JPH11310586A - 非対称シロキシ化合物 - Google Patents

非対称シロキシ化合物

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JPH11310586A
JPH11310586A JP11054283A JP5428399A JPH11310586A JP H11310586 A JPH11310586 A JP H11310586A JP 11054283 A JP11054283 A JP 11054283A JP 5428399 A JP5428399 A JP 5428399A JP H11310586 A JPH11310586 A JP H11310586A
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JP
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carbon atoms
compound
rubber
alkyl
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Application number
JP11054283A
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English (en)
Inventor
Thierry Florent Edme Materne
ティエリ・フロラン・エドメ・マテルネ
Rene Jean Zimmer
レーヌ・ジャン・ツィマー
Friedrich Visel
フリードリッヒ・ヴィゼル
Uwe Ernst Frank
ウヴェ・エルンスト・フランク
Giorgio Agostini
ジョルジョ・アゴスティーニ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Goodyear Tire and Rubber Co
Original Assignee
Goodyear Tire and Rubber Co
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/54Silicon-containing compounds
    • C08K5/548Silicon-containing compounds containing sulfur
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic Table
    • C07F7/02Silicon compounds
    • C07F7/08Compounds having one or more C—Si linkages
    • C07F7/18Compounds having one or more C—Si linkages as well as one or more C—O—Si linkages
    • C07F7/1804Compounds having Si-O-C linkages

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカ充填ゴム配合物中でゴムとシリカ充填
剤との間の反応性カップリング剤として有用な硫黄含有
有機ケイ素化合物を提供する。 【解決手段】 上記化合物は式(I): 【化1】 を有することを特徴とする化合物である。式中、R1
2およびR3は独立して1〜8個の炭素原子を有するア
ルコキシ基からなる群から選択され;R4は1〜15個
の炭素原子を有するアルキレン基ならびに6〜10個の
炭素原子を有するアリーレン基およびアルキル置換アリ
ーレン基からなる群から選択され;nは2〜8の整数で
ありそしてXは明細書に定義された式II〜VIIに定
義された基からなる群から選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ充填ゴム配
合物に有用な化合物およびシリカを含有する硫黄硬化性
ゴム配合物の加工に関する。
【0002】
【従来の技術】硫黄含有有機ケイ素化合物はゴムと改良
した物理特性を与えるシリカ充填剤との間の反応性カッ
プリング剤として有用である。これらの化合物は、ガラ
ス、金属およびその他の基材のための接着プライマーと
しても有用である。
【0003】米国特許第3,842,111号、第3,
873,489号および同第3,978,103号各明
細書は種々の硫黄含有有機ケイ素化合物の製造を開示す
る。これらの有機ケイ素化合物は、(a)2モルの式:
Z−Alk−hal(式中、halは塩素、臭素または
ヨウ素であり、Zは、
【0004】
【化7】
【0005】ここで、R1は1〜4個の炭素原子のアル
キル基またはフェニル基であり、R2は1〜8個の炭素
原子のアルコキシ基;または5〜8個の炭素原子のシク
ロアルコキシ基;または1〜8個の炭素原子を有するア
ルキルメルカプト基であり、Alkは1〜18個の炭素
原子を有する二価の脂肪族炭化水素基もしくは不飽和炭
化水素基または環状炭化水素基である。)の化合物を
(b)1モルの式:Me2Sn(式中、Meはアンモニ
ウムまたは金属原子であり、nは2〜6の整数であ
る。)の化合物と反応させることにより製造する。
【0006】日本特許出願昭56−124400号(特
開昭61−4742号公報)および米国特許第4,82
0,751号各明細書は珪酸塩系充填剤およびシロキシ
基とベンゾチアゾール基を含有する化合物を含有するゴ
ム配合物を開示する。このような化合物の1例はトリメ
トキシシリルプロピル−メルカプトベンゾチアゾール−
テトラスルフィッドである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シリカ充填
ゴム配合物に有用な化合物を提供することを目的とす
る。さらに本発明は前記化合物を含有するシリカ充填ゴ
ム配合物およびその製造方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、前記シリカ充填ゴム配合物を加硫
させた加硫済みゴムからなるトレッドを有するタイヤを
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(I):
【0009】
【化8】
【0010】(式中、R1、R2およびR3は独立して1
〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から
選択され;R4は1〜15個の炭素原子を有するアルキ
レン基ならびに6〜10個の炭素原子を有するアリーレ
ン基およびアルキル置換アリーレン基からなる群から選
択され;nは2〜8の整数でありそしてXは
【0011】
【化9】
【0012】からなる群から選択され、ここで、R5
1〜15個の炭素原子を有するアルキル基ならびに6〜
20個の炭素原子を有するアリール基およびアルキル置
換アリール基である。)の非対称シロキシ化合物に関す
る。 (i)共役ジエンホモポリマーおよびコポリマーからな
らびに少なくとも1個の共役ジエンおよび芳香族ビニル
化合物のコポリマーから選択されるオレフィン不飽和結
合を含有する少なくとも1種のエラストマーを100重
量部; (ii)微粒子状沈降シリカを10〜250phr; (iii)カーボンブラックを0〜150phr;およ
び (iv)式(I):
【0013】
【化10】
【0014】(式中、R1、R2およびR3は独立して1
〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から
選択され;R4は1〜15個の炭素原子を有するアルキ
レン基ならびに6〜10個の炭素原子を有するアリーレ
ン基およびアルキル置換アリーレン基からなる群から選
択され;nは2〜8の整数でありそしてXは
【0015】
【化11】
【0016】からなる群から選択され、ここで、R5
1〜15個の炭素原子を有するアルキル基ならびに6〜
20個の炭素原子を有するアリール基およびアルキル置
換アリール基である。)の非対称シロキシ化合物を0.
