JPH11323653A - ノズル及びその製造方法 - Google Patents
ノズル及びその製造方法Info
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- JPH11323653A JPH11323653A JP10145112A JP14511298A JPH11323653A JP H11323653 A JPH11323653 A JP H11323653A JP 10145112 A JP10145112 A JP 10145112A JP 14511298 A JP14511298 A JP 14511298A JP H11323653 A JPH11323653 A JP H11323653A
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- resin
- wire
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- resin wire
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 極めて微細且つ任意の断面形状のノズル孔を
有するノズルチップを容易に形成することができるノズ
ルの製造方法を提供すること。 【解決手段】 所望のノズル孔8aの形状に対応した断
面形状を有する樹脂線3を形成し、該樹脂線3を電解液
6に浸漬して、該樹脂線3の周囲にメッキ処理を施し
て、該樹脂線3の周囲にメッキされた金属によりノズル
基体7を形成し、該ノズル基体7をスライスしてノズル
チップ8を形成するするとともに、該ノズル基体7から
該樹脂線3を焼却あるいは押し出して除去する。
有するノズルチップを容易に形成することができるノズ
ルの製造方法を提供すること。 【解決手段】 所望のノズル孔8aの形状に対応した断
面形状を有する樹脂線3を形成し、該樹脂線3を電解液
6に浸漬して、該樹脂線3の周囲にメッキ処理を施し
て、該樹脂線3の周囲にメッキされた金属によりノズル
基体7を形成し、該ノズル基体7をスライスしてノズル
チップ8を形成するするとともに、該ノズル基体7から
該樹脂線3を焼却あるいは押し出して除去する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルの製造方法
に関し、詳しくは、ビスコース等の高濃度の粘稠性の高
い原材料を圧出して化学繊維を製造するための紡糸用ノ
ズルなどのノズルの製造方法に関するものである。
に関し、詳しくは、ビスコース等の高濃度の粘稠性の高
い原材料を圧出して化学繊維を製造するための紡糸用ノ
ズルなどのノズルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のノズル、例えば、ビスコ
ース等の高濃度の粘稠性の高い原材料を圧出して化学繊
維を製造するための紡糸用ノズルは、そのノズル孔の断
面形状がほとんど円形状であるため、該紡糸用ノズルの
ノズル孔から圧出されて得られる繊維は、その断面形状
が円形の単調なものが多い。このため、従来の紡糸用ノ
ズルにより得られる繊維は、天然繊維のような膨潤性と
弾力性を保持し得ない糸体となり、通気性、吸水性、及
び、軽量性などに限界があるものであった。こうしたこ
とから、従来より、該紡糸用ノズルのノズル孔の断面形
状を円形とは異なった複雑な断面形状に形成して、天然
繊維のような風合いを持った繊維や、全く新しい性質を
備えた繊維等を創出する試みが種々なされている。
ース等の高濃度の粘稠性の高い原材料を圧出して化学繊
維を製造するための紡糸用ノズルは、そのノズル孔の断
面形状がほとんど円形状であるため、該紡糸用ノズルの
ノズル孔から圧出されて得られる繊維は、その断面形状
が円形の単調なものが多い。このため、従来の紡糸用ノ
ズルにより得られる繊維は、天然繊維のような膨潤性と
弾力性を保持し得ない糸体となり、通気性、吸水性、及
び、軽量性などに限界があるものであった。こうしたこ
とから、従来より、該紡糸用ノズルのノズル孔の断面形
状を円形とは異なった複雑な断面形状に形成して、天然
繊維のような風合いを持った繊維や、全く新しい性質を
備えた繊維等を創出する試みが種々なされている。
【0003】なお、このようなノズルの製造方法として
は、例えば、SUS304などの鋼板、あるいは、モリ
ブデンやタンタルなどの板材に、ポンチプレス等により
凹部を形成した後、該凹部に放電加工によりノズル孔を
貫通させて金属ノズルを得る方法や、3本の極細金属線
を撚り合わせて撚線金属線とし、該撚線金属線をロの字
型の張線枠に相互に平行して捲着し、該撚線金属線の相
対向する部、及び、外表面の特殊硬質ガラス板を添接し
て一体化し、組立台に立体的にセットし、炉内にて加圧
状態で加圧処理し、その後、ガラス体を徐冷し、柱状の
ガラス体に成形し、該ガラス体をスライス状に切断して
ノズルチップを形成し、当該撚線金属線を王水により溶
解除去し、ガラスノズルを得る方法(特開平9−671
35号公報)、などが知られている。
は、例えば、SUS304などの鋼板、あるいは、モリ
ブデンやタンタルなどの板材に、ポンチプレス等により
凹部を形成した後、該凹部に放電加工によりノズル孔を
貫通させて金属ノズルを得る方法や、3本の極細金属線
を撚り合わせて撚線金属線とし、該撚線金属線をロの字
型の張線枠に相互に平行して捲着し、該撚線金属線の相
対向する部、及び、外表面の特殊硬質ガラス板を添接し
て一体化し、組立台に立体的にセットし、炉内にて加圧
状態で加圧処理し、その後、ガラス体を徐冷し、柱状の
ガラス体に成形し、該ガラス体をスライス状に切断して
ノズルチップを形成し、当該撚線金属線を王水により溶
解除去し、ガラスノズルを得る方法(特開平9−671
35号公報)、などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のよう
に、金属板に、ポンチプレス等により凹部を形成した
後、該凹部に放電加工によりノズル孔を貫通させて金属
ノズルを得るノズルの製造方法では、放電加工により貫
通されるノズル孔の内径の最小値に限界があるため、例
えば、内径が数ミクロンといった極めて微細なノズル孔
を形成することが難しく、該ノズル孔の断面形状も比較
的簡素な形状に限られるなどの欠点がある。
に、金属板に、ポンチプレス等により凹部を形成した
後、該凹部に放電加工によりノズル孔を貫通させて金属
ノズルを得るノズルの製造方法では、放電加工により貫
通されるノズル孔の内径の最小値に限界があるため、例
えば、内径が数ミクロンといった極めて微細なノズル孔
を形成することが難しく、該ノズル孔の断面形状も比較
的簡素な形状に限られるなどの欠点がある。
【0005】また、この方法では、ポンチプレス等によ
り金属板に凹部を形成する際に、該凹部がポンチの打ち
出し方向に変形し易いため、該凹部に形成されるノズル
孔の貫通方向、すなわち、該ノズル孔から圧出されるビ
スコース等の圧出方向にバラツキが生じ易くなる不具合
がある。
り金属板に凹部を形成する際に、該凹部がポンチの打ち
出し方向に変形し易いため、該凹部に形成されるノズル
孔の貫通方向、すなわち、該ノズル孔から圧出されるビ
スコース等の圧出方向にバラツキが生じ易くなる不具合
がある。
【0006】更に、周知のように、紡糸用ノズルのノズ
ルチップには、数百から数千の微細なノズル孔が穿孔さ
れるため、上記前者の方法により該紡糸用ノズルのノズ
ルチップを製造する場合には、放電加工用電極の製造等
に熟練や多大な時間を要する不具合がある。
ルチップには、数百から数千の微細なノズル孔が穿孔さ
れるため、上記前者の方法により該紡糸用ノズルのノズ
ルチップを製造する場合には、放電加工用電極の製造等
