JPH11319102A - カテーテル用賦型バルーンの製造方法 - Google Patents

カテーテル用賦型バルーンの製造方法

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JPH11319102A
JPH11319102A JP10127112A JP12711298A JPH11319102A JP H11319102 A JPH11319102 A JP H11319102A JP 10127112 A JP10127112 A JP 10127112A JP 12711298 A JP12711298 A JP 12711298A JP H11319102 A JPH11319102 A JP H11319102A
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male
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Zenji Yamazaki
善治 山崎
Michiharu Shioda
道治 塩田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】厚みが均一で形状の歪みの無いカテーテル用賦
型バルーンを歩留りよく製造する。 【解決手段】本発明のカテーテル用賦型バルーンの製法
は、ワックスからなる雄型4の表面にディッピング製膜
方式でバルーン用のポリウレタン樹脂膜7を複数回にわ
けて積層形成した後、ポリウレタン製の熱可塑性樹脂膜
7の融点未満の温度で雄型4を溶融液化してポリウレタ
ン樹脂膜7から雄型4を取り除く構成となっており、熱
可塑性樹脂膜7に外力が加わらないかたちで雄型4を取
り除けるので、厚みの均一な形状歪みのない賦型バルー
ンが歩留りよく得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カテーテル用賦型
バルーンの製造方法に関し、雄型の表面にバルーンを成
形した後、バルーンの内側の雄型を取り除くための技術
に関する。
【0002】
【従来の技術】賦型バルーン付きカテーテルは、カテー
テルの先端側に、図9に示すような賦型バルーンを備え
ており、カテーテルの先を賦型バルーンごと血管に挿入
してゆき、賦型バルーンで血管内の閉塞部を開口した
り、狭窄部を拡げたり、あるいは、血管の病変部を人工
血管によって修復する際に人工血管の端部表面を内側か
ら血管内壁面の正常部に押し付けたりするのに使われ
る。この賦型バルーンは、図9に示すように、閉塞部の
開口や狭窄部の拡張の際に出来るだけ圧力を均一に加え
られるように、略俵状のかたちをした胴体筒部1を有す
るとともに、カテーテルの外径と略等しくて先端に開口
3を持つ細首状管部2が胴体筒部1の両端の各々に接続
された中空パーツである。
【0003】従来、賦型バルーンの製造はブロー成形方
式によるか、あるいは、ディッピング製膜方式によって
行われている。ブロー成形方式は、バルーン材料用のパ
イプ状熱可塑性樹脂を加熱して柔らかくして膨らませる
ながら必要な形付けを行うという方式であり、大量生産
向きではあっても、厚みや形状のコントロールが難しい
ので、カテーテル用賦型バルーンのように、厚みの均一
性や形状の正確さが必要であって少量生産の場合、ディ
ッピング製膜方式が適当である。
【0004】ディッピング製膜方式の場合、バルーンの
賦型形状に対応する外形を有する雄型を、バルーン材料
用の熱可塑性樹脂を有機溶媒で溶解した樹脂溶解溶液に
浸漬した後、引き上げて乾燥処理することにより雄型の
表面にバルーン用熱可塑性樹脂膜を形成し、その後、熱
可塑性樹脂膜から雄型を強制的に引き抜くという方式で
ある。むろん残った熱可塑性樹脂膜が賦型バルーンとな
る。ただ、胴体筒部1に対応する雄型の径は細首状管部
2の径より遙かに太いので、樹脂膜のバルーン中に含ま
れる有機溶媒が5重量%以上残っているブヨブヨした半
乾き状態の時に雄型を引き抜くか、あるいは、樹脂膜を
乾燥した後にこれを可塑化溶液に浸漬して再びブヨブヨ
した可塑化状態に戻しておいて、雄型を引き抜くかして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のディッピング製膜方式による賦型バルーンの製造
方法は、次のような問題がある。ひとつは、歩留りが悪
いことである。雄型を引き抜く際に細首状管部2のとこ
