JPH11314661A - ピロー包装用フィルムおよびそれを用いたピロー包装袋 - Google Patents

ピロー包装用フィルムおよびそれを用いたピロー包装袋

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JPH11314661A
JPH11314661A JP12378198A JP12378198A JPH11314661A JP H11314661 A JPH11314661 A JP H11314661A JP 12378198 A JP12378198 A JP 12378198A JP 12378198 A JP12378198 A JP 12378198A JP H11314661 A JPH11314661 A JP H11314661A
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pillow packaging
film
resin
resin composition
pillow
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JP12378198A
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English (en)
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Toshiya Kuroda
俊也 黒田
Taiichi Sakatani
泰一 阪谷
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素、水蒸気等のガスバリア性に優れるとと
もに環境負荷を低減できる低コストのピロー包装用フィ
ルムおよびそれを用いたピロー包装袋を提供する。 【解決手段】 ピロー包装用フィルム10は、熱可塑性
樹脂や紙状物である基材層1とヒートシール性フィルム
5との間に、無機層状化合物を含む樹脂組成物層3を備
える。ピロー包装袋は、ピロー包装用フィルム10によ
って形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素、水蒸気等の
ガスバリア性に優れるピロー包装用フィルムおよびそれ
を用いたピロー包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ジュースや酒等の水を含む内
容物を保存する容器には、紙、ガラス、金属等が古くか
ら用いられていたが、近年、プラスチックがこの分野に
多く用いられるようになってきた。
【0003】これは、プラスチックの特性が包装材料と
しての機能、例えば(1)素材の多様性により設計自由
度が大きい、(2)成形加工性がよい、(3)耐腐食性
が優れている、(4)比重が小さい、(5)熱伝導率が
小さい等の、包装材料としての好適な機能を満たしてい
るからである。
【0004】さらに、酸化防止等のガスバリア性等の機
能を改良するために、プラスチックを含む複数の素材層
を貼り合わせることによって、各素材層の長所を生か
し、欠点を補い合った、より理想的なフィルム積層体が
提案されている。また、このようなフィルム積層体によ
ってピロー包装袋を形成することにより、内容物をピロ
ー包装することも提案されている。
【0005】ピロー包装には、例えば、ポリ塩化ビニリ
デンからなるガスバリア層を備えたフィルム積層体が用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ピロー包装用フィルムは、塩素原子を含むために、廃棄
時に焼却すると、ダイオキシン等の有害物質が発生し易
く、環境負荷が大きい、コストが高い等の問題を生じて
いる。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、ガスバリア性に優れるとと
もに環境負荷を低減できる低コストのピロー包装用フィ
ルムおよびそれを用いたピロー包装袋を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために、ピロー包装用フィルムおよびそれを
用いたピロー包装袋について鋭意検討した結果、無機層
状化合物を含む樹脂組成物層を設けることにより、環境
負荷の大きいハロゲン原子を用いることなく低コストで
ガスバリア性を改善できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】すなわち、本発明のピロー包装用フィルム
は、以上の課題を解決するために、無機層状化合物を含
む樹脂組成物からなる樹脂組成物層を備えることを特徴
としている。
【0010】上記構成によれば、樹脂組成物層において
は、無機層状化合物が、その層状という形状により互い
に対面すると共に、樹脂組成物層の表面方向に対し略平
行となるように配向するから、上記無機層状化合物によ
る迷路効果によって、優れたガスバリア性を付与するこ
とができる。それゆえ、上記構成のピロー包装用フィル
ムは、内容物充填後の内容物の保護性に優れている。ま
た、環境負荷の大きいハロゲン原子を用いる必要がな
く、低コストである。さらに、上記構成のピロー包装用
フィルムは、ピロー包装機適性に優れている。
【0011】従って、あらゆる形態のピロー包装に使用
可能であり、ガスバリア性に優れるとともに環境負荷を
低減できる低コストのピロー包装用フィルムを提供でき
る。
【0012】また、樹脂組成物層に対し、熱可塑性樹脂
や紙状物等の基材層を積層すれば、十分な強度、例えば
引っ張り強度をピロー包装用フィルムに付与することが
可能となる。
【0013】さらに、樹脂組成物層に対してヒートシー
ル性フィルムを積層すれば、ヒートシール性をピロー包
装用フィルムに付与することが可能となる。
【0014】その上、樹脂組成物層に延伸フィルムを積
層し、該延伸フィルムにヒートシール性フィルムを積層
すれば、ヒートシール性および易引裂き性をピロー包装
用フィルムに付与することが可能となる。
【0015】本発明のピロー包装袋は、以上の課題を解
決するために、本発明のピロー包装用フィルムによって
形成されていることを特徴としている。
【0016】上記構成によれば、ガスバリア性に優れる
とともに環境負荷を低減できる低コストのピロー包装袋
を提供することができる。
【0017】なお、本明細書における「ピロー包装」と
は、インラインで、包装用フィルムの縦の中央部をはり
合わせてピロー包装袋を形成しながらピロー包装袋内に
被包装物を充填する包装を指すものとする。従って、本
明細書における「ピロー包装」には、包装用フィルムの
縦の中央部をはり合わせて上下端を熱接着(ヒートシー
ル)するピロータイプ包装だけでなく、包装用フィルム
の縦の中央部をはり合わせて下端を熱接着するガゼット
包装も含まれる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。図1に示すように、本実施形態のピロー包装用フィ
ルム10は、基材層1、無機層状化合物を含む樹脂組成
物からなる樹脂組成物層3、ヒートシール性フィルム5
が、この順に互いに積層されてなっている。
【0019】ピロー包装用フィルム10では、基材層1
により十分な強度、例えば引っ張り強度をピロー包装用
フィルム10に対し付与することができる。なお、本発
明のピロー包装用フィルムは、樹脂組成物層3を備えて
いればよく、ピロー包装用フィルム10における基材層
1およびヒートシール性フィルム5の一方または両方を
省いたものであってもよい。基材層1の素材としては、
特に限定されないが、紙状物や二軸延伸フィルムが挙げ
られる。紙状物としては、クラフト紙、上質紙、模造
紙、グラシン紙、パーチメント紙、合成紙および各種ボ
ール紙などが挙げられる。
【0020】基材層1は、引っ張り強度等の強度に優れ
ていることから、二軸延伸フィルム(二軸延伸されたフ
ィルム)であることが好ましい。また、基材層1の素材
としては、特に限定されないが、ポリエチレン(低密
度、高密度)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エ
チレン−オクテン共重合体、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエス
テル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、メタキ
シレンジアミン−アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタ
クリルイミドなどのアミド系樹脂、ポリメチルメタクリ
レートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリルなど
のスチレン−アクリロニトリル系樹脂、トリ酢酸セルロ
ース、ジ酢酸セルロースなどの疎水化セルロース系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化
ビニリデン、テフロンなどのハロゲン含有樹脂、ポリビ
ニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、セルロース誘導体等の水素結合性樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン
樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレ
ンオキシド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、液晶樹脂
などのエンジニアリングプラスチック系樹脂等が挙げら
れる。
【0021】それらの中で、二軸延伸ポリプロピレン
(OPP)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、二
軸延伸ナイロン、ポリ塩化ビニリデンをコート(Kコー
