JPH11315097A - 塩基性線維芽細胞成長因子の精製プロセス - Google Patents

塩基性線維芽細胞成長因子の精製プロセス

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JPH11315097A
JPH11315097A JP4069699A JP4069699A JPH11315097A JP H11315097 A JPH11315097 A JP H11315097A JP 4069699 A JP4069699 A JP 4069699A JP 4069699 A JP4069699 A JP 4069699A JP H11315097 A JPH11315097 A JP H11315097A
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JP
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bfgf
cation exchange
matrix
buffer
fraction containing
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JP4069699A
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Paula J Shadle
ジェイ. シェイドル ポウラ
B Silvernes Keit
ビー. シルバーネス ケイト
S King Robert
エス. キング ロバート
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Scios LLC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 bFGFを、ヘパリンまたは金属キレートアフィ
ニティークロマトグラフィーのいずれも用いることな
く、逆相高性能液体クロマトグラフィー(「RP-HPLC」)
分析により評価されるように本質的に均質になるまで精
製する方法を提供すること。 【解決手段】 bFGFを含むサンプルから少なくとも98%
の純度の精製bFGFを回収する方法であって、bFGF含有溶
液を順に、強カチオン交換マトリックス、疎水的相互作
用マトリックスおよび弱カチオン交換マトリックスと接
触させることにより精製bFGFを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタンパク質の単離お
よび精製に関する。特に、本発明は、強および弱の両カ
チオン交換ならびに疎水的相互作用クロマトグラフィー
を用いる塩基性線維芽細胞成長因子の単離および精製の
改良された方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)は、有
効な分裂促進効果を有することを示し、それゆえ、組織
の再生または修復にその使用を示唆する。
【0003】天然bFGFを精製する多数の方法が記載され
ている。天然のbFGFはヘパリンに対して親和性を有する
ことを示すので、ヘパリンを用いるアフィニティークロ
マトグラフィーは、bFGFの精製に有効な方法であること
が見出された。Burgessら、Annu. Rev. Biochem. 58:57
5-606(1989)。しかし、このアプローチの欠点は、最終
容量の精製bFGFがヘパリンを含まないことの確認が困難
であることである。ヘパリンは、抗凝血活性を有する生
物学的に活性な物質なので、微量のヘパリンの混入でさ
えも非常に好ましくない。
【0004】Shingら、J. Biol. Chem. 263:9059-9062
(1988)は、2つのタイプのFGFである塩基性FGFおよび酸
性FGFのそれぞれのヘパリンに対する親和性およびそれ
らの等電点(pI)に基づいた2つのタイプのFGFの分離を
記載する。ヘパリンクロマトグラフィーが、粗細胞培養
物に由来するライゼートまたは下垂体、副腎髄質、およ
び脳組織のような組織のいずれかに由来する天然FGFを
精製するために用いられた。GospodarowiczおよびMesch
er(1981) Advances in Neurology: Neurofibromatosis,
Riccardi V.MおよびMulvihill J.J.編、Vol.29, p.149
Raven Press, New York。組換えbFGFが生産され、再度
ヘパリンアフィニティーHPLCを用いて精製された。Masa
haruら、Biochem. Biophys. Res Commun. 151:701-708
(1988)。Masaharuらは、タンパク質を安定化し、ヘパリ
ンアフィニティーHPLCからのbFGF溶出の不均一度を減少
する試みのために、部位指向性変異誘発を用いて、成熟
bFGFタンパク質の4つのシステイン残基をセリン残基に
変化させたが、いくつかの改変タンパク質では生物学的
活性が残存していた。
【0005】Scheuermannら、米国特許第5,136,025号
(以下「'025特許」)の開示は、その全てが参考として本
明細書中に援用されており、それは組換えヒトbFGF多量
体を発現するEscherichia coliを回収し、ヘパリンが存
在しない金属キレートアフィニティーカラムクロマトグ
ラフィーを用いてbFGFを精製する方法を開示する。'025
特許は、公知のbFGF精製法で用いるヘパリンが、インビ
ボでbFGFとの親和性、bFGFの取り込み速度、および薬学