ろが破れ易い。胴体筒部1と細首状管部2の内径比が3
以上になると特に破れが生じ易い。もうひとつは、厚み
の不均一や形状歪みを生じやすいことである。バルーン
全体を均一に半乾き状態となるようにすることは難し
く、雄型を引き抜く際に厚みムラが生じたり、乾燥した
バルーン用樹脂膜を柔軟性が十分な状態まで可塑化する
ことは中々に難しく、雄型を引き抜く際に樹脂膜の変形
が生じたりするからである。特に、樹脂濃度の濃い樹脂
溶解溶液を用いて厚いバルーンを製造する場合には、厚
みムラや樹脂膜の変形が起こり易くなる。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、厚みが厚い
場合であっても、厚みが均一で形状の歪みの無いカテー
テル用賦型バルーンを歩留りよく製造することのできる
方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
め、本発明に係るカテーテル用賦型バルーンの製造方法
は、カテーテル用賦型バルーンの賦型形状に対応した外
形を有するとともにバルーン材料より融点が低い材料か
らなる雄型を、バルーン材料用の熱可塑性樹脂を有機溶
媒で溶解した樹脂溶解溶液に浸漬する雄型浸漬工程と、
樹脂溶解溶液に浸漬した雄型を引き上げる雄型引き上げ
工程と、樹脂溶解溶液から引き上げた雄型を乾燥処理し
雄型の表面にバルーン用熱可塑性樹脂膜を形成する乾燥
処理工程と、雄型浸漬工程から乾燥処理工程までの工程
を複数回繰り返した後、バルーン材料の融点より低い温
度で雄型を溶解させて熱可塑性樹脂膜から雄型を取り除
く雄型除去工程と、を備えている。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
のカテーテル用賦型バルーンの製造方法において、バル
ーン材料用の熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂であり、
雄型用の材料がワックスである。
【0009】
【作用】次に、本発明のカテーテル用賦型バルーンの製
造方法(以下、適宜「バルーンの製造方法」と略記)に
より賦型バルーンを得る際の作用について説明する。先
ず、雄型浸漬工程では、賦型形状に対応した外形を有す
るとともにバルーン材料より融点が低い材料からなる雄
型をバルーン材料用の熱可塑性樹脂を有機溶媒で溶解し
た樹脂溶解溶液に浸漬した後、次の雄型引き上げ工程で
樹脂溶解溶液に浸漬した雄型を引き上げ、続く乾燥処理
工程で雄型を乾燥処理する。そうすると、雄型の表面全
体にバルーン用熱可塑性樹脂膜が1層分形成された状態
となる。本発明ではディッピン製膜方式で賦型バルーン
を得ることになる。
【0010】上記の雄型浸漬工程から乾燥処理工程まで
の工程が所定回数だけ繰り返し行われる。勿論、雄型浸
漬工程から乾燥処理工程までの工程が繰り返されるごと
に、雄型の表面の熱可塑性樹脂膜の層数は1つ増すか
ら、雄型の表面全体は少なくとも2層以上のバルーン用
熱可塑性樹脂膜で覆われた状態となる。ディッピング製
膜方式による熱可塑性樹脂膜の形成が終われば、バルー
ン材料の融点より低い温度で雄型を溶解させて熱可塑性
樹脂膜から雄型を取り除く。雄型が取り除かれれば、雄
型がカテーテル用賦型バルーンの賦型形状に対応した外
形であったから、残された熱可塑性樹脂膜は必要な賦型
形状を有するカテーテル用賦型バルーンとなっている。
【0011】本発明では、雄型を溶融液化して流し出す
という賦型バルーン用の熱可塑性樹脂膜に実質的に外力
が加わらないかたちで雄型を取り除くので、従来のよう
に、半乾き状態や可塑化状態で雄型を無理やり引き抜く
際に生じてしまう破れや厚みムラあるいは樹脂膜の変形
が本発明では起こらない。
【0012】それに、賦型バルーン用の熱可塑性樹脂膜
を複数回に分けて形成するので、厚みの厚いバルーンを
製造する場合でも、一度に厚い熱可塑性樹脂膜を形成す
る必要がなくなり、厚みが均一で形状歪みのない状態の
賦型バルーンを得ることができる。最初の1回目のディ
ッピング製膜過程では、雄型を引き上げた後、重力で樹
脂溶解溶液が下にたれてゆくので上側の膜厚みが下側の
膜厚みより薄くなる傾向があるが、次のディッピング製
膜過程で雄型の上下を反転させて浸漬すれば、上側の膜
厚みと下側の膜厚みが平均化されて均一になる。このよ
うに、ディッピング製膜過程で雄型の上下を交互に反転
