JPH11318437A - アクリジンオレンジで標識したバクテリオファージ - Google Patents

アクリジンオレンジで標識したバクテリオファージ

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JPH11318437A
JPH11318437A JP13032598A JP13032598A JPH11318437A JP H11318437 A JPH11318437 A JP H11318437A JP 13032598 A JP13032598 A JP 13032598A JP 13032598 A JP13032598 A JP 13032598A JP H11318437 A JPH11318437 A JP H11318437A
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JP
Japan
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phage
acridine orange
bacteria
bacteriophage
labeled
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JP13032598A
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English (en)
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Rie Yano
矢野理江
Takako Nogami
野上尊子
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Publication date
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紫外線よりも波長の長いレーザー光源光を用
いて、迅速で、高精度な検出を簡便に行う細菌の検出に
好適に用いることができる蛍光標識でファージDNAが
標識されたファージを提供する。 【解決手段】 アクリジンオレンジを480〜500n
mの波長の励起光により緑色蛍光を発するようにインタ
ーカレーション結合でファージDNAに標識結合させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば大腸菌など
の細菌の検出に好適に用いることができるバクテリオフ
ァージに関する。
【0002】
【従来の技術】細菌をはじめとする微生物はあらゆる環
境に存在し、人間の生活と密接な関係を保っている。し
かし微生物の中には人間あるいは家畜に疾病をもたらす
ものもあり、病原性微生物として人間あるいは家畜への
感染に注意が払われている。病原性微生物の中でも特に
細菌は増殖が速く、低温、高温、乾燥などの環境条件に
影響を受けにくく、そのため人間の周りに持続的に存在
し、一度好条件を得れば爆発的に数を増やして感染症の
原因となる。食品や飲料水(水道水を含む)のように人
間の体内に直接摂取されるものについてはもちろんのこ
と、食品の製造工程で利用される水、食器等の洗浄に利
用される水、河川、湖沼、海、プール、浴場、その他の
修景親水利用のためのアメニティ用水など、人が身体を
接触させる水、下水放流水など、人と接触する機会があ
る水については、細菌に対する適正な管理が実施される
ことが望まれる。
【0003】これらのことを前提として、食品、飲料と
なる水道水については「大腸菌群は検出されないこと」
という基準が定められ、プール水では「10mlの水を
5本培養し大腸菌群陽性の管が2本以下であること」と
いう基準が定められ、また、修景親水利用の水について
は「1ml中10個以下」、一般排水については「1m
l中3000個以下」が望ましいという目標値が設けら
れている。このように、腸内細菌特に大腸菌および大腸
菌群の有無を調べる項目についての管理基準として上記
各種の利用水(食品、飲料水、あるいは親水施設のアメ
ニティ用水等)毎に定められているのは、細菌による感
染症が、人あるいは動物を起源とする細菌によって引き
起こされる疾病の頻度が最も高く、被害も拡大しやすい
ことから考えれば妥当なところである。
【0004】ところで、例えば上述のような食品、飲料
水(水道水)、プール水、修景親水用水などを管理する
のに必要な細菌の検出は、従来一般的には培養法により
実施されている。この培養法は、例えば大腸菌や大腸菌
群を例として言えば、これを他の一般細菌と区別して検
出する工夫が必要であるため、例えば、大腸菌や大腸菌
群が選択的に増殖する培地、あるいは増殖すると色調が
変化したりコロニーの色に特殊な色が生じる工夫がされ
た培地を用いて実施されるが、培養によって菌が増殖す
るまでに時間がかかり、これに加えて増殖した細菌が大
腸菌あるいは大腸菌群であるかどうかの判定法が煩雑で
