JPH11320098A - アルミニウムのアーク溶接方法 - Google Patents

アルミニウムのアーク溶接方法

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JPH11320098A
JPH11320098A JP10124697A JP12469798A JPH11320098A JP H11320098 A JPH11320098 A JP H11320098A JP 10124697 A JP10124697 A JP 10124697A JP 12469798 A JP12469798 A JP 12469798A JP H11320098 A JPH11320098 A JP H11320098A
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JP
Japan
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gas
electrode
oxide film
base material
arc
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JP10124697A
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English (en)
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Hitoshi Matsui
仁志 松井
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クリーニング幅の広がり過ぎを容易に抑制で
きる、アルミニウムのアーク溶接方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム5のアーク溶接方法におい
て、不活性ガス中に0.1〜10%の炭酸ガスを混合し
たシールドガス4を用いる、アルミニウム5のアーク溶
接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム(ア
ルミニウム合金も含む)のアーク溶接方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】従来は、アルミニウム母材のアーク溶接
時に、アークおよび溶接部を大気から遮断するシールド
ガスとして、純Arガスを用いている。アーク中ではA
rガスはイオン化されており、Arイオンはマイナス極
とされた母材に衝突する。母材はアルミニウムであるこ
とから表面には酸化膜が形成されている。Arイオンは
電子放出しやすいこの酸化膜に衝突し酸化膜を破壊し、
除去する(クリーニング作用)。Arイオンの衝突によ
り酸化膜中の酸素は解離し、シールドガス中に拡散し
て、シールドガスの流れに乗って最終的に大気の一部と
なる。アークは電極と母材表面との距離が近いところに
出やすいため、クリーニング作用は電極直下から始ま
る。クリーニングされたあとの電極直下の母材表面から
は、電子が放出しにくくなる。そのため、アークは、ク
リーニングされた周囲の、酸化膜が残っている部分に出
る。これにより、電極直下から始まるクリーニング作用
は、次第に周囲に拡大し、クリーニング幅(酸化膜が除
去される幅)が広くなる。高融点の酸化膜が消滅するこ
とによって、母材の溶融金属と電極の溶融金属との濡れ
がよくなることから、アルミニウムの溶接にとってクリ
ーニング作用は必要不可欠である。しかし、クリーニン
グ幅が広すぎる場合は、母材表面全体に熱が分散し、入
熱が電極直下に集中せず、母材が効率的に溶融されてい
ないことを示す。したがって、母材の溶け込みを増大さ
せるためには、クリーニング幅の広がりは小さいことが
望ましい。クリーニング幅を制御する方法としては、た
とえば、交流電流の母材陰極時間(クリーニング時間)
を調整する方法が知られている。母材がマイナス極とさ
れている間は、クリーニング作用が生じ、母材がプラス
極とされている間はクリーニング作用が生じない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化膜の厚み
によってもクリーニング幅は変化することから、クリー
ニング時間は、酸化膜の厚みも考慮して調整することが
必要となる。しかし、溶接しようとする母材ごとに酸化
膜の厚みを測定あるいは予測して、母材に応じてクリー
ニング時間をそれぞれ調整することは手間がかかる。本
発明の目的は、クリーニング幅の広がり過ぎを容易に抑
制できる、アルミニウムのアーク溶接方法を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。アルミニウムのアーク溶接方法
において、不活性ガス中に0.1〜10%の炭酸ガスを
混合したシールドガスを用いる、アルミニウムのアーク
溶接方法。
【0005】上記のアーク溶接方法では、シールドガス
として、不活性ガス中に0.1〜10%の炭酸ガスが混
合したガスを用い、溶接を行うことにより、不活性ガス
がアーク中でイオン化して生じた陽イオンがアルミニウ
ムに衝突し、アルミニウム表面の酸化膜が除去(クリー
ニング)される一方で、炭酸ガスがアーク中で解離して
生じた活性な酸素によって、母材の溶融池の表面には酸
化膜が形成される。そのため、電極直下から始まるクリ
ーニング作用は、周囲に広がることがなく、クリーニン
グ幅の広がりすぎが容易に抑制される。なお、アーク周
辺では炭酸ガスは解離せず、酸素は比較的不活性の状態
を保つので、溶接部周辺の熱影響部を過度に酸化する弊
害は生じない。
【0006】
【発明の実施の形態】図1〜図3は本発明実施例のアル
ミニウムのアーク溶接方法に係わる。なお、本発明実施
例では、アルミニウムはアルミニウム合金を含む。
【0007】本発明実施例の方法を、図1〜図3を参照
して、作用とともに説明する。本発明実施例のアルミニ
ウムのアーク溶接方法は、図1に一部を示す、溶接装置
を用いて実施することができる。図1に示す溶接装置
は、先端部に円筒形のシールドガスノズル1と、シール
ドガスノズル1先端の中央から突出した電極2とを有す
る。電極2は消耗電極であり、たとえば、アルミニウム
合金からなる。シールドガスノズル1からは不活性ガス
と炭酸ガスからなるシールドガス4が流出される。炭酸
ガスは不活性ガス中に0.1〜10%混合される。電流
は、母材側がマイナス極とされる、直流もしくは交流と
される。
【0008】本発明実施例の方法では、アルミニウム合
金からなる母材5のアーク溶接時に、シールドガス4と
して、不活性ガス中に0.1〜10%の炭酸ガスが混合