させる単純な操作により、雄型の表面全体に形成される
熱可塑性樹脂膜の均一化が図れるのである。また、膜厚
みが余り厚いと乾燥処理工程での有機溶媒の飛散ムラが
生じ樹脂膜の厚みムラの原因となるが、本発明では一度
に厚い熱可塑性樹脂膜を形成する必要はないので、乾燥
処理工程での有機溶媒の飛散ムラも自ずと解消される。
【0013】請求項2の賦型バルーンの製造方法では、
バルーン材料用の熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂であ
り、雄型用の材料がワックスであるので、バルーン用の
熱可塑性樹脂膜形成後、雄型を溶融液化して取り除く
際、ポリウレタン樹脂の融点とワックスの融点が十分に
離れているので、熱可塑性樹脂膜に熱劣化や熱変形が確
実に生じない低い温度で雄型の溶融液化を行うことがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】続いて、本発明の賦型バルーンの
製造方法の実施形態を図面を参照しながら説明する。図
1は実施形態に係る製造方法の全工程を示すフローチャ
ート、図2は実施形態で用いる雄型の構成を示す斜視
図、図3は雄型の構成を示す断面図である。先ず、雄型
形成工程において、図2および図3に示すように、製造
すべき賦型バルーンの賦型形状に対応した外形を有する
と雄型4をバルーン材料より融点が低いワックス(蝋)
で作成する。雄型4の材料として使われるワックスの融
点は68〜78℃程度である。具体的には、雄型4の形
状に対応した鋳型を有する雌型(図示省略)に溶融した
ワックスを流し込み成形することになる。
【0015】図2の雄型4は、賦型バルーンの胴体筒部
1にあたる太径円柱部5と賦型バルーンの細首状管部2
にあたる小径円柱部6とを備えているとともに、太径円
柱部5と小径円柱部6の間に小径円柱部6に近づくに従
って径が連続的に小さくなる接続管部5aを備えてい
る。この雄型4の場合、図3に示すように、太径円柱部
5の径D1は15〜45mm前後が例示され、長さL1
は20〜40mm前後,小径円柱部6との接続部分の長
さL2は10mm前後がそれぞれ例示される。また、小
径円柱部6の径D2は1.5〜4mm前後が例示され、
長さL3は15〜30mm前後が例示される。
【0016】次に、離型剤付与工程において、雄型4の
表面全体に離型剤を付与する。離型剤を分散した溶液に
雄型4を浸漬して速やかに引き上げ、乾燥処理するので
ある。離型剤としては、シリコーンが例示される。乾燥
処理は、偏りのない乾燥処理が行える回転乾燥機を用い
るのが好ましいが、離型剤付与工程の乾燥処理にはドラ
イ乾燥機を用いてもよい。乾燥温度は50℃前後が例示
され、乾燥時間は5分前後が例示される。
【0017】続いて、雄型浸漬工程において、離型剤を
付与した雄型4を、図4に矢印RAで示すように、軸方
向が鉛直方向に向いた縦姿勢でバルーン材料用の熱可塑
性樹脂を有機溶媒で溶解した樹脂溶解溶液Qに浸漬す
る。熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂やポリ塩
化ビニル樹脂などが例示され、有機溶媒としては、ジメ
チルアセトアミド(DMAC)などが例示される。ま
た、樹脂溶解溶液Qにおける熱可塑性樹脂の濃度として
は15重量%程度が例示される。
【0018】樹脂溶解溶液Qの中に浸漬された雄型4
は、続く雄型引き上げ工程で、図4に矢印RBで示すよ
うに、樹脂溶解溶液Qから速やかに引き上げられる。も
ちろん引き上げられた雄型4は表面全体が樹脂溶解溶液
Qで薄く覆われている状態となっている。雄型4は樹脂
溶解溶液Qの中に長時間浸漬しておく必要はなく、短時
間浸漬するだけで十分である。
【0019】ついで、乾燥処理工程において、樹脂溶解
溶液Qから引き上げられた雄型4を乾燥処理し有機溶媒
を飛ばして雄型4の表面にバルーン用の熱可塑性樹脂膜
を形成する。乾燥処理は偏りのない乾燥処理が行える回
転乾燥機を用いるのが好ましい。回転乾燥機の場合、図
5に示すように、円環軌道CAに縦姿勢でセットされた
雄型4は自転させられながら、円環軌道CAに沿って公
転されられると同時に、矢印RCで示すように、側方か
ら熱風を受けて万遍なく乾燥されることになる。また、
普通、円環軌道CAに沿って多数個の雄型4を等間隔で
並べ、多数個の雄型4を同時に乾燥処理する。乾燥温度
は45〜60℃前後が例示され、乾燥時間は30〜40
