JPH11309645A - 加工方法、加工装置およびデータ作成装置 - Google Patents

加工方法、加工装置およびデータ作成装置

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JPH11309645A
JPH11309645A JP11937898A JP11937898A JPH11309645A JP H11309645 A JPH11309645 A JP H11309645A JP 11937898 A JP11937898 A JP 11937898A JP 11937898 A JP11937898 A JP 11937898A JP H11309645 A JPH11309645 A JP H11309645A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柱状の加工残りを発生させないようにして、
工具破損を防止する。 【解決手段】 オフセット線(第1経路)は輪郭線10
2(ワーク100の非加工部位)からオフセットされた
経路である。また、経路108a,108b,…,10
8e(第2経路)は、任意の特定線に基づいて、領域線
とオフセット線104とで囲まれる領域の内側にオフセ
ットした経路である。そして、経路108a(第2経
路)から交点の加工位置(第1交点)を経てオフセット
線に沿って工具を移動させて加工を行うと、ワーク10
0の外側の加工部位を最初に加工することになる。他の
経路についても同様である。そのため、ワーク100の
外側の加工部位に向かって進み、当該加工部位を最後に
加工することがない。したがって、柱状の加工残りが発
生しないので、工具破損を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加工方法、加工装置
およびデータ作成装置に関し、柱状の加工残りによる工
具破損を防止するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】突き加工による従来の加工方法として
は、例えば特開平3−276626号公報に開示されて
いる。当該公報に開示された技術では、荒加工したワー
クの形状に近似する滑らかな輪郭線を算出し、さらに工
具の半径分だけ離れた中心形状線上の点を求めて突き加
工を行うものである。この技術によれば、1回当たりの
切削量が均一化されるため、無理のない工具送り速度で
突き加工を行える。
【0003】ところで、上記加工方法を含めて従来の加
工方法では、例えば図63に示すワーク950に対して
突き加工を行う場合には、経路952a,952b,9
52c,952d,952e,952fに沿って行うこ
とになる。この経路952a,952b,…,952f
は、ほぼ平行な線分に沿って同一方向に工具954を移
動させるスキャン方式の場合を示す。なお、図63では
分かりやすくするため、ワーク950を加工しない非加
工領域を斜線(ハッチ)で示している。そして、始点で
ある位置P90からアプローチし、終点である位置P9
2からリトラクトする経路952aについて、工具95
4を具体的に移動させた例を図64に示す。この例で
は、位置P94,P96,P98の各点で工具954を
位置決めして突き加工を行うとともに、その後に逃げ動
作を行う。そして、予め定められたピッチ幅を移動し
て、次の位置で同様の動作を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の加工方
法によれば、工具径,ピッチ幅等によっては、図63ま
たは図65に示すような柱状の加工残り956が生じ得
る。このような柱状の加工残り956は、図面左右方向
に対して曲がりやすい。そのため、後に柱状の加工残り
956を除去するときに、工具が柱状の加工残り956
に当たると曲がってしまう。そして、曲がった柱状の加
工残り956が元に戻ろうとするときに、高速で回転す
る工具が当たると刃が欠け、工具が破損する。このこと
は、経路の途中に鋭角状に曲がる部位がある場合、その
部位で同様に柱状の加工残りが生じ得る。本発明はこの
ような点に鑑みてなされたものであり、柱状の加工残り
を発生させないようにして、工具破損を防止することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための第1の手段】請求項1に記載の
発明は、ワークの加工領域を工具で加工する加工方法に
おいて、その加工領域を形成する複数の領域線のうちワ
ークの形状を形成する形状線を除いた輪郭線から加工領
域の内側にオフセットさせた第1経路を生成し、任意に
特定した特定線とほぼ平行状に、領域線と第1経路とで
囲まれる領域の内側にオフセットさせた第2経路を生成
し、第1経路と第2経路とが交差する第1交点を求め、
第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移
動させ、加工を行う。ここで、領域線,形状線,輪郭
線,特定線は、いずれも直線には限らず、曲線や円,弧
等のような任意の線を含む。また、第1経路から第2交
点を経て第2経路に沿って工具を移動させて加工を行う
態様は、一回に限らず、複数回繰り返す場合を含む。
【0006】請求項1に記載の発明によれば、第1経路
はワークの非加工部位からオフセットされた経路であ
る。また、第2経路は特定線に基づいて領域線と第1経
路とで囲まれる領域の内側にオフセットした経路であ
る。そして、第2経路から第1交点を経て第1経路に沿
って工具を移動させて加工を行うと、形状線上の加工部
位を最初に加工することになる。そのため、形状線上の