05〜10phrを混合することを特徴とするシリカ充
填ゴム配合物の製造方法も開示する。
【0017】オレフィン不飽和結合を含有するエラスト
マー、シリカおよび式I:
【0018】
【化12】
【0019】(式中、R1、R2およびR3は独立して1
〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる群から
選択され;R4は1〜15個の炭素原子を有するアルキ
レン基ならびに6〜10個の炭素原子を有するアリーレ
ン基およびアルキル置換アリーレン基からなる群から選
択され;nは2〜8の整数でありそしてXは
【0020】
【化13】
【0021】からなる群から選択され、ここで、R5
1〜15個の炭素原子を有するアルキル基ならびに6〜
20個の炭素原子を有するアリール基およびアルキル置
換アリール基である。)の化合物を含むシリカ充填ゴム
配合物も開示する。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、オレフィン不飽和結合
を含有する硫黄加硫性ゴムまたはエラストマーを加工す
るのに使用できる。語句「オレフィン不飽和結合を含有
するゴムまたはエラストマー」は、天然ゴムおよびその
種々の生ゴムおよび再生ゴムの形態の双方ならびに種々
の合成ゴムを含む。本明細書中では、「ゴム」および
「エラストマー」という用語は、特記しない限り、交換
可能に使用できる。「ゴム配合物」、「配合ゴム」およ
び「ゴムコンパウンド」という用語は、種々の成分およ
び材料とブレンドまたは混合したゴムを称するのに交換
可能に使用でき、かかる用語はゴム混合またはゴム配合
業界の熟達者に周知である。代表的な合成ポリマーは、
ブタジエンおよびその同族体および誘導体の単独重合生
成物、例えば、メチルブタジエン、ジメチルブタジエン
およびペンタジエン、ならびにブタジエンまたはその同
族体または誘導体とその他の不飽和モノマーとから形成
されるようなコポリマーである。その他の不飽和モノマ
ーには、アセチレン類、例えば、ビニルアセチレン;オ
レフィン類、例えば、イソブチレン(イソプレンと共重
合させてブチルゴムを形成する);ビニル化合物、例え
ば、アクリル酸、アクリロニトリル(ブタジエンと重合
させてNBRを形成)、メタクリル酸およびスチレン
(ブタジエンと重合してSBRを形成)、ならびに、ビ
ニルエステル類および種々の不飽和アルデヒド類、ケト
ン類およびエーテル類、例えば、アクロレイン、メトル
イソプロペニルケトンおよびビニルエチルエーテルがあ
る。合成ゴムの特定の例には、ネオプレン(ポリクロロ
プレン)、ポリブタジエン(シス−1,4−ポリブタジ
エンを含む)、ポリイソプレン(シス−1,4−ポリイ
ソプレンを含む)、ブチルゴム、スチレン/イソプレン
/ブタジエンゴム、1,3−ブタジエンまたはイソプレ
ンとスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタクリ
レートのようなモノマーとのコポリマー、ならびに、エ
チレン/プロピレンターポリマー(エチレン/プロピレ
ン/ジエンモノマー(EPDM)および、特に、エチレ
ン/プロピレン/ジシクロペンタジエンターポリマーが
ある。好適なゴムまたはエラストマーはポリブタジエン
およびSBRである。
【0023】一態様では、ゴムは好ましくは少なくとも
2種のジエン系ゴムを有する。例えば、シス1,4−ポ
リイソプレンゴム(天然または合成、但し天然が好まし
い)、3,4−ポリイソプレンゴム、スチレン/イソプ
レン/ブタジエンゴム、乳化重合および溶液重合で誘導
したスチレン/ブタジエンゴム、シス1,4−ポリブタ
ジエンゴムならびに乳化重合で調製したブタジエン/ア
クリロニトリルコポリマーのような二種以上のゴムの組
み合わせが好ましい。
【0024】本発明の一態様では、結合スチレン約20
%〜約28%と比較的慣用的なスチレン含量を有する乳
化重合で誘導したスチレン/ブタジエン(E−SBR)
が使用でき、または、ある用途では、中間的〜比較的高
い結合スチレン含量、すなわち、約30〜約45%の結
合スチレン含量のE−SBRを使用できる。
【0025】約30〜約40とE−SBRにとって比較
的高いスチレン含量は、タイヤトレッドの静止摩擦特性
またはスキッド抵抗性の増強の目的のために利点がある
と考えることができる。E−SBR自身の存在は、未硬
化エラストマー配合混合物の加工性を増強する目的のた
め、特に溶液重合で調製したSBR(S−SBR)の利
用と比較して利点があると考えられる。
【0026】乳化重合で調製したE−SBRという用語
は、スチレンと1,3−ブタジエンとを水性エマルショ
ンとして共重合させたものを意味する。これは当業界に
周知である。結合スチレン含量は、例えば、約5〜約5
0%で変動する。
【0027】一態様では、E−SBRはアクリロニトリ
ルも含有させることができ、E−SBARとしてターポ
リマーゴムを形成する。例えば、ターポリマー中の約2
〜約30重量%結合アクリロニトリルの量で含有する。
【0028】約2〜約40重量%の結合アクリロニトリ
ルを共重合体中に含む乳化重合で調製したスチレン/ブ
タジエン/アクリロニトリルターポリマーゴムも、本発
明で用いられるジエン系ゴムとして意図される。
【0029】溶液重合で調製されるSBR(S‐SB
R)は、典型的には、約5〜約50%、好ましくは約9
〜約36%の範囲の結合スチレンを含んでいる。このS