に熟練や多大な時間を要する不具合がある。
【0007】一方、後者のように、極細金属線を撚り合
わせた撚線金属線の外表面の特殊硬質ガラス板を添接し
て柱状のガラス体に成形し、該ガラス体をスライス状に
切断してノズルチップを形成した後、該ノズルチップの
該撚線金属線を王水により溶解除去して、ガラスノズル
を得る方法では、当該公報にも明記されているように、
上記金属線自体が、ダイスにより押し出し成形されたも
のである。このため、この方法では、上記ダイスのノズ
ル径自体をあまり微細に形成できないため、上記金属線
の最小径は、30μm以上にならざるを得ず、前者の方
法と同様、内径が数ミクロンといった極めて微細なノズ
ル孔を形成することが難しい。また、該ノズル孔の断面
形状も、丸形、楕円形、三角形、四角形等の比較的簡素
な断面形状の金属線を複数本撚り合わせて得られた形状
に限られ、任意の断面形状に形成することはできない。
更に、この方法で得られるノズルチップは、ガラス体で
形成されているため、衝撃などの機械的強度が低く、該
ノズルチップをそのままノズルとして使用するために
は、ノズルチップ自体の厚みを厚くするか、補強部材と
しての金属板等を張り合わせるなどの2次加工が必要と
なる。このため、このノズルチップでは、ノズル孔の道
程が長くなり、ビスコース等がノズル孔内に残留し易く
なって、該ノズル孔が目詰まりを起こす虞が高い。ま
た、このようなガラス体からなるノズルチップの場合に
は、紡糸装置などに該ノズルを取り付ける際に、該ノズ
ルチップを支持するための支持枠などを必要とするた
め、そのノズル孔からのビスコース等の圧出方向にバラ
ツキが生じ易い。
わせた撚線金属線の外表面の特殊硬質ガラス板を添接し
て柱状のガラス体に成形し、該ガラス体をスライス状に
切断してノズルチップを形成した後、該ノズルチップの
該撚線金属線を王水により溶解除去して、ガラスノズル
を得る方法では、当該公報にも明記されているように、
上記金属線自体が、ダイスにより押し出し成形されたも
のである。このため、この方法では、上記ダイスのノズ
ル径自体をあまり微細に形成できないため、上記金属線
の最小径は、30μm以上にならざるを得ず、前者の方
法と同様、内径が数ミクロンといった極めて微細なノズ
ル孔を形成することが難しい。また、該ノズル孔の断面
形状も、丸形、楕円形、三角形、四角形等の比較的簡素
な断面形状の金属線を複数本撚り合わせて得られた形状
に限られ、任意の断面形状に形成することはできない。
更に、この方法で得られるノズルチップは、ガラス体で
形成されているため、衝撃などの機械的強度が低く、該
ノズルチップをそのままノズルとして使用するために
は、ノズルチップ自体の厚みを厚くするか、補強部材と
しての金属板等を張り合わせるなどの2次加工が必要と
なる。このため、このノズルチップでは、ノズル孔の道
程が長くなり、ビスコース等がノズル孔内に残留し易く
なって、該ノズル孔が目詰まりを起こす虞が高い。ま
た、このようなガラス体からなるノズルチップの場合に
は、紡糸装置などに該ノズルを取り付ける際に、該ノズ
ルチップを支持するための支持枠などを必要とするた
め、そのノズル孔からのビスコース等の圧出方向にバラ
ツキが生じ易い。
【0008】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、極めて微細且つ任意
の断面形状のノズル孔を有するノズルチップを容易に形
成することができるノズルの製造方法を提供することで
ある。
であり、その目的とするところは、極めて微細且つ任意
の断面形状のノズル孔を有するノズルチップを容易に形
成することができるノズルの製造方法を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、所望のノズル孔の形状に対応し
た断面形状を有する樹脂線を形成し、該樹脂線の周囲に
メッキ処理を施して、該樹脂線の周囲にメッキされた金
属によりノズル基体を形成し、該ノズル基体をスライス
してノズルチップを形成するとともに、該ノズル基体か
ら該樹脂線を除去することを特徴とするものである。
に、請求項1の発明は、所望のノズル孔の形状に対応し
た断面形状を有する樹脂線を形成し、該樹脂線の周囲に
メッキ処理を施して、該樹脂線の周囲にメッキされた金
属によりノズル基体を形成し、該ノズル基体をスライス
してノズルチップを形成するとともに、該ノズル基体か
ら該樹脂線を除去することを特徴とするものである。
【0010】このノズルの製造方法においては、樹脂線
の周囲にメッキ処理を施して形成された金属製のノズル
基体から該樹脂線を除去することによって、上記ノズル
孔が形成される。上記樹脂線としては、例えば、予め任
意の断面形状に形成した棒状の樹脂体を伸延させるなど
の方法により、所定の断面形状を保ったままで、外径が
数ミクロンといった所望の極細線などを比較的容易に形
成することが可能である。従って、形成可能なノズル孔
の断面形状が比較的簡素な形状に限られ、且つ、該ノズ
ル孔の最小内径が数十ミクロンにも達する従来の放電加
工や撚線金属線などを用いた従来の方法に比べて、この
方法では、内径が数ミクロンといった極めて微細なノズ
ル孔を容易に形成することができ、また、該ノズル孔の
断面形状も任意の形状に形成できる。更に、この方法で
は、ポンチプレス及び放電加工によってノズル孔を形成
する従来方法の場合のようなノズル孔形成部の変形がな
く、該ノズル孔から圧出されるビスコース等の圧出方向
のバラツキが解消される。また、この方法では、上記ノ
ズルチップが金属で形成されるので、従来のガラス体か
らなるノズルチップに比べて、その機械的強度が高く、
補強部材などを用いずに任意の厚さのノズルチップを形
成でき、且つ、紡糸装置などに対して支持枠を使用せず
に直接取り付けることが可能になる。
の周囲にメッキ処理を施して形成された金属製のノズル
基体から該樹脂線を除去することによって、上記ノズル
孔が形成される。上記樹脂線としては、例えば、予め任
意の断面形状に形成した棒状の樹脂体を伸延させるなど
の方法により、所定の断面形状を保ったままで、外径が
数ミクロンといった所望の極細線などを比較的容易に形
成することが可能である。従って、形成可能なノズル孔
の断面形状が比較的簡素な形状に限られ、且つ、該ノズ
ル孔の最小内径が数十ミクロンにも達する従来の放電加
工や撚線金属線などを用いた従来の方法に比べて、この
方法では、内径が数ミクロンといった極めて微細なノズ
ル孔を容易に形成することができ、また、該ノズル孔の
断面形状も任意の形状に形成できる。更に、この方法で
は、ポンチプレス及び放電加工によってノズル孔を形成
する従来方法の場合のようなノズル孔形成部の変形がな
く、該ノズル孔から圧出されるビスコース等の圧出方向
のバラツキが解消される。また、この方法では、上記ノ
ズルチップが金属で形成されるので、従来のガラス体か
らなるノズルチップに比べて、その機械的強度が高く、
補強部材などを用いずに任意の厚さのノズルチップを形
成でき、且つ、紡糸装置などに対して支持枠を使用せず
に直接取り付けることが可能になる。
【0011】請求項2の発明は、請求項2のノズルの製
造方法において、上記メッキ処理に先立って、上記樹脂
線の周囲に、高硬度の導電性金属膜を蒸着したことを特
徴とするものである。
造方法において、上記メッキ処理に先立って、上記樹脂
線の周囲に、高硬度の導電性金属膜を蒸着したことを特
徴とするものである。
【0012】このノズルの製造方法においては、上記樹
脂線へのメッキ処理に先立って、該樹脂線の周囲に高硬
度の導電性金属膜が蒸着されるので、該樹脂線にメッキ
される金属として、例えば、メッキ処理の比較的容易な
低硬度の金属を選択した場合でも、上記ノズル孔の機械