動力学に影響し得ることを特記した。'025特許で開示さ
れた方法は、98%純度で混入物汚染のないタンパク質を
生じる。簡単に説明すれば、この方法は、以下のとおり
である:組換えbFGFを含む粗抽出物を、bFGFがその塩基
性pIのために結合するカチオン交換体を含む最初のクロ
マトグラフィー工程に供する。この最初のカラムから回
収したタンパク質は、約80%bFGFである。部分的に精製
したbFGFを、多量体形態のbFGFおよびレベルが減少した
混入物を含む調製物を生じる金属キレートアフィニティ
ーマトリックスに適用する。低分子量(MW)の混入物が存
在する場合、さらなるクロマトグラフィー工程、例え
ば、ゲル濾過を用いる。ゲル濾過サイズ排除樹脂によ
り、bFGF凝集体を含むより高MWの種を、より低MWの混入
物から分離する。bFGFを含む画分は、bFGF多量体を解離
するために化学的に還元される。次いで、十分に解離お
よび還元されたbFGFモノマーは、いかなる高MWの混入物
からも単離され得る。このような単離は、より高いMWの
混入物からモノマー性bFGFを分離するゲル濾過カラムに
よって行われ得る。金属キレートアフィニティーカラム
クロマトグラフィープロセスの欠点は、金属が、生成物
の酸化、凝集、およびペプチド結合加水分解を与え、結
果としてモノマー性生成物の収率が低下することであ
る。従って、さらなるプロセッシング工程が、凝集体を
除去するために必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、bFGFを、ヘ
パリンまたは金属キレートアフィニティークロマトグラ
フィーのいずれも用いることなく、逆相高性能液体クロ
マトグラフィー(「RP-HPLC」)分析により評価されるよ
うに本質的に均質になるまで精製する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は塩基性線維芽細
胞成長因子を精製する方法に関する。この方法は、強カ
チオン交換クロマトグラフィー、続いて疎水的相互作用
クロマトグラフィー、次いで、弱カチオン交換クロマト
グラフィーの使用を包含する。
【0008】本発明は、天然または組換えbFGF(そのフ
ラグメントまたはアナログを含む)を含むサンプルから
精製bFGFを回収する改良した方法を提供する。方法は以
下の工程を包含する: (a)bFGF含有溶液を強カチオン交換マトリックスと接
触させる工程; (b)この強カチオン交換マトリックスから、多数の画
分を、bFGFを含む少なくとも1つの画分で溶出する工
程; (c)bFGFを含有する強カチオン交換マトリックス画分
を疎水的相互作用マトリックスと接触させる工程; (d)この疎水的相互作用マトリックスから、多数の画
分を、bFGFを含む少なくとも1つの画分で溶出する工
程; (e)bFGFを含有する疎水的相互作用マトリックス画分
を弱カチオン交換マトリックスと接触させる工程; (f)この弱カチオン交換マトリックスから、多数の画
分を、bFGFを含む少なくとも1つの画分で溶出する工
程;および (g)bFGFを含有する弱カチオン交換マトリックス画分
から精製bFGFを回収する工程。
【0009】1つの実施態様では、本発明の方法におい
て、上記強カチオン交換マトリックスはスルホプロピル
−アガロース、デキストラン、およびアクリルアミドマ
トリックスらなる群から選択される。
【0010】1つの実施態様では、本発明の方法におい
て、上記疎水的相互作用マトリックスは、フェニル、ア
セチル、および(1〜8C)アルキルからなる群から選択
される官能基に結合しているアガロース、シリカ、およ
びポリマー性樹脂からなる群から選択される支持体を含
む。
【0011】1つの実施態様では、本発明の方法におい
て、上記弱カチオン交換マトリックスはカルボキシル官
能基に結合したシリカ支持体を含む。好ましくは、上記
官能基はポリアスパラギン酸である。
【0012】1つの実施態様では、本発明の方法は、各
溶出工程が約2℃と25℃との間の温度で行われる。
【0013】1つの実施態様では、本発明の方法は、上
記接触工程、工程a、c、およびe、ならびに前記溶出
工程、工程b、d、およびfが約6と8との間のpHで行
われる。
【0014】1つの実施態様では、本発明の方法は、上
記精製bFGFがタンパク質アナログを含み、ここで1また
はそれ以上のシステイン残基が中性アミノ酸残基により
置換され、該タンパク質アナログが天然bFGFの生物学的
活性を示す。
【0015】1つの実施態様では、本発明の方法は、上
記精製bFGFが天然bFGFのアミノ末端欠失アナログを含
む。
【0016】
【発明の実施の形態】A.定義 「bFGF」は、天然に存在するかまたは組換え的に生産さ
れるかのいずれかである塩基性線維芽細胞成長因子を意
味する。bFGFは、'025特許の図1に示す配列に相同また
は実質的に相同である。あるいは、bFGFは本明細書中の
アッセイまたは当業者に公知の他のアッセイに示す生物
学的活性を有する。「bFGF」はまた、同様の生物学的活
性を有するがアミノ酸残基の欠失、付加、伸長、または
交換のような偶発的または意図的に誘導した変化を含み
得るbFGFのアナログタンパク質およびフラグメントを含
み得る。このようなアナログの例は、例えば、1または
それ以上のシステイン残基を他のアミノ酸残基と置換
し、分子内架橋結合または間違った分子内ジスルフィド
結合を形成する部位を除去したタンパク質を含む。シス
テインの中性アミノ酸、例えば、グリシン、バリン、ア
ラニン、ロイシン、イソロイシン、セリン、チロシン、