トと呼ばれる)した二軸延伸ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニリデンをコートした二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レート、ポリ塩化ビニリデンをコートした二軸延伸ナイ
ロン、並びに強帯電防止用途2軸延伸ポリプロピレン
(AS−OP)からなる群より選ばれる少なくとも1種
が好ましく使用される。上記二軸延伸ポリプロピレン
(OPP)、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、お
よび二軸延伸ナイロンについては、それらに対し、それ
ぞれ、アルミニウム蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着な
どの金属または金属酸化物を蒸着したものも含まれる。
【0022】なお、基材層1の素材としては、廃棄時
や、リサイクル時の環境保護性を考慮すれば、炭素と水
素とからのみなる樹脂や、炭素と水素と酸素とのみから
なる樹脂や紙状物が好ましい。
【0023】樹脂組成物層3に用いられる無機層状化合
物とは、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を有
する無機化合物である。
【0024】無機層状化合物のガスバリア性に関し、無
機層状化合物のアスペクト比は、へき開した状態におい
て、50以上5000以下であればよいが、200〜3
000の範囲内であることがより好ましい。アスペクト
比が50未満であればガスバリア性に関して十分でな
く、5000より大きいものは技術的に難しく、経済的
にも高価なものとなる。
【0025】また、無機層状化合物の粒径は、へき開し
た状態において、5μm以下であればよいが、3μm以
下であれば透明性が、より良好となり、さらに粒径が1
μm以下であれば透明性の重視される用途にはより好ま
しい。
【0026】本発明に用いられる無機層状化合物の具体
例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物
(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、
粘土鉱物等を挙げることができる。ここに「カルコゲン
化合物」とはIV族(Ti,Zr,Hf)、V族(V,
Nb,Ta)およびVI族(Mo,W)のジカルコゲン
化物であって、式MX2 (Mは上記元素, Xはカルコゲ
ン(S,Se,Te)を示す。) で表されるものをい
う。
【0027】本発明で用いられる無機層状化合物の粒径
とは、分散媒中、回折/散乱法により求めた粒径をさ
す。樹脂組成物層3中での真の粒径測定はきわめて困難
であるが、回折/散乱法で用いた分散媒と同種の分散媒
で十分に膨潤・へき開させて、樹脂組成物層3に用いる
樹脂に複合させる場合、図3に示す樹脂組成物層3にお
ける樹脂32中での、へき開した無機層状化合物の単位
結晶層31の粒径は、分散媒中でのへき開した無機層状
化合物の粒径に相当すると考えることができる。
【0028】(平均粒径を求める方法)液中の粒子の平
均粒径を求める方法は、回折/散乱法による方法、動的
光散乱法による方法、電気抵抗変化による方法、液中顕
微鏡撮影後画像処理による方法などが可能である。
【0029】動的光散乱法では樹脂と粒子が共存してい
る場合、見かけ液粘度が純分散媒と変わってしまうため
に評価し難く、電気抵抗変化による方法は液の電解質濃
度などに制限があり、液中顕微鏡撮影後画像処理による
方法は分解能の問題があり、それぞれ使いづらい。
【0030】回折/散乱法による方法は、樹脂溶液、例
えば樹脂水性液に実質上散乱が少なく(透明というこ
と)、よって、粒子由来の散乱が支配的である場合に
は、樹脂の有無に関わらず粒子の粒度分布のみの情報が
得られるため好ましい。
【0031】(回折/散乱法による平均粒径測定)回折
/散乱法による粒度分布・平均粒径測定は、膨潤・へき
開した無機層状化合物を水性分散媒に分散させた分散液
に対し、光を通過させたときに得られる回折/散乱パタ
ーンをミー散乱理論などを用いてパターンに最も矛盾の
ない粒度分布を計算することによりなされる。
【0032】市販の装置としては、レーザー回折・光散
乱法による粒度測定装置(LS230、LS200、L
S100、コールター社製)、レーザー回折式粒度分布
測定装置(SALD2000、SALD2000A、S
ALD3000、島津製作所製)、レーザー回折・散乱
式粒度分布測定装置(LA910、LA700、LA5
00、堀場製作所製、および、マイクロトラックSP
A、マイクロトラックFRA、日機装製)などが挙げら
れる。
【0033】(アスペクト比測定方法)アスペクト比
(Z)とは、Z=L/aの関係から求められる比であ
る。ここに、Lは、分散液中、上記した回折/散乱法に
よる粒径測定法により求めた無機層状化合物の粒径(体
積基準のメジアン径)であり、aは、図3に示すへき開
した無機層状化合物の単位結晶層31の単位厚さであ
る。この「単位厚さa」は、後述する粉末X線解析法等
によって、無機層状化合物の厚みを単独にて測定した結
果に基づいて決められる値である。
【0034】より具体的には、横軸に2θ、縦軸にX線
回折ピークの強度を示した図4のグラフに模式的に示す
ように、観測される回折ピークのうち最も低角側のピー
クに対応する角度θから、Bragg の式(nλ=2Dsi
nθ、n=1,2,3・・・)に基づいて求められる間
隔を、「単位厚さa」とする(粉末X線解析法の詳細に
ついては、例えば、塩川二朗監修「機器分析の手引き
(a)」、1985年、化学同人社発行、69頁を参
照)。
【0035】分散液から分散媒を取り除いてなる、樹脂
組成物層3に相当する樹脂組成物を粉末X線解析した際
には、通常、該樹脂組成物における分散している各無機
層状化合物の面間隔を、図3に示す面間隔dとして求め
ることが可能である。
【0036】より具体的には、横軸に2θ、縦軸にX線
回折ピークの強度を取った図5のグラフに模式的に示す
ように、上記した「単位厚さa」に対応する回折ピーク
位置より、低角(間隔が大きい)側に観測される回折ピ
ークのうち、最も低角側のピークに対応する間隔を「面
間隔d」(a<d)とする。
【0037】図6のグラフに模式的に示すように、上記
「面間隔d」に対応するピークがハロー(ないしバック
グラウンド)と重なって検出することが困難な場合にお
いては、2θdより低角側のベースラインを除いた部分
の面積を、「面間隔d」に対応するピークとしている。
ここに、「θd」は、「(単位厚さa)+(樹脂1本鎖
の幅)」に相当する回折角である(この面間隔dの算出
法の詳細については、例えば、岩生周一ら編、「粘土の
事典」、1985年、(株)朝倉書店、35頁以下およ
び271頁以下、を参照)。
【0038】通常は、上記した面間隔dと「単位厚さ
a」との差、すなわちk=(d−a)の値(「長さ」に
換算した場合)は、樹脂組成物を構成する樹脂1本鎖の
幅に等しいかこれより大である〔k=(d−a)≧樹脂
1本鎖の幅〕。このような「樹脂1本鎖の幅」は、シミ
ュレーション計算等により求めることが可能である(例
えば、「高分子化学序論」、1981年、化学同人、1
03〜110頁を参照)、ポリビニルアルコールの場合
には4〜5オングストロームである(水分子では2〜3
オングストローム)。
【0039】樹脂組成物層3中の無機層状化合物の「真
のアスペクト比」は直接測定がきわめて困難である。上
記したアスペクト比Z=L/aは、必ずしも、樹脂組成
物層3中の無機層状化合物の「真のアスペクト比」と等
しいとは限らないが、下記の理由により、このアスペク
ト比Zをもって「真のアスペクト比」を近似することに
は妥当性がある。
【0040】樹脂組成物の粉末X線解析法により求めら
れる面間隔dと、無機層状化合物単独の粉末X線解析測
定により求められる「単位厚さa」との間にa<dなる
関係があり、且つ(d−a)の値が該組成物中の樹脂1
本鎖の幅以上である場合には、樹脂組成物中において、
各無機層状化合物の層間に樹脂が挿入されていることと
なる。したがって、樹脂組成物層3中の無機層状化合物
の単位結晶層31の厚みを上記「単位厚さa」で近似す
ること、すなわち樹脂組成物層3中における無機層状化
合物の「真のアスペクト比」を、上記した無機層状化合
物の分散液中での「アスペクト比Z」で近似することに
は、充分な妥当性がある。
【0041】上述したように、樹脂組成物層3中におけ
る、無機層状化合物の真の粒径測定はきわめて困難であ
るが、樹脂組成物層3の樹脂32中での無機層状化合物
の粒径は、分散液中(樹脂/無機層状化合物/分散媒)
の無機層状化合物の粒径Lに相当すると考えることがで
きる。
【0042】但し、回折/散乱法で求められる分散液中
での粒径Lは、無機層状化合物の長径Lmaxを越える
可能性はかなり低いと考えられるため、真のアスペクト
比(Lmax/a)が、本発明で用いる「アスペクト比
Z」を下回る(Lmax/a<Z)可能性は、理論的に
はかなり低い。
【0043】上述した2つの点から、本発明で用いるア
スペクト比の定義Zは、充分な妥当性を有するものと考
えられる。本明細書において、「アスペクト比」または
「粒径」とは、上記で定義した「アスペクト比Z」、ま
たは「回折/散乱法で求めた粒径L」を意味する。
【0044】大きなアスペクト比を容易に与える点から
は、分散媒に膨潤またはへき開する性質を有する無機層
状化合物が好ましく用いられ、分散媒に膨潤およびへき
開する性質を有する無機層状化合物がさらに好ましく用
いられる。
【0045】本発明に用いる無機層状化合物の分散媒へ
の「膨潤・へき開」性の程度は、以下の「膨潤・へき
開」試験により評価することができる。無機層状化合物
の膨潤性は、下記の膨潤性試験において、膨潤値約5以
上(さらには膨潤値約20以上)の程度であることが好
ましい。一方、無機層状化合物のへき開性は、下記へき
開性試験において、へき開値約5以上(さらにはへき開
値約20以上)の程度であることが好ましい。これらの
