JPH11319817A - 紫外線殺菌装置 - Google Patents

紫外線殺菌装置

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JPH11319817A
JPH11319817A JP10128495A JP12849598A JPH11319817A JP H11319817 A JPH11319817 A JP H11319817A JP 10128495 A JP10128495 A JP 10128495A JP 12849598 A JP12849598 A JP 12849598A JP H11319817 A JPH11319817 A JP H11319817A
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ultraviolet
processing tank
illuminance
water
lamp
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JP10128495A
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English (en)
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Masahiko Fukuda
正彦 福田
Naoki Nakatsugawa
直樹 中津川
Rumi Okajima
るみ 岡島
Katsumi Fujisaki
克己 藤崎
Akira Morikawa
彰 守川
Mitsutaka Takahashi
光孝 高橋
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水あるいは空気中に存在する微生物を、紫外
線の照射によって死滅させる紫外線殺菌装置を得る。 【解決手段】 紫外線殺菌装置は、筐体1、筐体1の一
端に形成する入口部2、筐体1の他端に形成する出口部
3、筐体1内に配設する円筒状の処理タンク4、円筒状
の処理タンク4内に設けられる紫外線(波長:200〜
300nm)を放射する紫外線ランプ5、紫外線ランプ
5を収容する保護管6、円筒状の処理タンク4の内壁部
と保護管5の外壁部との間に形成する導入経路から構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水あるいは空気
中に存在する微生物を紫外線の照射によって死滅させる
紫外線殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は、例えば実開平7−13485
号公報に開示された従来の紫外線殺菌装置の構成を示す
縦断面図である。図10において、1は筐体、2は筐体
1の一端に形成する入口部、3は筐体1の他端に形成す
る出口部、4は筐体1内に配設する円筒状の処理タン
ク、5は円筒状の処理タンク4内に設けられる紫外線
(波長:200〜300nm)を放射する紫外線ラン
プ、6は紫外線ランプ5を収容する保護管、7は円筒状
の処理タンク4の内壁部と保護管5の外壁部との間に形
成する導入経路である。
【0003】次に、紫外線殺菌装置の動作について、図
10を併用しながら説明する。微生物を含む水は、所定
の流量を保ちながら紫外線殺菌装置の入口部2から導入
経路7を介して出口部3より吐出する。ここで、水が導
入経路7を通過する過程で、紫外線ランプ5から放射さ
れる紫外線が水に含まれる微生物に照射される。これに
より、紫外線の殺菌作用で微生物は大量に死滅し、死滅
状態にある微生物を含んだ水が紫外線殺菌装置の出口部
3から吐出する。
【0004】ここで、水に含まれる微生物に対する紫外
線の殺菌作用について、以下に記述する。一般的に、紫
外線による微生物の殺菌率は、紫外線照度と照射時間と
の積、即ち紫外線照度量によって決まる。なお、照度は
単位面積(cm2)当たりの放射出力(μw)で表され
る。紫外線殺菌による微生物の生残率は、照度と照射時
間とを用いて以下の(1)式で表される。 A=(P/P0)=exp(−S・t/Q)−−−−−−−−−(1) A:微生物の生残率 P0:紫外線照射前の微生物数 P:紫外線照射後の微生物の生残数 S:微生物に照射する紫外線の有効照度 t:照射時間 Q:Aを所定値に維持するときの紫外線照度量 前述の(1)式より、微生物の生残率Aを減少させる、
即ち紫外線の微生物に対する殺菌作用を高めるために
は、有効照度Sを大きくするか又は照射時間tを長くす
ることが肝要である。
【0005】図10において、紫外線の有効照度Sを大
きくするためには紫外線ランプ5の出力をアップするこ