あるため最終的な判定までに数日以上の時間がかかると
いう問題がある。また一般的な最大希釈倍率から求める
方法による場合は、おおよその定量推定値が求められる
にすぎず、定量性の精度は乏しいという問題がある。
【0005】このような単純な培養法とは別に、簡略化
した検出方法として特異酵素基質培地法も知られてい
る。この方法は、例えば大腸菌や大腸菌群に特異的に含
まれる酵素に対する基質の存在下で試料を培養し、陽性
であれば特徴的な色や蛍光が生じるように工夫した方法
である。
【0006】また上記方法の他にも、PCR法(ポリメ
ラーゼ・チェーン・リアクション法)、ATPを測る方
法、更に、特開平8−154700号公報で提案されて
いる、標識としての放射性同位元素,酵素をバクテリオ
ファージ表面に結合する方法、あるいはレポータ遺伝子
をバクテリオファージのDNAに遺伝子組換えで組み込
む形で標識する方法も知られている。
【0007】しかし、上述した従来法はいずれも、実際
の実施場面から考えると、処理の迅速性、処理操作の簡
便性、検出精度の高さなどの種々の点から極めて解決困
難な問題が以下のようにある。
【0008】例えば、特異酵素基質培地法は、単純な培
養法に比べて、大腸菌および大腸菌群の定性試験が24
時間で実施できる利点があるものの、大腸菌や大腸菌群
についても全てを検出することはできないし、定量試験
を行うとすれば最大希釈倍率で陽性を示す値から求める
形式で行うしかなく、測定法に由来する定量検出の精度
に限界がある。
【0009】PCR法は、感度は鋭敏であるが、死滅し
ていて実際には無害な細菌も検出してしまい、死菌,生
菌の区別ができないという問題がある他、定量性も期待
できない。
【0010】ATP法は、操作が簡単でしかも生菌だけ
を特異的に検出できる点で優れているが、検出感度が低
い(1000個以上の細菌でないと検出できない)とい
う問題があり、これに加えて、細菌を特定して検出でき
ないという用途によっては致命的な問題がある。
【0011】また、前記特開平8−154700号公報
に記載の方法のうち、ファージ表面に放射性同位元素
(アイソトープ)又は酵素を標識して用いる標識法は、
処理操作の簡便性、検出精度の高さなどの点について問
題がある。
【0012】すなわち、放射性同位元素を用いる方法
は、細菌に吸着したファージがもつ放射性同位元素標識
由来の信号と、非吸着のファージがもつ同標識由来の信
号を区別することができないから、これら吸着,非吸着
のファージを物理的に分離する余分な操作が必要とな
る。またこれに加えて、細菌(あるいはろ過膜等の分離
手段)に非特異的に吸着したファージに標識した放射性
同位元素をカウントしてしまうという致命的な誤検出の
虞がある。また、酵素を標識として用いる方法は、放射
性同位元素を用いる場合と同じように非特異的な吸着が
ある問題に加えて、微小量の酵素の活性を利用する方法
であるので、酵素活性の作用を受ける基質に現れる現象
から微小量の酵素量を精度よく検出することが必ずしも
容易でなく、定量検出精度を向上させるための新たな技
術開発が必要になるという問題がある。
【0013】更に、レポーター遺伝子を用いる方法は、
細菌毎に特異的なファージ別に遺伝子組換え体のレポー
ター遺伝子を調製することが必要であり、このレポータ
遺伝子を含むファージ核酸の複製,転写,翻訳を行わ
せ、産生蛋白質を検出する操作が必要となるため汎用性
は殆ど期待できない。
【0014】以上のように、従来知られている種々の方
法はいずれも問題があり、特に、迅速性、操作の簡便
性、検出精度、検出感度などの点でいまだ解決すべき課
題が多い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、以上のよ
うな従来法の問題点を解消し、細菌そのものを特異的に
標識付けすることで細菌を特定した検出・判定を可能と
しながら、簡易な操作、測定時間の短縮、効率の向上、
検出精度の向上などを飛躍的に高めることができる方法
として、バクテリオファージDNA(以下「ファージD
NA」と略称する)に蛍光物質(又は色素物質)を標識
したバクテリオファージ(以下「ファージ」と略称す
る)を用いる方法を提案した(特願平9−240919
号)。
【0016】この提案発明は、上述したレポータ遺伝子
を用いる方法のようにファージ毎(つまり細菌と特異的
な関係にあるファージ毎)に特殊なファージDNAを遺
伝子組換え操作で調製する必要がなく、種々のファージ
について、基本的には共通した同一,単一の普遍性のあ
る操作を用いて、各宿主細菌に特異的なファージのファ
ージDNAを蛍光物質で標識付けでき、しかも、このフ
ァージDNAを宿主細菌に注入することで蛍光物質によ
る輝点(蛍光点)を大きくかつ強く示すことができて、
光学的な検出を容易かつ迅速に実現できるという利点が
ある。
【0017】ところで、本発明者が上記提案発明の技術
について更に鋭意研究を進めたところ、いくつかの新た