されたガスをシールドガスノズル1から流出させる。不
活性ガスとしては、Arガス、Heガスなどがあるが、
本発明実施例ではArガスを用いている。
【0009】母材5がマイナス極、電極2がプラス極で
ある場合のとき生じるアーク3中は、Ar原子が電離し
て生じるArイオンと、電子とが混じり合ったプラズマ
状態となっている。Arイオンが母材表面に衝突するこ
とにより、酸化膜7は除去される(クリーニング作
用)。母材表面全体に酸化膜7がある場合、アーク3
は、母材表面の電極2からの距離が短い部分に出ること
から、電極直下の母材表面からクリーニング作用が始ま
る。
【0010】Arガス中に混合される0.1〜10%の
炭酸ガスは、アーク3中では、COとOに解離される。
さらに、一部のOがO- に、一部のCOがCとO- に電
離がすすみ、活性な酸素(O- )が生じる。そして、ア
ーク3によって電極直下の母材表面が溶融して形成され
た溶融池6の表面には、クリーニング後においても活性
酸素によって酸化膜7が形成される。また、アーク3の
周辺では、シールドガス中の0.1〜10%の炭酸ガス
分子を構成している酸素は比較的不活性の状態を保つの
で、酸化膜があらたに形成されることがない。
【0011】クリーニング作用により、電極直下の溶融
池6の表面に形成されている酸化膜7が除去されると、
母材表面の電流が流れる領域である陰極点は、酸化膜7
のある部分を求めて動き回ることになる。本発明実施例
では、クリーニング作用によって酸化膜7が除去されて
も、活性酸素により、溶融池6の表面には酸化膜7が再
度形成されることから、陰極点は形成される範囲が安定
し、広がりすぎが抑制される。したがって、アークの出
る範囲が抑制され、クリーニング幅の広がりすぎが抑制
される。これにともなって、入熱範囲も安定し、無効な
入熱が少なくなり、効率よく母材5を溶かすことがで
き、溶け込み品質が向上する。また、溶接ビードの幅
(ビード幅)も安定し、外観に優れる。
【0012】本発明実施例のアーク溶接方法を実施した
場合には、母材5には、図2に示すような溶接ビード8
が形成される。溶接ビード8の幅および高さは安定して
いる。溶接ビード8の両側の部分には、ビード幅よりや
や広い程度の必要充分なクリーニング域が生じている。
【0013】図3には、異なる製造方法により得られた
2種類のアルミニウム合金材を母材として、それぞれに
同じ条件でアーク溶接を行った場合の、クリーニング幅
とビード幅を示している。なお、Arガス中に混合する
炭酸ガスの量は0.01〜15%の間で変化させてい
る。一方の母材はアルミニウム展伸材であり、他方の母
材はアルミニウム鋳物である。通常、アルミニウム鋳物
は多少の酸素を含んでいる。図3では、アルミニウム展
伸材のクニーニング幅は△で示され、ビード幅は●で示
される。アルミニウム鋳物のクリーニング幅は▲で示さ
れ、ビード幅は〇で示される。
【0014】図3より、シールドガスのArガス中に混
合される炭酸ガスが増加するにともなって、2種類のア
ルミニウム合金材はともに、クリーニング幅が狭くな
り、ビード幅が広くなっていることがわかる。Arガス
中の炭酸ガス量が0.1%より少ない場合には、クリー
ニング幅を抑制する効果が少ない。Arガス中の炭酸ガ
ス量が10%より大きい場合には、酸化物が溶接金属中
に残り、溶接金属の機械的性質が下がるおそれがある。
また、Arガス中の炭酸ガス量が15%の場合は、溶融
池表面が過度に酸化され、高融点の酸化膜がしわになっ
て残るため、表面の凹凸が大きくなるとともに、ビード
幅にばらつきが生じている。クリーニング幅が狭くなる
と、母材に熱が入る範囲が狭くなるので、母材が溶融す
るための入熱の効率がよくなる。そのため、母材がよく
溶けてビード幅が広くなる。また、アルミニウム鋳物の
ように、酸素含有量の多い材料に対しても、均一なクリ
ーニング幅が得られる。また、表面の酸化膜の厚みが異
なる母材に対しても、均一なクリーニング幅が得られ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明のアルミニウムのアーク溶接方法
によれば、不活性ガス中に0.1〜10%の炭酸ガスを
混合したシールドガスを用いることにより、炭酸ガスが
アーク中で解離して、活性な酸素が生じ、電極直下に形
成されるアルミニウム母材の溶融池の表面が常に酸化さ
れる。そのため、アークは電極直下付近にでるので、ク
リーニング幅の広がり過ぎが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のアーク溶接方法を説明する図で
ある。
【図2】本発明実施例のアーク溶接方法を実施して得ら
れる溶接ビードの模式図である。
【図3】Arガス中の炭酸ガス添加量を変えてアーク溶
接方法を実施した場合のクリーニング幅とビード幅を示
すグラフである。
【符号の説明】
4 シールドガス 5 母材(アルミニウム)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムのアーク溶接方法におい
    て、不活性ガス中に0.1〜10%の炭酸ガスを混合し
    たシールドガスを用いる、アルミニウムのアーク溶接方
    法。
JP10124697A 1998-05-07 1998-05-07 アルミニウムのアーク溶接方法 Pending JPH11320098A (ja)

Priority Applications (1)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014022045A1 (en) * 2012-08-01 2014-02-06 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Hybrid electrostatic lens with increased natural frequency
CN110961771A (zh) * 2019-12-30 2020-04-07 忠旺(辽阳)铝模板制造有限公司 一种铝合金板的等离子焊接方法

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US8907295B2 (en) 2012-08-01 2014-12-09 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Hybrid electrostatic lens with increased natural frequency
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