JPH11318860A - 酸素消費量計 - Google Patents

酸素消費量計

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JPH11318860A
JPH11318860A JP10138645A JP13864598A JPH11318860A JP H11318860 A JPH11318860 A JP H11318860A JP 10138645 A JP10138645 A JP 10138645A JP 13864598 A JP13864598 A JP 13864598A JP H11318860 A JPH11318860 A JP H11318860A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素センサを使用せずに、酸素消費量を測定
できる新たな酸素消費量計を得ること。 【解決手段】 吸気流量と呼気流量と呼気中の二酸化炭
素濃度とを測定し、これらの値によって、血液中に取り
込まれる酸素等を計測するものであり、呼気流量(Qo)
と吸気流量(Qi)が、呼気・吸気両用流量計21によっ
て測定されて、その値が前記演算器7に入力される。一
方、呼気の一部が、呼気バイパス流路3を流れて前記二
酸化炭素濃度検出部5に流入して、その二酸化炭素セン
サ(CO2センサ)51によって、呼気中の二酸化炭素濃
度(ρo(CO2))が測定され、その値が前記演算器7に
入力され、この演算器7で、血液中に取り込まれる酸素
量(Qm)、つまり酸素消費量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素消費量計に係
るもので、特に、酸素センサを使用せずに、酸素消費量
を測定できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】酸素消費量計の測定値は種々あり、例え
ば、呼気流量、二酸化炭素量、呼吸回数などがあるが、
最も知りたい数値は血液中に取り込まれる酸素量であ
る。現状の酸素消費量計の概略の構成を図1に示す。こ
の図において、符号1はマスク、2は呼気および吸気の
流路、3は呼気バイパス流路、4は酸素濃度検出部、5
は二酸化炭素濃度検出部、6は吸入ポンプ、7は演算器
である。前記呼気・吸気流路2には呼気流量計21が内
蔵され、前記酸素濃度検出部4には酸素センサ(O2セン
サ)41が内蔵され、前記二酸化炭素濃度検出部5には
二酸化炭素センサ(CO2センサ)51が内蔵されてお
り、これらセンサ21,41,51は呼気ガスの測定に使
用されるようになっている。
【0003】さて、血液中に取り込まれる酸素量Qmは
吸気流量をQi、呼気流量をQo、また、吸気の酸素濃
度をρi(O2)、呼気の酸素濃度をρo(O2)とする
と、 Qm=Qi×ρi(O2)−Qo×ρo(O2)……(1) となる。吸気中の窒素濃度をρi(N2)、酸素濃度をρ
i(O2)とし、他の成分を無視すると、 ρi(N2)+ρi(O2)=1……(2) となる。呼気中の窒素濃度をρo(N2)、酸素濃度をρ
o(O2)、二酸化炭素濃度をρo(CO2)とし、蒸気など
の他の成分を無視すると、 ρo(N2)+ρo(O2)+ρo(CO2)=1……(3) となる。吸気される窒素量と呼気される窒素量は変化し
ないことから、 Qi×ρi(N2)=Qo×ρo(N2)……(4) となる。ここで、(4)式より、 Qi=Qo×ρo(N2)/ρi(N2)……(5) となり、また、(2)と(3)式より、 ρi(N2)=1−ρi(O2)、ρo(N2)=1−[ρo(O2)+ρo(CO2)]…(6 ) となる。(1)式に(5)、(6)式を代入すると、 Qm=Qo[{ρi(O2)(1−ρo(CO2)−ρo(O2)}/(1−ρi(O2)) −ρo(O2)]……(7) となる。
【0004】(7)式の右辺において、吸気の酸素濃度
(ρi(O2))は20.9%と既知であることから、呼
気の流量(Qo)、呼気の二酸化炭素濃度(ρo(CO2))
と、呼気の酸素濃度(ρo(O2))が測定されれば、Qm
が求まる。すなわち、呼気だけに着目して計測を行なえ
ばよく、吸気に関しては測定しなくてもよいことにな
る。なお、図1は基本構成例を示したもので、実際に
は、除湿器などが付加されている。また、呼気バイパス
流路3は呼気時の呼気流量計21の出口に設けられ、呼