加工部位に向かって進み、当該加工部位を最後に加工す
ることがない。したがって、柱状の加工残りが発生しな
いので、工具破損を防止することができる。
【0007】
【課題を解決するための第2の手段】請求項2に記載の
発明は、請求項1に記載の加工方法において、第1経路
と第2経路とが交差する交点であって、第1交点とは異
なる第2交点を求め、第1経路から第2交点を経て第2
経路に沿って工具を移動させた後、第2経路から第1交
点を経て第1経路に沿って工具を移動させ、加工を行
う。
【0008】請求項2に記載の発明によれば、結果とし
て第1経路→第2交点→第2経路→第1交点→第1経路
の順に沿って加工することになる。最初と最後に加工す
る第1経路はワークの非加工部位からオフセットされた
経路である。そのため、形状線上の加工部位に向かって
進み、当該加工部位を最後に加工することがない。した
がって、柱状の加工残りがより発生しにくくなるので、
工具破損をより確実に防止することができる。
【0009】
【課題を解決するための第3の手段】請求項3に記載の
発明は、請求項1に記載の加工方法において、複数の領
域線が少なくとも三つの形状線を含む場合には、その少
なくとも三つの形状線のうちいずれか少なくとも一つの
形状線から所定厚さ以上の壁を予め残して第1経路を生
成し、予め残した壁を加工する第4経路を生成し、第2
経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移動さ
せた後、第4経路に沿って工具を移動させ、加工を行
う。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、少なくと
も一つの線から所定厚さ以上の壁を予め残すように加工
し、その後に予め残した壁を加工する。ここで、複数の
領域線が少なくとも三つの形状線を含む場合において、
第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移
動させて加工を行うと、形状線上の加工部位に向かって
進み、その部位を最後に加工することがある。この加工
では、柱状の加工残りが発生してしまう。そこで、工具
が破損しない程度に所定厚さを有する壁を予め残すよう
に、第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具
を移動させて加工を行うと、当該壁が未加工部位として
残る。そして、第4経路に沿って工具を移動させて予め
残した壁を加工すると、柱状の加工残りは発生しない。
したがって、工具破損を防止することができる。
【0011】
【課題を解決するための第4の手段】請求項4に記載の
発明は、請求項1に記載の加工方法において、工具の移
動を一時的に停止させる前に、第1経路または第2経路
に沿ってピッチ幅で移動させて加工する際に生ずる加工
残りと、加工領域内の未加工部位とに接触しない方向に
向けて工具を逃がす。
【0012】請求項4に記載の発明によれば、加工残り
と加工領域内の未加工部位とに接触しない方向に向けて
工具を逃がす。加工の過程において、例えば第1交点や
第2交点等のような位置で工具の移動を一時的に停止さ
せることがある。この場合、加工しているときはワーク
から工具に対する力が加わっているが、その力は工具の
移動を一時的に停止させると加わらなくなる。そのた
め、工具が振動してしまい、その振動によって本来加工
しない部位を加工してしまう。そこで、工具の移動を一
時的に停止させる前に、その工具を逃がす動作を行う。
こうすると一時的に停止した際に工具は振動するが、逃
げ動作によってワークから離れているので加工しない。
したがって、加工精度を向上させることができる。
【0013】
【課題を解決するための第5の手段】請求項5に記載の
発明は、ワークの加工領域を工具で加工する加工装置に
おいて、その加工領域を形成する複数の領域線のうちワ
ークの形状を形成する形状線を除いた輪郭線から加工領
域の内側にオフセットさせた第1経路と、任意に特定し
た特定線とほぼ平行状に領域線と第1経路とで囲まれる
領域の内側にオフセットさせた第2経路とを生成する経
路生成部と、第1経路と第2経路とが交差する第1交点
を求める交点算出部と、第2経路から第1交点を経て第
1経路に沿って工具を移動させ、加工を行う加工実行部
とを有する。
【0014】請求項5に記載の発明によれば、第1経路
はワークの非加工部位からオフセットされた経路であ
る。また、第2経路は特定線に基づいて領域線と第1経
路とで囲まれる領域の内側にオフセットした経路であ
る。これらの第1経路と第2経路とを経路生成部が生成
し、交点算出部が第1経路と第2経路とが交差する第1
交点を求める。そして、加工実行部が第2経路から第1
交点を経て第1経路に沿って工具を移動させて加工を行
うと、形状線上の加工部位を最初に加工することにな
る。そのため、形状線上の加工部位に向かって進み、当
該加工部位を最後に加工することがない。したがって、
柱状の加工残りが発生しないので、工具破損を防止する
ことができる。
【0015】
【課題を解決するための第6の手段】請求項6に記載の
発明は、ワークの加工領域を工具で加工するための加工
データを作成するデータ作成装置において、その加工領
域を形成する複数の領域線のうちワークの形状を形成す
る形状線を除いた輪郭線から加工領域の内側にオフセッ
トさせた第1経路と、任意に特定した特定線とほぼ平行
状に領域線と第1経路とで囲まれる領域の内側にオフセ
ットさせた第2経路とを生成する経路生成部と、第1経
路と第2経路とが交差する第1交点を求める交点算出部
と、第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具