場合、分散媒としては、無機層状化合物の密度より小さ
い密度を有する液体を用いる。無機層状化合物が天然の
膨潤性粘土鉱物である場合、分散媒としては、水を用い
ることが好ましい。
【0046】<膨潤性試験>100mLメスシリンダー
に分散媒100mLを入れ、これに無機層状化合物2g
をゆっくり加える。静置後、23℃、24hr後の無機
層状化合物分散層と上澄みとの界面の目盛から無機層状
化合物分散層の体積(mL)を膨潤値として読む。この
数値が大きい程、膨潤性が高い。
【0047】<へき開性試験>無機層状化合物30gを
分散媒1500mLにゆっくり加え、分散機〔浅田鉄工
(株)製、デスパMH−L、羽根径52mm、回転数3
100rpm、容器容量3L、底面−羽根間の距離28
mm〕にて周速8.5m/secで90分間分散した後
(23℃)、分散液100mLをとりメスシリンダーに
入れ60分静置後、上澄みとの界面から、無機層状化合
物分散層の体積(mL)をへき開値として読む。
【0048】分散媒に膨潤・へき開する無機層状化合物
としては、分散媒に膨潤・へき開性を有する粘土鉱物が
特に好ましく用いられる。かかる粘土鉱物は、一般に、
シリカの四面体層の上部に、アルミニウムやマグネシウ
ム等を中心金属にした八面体層を有する2層構造を有す
るタイプと、シリカの四面体層が、アルミニウムやマグ
ネシウム等を中心金属にした八面体層を両側から狭んで
なる3層構造を有するタイプに分類される。前者の2層
構造タイプとしては、カオリナイト族、アンチゴライト
族等を挙げることができ、後者の3層構造タイプとして
は、層間カチオンの数によってスメクタイト族、バーミ
キュライト族、マイカ族等を挙げることができる。
【0049】これらの粘土鉱物としては、より具体的に
は、カオリナイト、ディッカイト、ナクライト、ハロイ
サイト、アンチゴライト、クリソタイル、パイロフィラ
イト、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイ
ト、サポナイト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘク
トライト、テトラシリリックマイカ、ナトリウムテニオ
ライト、白雲母、マーガライト、タルク、バーミキュラ
イト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石等を挙げるこ
とができる。
【0050】また、粘土鉱物を有機物で処理したもの
(以下、有機修飾粘土鉱物と称する場合もある)も無機
層状化合物として用いることができる(なお、有機物で
処理した粘土鉱物に関しては、朝倉書店、「粘土の事
典」参照)。
【0051】上記粘土鉱物の中でも、膨潤性またはへき
開性の観点から、スメクタイト族、バーミキュライト族
およびマイカ族が好ましく、さらに好ましくはスメクタ
イト族が好ましい。スメクタイト族としては、モンモリ
ロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイ
ト、ソーコナイト、スチブンサイト、ヘクトライトを例
示できる。
【0052】無機層状化合物を膨潤またはへき開させる
分散媒は、例えば天然の膨潤性粘土鉱物の場合、水、メ
タノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のア
ルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、アセトン等が挙げられ、水やメタノール等のアル
コール類がより好ましい。
【0053】また、有機修飾粘土鉱物の場合、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等
のケトン類、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタ
ン等の脂肪族炭化水素類、クロロベンゼン、四塩化炭
素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタ
ン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、酢
酸エチル、メタクリル酸メチル(MMA) 、フタル酸ジ
オクチル(DOP)、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、シリコーン
オイル等が挙げられる。
【0054】樹脂組成物層3は、柔軟性を維持するため
の樹脂を含んでいる。無機層状化合物と樹脂との重量比
(無機層状化合物/樹脂)は、1/100〜100/1
の範囲内であることが好ましく、1/20〜10/1の
範囲内であることがさらに好ましい。
【0055】樹脂組成物層3に含まれる樹脂としては、
基材層1に用いることのできる前述の樹脂が挙げれる
が、ガスバリア性の観点から高水素結合性樹脂であるこ
とが好ましい。高水素結合性樹脂とは、水素結合性基ま
たはイオン性基を有する樹脂である。高水素結合性樹脂
中の水素結合性基およびイオン性基の含有量(一方を含
む場合は一方の含有量、両者を含む場合は両者を合計し
た含有量)は、通常、20〜60モル%であり、好まし
くは30〜50モル%である。これらの水素結合性基お
よびイオン性基の含有量は、例えば、核磁気共鳴(NM
R)の手法( 1H−NMR、13C−NMR等)によって
測定することができる。
【0056】上述した水素結合性基としては水酸基、ア
ミノ基、チオール基、カルボキシル基、スルホン酸基、
燐酸基などが挙げられ、イオン性基としてはカルボキシ
レート基、スルホン酸イオン基、燐酸イオン基、アンモ
ニウム基、ホスホニウム基などが挙げられる。水素結合
性基またはイオン性基の内、さらに好ましいものとして
は、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸
基、カルボキシレート基、スルホン酸イオン基、アンモ
ニウム基などが挙げられる。
【0057】高水素結合性樹脂としては、例えば、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール分率が
40モル%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合
体、多糖類、ポリアクリル酸およびそのエステル類、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸、ポ
リスチレンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレンイミ
ン、ポリアリルアミンおよびその4級アンモニウム塩、
ポリビニルチオール、ポリグリセリンなどが挙げられ
る。上述した樹脂の中でも、高水素結合性樹脂としてさ
らに好ましいものは、PVA、多糖類、およびエチレン
−ビニルアルコール共重合体である。
【0058】ここで、PVAとは、例えば、酢酸ビニル
重合体の酢酸エステル部分を加水分解ないしエステル交
換(けん化)して得られるポリマー(すなわち、ビニル
アルコールと酢酸ビニルの共重合体となったもの)や、
トリフルオロ酢酸ビニル重合体、ギ酸ビニル重合体、ピ
バリン酸ビニル重合体、t−ブチルビニルエーテル重合
体、トリメチルシリルビニルエーテル重合体等をけん化
して得られるポリマーが挙げられる(PVAの詳細につ
いては、例えば、ポバール会編、「PVAの世界」、1
992年、(株)高分子刊行会;長野ら、「ポバール」
1981年、(株)高分子刊行会を参照)。
【0059】PVAにおける「けん化」の程度は、モル
百分率で70%以上が好ましく、さらには85%以上の
ものが好ましく、98%以上のいわゆる完全けん化品が
特に好ましい。また、PVAにおける重合度は、100
以上5000以下が好ましく、200以上3000以下
がより好ましい。さらに、本発明にいうPVAは、本発
明の目的が阻害されない限り、少量の共重合モノマーで
変性されていてもよい。
【0060】多糖類とは、種々の単糖類の縮重合によっ
て生体系で合成される生体高分子であり、ここではそれ
らをもとに化学修飾したものも含まれる。たとえば、セ
ルロースおよびヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなど
のセルロース誘導体、アミロース、アミロペクチン、プ
ルラン、カードラン、ザンタン、キチン、キトサンなど
が挙げられる。
【0061】また、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(以下:EVOHと記載) とは、ビニルアルコール分
率が40モル%以上80モル%以下であり、より好まし
くは、45モル%〜75モル%であるEVOHを意味す
る。また、EVOHのメルトインデックス(温度190
℃、荷重2160gの条件で測定した値;以下MIと記
す)は、特に限定されないが、0. 1〜50g/10分
である。さらに、本発明にいうEVOHは、本発明の目
的が阻害されない限り、少量の共重合モノマーで変性さ
れていてもよい。
【0062】上記PVAおよびEVOHの変性体は、例
えば、PVAの製造過程において、酢酸ビニル等のビニ
ルエステル系単量体と、エステル系単量体と共重合可能
な他の不飽和単量体とを共重合させた後、得られた共重
合体のエステル部分を加水分解ないしエステル交換(け
ん化)することにより得られる。エステル系単量体と共
重合可能な他の不飽和単量体としては、たとえば、エチ
レン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテンなどの
オレフィン類や、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、
(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽
和酸、およびそのアルキルエステルやアルカリ塩類、ビ
ニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸
含有単量体およびそのアルカリ塩類、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートや、トリメチル−2−(−1−(メ
タ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモ
ニウムクロリド、トリメチル−3−(1−(メタ)アク
リルアミドプロピル)アンモニウムクロリド、1−ビニ
ル−2−エチルイミダゾールその他4級化可能なカチオ
ン性単量体、スチレン、アルキルビニルエーテル、(メ
タ)アクリルアミド、その他のものが挙げられる。
【0063】これら共重合成分の比率は、特に限定はさ
れるものではないが、ビニルアルコール単位に対し、5
0モル%以下、好ましくは30モル%以下の程度である
場合が好ましく、その共重合の形態は、ランダム共重
合、ブロック共重合、グラフト共重合など任意の方法に
よって得られる各種の形態が用いられる。
【0064】中でも、これら共重合体のうち、PVA成
分に対し、ポリカルボン酸成分が共重合されたブロック
共重合体特に好適に用いられ、該ポリカルボン酸成分が
ポリメタクリル酸である場合において特に好ましい。さ
らに、該ブロック共重合体は、PVA鎖の片末端にポリ
アクリル酸鎖が延長されたようなA−B型ブロック共重
合体である場合が特に好ましく、PVAブロック成分
(a)とポリアクリル酸ブロック成分(b)の重量比
(a)/(b)が50/50〜95/5である場合が好
ましく、60/40〜90/10である場合において特
に好ましいガスバリア性が完備され、基材層との結合特
性が顕著に完備される。また、その他の変性体のうち、
特に好ましい形態の1つとしては、分子内にシリル基を
有する化合物の少なくとも一種で変性されたビニルエス
テル系重合体けん化物からなるシリル基変性PVA系樹
脂がある。
【0065】かかる組成を有する変性重合体を得る方法
としては、特に限定はないが、常法によって得られたP
VAあるいは変性ポリ酢酸ビニルなどのビニルアルコー
ル系重合体に、分子内にシリル基を有する化合物を反応
させ、シリル基を重合体に導入する、あるいはPVAあ
るいはその変性体の末端を活性化し、分子内にシリル基
を有する不飽和単量体を重合体末端に導入する、さらに
は該不飽和単量体をビニルアルコール系重合体分子鎖に
グラフト共重合せしめるなど各種の変性による方法、ビ
ニルエステル系単量体と分子内にシリル基を有する不飽
和単量体とから共重合体を得て、これをけん化する方
法、または、シリル基を有するメルカプタンなどの存在
下でビニルエステルを重合し、これをけん化するなど末
端にシリル基を導入する、などの各種の方法が有効に用
いられる。
【0066】このような各種の方法で得られる変性PV
A系樹脂としては、結果的にその分子内にシリル基を有
するものであればよいが、分子内に含有されるシリル基
がアルコキシル基あるいはアシロキシル基およびこれら
の加水分解物であるシラノール基またはその塩などの反
応性置換基を有しているものが好ましく、中でもシラノ
ール基である場合が特に好ましい。
【0067】これらの変性PVA系樹脂を得るために用
いられる分子内にシリル基を有する化合物としては、ト
リメチルクロルシラン、ジメチルクロルシラン、メチル
トリクロルシラン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニ
ルジクロルシラン、トリエチルフルオロシランなどのオ
ルガノハロシラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメ
チルジアセトキシシランなどのオルガノシリコンエステ
ル、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ランなどのオルガノアルコキシシラン、トリメチルシラ
ノール、ジエチルシランジオールなどのオルガノシラノ
ール、N−アミエチルトリメトキシシランなどのアミノ
アルキルシラン、トリメチルシリコンイソジシアネート
などのオルガノシリコンイソシアネートその他のものが
挙げられる。これらシリル化剤による変性度は用いられ
るシリル化剤の種類、量、反応条件によって任意に調節
することができる。
【0068】また、ビニルエステル系単量体と分子内に
シリル基を有する不飽和単量体とからの共重合体をけん
化する方法において用いられる該不飽和単量体として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、などに代表されるようなビニルアルコキシシラン
やビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリイソプロ
ポキシシランなどに代表されるようなビニルアルコキシ
シランのアルキルあるいはアリル置換体など多くのビニ
ルシラン系化合物、さらに、これらのアルコキシ基の一
部または全部をポリエチレングリコールなどのポリアル
キレングリコール置換したポリアルキレングリコール化
ビニルシランなどが挙げられる。さらには、3−(メ
タ)アクリルアミノ−プロピルトリメトキシシラン、3
−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキシシラ
ンなどに代表されるような(メタ)アクリルアミド−ア
ルキルシランなども好ましく用いることができる。
【0069】一方、シリル基を有するメルカプタンなど
の存在下でビニルエステルを重合した後けん化し、末端
にシリル基を導入する方法には、3−(トリメトキシシ
リル)−プロピルメルカプタンなどのアルコキシシリル
アルキルメルカプタンが好ましく用いられる。
【0070】本発明の変性PVA系樹脂における変性
度、すなわち、シリル基の含有量、けん化度などによっ
てその適性範囲は各々異なるが、本発明の目的であるガ
スバリア性に対しては、重要な要因となる。シリル基の
含有量は、通常、重合体中のビニルアルコール単位に対
しシリル基を含む単量体として30モル%以下であり、
10モル%以下が好ましく、5モル%以下である場合が
より好ましく、2モル%以下が特に好ましく用いられ
る。下限は特に限定されないが、0.1モル%以上であ
る場合において効果が特に顕著に発揮される。
【0071】なお、上記シリル化率は、シリル化前のP
VA系樹脂に含まれていた水酸基の量に対する、シリル
化後の導入されたシリル基の割合を示すものである。
【0072】上記シリル基が導入された変性PVA系樹
脂は、アルコール、またはアルコール/水の混合溶媒で
加熱溶解させることにより、導入されたシリル基の存在
によってアルコール系溶媒に溶解する。そして、溶媒に
溶解した変性PVA系樹脂は、一方で、導入されたシリ
ル基の一部が脱アルコール反応および脱水反応により反
応して、架橋する。なお、上記反応には、水の存在が必
須であり、アルコール/水の混合溶媒を用いることが好
ましい。
【0073】これら各種のPVA系樹脂は、もちろんそ
れ単独で用いられてもよいが、本発明の目的を阻害しな
い限り、共重合可能な他の単量体との共重合体とした
り、混合可能な他の樹脂化合物と併用することができ
る。このような樹脂としては、たとえばポリアクリル酸
またはそのエステル類、ポリエステル系樹脂、ポリウレ
タン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、その他のものを挙げることができる。
【0074】樹脂組成物層3を形成する方法としては、
特に限定されるものではなく、無機層状化合物と樹脂を
分散媒中に分散または溶解させた塗工液をコーティング
する方法、無機層状化合物と樹脂とを押し出し成形する
方法等が挙げられる。塗工液に含まれる樹脂は、分散性
の観点から前記高水素結合性樹脂が好ましい。上記分散
媒としては、得られるピロー包装用フィルム10のガス
バリア性の観点から、上述した無機層状化合物を膨潤ま
たはへき開させる液体が好ましい。
【0075】塗工液における、無機層状化合物と樹脂と
の組成比は、特に限定されないが、一般的には、無機層
状化合物と樹脂との重量比(無機層状化合物/樹脂)が
1/20〜10/1の範囲であることが好ましい。無機
層状化合物の重量比が高いほどガスバリア性に優れる
が、耐屈曲性の点を考慮すると、1/20〜2/1の範
囲がより好ましい。また、塗工液中の無機層状化合物と
樹脂の濃度は、両者の合計で、通常、0.1〜70重量
%であるが、生産性の観点から、1〜15重量%である
ことがより好ましく、4〜10重量%であることがさら
に好ましい。
【0076】本発明の樹脂組成物層3に用いた樹脂が、
高水素結合性樹脂である場合、樹脂組成物層3の耐水性
を改良する目的で、水素結合性基用架橋剤を用いること
ができる。
【0077】上記架橋剤の好適な例としては、チタン系
カップリング剤、シラン系カップリング剤、メラミン系
カップリング剤、エポキシ系カップリング剤、イソシア
ネート系カップリング剤等のカップリング剤、水溶性エ
ポキシ化合物、銅化合物、ジルコニウム化合物、有機金
属化合物等が挙げられる。耐水性向上の点からは、有機
金属化合物、ジルコニウム化合物、水溶性エポキシ化合
物、シランカップリング剤がさらに好ましく用いられ、
さらに好ましくは、有機チタン化合物等の有機金属化合
物である。
【0078】前記のジルコニウム化合物の具体例として
は、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化
ジルコニウム、四塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム
等のハロゲン化ジルコニウム;硫酸ジルコニウム、塩基
性硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム等の鉱酸のジル
コニウム塩;ギ酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、プ
ロピオン酸ジルコニウム、カプリル酸ジルコニウム、ス
テアリン酸ジルコニウム等の有機酸のジルコニウム塩;