気信号により、吸入ポンプ6が起動し、呼気流の一部を
吸い込むように構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
酸素消費量計における最大の問題点は、前記酸素センサ
41にある。特に、携帯用の酸素消費量計においては、
小型、軽量低消費電力、振動特性などが要求されること
から、ジルコニア式、磁気式などは使用が困難となり、
現状ではガルバニ電池のような化学センサが使用されて
いる。この方式では、電解液とガス透過膜が使用され、
電解液中における、酸化、還元による電子の移動に伴う
電流を計測している。
【0006】このような酸素センサとしての化学センサ
の欠点は、電解液の劣化や消失があることから、感度の
長期安定性に乏しいことにある。また、化学センサに限
らず酸素センサ一般にガス濃度変化に対する応答が遅い
ことにある。このため、酸素センサにおいては、測定開
始時に既知の酸素濃度ガスでの感度補正が必要となり、
また、有効期限も数ヶ月になっている。さらに、ガス濃
度に対する応答をたかめるには透過膜を薄くするなどの
工夫が必要となるが、構造原理から2〜3秒が現状では
限界となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
従来の酸素消費量計における最大の問題点となっている
酸素センサを使用せずに、酸素消費量を測定できる新た
な酸素消費量計を得るべく、鋭意検討した結果、以下の
知見を得るに至った。従来技術の説明において、前記
(2)、(3)式より ρi(O2)=1−ρi(N2)……(8) ρo(O2)=1−ρo(N2)−ρo(CO2)……(9) となる。(8)式、(9)式を(1)式に代入すると Qm=Qi×(1−ρi(N2))−Qo×(1−ρo(N2)−ρo(CO2))… ……(10) ここで、(10)式に(4)式を代入すると、 Qm=Qi−Qo(1−ρo(CO2))……(11) となる。(11)式の右辺には酸素濃度測定値はなく、
吸気流量(Qi)と呼気流量(Qo)と呼気中の二酸化炭素
濃度(ρo(CO2))から血液中に取り込まれる酸素量(Q
m)が求まる。
【0008】なお、呼気の酸素濃度も(3)、(4)式
から ρo(O2)=1−ρo(N2)−ρo(CO2) =1−Qi×ρi(N2)/Qo−ρo(CO2)……(12) となる。ここでρi(N2)は大気中の窒素濃度で既知で
あり、Qi、Qo、ρo(CO2)は測定値であることか
ら、呼気の酸素濃度(ρo(O2))は求まる。
【0009】本発明は、血液中に取り込まれる酸素量
は、吸気流量と呼気流量と呼気中の二酸化炭素濃度とか
ら求めることができるという上記知見に基づいてなされ
たもので、請求項1の酸素消費量計は、吸気流量と呼気
流量と呼気中の二酸化炭素濃度とを測定し、これらの値
によって、血液中に取り込まれる酸素等を計測するもの
である。以上の説明では、(2)、(3)式で吸気中の蒸
気、アルゴン、二酸化炭素や、呼気中の蒸気などを無視
してきたが、これらの成分を既知量として考慮してもよ
いことは明らかである。
【0010】ここで、前記吸気流量と呼気流量とを測定
するには、例えば、吸気と呼気の2方向の流量を測定で
きる呼気・吸気両用流量計を用いて測定し、二酸化炭素
濃度は二酸化炭素センサ(CO2センサ)が内蔵された二
酸化炭素濃度検出部によって測定する。また、血液中に
取り込まれる酸素を計測するには、例えば、前記呼気・
吸気両用流量計と二酸化炭素濃度検出部を接続した演算
器で行う。この演算器では、前記(11)式の演算を行う
ことで、血液中に取り込まれる酸素を計測することがで
きる。
【0011】請求項1の酸素消費量計においては、酸素
濃度を測定する必要がない、つまり酸素センサを必要と
しないので、長期の安定性が確保される。また、酸素セ
ンサがないことから、酸素センサの交換が不要となり、
メインテナンス性が向上する。さらに、応答速度の遅い
酸素センサがなくなることから、酸素消費量計の応答速
度が格段に速くなる。
【0012】請求項2の酸素消費量計は、請求項1にお
いて、吸気流量と呼気流量を計測する流量計を、超音波
流量計としたものである。請求項3の酸素消費量計は、
請求項1において、吸気流量と呼気流量を計測する流量
計を、渦流量計としたものである。
【0013】請求項4の酸素消費量計は、請求項2にお
