JPH11313391A - スピーカ用振動板のエッジ - Google Patents

スピーカ用振動板のエッジ

Info

Publication number
JPH11313391A
JPH11313391A JP11900898A JP11900898A JPH11313391A JP H11313391 A JPH11313391 A JP H11313391A JP 11900898 A JP11900898 A JP 11900898A JP 11900898 A JP11900898 A JP 11900898A JP H11313391 A JPH11313391 A JP H11313391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
edge
roll
shaped grooves
shape
shaped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11900898A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyotaka Miyashita
清孝 宮下
Yoshio Koike
美夫 小池
Junji Tamaki
準次 玉木
Yuji Izumi
裕次 和泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Foster Electric Co Ltd
Original Assignee
Foster Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Foster Electric Co Ltd filed Critical Foster Electric Co Ltd
Priority to JP11900898A priority Critical patent/JPH11313391A/ja
Publication of JPH11313391A publication Critical patent/JPH11313391A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピーカのエッジ部に、質量とバネ定数が同
心円状に分布しない形状を形成し、軸対称共振モードを
分断もしくは分散し、軸対称共振モードに起因するピー
ク、ディップを除去し、特性を改善する。 【解決手段】 発泡ゴムのような軽量な材質からなるロ
ール形状のエッジ2の全周に間隔を介し深さが3分の1
以上のV字状溝3を形成する。このV字状溝3はエッジ
本体の内側の円2aの接線方向に複数形成され、このV
字状溝3によって軸対称共振モードを分断もしくは分散
する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はスピーカ用振動板
のエッジに関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカ用振動板はボイスコイルを介し
振動し、電気信号を音波に変換するが、この際、振動系
は共振現象を生ずる。
【0003】すなわち、質量とバネ定数を併せ持つ物体
はすべて、必ず固有の共振周波数を持ち、振動の減衰現
象を無視すると、もっともシンプルな1次元1自由度系
の場合は、質量m、バネ定数をkとして、固有共振周波
数は運動方程式から明らかなように、一般に次の数式1
によって表される。
【0004】
【数1】√k/√m
【0005】多次元多自由度系の場合の振動現象はかな
り複雑になるが、いろいろな値の質量とバネ定数が形状
に沿って分布していると見なして取り扱うことができ、
共振現象の基本が質量とバネ定数により決まるというこ
とに変わりはない。
【0006】一般のスピーカの振動板はエッジ部分も含
めて軸対称形状のものが多くいろいろな値の質量とバネ
定数が同心円状に分布していることになる。
【0007】従って、前述の共振現象の原理から、振動
板とエッジ部分には、同心円状に共振状態が分布する現
象が必ず発生してしまう。そして、この現象はいわゆる
軸対称共振モードと呼ばれ、振動板が同位相で軸方向に
共振するために音圧特性上では有害なピークとなって現
れる。
【0008】しかるに、従来例としては、例えば図6や
図7に示すように、エッジ2の凹部3aと凸部3bとを
配置し、剛性を高めるなどしたものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のは、凹部3aと凸部3bとを交互に、かつ連続的に隣
接配置した構造となっており、同心円状に連続して凹凸
が分布し、結局、軸対称形状となっているため、上記軸
対称共振モードの発生を抑えることはできない、という
課題があった。
【0010】この発明は上記のことを鑑み提案されたも
ので、その目的とするところは、前述の様なスピーカ振
動板の共振現象を防ぐために、軸対称、もしくはほぼ軸
対称に近い形状を持ったスピーカのエッジ部に、質量と
バネ定数が同心円状には分布しない様な形状を付与する
ことにより、従来の形状の場合は本質的に発生する軸対
称共振モードを分断もしくは分散することにより抑制し
得るスピーカ用振動板のエッジを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、ロール形状
をしたエッジにおいて、内側の円2aの接線方向に間隔
を介し複数個のV字状溝3を形成し、このV字状溝3の
深さはロール形状の高さの3分の1より深く、形成した
構成とし、上記目的を達成している。
【0012】また、この場合V字状溝は全円周にて8個