‐SBRは、例えば炭化水素系有機溶媒の存在下で有機
リチウム触媒の作用でうまく製造できる。
【0030】S‐SBRを使用する目的はタイヤのころ
がり抵抗性を向上させることであって、それは、S‐S
BRがタイヤトレッド配合物に用いられた時にそのヒス
テリシスが低くなることの結果である。
【0031】3,4‐ポリイソプレンゴム(3,4‐P
I)は、それがタイヤトレッド配合物に用いられた時に
タイヤの静止摩擦特性を向上させる目的に有益と考えら
れる。3,4‐PIおよびその利用は、本明細書で引
用、参照される米国特許第5,087,668号明細書
中により十分に説明されている。Tgはガラス転移温度
のことであり、示差走査熱量計により、加熱速度10℃
/分でうまく測定できる。
【0032】シス1,4‐ポリブタジエンゴム(BR)
はタイヤトレッドの摩耗、即ちトレッド摩耗特性を向上
させるのに有益であると考えられる。かかるBRは、例
えば1,3‐ブタジエンの有機溶媒中での溶液重合によ
って製造することができる。BRは、普通、例えばシス
1,4‐結合の含有量が少なくとも90%であるという
特徴を持っている。
【0033】シス1,4‐ポリイソプレンおよびシス
1,4‐ポリイソプレン天然ゴムはゴムの技術分野の習
熟者には良く知られている。
【0034】本明細書で用いられる“phr”という用
語は、通常の用い方に従って、“ゴムもしくはエラスト
マー100重量部当たりの個々の材料の重量部数”を意
味する。
【0035】本発明の非対称シロキシ化合物は、次式で
表されるものである:
【0036】
【化14】
【0037】但し、上記の式において、R1 、R2 およ
びR3 は1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基より
成る群から独立に選ばれ;R4 は1〜15個の炭素原子
を有するアルキレン基並びに6〜10個の炭素原子を有
するアリーレン基およびアルキル置換アリーレン基より
成る群から選ばれ;そしてnは2〜8の整数であり、X
は:
【0038】
【化15】
【0039】からなる群から選択され、ここで、R5
1〜15個の炭素原子を有するアルキル基、6〜20個
の炭素原子を有するアリール基およびアルキル置換アリ
ール基からなる群から選択される。好ましくは、R1
2およびR3は各々1〜3個の炭素原子を有するアルコ
キシ基であり、R4 は1〜3個の炭素原子を有するアル
キレン基であり、R5は1〜3個の炭素原子を有するア
ルキル基であり、そしてXは式II、IVおよびVII
のものである。これら非対称シロキシ化合物は、上記の
式に合致する純度の高い製品若しくはそれら製品の混合
物であることができる。
【0040】式Iの化合物は下記に示される反応式にし
たがって製造できる。
【0041】
【化16】
【0042】をNa22の存在下、8〜20分間80〜
100℃で反応させ、
【0043】
【化17】
【0044】を得る。ここで、HalはCl、Br等で
ある。所望の生成物がS4〜S8を含有する場合、反応は
所望の製品に依存してNa2x(式中、xは4〜8であ
る)の存在下で行う。
【0045】式Iの化合物はさらに下記に示される反応
式にしたがって製造できる。
【0046】
【化18】
【0047】をNa22の存在下で反応させ、
【0048】
【化19】
【0049】を得る。式Iの別の化合物は下記に示され
る反応式にしたがっても製造できる。
【0050】
【化20】
【0051】をNa22の存在下で反応させ、
【0052】
【化21】
【0053】を得る。下記の反応式により、他の生成物
を製造できる:
【0054】
【化22】
【0055】を5〜20分間80〜100℃で反応さ
せ、
【0056】
【化23】
【0057】を得る。式Iの別の化合物は下記に示され
る反応式にしたがって製造できる。
【0058】
【化24】
【0059】をNa22の存在下で反応させ、
【0060】
【化25】
【0061】を得る。上記の反応は一般に適当な溶媒の
存在下で行われる。主要規準は、出発原料または最終生
成物と反応しない溶媒を使用すると言うことである。代
表的な有機溶媒に、クロロホルム、ジクロロメタン、四
塩化炭素、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、キシ
レン、ベンゼンおよびトルエン、脂肪族および脂環式ア
ルコールがある。水は、化合物のシロキシ基との反応を
防ぐために、避けるのが好ましい。
【0062】本発明で用いられる非対称シロキシ化合物
は、ミルもしくはバンバリーのような任意、常用の方法
によってゴムに添加することができる。非対称シロキシ
化合物の量は、ゴムおよび加硫性配合物中に存在する他
の化合物のタイプに依存して広い範囲で変えることがで
きる。一般的に言えば、シロキシ化合物は約0.05〜
約10.0phrの範囲の量で使用され、そして0.1
〜約5.0phrの範囲が好ましい。シロキシ化合物は
シリカおよび任意の硫黄含有有機ケイ素カップリング剤
と共に非硬化発現工程で添加されるのが好ましい。
【0063】取り扱いを容易にするために、これら非対
称シロキシ化合物はそのまま用いてもよいし、或いは適
当な担体に付着させて用いてもよい。本発明で用いるこ
とができる担体の例に、シリカ、カーボンブラック、ア
ルミナ、アルミノシリケート、粘土、ケイ藻土、セルロ
ース、シリカゲルおよびケイ酸カルシウムがある。