な知見を見い出し、これらの知見に基づいて本発明をな
すに至ったものである。
【0018】すなわち、蛍光を発するための励起光に紫
外線よりも波長の長い光源光を用いることができ、した
がって光源装置として有利なレーザー光源を有効に活用
できる蛍光物質で標識したファージを提供することを目
的とする。
【0019】また本発明の別の目的は、長い波長側の蛍
光を発する結果として他の物質の蛍光によるノイズの影
響を受けるおそれの少ない標識を有するファージを提供
するところにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願は上記の目的を達成
するために、上述した特許請求の範囲の各請求項に記載
した発明を提供する。
【0021】本願請求項1の細菌の検出に用いるファー
ジ(バクテリオファージ)の発明は、培地1リットルあ
たり5〜100mgのアクリジンオレンジを添加した宿
主細菌の培養培地中において、宿主細菌の存在下に増殖
させたバクテリオファージを回収したことを特徴とし、
請求項2の発明は、培地1リットルあたりのアクリジン
オレンジを20〜50mgとしたことを特徴とする。
【0022】上記の宿主細菌の培養培地に蛍光物質を添
加してファージの感染、増殖により目的の標識ファージ
を得ることは、フルカワ氏らの方法(“ DNA Injection
During Bacteriophage T4 Infection of Escherichia
coli”:「JOURNAL OF BACTERIOLOGY」 ,p938-945:198
3)に準拠して行うことができるが、アクリジンオレン
ジの添加量を調整することによって、細菌検出に適した
蛍光を発するように標識されたファージが得られること
は本発明により初めて提案される。
【0023】上記のアクリジンオレンジ(C1720Cl
3 )は、下記一般式の化学構造を有するものである
が、一部が他の原子又は原子団で置換された置換体,誘
導体であってもよく、要は、アクリジンオレンジとし
て、ファージDNAに標識することができ、しかも後述
する請求項3で特定するように、アクリジンオレンジの
ファージDNAに対する標識形態が緑色波長の蛍光を発
するインターカレーション結合するようにされたもので
あればよい。
【0024】
【化1】
【0025】上記において「細菌」というのは、特異的
な関係にあるファージが存在する微生物であれば特に限
定されることなく対象とすることができ、これらの全て
を含み、例えば衛生試験などで、食中毒の原因となって
いる病原性の腸内細菌である大腸菌、大腸菌群細菌、赤
痢菌、コレラ菌、サルモネラ菌、ビブリオ菌、ボツリヌ
ス菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、セレウス菌などの病
原性細菌を、これらの細菌を宿主とするファージを用い
て容易に検出できる。また食中毒以外の感染症の原因と
なる細菌、例えば結核菌、肺炎双球菌、緑膿菌、レジオ
ネラ菌、その他の細菌にも適用できる。また細菌のコロ
ニーを採ってファージ溶液に懸濁し、蛍光染色の有無で
細菌を同定する確認試験にも有効に用いることができ
る。
【0026】細菌の特定が特に求められる場合として
は、食中毒,病院の院内感染などの細菌感染症の原因と
なる細菌の同定を行う場合や、食品工場などでの用水等
の汚染細菌の同定を行う場合などが挙げられ、具体的に
いうと、例えば、細菌の検出が求められる環境水や環境
空気、食品や上下水、病院(特に臨床場面)、精密機器
製造工場等において、存在が忌避される細菌を検出する
場合が挙げられる。忌避される主な細菌と、これに特異
的なファージの組合せを例示すれば、大腸菌とT系ファ
ージ,λファージ等、サルモネラとP系ファージ等、シ
ュードモナスとP系ファージ等、クレブシアラとスタン
フォード大学60,92の各ファージ、クロストリジウ
ムと70,71,72の各ファージ、シゲラとφ80,
スタンフォード大学37,D20、コリネバクテリウム
とC系ファージ、マイクロコッカスとN系ファージ,M
L53-40 ファージなどを挙げることができる。また忌避
細菌の検出だけでなく、有用な細菌の濃度を確認する用
途にも当然用いることができ、有用細菌を利用した種々
の生成物の生産管理に有効に利用される。
【0027】この発明によれば、次の作用が得られる。
すなわち、一般に核酸(DNA)に対して親和性を有す
る色素,蛍光物質として知られる物質であっても上記方
法でファージDNAを標識できるものは必ずしも多くな
く、しかも標識できる物質であっても、細菌検出に用い
る場合の使い勝手に違いのあることが認められる。例え
ば標識可能な蛍光物質のうちの4,6−ジアミジノ−2
−フェニルインドールハイドロクロライド(DAPI)
は紫外線照射により青色の蛍光を呈し、アクリジンオレ
ンジは、基本的には、可視光である490nm付近の波
長域の励起光により530nm付近の波長域の緑色の蛍