から36個の範囲内にて形成している。
【0013】また、エッジ材は発泡ゴムからなってい
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明ではエッジに、質量とバネ
定数が同心円状に分布しないようにタンジェンシャル
溝、つまりV字状の溝をエッジ本体の内側の円の接線方
向に間隔をあけて設け、スピーカ用振動板の共振現象を
防止するようにしている。
【0015】すなわち、一般にスピーカのエッジの役割
のひとつは振動板の動きに追従し支えるサスペンション
であり、必然的に振動板よりも柔らかく設定されるた
め、共振状態が集中しやすい。軸対称モードも然りであ
り、スピーカが直接音波を放射する振動板とエッジの面
に発生する最初の軸対称モードは、通常はエッジ部に生
じ、聴感感度の高いおよそ1〜3KHzの中帯域に有害
なピークをもたらす。従ってエッジに主に発生する軸対
称モードを抑制することが効果的となる。
【0016】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の一実施例を説明
する。図1は振動板に設けられた本発明にかかるエッジ
の平面図、図2は同上の側面図である。
【0017】すなわち、これらの図中1は振動板で、そ
の外周にはアップロール状のエッジ2が設けられ、この
ロール状のエッジ2には、図1に示されるように複数個
のV字状溝3が間隔を介し形成されている。これらのV
字状溝3はロール状エッジ2の内周側円2aの半径に対
し接線方向に配置され、V字状溝3のどの点を取っても
振動板1の中心0から見て同心円状から外れた形状およ
び形状剛性となっている。
【0018】このV字状溝3は,図1中A−A線断面の
図3および図1中B−B線断面の図4に示すように、ア
ップロールの頂部において背面側に向かって材料自体の
厚みは変えることなくV字状の溝形状にしている。
【0019】このようにしたのは、エッジ2の質量とバ
ネ定数が同心円状にならないようにするにはエッジ形状
を同心円状でない様にするのが最も効果的だからであ
る。
【0020】すなわち、その理由は、形状を変えること
は音圧放射方向についても分散化ができるということ
と、また材料の厚さをあえて変えなくても効果が期待で
きるため、製造しやすいという利点があることによる。
【0021】この具体例がロール状エッジ2に対し、図
3に示すように、材料自体の厚みは変えずにV字状の溝
形状を付与することである。しかも、この溝形状をロー
ル状エッジ2の内周側円2aの半径に対し接線方向に配
置することにより、V字状溝3部分のどの点をとっても
スピーカ中心からみて同心円状からはずれた形状および
形状剛性にすることができる。
【0022】また、V字状溝3の2つの相対する斜面部
分のなす各αは、ほぼ60°とし、かつロール状エッジ
2の上昇→下降に伴い、それぞれ大→小となり、言い換
えればV字状溝3が開いたり、閉じたりする変形状態と
している。
【0023】これは、ロール状エッジ2のスピーカ軸方
向の運動が、ほぼ直角方向に変換されたことを示してお
り、従って軸方向への音圧放射成分も減ることになる。
【0024】このV字状溝3の配置数としては図示例で
は12個としているが、同心円状の度合を小さくする観
点からロール状エッジ2の全周に対してエッジの大きさ
などに応じて8個以上であって最大36個以内とすると
好ましい。
【0025】しかして、ロール状エッジ2の形状の変形
形態からみて、V字状溝3に対し、図5に示すように、
まったく異種であるノーマルのロール形状部分と、図
1、図3、図4に示すように、V字状溝3部分とが、周
方向にどの位の周期で交互に現れるか、より正確に言え
ば、同種−異種の繰り返しの中での両者の占有比率(い
わゆるデューティ比)がどの位かが同心円状態の度合を
示すことになり、原理的には、等価的に1:1になる様
に配置された場合が、最も同心円状態の度合が小さくな
る。
【0026】実際の例でみてみると、V字状溝3の間隔
が広過ぎるとロール形状部分が多くなるため、この部分
に軸対称モードが発生しやすくなり、逆に狭過ぎると、
V字状溝が連続して設置された状態に近くなり、同心円
状態の度合が大きくなってしまう。
【0027】試作と振動シミュレーションを繰り返した
結果、これらの間隔の具体的な数値としては、等価的に
両者のデューティ比が1:1に近くなるのは、全周に対
し8個から36個という値が得られた。
【0028】この範囲にV字状溝3を配置することによ
り、同心円状態を最も効果的に分断もしくは分散するこ
とができ、いわゆる軸対称共振モードの発生を抑制する
ことができる。
【0029】また、 V字状溝3の深さとしては、図
3、図4に示すように、ロール状エッジ2のロール形状
の高さhの3分の1より深いことが好ましい。
【0030】この理由としては、必要な形状剛性が得ら
れるようにし、かつエッジ部に質量とバネ定数がいかに
同心円状にならないようにするかによる。
【0031】また、このエッジ材としては発泡ゴムが用
いられる。
【0032】 実際のスピーカの振動系材料は電気音響
変換効率の点からは重量が軽い程好ましく、最近開発さ
れた発泡ゴム材料をエッジ材として使用する主目的はこ
の点にあるが、基本的な物理原則から、比重の小さいも
の程、剛性は低くなる傾向にあり、前述の変換効率を重
視すると、必然的に低剛性材料を使わざるを得ないた
め、エッジ部共振の問題がさらに発生しやすくなってし
まう。
【0033】しかしながら、エッジ材として発泡ゴムを
用いると、エッジ部分での軸対称共振モードを抑制する
のに特に有効であり、この効果はエッジ剛性が低い程顕
著に現れる。本発明ではかかるエッジ材の軸対称共振を