を移動させるための加工データを出力するデータ出力部
とを有する。
【0016】請求項6に記載の発明によれば、第1経路
はワークの非加工部位からオフセットされた経路であ
る。また、第2経路は特定線に基づいて領域線と第1経
路とで囲まれる領域の内側にオフセットした経路であ
る。これらの第1経路と第2経路とを経路生成部が生成
し、交点算出部が第1経路と第2経路とが交差する第1
交点を求める。そして、データ出力部が第2経路から第
1交点を経て第1経路に沿って工具を移動させるための
加工データを出力する。こうして得られた加工データに
基づいて加工機械で加工を行うと、形状線上の加工部位
を最初に加工することになる。そのため、形状線上の加
工部位に向かって進み、当該加工部位を最後に加工する
ことがない。したがって、柱状の加工残りが発生しない
ので、工具破損を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を図面に基づいて説明する。なお、説明を簡単にするた
めに、加工の態様を突き加工(切削加工の一つ)とす
る。また、各実施の形態では、いずれもアップカットで
突き加工を行う場合を示す。したがって、ダウンカット
で突き加工を行う場合には、アップカットの場合と逆方
向の経路で工具を移動させることになる。 〔実施の形態1〕まず、実施の形態1は、2つの辺
(面)で開放部が連続する場合に本発明を適用したもの
である。実施の形態1は、図1〜図6を参照しながら説
明する。ここで、図1には、ワークと加工領域とを示
す。図2には、特定線と基準線との関係を示す。図3に
はオフセット線を、図4には基準線を、図5には経路
を、図6には加工の位置をそれぞれ示す。これらの図は
いずれも平面図で示し、同一の要素には同一の符号を付
している。
【0018】まず、図1には、ワークの形状を形状線1
0で示す。この形状線10は長方形状からなり、4つの
線分12,18,26,28によって構成されている。
また、加工領域の形状を領域線14で示す。この領域線
14は五角形状からなり、5つの線分16,20,2
2,24,30によって構成されている。これらのう
ち、線分20は線分18と同一線上にある。同様に、線
分22は線分26と同一線上にある。そのため、加工後
における線分20,22の部位は壁となるのではなく、
何もない開放部となる。したがって、線分16,30,
24は加工領域を形成する領域線14のうちワークの形
状を形成する形状線10を除いた線分に相当し、以下
「輪郭線」と呼ぶ。当該輪郭線で示す部位は、加工後に
壁となる。また、加工の経路を生成する際に基準となる
基準線32,34,36を図2に示す。基準線32は、
線分22(線分26)を特定線としてほぼ平行状に、加
工領域の内側にオフセットさせた線である。同様に、基
準線36は線分20(あるいは線分18)を、基準線3
4は線分24をそれぞれ特定線としてほぼ平行状に、加
工領域の内側にオフセットさせた線である。経路は基準
線32,34,36のうち、いずれかの基準線を基準に
生成する。なお、任意の線分を特定線としてほぼ平行状
に、加工領域の内側にオフセットさせた基準線を基準に
生成してもよい。任意の線分を特定線としてもよいとい
う点は、後述する実施の形態2〜実施の形態5において
も同様である。
【0019】上記基準線を基準に加工経路を生成する方
法を、図3〜図6を参照しながら説明する。これらの図
では分かりやすくするために、未加工領域を斜線(ハッ
チ)で示し、壁のない開放部を破線で示す。以下、ワー
ク100の形状を図1に示す形状線10とし、基準線3
2を基準に経路を生成する場合について説明する。図3
に示すオフセット線104は、輪郭線102(すなわち
線分16,30,24に相当する線)に基づいて加工領
域の内側にオフセットさせた線である。輪郭線102
は、ワーク100の非加工部位の輪郭を示す。また、図
4に示す基準線106a,106b,106c,106
dはそれぞれ上記基準線32に相当し、図2に示す線分
22を特定線としてほぼ平行状に、領域線14(図1参
照)とオフセット線104とで囲まれる領域の内側に向
けて順番にオフセットさせている。すなわち、基準線1
06a,106b,106c,106dは、この順番で
開放部(図面下側)から内側(図面上側)に向けてオフ
セットさせた線である。これらの基準線の相互間は、ピ
ッチL2の間隔がある。このピッチL2の間隔は任意に
設定できるが、一般には工具直径のほぼ5〜95%が適
切(最適値は20%,80%)である。ここで、オフセ
ット線104は第1経路または第2経路に相当し、基準
線106a,106b,106c,106dはいずれも
第2経路に相当する。
【0020】そして、上記基準線106a,106b,
106c,106dとオフセット線104とに基づい
て、図5に示すような経路108a,108b,…,1
08eが生成される。図5に示す経路108aは、図4
に示す基準線106aに沿ってオフセット線104と交
差する交点に向けて進み、その交点からオフセット線1
04に沿って進む。すなわち、ワーク100の開放部
(図面右側)から内側(図面左側)に向けて基準線10
6aに沿って進み、基準線106aがオフセット線10
4と交差する交点からはオフセット線104に乗り換え
て開放部(図面下側)に向けて矢印で示すように進む。
経路108b,108c,108dについても同様であ
る。なお、経路108eについてはオフセット線104
に沿って矢印で示すように進む。こうして生成された経
路108a,108b,…,108eに沿って工具を移
動させ、突き加工を行う位置を図6に示す。すなわち、