光を呈することができる。ただし、アクリジンオレンジ
のファージDNAへの結合の形態に依存して450nm
付近の波長域の励起光により650nm付近の波長域の
赤橙色(オレンジ色)の蛍光を呈することもある。な
お、上記において「450nm付近」、「490nm付
近」、「530nm付近」、「650nm付近」の波長
というのは、照射励起光および励起光による発する蛍光
がそれらの波長ないしその近傍の波長を中心とした範囲
のものであることを意味するが、光源から照射される励
起光や励起される蛍光のスペクトルは、その波長範囲を
厳密に限定できずにブロードとなるのが普通であるか
ら、それ以外の波長の光を厳に含まないことを限定する
ものではない。
【0028】本発明によれば更に以下の作用が得られ
る。すなわち、励起光に可視光の照明ランプ光源を用い
ることができるので、例えば紫外線ランプを用いる方式
に比べて、耐久性の点で極めて有利である。
【0029】また、レーザー光源を用いる場合には照明
光を集中できて光強度を高めるのに有利であり、しかも
波長が短いため光源装置の製造が難しく一般に極めて高
価である紫外線レーザー光源に比べて、450nm〜4
90nm波長付近の安価な可視光レーザー光源(Arレ
ーザー光源等)を用いることができる。
【0030】したがって、アクリジンオレンジを標識物
質として用いることで可視光のレーザー光源を用いるこ
とができる本発明は極めて有効である。
【0031】上記において蛍光が「赤橙色」、「緑色」
というのは、アクリジンオレンジが蛍光として呈する色
度の概ねの状態を表すためであって、この呈色の表現記
載によりこの発明が限定されるものではない。
【0032】上記方法でファージDNAをアクリジンオ
レンジで標識したファージの調製は、(1)ファージ感
染した細菌がファージにより溶菌する前に遠心により培
養液を除いて該細菌を集め、これをDNase,クロロ
ホルム等を添加して細菌を破砕し、得られた液を例えば
平衡密度勾配遠心法で精製する方法、(2)ファージが
細菌内で増殖して溶菌するまで培養した後、低速遠心し
て細胞の残渣を除去し、ポリエチレングリコール(PE
G)を加えて所定時間放置した後、凝集物を遠心回収し
て、有機溶媒で目的とするファージを回収する方法など
を用いることができる。
【0033】アクリジンオレンジがファージDNAに対
して標識付けされる形態は、請求項3に記載したインタ
ーカレーション結合による場合と、ファージDNAにア
クリジンオレンジがイオン結合的に静電力結合して標識
する場合とがあり、そしてこれらの結合形態の違いによ
り励起光が呈する蛍光に違いが認められ、このような標
識付け形態の違いがあるファージは、上述した宿主細菌
の培養培地にアクリジンオレンジを添加し、宿主細菌に
ファージを感染させ増殖させてファージを得る際に、培
養培地中へのアクリジンオレンジの添加量を制御するこ
とにより選択的に得ることができる。
【0034】すなわち、本発明の緑色蛍光を発するのに
適したインターカレーション形態での標識付けのために
は、培養培地中へのアクリジンオレンジの添加量を培地
1リットル当たり5〜100mg、好ましくは20〜5
0mgとすることが必要である。培地へのアクリジンオ
レンジの添加量が5mg/lよりも少ないと、ファージ
DNAに対する標識量が少ないために、ファージDNA
が細菌内に注入した後、励起光を照射することで呈され
る蛍光強度が弱くなり、例えば、蛍光顕微鏡等に高感度
カメラを接続した検出装置等が必要となって装置コスト
が嵩むという難を招く。反対に、培地へのアクリジンオ
レンジの添加量が100mg/lを越えると、静電力結
合でファージDNAに結合したアクリジンオレンジの標
識量が多くなり、オレンジの色により緑色の蛍光の検出
感度が低下するので、上記の範囲とされる。添加量を2
00mg/lを越えるように多くするとファージ合成阻
害が起こって目的とする標識ファージが得られない。な
おアクリジンオレンジが高濃度であると2量体を生成し
て本発明の標識としては不適当なものとなるが、上記イ
ンターカレーション結合する濃度範囲で培地にアクリジ
ンオレンジが添加されている場合にはこの問題も同時に
防止できる。
【0035】これらのことから、目的細菌を感度及び精
度よく検出する試薬として提供される本発明のバクテリ
オファージ(すなわちファージDNAをアクリジンオレ
ンジで標識したバクテリオファージ)は、目的細菌以外
のものを誤検出してしまう虞れを解消できる利点があ
る。
【0036】代表的には、藻類を含む可能性がある河川
水等を対象として細菌を検出する用途において赤橙色の
蛍光呈色で細菌を検出しようとする場合、藻類がもつク
ロロフィルが赤色の蛍光を発するため蛍光の波長が、こ
の藻類がもつクロロフィルの蛍光波長と近似してこれが
ノイズとして誤検出の原因になる虞れがあるが、アクリ
ジンオレンジの標識された細菌を緑色の蛍光呈色で検出
することで、上述した誤検出は解消できる。
【0037】以上の各発明のファージを用いれば、これ
