法。
  2. 【請求項2】 破壊対象物に複数の孔を穿設してアルカ
    リ腐食を生じる金属体を挿入し、該アルカリ腐食を生じ
    る金属体を二つの群に分け、一方の群の金属体を直流電
    源装置の正極に接続するとともに、他方の群の金属体を
    前記直流電源装置の負極に接続し、直流電流を通じて双
    方の金属体を腐食・膨張させることによって破壊対象物
    を破壊することを特徴とする破壊工法。
  3. 【請求項3】 破壊対象物に複数の孔を穿設し、該孔を
    二つの群に分け、一方の群の孔には陽極酸化性金属体
    を、他方の群の孔にはアルカリ腐食を生じる金属体を挿
    入し、前記陽極酸化性金属体を直流電源装置の正極に接
    続するとともに、前記アルカリ腐食を生じる金属体を前
    記直流電源装置の負極に接続し、直流電流を通じて双方
    の金属体を腐食・膨張させることによって破壊対象物を
    破壊することを特徴とする破壊工法。
  4. 【請求項4】 前記破壊対象物に穿設した孔に、前記陽
    極酸化性金属体および/またはアルカリ腐食を生じる金
    属体をバックフィルを介在させて挿入することを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の破壊工法。
  5. 【請求項5】 前記破壊対象物に穿設した孔に、前記陽
    極酸化性金属体および/またはアルカリ腐食を生じる金
    属体を挿入した後、あるいは前記陽極酸化性金属体およ
    び/またはアルカリ腐食を生じる金属体をバックフィル
    を介在させて挿入した後、前記孔の入口を封止材で封止
    することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
    載の破壊工法。
  6. 【請求項6】 前記陽極酸化性金属体が、鉄、亜鉛、マ
    グネシウムおよびアルミニウム、ならびにこれらの金属
    の1種以上を基体とする合金からなる群から選択される
    いずれか1種以上であることを特徴とする請求項1また
    は3〜5のいずれか1項に記載の破壊工法。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ腐食を生じる金属体が、亜
    鉛、マグネシウムおよびアルミニウムの金属、ならびに
    これらの金属の1種以上を基体とする合金からなる群か
    ら選択されるいずれか1種以上であることを特徴とする
    請求項2〜5のいずれか1項に記載の破壊工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001040551A1 (en) * 1999-12-01 2001-06-07 Qinetiq Limited Method of electrochemical in situ disposal of metal structures
CN100370107C (zh) * 2006-10-19 2008-02-20 上海交通大学 钢筋混凝土结构建筑物的通电拆除法
JP2014167202A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Kajima Corp 解体方法

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