的強度を確保することが可能となる。従って、この方法
では、上記ノズルの素材として、従来のモリブデンやタ
ンタルのような高価で加工難度の高い金属を用いること
なく、安価で加工がし易い金属を任意に選択することが
できる。
脂線へのメッキ処理に先立って、該樹脂線の周囲に高硬
度の導電性金属膜が蒸着されるので、該樹脂線にメッキ
される金属として、例えば、メッキ処理の比較的容易な
低硬度の金属を選択した場合でも、上記ノズル孔の機械
的強度を確保することが可能となる。従って、この方法
では、上記ノズルの素材として、従来のモリブデンやタ
ンタルのような高価で加工難度の高い金属を用いること
なく、安価で加工がし易い金属を任意に選択することが
できる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1、または2の
ノズルの製造方法において、上記樹脂線を、ダイスによ
り樹脂を圧出して成形するノズルの製造方法であって、
上記ダイスが、上記ノズル孔の断面形状に応じた形状の
上記樹脂線を圧出するための貫通孔が形成された樹脂版
と、上記樹脂線を成形する際に該樹脂版を支持するため
の該樹脂版に形成された貫通孔に対応して形成された該
貫通孔以上の大きさの開口を有する樹脂版用支持体とで
構成されていることを特徴とするものである。
ノズルの製造方法において、上記樹脂線を、ダイスによ
り樹脂を圧出して成形するノズルの製造方法であって、
上記ダイスが、上記ノズル孔の断面形状に応じた形状の
上記樹脂線を圧出するための貫通孔が形成された樹脂版
と、上記樹脂線を成形する際に該樹脂版を支持するため
の該樹脂版に形成された貫通孔に対応して形成された該
貫通孔以上の大きさの開口を有する樹脂版用支持体とで
構成されていることを特徴とするものである。
【0014】このノズルの製造方法においては、上記樹
脂線が、レーザ加工により上記ノズル孔の断面形状に応
じた形状の貫通孔が形成された樹脂版と、該樹脂版に形
成された貫通孔に対応して形成された該貫通孔以上の大
きさの開口を有する該樹脂版を支持するための樹脂版用
支持体とで構成されたダイスを用いて成形される。従来
の金属線を用いてノズル孔を形成する方法では、ダイス
により成形される線材が金属であるため、該ダイス自体
の素材を、該線材以上の硬度を有する金型で構成する必
要がある。また、上記線材は、ノズルチップの製造過程
において除去され、最終的に不要となる性質のものであ
り、且つ、該線材を用いて製造されたノズルチップは、
耐久性を有するものであるので、この線材を製造するた
めに高価且つ加工難度の高い金型を使用することは得策
とはいえない。これに対し、本発明の方法では、上記線
材が樹脂であるので、該線材を成形するためのダイスと
して、安価で加工のし易い樹脂材を用いることが可能と
なる。また、上記ダイスとして樹脂版を用いることによ
って、該ダイスに、複雑な断面形状や微細な内径の多数
の上記ノズル孔形状に応じた断面形状の貫通孔からなる
ノズル孔を、エキシマレーザを用いたアブレーション加
工などにより比較的容易に形成することができる。更
に、上記樹脂版と、該樹脂版に形成された貫通孔に対応
して形成された該貫通孔以上の大きさの開口を有する該
樹脂版を支持するための樹脂版用支持体とで上記ダイス
を構成することによって、上記樹脂版のノズル孔からビ
スコース等が圧出される際の圧力に対する該樹脂版の機
械的強度が上記樹脂版用支持体により向上される。
脂線が、レーザ加工により上記ノズル孔の断面形状に応
じた形状の貫通孔が形成された樹脂版と、該樹脂版に形
成された貫通孔に対応して形成された該貫通孔以上の大
きさの開口を有する該樹脂版を支持するための樹脂版用
支持体とで構成されたダイスを用いて成形される。従来
の金属線を用いてノズル孔を形成する方法では、ダイス
により成形される線材が金属であるため、該ダイス自体
の素材を、該線材以上の硬度を有する金型で構成する必
要がある。また、上記線材は、ノズルチップの製造過程
において除去され、最終的に不要となる性質のものであ
り、且つ、該線材を用いて製造されたノズルチップは、
耐久性を有するものであるので、この線材を製造するた
めに高価且つ加工難度の高い金型を使用することは得策
とはいえない。これに対し、本発明の方法では、上記線
材が樹脂であるので、該線材を成形するためのダイスと
して、安価で加工のし易い樹脂材を用いることが可能と
なる。また、上記ダイスとして樹脂版を用いることによ
って、該ダイスに、複雑な断面形状や微細な内径の多数
の上記ノズル孔形状に応じた断面形状の貫通孔からなる
ノズル孔を、エキシマレーザを用いたアブレーション加
工などにより比較的容易に形成することができる。更
に、上記樹脂版と、該樹脂版に形成された貫通孔に対応
して形成された該貫通孔以上の大きさの開口を有する該
樹脂版を支持するための樹脂版用支持体とで上記ダイス
を構成することによって、上記樹脂版のノズル孔からビ
スコース等が圧出される際の圧力に対する該樹脂版の機
械的強度が上記樹脂版用支持体により向上される。
【0015】請求項4の発明は、請求項3のノズルの製
造方法において、上記樹脂版と上記樹脂版用支持体とを
接離自在に構成し、上記ダイスを用いて成形した樹脂線
を、該樹脂版と該樹脂版用支持体とを離間して、該樹脂
版と該樹脂版用支持体との間に張架した状態で、該樹脂
線に導電性金属膜を蒸着した後、該樹脂線の周囲にメッ
キ処理を施して、該樹脂線の周囲にメッキされた金属に
よりノズル基体を形成し、該ノズル基体をスライスして
ノズルチップを形成するとともに、該ノズル基体から該
樹脂線を除去することを特徴とするものである。
造方法において、上記樹脂版と上記樹脂版用支持体とを
接離自在に構成し、上記ダイスを用いて成形した樹脂線
を、該樹脂版と該樹脂版用支持体とを離間して、該樹脂
版と該樹脂版用支持体との間に張架した状態で、該樹脂
線に導電性金属膜を蒸着した後、該樹脂線の周囲にメッ
キ処理を施して、該樹脂線の周囲にメッキされた金属に
よりノズル基体を形成し、該ノズル基体をスライスして
ノズルチップを形成するとともに、該ノズル基体から該
樹脂線を除去することを特徴とするものである。
【0016】このノズルの製造方法においては、上記ダ
イスにより成形された樹脂線が、該ダイスにより形成さ
れた状態を保ったままの姿勢で、該ダイスを構成する上
記樹脂版と上記樹脂版用支持体との間に張架される。従
って、この方法では、該ダイスに形成されるノズル孔の
配置や数量等を、ノズルチップに形成するノズル孔に対
応するように、予め設定しておくことによって、該ダイ
スにより成形した樹脂線を、改めて配線し直す必要がな
く、該樹脂線を配線するための設備や手間が不要とな
る。
イスにより成形された樹脂線が、該ダイスにより形成さ
れた状態を保ったままの姿勢で、該ダイスを構成する上
記樹脂版と上記樹脂版用支持体との間に張架される。従
って、この方法では、該ダイスに形成されるノズル孔の
配置や数量等を、ノズルチップに形成するノズル孔に対
応するように、予め設定しておくことによって、該ダイ
スにより成形した樹脂線を、改めて配線し直す必要がな
く、該樹脂線を配線するための設備や手間が不要とな
る。
【0017】請求項5の発明は、請求項1、2、3、ま
たは4のノズル孔の形成方法において、上記ノズルチッ
プが、化学繊維を製造するための紡糸用ノズルのノズル
チップであることを特徴とするものである。
たは4のノズル孔の形成方法において、上記ノズルチッ
プが、化学繊維を製造するための紡糸用ノズルのノズル
チップであることを特徴とするものである。
【0018】このノズルの製造方法においては、上記ノ
ズルチップを、化学繊維を製造するための紡糸用ノズル
のノズルチップとすることで、任意の断面形状を有する
極細の化学繊維を、安価且つ容易に生産することが可能