とである。さらに、水に含まれる微生物に対しての紫外
線の照射時間tを長くするためには、水の流量を減らし
て処理タンク4内の導入経路7を通過する水の通過時間
を長くさせるか、あるいは処理タンク4内の容積を大き
くして導入経路7を通過する水の通過時間を長くさせる
方法がとられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の紫外線殺菌装置
は、前述のように水に含まれる微生物の殺菌率を増大さ
せるために紫外線ランプを高出力化したり、あるいは水
の流量を減らして導入経路を通過する水の通過時間を長
くさせる。さらに、処理タンク内の容積を大きくして導
入経路を通過する水の通過時間を長くさせる。しかし、
紫外線ランプを高出力化する場合は、ランプ価格が非常
に高くなるという問題点を生じる。また、処理タンク内
を通過する水を低流量化させる場合、水に含まれる微生
物の殺菌処理に費やす時間が長くなるという問題点を生
じる。さらに、処理タンク内の容積を大きくした場合
は、紫外線殺菌装置本体が大型化するという問題点を生
じる。
【0007】この発明は、こうした問題点を解決するた
めになされたもので、紫外線ランプの出力及び水の流量
条件を限定させ、処理タンクの形状即ち処理タンクの内
径を適正値に設定して、紫外線ランプから最も遠ざかっ
た個所でも水に含まれる微生物に対して殺菌作用が確保
できる紫外線殺菌装置を提供することを目的としてい
る。即ち、紫外線ランプを出来る限り低出力化させ、か
つ処理タンク内の容積を最小限に設定して微生物を大量
に死滅させる紫外線殺菌装置を得ることを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る紫外線殺
菌装置は、一端に水あるいは空気の入口部を有し他端に
その出口部を有する円筒状の処理タンクと、処理タンク
の概中央部であってその長手方向に配設された紫外線ラ
ンプと、紫外線ランプの外周を覆う保護管とを備えた紫
外線殺菌装置において、処理タンクの内半径Rtを処理
タンク内の長さL、保護管の外半径Rh、紫外線ランプ
からの乖離距離に準じる紫外線照度α及びその減衰定数
T、水あるいは空気の流量V、保護管の紫外線透過率β
の各要因に基づいて決定したものである。
【0009】また、処理タンクの内半径Rtは処理タン
クの内壁面の個所における紫外線照度量Eを、E={α
・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rh2)・L/
V}・βの演算式により求めて、紫外線照度量Eの値が
最大となるときの内半径Rtを決定したものである。
【0010】また、一端に水あるいは空気の入口部を有
し他端にその出口部を有する円筒状の処理タンクと、処
理タンクの概中央部であってその長手方向に配設された
紫外線ランプとを備えた紫外線殺菌装置において、処理
タンクの内半径Rtを処理タンク内の長さL、紫外線ラ
ンプの外半径Rl、紫外線ランプからの乖離距離に準じ
る紫外線照度α及びその減衰定数T、水あるいは空気の
流量Vの各要因に基づいて決定したものである。
【0011】また、処理タンクの内半径Rtは処理タン
クの内壁面の個所における紫外線照度量Eを、E={α
・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rl2)・L/
V}の演算式により求めて、紫外線照度量Eの値が最大
となるときの内半径Rtを決定したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、実施の形
態1における紫外線殺菌装置の処理タンクの適正な有効
容積を決める方法を説明するために用いる、従来相当の
紫外線殺菌装置を示す概断面図である。なお、図1中の
Lは円筒状の処理タンク4内の長さ、Rlは紫外線ラン
プ5の外半径、Rhは保護管6の外半径、Rtは処理タ
ンク4の内半径を示す。
【0013】また、図2は紫外線ランプ5の中心部から
の乖離距離に対する紫外線照度の変化を表す特性図であ
る。図2において、前述の乖離距離Xが長くなるに応じ
て紫外線照度Sは加速的に減少していく傾向を示す。即
ち、紫外線照度Sは乖離距離Xの2乗に反比例すること
が分かる。図2に示すような紫外線照度Sの特性形態
は、以下の(2)式で表される。 S=K/X2−−−−−−−−−−(2) X:紫外線ランプ中心部からの乖離距離 K:定数 S:紫外線ランプ中心部からの乖離距離x地点の紫外線
照度(μw/cm2) 上記の(2)式より、図1に示す処理タンク4内の紫外
線照度Sの最小値地点は、紫外線ランプ5から最も遠ざ
かっている地点、即ち処理タンク4の内壁面の地点とな
る。なお、紫外線照度Sの最小値地点とは処理タンク4