炭酸ジルコニウムアンモニウム、硫酸ジルコニウムナト
リウム、酢酸ジルコニウムアンモニウム、シュウ酸ジル
コニウムナトリウム、クエン酸ジルコニウムナトリウ
ム、クエン酸ジルコニウムアンモニウム等のジルコニウ
ム錯塩などがあげられる。
【0079】前記の水溶性エポキシ化合物の具体例とし
ては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタ
ンポリグリシジルエーテル、グリシジルエーテル系エポ
キシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系
エポキシ樹脂、あるいは脂肪族系エポキシ樹脂をあげる
ことができる。
【0080】前記のシランカップリング剤の例として
は、アミノ系シランカップリング剤、ビニル系あるいは
メタクリロキシ系シランカップリング剤、エポキシ系シ
ランカップリング剤、メチル系シランカップリング剤、
クロロ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカ
ップリング剤系が挙げられる。
【0081】さらに、上記水素結合性基用架橋剤の好適
な例としては、高水素結合性樹脂の複数の官能基と反応
して架橋構造を形成する反応、すなわち架橋反応し得る
有機金属化合物、例えば、ポリビニルアルコールの複数
の水酸基と反応して、該有機金属化合物の金属原子と水
酸基の酸素原子とが、配位結合やイオン結合して架橋結
合を形成する、前記の有機金属化合物が好ましい。
【0082】上記の架橋反応し得る有機金属化合物は、
無機金属塩と比較して、架橋反応性が高く、架橋効率が
高い。ただし、あまり架橋反応性が高すぎると塗工液中
で架橋反応が進行し、塗工(コーティング)が不可能と
なるが、有機金属化合物の架橋反応性は、配位子を適宜
変えることで容易に制御できる。有機金属化合物は、こ
のように反応性の制御が容易であるという利点を有する
点でも無機金属塩より優れている。有機金属化合物の中
でも、特に、アセチルアセトナートのようなキレート性
の配位子を有する有機金属化合物は、適度な架橋反応性
を有し、水素結合性基用架橋剤として好ましい。
【0083】このような有機金属化合物の好適な例とし
ては、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、有
機アルミニウム化合物、有機珪素化合物が挙げられる。
【0084】有機チタン化合物の具体例としては、テト
ラノルマルブチルチタネート、テトライソプロピルチタ
ネート、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2-エチル
ヘキシル)チタネート、テトラメチルチタネート等のチ
タンオルソエステル類、チタンアセチルアセトナート、
チタンテトラアセチルアセトナート、ポリチタンアセチ
ルアセトナート、チタンオクチレングリコレート、チタ
ンラクテート、チタントリエタノールアミネート、チタ
ンエチルアセトアセテート等のチタンキレート類、ポリ
ヒドロキシチタンステアレート等のチタンアシレート類
などが挙げられる。
【0085】有機ジルコニウム化合物の具体例として
は、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウム
ノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセ
トナート、ジルコニウムモノアセチルアセトナート、ジ
ルコニウムビスアセチルアセトナート、ジルコニウムア
セチルアセトナートビスエチルアセトアセテート等が挙
げられる。
【0086】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミニウム
有機酸キレート等が挙げられる。有機珪素化合物として
は、有機チタン化合物または有機ジルコニウム化合物と
して例示した化合物が有する配位子を有する珪素化合物
が挙げられる。
【0087】これらの中で、キレート化合物が塗工液中
での安定性の面で好ましい。また、塗工液の安定性の面
では、塗工液を酸性に設定することにより、上記安定性
が大幅に改良される。上記の酸性条件としては、pH5
以下が好ましく、pH3以下がより好ましい。上記塗工
液のpHについては特に下限はないが、通常、pH0.
5以上である。添加方法は、アルコール類で希釈し、添
加するのが好ましく用いられる。上記の樹脂と架橋剤と
の混合工程を含むことで、上記の樹脂が架橋された樹脂
組成物層3を得ることができる。
【0088】架橋剤の添加量は特に限定されないが、架
橋剤の架橋生成基のモル数(CN)と樹脂の水素結合性
基のモル数(HN)との比K(K=CN/HN)が、
0.001以上10以下の範囲内になるように用いるこ
とが好ましい。このモル数の比Kは、0.01以上1以
下の範囲内であることが更に好ましい。
【0089】上記した無機層状化合物と樹脂よりなる樹
脂組成物の配合ないし製造方法は、特に限定されない。
配合時の均一性ないし操作容易性の点からは、例えば、
樹脂を溶媒に溶解させた液と、無機層状化合物を分散媒
により予め膨潤・へき開させた分散液とを混合後、溶媒
および分散媒を除く方法(方法1)、無機層状化合物を
分散媒により膨潤・へき開させた分散液と樹脂とを混合
して、上記樹脂を分散媒中に溶解させた後、分散媒を除
く方法(方法2)、樹脂を溶媒に溶解させた液に無機層
状化合物を加え、上記溶媒を分散媒として上記無機層状
化合物を膨潤・へき開させて分散液とし、上記溶媒を除
く方法(方法3)、また樹脂と無機層状化合物を熱混練
する方法(方法4)などが使用可能である。無機層状化
合物の大きなアスペクト比が容易に得られる点からは、
前3者の方法が好ましく用いられる。また、前3者にお
いては、無機層状化合物を含む樹脂組成物の混合液を高
圧分散処理装置を用いて高圧分散処理することが、無機
層状化合物の分散性の観点から好ましい。
【0090】本発明における高圧分散処理とは、図7に
示すように、分散させるべき粒子または分散媒等を混合
した組成物混合液を複数本の細管11中に高速通過させ
衝突させることにより、高剪断や高圧状態などの特殊な
条件下で、分散処理することである。
【0091】このような高速分散処理では、組成物混合
液を、管径1μm〜1000μmの細管11中を通過さ
せることが好ましく、細管11を通過時に、組成物混合
液には、最大圧力条件が100kgf/cm2 以上の圧
力が印加されることが好ましく、500kgf/cm2
以上がより好ましく、1000kgf/cm2 以上が特
に好ましい。また、組成物混合液が、細管11内を通過
する際、上記組成物混合液の最高到達速度が100m/
s以上に達することが好ましく、伝熱速度は100kc
al/hr以上のことが好ましい。
【0092】上記高速分散処理に用いる高圧分散処理装
置内での高圧処理の原理を模式的に説明すると、まず、
ポンプ12により、細管11より太い管径を有するフィ
ーダー管13に組成物混合液が吸引されて取り込まれ
る。続いて、ポンプ12によって、フィーダー管13内
の組成物混合液に対し、高圧が印加される。このとき、
フィーダー管13に設けられた逆流防止弁(図示せず)
により、フィーダー管13内の組成物混合液は、細管1
1に向かって押し出される。したがって、組成物混合液
は、細管11内において、高圧および高速状態となり、
組成物混合液の各無機層状化合物粒子が互いに、および
細管11の内壁と衝突して、上記各無機層状化合物粒子
の径および厚さ、特に厚さが細分化され、かつ、より均
一に分散されて、排出管14から外部に取り出される。
【0093】例えば、細管11部分で処理サンプルであ
る組成物混合液に対し、瞬間的に最高速度に達する地点
の流速が、例えば300m/sの場合、体積1×10-3
3の立方体中を1/(3×105 )secで通過し、
組成物混合液の温度が35℃上昇するとき、圧力損失に
より組成物混合液にエネルギーが伝達される。伝熱速度
は、組成物混合液の比重が1g/cm3 比熱1cal/
g℃のとき、3.8×104 kcal/hrとなる。
【0094】上記高速分散処理に用いる高圧分散処理装
置としては、例えば、Microfluidics Corporation 社製
超高圧ホモジナイザー(商品名:マイクロフルイダイザ
ー)、ナノマイザー社製ナノマイザー等があり、他に
も、マントンゴーリン型高圧分散装置、例えば、イズミ
フードマシナリ製ホモゲナイザー等が挙げられる。
【0095】上記の前3者の方法において、溶媒や分散
媒を系から除去し、積層した後、得られたピロー包装用
フィルム10を、例えば110℃以上220℃以下で熱
エージングすることは、とりわけピロー包装用フィルム
10の耐水性(耐水環境テスト後のガスバリア性の意
味)を向上させることができて、好ましい。
【0096】エージング時間に限定はないが、ピロー包
装用フィルム10が少なくとも設定温度に到達する必要
があり、例えば熱風乾燥機のような熱媒接触による方法
の場合、1秒以上100分以下が好ましい。熱源につい
ても特に限定はなく、熱ロール接触、熱媒接触(空気、
オイル等)、赤外線加熱、マイクロ波加熱など種々の方
法が適用できる。上記エージング処理は、樹脂が高水素
結合性樹脂を含む場合に、耐水性の改良において特に優
れた効果を発揮する。
【0097】ヒートシール性フィルム5としては、ヒー
トシール性を有するものであればよく、特に限定されな
いが、ヒートシール強度や食品の香り、樹脂臭などの脱
着の問題から、ポリエチレン(低密度、高密度)、エチ
レン、プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン―4-メチル
―1-ペンテン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、
ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、
アイオノマー樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合