分前後が例示される。こうして、乾燥処理が終われば、
図6に示すように、雄型4の表面に賦型バルーン用の熱
可塑性樹脂膜7が1層形成されたことになる。したがっ
て、本発明ではディッピン製膜方式でバルーン用の熱可
塑性樹脂膜7を形成していることになる。
【0020】さらに、反復処理工程で上記の雄型浸漬工
程から乾燥処理工程までの工程を所定回数繰り返す。通
常の繰り返し回数は3〜5回程度が例示される。反復処
理工程における1回の繰り返し処理により、雄型4の表
面に賦型バルーン用の熱可塑性樹脂膜7がもう1層積層
形成される。なお、各繰り返し処理では、雄型4の上下
を交互に反転させて浸漬する。これにより、重力による
樹脂溶解溶液のたれに起因する熱可塑性樹脂膜7の厚み
ムラを防止することができる。
【0021】こうして、賦型バルーン用の熱可塑性樹脂
膜7の形成が終われば、次の雄型除去工程において、図
7に示すように、雄型4の両端側の各小径円柱部6の先
端を熱可塑性樹脂膜7ごと切除してから、縦姿勢でオー
ブン(図示省略)に入れ、バルーン材料である熱可塑性
樹脂膜7の融点より低い温度で雄型4を溶融液化し、液
化した雄型4を開口3から徐々に流し出すことにより、
熱可塑性樹脂膜7から雄型4を取り除く。下側の接続管
部5aでも下に向かうほど径が連続的に小さくなってお
り、液化した雄型4は接続管部5aに溜まって止まるこ
となく速やかに開口3へ導かれて出てゆく。雄型4の溶
融温度は70〜80℃前後が例示され、溶融液化した雄
型4を流し出すのに必要な時間は30分前後が例示され
る。
【0022】最後に、離型剤除去工程において、雄型4
を取り除いた熱可塑性樹脂膜7を洗浄液に浸漬し、残留
した離型剤などを取り除くと、図8に示すように、カテ
ーテル用賦型バルーンが出来上がる。なお、雄型4の接
続管部5aにあたるところは、胴体筒部1と細首状管部
2の間に細首状管部2に近づくに従って径が連続的に小
さくなる接続筒部1aとなっている。
【0023】続いて、以上に説明した実施形態に即して
賦型バルーンを具体的に製造する実施例を説明する。 〔実施例1〕先ず、雄型形成工程では、75℃の温度で
溶融液化したワックスを雌型に流し込んで成形し雄型4
を得た。この雄型4は、太径円柱部5の径D1が35m
m、長さL1が30mm前後,長さL2が10mmであ
り、小径円柱部6の径D2が3mm、長さL3が15m
mであった。次の離型剤付与工程では、離型剤としてシ
リコーンを分散した溶液に雄型4を浸漬して引き上げ、
回転乾燥機を用いて乾燥温度50℃,乾燥時間5分の条
件で乾燥処理を行った。
【0024】続いて、雄型浸漬工程において、雄型4を
縦姿勢でポリウレタン樹脂をジメチルアセトアミド(D
MAC)で溶解した樹脂溶解溶液Qに浸漬した。樹脂溶
解溶液Qにおけるポリウレタン樹脂の濃度は14重量%
であり、粘度は3000cpである。樹脂溶解溶液Qの
中に浸漬した雄型4は、続く雄型引き上げ工程で樹脂溶
解溶液Qから速やかに引き上げられ、ついで乾燥処理工
程において、樹脂溶解溶液Qから引き上げられた雄型4
を、回転乾燥機を用いて乾燥温度50℃,乾燥時間30
分の条件で乾燥処理した。
【0025】さらに、反復処理工程で先の雄型浸漬工程
から乾燥処理工程までの工程を4回繰り返し、ポリウレ
タン樹脂からなるバルーン用樹脂膜を合計5層分、雄型
4の表面に積層形成した。なお、各繰り返し処理では雄
型4の上下を交互に反転させて樹脂溶解溶液Qに浸漬す
るようにした。そして、次の雄型除去工程において、雄
型4の各小径円柱部6の先端を5mmだけ熱可塑性樹脂
膜7ごと切除してからオーブンに入れ、75℃の温度で
雄型4を溶融液化して開口3から30分ほどかけて徐々
に流し出した後、最後の離型剤除去工程で熱可塑性樹脂
膜7をエタノールに浸漬し、残留したシリコーンを取り
除きカテーテル用賦型バルーンを得た。
【0026】以上のようにして得られた実施例1の賦型
バルーンの厚みは140μmであり、もちろん破れや樹
脂膜の厚みムラあるいは形状歪みは生じていなかった。
【0027】〔実施例2〕実施例2の製造方法では、以
下の点が実施例1と異なる他は実施例1と同様にして賦
型バルーンを得た。すなわち、雄型形成工程のワックス
の溶融液化温度が72℃であり、雄型4の太径円柱部5
の径D1が40mmであって、離型剤付与工程ではドラ
イ乾燥機を用いて乾燥温度45℃の条件で乾燥処理を行
った。また、樹脂溶解溶液Qにおけるポリウレタン樹脂