またはメチオニンへの変換は、好ましいアプローチであ
る。セリンおよびアラニンは、システインに化学的に相
同なので、より好ましい置換である。生物学的活性を有
する1つの変異体形態では、78位および96位のシステイ
ン残基がセリンに変化している。N末端欠失アナログを
含む他のbFGFアナログは、1989年1月12日に公開された
PCT出願WO89/00198に記載されており、この出願の関連
部分は参考として本明細書中に援用される。さらに、bF
GFは、当該分野で公知の任意の方法により化学的に改変
され得る。本明細書で使用するように、「bFGF」は、上
記の形態および全ての天然に存在するまたは組換え形
態、完全なタンパク質およびその生物学的活性なアナロ
グおよびフラグメントを含む。
【0017】本明細書で使用するように、用語「哺乳動
物」は、任意の哺乳動物種を意味するが、好ましくはヒ
トである。
【0018】「精製」または「純粋な」は、組換え体ま
たは天然の状態に見られるように通常付随する物質を含
まない物質を意味する。従って、例えば、「純粋な」bF
GFは、そのインサイチュ環境で通常結合しているDNA、
宿主細胞タンパク質、または脂質を含まないbFGFを意味
する。もちろん、「純粋な」bFGFは、共有結合で結合し
た物質を含み得る。「純粋な」bFGFは、少なくとも約75
%、さらに好ましくは少なくとも約90%、および最も好
ましくは少なくとも約98%である純度を意味する。
【0019】「カチオン交換クロマトグラフィー」また
は「カチオン交換体」は、荷電基を有するクロマトグラ
フィー樹脂を、精製されるべき混合物中の荷電成分を選
択的に結合し、放出するために使用する精製方法を意味
する。カチオン交換体は、カチオン(正に荷電した種)を
結合し、それゆえに、活性または結合相として負に荷電
したリガンドを有する。「強カチオン交換クロマトグラ
フィー」は、広いpH範囲(約5と7.5との間)にわたり完
全にイオン化される樹脂を意味する;すなわち、媒体の
特徴はpHで大きく変化しない。強カチオン交換体の例
は、硫酸塩、スルホプロピル(SP)、トリスアクリル(Tri
sacryl)などを含む。「弱カチオン交換クロマトグラフ
ィー」は、解離程度およびそのため交換能がpHで大きく
変化する樹脂を意味する。代表的には、弱カチオン交換
体は、その解離定数を越えるpHでイオン化されるだけで
ある。従って、弱カチオン交換体は、狭いpH範囲(約6
と7との間)で作動する。弱カチオン交換体の例は、カ
ルボキシメチル(CM)、ホスホノ、およびポリアスパラギ
ン酸などを含む。
【0020】「疎水的相互作用クロマトグラフィー」(H
IC)は、水性緩衝液で行われるクロマトグラフィーの様
式を意味する。タンパク質のような成分は、疎水的相互
作用を介してHICカラムに結合する。HICは逆相(RP)クロ
マトグラフィーに使用されるのと同じクロマトグラフィ
ー樹脂を使用し得る。HICは、低または高圧で行い得
る。しかし、RPクロマトグラフィーとは異なり、カラム
は、高塩濃度を用いる水性緩衝液の存在下で平衡化さ
れ、そして低塩濃度を用いる水性緩衝液の存在下で溶出
される。低圧での適用のための代表的なHIC樹脂は、Pha
rmaciaのフェニル-セファロース、およびTosohaasのブ
チル、フェニル、およびエーテルToyopearl650系列樹脂
を含む。
【0021】B.一般的な方法 記載した全ての方法は、当業者に慣例的に公知および使
用される方法であり、そしてYostら、Practical Liquid
Chromatography, Perkin-Elmer Corporation(1980)中
に見られ得る。
【0022】1.bFGFの出発供給源:組換え生産タンパ
ク質 組換えDNA技術の利用を通じて、bFGFの十分な供給は、
今や創傷、手術、火傷、骨折、または神経学的変性の結
果として外傷した組織を修復するために製造され得る。
【0023】bFGFは、参考として本明細書に援用される
1987年3月26日に公開されたPCT公開WO87/01728に開示さ
れるとおり、組換え方法により生産され得る。Abraham
ら、Science, 233:545(1986)およびAbrahamら、The EMB
O Journal 5:2523(1986)もまた参照のこと。組換え生産
タンパク質は、E. coliを含むが、これに限定されない
細菌宿主系で発現され得る。
【0024】細胞ライゼートの調製は、約2℃から10℃
の温度で、約0.01M EDTA(エチレンジアミン四酢酸)の細
胞溶解緩衝液、約0.1〜約0.2M NaCl;約0.02〜約0.05Mリ
ン酸緩衝液; および約0.005M DTT(ジチオトレイトール)
中、約7.5のpHで宿主細胞を溶解することにより行われ
得る。次いで、細胞ライゼートは、30CDシステム(Manto
n-Gaulin, Inc., Everett, Mass.) を含むが、これに限
定されない任意の便利な手法によりホモジナイズされ
る。30CDシステムは、約12,000〜約15,000psig、約1〜3
L/分の流速で用いられ、80〜90%の溶解を生じる。ある
いは、タンパク質は宿主細胞により周囲の培地に分泌さ
れ、それにより細胞溶解手順が不必要となる。
【0025】2.bFGFの出発供給源:組織供給源からの
単離 本発明で使用するためのbFGFはまた、種々の動物の下垂
体からの抽出および続く濃縮技術により得られ得る。ヘ
パリンに対する強い親和性および塩基性pIを有する13,0
00〜18,000MWの多くの内皮細胞分裂促進因子が、哺乳動