に特異的なファージを被検液中に有する細菌に結合させ
れば、ファージDNAに標識したアクリジンオレンジが
発する蛍光をその蛍光物質に対する励起波長を特定(限
定)して照射することで、緑色蛍光と赤橙色蛍光を選ん
で検出でき、したがって以下に示すクロロフィル等の誤
検出信号から区別して信号検出ができるという利点が得
られる。
【0038】また、かかる精度のよい緑色蛍光を検出す
ることができることとは別に、ファージの宿主細菌に対
する感染は即時的で、かつ蛍光を蛍光顕微鏡等の光学的
検出手段を用いて簡易に検出操作を行うことができるこ
とによる迅速性、操作の簡便性、高い検出精度の要求を
満足することができるという利点が得られる。
【0039】なお、本発明のバクテリオファージを用い
れば、宿主細菌に注入されたバクテリオファージDNA
を標識しているアクリジンオレンジを対象とすれば、死
菌,生菌を区別した検出を行うことができる。
【0040】すなわち、バクテリオファージは、宿主細
菌に対して特異的に結合し、かつ細菌のエネルギー状態
に依存して生物活性を失っている場合にはファージDN
Aの注入が起こらないことが知られている。そして、極
めて凝集した状態でファージ内に存在するファージDN
Aに標識付けされたアクリジンオレンジを励起光で励起
させても、呈する蛍光は極めて小さく、かつ多数のアク
リジンオレンジが発する蛍光の相互作用によるためか光
強度の弱い輝点を示すにすぎないのに対し、ファージD
NAの注入が行われると、細菌内ではファージDNAが
広がって大きな輝点となり、また多数のアクリジンオレ
ンジ相互の距離が大きくなって励起光による輝点の光強
度も大きくなり、容易にしかもファージ内のアクリジン
オレンジと区別して検出することができるようになる。
したがって、注入が行われた細菌(生菌)は、生物活性
を失った細菌(死菌)に対して結合したファージはファ
ージDNAの注入が起こらないので、これらを光学的に
区別して検出できる。
【0041】また、ファージDNAが注入された細菌
(生菌)は、面積が大きくかつ光強度も大きい輝点とし
て検出できるので、高感度に精度よく検出を行うことが
できる利点もある。
【0042】上記の検出方法において、光学的に検出す
るアクリジンオレンジの蛍光を、緑色蛍光を発するよう
に励起光の波長を選択すれば、緑色の蛍光呈色で細菌を
検出することができるので、上述したように、藻類を含
む河川水等を対象として細菌を検出する用途において、
藻類がもつクロロフィルがノイズとして誤検出される虞
れがなく、精度の高い検出が実現できる。
【0043】本発明のファージを用いた細菌の検出装置
は、例えば本発明のバクテリオファージを、検出しよう
とする宿主細菌を含む被検液(細菌検出を目的とする検
査対象の「水,液」をいい、検査対象液を濃縮、希釈し
た液も含む)に添加する手段と、該バクテリオファージ
が添加された被検液に対してアクリジンオレンジが緑色
の蛍光を発する波長の励起光を照射する励起光照射手段
と、該励起光照射により生ずる緑色蛍光を検出する光学
的な検出手段とにより構成することができる。上記被検
液にファージDNAをアクリジンオレンジで標識したフ
ァージを添加する手段は、被検液に対して適当な濃度の
ファージ含有検査液を添加できる手段であればよく、そ
の濃度は検出しようとする被検液の種類により異なるの
で一律的には決められないが実験的,経験的に決めるこ
とができる。一般的には被検液1ml当たり105 〜1
14個程度とすればよい場合が多い。
【0044】また、励起光照射手段としては、アクリジ
ンオレンジが蛍光を発する450〜490nm付近の波
長の照明光を照明できるものであれば、ランプ、レーザ
ー光源等のいずれのものを用いることもできる。なお、
アクリジンオレンジが発する赤橙色あるいは緑色の蛍光
を検出するためには、450〜460nmの波長域の励
起光を照明光とし、あるいは480〜500nm付近の
波長域の励起光を照明光とするように、照射する照明光
の波長をできるだけその波長域に絞ることが好ましく、
さらに受光側の波長を650nm付近あるいは530n
m付近に絞ることが好ましい。このために、照明光学系
にバンドパスフィルタを用いることや、発光波長域が狭
く限定できるレーザー光源を用いることが推奨される。
【0045】光学的検出手段としては、検出画像を目視
で判断する場合には例えば蛍光顕微鏡を用いることがで
き、検出を機械化,自動化して行う場合には、蛍光顕微
鏡,蛍光光度計,蛍光検出器等を用いることに加えて、
既知のコンピュータ技術を利用して検出画像を画像解析
して輝点の数をカウントする方法などを用いることがで
きる。また流動する被検液中の細菌を検出するためには
フローセルを用いた検出装置を採用することももちろん
できる。
【0046】このような装置は簡易に構成でき、しか
も、迅速かつ高精度に細菌の検出を行うことができて、
操作性も簡便であるという優れた利点がある。