【0064】本発明のゴム配合物は、妥当に大きいモジ
ュラスと大きい引裂き抵抗性に寄与するのに十分な量の
シリカと、若し使用するならカーボンブラックを含んで
いるのがよい。シリカ充填材は10〜250phrの範
囲で添加することができる。シリカは15〜80phr
の範囲の量で存在するのが好ましい。カーボンブラック
も存在する場合、用いられるカーボンブラックの量は変
えることができる。一般的に言えば、カーボンブラック
の量は0〜80phrの範囲で変えられる。カーボンブ
ラックの量は0〜40phrの範囲であるのが好まし
い。ここで理解すべきは、シリカカップラーは、カーボ
ンブラックと組み合わせて、即ちゴム配合物に添加する
前にカーボンブラックと予備混合して用いることができ
ることであって、その場合そのカーボンブラックは、ゴ
ム配合物調合用処方では、上述のカーボンブラックの量
の中に含まれるべきである。
【0065】熱分解法および沈降−ケイ酸塩系ピグメン
ト(シリカ)およびアルミノシリケートを含めて、ゴム
配合用途に普通に用いられるケイ酸塩系ピグメントが、
本発明におけるシリカとして用いることができるが、沈
降シリカが好ましい。本発明で用いられる好ましいケイ
酸塩系ピグメントは、例えば可溶性ケイ酸塩、例えばケ
イ酸ナトリウムの酸処理で得られるもののような沈降シ
リカである。
【0066】このようなシリカは、例えば窒素ガスを用
いて測定して、好ましくは約40〜約600m2/gの
範囲、より普通には約50〜約300m2/gの範囲の
BET表面積を有すると言う特徴がある。表面積を測定
するBET法は、米国化学会誌Journal of the Ameri
can Chemical Society)、第60巻、304頁(193
0年)に説明されている。
【0067】シリカは、また、典型的には、約100〜
約400、より普通には約150〜約300の範囲のジ
ブチルフタレート(DBP)吸収値を有すると言う特徴も
ある。
【0068】さらに、シリカ、そしてまた上述のアルミ
ナおよびアルミノシリケートは、約100〜約220の
範囲のCTAB表面積を有すると予想される。CTAB表面積
は、pH9においてセチルトリメチルアンモニウムブロ
ミドによって求められる外表面積である。この方法は、
そのセットアップと評価法がASTM D3849に説明さ
れている。CTAB表面積はよく知られているシリカの特性
化法である。
【0069】水銀表面積/多孔度は、水銀ポロシメトリ
ーによって測定される比表面積である。この方法では、
水銀は、揮発物を除去する熱処理後に試料の孔の中に浸
透せしめられる。セットアップ条件は100mgの試料
を用いるとして説明するのが適当であるが、揮発物を1
05℃、常圧で2時間除去し、常圧から2000バール
までの圧力範囲で測定する。この評価は、ASTM‐公示、
39頁(1959年)に、ウインスロー(Winslow)と
シャピロ(Shapiro)によって説明されている方法もし
くはDIN66133の方法により行うことができる。こ
の評価には、CARLO‐ERBAポロシメータ2000を用い
ることもある。
【0070】シリカの平均水銀多孔度に基づく比表面積
は約100〜300m2/gの範囲にあるのがよい。
【0071】このような、シリカ、アルミナおよびアル
ミノシリケートの水銀多孔度評価法による適切な孔径分
布は、本発明の場合、その孔の5%以下が約10nm未
満の直径を有し;その孔の60〜90%が約10〜約1
00nmの直径を有し;その孔の10〜30%が約10
0〜約1000nmの直径を有し;そしてその孔の5〜
20%が約1000nm以上の直径を有する、そのよう
な分布であると考えられる。
【0072】このシリカは、電子顕微鏡で測定して、平
均最大粒径が、例えば0.01〜0.05ミクロンの範
囲であると予想されるが、シリカ粒子の大きさはさらに
小さくてもよいし、或いは、恐らくはそれより大きくて
もよいだろう。
【0073】市場から入手できる各種のシリカが本発明
での使用に考慮することができる。ここで、単なる例と
して、制限を付けずに示すと、PPGインダストリーズ社
(PPGIndustries)からハイ−シル(Hi-Sil)という商
標名で、210、243などの商品番号で市販されてい
るシリカ;ローン・プーラン社(Rhone-Poulenc)か
ら、例えばZ1165MPおよびZ165GRという名
称で市販されているシリカ;およびデグッサ社(Deguss
a AG)から、例えばVN2、VN3、BV3380GR
などの名称で市販されているシリカ;およびフーバー社
(Huber)から、例えばフーバー・シル(Huber Sil)8
745なる名称で市販されているシリカなどがある。
【0074】式Iの非対称シロキシ化合物はシリカ・カ
ップリング剤として作用し得る。これらは、単独および
/または追加の硫黄含有有機ケイ素化合物と組み合わせ
て用いることができる。適した硫黄含有有機ケイ素化合
物の例は次式の有機ケイ素化合物である: Z−Alk−Sn−Alk−Z II 但し、上記の式において、Zは次式の基より成る群から
選ばれる:
【0075】
【化26】
【0076】但し、上記の式において、R6 は炭素原子
数1〜4個のアルキル基、シクロヘキシル基またはフェ
ニル基であり;R7 は炭素原子数1〜8個のアルコキシ
基または炭素原子数5〜8個のシクロアルコキシ基であ
り、Alkは炭素原子数1〜18個の二価の炭化水素基