いて、前記超音波流量計の呼吸気の流路の一部をU字に
構成し、その端部に1組の超音波送受信器を対峙させ、
呼気状態および吸気状態におけるそれぞれの超音波伝播
時間の変化を検出し、これらの値によって、呼気流量と
吸気流量とを求めるようにしたものである。請求項5の
酸素消費量計は、請求項2において、前記超音波流量計
が、1個の送信器と2個の受信器を備え、前記送信機が
前記呼吸気の流路の側部に配置され、かつ、前記2個の
受信器が、呼吸気の流路を挟んで前記送信器に対して対
称な位置に配置され、前記一方の受信器までの超音波伝
播時間と、他方の受信器までの超音波伝播時間との差を
検出し、この値によって呼気流量と吸気流量とを求める
ようにしたものである。
【0014】請求項6の酸素消費量計は、請求項4にお
いて、前記超音波流量計では、超音波として連続波を使
用し、超音波伝播時間の変化は受信波と基準波との位相
変位で検出し、基準波からの進みまたは遅れから吸気、
呼気を判定するようにしたものである。請求項7の酸素
消費量計は、請求項5において、前記超音波流量計で
は、超音波として連続波を使用し、超音波伝播時間差は
2個の受信波間の位相差の正負から、吸気、呼気を判定
するようにしたものである。
【0015】請求項8の酸素消費量計は、請求項4また
は5において、超音波流量計の流量演算において、吸気
に対する音速補正は外気温度、呼気における音速補正
は、体温における飽和蒸気に基づく音速補正を行うもの
である。請求項9の酸素消費量計は、請求項3におい
て、前記渦流量計において使用する渦発生体を、吸気と
呼気の流れに対して対称形状を有する矩形柱としたもの
である。請求項10の酸素消費量計は、請求項3におい
て、前記渦流量計の渦周波数の検出手段として2個のセ
ンサを渦発生体の下流域に配置し、呼気流量、吸気流量
を各々のセンサで検出するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図2は、本発明に係る酸素
消費量計の一例を示すもので、該酸素消費量計の概略構
成を示すブロック図である。図2において、符号1はマ
スク、2は呼気および吸気の流路、3は呼気バイパス流
路、5は二酸化炭素濃度検出部、6は吸入ポンプ、7は
演算器である。前記呼気・吸気流路2には呼気・吸気両
用流量計21が内蔵され、前記二酸化炭素濃度検出部5
には二酸化炭素センサ(CO2センサ)51が内蔵されて
いる。この二酸化炭素センサ(CO2センサ)51として
は、例えば、赤外線吸収方式などのセンサが使用され
が、高速応答と経年変化のないものが実現されている。
【0017】そして、上記構成の酸素消費量計では、大
気中の空気が呼気・吸気流路2を流れて、マスク1から
吸気され、該吸気中の酸素の一部が消費されたうえで、
呼気となってマスク1から呼気・吸気流路2を逆に流れ
る。この際、呼気流量(Qo)と吸気流量(Qi)が、呼気
・吸気両用流量計21によって測定されて、その値が前
記演算器7に入力される。また、呼気信号により、吸入
ポンプ6が起動し、前記呼気・吸気流路2を流れる呼気
の一部を吸い込み、これによって、該呼気の一部が、呼
気バイパス流路3を流れて前記二酸化炭素濃度検出部5
に流入して、その二酸化炭素センサ(CO2センサ)51
によって、呼気中の二酸化炭素濃度(ρo(CO2))が測
定され、その値が前記演算器7に入力される。
【0018】この演算器7では、前記(11)式である、
Qm=Qi−Qo(1−ρo(CO2)) が該演算器7
を構成するマイコンシステム内において、メモリされた
手順に従ってマイクロプロセッサにより、実行され、こ
れによって血液中に取り込まれる酸素量(Qm)が求めら
れる、つまり酸素消費量が求められる。また、前記演算
器7では、前記(12)式である、ρo(O2)=1−Qi
×ρi(N2)/Qo−ρo(CO2) が該演算器7を構成
するマイコンシステム内において、メモリされた手順に
従ってマイクロプロセッサにより、実行され、これによ
って呼気の酸素濃度(ρo(O2))を求めることができ
る。なお、前記ρi(N2)は大気中の窒素濃度で既知で
あり、Qi、Qo、ρo(CO2)は測定値であることか
ら、呼気の酸素濃度(ρo(O2))を求めることができ
る。
【0019】上記の酸素消費量計によれば、吸気流量と
呼気流量と呼気中の二酸化炭素濃度とを測定し、これら
の値によって、血液中に取り込まれる酸素等を計測する