【0047】上記検出装置における励起光照射手段に
は、アクリジンオレンジが緑色の蛍光を発する波長の励
起光を照射するレーザー光照射手段が好ましく用いら
れ、これにより、簡易な装置によって、迅速かつ高精度
に細菌の検出を行うことができ、操作性も簡便であるこ
とに加えて、緑色の蛍光呈色で細菌を検出するので、上
述したように、藻類を含む河川水等を対象として細菌を
検出する用途において、藻類がもつクロロフィルがノイ
ズとして誤検出される虞れがなく、誤差の虞れの少ない
高精度の検出が実現できる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
【0049】実施例1 (1−1)アクリジンオレンジを標識した大腸菌のファ
ージの製造 大腸菌B株をLブロス培地(1リットル中にバクトトリ
プトン10g、酵母エキス5g、塩化ナトリウム5gを
含む)中、37℃で好気的に培養し、対数増殖期中期で
IFO(Institution for fermentation,Osaka)より入
手したバクテリオファージT4(No.20004)を添加しフ
ァージを増殖させた。なおファージの増殖培養に使用す
る培地は、栄養リッチな培地であれば特に限定されな
い。
【0050】DNAを蛍光標識したファージ粒子を調製
するため培地にファージを加えると同時に、蛍光色素と
してアクリジンオレンジ(C1720ClN3 ・xZnC
2:和光純薬社製 CI46005)を、培地1リッ
トル当たりそれぞれ5,10,20,50,70,10
0,200,500mg添加した8例を調製した。
【0051】上記の各例において、ファージが大腸菌細
胞内で増殖し、細胞を溶かして培地中に放出されるま
で、37℃で好気的に培養を続けた。その後、ファージ
を含む培養液を低速遠心(3000rpm 10分)し
て細胞の残渣を除き、塩化ナトリウムを1Mになるよう
に加えて溶解し、さらにポリエチレングリコールを10
%になるように加えて溶解し、4℃で一晩放置した。放
置後生じた凝集物を遠心(15000rpm 20分)
によって回収し、この沈殿を、5mM硫酸マグネシウム
を含む20mMトリス塩酸緩衝液の少量に懸濁した。懸
濁液に等量のクロロホルムを加え、30秒間激しく攪拌
した後、遠心してクロロホルム層と水層を分離した。フ
ァージを含んだ水層を採り、30000rpm、30分
の遠心により、ファージを回収した。得られた沈殿を少
量の5mM硫酸マグネシウム−20mMトリス塩酸緩衝
液に懸濁した。
【0052】この懸濁液を、密度を57%、46%、3
3%とした塩化セシウムの不連続密度勾配の上に乗せ、
水平ロータで30000rpm、4℃で3時間遠心し
た。形成されたファージのバンドを採り、透析して塩化
セシウムを除去し、蛍光標識ファージの精製標品とし
た。得られたファージの精製標品の濃度は、アクリジン
オレンジ添加量が5〜100mg/lのものでは1010
〜1012個/mlの範囲であったが、添加量が増えると
ともに、標識されたファージの回収量は低下し、200
mg/l以上ではほとんど回収することができなかっ
た。これは大腸菌内でのファージ増殖時にアクリジンオ
レンジが高濃度で存在するために、ファージ合成が阻害
されたものと考えられる。
【0053】(1−2)アクリジンオレンジ標識ファー
ジの蛍光確認 前記により製造したアクリジンオレンジ標識ファージの
精製標品をスライドガラスの上に乗せ、波長400〜5
00nmの励起光を照射しながら蛍光顕微鏡下で観察を
行った。
【0054】その結果、培地1リットルあたりのアクリ
ジンオレンジ添加量が5〜50mgで調製したファージ
標品は、緑色蛍光をファージのみであることが確認さ
れ、中でも添加量が20〜50mg/lのファージ標品
は、それ以下の濃度のものに比べて強い蛍光を発してい
た。また、50mg/lを越える添加量のファージ標品
は緑色と赤橙色のものが混在し、アクリジンオレンジ添
加量の高いものほど赤橙色の割合が多かった。
【0055】ところで、アクリジンオレンジのファージ
DNAへの結合形態は、上述した通りファージDNAの
二重鎖螺旋間でのインターカレーション結合と、様々な
部位にイオン結合的につく静電力結合とがあり、また一
般に、アクリジンオレンジがDNAにインターカレーシ
ョン結合した形態では、励起光480〜500nm付近
で530nm付近の緑色蛍光を発することが知られてい
る。したがって、上記観察結果は、5〜50mgのアク
リジンオレンジ添加量の場合には殆どがインターカレー
ション結合しているのに対し、添加量が多くなるとイン
ターカレーション結合以外の結合が増えるために赤橙色
の蛍光が増すものと推定される。また高濃度のアクリジ
ンオレンジの存在により蛍光物質同士が干渉して蛍光が
長波長側(赤色側)に変位し蛍光が赤橙色を示すという
理由も考えられる。
【0056】参考例1 (大腸菌の検出)培養大腸菌含有液(大腸菌濃度108
個/ml)1mlに対して、実施例1のアクリジンオレ