であり、そしてnは2〜8の整数である。
【0077】本発明に従って用いることができる式II
の硫黄含有有機ケイ素化合物の特定の例に次のものがあ
る:3,3'-ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジス
ルフィド、3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、3,3'-ビス(トリエトキシシ
リルプロピル)オクタスルフィド、3,3'-ビス(トリ
メトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2,2'-
ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、
3,3'-ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスル
フィド、3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピル)
トリスルフィド、3,3'-ビス(トリブトキシシリルプ
ロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(トリメトキシシ
リルプロピル)ヘキサスルフィド、3,3'-ビス(トリ
メトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3,3'-
ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィ
ド、3,3'-ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジ
スルフィド、3,3'-ビス(トリ‐2”‐エチルヘキソ
キシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3'-ビス
(トリイソオクトキシシシリルプロピル)テトラスルフ
ィド、3,3'-ビス(トリ‐t‐ブトキシシリルプロピ
ル)ジスルフィド、2,2'-ビス(メトキシジエトキシ
シリルエチル)テトラスルフィド、2,2'-ビス(トリ
プロポキシシリルエチル)ペンタスルフィド、3,3'-
ビス(トリシクロヘキソキシシリルプロピル)テトラス
ルフィド、3,3'-ビス(トリシクロペントキシシリル
プロピル)トリスルフィド、2,2'-ビス(トリ‐2”
‐メチルシクロヘキソキシシリルエチル)テトラスルフ
ィド、ビス(トリメトキシシリルメチル)テトラスルフ
ィド、3‐メトキシエトキシプロポキシシリル‐3'-ジ
エトキシブトキシシリルプロピル・テトラスルフィド、
2,2'-ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスル
フィド、2,2'-ビス(ジメチル‐sec‐ブトキシシ
リルエチル)トリスルフィド、3,3'-ビス(メチルブ
チルエトキシシリプルピル)テトラスルフィド、3,
3'-ビス(ジ‐t‐ブチルメトキシシリルプロピル)テ
トラスルフィド、2,2'-ビス(フェニルメチルメトキ
シシリルエチル)トリスルフィド、3,3'-ビス(ジフ
ェニルイソプロポキシシリルプロピル)テトラスルフィ
ド、3,3'-ビス(ジフェニルシクロヘキソオキシシリ
ルプロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(ジメチルエ
チルメルカプトシリルプロピル)テトラスルフィド、
2,2'-ビス(メチルジメトキシシリルエチル)トリス
ルフィド、2,2'-ビス(メチルエトキシプロポキシシ
リルエチル)テトラスルフィド、3,3'-ビス(ジエチ
ルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3,
3'-ビス(エチル‐ジ‐sec‐ブトキシシリルプロピ
ル)ジスルフィド、3,3'-ビス(プロリルジエトキシ
シリルプロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(ブチル
ジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3,3'-
ビス(フェニルジメトキシシリルプロピル)テトラスル
フィド、3‐フェニルエトキシブトキシシリル‐3'-ト
リメトキシシリルプロピル・テトラスルフィド、4,
4'-ビス(トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィ
ド、6,6'-ビス(トリエトキシシリルヘキシル)テト
ラスルフィド、12,12'-ビス(トリイソプロポキシ
シリルドデシル)ジスルフィド、18,18'-ビス(ト
リメトキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、1
8,18'-ビス(トリプロポキシシリルオクタデセニ
ル)テトラスルフィド、4,4'-ビス(トリメトキシシ
リル‐ブテン‐2‐イル)テトラスルフィド、4,4'-
ビス(トリメトキシシリルシクロヘキシレン)テトラス
ルフィド、5,5'-ビス(ジメトキシメチルシリルペン
チル)トリスルフィド、3,3'-ビス(トリメトキシシ
リル‐2‐メチルプロピル)テトラスルフィド、3,
3'-ビス(ジメトキシフェニルシリル‐2‐メチルプロ
ピル)ジスルフィド等である。
【0078】好適な式IIの硫黄含有有機ケイ素化合物