ことができ、酸素センサを必要としないので、長期の安
定性を確保することができる。また、酸素センサがない
ことから、酸素センサの交換が不要となり、メインテナ
ンス性が向上する。さらに、応答速度の遅い酸素センサ
がなくなることから、酸素消費量計の応答速度が格段に
速くなる。なお、図2では、3は呼気バイパス流路、6
は呼気信号による吸入ポンプとしたが、二酸化炭素セン
サの応答は呼吸周波数に比較して十分に早いことから、
6は常時吸入するポンプ、3を呼吸気バイパス流路とし
てもよい。
【0020】図3は、上記酸素消費量計を構成する、呼
気・吸気両用流量計21として、超音波流量計を使用し
た場合の、該超音波流量計の概略構成を示すブロック図
である。図3に示す超音波流量計においては、呼気・吸
気流路2中の一部をU字にし、その端部に超音波送信器
102と超音波受信器103とを対向して配置する。こ
の時の超音波の伝播時間T1、T2は(13)式で示さ
れる。 呼気:T1=L/(C1−V1)、吸気:T2=L/(C2+V2)……(13) 呼気流量ゼロ:T10=L/C1、吸気流量ゼロ:T20=
L/C2 ここで、Lは送受信器間の距離、C1は呼気時の音速、
C2は吸気時の音速をあらわし、また、V1、V2は呼気
流速、吸気流速を示す。(13)式より、呼気状態にお
ける伝播時間の変化ΔT1、吸気状態における伝播時間
の変化ΔT2はそれぞれ(14)、(15)式となる。
なお、C1、C2≫V1、V2とする。 ΔT1=LV1/{C1(C1−V1)}≒LV1/C12……(14) ΔT2=−LV2/{C2(C2−V2)}≒−LV2/C22……(15) ΔT1、ΔT2は呼気流速(流量)と吸気流速(流量)に
比例する。ここで、超音波に連続波を使用すると、伝播
時間の変化に対応する位相差Δφ1、Δφ2は(1
6)、(17)式となる。 Δφ1=ωΔT1……(16) Δφ2=ωΔT2……(17) すなわち、位相差の感度は角周波数に比例して増大す
る。図3に、符号106で示す受信処理回路からT1、
T2、また、符号105で示す遅延回路(位相シフター)
からT10、T20相当の基準波をえるようにすると、符号
107で示す位相比較器の出力としてΔφ1、Δφ2に
対応する値がえられ、これによって呼気と吸気を判定す
ることができる。また、Δφ1、Δφ2に対応する値が
えられと、(14)式〜(17)式によって、流速V1、V2
が計測でき、この流速V1、V2に呼気・吸気流路の断面
積を乗じることで、呼気流量(Qo)と吸気流量(Qi)と
を求めることができる。
【0021】なお、(14)、(15)式から明らかな
ように音速の影響をうける。特に温度変化による音速の
変化は大きい。呼気はほぼ体温(36℃)でよいことか
ら固定できるが、吸気は外気温となることから、温度補
正が必要となる。そこで、外気温を測定し、符号109
で示す温度信号処理回路にて、符号108で示す音速補
正回路の音声補正に対する適正な補正入力をえている。
また、(14)、(15)式では呼吸気の流速は音速に
比べ無視できるほど小さいとしたのは、安静時は妥当で
あるが、過激な運動時は無視できない。そこで、符号1
00で示す流速補正回路(リニア補正回路)にて音速補正
回路108の出力のノンリニアを補正する。図3では、
これら一連の補正機能をブロック図で示したが、実際に
はマイコンシステムで実行される。
【0022】図4は上記酸素消費量計を構成する、呼気
・吸気両用流量計21として、他の超音波流量計を使用
した場合の、該超音波流量計の概略構成を示すブロック
図である。図4に示す超音波流量計は、1個の超音波送
信器202と2個の超音波受信器203,204を備え
ており、前記送信器202は前記呼吸気の流路2の側部
に配置され、かつ、前記2個の受信器203,204
は、呼吸気の流路2を挟んで前記送信器202に対して
対称な位置に配置されており、これによって、呼気、吸
気の流れに対して、θなる角度で超音波が交差するよう
に構成されている。なお、図4において、符号205と
206はそれぞれ受信処理回路、符号207は位相比較
器、符号208は音速による感度補正回路を示す。
【0023】呼気時における超音波受信器203までの
超音波の伝播時間T1と、超音波受信器204までの超
音波の伝播時間T2は(18)、(19)式で示され
る。また、T1とT2との伝播時間差ΔTは(20)式と