図6における「●」で示す位置である。経路108aの
場合には、加工位置P10,P12,P14,…,P1
y,P1zの順番で突き加工を行う。他の経路108
b,108c,108d,108eについても同様であ
る。ここで、加工位置P1yは、基準線106aとオフ
セット線104とが交差する交点に相当する。これらの
加工位置の相互間は、ピッチL4の間隔がある。このピ
ッチL4の間隔はほぼ一定であり任意に設定できるが、
一般には工具直径のほぼ5〜95%が適切(最適値は2
0%,80%)である。
【0021】上記実施の形態1によれば、図3に示すオ
フセット線104(第1経路)は、輪郭線102(ワー
ク100の非加工部位)からオフセットして生成した。
また、図5に示す経路108a,108b,…,108
e(第2経路)は、特定線(例えば線分22)に基づい
て、領域線14とオフセット線104とで囲まれる領域
の内側にオフセットして生成した。そして、図8に示す
ように、経路108a(第2経路)から加工位置P1y
(第1交点)を経てオフセット線104(第1経路)に
沿って工具を移動させて加工を行うと、ワーク100の
外側(形状線10上)の加工部位を最初に加工すること
になる。他の経路についても同様である。そのため、ワ
ーク100の外側の加工部位に向かって進み、当該加工
部位を最後に加工することがない。したがって、柱状の
加工残りが発生しないので、工具破損を防止することが
できる。
【0022】〔実施の形態2〕次に、実施の形態2は、
実施の形態1と同一のワークを用いて、特定線を代えて
突き加工する場合に本発明を適用したものである。実施
の形態2は、図7〜図9を参照しながら説明する。ここ
で、図7には基準線を、図8には経路を、図9には、加
工の位置をそれぞれ示す。これらの図では分かりやすく
するために、未加工領域を斜線(ハッチ)で示し、壁の
ない開放部を破線で示す。なお、基準となる特定線は、
図2に示す線分20とする。また、図1から図3と同一
の要素には同一の符号を付して説明を省略する。さら
に、オフセット線104を生成するまでの過程は実施の
形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0023】線分20を特定線としてほぼ平行状に、領
域線14(図2参照)とオフセット線104とで囲まれ
る領域の内側にオフセットさせると、図7に示す基準線
110a,110b,…,110x,110yとなる。
これらの基準線の相互間は、実施の形態1と同様にピッ
チL2の間隔がある。そして、上記基準線110a,1
10b,…,110x,110yとオフセット線104
とに基づいて、図8に示すような経路112a,112
b,…,112x,112y,112zが生成される。
図8に示す経路112aは、図7に示す基準線110a
に沿ってオフセット線104と交差する交点に向けて進
み、その交点からオフセット線104に沿って進む。す
なわち、ワーク100の開放部(図面下側)から内側
(図面上側)に向けて基準線110aに沿って進み、基
準線110aがオフセット線104と交差する交点から
はオフセット線104に乗り換えて開放部(図面右側)
に向けて矢印で示すように進む。経路112b,112
c,…,112xについても同様である。なお、経路1
12yについては、基準線110yとオフセット線10
4との交点が2つある。そのため、最初にオフセット線
104に沿って進み、最初の交点で経路112yに乗り
換えて進み、さらに2つ目の交点でオフセット線104
に沿って進む。また、経路112zはオフセット線10
4に沿って矢印で示すように進む。
【0024】こうして生成された経路112a,112
b,…,112x,112y,112zに沿って工具を
移動させ、突き加工を行う位置を図9に示す。すなわ
ち、図9における「●」で示す位置である。経路112
aの場合には、加工位置P20,P22,…,P2y,
P2zの順番で突き加工を行う。他の経路112b,
…,112y,112zについても同様である。ここ
で、加工位置P2xは、基準線110aとオフセット線
104とが交差する交点に相当する。これらの加工位置
の相互間は、実施の形態1と同様にピッチL4の間隔が
ある。
【0025】上記実施の形態2によれば、実施の形態1
と同様に、図9に示す経路112a(第2経路)から加
工位置P2x(第1交点)を経てオフセット線104
(第1経路)に沿って工具を移動させて加工を行うと、
ワーク100の外側(形状線10上)の加工部位を最初
に加工することになる。他の経路についても同様であ
る。そのため、ワーク100の外側の加工部位に向かっ
て進み、当該加工部位を最後に加工することがない。し
たがって、柱状の加工残りが発生しないので、工具破損
を防止することができる。
【0026】〔実施の形態3〕次に、実施の形態3は、
1つの辺(面)にのみ開放部がある場合に本発明を適用
したものである。実施の形態3は、図10〜図15を参
照しながら説明する。ここで、図10には、ワークと加
工領域とを示す。図11には、特定線と基準線との関係
を示す。図12にはオフセット線を、図13には基準線
を、図14には経路を、図15には加工の位置をそれぞ
れ示す。これらの図はいずれも平面図で示し、同一の要
素には同一の符号を付している。また、図1と同一の要
素についても同一の符号を付し、当該要素の説明を省略
する。
【0027】まず、図10には、加工領域の形状を領域
線40で示す。この領域線40は五角形状からなり、5
つの線分42,44,46,48,50によって構成さ
れている。これらのうち、線分46は線分26と同一線
上にある。そのため、加工後における線分46の部位は