体等のポリオレフィン系樹脂;ポリアクリロニトリル樹
脂(PAN);およびポリエステル樹脂が好ましく用い
られる。
【0098】ヒートシール性フィルム5では、特に内容
物の封かん性を要求される場合には、衝撃強度の高いシ
ーラントが好ましい。これらを満たす樹脂としては、メ
タロセン系触媒や、後周期遷移金属錯体触媒を用いて合
成された、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共
重合体などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。このよ
うなシーラントは、密度0.920g/cm3 以下のも
のが望ましい。
【0099】シーラント層であるヒートシール性フィル
ム5を積層する方法としては、特に限定はされないが、
たとえばヒートシール性フィルム5に用いる樹脂を溶媒
に溶解し、樹脂組成物層3の上にコーティングする方
法、ヒートシール性フィルム5を樹脂組成物層3の上に
押し出しラミネートする方法、ヒートシール性フィルム
5を樹脂組成物層3の上にドライラミネートする方法な
どが好ましい例として挙げられる。また、ヒートシール
性フィルム5と樹脂組成物層3との界面はコロナ処理、
オゾン処理、電子線処理やアンカーコート剤などの処理
がされていてもよい。
【0100】本発明の樹脂組成物層3を他の層、例えば
基材層1に積層するに当たり、それらの間の各表面に対
し、コロナ処理、フレームプラズマ処理、オゾン処理、
電子線照射処理、アンカー処理を行ってもよい。アンカ
ー層を形成するアンカー処理を行う場合、アンカー層の
素材としては、例えば、ポリエチレンイミン系、アルキ
ルチタネート系、ポリブタジエン系、ウレタン系等特に
限定されないが、耐水性の面より、イソシアネート化合
物と活性水素化合物とから調製されたウレタン系からな
るアンカー層が好ましい。
【0101】イソシアネート化合物とは、トリレンジイ
ソシアネート(TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート
(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、4,4'−メチレンビスシクロヘキシルイソシアネー
ト(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IP
DI)等がある。
【0102】また、活性水素化合物とは、イソシアネー
ト化合物と結合する官能基を有するものであればよく、
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン等の低分子量ポリオール、ポリエチレング
リコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレン
オキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリテトラメ
チレンエーテルグリコール等のポリエーテルポリオー
ル、ポリ−β−メチル−δ−バレロラクトン、ポリカプ
ロラクトン、ジオールおよび二塩基酸から得られるポリ
エステル等のポリエステルポリオールなどが挙げられ
る。
【0103】上記活性水素化合物においては、特に、低
分子量ポリオールが好ましく、さらに、低分子量ポリオ
ール中のジオールが望ましい。ここで、ジオールとは、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジ
オール、ネオペンチルグリコール等である。また、二塩
基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン
酸、イソフタル酸、テレフタル酸等である。その他のポ
リオールとして、ひまし油、液状ポリブタジエン、エポ
キシ樹脂、ポリカーボネートジオール、アクリルポリオ
ール、ネオプレン等の活性水素化合物がある。
【0104】イソシアネート化合物と活性水素化合物の
混合比は、特に限定されないが、イソシアネート基と活
性水素基、例えば−OH,−NH,−COOHとの当量
関係を考慮し、添加量を決定するのが好ましい。例え
ば、イソシアネート基のモル数(AN)と活性水素化合
物の活性水素基のモル数(BN)との比R(R=AN/
BN)が、接着強度の観点から0.001以上が好まし
く、粘着性およびブロッキングの観点から10以下が好
ましい。このモル数の比Rは、0.01以上、1以下の
範囲内であることが更に好ましい。イソシアネート基お
よび活性水素基の各モル数は、 1H−NMR、13C−N
MRにより定量することができる。
【0105】アンカー層を樹脂組成物層3または他の
層、例えば基材層1へ積層する方法としては、特に限定
されないが、イソシアネート化合物と活性水素化合物と
を含むアンカーコート剤を溶媒に溶解してアンカーコー
ト剤溶液によるコーティング法が好ましい。コーティン
グ法としては、具体的には、ダイレクトグラビア法やリ
バースグラビア法及びマイクログラビア法、2本ロール
ビートコート法、ボトムフィード3本リバースコート法
等のロールコーティング法、及びドクターナイフ法やダ
イコート法、ディップコート法、バーコーティング法や
これらを組み合わせたコーティング法などの方法が挙げ
られる。
【0106】また、アンカーコート剤溶液における溶剤
成分は主として有機溶媒であり、アルコール類、脂肪族
炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エ
ステル類、ケトン類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素
類、これらの混合溶媒が挙げられる。
【0107】アンカーコート剤溶液を膜状に塗布した塗
工厚みは特に限定されないが、乾燥厚みが0.01μm
〜5μmとなるように設定されるのが好ましい。塗工厚
みが大きいほどヒートシール強度には優れるが、耐ゲル
ボフレックス性(ピロー包装用フィルム10のねじれに
よるピンホールの形成を防止)には劣る。よって、上記
塗工厚みは、より好ましくは0.03μm〜2.0μm
であり、さらに好ましくは0.05μm〜1.0μmで
ある。
【0108】樹脂組成物層3の膜厚は、乾燥厚みで10
μm以下が好ましく、さらに1μm以下がより好まし
い。該厚さを超えると、得られたピロー包装用フィルム
10において屈曲性が悪化する。該厚さの下限値につい
ては、特に制限はないが、効果的なガスバリア性効果を
得るためには、1nm以上であることが好ましい。
【0109】ピロー包装用フィルム10において、アン
カー層、特にウレタン系のアンカー層を用いた場合、樹
脂組成物層3は、上記アンカー層との密着性を向上する
ための界面活性剤を含むものが望ましい。
【0110】本発明に用いられる界面活性剤としては、
アンカー層と樹脂組成物層3との間の密着性を向上でき
るものであれば、特に限定されないが、例えば、アニオ
ン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性
界面活性剤および非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0111】アニオン性界面活性剤としては、脂肪族モ
ノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等のカ
ルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレ
ンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホこは
く酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸アルキ
ル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン塩等の硫酸エス
テル型、リン酸アルキル塩等のリン酸エステル型、ホウ
酸アルキル塩等のホウ酸エステル型などの炭化水素系ア
ニオン性界面活性剤、パーフルオロデカン酸ナトリウ
ム、パーフルオロオクチルスルホン酸ナトリウム等のフ
ッ素系アニオン性界面活性剤、ポリジメチルシロキサン
基とカルボン酸金属塩とを有する重合体など陰イオン性
基を有するシリコーン系アニオン性界面活性剤が挙げら
れる。
【0112】カチオン性界面活性剤としては、例えば、
アルキルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリメチル
アンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、
アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第四級ア
ンモニウム塩型などが挙げられる。
【0113】両性イオン性界面活性剤としては、N,N-ジ
メチル−N-アルキルアミノ酢酸ベタイン等のカルボキシ
ベタイン型、1-アルキル−1-ヒドロキシエチル−1-カル
ボキシメチルイミダゾリニウムベタイン等のグリシン型
が挙げられる。
【0114】非イオン性界面活性剤としては、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル等のエステル型、ポリジメチルシロキサ
ン基とアルキレンオキシド付加物の縮重合体、ポリシロ
キサン−ポリオキシアルキレン共重合体、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンブロックポリマー等のエーテル型、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステルなどのエステルエーテル型、脂肪族
アルカノールアミド等のアルカノールアミド型、パーフ
ルオロデカン酸−ジグリセリンエステルやパーフルオロ
アルキルアルキレンオキサイド化合物などのフッ素型が
挙げられる。
【0115】上記界面活性剤の中では、特に、炭素数6