なる。 T1=L/(C1+V1cosθ)……(18) T2=L/(C1−V1cosθ)……(19) ΔT=2Dcotθ・V1/(C12-V12cos2θ)……(20) ここで、C12≫V12cos2θであるから、 ΔT=2Dcotθ・V1/C12……(21) ここで、Dは流路径である。また、吸気時においては、
前記(18)、(19)式に対応するT1、T2は次式とな
る。 T1=L/(C2−V2cosθ) T2=L/(C2+V2cosθ) よって、吸気時の伝播時間差ΔTは、 ΔT=−2Dcotθ・V2/C22……(22) C12≫V12cos2θの条件は過激な運動時でも満足す
る。図4に示す位相比較器207の出力Δφ1、Δφ2
はΔTに比例することから、呼気流速V1、吸気流速V
2が求まり、この流速V1、V2に呼気・吸気流路の断
面積を乗じることで、呼気流量(Qo)と吸気流量(Qi)
とを求めることができる。図4に示す超音波流量計は、
図3に示す超音波流量計に比べると、位相比較器207
の入力として呼気または吸気中を伝播してきた2個の受
信波を使用していることから、呼気流量ゼロまたは吸気
流量ゼロ相当の基準波を作らなくてよく、流体の状態の
変動に対して安定な動作が期待できる。
【0024】図5および図6は、上記酸素消費量計を構
成する、呼気・吸気両用流量計21として、渦流量計を
使用した場合の、該渦流量計を示すもので、図5(a)は
渦流量計の平断面図、図5(b)は渦流量計の正面図、図
6は渦流量計の概略構成を示すブロック図である。図5
において、符号301は呼気・吸気流路、符号304は
渦発生体を示し、この渦発生体304は上下流で対称な
矩形柱状に形成されている。また、渦周波数は呼気、吸
気に対応した下流域に設けられたセンサ305、センサ
306によって検出される。発生渦周波数fと流速Vと
の関係は(23)式で示される。 f=St・V/d……(23) ここで、Stはストローハル数で、渦発生体の寸法と形
状によって決定される定数である。また、dは渦発生体
304の幅である。よってfを計測することにより流速
Vが求まる。渦は正逆の循環流となって、下流に流れ去
る。よって、下流域において、循環流の交番変化を圧力
センサ、熱式センサで検出できる。すなわち、図5にお
いて、吸気の流れ302に対して発生する渦周波数はセ
ンサ306で、また、呼気の流れ303に対して発生す
る渦周波数は305のセンサで検出する。
【0025】図6は信号処理を示したものである。ここ
では、マイコンによる流量演算を行うため、まず、セン
サ305,306で検出された循環流の交番変化を、流
量計変換器307,308で渦周波数に変換し、該渦周
波数をF/V、A/D変換器309,310によって、
アナログ電圧に変換したうえで、このアナログ電圧をデ
ジタル信号に変換し、さらに、これらデジタル信号をマ
ルチプレクサ311によって流量演算回路312に入力
して、該流量演算回路312で上記(23)式を演算し
て、呼気および吸気のそれぞれの流速Vを求める。そし
て、これら流速Vに呼気・吸気流路の断面積を乗じるこ
とで、呼気流量(Qo)と吸気流量(Qi)とを求めること
ができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の酸素消費
量計によれば、吸気流量と呼気流量と呼気中の二酸化炭
素濃度とを測定し、これらの値によって、血液中に取り
込まれる酸素等を計測するので、酸素濃度を測定する必
要がなくなり、酸素センサを必要としないので、長期の
安定性を確保することができる。また、酸素センサがな
いことから、酸素センサの交換が不要となり、メインテ
ナンス性が向上する。さらに、応答速度の遅い酸素セン
サがなくなることから、酸素消費量計の応答速度が格段
に速くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の酸素消費量計の一例を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明の酸素消費量計の一例を示すもので、該
酸素消費量計のブロック図である。
【図3】本発明の酸素消費量計を構成する超音波流量計
の一例を示すもので、該超音波流量計の概略構成を示す
ブロック図である。
【図4】本発明の酸素消費量計を構成する超音波流量計
の他の例を示すもので、該超音波流量計の概略構成を示
すブロック図である。