壁となるのではなく、何もない開放部となる。したがっ
て、線分48,50,42,44は加工領域を形成する
領域線40のうちワークの形状を形成する形状線10を
除いた線分に相当し、以下「輪郭線」と呼ぶ。当該輪郭
線で示す部位は、加工後に壁となる。また、加工の経路
を生成する際に基準となる基準線52を図11に示す。
基準線52は、線分46(線分26)を特定線としてほ
ぼ平行状に、加工領域の内側にオフセットさせた線であ
る。
【0028】上記基準線を基準に加工経路を生成する方
法を、図12〜図15を参照しながら説明する。これら
の図では分かりやすくするために、未加工領域を斜線
(ハッチ)で示し、壁のない開放部を破線で示す。以
下、ワーク200の形状を図1に示す形状線10とし、
図11に示す基準線52を基準に経路を生成する場合に
ついて説明する。図12に示すオフセット線204は、
輪郭線202(すなわち線分48,50,42,44に
相当する線)に基づいて加工領域の内側にオフセットさ
せた線である。輪郭線202は、ワーク200の非加工
部位の輪郭を示す。また、図13に示す基準線206
a,206b,206c,206d,206eはそれぞ
れ上記基準線52に相当し、線分46を特定線としてほ
ぼ平行状に、領域線40(図11参照)とオフセット線
204とで囲まれる領域の内側に向けて順番にオフセッ
トさせている。すなわち、基準線206a,206b,
…,206eは、この順番で開放部(図面下側)から内
側(図面上側)に向けてオフセットさせた線である。こ
れらの基準線の相互間は、実施の形態1と同様にピッチ
L2の間隔がある。ここで、オフセット線204は第1
経路または第2経路に相当し、基準線206a,206
b,…,206eはいずれも第2経路に相当する。
【0029】そして、上記基準線206a,206b,
…,206eとオフセット線204とに基づいて、図1
4に示すような経路208a,208b,…,208f
が生成される。図14に示す経路208aは、図13に
示す基準線206aに沿ってオフセット線204と交差
する交点に向けて進み、その交点からオフセット線20
4に沿って進む。すなわち、ワーク200の開放部(図
面右側)から内側(図面左側)に向けて基準線206a
に沿って進み、基準線206aがオフセット線204と
交差する交点からはオフセット線204に乗り換えて開
放部(図面下側)に向けて矢印で示すように進む。経路
208b,208c,208d,208eについても同
様である。なお、経路208fについてはオフセット線
204に沿って矢印で示すように進む。こうして生成さ
れた経路208a,208b,…,208fの順番に沿
って工具を移動させ、突き加工を行う位置を図15に示
す。すなわち、図15における「●」で示す位置であ
る。経路208aの場合には、加工位置P30,P3
2,P34,…,P3y,P3zの順番で突き加工を行
う。他の経路208b,208c,208d,208e
についても同様である。ここで、加工位置P3yは、基
準線206aとオフセット線204とが交差する交点に
相当する。これらの加工位置の相互間は、実施の形態1
と同様にピッチL4の間隔がある。
【0030】上記実施の形態3によれば、結果としてオ
フセット線204(第1経路)→加工位置P32(第2
交点)→経路208a(第2経路)→加工位置P3y
(第1交点)→オフセット線204の順に沿って加工す
ることになる(図13,図15参照)。他の経路につい
ても同様である。この場合、最初と最後に加工するオフ
セット線204はワーク200の非加工部位からオフセ
ットして生成した。そのため、ワーク200の外側(形
状線10上)の加工部位に向かって進み、当該加工部位
を最後に加工することがない。したがって、柱状の加工
残りがより発生しにくくなるので、工具破損をより確実
に防止することができる。
【0031】〔実施の形態4〕次に、実施の形態4は、
3つの辺(面)で開放部が連続する場合に本発明を適用
したものである。実施の形態4は、図16〜図22を参
照しながら説明する。ここで、図16には、ワークと加
工領域とを示す。図17には、特定線と基準線との関係
を示す。図18,図19にはオフセット線を、図19に
は基準線を、図21には経路を、図22には加工の位置
をそれぞれ示す。これらの図はいずれも平面図で示し、
同一の要素には同一の符号を付している。
【0032】まず、図16には、ワークの形状を形状線
60で示す。この形状線60は7つの線分62,68,
70,78,80,82,86によって構成されてい
る。また、加工領域の形状を領域線64で示す。この領
域線64は五角形状からなり、5つの線分66,72,
74,76,84によって構成されている。これらのう
ち、線分72は線分70と同一線上にある。同様に、線
分74は線分78と、線分76は線分80とそれぞれ同
一線上にある。そのため、加工後における線分72,7
4,76の部位は壁となるのではなく、何もない開放部
となる。したがって、線分66,84は、加工領域を形
成する領域線64のうちワークの形状を形成する形状線
60を除いた線分に相当し、以下「輪郭線」と呼ぶ。当
該輪郭線で示す部位は、加工後に壁となる。また、加工
の経路を生成する際に基準となる基準線90を図17に
示す。基準線90は、線分74(線分78)を特定線と
してほぼ平行状に、加工領域の内側にオフセットさせた
線である。
【0033】上記基準線を基準に加工経路を生成する方
法を、図18〜図22を参照しながら説明する。これら
の図では分かりやすくするために、未加工領域を斜線
(ハッチ)で示す。以下、ワーク300の形状を図16