抑制するすべく特定形状を採用している。
【0034】このように従来の技術では共振の点で課題
があった軽量エッジ材料も本発明を応用し使用すること
により、高い交換効率と良好な音響特性の双方を得るこ
とができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ロール状
のエッジ2に、もともとのロール形状の部分を介在させ
て深さが3分の1以上のV字状溝3を間隔をあけて形成
し、これによりエッジ部にスピーカの振幅方向に動きに
くい箇所と、もともとのロール形状部分の動きやすい部
分とを意図的に作り出したため、軸対称共振モードがエ
ッジの全周にわたって発生する現象を周方向に分断もし
くは分散させることができるので、音圧特性上で最も有
害とされていた軸対称共振に起因するピーク、ディップ
を除去でき、特性を大幅に改善し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のエッジが用いられた振動板
の平面図。
【図2】同上の半断面側面図。
【図3】図1中A−A線断面図。
【図4】図1中B−B線断面図。
【図5】図1中C−C線断面図。
【図6】一従来例。
【図7】他の従来例。
【符号の説明】
1 振動板 2 エッジ 3 V字状溝
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はスピーカ用振動板
のエッジに関する。
【0002】
【従来の技術】スピーカ用振動板はボイスコイルを介し
振動し、電気信号を音波に変換するが、この際、振動系
は共振現象を生ずる。
【0003】すなわち、質量とバネ定数を併せ持つ物体
はすべて、必ず固有の共振周波数を持ち、振動の減衰現
象を無視すると、もっともシンプルな1次元1自由度系
の場合は、質量m、バネ定数をkとして、固有共振周波
数は運動方程式から明らかなように、一般に次の数式1
によって表される。
【0004】
【数1】√k/√m
【0005】多次元多自由度系の場合の振動現象はかな
り複雑になるが、いろいろな値の質量とバネ定数が形状
に沿って分布していると見なして取り扱うことができ、
共振現象の基本が質量とバネ定数により決まるというこ
とに変わりはない。
【0006】一般のスピーカの振動板はエッジ部分も含
めて軸対称形状のものが多くいろいろな値の質量とバネ
定数が同心円状に分布していることになる。
【0007】従って、前述の共振現象の原理から、振動
板とエッジ部分には、同心円状に共振状態が分布する現
象が必ず発生してしまう。そして、この現象はいわゆる
軸対称共振モードと呼ばれ、振動板が同位相で軸方向に
共振するために音圧特性上では有害なピークとなって現
れる。
【0008】しかるに、従来例としては、例えば図6や
図7に示すように、エッジ2の凹部3aと凸部3bとを
配置し、剛性を高めるなどしたものがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のは、凹部3aと凸部3bとを交互に、かつ連続的に隣
接配置した構造となっており、同心円状に連続して凹凸
が分布し、結局、軸対称形状となっているため、上記軸
対称共振モードの発生を抑えることはできない、という
課題があった。
【0010】この発明は上記のことを鑑み提案されたも
ので、その目的とするところは、前述の様なスピーカ振
動板の共振現象を防ぐために、軸対称、もしくはほぼ軸
対称に近い形状を持ったスピーカのエッジ部に、質量と
バネ定数が同心円状には分布しない様な形状を付与する
ことにより、従来の形状の場合は本質的に発生する軸対
称共振モードを分断もしくは分散することにより抑制し
得るスピーカ用振動板のエッジを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、ロール形状
をしたエッジにおいて、内側の円2aの接線方向に間隔
を介し複数個のV字状溝3を形成し、このV字状溝3の
深さはロール形状の高さの3分の1より深く、形成した
構成とし、上記目的を達成している。
【0012】また、この場合V字状溝は全円周にて8個
から36個の範囲内にて形成している。
【0013】また、エッジ材は発泡ゴムからなってい
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明ではエッジに、質量とバネ
定数が同心円状に分布しないようにタンジェンシャル
溝、つまりV字状の溝をエッジ本体の内側の円の接線方
向に間隔をあけて設け、スピーカ用振動板の共振現象を
防止するようにしている。
【0015】すなわち、一般にスピーカのエッジの役割
のひとつは振動板の動きに追従し支えるサスペンション
であり、必然的に振動板よりも柔らかく設定されるた
め、共振状態が集中しやすい。軸対称モードも然りであ
り、スピーカが直接音波を放射する振動板とエッジの面
に発生する最初の軸対称モードは、通常はエッジ部に生
じ、聴感感度の高いおよそ1〜3KHzの中帯域に有害
なピークをもたらす。従ってエッジに主に発生する軸対
称モードを抑制することが効果的となる。
【0016】
【実施例】以下、図面に沿って本発明の一実施例を説明
する。図1は振動板に設けられた本発明にかかるエッジ
の平面図、図2は同上の側面図である。
【0017】すなわち、これらの図中1は振動板で、そ
の外周にはアップロール状のエッジ2が設けられ、この
ロール状のエッジ2には、図1に示されるように複数個
のV字状溝3が間隔を介し形成されている。これらのV
字状溝3はロール状エッジ2の内周側円2aの半径に対
し接線方向に配置され、V字状溝3のどの点を取っても