は、3,3'-ビス(トリメトキシ‐またはトリエトキシ
‐シリルプロピル)スルフィド類である。最も好ましい
化合物は、3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィドおよび3,3'-ビス(トリエトキ
シシリルプロピル)ジスルフィドである。好ましくは、
Zは式:
【0079】
【化27】
【0080】で示されるもので、式中のR7 は炭素原子
数2〜4のアルコキシ基であって、2個の炭素原子の場
合が特に好ましく;Alkは炭素原子数2〜4の二価の
炭化水素基であって、3個の炭素原子の場合が特に好ま
しく;そしてnは2から4の整数である。
【0081】ゴム配合物中の、上記の式IIの硫黄含有
有機ケイ素化合物の量は、使用されるシリカの添加水準
に依存して変わる。一般的に言えば、式IIの化合物の
量はシリカ1重量部当たり0.00〜1.0重量部の範
囲である。好ましくは、この量はシリカ1重量部当たり
0.00〜0.4重量部の範囲である。
【0082】本発明の一態様では、次の連続工程を含む
方法によりゴム配合物を製造する。すなわち、(A)
(i)共役ジエンホモポリマーおよびコポリマーならび
に少なくとも一個の共役ジエンおよび芳香族ビニル化合
物のコポリマーから選択されるオレフィン不飽和結合を
含有する少なくと一種のエラストマー100重量部;
(ii)沈降シリカ、アルミナ、アルミノシリケート、
カーボンブラックおよびそれらの混合物からなる群から
選択される微粒子状充填剤約100phr;(iii)
少なくと一種の式Iの非対称シロキシ化合物を前記微粒
子状充填剤の重量を基準に約0.05〜約20重量部;
ならびに(iv)元素硫黄、アミンジスルフィド、高分
子ポリスルフィドおよび硫黄オレフィン付加体からなる
群から選択され約140℃〜約190℃の範囲内の温度
で硫黄の少なくとも一部を放出する性質をもつ少なくと
一種の硫黄供与剤を約2〜20分の総混合時間にわたっ
て、約140℃〜約190℃の温度に少なくと一回の予
備混合工程において熱機械的に混合し;但し、前記硫黄
供与剤添加により前記遊離硫黄の総量が約0.05〜約
2phrであることを条件とし;そして(B)続いて、
約100℃〜約130℃の温度で約1〜約3分にわたっ
て、約0.4〜約3phrの元素硫黄を最終熱機械的混
合工程において一緒にブレンドする工程であり、但し、
前記予備混合工程において導入された前記硫黄供与剤添
加から得られる総遊離硫黄および前記最終混合工程で加
えられる元素硫黄が約0.45〜約5phrであること
を条件とする、連続工程を含む方法である。
【0083】この技術分野の習熟者であれば容易に理解
できるように、ゴム配合物はゴム配合技術分野で一般に
知られている方法、例えば各種の硫黄加硫性成分ゴム
を、例えば硫黄供与剤;活性化剤および遅延剤のような
硬化助剤;オイル、粘着性付与樹脂を含めて種々の樹脂
および可塑剤のような加工助剤;充填剤;顔料;脂肪
酸;酸化亜鉛;ワックス;酸化防止剤;オゾン亀裂防止
剤;および素練り促進剤のような、普通に用いられてい
る各種の添加材料と混合する方法によって配合される。
この技術分野の習熟者に知られているように、硫黄加硫
性の、および硫黄加硫された材料(ゴム)の意図される
用途に応じて、上記の添加物を選び、それらを、普通
は、常用の量で使用する。本発明では、若し使用するな
ら、前に説明したように、強化用タイプのカーボンブラ
ック(一種または複数)の典型的な量が添加される。硫
黄供与剤の代表的な例に、元素硫黄(遊離硫黄)、アミ
ンジスルフィド、高分子ポリスルフィドおよび硫黄−オ
レフィン付加体がある。硫黄加硫剤は元素硫黄であるの
が好ましい。硫黄加硫剤は約0.5〜約8phrの範囲
の量で使用することができ、そして1.5〜6phrの
範囲が好ましい。粘着性付与樹脂を使用する場合、その
典型的な量は約0.5〜約10phr、普通は約1〜約
5phrの範囲である。加工助剤の典型的な量は約1〜
約50phrである。このような加工助剤として、例え
ば芳香族系、ナフテン系および/またはパラフィン系の
プロセスオイルを挙げることができる。酸化防止剤の典
型的な量は約1〜約5phrである。代表的な酸化防止
剤は、例えばジフェニル‐p‐フェニレンジアミン、お
よび、例えば、ヴァンデルビルトのゴムハンドブック
(Vanderbilt Rubber Handbook)(1978年)、34
4−346頁に記載されているもののような他の酸化防
止剤であることができる。オゾン亀裂防止剤の典型的な
量は約1〜約5phrである。ステアリン酸を含めて脂
肪酸を使用する場合、その典型的な量は約0.5〜約5
phrである。酸化亜鉛の典型的な量は約2〜約5ph
rである。ワックスの典型的な量は約1〜約5phrで
ある。マイクロクリスタリンワックスもよく用いられ
る。素練り促進剤の典型的な量は約0.1〜約1phr
である。典型的な素練り促進剤は、例えばペンタクロロ
チオフェノールおよびジベンズアミドジフェニルジスル
フィドである。
【0084】本発明の一つの態様では、硫黄加硫性ゴム
組成物は、次いで硫黄硬化、即ち加硫される。
【0085】硬化促進剤は加硫に必要な時間および/ま
たは温度を調節し、加硫物の性質を改善するために用い
られる。一つの態様では、単一の促進剤系、即ち一次促
進剤を用いることができる。一次促進剤(一種または複
数)は総量で約0.5〜約4phr、好ましくは約0.