に示す形状線60とし、図17に示す基準線90を基準
に経路を生成する場合について説明する。3つの辺
(面)で開放部が連続するワーク300について、上記
実施の形態1〜実施の形態3と同様に経路を生成して突
き加工を行うと、ワーク300の外側(形状線60上)
の加工部位に向かって進み、当該加工部位を最後に加工
することがある。この場合には、柱状の加工残りが発生
してしまう。そのため、いずれかの開放部において壁と
なるような部位を予め残しておく。こうすると、実施の
形態3とほぼ同じ状態になる。そして、その後に壁を加
工することにより、柱状の加工残りを発生させることな
く加工を終えることができる。以下、この方法を実現す
るための手順について説明する。開放部となるのは、図
17の例では線分72,74,76の部位である。ここ
では、線分72の部位に沿って壁88を残す場合につい
て説明する。
【0034】まず、図17に示す線分72に沿って厚さ
L6の壁が残るように、壁の中心線306を生成する。
壁の厚さL6は、工具直径のほぼ20〜100%である
ことが多い。ただし図19に示すように、上記壁88に
相当する壁308を残すように加工するため、その壁3
08の端面(加工部位)は波状になる。この波状部位を
「カスプ」と呼び、波状部位における頂点と底部との高
さを「カスプ高さ」と呼ぶ。カスプ高さHは、図20に
示す幾何学図形から、次式によって簡単に求めることが
できる。ここで、工具半径をRとし、ピッチ幅をMとす
る。
【0035】
【数1】H=R−{R2 −(M/2)2 1/2
【0036】壁308を全て加工するには、壁308の
厚さL6にカスプ高さHを含む必要がある。そのため、
厚さL6は、工具直径のほぼ20%から(工具直径−カ
スプ高さH)にする必要がある。このとき、残される壁
308によってできるであろう境界線304は図18に
示すようになる。このときオフセット線は、輪郭線30
2(すなわち線分16,30,24に相当する線)と、
上記境界線304とに基づいて生成する必要がある。こ
の条件の下において、輪郭線302に基づいて生成した
オフセット線310と、境界線304に基づいて生成し
たオフセット線316とを図21に示す。そして、輪郭
線302とオフセット線310との間の部位は最後に加
工するため、オフセット線316における線分312
と、中心線306における線分318とをトリム(切
除)する。同様に、境界線304とオフセット線316
との間の部位も最後に加工するため、オフセット線31
0における線分314をトリムする。
【0037】オフセット線310とオフセット線316
とが交差する交点をPaとすると、この場合の基準オフ
セット線はオフセット線310から交点Paを経てオフ
セット線316に接続される線となる。したがって、基
準線は、上記基準オフセット線と、領域線64(図17
参照)とで囲まれる領域の内側に向けて順番にオフセッ
トさせて生成する。こうして生成した基準線320a,
320b,320c,320d,320eを図22に示
す。この基準線320a,320b,…,320eは、
それぞれ上記基準線90に相当する。すなわち、基準線
320a,320b,…,320eは、この順番で開放
部(図面下側)から内側(図面上側)に向けて順番にオ
フセットさせた線である。これらの基準線の相互間は、
実施の形態1と同様にピッチL2の間隔がある。ここ
で、基準オフセット線は第1経路または第2経路に相当
し、基準線320a,320b,…,320eはいずれ
も第2経路に相当する。
【0038】そして、上記基準線320a,320b,
…,320eと基準オフセット線とに基づいて、図23
に示すような経路322a,322b,322c,32
2d,322e,322fが生成される。また、その後
に壁308を加工するための経路322g,322hが
生成される。図23に示す経路322aは、図22に示
す基準線320aに沿って基準オフセット線(オフセッ
ト線316)と交差する交点に向けて進み、その交点か
らオフセット線316に沿って進む。すなわち、ワーク
300の開放部(図面左側)から内側(図面右側)に向
けて基準線320aに沿って進み、基準線320aがオ
フセット線316と交差する交点からはオフセット線3
16に乗り換えて開放部(図面下側)に向けて矢印で示
すように進む。経路322b,322cについても同様
である。なお、経路322d,322eについては、基
準線320d,320eと機運オフセット線との交点が
2つある。そのため、最初にオフセット線310に沿っ
て進み、最初の交点で経路322d,322eに乗り換
えて進み、さらに2つ目の交点でオフセット線316に
沿って進む。また、経路322eについては基準オフセ
ット線に沿って矢印で示すように進む。さらに、経路3
22gは中心線306に沿って、経路322hはオフセ
ット線316に沿ってそれぞれ矢印で示すように進む。
経路322hを生成したのは、柱状の加工残りを防止す
るとともに、輪郭線302を綺麗に仕上げるためであ
る。
【0039】こうして生成された経路322a,322
b,…,322hの順番に沿って工具を移動させ、突き
加工を行う位置を図24に示す。すなわち、図24にお
ける「●」で示される位置である。経路322aの場合
には、加工位置P40,P42,P44,…,P4y,
P4zの順番で突き加工を行う。他の経路322b,3
22c,322d,322eや、壁308を加工するた
めの経路322g,322hについても同様である。こ
こで、加工位置P4xは、基準線320aとオフセット
線316とが交差する交点に相当する。これらの加工位
置の相互間は、実施の形態1と同様にピッチL4の間隔
がある。