物供給源から単離されている(これらの分裂促進因子の
まとめについては、Foxら、J. Biol. Chemistry 263:18
452-18458(1988)参照)。これらの全ての因子は、N末端
プロセッシングの程度だけが異なる形態のbFGFであるこ
とが公知である。下垂体組織から単離されるように、bF
GFは16,500MWの一本鎖非グリコシル化タンパク質であ
る。
【0026】3.bFGFの精製 一旦、bFGFの粗単離物が上記の方法または他の任意の適
切な手段により得られると、本発明の精製手順が使用さ
れ得る。図1は、本発明の実例となる実施態様のフロー
チャートである。好ましい方法は、3つのクロマトグラ
フィー工程を使用する。
【0027】第一の工程は、bFGFがその塩基性pIのため
に結合する強カチオン交換体を包含する。bFGF分子また
はbFGFと宿主細胞タンパク質との間の分子間ジスルフィ
ド結合形成を破壊しまたは妨げるため、そしてbFGFの樹
脂への結合効率を高めるために、還元剤を細胞抽出緩衝
液に含み得る。適切な還元剤の例は、DTT、β-メルカプ
トエタノール、およびシステインを含むがこれらに限定
されない。強カチオン交換クロマトグラフィーは、約2
℃〜約25℃、好ましくは約4℃の温度で、約6〜8のp
H、好ましくは約7.5の緩衝液中で実施される。このよう
な緩衝液の例は、リン酸ナトリウムおよびイミダゾール
-HCl緩衝液を含むがこれらに限定されない。溶出は、段
階または勾配、好ましくは段階であり得る。カラムマト
リックスは、スルホプロピル−アガロース、デキストラ
ン、およびアクリルアミドマトリックスを含むがこれら
に限定されないカチオン交換樹脂を含む。例えば、スル
ホプロピル−セファロースファーストフロー(sulphopro
pyl-Sepharose Fast Flow)、スルホプロピル−セファデ
ックス、トリスアクリルなどが挙げられ、好ましくはス
ルホプロピル−セファロースファーストフローである。
bFGFは、低塩濃度(0.1M NaCl, 0.05Mリン酸ナトリウムp
H7.5,好ましくは10mM EDTAおよび5mM DTTをともなう)で
結合され、高塩濃度(0.5M NaCl, 0.05Mリン酸ナトリウ
ムpH7.5,好ましくは1.0mM EDTAをともなう)で溶出され
る。KCl、Na2SO4などを含むがこれらに限定されない他
の適切な塩は、結合および溶出のためにNaClの代わりに
用いられ得る。この工程はbFGFを7〜8倍精製し、そし
てまた、bFGFが約70%と85%との間の純度になるよう
に、エンドトキシンおよび核酸レベルを実質的に減少さ
せる。この工程は、バッチ様式およびカラムで行われ得
る。
【0028】第二の工程はbFGFをさらに精製するために
疎水的相互作用クロマトグラフィーの使用を包含する。
上記の強カチオン交換クロマトグラフィープロセスのイ
オン交換溶出物はその伝導性を調節するために緩衝液で
処理され、そしてクロマトグラフィーはブチル-HIC樹脂
上で、好ましくは周囲の温度で行われるが、4℃で行わ
れ得る。緩衝液は0〜5mM EDTAを含む;好ましくは1.4
〜1.5M硫酸アンモニウムおよび0.01〜0.1Mリン酸カリウ
ムをともなう硫酸アンモニウム/リン酸カリウム緩衝液
であるが、硫酸ナトリウム、KCl、高NaCl、または他の
強塩もまた含み得る。別の緩衝液もまた用いられ得、リ
ン酸ナトリウム、イミダゾール-HCl、クエン酸ナトリウ
ム、および酢酸ナトリウムを含むがこれらに限定されな
い。HICは5と7.2との間のpH、好ましくは6と7との間
のpHで行われ得る。bFGFの他の混入物からの単離は、塩
勾配の減少を用いて達成される。段階溶出または勾配溶
出のいずれかが利用され得る。カラムマトリックスは、
アガロース、シリカ、またはポリマー性樹脂を含むがこ
れらに限定されない。カラムマトリックスは、ブチル、
オクチル、フェニル、アセチル、または他の低級(1〜
8C)アルキルを含むがこれらに限定されない官能基が
結合している。
【0029】上記の勾配HIC工程は、RP-HPLCにより約85
%と95%との間の均質性までbFGFを精製し、90%より高
い純度のbFGFを生じる。純度はRP-HPLCにより分析さ
れ、 RP-HPLCはアクトニチル(actonitile)/0.1% TFA勾
配30〜45%を用いるVydac C4カラムで30分間にわたり行
われる。ピークの検出は215nmでモニターされる。
【0030】HICからの勾配溶出の代替物はイソクラテ
ィックHICであり、そこではbFGFがHIC樹脂に結合せず
に、不純物が結合する。この方法により、RP-HPLCによ
り約80%と90%との間の均質性にあり、約90%と95%と
の間の純度のbFGFであるbFGFが生じる。
【0031】第三の工程は、FGF凝集体および分解生成
物ならびに宿主細胞タンパク質からbFGFをさらに精製す
るために、弱カチオン交換クロマトグラフィーの使用を
含む。精製bFGFを含むHIC溶出液は、任意の便利な手
段、例えば限外濾過を用いて濃縮され、次いで、緩衝液
を低塩緩衝液に交換し、そしてイオン交換カラムにかけ
られる。低塩緩衝液は、1mM EDTAをともなう0.1M硫酸ア
ンモニウム、0.02Mリン酸カリウム、pH6.0であり得る。
NaClおよびNa2SO4を含むがこれらに限定されない他の塩
は用いられ得る。酢酸塩、クエン酸塩、およびイミダゾ
ールを含むがこれらに限定されない他の緩衝液もまた用
いられ得る。
【0032】弱カチオン交換クロマトグラフィーは、約
2℃〜約25℃、好ましくは約15〜20℃の温度、約5〜7.