となる。
ズルチップを、化学繊維を製造するための紡糸用ノズル
のノズルチップとすることで、任意の断面形状を有する
極細の化学繊維を、安価且つ容易に生産することが可能
となる。
【0019】請求項6の発明は、請求項2、または4の
ノズルの製造方法において、上記導電性金属膜が、チタ
ンで構成されていることを特徴とするものである。
ノズルの製造方法において、上記導電性金属膜が、チタ
ンで構成されていることを特徴とするものである。
【0020】このノズルの製造方法においては、上記樹
脂線に蒸着される導電性金属膜が、チタンで構成されて
いるので、上記ノズル孔の機械的強度を著しく向上させ
ることができる。これにより、該樹脂線にメッキされる
金属として、例えば、ニッケルなどのようなメッキ処理
の比較的容易な低硬度の金属を選択することが可能とな
る。
脂線に蒸着される導電性金属膜が、チタンで構成されて
いるので、上記ノズル孔の機械的強度を著しく向上させ
ることができる。これにより、該樹脂線にメッキされる
金属として、例えば、ニッケルなどのようなメッキ処理
の比較的容易な低硬度の金属を選択することが可能とな
る。
【0021】請求項7の発明は、請求項2、4、または
6のノズルの製造方法において、上記樹脂線を回転させ
ながら、該樹脂線に上記導電性金属膜を蒸着することを
特徴とするものである。
6のノズルの製造方法において、上記樹脂線を回転させ
ながら、該樹脂線に上記導電性金属膜を蒸着することを
特徴とするものである。
【0022】このノズルの製造方法においては、上記樹
脂線が回転されながら、該樹脂線に上記導電性金属膜が
蒸着されるので、該樹脂線の全周囲に対して導電性金属
膜がムラなく蒸着され、該樹脂線へのメッキ処理時のメ
ッキ不良が解消される。
脂線が回転されながら、該樹脂線に上記導電性金属膜が
蒸着されるので、該樹脂線の全周囲に対して導電性金属
膜がムラなく蒸着され、該樹脂線へのメッキ処理時のメ
ッキ不良が解消される。
【0023】請求項8の発明は、請求項2、4、6、ま
たは7のノズルの製造方法において、イオン・ビーム・
アシステッド・ディポジション法によって、上記樹脂線
に上記導電性金属膜を蒸着することを特徴とするもので
ある。
たは7のノズルの製造方法において、イオン・ビーム・
アシステッド・ディポジション法によって、上記樹脂線
に上記導電性金属膜を蒸着することを特徴とするもので
ある。
【0024】このノズルの製造方法においては、イオン
・ビーム・アシステッド・ディポジション法(アイバッ
ド法;IBAD法)によって、上記樹脂線に上記導電性
金属膜が蒸着されるので、該樹脂線への該導電性金属膜
の固着力が著しく向上される。
・ビーム・アシステッド・ディポジション法(アイバッ
ド法;IBAD法)によって、上記樹脂線に上記導電性
金属膜が蒸着されるので、該樹脂線への該導電性金属膜
の固着力が著しく向上される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるノズルの製造
方法を、図示の実施形態に基づいて説明する。図1に、
本実施形態に係るノズルの製造過程を模式的に示す。
方法を、図示の実施形態に基づいて説明する。図1に、
本実施形態に係るノズルの製造過程を模式的に示す。
【0026】このノズルの製造に当たっては、まず、図
1(a)に示すように、ダイス1を用いて、粘稠性樹脂
2を圧出して、樹脂線3を成形する。上記ダイス1は、
図2及び図3に示すように、上記粘稠性樹脂2を圧出す
るための貫通孔1aが形成された樹脂版1Aと、上記粘
稠性樹脂2を圧出して上記樹脂線3を成形する際に該樹
脂版1Aを支持するための該樹脂版1Aに形成された貫
通孔1aに対応して形成された該貫通孔1a以上の大き
さの開口1bを有する樹脂版用支持体1Bとで構成され
ている。
1(a)に示すように、ダイス1を用いて、粘稠性樹脂
2を圧出して、樹脂線3を成形する。上記ダイス1は、
図2及び図3に示すように、上記粘稠性樹脂2を圧出す
るための貫通孔1aが形成された樹脂版1Aと、上記粘
稠性樹脂2を圧出して上記樹脂線3を成形する際に該樹
脂版1Aを支持するための該樹脂版1Aに形成された貫
通孔1aに対応して形成された該貫通孔1a以上の大き
さの開口1bを有する樹脂版用支持体1Bとで構成され
ている。
【0027】ここで、上記樹脂版1Aの貫通孔1aは、
例えば、エキシマレーザなどのレーザービームを用いた
アブレーション加工により形成することが好ましい。こ
のレーザービームを用いたアブレーション加工によれ
ば、上記樹脂版1Aの貫通孔1aを形成することによっ
て、極めて複雑な断面形状や、数ミクロン程度の極微細
な内径からなる上記ノズルの多数のノズル孔形状に応じ
た断面形状の貫通孔1aを、該樹脂版1Aにバリ等を発
生させずに比較的容易に形成することができる。また、
この樹脂版1Aの素材としては、樹脂であればどのよう
なものであってもよいが、上記レーザービームによるア
ブレーション加工に適したポリイミドなどを採用するこ
とが好ましい。
例えば、エキシマレーザなどのレーザービームを用いた
アブレーション加工により形成することが好ましい。こ
のレーザービームを用いたアブレーション加工によれ
ば、上記樹脂版1Aの貫通孔1aを形成することによっ
て、極めて複雑な断面形状や、数ミクロン程度の極微細
な内径からなる上記ノズルの多数のノズル孔形状に応じ
た断面形状の貫通孔1aを、該樹脂版1Aにバリ等を発
生させずに比較的容易に形成することができる。また、
この樹脂版1Aの素材としては、樹脂であればどのよう
なものであってもよいが、上記レーザービームによるア
ブレーション加工に適したポリイミドなどを採用するこ
とが好ましい。
【0028】図4に、上記樹脂版1Aに、所望のノズル
孔形状に対応した断面形状からなる貫通孔1aを形成す
るためのレーザ加工装置の一例を示す。図4において、
上記樹脂版1Aとしてのワーク10は、略水平なワーク
載置面11aを有するワーク載置台11上に載置され
る。該ワーク載置台11は、そのワーク載置面11a
を、図4の紙面に対して直交する水平な平面のX方向
と、Y方向とに移動させることができるX−Yテーブル
12上に配設されている。該X−Yテーブル12は、ボ
ール軸やリニアモータなどで構成されたX−Yテーブル
駆動系13を介して、サーボモータ(ステッピングモー
タでもよい)からなる駆動モータ14により、X−Y方
向に駆動される。該駆動モータ14は、図示しない駆動
制御装置からの駆動指令により該駆動モータ14に駆動
電力を供給するモータ駆動回路15により駆動される。
孔形状に対応した断面形状からなる貫通孔1aを形成す
るためのレーザ加工装置の一例を示す。図4において、
上記樹脂版1Aとしてのワーク10は、略水平なワーク
載置面11aを有するワーク載置台11上に載置され
る。該ワーク載置台11は、そのワーク載置面11a
を、図4の紙面に対して直交する水平な平面のX方向
と、Y方向とに移動させることができるX−Yテーブル
12上に配設されている。該X−Yテーブル12は、ボ
ール軸やリニアモータなどで構成されたX−Yテーブル
駆動系13を介して、サーボモータ(ステッピングモー
タでもよい)からなる駆動モータ14により、X−Y方
向に駆動される。該駆動モータ14は、図示しない駆動
制御装置からの駆動指令により該駆動モータ14に駆動
電力を供給するモータ駆動回路15により駆動される。
【0029】一方、エキシマレーザ17は、所定の周波
数(通常、200Hz)の駆動トリガに基づいて該エキ
シマレーザ17を駆動するためのレーザ駆動回路18に
より、該周波数に基づく加工周波数のレーザービーム1
7aを発生する。上記エキシマレーザ17から発せられ
たレーザービーム17aは、アッテネータ19により、