【0040】上記実施の形態4によれば、図17に示す
線分72(少なくとも一つの線)から所定厚さ以上の厚
さL6の壁308(図23参照)を予め残すように加工
し、その後に予め残した壁308を加工する。ここで、
図24に示す経路322a(第2経路)から加工位置P
4x(第1交点)を経てオフセット線316(第1経
路)に沿って工具を移動させて加工を行うと、ワーク3
00の外側(形状線60上)の加工部位を最初に加工す
ることになり、壁308が未加工部位として残る。他の
経路322b,…,322eについても同様である。そ
して、経路322g,322h(第4経路)に沿って工
具を移動させて予め残した壁308を加工すると、柱状
の加工残りは発生しない。したがって、工具破損を防止
することができる。
【0041】〔実施の形態5〕次に、実施の形態5は、
互いに隣接しない2つの辺(面)の間を通して加工する
場合に本発明を適用したものである。実施の形態5は、
図25〜図27を参照しながら説明する。ここで、図2
5には、ワーク、加工領域、オフセット線等を示す。図
26には経路を、図27には加工の位置をそれぞれ示
す。これらの図はいずれも平面図で示し、同一の要素に
は同一の符号を付している。
【0042】まず、図25に示すワーク400は、ほぼ
台形の形状をなしている。この例における加工領域は、
輪郭線402,408と、線分406,414とで囲ま
れた領域である。すなわち、上辺側に厚さL8の非加工
部位と下辺側に厚さL10の非加工部位とを残し、左辺
の線分414と右辺の線分406とは開放部となる。な
お、これらの非加工部位を斜線で示す。上記ワーク40
0において、輪郭線402からオフセットさせ、線分4
14から線分406に通して加工するためのオフセット
線404を生成する。この場合、開放部に加工残しが発
生するのを防止するために、オフセット線404の端点
から中心部に向かって合流点まで加工する必要がある。
その合流点は、例えばオフセット線404の右側端点か
ら距離L12によって指定する。この距離L12の長さ
は、0からオフセット線404の長さまでの間で、任意
に設定することができる。そして、線分414に沿って
加工すると、輪郭線402と、境界線416、線分40
6,414で囲まれた領域が加工されることになる。先
に開放部の相互間を通して加工するのは、残し壁の剛性
を高めるとともに、加工精度を高めるためである。
【0043】また、実施の形態4と同様に予め壁を残し
ておくため、壁の中心線412を生成する。この壁の厚
さは線分414と境界線410との距離であり、実施の
形態4と同様である。したがって、2番目に加工する領
域は、境界線410,416、輪郭線408、線分40
6で囲まれた領域である。この領域は、例えば輪郭線4
08を特定線として基準線を生成する。そして、上記基
準線、オフセット線404、中心線412に基づいて経
路を生成すると、図26に示すような経路418a,4
18b,418c,418d,418e,418f,4
18gになる。この経路418aはオフセット線404
に沿って図面左側から加工し、経路418bはオフセッ
ト線404に沿って図面右側から加工する。経路418
c,418d,418eは開放部から残し壁に向かって
輪郭線408をほぼ平行状に図面左側に向かって進み、
その後は境界線410とほぼ平行状に図面上側に向かっ
て進む。経路418f,418gは残した壁を加工する
ための経路であり、実施の形態4と同様である。これら
の経路418a,418b,…,418gの順番に突き
加工を行う位置を図27に示す。なお、各経路上の加工
順等は実施の形態4と同様であるので、説明を省略す
る。
【0044】上記実施の形態5によれば、互いに隣接し
ない2つの辺の間を通して加工する場合において、図2
8に示す線分414(少なくとも一つの線)から所定厚
さ以上の壁を予め残すように加工し、その後に予め残し
た壁を加工する。ワーク400の外側(線分406,4
14上)の加工部位に向かって進み、当該加工部位を最
後に加工することがない。したがって、柱状の加工残り
が発生しないので、工具破損を防止することができる。
【0045】なお、先に開放部の相互間を通して加工す
る態様に代えて、非加工部位と合わせて「コ」字状にな
るような壁を予め残す態様としてもよい。上記ワーク4
00の場合では、線分414からオフセットさせた残し
壁の中心線422を生成すると、この残し壁の境界は境
界線420のようになる。そのため、先に加工する領域
は、輪郭線402,408、線分406、境界線420
で囲まれた領域である。この領域は実施の形態3におけ
る領域線40(図10参照)とほぼ同様の態様であるの
で、実施の形態3と同様の加工を行えばよい。そして、
その後に予め残した壁を加工すれば、隣接しない開放部
の相互間を通す加工が実現される。この加工の一例とな
る経路を図29に示す。先に加工する領域は経路424
a,424b,424c,424d,424e,424
f,424g,424hで加工され、残し壁は経路42
4i,424jで加工される。経路424iでは、アプ
ローチしてから突き加工するため、「L」字状に移動す
ることになる。この加工態様であっても、ワーク400
の外側(線分406上)の加工部位に向かって進み、当
該加工部位を最後に加工することがない。したがって、
柱状の加工残りが発生しないので、工具破損を防止する
ことができる。
【0046】〔実施の形態6〕次に、実施の形態6は実
施の形態1〜5に適用可能な応用例であって、工具を適
切に逃がすことによって加工精度を向上させる方法につ
いて説明する。実施の形態6は図30〜図36を参照し
ながら説明する。ここで、図30には加工中の、図31