振動板1の中心0から見て同心円状から外れた形状およ
び形状剛性となっている。
【0018】このV字状溝3は,図1中A−A線断面の
図3および図1中B−B線断面の図4に示すように、ア
ップロールの頂部において背面側に向かって材料自体の
厚みは変えることなくV字状の溝形状にしている。
【0019】このようにしたのは、エッジ2の質量とバ
ネ定数が同心円状にならないようにするにはエッジ形状
を同心円状でない様にするのが最も効果的だからであ
る。
【0020】すなわち、その理由は、形状を変えること
は音圧放射方向についても分散化ができるということ
と、また材料の厚さをあえて変えなくても効果が期待で
きるため、製造しやすいという利点があることによる。
【0021】この具体例がロール状エッジ2に対し、図
3に示すように、材料自体の厚みは変えずにV字状の溝
形状を付与することである。しかも、この溝形状をロー
ル状エッジ2の内周側円2aの半径に対し接線方向に配
置することにより、V字状溝3部分のどの点をとっても
スピーカ中心からみて同心円状からはずれた形状および
形状剛性にすることができる。
【0022】また、V字状溝3の2つの相対する斜面部
分のなす各αは、ほぼ60°とし、かつロール状エッジ
2の上昇→下降に伴い、それぞれ大→小となり、言い換
えればV字状溝3が開いたり、閉じたりする変形状態と
している。
【0023】これは、ロール状エッジ2のスピーカ軸方
向の運動が、ほぼ直角方向に変換されたことを示してお
り、従って軸方向への音圧放射成分も減ることになる。
【0024】このV字状溝3の配置数としては図示例で
は12個としているが、同心円状の度合を小さくする観
点からロール状エッジ2の全周に対してエッジの大きさ
などに応じて8個以上であって最大36個以内とすると
好ましい。
【0025】しかして、ロール状エッジ2の形状の変形
形態からみて、V字状溝3に対し、図5に示すように、
まったく異種であるノーマルのロール形状部分と、図
1、図3、図4に示すように、V字状溝3部分とが、周
方向にどの位の周期で交互に現れるか、より正確に言え
ば、同種−異種の繰り返しの中での両者の占有比率(い
わゆるデューティ比)がどの位かが同心円状態の度合を
示すことになり、原理的には、等価的に1:1になる様
に配置された場合が、最も同心円状態の度合が小さくな
る。
【0026】実際の例でみてみると、V字状溝3の間隔
が広過ぎるとロール形状部分が多くなるため、この部分
に軸対称モードが発生しやすくなり、逆に狭過ぎると、
V字状溝が連続して設置された状態に近くなり、同心円
状態の度合が大きくなってしまう。
【0027】試作と振動シミュレーションを繰り返した
結果、これらの間隔の具体的な数値としては、等価的に
両者のデューティ比が1:1に近くなるのは、全周に対
し8個から36個という値が得られた。
【0028】この範囲にV字状溝3を配置することによ
り、同心円状態を最も効果的に分断もしくは分散するこ
とができ、いわゆる軸対称共振モードの発生を抑制する
ことができる。
【0029】また、 V字状溝3の深さとしては、図
3、図4に示すように、ロール状エッジ2のロール形状
の高さhの3分の1より深いことが好ましい。
【0030】この理由としては、必要な形状剛性が得ら
れるようにし、かつエッジ部に質量とバネ定数がいかに
同心円状にならないようにするかによる。
【0031】また、このエッジ材としては発泡ゴムが用
いられる。
【0032】実際のスピーカの振動系材料は電気音響変
換効率の点からは重量が軽い程好ましく、最近開発され
た発泡ゴム材料をエッジ材として使用する主目的はこの
点にあるが、基本的な物理原則から、比重の小さいもの
程、剛性は低くなる傾向にあり、前述の変換効率を重視
すると、必然的に低剛性材料を使わざるを得ないため、
エッジ部共振の問題がさらに発生しやすくなってしま
う。
【0033】このように従来の技術では共振の点で課題
があった軽量エッジ材料も本発明を応用し使用すること
により、高い交換効率と良好な音響特性の双方を得るこ
とができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ロール状
のエッジ2に、もともとのロール形状の部分を介在させ
て深さが3分の1以上のV字状溝3を間隔をあけて形成
し、これによりエッジ部にスピーカの振幅方向に動きに
くい箇所と、もともとのロール形状部分の動きやすい部
分とを意図的に作り出したため、軸対称共振モードがエ
ッジの全周にわたって発生する現象を周方向に分断もし
くは分散させることができるので、音圧特性上で最も有
害とされていた軸対称共振に起因するピーク、ディップ
を除去でき、特性を大幅に改善し得る効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和泉 裕次 東京都昭島市宮沢町512番地 フォスター 電機株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロール形状をしたエッジにおいて、内側
    の円2aの接線方向に間隔を介し複数個のV字状溝3を
    形成し、このV字状溝3の深さはロール形状の高さの3
    分1より深く形成したことを特徴としたスピーカ用振動
    板のエッジ。
  2. 【請求項2】 V字状溝3は全円周にて8個から36個
    の範囲内にて形成される請求項1記載のスピーカ用振動
    板のエッジ。
  3. 【請求項3】 エッジ材は発泡ゴムからなる請求項1ま
    たは2記載のスピーカ用振動板のエッジ。