8〜約1.5phrの範囲の量で用いることができる。
もう一つの態様では、加硫を活性化し、加硫物の性質を
改善するために、一次促進剤と二次促進剤との組み合わ
せが用いられることもあり、この場合二次促進剤は約
0.05〜約3phrのようなより少ない量で用いられ
る。これらの促進剤を組み合わせると、最終製品の性質
に対して相乗効果が得られることが期待され、そしてい
ずれかの促進剤を単独で用いた場合より幾分良い性質と
なる。さらに、標準の加工温度では影響を受けないが、
常用の加硫温度で満足な硬化をもたらす遅効型促進剤を
用いることもできる。加硫遅延剤が用いられることもあ
る。本発明で使用することができる適したタイプの促進
剤は、アミン類、ジスルフィド類、グアニジン類、チオ
尿素類、チアゾール類、チウラム類、スルフェンアミド
類、ジチオカルバメート類およびザンテート類である。
一次促進剤はスルフェンアミドであるのが好ましい。二
次促進剤を用いる場合、二次促進剤はグアニジン、ジチ
オカーバメートまたはチウラムの各化合物であるのが好
ましい。
【0086】本発明のゴム配合物の混合は、ゴム混合技
術分野の習熟者に知られている方法によって行うことが
できる。例えば、各配合成分は、通常、少なくとも二段
階、即ち少なくとも一つの非硬化発現工程とそれに続く
硬化発現混合工程で混合される。硫黄加硫剤を含む最終
硬化剤は、普通“硬化発現”混合工程と呼ばれる最終工
程で通常混合され、この工程では、混合は、通常、それ
に先行する非硬化発現工程(一工程または複数工程)の
混合温度(一つまたは複数)より低い温度もしくは最終
温度で行われる。ゴム、シリカ、式Iの化合物、そして
若し使用するならカーボンブラックは、一工程または複
数工程の非硬化発現混合工程で混合される。“非硬化発
現(non-productive)”および“硬化発現(productiv
e)”混合工程という用語は、ゴム混合技術分野の習熟
者にはよく知られている。式Iの化合物、ゴム、およ
び、一般的にはシリカの少なくとも一部、さらには、若
し用いられるなら、式IIの硫黄‐含有有機ケイ素化合
物を含むゴム配合物は、これを熱機械的混合工程にかけ
るのがよい。この熱機械的混合工程は、普通、混合機も
しくは押出機中で、140℃と190℃の間のゴム温度
を生じさせるのに適した時間機械的に処理することから
成る。この熱機械的処理に適した時間は、操業条件およ
び成分の体積と性質の関数として変わる。例えば、熱機
械的処理は1〜20分であることができる。
【0087】少なくとも硫黄の一部を放出する性質をも
つ少なくとも一種の硫黄供与剤が予備工程の間約140
℃〜約190℃の範囲内の温度で使用される態様では、
予備混合に導入される硫黄供与剤の量は、一般に、約
0.05〜約2phrの範囲内である。好ましくは、こ
の量は約0.2〜1phrの範囲内である。このような
硫黄供与剤は、例えば、元素硫黄(S8)、アミンジス
ルフィド、高分子ポリスルフィド、硫黄−オレフィン付
加体およびそれらの混合物の形態であることができる。
好ましくは、硫黄供与剤は元素硫黄である。
【0088】混合物への遊離硫黄源の添加量は、非対称
シロキシ化合物の添加と比較的無関係な選択事項として
制御し取り扱うことができる。したがって、例えば、硫
黄供与剤のこの無関係な添加は、その添加量により、そ
して、例えば、シリカ強化剤のようなゴム混合物へのそ
の他の成分の添加に関する添加に続いて取り扱うことが
できる。
【0089】かくして、式Iの非対称シロキシ化合物
は、このようにして、シリカおよび硫黄加硫性エラスト
マーとの反応に利用することが可能となり、そして硫黄
供与体、特に遊離硫黄源の独立添加が、なによりも先
ず、そのエラストマーの硬化のために期待されることに
なる。
【0090】本発明の一態様では、かかる方法は、前記
予備混合が少なくとも二回の熱機械的混合工程で行わ
れ、このような少なくとも二回の混合工程は約140℃
〜約190℃の範囲内の温度であり、少なくとも二回の
混合工程の間に約50℃未満の温度にゴム配合物を中間
冷却する。
【0091】本発明ではさらに、ゴム配合物を、予備工
程(A)が少なくとも二回の連続混合工程からなる工程
で調製し、ここで、前記エラストマー、前記微粒状充填
剤および前記非対称シロキシ化合物を一またはそれ以上
の連続混合工程で混合し、前記硫黄供与剤はその後の連
続予備混合工程で添加される。
【0092】さらに別の態様では、ゴム配合物を、予備
工程(A)が少なくとも二回の連続混合工程からなる工
程で調製し、ここで、約20〜約60重量%のシリカ、
前記式Iの非対称シロキシ化合物および硫黄供与剤を第
一の混合工程で加え、残りを少なくとも一回の次の予備
混合工程で加える。
【0093】もう一つの態様では、式Iの非対称シロキ
シ化合物が液状のとき、場合によって、(a)約25〜
約75重量%、好ましくは約40〜約60重量%の非対
称シロキシ化合物と、それに対応して(b)約75〜約
25重量%、好ましくは約60〜約40重量%の微粒子
状カーボンブラックを含んでなる微粒子の形で、予備的
な熱機械的混合工程に加えられる。この態様の一つの利
点は、式Iの非対称シロキシ化合物は液体もしくは実質
的に液体であると考えられるので、カーボンブラックが
その非対称シロキシ化合物の担体として作用する比較的
乾燥した若しくは実質的に乾燥した粉末の形で、その非
対称シロキシ化合物を添加できるようにする微粒子の形
態の非対称シロキシ化合物を提供することである。この
微粒子で期待される利点は、本発明の方法の予備的混合
工程(一工程または複数の工程)において、非対称シロ
キシ化合物の分散を助長すること、およびゴム配合物と
しての混合物の予備的混合工程への非対称シロキシ化合
物の導入を助長することである。
【0094】さらに本発明では、製造したゴム配合物を
約140℃〜約190℃の範囲内の温度で加硫する追加
の工程を含む方法である。
【0095】従って、本発明は、また、このような方法
で調製された加硫済みゴム組成物をも意図するものであ
る。
【0096】さらに本発明では、タイヤまたは本発明の
方法により製造したゴム配合物からなるトレッドを有す
る硫黄加硫性ゴムアセンブリを調製し、約140℃〜約
190℃の範囲内の温度でアセンブリを加硫する追加の
工程を含む方法である。
【0097】従って、本発明は、また、このような方法
で調製された加硫済みタイヤをも意図するものである。
【0098】本発明のゴム配合物の加硫は、一般に、約
100℃〜200℃の範囲の常用の温度で行われる。好
ましくは、この加硫は約110℃〜180℃の範囲の温
度で行われる。加圧プレスまたは金型中での加熱、過熱
水蒸気または加熱空気若しくは塩浴中での加熱による方
法のような通常の加硫法の中の任意の方法が用い得る。
【0099】本発明のゴム配合物は、硫黄加硫される
と、様々な目的に使用することができる。例えば、硫黄
加硫済みゴム組成物は、タイヤ、ベルトまたはホースの
形を取っていることができる。タイヤの場合、各種タイ