内の導入経路7を通過する水に含まれた微生物に対して
の紫外線照度の値が最も少ない個所である。
【0014】また、処理タンク4内の導入経路7を通過
する微生物を含んだ水によって紫外線ランプ5からの紫
外線照度が低下する現象について説明する。図3は、汚
れた水を想定した全有機炭素が例えば30ppmの濃度
下における、紫外線ランプ5の中心部からの乖離距離に
対する紫外線照度の相対変化を表す特性図である。図3
において、前述の乖離距離Xが長くなるに応じて紫外線
照度の相対値S′が指数的に減少する傾向を示す。これ
は、乖離距離Xが長くなるに応じて全有機炭素に吸収さ
れる紫外線照度が大きくなるためである。図3に示すよ
うな紫外線照度の相対値S′の特性形態は、以下の
(3)式で表される。なお、全有機炭素が30ppmの
濃度下とは、例えば温水200Lが貯留する浴槽中に成
人5〜6人が入浴した後の浴水の汚れに相当する。 S′=exp(−X/T)−−−−−(3) X:紫外線ランプ中心部からの乖離距離 T:定数 S′:紫外線ランプ中心部からの乖離距離X地点におけ
る紫外線照度の相対値
【0015】また、(2)式及び(3)式より処理タン
ク4内の紫外線照度Sは、紫外線ランプ5の中心部から
の乖離距離Xによる減衰特性に、水の汚れ具合による減
衰特性が相乗された特性形態となる。この特性形態は、
以下の(4)式で表される。(4)式において、水の汚
れを考慮した場合でも処理タンク4内における紫外線照
度Sの最小値地点は、処理タンク4の内壁面の個所とな
る。 S=(K/X2)・exp(−X/T)−−−−−− (4)
【0016】次に、紫外線殺菌装置の入口部2から水が
流入して導入経路7を通過し、出口部5より流れ出るま
での通過時間tについて記述する。通過時間t、単位時
間当たりの水の流量V、処理タンク4内の断面積D、処
理タンク4内の長さLには、以下の(5)式に示すよう
な関係がある。 V・t=D・L−−−−−−−(5) また、前述の(5)式より通過時間tについて解くと、
以下の(6)式が求められる。 t=D・L/V−−−−−−−(6) 即ち、(6)式より断面積Dが大きくなった場合あるい
は処理タンク4内の長さLが長くなった場合、さらに単
位時間当たりの水の流量Vが小さくなった場合に、通過
時間tは長くなっていく。
【0017】また、処理タンク4内の実際上の断面積D
は、処理タンク4の内半径Rt及び保護管6の外半径R
hより、以下の(7)式に基づいて算出される。 D=π・(Rt2―Rh2)−−−−−−−−−(7) そして、(7)式を(6)式に代入することにより、以
下に示すような水の通過時間tを算出する(8)式を得
る。 t=π・(Rt2―Rh2)・L/V−−−−−(8) このような(8)式を図で表したのが、図4に示す特性
図である。図4において、保護管6の外半径Rh、処理
タンク4内の長さL、水の流量を一定とした場合に処理
タンク4の内半径Rtの増大に応じて導入経路7を通過
する水の通過時間tは加速的に長くなっていることが分
かる。また、(8)式において水の通過時間tの大きさ
は処理タンク4の内半径Rtの他に、保護管6の外半径
Rh、処理タンク4内の長さL、水の流量Vの値によっ
て制約される。
【0018】次に、水に含まれる微生物の死滅率、即ち
紫外線の微生物に対する殺菌作用は、前述の(1)式で
示したように紫外線照度と照射時間との積の大きさによ
って決まる。つまり、紫外線照度と照射時間との積であ
る紫外線照度量が大きくなれぱ微生物に対する殺菌作用
が非常に高くなる。ここで、紫外線照度を表す(4)式
及び水の通過時間を表す(8)式より紫外線の微生物に
対する殺菌作用の決定要因、即ち紫外線照度量E=紫外
線照度(S)・通過時間(t)を求めることができる。
処理タンク4の内壁面の個所における紫外線照度量Eを
求める算出式は、以下の(9)式に示すとおりである。
なお、(8)式の水の通過時間tは(1)式の照射時間
tに相当するものである。また、(9)式のRtは
(4)式の乖離距離Xに相当するものである。さらに、
(9)式のβは例えば石英硝子である保護管6の紫外線
透過率を示す。 E={(K/Rt2)・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rh2)・ L/ V}・β−−−−−−−−−−(9)
【0019】前述の(9)式を図で表したのが、図5に
示すような特性図である。図5において、処理タンク4
内の長さL、保護管6の外半径Rh、紫外線ランプ5の
外半径Rl、紫外線ランプ5の出力、水の流量Vを一定
とした場合に、処理タンク4の内半径Rtの増大に応じ
て処理タンク4の内壁面の個所における紫外線照度Sは