JP11900898A 1998-04-28 1998-04-28 スピーカ用振動板のエッジ Pending JPH11313391A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11900898A JPH11313391A (ja) 1998-04-28 1998-04-28 スピーカ用振動板のエッジ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11900898A JPH11313391A (ja) 1998-04-28 1998-04-28 スピーカ用振動板のエッジ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11313391A true JPH11313391A (ja) 1999-11-09

Family

ID=14750717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11900898A Pending JPH11313391A (ja) 1998-04-28 1998-04-28 スピーカ用振動板のエッジ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11313391A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002271887A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Sony Corp スピーカ装置
US6957714B2 (en) * 2002-07-12 2005-10-25 Pioneer Corporation Speaker and speaker diaphragm
KR100783683B1 (ko) 2007-05-02 2007-12-07 한만대 마이크로스피커
JP2013219472A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Foster Electric Co Ltd スピーカ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002271887A (ja) * 2001-03-08 2002-09-20 Sony Corp スピーカ装置
JP4513220B2 (ja) * 2001-03-08 2010-07-28 ソニー株式会社 スピーカ装置
US6957714B2 (en) * 2002-07-12 2005-10-25 Pioneer Corporation Speaker and speaker diaphragm
KR100783683B1 (ko) 2007-05-02 2007-12-07 한만대 마이크로스피커
JP2013219472A (ja) * 2012-04-06 2013-10-24 Foster Electric Co Ltd スピーカ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5230729B2 (ja) 補強要素を有するラウドスピーカ
DE102014224061B4 (de) Dreiteiliger Membranlautsprecher
US3073411A (en) Acoustical apparatus
EP2952014B1 (en) Electro acoustic diaphragm
EP3172907B1 (en) Sound producing system
US4139733A (en) Electro acoustic transducer with improved diaphragm
JPH09224297A (ja) 音響変換器の振動板
JPH07327297A (ja) 圧電スピーカ
JPH11313391A (ja) スピーカ用振動板のエッジ
TWI835518B (zh) 一種揚聲器
JP2003339094A (ja) 電気音響変換器用振動板
JP4877964B2 (ja) 平面振動板スピーカ
JP2007043522A (ja) スピーカー装置用振動板
US20190335270A1 (en) Speaker
KR19990044918A (ko) 방사상으로 활모양인 고주파 중심 스피커 원뿔체
JPH01130699A (ja) 圧電スピーカ
RU2714859C2 (ru) Узел диафрагмы, способ его изготовления и преобразователь, содержащий данный узел
US20190052971A1 (en) Acoustic transducer with vibration damping
JP4445182B2 (ja) スピーカ装置
JPS6313593B2 (ja)
CN218162836U (zh) 一种低音辐射振膜
JPS5834866Y2 (ja) 平板型スピ−カ−
JP2006148636A (ja) 振動板とそれを用いたスピーカ
JP4413119B2 (ja) スピーカ
JPS636956Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050331

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060725

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20060925

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061031