以上24以下のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカ
リ金属塩、ポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレ
ン共重合体などのエーテル型の非イオン性界面活性剤
(シリコーン系非イオン性界面活性剤)や、パーフルオ
ロアルキルエチレンオキサイド化合物などのフッ素型非
イオン性界面活性剤(フッ素系非イオン性界面活性剤)
が好ましい。
【0116】界面活性剤の配合量は、樹脂組成物層3を
形成する際、例えば塗工液を使用する場合、効果の観点
から、該塗工液中に0.001〜5重量%が好ましく、
0.003〜0.5重量%がより好ましく、0.005
〜0.1重量%が特に好ましい。
【0117】本発明のピロー包装用フィルムは、ピロー
包装用フィルム10に対し、その効果を損なわない範囲
で上記以外の層を設けたものであってもよい。例えば、
本発明のピロー包装用フィルムは、図2に示すように、
ピロー包装用フィルム10におけるヒートシール性フィ
ルム5と樹脂組成物層3との間に、延伸フィルム4をさ
らに設けた構成のピロー包装用フィルム20であっても
よい。上記構成では、延伸フィルム4に残存する内部応
力により、易引裂き性をピロー包装用フィルム10に付
与することができる。
【0118】延伸フィルム4としては、特に限定されな
いが、2軸延伸フィルムであることが好ましく、2軸延
伸ポリアミド、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート、
2軸延伸ポリプロピレンからなる群から選択される少な
くとも一つが特に好ましい。
【0119】延伸フィルム4としては、引っ張り強度の
高いものほど好ましく、また、破断点伸度が700%以
下が好ましく、500%以下がさらに好ましい。ポリア
ミド系2軸延伸フィルムとしては、ナイロン−6、ナイ
ロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピン酸縮重
合体等が挙げられる。
【0120】また、アルミニウム等の金属またはシリカ
やアルミナ等の金属酸化物からなるバリア層をピロー包
装用フィルム10の各層における、少なくとも何れか層
間、例えば、基材層1と樹脂組成物層3との間に設けて
もよい。これにより、ピロー包装用フィルム10により
ピロー包装された内容物を遮光することができ、内容物
の変質を抑制できる。
【0121】上記のバリア層は、例えば基材層1におけ
る樹脂組成物層3側の表面に対して、金属または金属酸
化物を用いて、蒸着法またはゾル−ゲル法、より好まし
くは蒸着法によって形成され、1nm〜1000nm、
より好ましくは10nm〜200nmの膜厚を有してい
る。基材層1の上にバリア層を設ける場合には、基材層
1が、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレン
テレフタレート、および二軸延伸ナイロンからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
【0122】なお、従来より、ガスバリア層としてアル
ミニウム層を用いた包装用フィルムが知られている。し
かしながら、上記従来の包装用フィルムでは、充分なガ
スバリア性を得るためにアルミニウム層の厚みを厚くす
る必要があり、通常、7〜20μmの膜厚を有するアル
ミニウム箔が用いられている。このため、焼却時に残渣
(インゴット)が多くなるという大きな問題点を有して
いる。
【0123】これに対し、上記のバリア層は、厚みが薄
いため、例えば、ピロー包装袋1個当たりの金属または
金属酸化物の使用量を低く抑えることができ、焼却時の
残渣の問題を解決できる。また、本発明のピロー包装用
フィルム10は、無機層状化合物を有する樹脂組成物層
3を備えることにより、金属または金属酸化物のバリア
層を蒸着層のような薄い厚みにしても充分なガスバリア
性が得られる。
【0124】本発明のピロー包装用フィルム10の各層
には、紫外線吸収剤、着色剤、酸化防止剤等の添加剤を
混合してもよい。
【0125】本発明のピロー包装用フィルム10の厚さ
は、特に制限されないが、30μm〜300μmが好ま
しい。上記フィルム厚さが、30μmより薄いと、内容
物である被包装物の保護性に劣る。また、上記フィルム
厚さが300μmより厚いと、コストが嵩む。
【0126】本発明のピロー包装用フィルム10は、牛
乳、果汁飲料、清酒等の飲料;ソフトバター;野菜サラ
ダ等の惣菜;洋菓子等の菓子やスナック;味噌;漬物;
こんにゃく;ちくわや蒲鉾等の水産加工品;ミートボー
ル、ハンバーグ、ハム・ソーセージ、ペットフード等の
食肉加工品;農薬;肥料;化粧品;芳香品;酸化性薬
品;精密材料等の各種物品を包装する用途や、輸液パッ
ク等の医療用包装、半導体包装等の電子用包装、化学用
包装、機械用包装等の用途に利用できる。
【0127】本発明のピロー包装用フィルム10は、特
に、食品包装用途および医薬品包装用途に好適であり、
その中でも特に、惣菜、食肉(畜肉)加工品、水産加工
品、菓子・スナック等の加工食品をピロー包装する用途
に好適である。
【0128】以上のように、本発明のピロー包装用フィ
ルム10は、ガスバリア性に優れた樹脂組成物層3を備
えており、これにより低い酸素透過度を有している。ピ
ロー包装用フィルム10の酸素透過度は、1mL/atm
・m2 ・day 以下であることが好ましく、0.1mL/
atm ・m2 ・day 以下であることがより好ましく、0.
05mL/atm ・m2 ・day 以下であることがさらに好
ましい。
【0129】本発明のピロー包装袋は、ピロー包装用フ
ィルム10の縦の中央部をはり合わせるピロー包装によ
って形成されたものである。ピロー包装としては、包装
用フィルムの縦の中央部をはり合わせて上下端を熱接着
するピロータイプ包装、例えば、縦ピロー包装、横ピロ
ー包装、パートコートピロー包装等、および、袋包装用
フィルムの縦の中央部をはり合わせて下端を熱接着する
ガゼット包装が挙げられる。
【0130】本発明のピロー包装袋の形態としては、例
えば、図8に示すようにピロー包装用フィルム10の縦
の中央部10aをはり合わせピロー包装用フィルム10
の上端部10bおよび下端部10cを熱接着することに
よって形成されたピロータイプ包装袋、図9に示すよう
にピロー包装用フィルム10の縦の中央部10aをはり
合わせ下端部10cを熱接着することによって形成され
たガゼット包装袋等が挙げられる。
【0131】ピロー包装袋の製造方法については、特に
制限はなく、市販の各種縦ピロー包装袋製造機、市販の
各種横ピロー包装袋製造機、市販の各種ガゼット包装袋
製造機等が用いられる。
【0132】本発明のピロー包装袋には、必要に応じ
て、(1)脱酸素剤や乾燥剤や鮮度保持剤、(2)光
線、紫外線、可視光線などを遮蔽する目的で用いられる
遮蔽剤(材)、(3)易開封の目的で用いられるイージ
ーピール、イージーブレイク材(特に、容器とフタ材と
の対のとき)、(4)易引裂性付与材、等を用いてもよ
い。また、上記ピロー包装袋は、例えば真空包装に用い
ることができるが、真空包装については、「食品包装便
覧」(社団法人:日本包装技術協会)を参考にできる。
【0133】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。各種物
性の測定方法を以下に記す。
【0134】〔厚み測定〕0.5μm以上の厚みは、市
販のデジタル厚み計(接触式厚み計、商品名「超高精度
デシマイクロヘッド MH−15M」、日本光学社製)
により測定した。一方、0.5μm未満の厚みは、重量
分析法(一定面積のフィルムの重量測定値をその面積で
除し、更に組成物の比重で除した)または、IR吸収
(赤外吸収)法により実際の塗工膜厚とIR吸収との検
量線を作成し、検量線より求めた。さらに本発明の樹脂
組成物の塗工膜厚に関する測定の場合などは、元素分析
法〔積層体の特定無機元素分析値(樹脂組成物層3由
来)と無機層状化合物単独の特定元素分率の比から本発
明の樹脂組成物層3と基材層1との比を求める方法)に
よった。
【0135】〔粒径測定〕レーザー回折・散乱式粒度分
布測定装置(商品名「LA910」、堀場製作所株式会
社製)を使用し、媒体の樹脂マトリックス中に存在する
無機層状化合物とみられる粒子の体積基準のメジアン径
を粒径Lとして測定した。なお、分散液原液はペースト
セルにて光路長50μmで測定し、分散液の希釈液はフ
ローセル法にて光路長4mmで測定した。
【0136】〔アスペクト比計算〕X線回折装置(商品
名「XD−5A」、株式会社島津製作所製)を用い、無
機層状化合物単独と樹脂組成物の粉末法による回折測定
を行った。これにより無機層状化合物の単位厚さaを求
め、さらに樹脂組成物の回折測定から、無機層状化合物
の面間隔が広がっている部分があることを確認した。上
述の方法で求めた粒径Lを用いて、アスペクト比Zを、
Z=L/aの式により算出した。
【0137】〔酸素透過度測定〕JIS K7126に
基づき、酸素透過度測定装置(商品名「OX−TRAN
ML」、MOCON社製)にて23.7℃で測定した
(外層A側湿度60%RH、内層B側湿度100%R
H)。
【0138】〔実施例1〕 〔樹脂組成物層用塗工液〕分散釜(商品名「デスパMH
−L」、浅田鉄工株式会社製)に対し、イオン交換水
(比電気伝導率 0.7μS/cm以下)を1860g入れ、さ
らにPVA(商品名「PVA117H」、株式会社クラ
レ製、ケン化度;99.6%、重合度1700)を128g入れ、
低速撹拌下(1500rpm、周速度4.10m/mi
n)で95℃に昇温し、1時間撹拌し、PVAをイオン
交換水に溶解させてPVA水溶液を得た。
【0139】次に、上記PVA水溶液を撹拌したまま6
0℃に温度を下げた後、シリコーン系非イオン性界面活
性剤であるポリジメチルシロキサン−ポリオキシエチレ
ン共重合体(商品名「SH3746」、東レ・ダウコー
ニング株式会社製)0.18gを、1-ブタノール125