ンジ標識ファージ標品中、培地1リットルあたりアクリ
ジンオレンジ添加量20mgで調製したもの20μlを
添加し、蛍光顕微鏡下で観察した。
【0057】その結果、図1に示すように、大腸菌細胞
が緑色に蛍光染色されていることが確認された。
【0058】また、他の細菌株の含有液に上記実施例1
のアクリジンオレンジ標識ファージ標品を添加しても、
細菌細胞は蛍光染色されなかった。これにより実施例1
のT4ファージは大腸菌を宿主として特異的に結合し、
標識したアクリジンオレンジにより大腸菌だけを蛍光染
色できることが確認された。
【0059】また、上記培養大腸菌含有液を塩素殺菌し
た他は、上記と同様にしてアクリジンオレンジ標識ファ
ージ標品を添加して蛍光顕微鏡で観察したところ、蛍光
染色された細菌細胞は観察されなかった。この結果か
ら、本例のアクリジンオレンジ標識ファージのDNA
は、生菌にのみ注入されることが確認された。
【0060】実施例2 (アクリジンオレンジを標識したサルモネラ菌のファー
ジの製造)サルモネラ菌特異的ファージP22(IFO
(前出)より入手)とサルモネラ菌を用いた以外は、実
施例1の(1−1)と同じ操作で、アクリジンオレンジ
標識ファージを調整して精製標品を得た。なお培地1リ
ットルあたりのアクリジンオレンジの添加量は20mg
とした。
【0061】参考例2 (サルモネラ菌の検出)このサルモネラ菌に特異的なア
クリジンオレンジ標識ファージを用いて、サルモネラ菌
の検出を上記参考例1と同様にして行った。
【0062】すなわち、培養サルモネラ菌含有液(サル
モネラ菌濃度108 個/ml)1mlに対して、上記
(2−1)のアクリジンオレンジ標識ファージ標品の2
0μlを添加し、蛍光顕微鏡下で観察したところ、サル
モネラ菌が緑色に蛍光染色されていることが確認され
た。
【0063】また、他の細菌株の含有液に上記(2−
1)のアクリジンオレンジ標識ファージ標品を添加して
も、細菌細胞は蛍光染色されなかった。これにより本例
のP22ファージはサルモネラ菌を宿主として特異的に
結合し、標識したアクリジンオレンジによりサルモネラ
菌だけを蛍光染色できることが確認された。
【0064】参考例3 (フローセルを用いた大腸菌の検出)検出装置としてフ
ローセルを用いて、フローサイトメトリーによる細菌検
出試験を行った。
【0065】図2はこのフローサイトメトリーに用いた
検出装置の概要を平面図で示し、この図2において、1
はシースフローセルであり、試料液(ファージを混合し
たサンプル液)は、サンプルシリンジポンプ2により該
フローセル1に紙面に垂直な方向に上方から下方に流さ
れる。この試料液流束の周囲には、シース液がシースシ
リンジポンプ3より供給されて高速に流され、これによ
って試料液の流束をより細くするようにしている。これ
により、この試料液の側方から観察される蛍光点の重な
りは低減されて、ファージ単独(細菌に結合していない
ファージ)の蛍光の重なりによるバックグラウンドの上
昇を抑制でき、また蛍光を発する細菌の重なりによる検
出誤差の虞れも低減される。
【0066】4はアルゴン(Ar)レーザー光源であ
り、レーザービームを調整するビームエキスパンダ5で
レンズ6を通して、励起光を前記シースフローセル1に
照射する。
【0067】そしてレーザービームの照射により発生す
る試料液中の蛍光点は、対物レンズ7、干渉フィルタ
8、ピンホール9を通して光電子増倍管10で検出さ
れ、プリアンプ11を経てオシロスコープ12で表示す
る。
【0068】この装置によれば、試料(サンプル)液の
流れはシースフローにより細くなり、また励起光が照射
される範囲もレーザー光源を用いることで狭くなるの
で、ファージ単独の蛍光点が重なることによるバックグ
ラウンドの蛍光が大きくなることを可及的に抑制するこ
とができて、検出感度の向上、及び検出精度の向上が図
られる。
【0069】以上の装置を用い、シリンジポンプ2によ
りシースフローセル1に試料液を連続的に流しながら、
シースフローセル1中の試料液にアルゴンレーザー光源
4から波長488nmの励起光を照射した。
【0070】一方、励起光照射により発せられる蛍光を
検出するために、対物レンズ7で蛍光を集光し、緑色蛍
光の波長のみを効率的に透過させるために前記干渉フィ
ルタ9(透過中心波長535nm、半値幅60nm)を
通して得られるパルス状の光を光電子増倍管10で受光
して電気信号に光電変換し、プリアンプ11で信号処理
した後、バックグラウンドノイズと大腸菌との信号の識
別(例えば各蛍光点強度を所定の閾値と比較)を行っ
て、大腸菌の数を求めた。
【0071】試料液としては、上記実施例1における培
地1リットルあたりのアクリジンオレンジ添加量を20
mgとして調製したアクリジンオレンジ標識ファージの
精製標品(ファージ濃度108 個/ml)を試料液A、
参考例1の培養大腸菌含有液(大腸菌濃度108 個/m
l)を試料液B、これらを混合比1:1で混合したもの
を試料液Cとし、各試料液についてそれぞれ上記試験を