加速的に減少し(図5中のAパターン)、水の通過時間
tは加速的に増大する(図5中のBパターン)。そし
て、紫外線照度Sの特性と通過時間tの特性の関係上、
処理タンク4の内壁面の個所における紫外線照度量Eは
処理タンク4の内半径がRh(保護管の外半径)に相当
する値〜Rt0の範囲では増大傾向を示し、内半径Rt
0以上の範囲では減少傾向を示している(図5中のCパ
ターン)。即ち、図5において処理タンク4の内半径を
Rt0に決めた場合、処理タンク4の内壁面の個所にお
ける紫外線照度量Eを最も大きくさせることができ、E
0を示すことになる。このとき、処理タンク4の内壁面
の個所における紫外線照度はS0、水の通過時間はt0
を示すことになる。
【0020】次に、処理タンク4の内半径Rt、紫外線
ランプ5の外半径Rl、保護管6の外半径Rh、紫外線
ランプ5の出力に関する具体的な設計値を前述の(9)
式に代入して、処理タンク4の内壁面の個所における紫
外線照度量Eを算出することを説明する。なお、具体的
な設計値は以下に示すとおりである。 ・処理タンクの内半径Rt:1〜15cmの設定範囲 ・処理タンク内の長さL:10cmの一定値 ・保護管の外半径Rh:2〜4cmの設定範囲 ・紫外線ランプの外半径Rl:1cmの一定値 ・紫外線ランプの出力:約5Wの一定値 ・水の流量V:300cc/minの一定値 ・定数T:9.68(TOC30mg/Lを想定) ・処理タンクの内半径Rtの大きさに応じた紫外線照度
の実測値K/Rt2(K/X2に相当)〔紫外線照度の実
測値K/Rt2の実験データを図6に示す。〕 ・保護管(石英硝子)の紫外線透過率:約100%の一
定値
【0021】次に、前述の(9)式に具体的な設計値を
代入した場合の紫外線照度量Eを表す特性図を図7に示
す。図7において、紫外線ランプ5(外半径Rl:1c
m)を外半径が2cmである保護管6により収容した場
合は、処理タンク4の内半径Rtを7.5cmに設計し
たとき紫外線照度量Eが最高値1150(μW・S/c
2) を示している(図7中のAパターン)。また、外
半径が3cmである保護管6の場合は処理タンク4の内
半径Rtを8.5cmに設計したとき紫外線照度量Eが
最高値1050(μW・S/cm2) を示している(図
7中のBパターン)。さらに、外半径が4cmである保
護管6の場合は処理タンク4の内半径Rtを10cmに
設計したとき紫外線照度量Eが最高値940(μW・S
/cm2)を示している(図7中のCパターン)。
【0022】このように、紫外線照度量Eの値は処理タ
ンク4の内半径Rtの大きさ、保護管6の外半径Rhの
大きさに制約される。したがって、紫外線照度量Eが最
大値となるように保護管6の外半径Rhの大きさを考慮
した上で、処理タンク4の内半径Rtを(9)式に基づ
いて算出することが肝要である。なお、前述の設計値が
変更になった場合は、適宜その設計値を(9)式に代入
して紫外線照度量Eが最大値となるように処理タンク4
の内半径Rtを算出する。
【0023】次に、前述の(9)式において紫外線照度
量Eが最大値となるときの処理タンク4の内半径Rtを
正確に求める方法を説明する。(9)式をRtについて
整理し、(10)式を得る。 E={(π・K・L/V)・(1−Rh2/Rt2)・exp(−Rt/T)} ・β−−−−−−−−−(10) ここに、(π・K・L/V)=A(定数)と定義付けす
ると、(10)式は以下の(11)式となる。 E={A・(1−Rh2/Rt2)・exp(−Rt/T)}・β−−−−−− −−(11) そして、(11)式においてRt>Rhの範囲で紫外線
照度量Eが最大値となるときの処理タンク4の内半径R
tを精度良く求めれば良い。なお、解法としては数式解
法である。
【0024】次に、数式解法に基づいて前述の(11)
式における紫外線照度量Eの特性変化の傾き具合を調べ
るために、本式の両辺をRtで微分して以下に示す(1
2)式を得る。即ち、(12)式は紫外線照度量Eの特
性変化の傾きが零となる地点における処理タンク4の内
半径Rtを求めるための算出式である。 E′=−(A/T)・{exp(−Rt/T)/Rt3 }・(Rt3 ―Rh2 ・Rt−2・T・Rh2 )・β−−−−(12) そして、(12)式において(A/T)・{exp(−
Rt/T)/Rt3 )}・βは常に正の値となるから、
−(Rt3 −Rh2 ・Rt−2・T・Rh2 )の正・負
の符号を調べれば良い。 Rt=Rhのときは、E′=+2・T・Rh2 >0−−−−−(13) Rt=∞のときは、E′=−∞<0−−−−−−−−−−−−(14) 前述の(13),(14)式より、Rt>Rhの条件下
で紫外線照度量Eは極大値、即ち変曲点をもつことが分
かる。したがって、以下に示す(15)式を解くことに