gおよびイソプロピルアルコール375gからなる混合
液に添加してなる液を、上記PVA水溶液に対して添加
し、混合液(B)を得た。
【0140】1960gの混合液(B)を、撹拌乳化装
置(商品名「真空乳化装置PVQ−3UN」、みずほ工
業株式会社製)に仕込んだ。樹脂と無機層状化合物との
重量比が、2:1となるように、天然モンモリロナイト
(商品名「クニピアF」、クニミネ工業株式会社製)を
粉末のまま50g添加し、モンモリロナイトが液中にほ
ぼ沈殿したことを確認した。その後、600mmHg、
5000rpmで10分間高速撹拌し、樹脂組成物混合
液(C)を得た。
【0141】2000gの樹脂組成物混合液(C)を高
圧分散処理装置(商品名「超高圧ホモジナイザーM11
0−E/H」、Microfluidics Corporation 製)に通
し、1750kgf/cm2 で1回高圧分散処理するこ
とにより、分散性良好な均一な分散液(D)を得た。分
散液(D)の固形分濃度は、7.5重量%であった。
【0142】PVAとモンモリロナイトとからなる分散
液(D)をフィルム状にキャストして、X線解析を行
い、膨潤・へき開したモンモリロナイト(無機層状化合
物)の面間隔dを測定した。上記モンモリロナイトは充
分にへき開されていた。このときのへき開した無機層状
化合物のアスペクト比は450以上であった。
【0143】上記の分散液(D)に対し、低速撹拌下
(1500rpm,周速度4.10m/min)におい
て、上記分散液(D)のpHが3以下となるように塩酸
で調整しながら、チタンアセチルアセトナート(商品名
「TC100」、松本製薬工業株式会社製)を徐々に
5.33g添加し、これを樹脂組成物層用塗工液とし
た。
【0144】〔積層フィルム〕厚さ20μmの2軸延伸
ポリプロピレン(OPP)フィルム(商品名「パイレン
P2102」、東洋紡績株式会社製)の表面コロナ処理
したものを基材層1とし、その基材層1上にアンカーコ
ート剤(アドコートAD335/CAT10=15/1
(重量比)、東洋モートン株式会社製)を、テストコー
ター(康井精機製)を用いて、マイクログラビア塗工法
により塗工速度3m/分、乾燥温度80℃でグラビア塗
工した。当該アンカーコート層の乾燥厚みは0.05μ
mであった。
【0145】次に、樹脂組成物層用塗工液を、テストコ
ーター(康井精機製)を用いて、マイクログラビア塗工
法により塗工速度3m/分、乾燥温度100℃でグラビ
ア塗工し、アンカーコート層上に、上記樹脂組成物層用
塗工液に基づく樹脂組成物層3が形成された塗工フィル
ム(フィルム積層体)を得た。当該樹脂組成物層3の乾
燥厚みは0.5μmであった。
【0146】続いて、上記塗工フィルムの樹脂組成物層
3に対し、接着剤(アドコートAD503/CAT10
=15/1(重量比)、東洋モートン株式会社製)を用
いて、シーラント層(ヒートシール性フィルム5)とし
ての50μm厚さのメタロセンLLフィルム(商品名
「TUX−FCS」、東セロ株式会社製)をドライラミ
ネートし、ピロー包装用フィルム10を得た。
【0147】また、ピロー包装用フィルム10の酸素透
過度を前述の測定方法にしたがって測定した。その結
果、ピロー包装用フィルム10は、酸素透過度(mL/
atm ・m2 ・day )が0.1以下であり、酸素透過度に
優れていた。また、ピロー包装機を用いてピロー包装用
フィルム10よりピロー包装を行ったところ、ピロー包
装用フィルムは、ピロー包装機適性が良好である。
【0148】〔比較例1〕樹脂組成物層3の代わりに塩
化ビニリデン樹脂層をアンカーコート層上に形成する以
外は実施例1と同様にして、ピロー包装用フィルムを得
た。ピロー包装機を用いて上記ピロー包装用フィルムに
よりピロー包装を行ったところ、上記ピロー包装用フィ
ルムは、ピロー包装機適性に劣っている。
【0149】
【発明の効果】本発明のピロー包装用フィルムは、以上
のように、無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる樹
脂組成物層を備える構成である。
【0150】それゆえ、上記構成は、ガスバリア性に優
れるガスバリア性に優れるとともに環境負荷を低減でき
る低コストのピロー包装用フィルムを提供することがで
きるという効果を奏する。
【0151】本発明のピロー包装袋は、以上のように、
本発明のピロー包装用フィルムによって形成されている
ことを特徴としている。
【0152】それゆえ、上記構成は、ガスバリア性に優
れるガスバリア性に優れるとともに環境負荷を低減でき
る低コストのピロー包装袋を提供することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のピロー包装用フィルムの一例を示す概
略部分断面図である。
【図2】本発明のピロー包装用フィルムの他の一例を示
す概略部分断面図である。
【図3】上記ピロー包装用フィルムの樹脂組成物層(ガ
スバリア層)を示す概略部分断面図である。
【図4】上記ピロー包装用フィルムにおける無機層状化
合物の「単位厚さa」を算出するための無機層状化合物
のX線回折グラフである。
【図5】上記ピロー包装用フィルムにおける無機層状化
合物の「面間隔d」を算出するための無機層状化合物の
X線回折グラフである。
【図6】上記図5のグラフにおいて、「面間隔d」に対
応するピークがハロー(ないしバックグラウンド)と重
なって検出することが困難な場合における無機層状化合
物の「面間隔d」を算出するときの、X線回折グラフで
ある。
【図7】上記ピロー包装用フィルムの製造時に用いられ
る高速分散処理を模式的に示す説明図である。
【図8】本発明のピロー包装袋の一例を示す平面図であ
る。
【図9】本発明のピロー包装袋の他の一例(ピロー包装
の一種であるガゼット包装に相当)を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 基材層 3 樹脂組成物層 5 ヒートシール性フィルム 10 ピロー包装用フィルム

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機層状化合物を含む樹脂組成物からなる
    樹脂組成物層を備えることを特徴とするピロー包装用フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】樹脂組成物層に対し、基材層が積層されて
    いることを特徴とする請求項1記載のピロー包装用フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】樹脂組成物層に対し、ヒートシール性フィ
    ルムが積層されていることを特徴とする請求項1または
    2記載のピロー包装用フィルム。
  4. 【請求項4】樹脂組成物層に延伸フィルムが積層され、
    該延伸フィルムにヒートシール性フィルムが積層されて
    いることを特徴とする請求項1または2記載のピロー包
    装用フィルム。
  5. 【請求項5】無機層状化合物が、分散媒に膨張・へき開
    する性質を有することを特徴とする請求項1ないし4の
    何れか一つに記載のピロー包装用フィルム。
  6. 【請求項6】樹脂組成物層が、無機層状化合物を含む樹
    脂組成物の混合液を高圧分散処理して得られたものであ
    ることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一つに記
    載のピロー包装用フィルム。
  7. 【請求項7】高圧分散処理が、100kgf/cm2
    上の圧力条件にて分散処理するものであることを特徴と
    する請求項6記載のピロー包装用フィルム。
  8. 【請求項8】無機層状化合物のアスペクト比が、50〜
    5000であることを特徴とする請求項1ないし7の何
    れか一つに記載のピロー包装用フィルム。
  9. 【請求項9】無機層状化合物のアスペクト比が、200
    〜3000であることを特徴とする請求項1ないし8の
    何れか一つに記載のピロー包装用フィルム。
  10. 【請求項10】樹脂組成物が、高水素結合性樹脂を含
    み、無機層状化合物と高水素結合性樹脂との重量比が、
    1/100〜100/1の範囲内であることを特徴とす
    る請求項1ないし9の何れか一つに記載のピロー包装用
    フィルム。
  11. 【請求項11】高水素結合性樹脂における水素結合性基
    およびイオン性基の含有量が、20〜60モル%の範囲
    内であることを特徴とする請求項10記載のピロー包装
    用フィルム。
  12. 【請求項12】高水素結合性樹脂が、ポリビニルアルコ
    ールおよびその変性体、多糖類、並びにエチレン−ビニ
    ルアルコール共重合体およびその変性体からなる群より
    選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項
    10または11記載のピロー包装用フィルム。
  13. 【請求項13】請求項1ないし12の何れか一つに記載
    のピロー包装用フィルムによって形成されていることを
    特徴とするピロー包装袋。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114456420A (zh) * 2022-02-23 2022-05-10 北京工商大学 一种环保可降解食品级抗菌塑料包装膜及其制备方法

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CN114456420A (zh) * 2022-02-23 2022-05-10 北京工商大学 一种环保可降解食品级抗菌塑料包装膜及其制备方法
CN114456420B (zh) * 2022-02-23 2023-04-18 北京工商大学 一种环保可降解食品级抗菌塑料包装膜及其制备方法

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