の濃度を13重量%とし、乾燥処理工程では乾燥温度を
45℃,乾燥時間40分の条件で乾燥処理を行った。
【0028】さらに、反復処理工程での繰り返し回数を
5回とし、ポリウレタン樹脂からなるバルーン用樹脂膜
を合計6層分、雄型4の表面に積層形成した。また、次
の雄型除去工程では、雄型4の溶融液化温度を72℃と
した。以上のようにして得られた実施例2の賦型バルー
ンの厚みは160μmであり、もちろん破れや樹脂膜の
厚みムラあるいは形状歪みは生じていなかった。
【0029】本発明は、上記実施の形態に限られること
はなく、下記のように変形実施することができる。 (1)実施形態の製造方法では、離型剤付与工程および
離型剤除去工程が必要であったが、離型剤を使わなくて
も済む熱可塑性樹脂を用いる場合には、離型剤付与工程
および離型剤除去工程は不要である。
【0030】(2)本発明の製造方法では、バルーンあ
るいは雄型の形状・寸法や寸法ないし材料,また各工程
で使われる機器や薬品さらには各種処理条件は上記に例
示したものに限らないことは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】請求項1の発明のカテーテル用賦型バル
ーンの製造方法によれば、雄型を溶融液化して流し出し
てバルーン用の熱可塑性樹脂膜に外力が加わらないかた
ちで雄型を取り除く結果、雄型除去に伴う破れや厚みム
ラあるいは膜変形形状歪みを生じる恐れがなくなり、厚
みの均一な形状歪みのない賦型バルーンを歩留りよく得
ることができるのに加え、バルーン用の熱可塑性樹脂膜
は複数回に分けて形成されており、厚みの厚い賦型バル
ーンを製造する場合であっても、一度に厚い熱可塑性樹
脂膜を形成する必要はないので、厚みが均一で形状歪み
のないバルーンを得ることができる。
【0032】請求項2の発明のカテーテル用賦型バルー
ンの製造方法によれば、バルーン材料用のポリウレタン
樹脂の融点と雄型用材料のワックスの融点の差が十分で
あるので、熱可塑性樹脂膜に熱劣化や熱変形が確実に生
じない低い温度で雄型の溶融液化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の製造方法の全工程を示すフローチャ
ートである。
【図2】実施形態で用いる雄型の構成を示す斜視図であ
る。
【図3】実施形態で用いる雄型の構成を示す断面図であ
る。
【図4】実施形態での雄型浸漬工程および雄型引き上げ
工程を示す模式図である。
【図5】実施形態で用いる回転乾燥機での乾燥処理状況
を示す概略平面図である。
【図6】実施形態の最初の乾燥処理工程後の樹脂膜形成
状態を示す断面図である。
【図7】実施形態における雄型除去工程の直前の状態を
示す断面図である。
【図8】実施形態の製造方法で得た賦型バルーンを一部
破断して示す平面図である。
【図9】従来の賦型バルーンの構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 …胴体筒部 2 …細首状管部 3 …開口 4 …雄型 7 …熱可塑性樹脂膜 Q …樹脂溶解溶液

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カテーテル用賦型バルーンの賦型形状に
    対応した外形を有するとともにバルーン材料より融点が
    低い材料からなる雄型を、バルーン材料用の熱可塑性樹
    脂を有機溶媒で溶解した樹脂溶解溶液に浸漬する雄型浸
    漬工程と、 樹脂溶解溶液に浸漬した雄型を引き上げる雄型引き上げ
    工程と、 樹脂溶解溶液から引き上げた雄型を乾燥処理し雄型の表
    面にバルーン用熱可塑性樹脂膜を形成する乾燥処理工程
    と、 雄型浸漬工程から乾燥処理工程までの工程を複数回繰り
    返した後、バルーン材料の融点より低い温度で雄型を溶
    解させて熱可塑性樹脂膜から雄型を取り除く雄型除去工
    程とを備えていることを特徴とするカテーテル用賦型バ
    ルーンの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカテーテル用賦型バル
    ーンの製造方法において、バルーン材料用の熱可塑性樹
    脂がポリウレタン樹脂であり、雄型用の材料がワックス
    であるカテーテル用賦型バルーンの製造方法。
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