5のpH、好ましくは約6のpHを有する緩衝液中で実施さ
れる。カルボキシル(COO-)交換基およびシリカへのポリ
アスパラギン酸結合に基づく弱カチオン交換体(例え
ば、PolyCAT A、PolyLC Inc., Columbia, MDから入手、
およびBakerbond弱カチオン交換体、J.T. Baker, Phill
ipsburg, N.J.から入手)は、この適用において有用であ
ることが示されている。カラムマトリックスの粒子サイ
ズ(5〜25μm)および孔サイズ(300または1000Å)の範囲
は、受容可能な分解特徴を全て示した。bFGFは、イソク
ラティックまたは緩やかな勾配溶出様式(すなわち、0.5
mM/分)のカチオン交換塩(例えば、ナトリウムまたはア
ンモニウム)を用いて、一定pH(6.0〜7.5の範囲)および
約4cm/分〜約10cm/分までの線形速度で溶出される。
【0033】生成物bFGFは、AおよびBと称する小さな
ピークおよび主要なピークに溶出される。ピークAは酸
化されたFGF混入物を含むが、一方ピークBは、上記の
ようにRP-HPLCで分析する場合、約95%より大きい、好
ましくは約97〜98%の単一ピークのbFGFである(図2参
照)。FGF凝集体は、存在するならば、ピークBより後に
溶出する。
【0034】4.混入についての試験 精製後のbFGFの活性は、種々のアッセイ、例えば、副腎
皮質内皮細胞アッセイ(ACEアッセイ)またはベビーハム
スター腎臓-21((BHK)-21)マイクロタイター細胞増殖ア
ッセイにより測定され得る。さらに、最終生成物の混入
についての試験は、純度をモニターすることを意図して
おり、例えば、リムルス変形細胞ライゼート(LAL)アッ
セイ、残存核酸混入範囲、E. coli宿主細胞タンパク質
アッセイ、および発熱物質についてのウサギアッセイが
挙げられる。
【0035】
【実施例】C.実施例 以下の実施例は、発明を説明するが限定しないことが意
図される。
【0036】(実施例1)組換えヒトbFGFを、本明細書
で参考として援用される共同所有の米国特許第5,136.02
5号に記載のとおり、E. coli Bで発現した。細胞を収集
し、そしてProstakデバイス(Millipore, Bedford, MA)
の正接流濾過(tangential flow filtration)により洗浄
した。凍結した細胞塊、約2kgを解凍し、3倍容量の0.
05Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.5および0.1M NaClに4
℃で再懸濁した。EDTA(0.5M)およびDTT(1M)をそれぞれ
最終濃度10mMおよび5mMまで添加した。細胞のスラリー
をMantonGaulin CD30ホモジナイザーを用いてホモジナ
イズすることにより溶解した。
【0037】<工程1−強カチオン交換クロマトグラフ
ィー>細胞ライゼートを、0.05Mリン酸ナトリウム、0.1
M NaCl、pH7.5、1mM EDTAを用いて4℃で撹拌バッチ様
式で平衡化したSP-セファロースファーストフロー樹脂
(Pharmacia)と直接接触させた。インキュベーションは
4℃で60分間(撹拌)行い、bFGFを樹脂に結合させた。次
いで、樹脂を沈澱させ、非結合化合物、細胞デブリ、お
よび緩衝液を除去するためにデカントした。緩衝液での
2回の洗浄を同様に行った。次いで、樹脂をカラム(18
×90cm、IBF/Sepracor Inc.)に充填し、そしてさらに0.