ヤ構成成分のために使用することができる。このような
タイヤは、この技術分野の習熟者には知られ、直ちに分
かるであろう種々の方法で組立てられ、形を作り、成形
され、そして硬化させることができる。好ましくは、本
発明のゴム配合物はタイヤのトレッドに用いられる。当
然認められるように、そのタイヤは乗用車用タイヤ、航
空機用タイヤ、トラック用タイヤ等々であることができ
る。好ましくは、タイヤは乗用車用タイヤである。タイ
ヤはラジアルでもバイアスでもよいが、ラジアルタイヤ
であるのが好ましい。
【0100】以上、本発明を例示説明する目的から、一
定の代表的な態様と細部を示したが、この技術分野の習
熟者には、本発明には、その精神と範囲から逸脱しない
限り、様々な変更および修正をなし得ることは明らかで
あろう。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3/36 C08K 3/36 5/54 5/54 C08L 9/00 C08L 9/00 (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 レーヌ・ジャン・ツィマー ルクセンブルク大公国エル−1232 ホヴァ ルト,リュー・エルネスト・ベレ 141 (72)発明者 フリードリッヒ・ヴィゼル ルクセンブルク大公国エル−7378 ボッヘ ルダンジュ,リュー・ノッペナイ 9ア (72)発明者 ウヴェ・エルンスト・フランク ドイツ連邦共和国デー−66646 マルピン ゲン,マルクトプラッツ 10 (72)発明者 ジョルジョ・アゴスティーニ ルクセンブルク大公国エル−7733 コルマ ル−ベルク,リュー・ドゥ・ルクセンブル ク 7

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 を特徴とする化合物。式中、R1、R2およびR3は独立
    して1〜8個の炭素原子を有するアルコキシ基からなる
    群から選択され;R4は1〜15個の炭素原子を有する
    アルキレン基ならびに6〜10個の炭素原子を有するア
    リーレン基およびアルキル置換アリーレン基からなる群
    から選択され;nは2〜8の整数でありそしてXは 【化2】 からなる群から選択され、ここで、R5は1〜15個の
    炭素原子を有するアルキル基ならびに6〜20個の炭素
    原子を有するアリール基およびアルキル置換アリール基
    である。
  2. 【請求項2】 シリカ充填ゴム配合物の製造方法であっ
    て、 (i)共役ジエンホモポリマーおよびコポリマーからな
    らびに少なくとも1個の共役ジエンおよび芳香族ビニル
    化合物のコポリマーから選択されるオレフィン不飽和結
    合を含有する少なくとも1種のエラストマーを100重
    量部; (ii)微粒子状沈降シリカを10〜250phr; (iii)カーボンブラックを0〜150phr;およ
    び (iv)式(I): 【化3】 (式中、R1、R2およびR3は独立して1〜8個の炭素
    原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;R
    4は1〜15個の炭素原子を有するアルキレン基ならび
    に6〜10個の炭素原子を有するアリーレン基およびア
    ルキル置換アリーレン基からなる群から選択され;nは
    2〜8の整数でありそしてXは 【化4】 からなる群から選択され、ここで、R5は1〜15個の
    炭素原子を有するアルキル基ならびに6〜20個の炭素
    原子を有するアリール基およびアルキル置換アリール基
    である。)の非対称シロキシ化合物を0.05〜10p
    hrを混合することを特徴とする当該シリカ充填ゴム配
    合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記オレフィン不飽和結合を含有するエ
    ラストマーが天然ゴム、ネオプレン、ポリイソプレン、
    ブチルゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコ
    ポリマー、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、メ
    チルメタクリレート−ブタジエンコポリマー、イソプレ
    ン−スチレンコポリマー、メチルメタクリレート−イソ
    プレンコポリマー、アクリロニトリル−イソプレンコポ
    リマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、E
    PDMおよびそれらの混合物からなる群から選択するこ
    とを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 オレフィン不飽和結合を含有するエラス
    トマー、シリカおよび式I: 【化5】 (式中、R1、R2およびR3は独立して1〜8個の炭素
    原子を有するアルコキシ基からなる群から選択され;R
    4は1〜15個の炭素原子を有するアルキレン基ならび
    に6〜10個の炭素原子を有するアリーレン基およびア
    ルキル置換アリーレン基からなる群から選択され;nは
    2〜8の整数でありそしてXは 【化6】 からなる群から選択され、ここで、R5は1〜15個の
    炭素原子を有するアルキル基ならびに6〜20個の炭素
    原子を有するアリール基およびアルキル置換アリール基
    である。)の化合物を特徴とするゴム配合物。
  5. 【請求項5】 前記シリカが10〜250phrの範囲
    の量で存在し、前記オレフィン不飽和結合を含有するエ
    ラストマーが天然ゴム、ネオプレン、ポリイソプレン、
    ブチルゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンコ
    ポリマー、スチレン/イソプレン/ブタジエンゴム、メ
    チルメタクリレート−ブタジエンコポリマー、イソプレ
    ン−スチレンコポリマー、メチルメタクリレート−イソ
    プレンコポリマー、アクリロニトリル−イソプレンコポ
    リマー、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー、E
    PDMおよびそれらの混合物からなる群から選択するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の配合物。
  6. 【請求項6】 タイヤ、ベルトまたはホースの形態を特
    徴とする請求項4に記載の硫黄加硫ゴム配合物。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の配合物を特徴とするト
    レッドを有するタイヤ。
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