該レーザービーム17aのエネルギー密度が、ワーク1
0の加工に適したエネルギー密度に調整される。このア
ッテネータ19によりエネルギー密度が調整されたレー
ザービーム17bは、上記ワーク10の加工面に対して
該レーザービーム17bが略垂直に入射されるように、
該レーザービーム17bの照射光路を変更させるための
反射鏡20により、その光路が変更される。この反射鏡
20によって光路を変更されたレーザービーム17b
は、アパーチャーマスク21に照射される。
数(通常、200Hz)の駆動トリガに基づいて該エキ
シマレーザ17を駆動するためのレーザ駆動回路18に
より、該周波数に基づく加工周波数のレーザービーム1
7aを発生する。上記エキシマレーザ17から発せられ
たレーザービーム17aは、アッテネータ19により、
該レーザービーム17aのエネルギー密度が、ワーク1
0の加工に適したエネルギー密度に調整される。このア
ッテネータ19によりエネルギー密度が調整されたレー
ザービーム17bは、上記ワーク10の加工面に対して
該レーザービーム17bが略垂直に入射されるように、
該レーザービーム17bの照射光路を変更させるための
反射鏡20により、その光路が変更される。この反射鏡
20によって光路を変更されたレーザービーム17b
は、アパーチャーマスク21に照射される。
【0030】このアパーチャーマスク21は、上記レー
ザービーム17bの照射に対する耐熱性及び耐摩耗性等
が優れたステンレス板、または、ガラス板上に形成され
た誘電体多層膜(二酸化珪素;SiO2やハフニウム;
K2HfF6,K3HfF7など)の反射パターンなどで構
成されており、該アパーチャーマスク21には、上記ワ
ーク10に穿孔される上記樹脂版1Aの貫通孔1aと相
似形の透過口からなる加工パターンが予め形成されてい
る。そして、このアパーチャーマスク21に形成された
加工パターンに、レーザービーム17bが照射される
と、該アパーチャーマスク21の加工パターンを透過し
たレーザービーム17bが、集光レンズ22により、該
ワーク10の加工面におけるビーム形状が、所定の大き
さのパターンになるように絞り込まれる。この集光レン
ズ22により絞り込まれたレーザービーム17cが、前
記X−Yテーブル12により所定の加工部位が該レーザ
ービーム17cの照射位置に臨むように移動された該ワ
ーク10の加工面に照射されることにより、該ワーク1
0に該アパーチャーマスク21の加工パターンに応じた
形状の貫通孔が穿孔される。
ザービーム17bの照射に対する耐熱性及び耐摩耗性等
が優れたステンレス板、または、ガラス板上に形成され
た誘電体多層膜(二酸化珪素;SiO2やハフニウム;
K2HfF6,K3HfF7など)の反射パターンなどで構
成されており、該アパーチャーマスク21には、上記ワ
ーク10に穿孔される上記樹脂版1Aの貫通孔1aと相
似形の透過口からなる加工パターンが予め形成されてい
る。そして、このアパーチャーマスク21に形成された
加工パターンに、レーザービーム17bが照射される
と、該アパーチャーマスク21の加工パターンを透過し
たレーザービーム17bが、集光レンズ22により、該
ワーク10の加工面におけるビーム形状が、所定の大き
さのパターンになるように絞り込まれる。この集光レン
ズ22により絞り込まれたレーザービーム17cが、前
記X−Yテーブル12により所定の加工部位が該レーザ
ービーム17cの照射位置に臨むように移動された該ワ
ーク10の加工面に照射されることにより、該ワーク1
0に該アパーチャーマスク21の加工パターンに応じた
形状の貫通孔が穿孔される。
【0031】なお、上記アパーチャーマスク21として
は、図5(a)に示すように、上記樹脂版1Aに形成さ
れる一つの貫通孔1aの形状に相当する1個の透過光2
1aからなる加工パターンを有するもの、あるいは、図
5(b)に示すように、上記樹脂版1Aに形成される所
定区画の貫通孔1aに相当する数量の透過光21bから
なる加工パターンを有するもの、もしくは、上記樹脂版
1Aに形成される全ての貫通孔1aに相当する数の透過
光からなる加工パターンが予め一括形成されているも
の、の何れであってもよい。
は、図5(a)に示すように、上記樹脂版1Aに形成さ
れる一つの貫通孔1aの形状に相当する1個の透過光2
1aからなる加工パターンを有するもの、あるいは、図
5(b)に示すように、上記樹脂版1Aに形成される所
定区画の貫通孔1aに相当する数量の透過光21bから
なる加工パターンを有するもの、もしくは、上記樹脂版
1Aに形成される全ての貫通孔1aに相当する数の透過
光からなる加工パターンが予め一括形成されているも
の、の何れであってもよい。
【0032】ここで、1個の透過光21aからなる加工
パターンが形成されたアパーチャーマスク21を使用す
る場合には、上記ワーク10をX−Yテーブル12上で
一つの貫通孔毎に移動させながら、該ワーク10に所定
の数量の貫通孔を穿孔する。この場合には、ワーク10
に対して上記貫通孔を一つづつ穿孔するため、該ワーク
10の加工に時間を要する難点があるが、該加工パータ
ーンを大きく形成できるので、複雑な形状の加工パター
ンを形成する場合に有利であり、且つ、ワーク10に穿
孔される貫通孔の加工精度が向上されるメリットがあ
る。
パターンが形成されたアパーチャーマスク21を使用す
る場合には、上記ワーク10をX−Yテーブル12上で
一つの貫通孔毎に移動させながら、該ワーク10に所定
の数量の貫通孔を穿孔する。この場合には、ワーク10
に対して上記貫通孔を一つづつ穿孔するため、該ワーク
10の加工に時間を要する難点があるが、該加工パータ
ーンを大きく形成できるので、複雑な形状の加工パター
ンを形成する場合に有利であり、且つ、ワーク10に穿
孔される貫通孔の加工精度が向上されるメリットがあ
る。
【0033】一方、所定区画の貫通孔1aに相当する数
量の透過光21bからなる加工パターンが形成されたア
パーチャーマスク21を使用する場合には、上記ワーク
10をX−Yテーブル12上で1区画毎に移動しなが
ら、該ワーク10に所定の数量の貫通孔を穿孔する。こ
の場合には、ワーク10に対して上記貫通孔を1区画づ
つ穿孔できるので、該ワーク10の加工時間を短縮させ
ることができる。
量の透過光21bからなる加工パターンが形成されたア
パーチャーマスク21を使用する場合には、上記ワーク
10をX−Yテーブル12上で1区画毎に移動しなが
ら、該ワーク10に所定の数量の貫通孔を穿孔する。こ
の場合には、ワーク10に対して上記貫通孔を1区画づ
つ穿孔できるので、該ワーク10の加工時間を短縮させ
ることができる。
【0034】このようにして形成された上記樹脂版1A
は、図3に示すように、粘稠性樹脂2を圧出させるため
の樹脂成形装置4のダイスとして、該樹脂成形装置4の
樹脂圧出部に取り付けられる。この樹脂版1Aは、樹脂
で形成されているため、上記粘稠性樹脂2の圧出時の圧
力に耐えることができなくなって、該粘稠性樹脂2の圧
出時に破損される虞がある。
は、図3に示すように、粘稠性樹脂2を圧出させるため
の樹脂成形装置4のダイスとして、該樹脂成形装置4の
樹脂圧出部に取り付けられる。この樹脂版1Aは、樹脂
で形成されているため、上記粘稠性樹脂2の圧出時の圧
力に耐えることができなくなって、該粘稠性樹脂2の圧
出時に破損される虞がある。
【0035】そこで、この粘稠性樹脂2の圧出時には、
上記樹脂版1Aを支持するための該樹脂版1Aに形成さ
れた貫通孔1aに対応して形成された該貫通孔1a以上
の大きさの開口1bを有する樹脂版用支持体1Bを、該
樹脂成形装置4の樹脂圧出部に、該樹脂版1Aを挟持す
るように取り付ける。これにより、上記樹脂版1Aが、
上記粘稠性樹脂2の圧出時の圧力に耐えることができる
ようになる。