05Mリン酸ナトリウムpH7.5、1mM EDTA中0.22M NaClでさ
らに洗浄した。この工程は特定の宿主細胞タンパク質混
入物を溶出した。次いで、bFGFを出発緩衝液中0.5M NaC
lを用いて溶出させた。
【0038】最初の1.9kgの細胞塊(これは210グラムの
全タンパク質を含む(Bradford assay))から、14.7gまた
は約7%のタンパク質およびほぼ全てのbFGFが結合およ
び溶出画分中に得られた。この物質は、Molecular Devi
ces Threshold Machineを用いる免疫学的アッセイに基
づき、約80%bFGFであった。従って、細胞デブリの効率
的な除去が、分離濾過工程を用いずに達成された。
【0039】<工程2−疎水的相互作用クロマトグラフ
ィー>次の工程は疎水的相互作用クロマトグラフィー(H
IC)を利用した。上記の0.5M溶出液を「緩衝液A」(緩衝
液Aは0.1Mリン酸カリウム、および1mM EDTA、pH6.5で
ある)中3M硫酸アンモニウムで1:1に希釈した。粒子
除去フィルターを通して濾過した後、100mlのスルホプ
ロピル0.5M溶出プール中のタンパク質15mgを、緩衝液A
中1.5M硫酸アンモニウムで平衡化した10ml(1.6cm×5c
m)ブチル650M ToSoHaas(Philadelphia, PA)カラムにか
けた。タンパク質を流した後、カラムを緩衝液A中1.5M
硫酸アンモニウムで洗浄した。カラムおよび全ての緩衝
液は室温であった。結合タンパク質の溶出を、緩衝液A
中の1.4Mおよび1.3M硫酸アンモニウム、水、および水酸
化ナトリウムを用いて段階様式で行った。画分をRP-HPL
CによりbFGF均質性についてアッセイし、そして純度の
ためにプールした。85%より大きい主要ピークbFGFで50
〜70%の収率が達成された。
【0040】<工程3−弱カチオン交換クロマトグラフ
ィー>次の工程は弱イオン交換クロマトグラフィーを利
用した。HIC工程からの溶出液を脱塩化し、限外濾過系
−Minitan(Millipore, Bedford, MA)により濃縮した。H
ICカラムの溶出液由来のbFGFの精製に用いるカラムは、
polyCAT Aと称される4.6×200mmの弱カチオン交換体で
あり、それはポリアスパラギン酸でコートされた5μm
の1000Åシリカ充填からなる(PolyLC、Columbia, MD)。
結合タンパク質の溶出を、20mMリン酸カリウムおよび1m
M EDTA中の線形勾配の硫酸アンモニウム、pH6を用いて
行った。2重の勾配は、1.6mM硫酸アンモニウム/分の
最初の緩やかな勾配、および次いで120mM硫酸アンモニ
ウム/分から最終濃度400mM硫酸アンモニウムからなっ
た。生成物の溶出パターンを図2に示す。95%より高い
主要ピークbFGFで、約60%の収率が達成された。
【0041】(実施例2)実施例1の2kgの細胞ライゼ
ートを、0.05Mリン酸ナトリウム、0.1M NaCl、pH7.5、1
mM EDTAを用いて4℃で撹拌バッチ様式で平衡化したSP-
セファロースファーストフロー樹脂(Pharmacia)と直接
接触させた。インキュベーションは4℃で60分間(撹拌)
行った。次いで、その上に緩衝液のスペースを有する安
定な充填ベッドが得られるまで、樹脂を含むライゼート
をカラム(18×90cm、IBF/SepracorInc.)にゆっくりな流
速で充填した。次いで、ほとんどの細胞デブリをカラム
から目視的に除去し、流出液が透明になるまで、樹脂ベ
ッドを、上流および下流を交互に用いて0.05Mリン酸ナ
トリウム、0.1M NaCl、pH7.5、および1mM EDTAで洗浄し
た。これは流れの方向の4つの変化を必要とした。次い
で、カラムを0.05Mリン酸ナトリウム、pH7.5、1mM EDTA
中0.22M NaClで洗浄した。次いで、bFGFを出発緩衝液中
0.5M NaClを用いて溶出した。
【0042】最初の2.0kgの細胞塊から、約6.5%のタン
パク質およびほぼ全てのbFGFが結合および溶出画分に得
られた。この物質は、Molecular Devices Threshold Ma
chineを用いる免疫学的アッセイに基づき、約80%bFGF
であった。従って、細胞デブリの効率的な除去が、分離
濾過工程を用いずに達成された。
【0043】(実施例3) <HIC精製−段階勾配方法>bFGFの精製を実施例1のよ
うに実施したが、工程2のプロセッシング条件を以下の
ように変更した。
【0044】強カチオン交換体由来の溶出液を、緩衝液
A中3M硫酸アンモニウムで1:1に希釈した。この物質
を粒子除去フィルターに通した。緩衝液A中1.5M硫酸ア
ンモニウムで平衡化した後、実施例2に記載のカラムに
200ml中30mgのタンパク質を流した。次いで、カラムを
平衡緩衝液で洗浄し、続いて、緩衝液A中1.25M、0.9
M、および0.5M硫酸アンモニウム、水、および水酸化ナ
トリウムを用いて段階様式で、結合タンパク質の溶出を
行った。RP-HPLCにより決定されたところ、85%の主要
ピークbFGFで、53%の収率が達成された。
【0045】(実施例4)bFGFの精製を実施例1のよう
に実施したが、工程2のプロセッシング条件を以下のよ
うに変更した。
【0046】強カチオン交換体由来の溶出液を、緩衝液