行った。なお、本例において検出される蛍光は、緑色の
蛍光であった。
【0072】結果は、試料液Aのみ(シース液は流す:
以下同じ)をシースフローセル1に流した試験では、蛍
光点(輝点)は検出されなかった。これは、ファージ粒
子が極めて微小であるためかあるいはファージDNAの
形態によるためか理由は必ずしも明らかでないが、当該
装置の検出限界以下であるためと考えられる。
【0073】試料液Bのみをシースフローセルに流した
試験においても、蛍光物質が存在しないため当然である
が、蛍光点は検出されなかった。
【0074】次に、試料液Cをシースフローセルに流し
て検出試験を行った。この場合には、信号の大きなパル
スが検出され、パルス信号の計測数から大腸菌数の算出
したところ、上記試料液Cの大腸菌濃度と一致した値が
得られた。
【0075】以上のことから、本例のシースフローセル
を用いた簡便な検出操作によって、アクリジンオレンジ
で標識されたファージDNAが注入された大腸菌が、高
精度かつ迅速に行えることが確認された。
【0076】
【発明の効果】本発明のアクリジンオレンジでファージ
DNAを標識したバクテリオファージは、宿主細菌を特
異的に認識して細菌を染色することができ、ファージD
NAが注入された細菌を光学的に有意に識別できるた
め、染色された細菌とバクテリオファージを物理的に分
離する操作を必要としないという利点が得られ、特定の
細菌を、しかも生菌のみを、迅速にかつ簡単な操作で検
出・同定でき、例えば環境水、環境空気、食品や上下
水、病院,精密機械工場,食品製造・加工工場の用水や
空気において存在が忌避される微量の細菌を検出するこ
とができるという効果が奏される他、これに加えて以下
の効果が奏される。
【0077】ファージDNAに標識できるDAPIが呈
する青色蛍光を励起する紫外線が短波長であるのに対
し、アクリジンオレンジが呈する緑色蛍光を励起するた
めの光は可視光(波長490nm程度)であるため、紫
外線用の照明光源に比べて、汎用性があり安価で長寿命
な照明光源、特に光強度を高めるのに有利なレーザー光
源を用いることができという効果が奏される。
【0078】また、本発明のバクテリオファージは、宿
主細菌に対して特異的に結合するので生菌だけを検出で
き、また、ファージDNAが注入された細菌(生菌)は
面積が大きくかつ光強度も大きい輝点として検出できる
ので、高感度,高精度な検出が実現できる。
【0079】更に、緑色の蛍光呈色で細菌を検出できる
ので、藻類等を含む河川水等を対象として細菌を検出す
る用途において、クロロフィルがノイズとして誤検出さ
れる虞れがなく、精度の高い検出が実現でき、これとは
別に、細菌の検出を光学的に行うことができるので、検
出装置も簡易で、迅速かつ高精度に細菌の検出を行うこ
とができ、しかも操作性も簡便なものとできる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例1で得られた緑色蛍光を呈する
大腸菌の顕微鏡写真であり、図中の白点は緑色の蛍光点
を示す。
【図2】参考例3のシースフローセルを用いた大腸菌の
検出に用いた装置の概要一例を示した図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培地1リットルあたり5〜100mgの
    アクリジンオレンジを添加した宿主細菌の培養培地中に
    おいて、宿主細菌の存在下に増殖させたバクテリオファ
    ージを回収したことを特徴とするファージDNAをアク
    リジンオレンジで標識したバクテリオファージ。
  2. 【請求項2】 培地1リットルあたり20〜50mgの
    アクリジンオレンジを添加した宿主細菌の培養培地中に
    おいて、宿主細菌の存在下に増殖させたバクテリオファ
    ージを回収したことを特徴とするファージDNAをアク
    リジンオレンジで標識したバクテリオファージ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のファージDNAに対す
    る標識であるアクリジンオレンジは、二本鎖ファージD
    NAの立体構造の隙間に該アクリジンオレンジが入り込
    んだインターカレーション結合によることを特徴とする
    バクテリオファージ。
JP13032598A 1998-05-13 1998-05-13 アクリジンオレンジで標識したバクテリオファージ Pending JPH11318437A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011092104A (ja) * 2009-10-30 2011-05-12 Hitachi Engineering & Services Co Ltd 微生物などの検査方法及び検査装置

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