上記樹脂版1Aを支持するための該樹脂版1Aに形成さ
れた貫通孔1aに対応して形成された該貫通孔1a以上
の大きさの開口1bを有する樹脂版用支持体1Bを、該
樹脂成形装置4の樹脂圧出部に、該樹脂版1Aを挟持す
るように取り付ける。これにより、上記樹脂版1Aが、
上記粘稠性樹脂2の圧出時の圧力に耐えることができる
ようになる。
【0036】このような樹脂版1Aと樹脂版用支持体1
Bとからなるダイス1を用いて、上記樹脂成形装置4に
より、粘稠性樹脂2を圧出して成形された樹脂線3は、
該樹脂版1Aに形成された貫通孔1aの断面形状に相当
する所定の太さの樹脂線となる。このとき、上記ダイス
1から上記樹脂線3を引き出しながら延伸することによ
り、該樹脂線3を更に細線化することも可能である。こ
のように、上記樹脂線3は、上記ダイス1を用いた圧出
法と延伸法との併用、または、該圧出法と延伸法との何
れか単独の方法により、所定の形状及び太さに形成され
る。また、上記樹脂版1Aに形成される貫通孔1aの断
面形状は、上述のように、任意の大きさ及び形状に形成
できるので、例えば、太さが数ミクロン程度の複雑な形
状を有する樹脂線3を、比較的容易に成形することがで
きる。
Bとからなるダイス1を用いて、上記樹脂成形装置4に
より、粘稠性樹脂2を圧出して成形された樹脂線3は、
該樹脂版1Aに形成された貫通孔1aの断面形状に相当
する所定の太さの樹脂線となる。このとき、上記ダイス
1から上記樹脂線3を引き出しながら延伸することによ
り、該樹脂線3を更に細線化することも可能である。こ
のように、上記樹脂線3は、上記ダイス1を用いた圧出
法と延伸法との併用、または、該圧出法と延伸法との何
れか単独の方法により、所定の形状及び太さに形成され
る。また、上記樹脂版1Aに形成される貫通孔1aの断
面形状は、上述のように、任意の大きさ及び形状に形成
できるので、例えば、太さが数ミクロン程度の複雑な形
状を有する樹脂線3を、比較的容易に成形することがで
きる。
【0037】このようにして必要な本数分の任意の形状
及び太さの樹脂線3を一括形成した後、図1(b)に示
すように、上記樹脂版1Aと上記樹脂版用支持体1Bと
を離間させる。このとき、該樹脂版1Aと該樹脂版用支
持体1Bとを離間させた際に、該樹脂線3の圧出側の端
部が、該樹脂版用支持体1Bから抜け落ちないようにす
るために、該樹脂線3の圧出側の端部を束ねて接着や熔
着等により予め固定しておく。そして、例えば、図6に
示すように、上記樹脂版1A及び上記樹脂版用支持体1
Bとの間に、コイルバネ23を巻装した複数本のステー
24を取り付けて、該コイルバネ23の伸張力により、
上記樹脂線3を張架する。このとき、該コイルバネ23
の伸張力は、該伸張力によって張架した樹脂線3が断線
しない程度の張力となるように、該樹脂線3の太さ等に
応じて予め設定されている。
及び太さの樹脂線3を一括形成した後、図1(b)に示
すように、上記樹脂版1Aと上記樹脂版用支持体1Bと
を離間させる。このとき、該樹脂版1Aと該樹脂版用支
持体1Bとを離間させた際に、該樹脂線3の圧出側の端
部が、該樹脂版用支持体1Bから抜け落ちないようにす
るために、該樹脂線3の圧出側の端部を束ねて接着や熔
着等により予め固定しておく。そして、例えば、図6に
示すように、上記樹脂版1A及び上記樹脂版用支持体1
Bとの間に、コイルバネ23を巻装した複数本のステー
24を取り付けて、該コイルバネ23の伸張力により、
上記樹脂線3を張架する。このとき、該コイルバネ23
の伸張力は、該伸張力によって張架した樹脂線3が断線
しない程度の張力となるように、該樹脂線3の太さ等に
応じて予め設定されている。
【0038】次いで、図1(c)に示すように、該樹脂
版1Aと該樹脂版用支持体1Bとの間に張架された樹脂
線3に、導電性金属膜5を蒸着する。この導電性金属膜
5としては、後述する理由により、高硬度の金属、特
に、チタンとすることが望ましい。また、上記導電性金
属膜5は、上記樹脂線3を回転させながら蒸着すること
が望ましい。このように、上記樹脂線3を回転しなが
ら、該樹脂線3に上記導電性金属膜5を蒸着することに
より、該樹脂線3の全周囲に対して導電性金属膜5をム
ラなく蒸着でき、該樹脂線3へのメッキ処理時のメッキ
不良を解消できる。
版1Aと該樹脂版用支持体1Bとの間に張架された樹脂
線3に、導電性金属膜5を蒸着する。この導電性金属膜
5としては、後述する理由により、高硬度の金属、特
に、チタンとすることが望ましい。また、上記導電性金
属膜5は、上記樹脂線3を回転させながら蒸着すること
が望ましい。このように、上記樹脂線3を回転しなが
ら、該樹脂線3に上記導電性金属膜5を蒸着することに
より、該樹脂線3の全周囲に対して導電性金属膜5をム
ラなく蒸着でき、該樹脂線3へのメッキ処理時のメッキ
不良を解消できる。
【0039】更に、イオン・ビーム・アシステッド・デ
ィポジション法によって、上記樹脂線3に上記導電性金
属膜5を蒸着することが好ましい。すなわち、このイオ
ン・ビーム・アシステッド・ディポジション法(アイバ
ッド法;IBAD法)によって、上記樹脂線3に上記導
電性金属膜5を蒸着することによって、該樹脂線3への
該導電性金属膜5の固着力を著しく向上させることがで
きる。
ィポジション法によって、上記樹脂線3に上記導電性金
属膜5を蒸着することが好ましい。すなわち、このイオ
ン・ビーム・アシステッド・ディポジション法(アイバ
ッド法;IBAD法)によって、上記樹脂線3に上記導
電性金属膜5を蒸着することによって、該樹脂線3への
該導電性金属膜5の固着力を著しく向上させることがで
きる。
【0040】そして、この導電性金属膜5が蒸着された
樹脂線3を、上述のように張架されたままの状態で、図
1(d)に示すように、例えば、ニッケル等の金属の電
解液6中に浸漬させて、該樹脂線3の周囲にメッキ処理
を施して、該樹脂線3の周囲にメッキされた金属により
ノズル基体7を形成する。
樹脂線3を、上述のように張架されたままの状態で、図
1(d)に示すように、例えば、ニッケル等の金属の電
解液6中に浸漬させて、該樹脂線3の周囲にメッキ処理
を施して、該樹脂線3の周囲にメッキされた金属により
ノズル基体7を形成する。
【0041】次いで、図1(e)に示すように、ダイヤ
モンドカッターなどを用いて、上記ノズル基体7を所定
の厚さにスライスして、ノズルチップ8を形成する。そ
の後、該ノズルチップ8を高温で加熱し、上記のメッキ
処理により該ノズルチップ8内に埋め込まれた樹脂線3
を焼却して、該ノズルチップ8から樹脂線3を除去す
る。このとき、上記ノズル基体7を高温で加熱して、該
ノズル基体7から樹脂線3を除去した後に、該ノズル基
体7を所定の厚さにスライスして、ノズルチップ8を形
成するようにしてもよい。また、該樹脂線3が比較的太
い場合には、該ノズルチップ8内に埋め込まれた樹脂線
3を、該ノズルチップ8から押し出して除去するように
してもよい。
モンドカッターなどを用いて、上記ノズル基体7を所定
の厚さにスライスして、ノズルチップ8を形成する。そ
の後、該ノズルチップ8を高温で加熱し、上記のメッキ
処理により該ノズルチップ8内に埋め込まれた樹脂線3
を焼却して、該ノズルチップ8から樹脂線3を除去す
る。このとき、上記ノズル基体7を高温で加熱して、該
ノズル基体7から樹脂線3を除去した後に、該ノズル基
体7を所定の厚さにスライスして、ノズルチップ8を形
成するようにしてもよい。また、該樹脂線3が比較的太
い場合には、該ノズルチップ8内に埋め込まれた樹脂線
3を、該ノズルチップ8から押し出して除去するように
してもよい。
【0042】これにより、上記樹脂線3が焼失されて、
該ノズルチップ8に、上記樹脂線3の断面形状に応じた
形状の所定の数量のノズル孔8aが一括形成される。こ