A中3M硫酸アンモニウムで1:1に希釈した。粒子除去
フィルターを通して濾過した後、100mlのスルホプロピ
ル0.5M NaCl緩衝液溶出プール(下降側)中の960mgのタン
パク質を、緩衝液A中1.5M硫酸アンモニウムで平衡化し
た159ml(4.5cm×10cm)ブチル650S ToSoHaas(Philadelph
ia, PA)カラムにかけた。タンパク質を流した後、カラ
ムを緩衝液A中の1.5M硫酸アンモニウムで洗浄した。カ
ラムおよび全ての緩衝液は室温であった。結合タンパク
質の溶出を以下のような段階様式で行った:全て緩衝液
A、0.5M水酸化ナトリウム、20%エタノール、および30
%プロピレングリコール中の1.5M; 1.3M; 1.25M; 1.1M;
0.9M; 0.7M; 0.45M;および0.0M硫酸アンモニウム。収
率は、RP-HPLCにより測定されたところ85%の主要ピー
クbFGFで、プールされた画分に依存して62%と81%との
間にあった。
【0047】(実施例5)bFGFの精製を実施例1のよう
に実施したが、工程2のプロセッシング条件を以下のよ
うに変更した。
【0048】強カチオン交換体由来の溶出液を、緩衝液
A中3M硫酸アンモニウムで1:1に希釈した。粒子除去
フィルターを通して濾過した後、85mlのスルホプロピル
0.5MNaCl緩衝液溶出プール(上昇側)中の85mgのタンパク
質を、緩衝液A中1.5M硫酸アンモニウムで平衡化した15
9ml(4.5cm×10cm)ブチル650S ToSoHaas(Philadelphia,
PA)カラムにかけた。タンパク質を流した後、カラムを
緩衝液A中1.5M硫酸アンモニウムで洗浄した。カラムお
よび全ての緩衝液は室温であった。結合タンパク質の溶
出を以下のような段階様式で行った:全て緩衝液A;0.
5M水酸化ナトリウム;および30%プロピレングリコール
中の1.5M; 1.3M; 1.25M; 0.9M; 0.7M;0.45M;および0.0M
硫酸アンモニウム。収率は、RP-HPLCにより測定された
ところ、85%の主要ピークbFGFで15%であった。負荷物
質中に低いパーセントの生成物が存在するので、収率は
低かった。
【0049】(実施例6)bFGFの精製を実施例1のよう
に実施したが、工程2のプロセッシング条件を以下のよ
うに変更した。
【0050】強カチオン交換体由来の溶出液を、緩衝液
A中3M硫酸アンモニウムで1:1に希釈した。粒子除去
フィルターを通して濾過した後、1000mlのスルホプロピ
ル0.5M NaCl緩衝液溶出プール中の1026mgのタンパク質
を、緩衝液A中1.5M硫酸アンモニウムで平衡化した159m
l(4.5cm×10cm)ブチル650S ToSoHaas(Philadelphia,PA)
カラムにかけた。タンパク質を流した後、カラムを緩衝
液A中1.5M硫酸アンモニウムで洗浄した。カラムおよび
全ての緩衝液は室温であった。結合タンパク質の溶出を
以下のような段階様式で行った:全て緩衝液A中の1.5
M; 1.3M; 1.25M; 1.1M; 0.9M; 0.45M;および0.0M硫酸ア
ンモニウム。RP-HPLCにより測定されたところ85%より
高い主要ピークbFGFで92%の収率が達成された。
【0051】(実施例7) <HIC精製−イソクラティック方法>bFGFの精製を実施
例1のように実施したが、工程2のプロセッシング条件
を以下のように変更した。
【0052】強カチオン交換体由来の溶出液を、100mM
KPi、1.5M硫酸アンモニウム、1mM EDTA、pH6.5で3:5
に希釈し、硫酸アンモニウム濃度を0.9Mにした。ブチル
-650M ToSoHaas樹脂(Philadelphia, PA)を用いて、5ml
(1.0cm×6.5cm)カラムに100mM KPi、0.9M硫酸アンモニ
ウム、1mM EDTA、pH6.5を注ぎ、平衡化した。次いで、
このカラムをPharmacia FPLC系に取り付けた。平衡化の
さらに10分後、20ml(37mgのタンパク質)の上記の負荷物
質をカラムにかけた。次いで、この系をイソクラティッ
ク条件(100mM KPi、0.9M硫酸アンモニウム、1mM EDTA、
pH6.5)でさらに30分間洗浄し、UVでモニターしたクロマ
トグラフィートレースを基線まで戻した。さらに10分間
にわたり、硫酸アンモニウム濃度を連続勾配を用いてゼ
ロまで減少させ、従ってHIC樹脂に結合した混入してい
るタンパク質の放出を促進する。
【0053】2ml画分をクロマトグラフィートレースの
全コースにわたり回収し、3番目毎の画分を、標準とし
てBSAを用いてBradford法(Biorad, Richmond, CA)によ
りタンパク質濃度についてアッセイした。次いで、これ
らの画分をSDS-PAGEにより分析した。ゲルの可視分析か
ら、画分を純度のためにプールし、そしてBradfordによ
り物質収支目的のために再度アッセイした。これはカラ
ムの96%からのタンパク質回収、および80%の主要ピー
クbFGFでの92%の収率を示した。
【0054】ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動(SDS-PAGE)は、bFGFを含む画分におい
て、上記の段階溶出手順で既に認められたより宿主細胞
混入レベルがわずかに高いこと(目視観察)を示した。こ