【図5】本発明の酸素消費量計を構成する渦流量計の一
例を示すもので、(a)は渦流量計の平断面図、(b)は渦
流量計の正面図である。
【図6】同、渦流量計の概略構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
2,301 呼気・吸気流路 5 二酸化炭素濃度検出部 51 二酸化炭素センサ 7 演算器 21 呼気・吸気両用流量計(流量計) 102,202 超音波送信器 103,203,204 超音波受信器 305,306 センサ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気流量と呼気流量と呼気中の二酸化炭
    素濃度とを測定し、これらの値によって、血液中に取り
    込まれる酸素等を計測することを特徴とする酸素消費量
    計。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸素消費量計において、 吸気流量と呼気流量を計測する流量計が、超音波流量計
    であることを特徴とする酸素消費量計。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の酸素消費量計において、 吸気流量と呼気流量を計測する流量計が、渦流量計であ
    ることを特徴とする酸素消費量計。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の酸素消費量計において、 前記超音波流量計の呼吸気の流路の一部をU字に構成
    し、その端部に1組の超音波送受信器を対峙させ、呼気
    状態および吸気状態におけるそれぞれの超音波伝播時間
    の変化を検出し、これらの値によって、呼気流量と吸気
    流量とを求めることを特徴とする酸素消費量計。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の酸素消費量計において、 前記超音波流量計が、1個の送信器と2個の受信器を備
    え、 前記送信機が前記呼吸気の流路の側部に配置され、か
    つ、前記2個の受信器が、呼吸気の流路を挟んで前記送
    信器に対して対称な位置に配置されており、 前記一方の受信器までの超音波伝播時間と、他方の受信
    器までの超音波伝播時間との差を検出し、この値によっ
    て呼気流量と吸気流量とを求めることを特徴とする酸素
    消費量計。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の酸素消費量計において、 前記超音波流量計では、超音波として連続波を使用し、
    超音波伝播時間の変化は受信波と基準波との位相変位で
    検出し、基準波からの進みまたは遅れから吸気、呼気を
    判定することを特徴とする酸素消費量計。
  7. 【請求項7】請求項5記載の酸素消費量計において、 前記超音波流量計では、超音波として連続波を使用し、
    超音波伝播時間差は2個の受信波間の位相差の正負か
    ら、吸気、呼気を判定することを特徴とする酸素消費量
    計。
  8. 【請求項8】 請求項4または5記載の酸素消費量計に
    おいて、 超音波流量計の流量演算において、吸気に対する音速補
    正は外気温度、呼気における音速補正は、体温における
    飽和蒸気に基づく音速補正を行うことを特徴とする酸素
    消費量計。
  9. 【請求項9】 請求項3記載の酸素消費量計において、 前記渦流量計において使用する渦発生体は、吸気と呼気
    の流れに対して対称形状を有する矩形柱であることを特
    徴とする酸素消費量計。
  10. 【請求項10】 請求項3記載の酸素消費量計におい
    て、 前記渦流量計の渦周波数の検出手段として2個のセンサ
    を渦発生体の下流域に配置し、呼気流量、吸気流量を各
    々のセンサで検出することを特徴とする酸素消費量計。
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CN113558659A (zh) * 2021-07-30 2021-10-29 重庆安酷科技有限公司 一种高精度超声波肺功能检测仪及其检测方法

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