より、紫外線照度量Eの最大値を確保できる処理タンク
4の内半径Rtを精度良く求めることができる。 Rt3 ―Rh2 ・Rt−2・T・Rh2 =0(Rt>Rh)−−−(15)
【0025】以上のように、処理タンク4内の導入経路
7を水が通過する過程で、水に含まれる微生物に対して
の紫外線照度量Eが最小となる個所、即ち処理タンク4
の内壁面を沿って水が通過する個所での紫外線照度量E
を出来る限り最大値となるように処理タンク4の大きさ
を適切に設計することができる。
【0026】また、処理タンク4の適正な内半径Rt、
即ち適正な有効容積を決めた紫外線殺菌装置は水に含ま
れる微生物の他に、例えば紫外線殺菌装置の入口部2よ
り汚れた空気を導入することにより空気中に含まれる微
生物を大量に死滅させることも可能である。このこと
は、実施の形態2でも同様である。
【0027】実施の形態2.図8は、実施の形態2にお
ける紫外線殺菌装置の処理タンクの適正な有効容積を決
める方法を説明するために用いる、従来相当の紫外線殺
菌装置を示す概断面図である。図8において、紫外線ラ
ンプ5を収容する保護管を具備せず、その他は従来例あ
るいは実施の形態1と同一である。ここでは、保護管を
具備しないために紫外線の微生物に対しての殺菌作用を
決定する処理タンク4の内壁面における紫外線照度量E
は、以下の(16)式より算出できる。 E=(K/Rt2 )・exp(−Rt/T)・π・(Rt2 −Rl2 )・L/ V−−−−−−−(16) 前述の(16)式において、各記号の説明は実施の形態
1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0028】また、前述の(16)式に実施の形態1で
記述した具体的な設計値(0020を参照)を代入した
場合の紫外線照度量Eを表す特性図を、図9に示す。図
9において、処理タンク4の内半径Rtを7cmに設計
したとき、紫外線照度量Eが最高値1220(μW・S
/cm2)を示す(図9中のAパターン)。こうした処
理タンク4の設計方法を実現化することにより、実施の
形態1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
【発明の効果】この発明に係る紫外線殺菌装置は、一端
に水あるいは空気の入口部を有し他端にその出口部を有
する円筒状の処理タンクと、処理タンクの概中央部であ
ってその長手方向に配設された紫外線ランプと、紫外線
ランプの外周を覆う保護管とを備えた紫外線殺菌装置に
おいて、処理タンクの内半径Rtを処理タンク内の長さ
L、保護管の外半径Rh、紫外線ランプからの乖離距離
に準じる紫外線照度α及びその減衰定数T、水あるいは
空気の流量V、保護管の紫外線透過率βの各要因に基づ
いて決定したので、水あるいは空気が処理タンクの内壁
面を沿って通過する個所における紫外線照度量Eを出来
る限り最大値となるように、処理タンクの大きさを適切
に設計することができる。したがって、水あるいは空気
に含まれる微生物を紫外線の殺菌作用で効率良く死滅さ
せることができる紫外線殺菌装置が得られる。
【0030】また、処理タンクの内半径Rtは処理タン
クの内壁面の個所における紫外線照度量Eを、E={α
・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rh2)・L/
V}・βの演算式により求めて、紫外線照度量Eの値が
最大となるときの内半径Rtを決定したので、処理タン
クの有効容積を小さくした上で処理タンクの内壁面の個
所における紫外線照度量Eを最大値に設定できる。これ
により、処理タンクの大きさがコンパクトであって、か
つ微生物に対する殺菌効果の高い紫外線殺菌装置が得ら
れる。
【0031】また、一端に水あるいは空気の入口部を有
し他端にその出口部を有する円筒状の処理タンクと、処
理タンクの概中央部であってその長手方向に配設された
紫外線ランプとを備えた紫外線殺菌装置において、処理
タンクの内半径Rtを処理タンク内の長さL、紫外線ラ
ンプの外半径Rl、紫外線ランプからの乖離距離に準じ
る紫外線照度α及びその減衰定数T、水あるいは空気の
流量Vの各要因に基づいて決定したので、水あるいは空
気が処理タンクの内壁面を沿って通過する個所における
紫外線照度量Eを出来る限り最大値となるように、処理
タンクの大きさを適切に設計することができる。したが
って、紫外線の殺菌効果が十分に期待できる紫外線殺菌
装置が得られる。
【0032】また、処理タンクの内半径Rtは処理タン
クの内壁面の個所における紫外線照度量Eを、E={α
・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rl2)・L/