のことは、本明細書に記載したイソクラティック方法
が、段階方法で使用する硫酸アンモニウム洗浄工程を欠
くという事実に起因するようである。この方法は、有意
なレベルの混入物を除去することを示した。
【0055】(実施例8) <弱カチオン交換クロマトグラフィー>bFGFの精製を実
施例1のように実施したが、工程2および3のプロセッ
シング条件を以下のように変更した。
【0056】疎水的相互作用マトリックス由来の溶出液
(実施例3参照)を、ポリ(アスパラギン酸)でコートされ
た5μMの1000Åシリカ充填からなる分析スケール(4.6
×200mm)IE-HPLCカラム(PolyCAT A、PolyLC, Inc.、Col
umbia, MDから入手)にかけた。試料を、20mMリン酸カリ
ウムおよび1mM EDTA中の2重勾配の硫酸アンモニウムを
用いてpH6.0で溶出した。2重勾配は、1.6mM (NH4)2SO4
/分の最初の緩やかな勾配から120mM (NH4)2SO4/分か
ら最終濃度400mM (NH4)2SO4までからなった。ピーク画
分を、上昇側で収集を開始することおよび降下側で収集
を停止することにより最大ピークについて用手収集し
た。収率は、95%より大きい主要ピークbFGFで約60%で
あった。
【0057】(実施例9) <弱カチオン交換クロマトグラフィーのスケール増大研
究>スケール増大研究で分離を最大にするために、他の
不純物から主要ピークのbFGFを分離するのに最適な溶出
条件について試験するため、21mm内径(I.D.)の調製スケ
ールの弱カチオン交換カラムで上記のようにイソクラテ
ィック溶出を用いて研究を行った。これらの研究に基づ
いて、300Å、12μm粒子と1000Å、15〜25μm粒子との
間の分離(最も近い不純物に対する主要ピークbFGF)にお
ける違いは、5mg/ml以下のカラム容量のローディング
でごくわずかであった。イソクラティック溶出で見られ
るテーリング効果を減少させるさらに最適な溶出条件
は、110mM〜125mM (NH4)2SO4から開始する0.5mM以下の
(NH4)2SO4/分の緩やかな勾配であることが分かった。
【0058】当業者に明らかな本発明の実施のための上
記の様式の改変は、上述の特許請求の範囲内であること
が意図される。
【0059】
【発明の効果】本発明の方法を用いると、bFGFは、ヘパ
リンまたは金属キレートアフィニティークロマトグラフ
ィーのいずれも用いなくても、逆相高性能液体クロマト
グラフィー(「RP-HPLC」)分析による評価されるように
本質的に均質になるまで精製され得ることが分かった。
このように、高収率のbFGFがさらに迅速なプロセスで得
られる。さらに、bFGFは、以前の方法よりかなり緩和さ
れたプロセッシング条件に供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実例となる精製のスキームを示すフローチャー
トである。
【図2A】生成物bFGFの逆相(図2A)パターンの分析グ
ラフを示す。
【図2B】生成物bFGFのイオン交換溶出(図2B)パター
ンの分析グラフを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:19) (71)出願人 593215117 2450 BAYSHORE PARKWA Y,MOUNTAIN VIEW,CAL IFORNIA 94043,U.S.A. (72)発明者 ケイト ビー. シルバーネス アメリカ合衆国 カリフォルニア 94546, キャストロ バレイ,サンディ ロード 18619 (72)発明者 ロバート エス. キング アメリカ合衆国 カリフォルニア 94555, フレモント,オネイル テラス 34196

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 bFGFを含むサンプルから少なくとも98
    %の純度の精製bFGFを回収する方法であって、該方法は
    本質的に以下の工程からなる: (a)bFGF含有溶液を強カチオン交換マトリックスと接
    触させる工程; (b)該強カチオン交換マトリックスから、多数の画
    分、bFGFを含む少なくとも1つの画分を溶出する工程; (c)bFGFを含有する強カチオン交換マトリックス画分
    を疎水的相互作用マトリックスと接触させる工程; (d)該疎水的相互作用マトリックスから、多数の画
    分、bFGFを含む少なくとも1つの画分を溶出する工程; (e)bFGFを含有する疎水的相互作用マトリックス画分
    を弱カチオン交換マトリックスと接触させる工程; (f)該弱カチオン交換マトリックスから、多数の画
    分、bFGFを含む少なくとも1つの画分を溶出する工程;
    および (g)bFGFを含有する弱カチオン交換マトリックス画分
    から精製bFGFを回収する工程。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017066082A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 片山化学工業株式会社 bFGFの精製方法およびbFGFの製造方法

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