こで、上記樹脂線3は、石油精製品である樹脂で形成さ
れているので、上記加熱により残留することなくきれい
に焼失されるので、上記ノズルチップ8に、該樹脂線3
の断面形状に忠実な形状のノズル孔8aを形成すること
ができる。
該ノズルチップ8に、上記樹脂線3の断面形状に応じた
形状の所定の数量のノズル孔8aが一括形成される。こ
こで、上記樹脂線3は、石油精製品である樹脂で形成さ
れているので、上記加熱により残留することなくきれい
に焼失されるので、上記ノズルチップ8に、該樹脂線3
の断面形状に忠実な形状のノズル孔8aを形成すること
ができる。
【0043】また、図1(c)の工程で述べたように、
上記樹脂線3の周囲に蒸着する導電性金属5をチタンと
し、上記樹脂線3を酸素あるいは窒素などの雰囲気中で
消却することによって、上記ノズルチップ8のノズル孔
8aの内周面に、ビッカース硬度が1100〜1200
程度の、酸化チタンあるいは窒化チタンといった非常に
硬度の高い金属膜を生成させることができ、該ノズル孔
8aの強度を向上させることができる。これにより、上
記のメッキ処理により形成するノズル基体7として、従
来のこの種のノズルに使用されているモリブデンやタン
タルなどの高価で高硬度の金属を用いることなく、安価
でメッキ処理の容易な比較的低硬度のニッケルなどの金
属を使用することができ、該ノズル基体7のスライス加
工も容易化される。
上記樹脂線3の周囲に蒸着する導電性金属5をチタンと
し、上記樹脂線3を酸素あるいは窒素などの雰囲気中で
消却することによって、上記ノズルチップ8のノズル孔
8aの内周面に、ビッカース硬度が1100〜1200
程度の、酸化チタンあるいは窒化チタンといった非常に
硬度の高い金属膜を生成させることができ、該ノズル孔
8aの強度を向上させることができる。これにより、上
記のメッキ処理により形成するノズル基体7として、従
来のこの種のノズルに使用されているモリブデンやタン
タルなどの高価で高硬度の金属を用いることなく、安価
でメッキ処理の容易な比較的低硬度のニッケルなどの金
属を使用することができ、該ノズル基体7のスライス加
工も容易化される。
【0044】上述のようにして製造されたノズルチップ
8は、そのノズル孔8aの内径や形状、及び、数量等
を、それぞれ任意に設定することができるので、このノ
ズルチップ8を紡糸用ノズルのノズルチップとして使用
することにより、例えば、天然繊維のような膨潤性と弾
力性を有し、且つ、通気性、吸水性、及び、軽量性など
の優れた、任意の断面形状を有する極細の化学繊維を、
安価且つ容易に生産することが可能となる。
8は、そのノズル孔8aの内径や形状、及び、数量等
を、それぞれ任意に設定することができるので、このノ
ズルチップ8を紡糸用ノズルのノズルチップとして使用
することにより、例えば、天然繊維のような膨潤性と弾
力性を有し、且つ、通気性、吸水性、及び、軽量性など
の優れた、任意の断面形状を有する極細の化学繊維を、
安価且つ容易に生産することが可能となる。
【0045】
【発明の効果】請求項1乃至5の発明によれば、内径が
数ミクロンといった極めて微細なノズル孔を容易に形成
することができ、また、該ノズル孔の断面形状も任意の
形状に形成できる。更に、この方法では、ポンチプレス
及び放電加工によってノズル孔を形成する従来方法の場
合のようなノズル孔形成部の変形がなく、該ノズル孔か
ら圧出されるビスコース等の圧出方向のバラツキが解消
されるという優れた効果がある。
数ミクロンといった極めて微細なノズル孔を容易に形成
することができ、また、該ノズル孔の断面形状も任意の
形状に形成できる。更に、この方法では、ポンチプレス
及び放電加工によってノズル孔を形成する従来方法の場
合のようなノズル孔形成部の変形がなく、該ノズル孔か
ら圧出されるビスコース等の圧出方向のバラツキが解消
されるという優れた効果がある。
【0046】特に、請求項2の発明によれば、上記樹脂
線へのメッキ処理に先立って、該樹脂線の周囲に高硬度
の導電性金属膜が蒸着されるので、該樹脂線にメッキさ
れる金属として、例えば、メッキ処理の比較的容易な低
硬度の金属を選択した場合でも、上記ノズル孔の機械的
強度を確保することが可能となる。従って、上記ノズル
の素材として、従来のモリブデンやタンタルのような高
価で加工難度の高い金属を用いることなく、安価で加工
がし易い金属を任意に選択することができる。また、従
来の方法では、ノズルチップの厚さが厚いと加工が大変
になり、薄いと強度不足になるが、本発明では、厚さも
任意に設定できるので容易に強度アップを図ることがで
きるという優れた効果がある。
線へのメッキ処理に先立って、該樹脂線の周囲に高硬度
の導電性金属膜が蒸着されるので、該樹脂線にメッキさ
れる金属として、例えば、メッキ処理の比較的容易な低
硬度の金属を選択した場合でも、上記ノズル孔の機械的
強度を確保することが可能となる。従って、上記ノズル
の素材として、従来のモリブデンやタンタルのような高
価で加工難度の高い金属を用いることなく、安価で加工
がし易い金属を任意に選択することができる。また、従
来の方法では、ノズルチップの厚さが厚いと加工が大変
になり、薄いと強度不足になるが、本発明では、厚さも
任意に設定できるので容易に強度アップを図ることがで
きるという優れた効果がある。
【0047】また、請求項3の発明によれば、上記樹脂
線が、レーザ加工により上記ノズル孔の断面形状に応じ
た形状の貫通孔が形成された樹脂版と、該樹脂版に形成
された貫通孔に対応して形成された該貫通孔以上の大き
さの開口を有する該樹脂版を支持するための樹脂版用支
持体とで構成されたダイスを用いて成形されるので、該
ダイスに、複雑な断面形状や微細な内径の多数の上記ノ
ズル孔形状に応じた断面形状の貫通孔からなるノズル孔
を、エキシマレーザを用いたアブレーション加工などに
より比較的容易に形成することができる。また、上記樹
脂版と、該樹脂版に形成された貫通孔に対応して形成さ
れた該貫通孔以上の大きさの開口を有する該樹脂版を支
持するための樹脂版用支持体とで上記ダイスを構成する
ことによって、上記樹脂版のノズル孔からビスコース等
が圧出される際の圧力に対する該樹脂版の機械的強度が
上記樹脂版用支持体により向上されるという優れた効果
がある。
線が、レーザ加工により上記ノズル孔の断面形状に応じ
た形状の貫通孔が形成された樹脂版と、該樹脂版に形成
された貫通孔に対応して形成された該貫通孔以上の大き
さの開口を有する該樹脂版を支持するための樹脂版用支
持体とで構成されたダイスを用いて成形されるので、該
ダイスに、複雑な断面形状や微細な内径の多数の上記ノ
ズル孔形状に応じた断面形状の貫通孔からなるノズル孔
を、エキシマレーザを用いたアブレーション加工などに
より比較的容易に形成することができる。また、上記樹
脂版と、該樹脂版に形成された貫通孔に対応して形成さ
れた該貫通孔以上の大きさの開口を有する該樹脂版を支
持するための樹脂版用支持体とで上記ダイスを構成する
ことによって、上記樹脂版のノズル孔からビスコース等
が圧出される際の圧力に対する該樹脂版の機械的強度が
上記樹脂版用支持体により向上されるという優れた効果
がある。
【0048】請求項4の発明によれば、上記ダイスによ
り成形された樹脂線が、該ダイスにより形成された状態
を保ったままの姿勢で、該ダイスを構成する上記樹脂版
と上記樹脂版用支持体との間に張架されるので、該ダイ
スに形成されるノズル孔の配置や数量等を、ノズルチッ
プに形成するノズル孔に対応するように、予め設定して
おくことによって、該ダイスにより成形した樹脂線を、
改めて配線し直す必要がなく、該樹脂線を配線するため
の設備や手間が不要となるという優れた効果がある。
り成形された樹脂線が、該ダイスにより形成された状態