V}の演算式により求めて、紫外線照度量Eの値が最大
となるときの内半径Rtを決定したので、処理タンクの
有効容積を出来る限り小さくした上で処理タンクの内壁
面の個所における紫外線照度量Eを最大値に設定でき
る。これにより、処理タンクの大きさが非常にコンパク
トであって、かつ微生物に対する殺菌効果の高い紫外線
殺菌装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1における紫外線殺菌装置を示す
概略構造図である。
【図2】 紫外線ランプの中心部からの乖離距離と紫外
線照度との関係を表す特性図である。
【図3】 紫外線ランプの中心部からの乖離距離と紫外
線照度相対値との関係を表す特性図である。
【図4】 処理タンクの内半径と水の通過時間との関係
を表す特性図である。
【図5】 処理タンクの内半径に対する紫外線照度量、
紫外線照度、紫外線照射時間の関係を表す特性図であ
る。
【図6】 処理タンクの内半径に対する紫外線照度の実
測値を示す一覧図である。
【図7】 実施の形態1における処理タンクの内半径と
紫外線照度量との関係を表す特性図である。
【図8】 実施の形態2における紫外線殺菌装置を示す
概略構造図である。
【図9】 実施の形態2における処理タンクの内半径と
紫外線照度量との関係を表す特性図である。
【図10】 従来の紫外線殺菌装置を示す概略構造図で
ある。
【符号の説明】
1 筐体、2 入口部、3 出口部、4 処理タンク、
5 紫外線ランプ、6保護管、7 導入経路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤崎 克己 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 守川 彰 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 高橋 光孝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に水あるいは空気の入口部を有し他
    端にその出口部を有する円筒状の処理タンクと、この処
    理タンクの概中央部であってその長手方向に配設された
    紫外線ランプと、この紫外線ランプの外周を覆う保護管
    とを備えた紫外線殺菌装置において、前記処理タンクの
    内半径Rtを処理タンク内の長さL、保護管の外半径R
    h、紫外線ランプからの乖離距離に準じる紫外線照度α
    及びその減衰定数T、水あるいは空気の流量V、保護管
    の紫外線透過率βの各要因に基づいて決定したことを特
    徴とする紫外線殺菌装置。
  2. 【請求項2】 前記処理タンクの内半径Rtは、処理タ
    ンクの内壁面の個所における紫外線照度量Eを、E=
    {α・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rh2)・
    L/V}・βの演算式により求めて、前記紫外線照度量
    Eの値が最大となるときの内半径Rtを決定したことを
    特徴とする請求項1記載の紫外線殺菌装置。
  3. 【請求項3】 一端に水あるいは空気の入口部を有し他
    端にその出口部を有する円筒状の処理タンクと、この処
    理タンクの概中央部であってその長手方向に配設された
    紫外線ランプとを備えた紫外線殺菌装置において、前記
    処理タンクの内半径Rtを処理タンク内の長さL、紫外
    線ランプの外半径Rl、紫外線ランプからの乖離距離に
    準じる紫外線照度α及びその減衰定数T、水あるいは空
    気の流量Vの各要因に基づいて決定したことを特徴とす
    る紫外線殺菌装置。
  4. 【請求項4】 前記処理タンクの内半径Rtは、処理タ
    ンクの内壁面の個所における紫外線照度量Eを、E=
    {α・exp(−Rt/T)・π・(Rt2―Rl2)・
    L/V}の演算式により求めて、前記紫外線照度量Eの
    値が最大となるときの内半径Rtを決定したことを特徴
    とする請求項3記載の紫外線殺菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015062902A (ja) * 2014-11-18 2015-04-09 岩崎電気株式会社 液体殺菌方法及び液体殺菌装置
WO2019059205A1 (ja) * 2017-09-25 2019-03-28 株式会社日本フォトサイエンス Ledから放射される紫外線の照度算出方法及びプログラム
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