を保ったままの姿勢で、該ダイスを構成する上記樹脂版
と上記樹脂版用支持体との間に張架されるので、該ダイ
スに形成されるノズル孔の配置や数量等を、ノズルチッ
プに形成するノズル孔に対応するように、予め設定して
おくことによって、該ダイスにより成形した樹脂線を、
改めて配線し直す必要がなく、該樹脂線を配線するため
の設備や手間が不要となるという優れた効果がある。
【0049】請求項5の発明によれば、上記ノズルチッ
プを、化学繊維を製造するための紡糸用ノズルのノズル
チップとすることで、任意の断面形状を有する極細の化
学繊維を、安価且つ容易に生産することが可能となると
いう優れた効果がある。
プを、化学繊維を製造するための紡糸用ノズルのノズル
チップとすることで、任意の断面形状を有する極細の化
学繊維を、安価且つ容易に生産することが可能となると
いう優れた効果がある。
【図1】(a)乃至(e)は、本発明の実施形態に係る
ノズルの製造工程を説明するための模式図。
ノズルの製造工程を説明するための模式図。
【図2】上記ノズルの製造過程で使用される樹脂線を圧
出成形するためのダイスの構成を示す概略斜視図。
出成形するためのダイスの構成を示す概略斜視図。
【図3】樹脂成形装置に取り付けた上記ダイスを用いて
上記樹脂線を圧出成形している状態を示す概略断面図。
上記樹脂線を圧出成形している状態を示す概略断面図。
【図4】上記ダイスを構成する樹脂版に貫通孔を形成す
るためのレーザ加工装置の一例を示す概略構成図。
るためのレーザ加工装置の一例を示す概略構成図。
【図5】(a)、(b)は、上記樹脂版に形成される貫
通孔の加工パターンからなる透過孔が形成された上記レ
ーザ加工装置におけるアパーチャーマスクの一例を示す
概略平面図。
通孔の加工パターンからなる透過孔が形成された上記レ
ーザ加工装置におけるアパーチャーマスクの一例を示す
概略平面図。
【図6】上記樹脂線の張架方法を説明するための概略側
面図。
面図。
1 ダイス 1A 樹脂版 1a 樹脂版の貫通孔 1B 樹脂版用支持体 1b 樹脂版用支持体の開口 2 粘稠性樹脂 3 樹脂線 4 樹脂成形装置 5 導電性金属線 6 電解液 7 ノズル基体 8 ノズルチップ 8a ノズル孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C23C 14/24 C23C 14/24 Z
Claims (9)
- 【請求項1】所望のノズル孔の形状に対応した断面形状
を有する樹脂線を形成し、該樹脂線の周囲にメッキ処理
を施して、該樹脂線の周囲にメッキされた金属によりノ
ズル基体を形成し、該ノズル基体をスライスしてノズル
チップを形成するとともに、該ノズル基体から該樹脂線
を除去することを特徴とするノズルの製造方法。 - 【請求項2】請求項1のノズルの製造方法において、 上記メッキ処理に先立って、上記樹脂線の周囲に、高硬
度の導電性金属膜を蒸着したことを特徴とするノズルの
製造方法。 - 【請求項3】請求項1、または2のノズルの製造方法に
おいて、 上記樹脂線を、ダイスにより樹脂を圧出して成形するた
めのノズルの製造方法であって、 上記ダイスが、 上記ノズル孔の断面形状に応じた形状の上記樹脂線を圧
出するための貫通孔が形成された樹脂版と、 上記樹脂線を成形する際に該樹脂版を支持するための、
該樹脂版に形成された貫通孔に対応して形成された該貫
通孔以上の大きさの開口を有する樹脂版用支持体とで構
成されていることを特徴とするノズルの製造方法。 - 【請求項4】請求項3のノズルの製造方法において、 上記樹脂版と上記樹脂版用支持体とを接離自在に構成
し、上記ダイスを用いて成形した樹脂線を、該樹脂版と
該樹脂版用支持体とを離間して、該樹脂版と該樹脂版用
支持体との間に張架した状態で、該樹脂線に導電性金属
膜を蒸着した後、該樹脂線の周囲にメッキ処理を施し
て、該樹脂線の周囲にメッキされた金属によりノズル基
体を形成し、該ノズル基体をスライスしてノズルチップ
を形成するとともに、該ノズル基体から該樹脂線を除去
することを特徴とするノズルの製造方法。 - 【請求項5】請求項1、2、3、または4のノズル孔の
形成方法において、 上記ノズルチップが、化学繊維を製造するための紡糸用
ノズルのノズルチップであることを特徴とするノズルの
製造方法。 - 【請求項6】請求項2、または4のノズルの製造方法に
おいて、 上記導電性金属膜が、チタンで構成されていることを特
徴とするノズルの製造方法。 - 【請求項7】請求項2、4、または6のノズルの製造方
法において、 上記樹脂線を回転させながら、該樹脂線に上記導電性金
属膜を蒸着することを特徴とするノズルの製造方法。 - 【請求項8】請求項2、4、6、または7のノズルの製
造方法において、 イオン・ビーム・アシステッド・ディポジション法によ
って、上記樹脂線に上記導電性金属膜を蒸着することを
特徴とするノズルの製造方法。 - 【請求項9】請求項1、2、3、4、5、6、7、また
は8のノズルの製造方法により製造されることを特徴と
するノズル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10145112A JPH11323653A (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | ノズル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10145112A JPH11323653A (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | ノズル及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11323653A true JPH11323653A (ja) | 1999-11-26 |
Family
ID=15377675
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10145112A Withdrawn JPH11323653A (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | ノズル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11323653A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010021300A (ko) * | 1999-08-19 | 2001-03-15 | 김정식 | 방사 노즐, 방사 노즐을 장착한 방사 니플, 그리고 이들의제조방법 |
CN107937994A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-04-20 | 华祥(中国)高纤有限公司 | 化纤喷丝板结构 |
-
1998
- 1998-05-11 JP JP10145112A patent/JPH11323653A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010021300A (ko) * | 1999-08-19 | 2001-03-15 | 김정식 | 방사 노즐, 방사 노즐을 장착한 방사 니플, 그리고 이들의제조방법 |
CN107937994A (zh) * | 2017-12-26 | 2018-04-20 | 华祥(中国)高纤有限公司 | 化纤喷丝板结构 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
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