には停止したときのそれぞれの工具の状態を示す。図3
2には、工具の逃げ動作を示す。図33〜図36には、
それぞれの加工位置における工具の逃げ方向を示す。こ
れらの図において、同一の要素には同一の符号を付して
いる。
【0047】まず図30において、ワーク92に対して
工具94で突き加工を行うには、その工具94を矢印D
2方向に移動させる必要がある。このとき、工具94は
ワーク92から矢印D2と逆方向の抗力を受ける。その
抗力と工具94を押さえ付ける力とによって、工具94
は実線で図示するようにワーク92の外側に向けて微か
ながら曲がる(しなる)。そして、所定の深さを加工し
終えると、リトラクト等のために工具94を一時的に停
止させる。この停止によって工具94はワーク92から
の抗力を受けなくなる。そのため、工具94は二点鎖線
で図示するように、曲がっていた状態から元の直線状態
に戻ろうとして反対方向に曲がる。さらには、ワーク9
2の外側と内側とに交互に繰り返し曲がって、結果的に
図31に示すように振動状態になる。この際、工具94
がワーク92の壁面92aに接触することもあり、工具
破損を起こしたり、加工精度が低下する。そこで、所定
の深さを加工し終える直前に、壁面92aから工具94
を逃がすようにする。この一例を図32に示す。すなわ
ち、工具94を矢印D4に沿って移動させて突き加工を
行う。こうすると、工具94はワーク92からほぼ一定
の抗力を受けるので、上記振動が生じない。したがっ
て、振動によって工具94が壁面92aに接触すること
もないので、加工精度を向上させることができる。で
は、工具94を逃がすための具体的な方向について、以
下に説明する。
【0048】図33〜図36に示す例は、ほぼ「く」字
状に角度φで折れ曲がっている輪郭線Laに沿って、切
込幅Ptの切り込み幅がある未加工部位を加工してゆく
ものである。未加工部位の境界を境界線Lcで示す。ま
た、輪郭線Laに対してオフセットされたオフセット線
Lbを一点鎖線で示す。工具中心は当該オフセット線L
b上に沿ってピッチ幅Mごとに移動し、加工することに
なる。なお、工具半径をRとし、カスプ高さをHとす
る。また、非加工部位と未加工部位とを合わせて斜線で
示す。
【0049】まず、オフセット線Lb上の直線部で加工
する一般的な場合についての例を、図33に示す。この
例では、オフセット線Lb上の直線部に工具の中心位置
C2を配置する。このとき、工具外形と輪郭線Laとの
接点が位置Pb2となり、工具外形とカスプとの接点が
位置Pc2となり、工具外形と境界線Lcとの接点が位
置Pd2となる。また、工具中心から位置Pb2に向か
う線分(工具半径R)と、工具中心から位置Pc2に向
かう線分(工具半径R)とのなす角を角度θ2とする。
さらに、オフセット線Lb上の移動方向と、工具中心か
ら位置Pd2に向かう線分とのなす角を角度ψ2とす
る。角度θ2と角度ψ2とは、次式によってそれぞれ求
めることができる。
【0050】
【数2】θn=SIN-1{(R−H)/R} ψn=COS-1{(Pt−R)/R}+α ただし、n=2,4,6,8,…である。また、角度α
は角度ψvに基づいて次式に従う。 (a)ψv=180°ならば、α=0° (b)0<ψv<180°ならば、α=180°−ψv (c)180°<ψv<360°ならば、α=ψv−1
80°
【0051】ここで、角度ψvは次にようにして求め
る。すなわち、まず現在の中心位置Cvを基準として、
前回突き加工した中心位置Cpに向かうベクトルVp
と、次回突き加工する中心位置Cnに向かうベクトルV
nとを求める。そして、二つのベクトルVp,Vnのな
す角度が角度ψvである。なお、中心位置C2の場合は
ψv=180°であるので、α=0°となる。このこと
は、後述する中心位置C4,C8においても同様であ
る。一方、後述する中心位置C6の場合は0<ψv<1
80°であるので、α=180°−ψvとなる。こうし
て求められた角度θ2と角度ψ2とが次式の条件を満た
せば、角度θ2と角度ψ2との間における角度の方向に
工具を逃がすことができる。図33に示す例では、工具
を逃がすことが可能である。一方、次式の条件を満たさ
ない場合には、カスプまたは境界線Lcで示す未加工部
位と接触するため、工具を逃がすことができない。
【0052】
【数3】θ2+ψ2≦90°
【0053】次に、工具の外形が境界線Lcの折れ曲が
っている部位を加工する場合についての例を、図34に
示す。この例では、オフセット線Lb上の直線部に工具
の中心位置C4を配置する。このとき、工具外形と輪郭
線Laとの接点が位置Pb4となり、工具外形とカスプ
との接点が位置Pc4となり、工具外形と境界線Lcと
の接点が位置Pd4となる。また、工具中心から位置P
b4に向かう線分と、工具中心から位置Pc4に向かう
線分とのなす角は上述した角度θ2になる。さらに、オ
フセット線Lb上の移動方向と、工具中心から位置Pd
2に向かう線分とのなす角を角度ψ4とする。こうして
求められた角度ψ4と上記角度θ2が、ψ2をψ4に置
き換えた〔数3〕に示す条件を満たせば、角度θ2と角
度ψ4との間における角度の方向に工具を逃がすことが
できる。図34に示す例も工具を逃がすことが可能であ
る。
【0054】次に、オフセット線Lb上の屈曲部で加工
する場合についての例を、図35に示す。この例では、
オフセット線Lb上の屈曲点に工具の中心位置C6を配
置する。このとき、工具外形と輪郭線Laとの接点が位
置Pb6となり、工具外形とカスプとの接点が位置Pc
6となり、工具外形と境界線Lcとの接点が位置Pd6
となる。また、工具中心から位置Pb6に向かう線分
と、工具中心から位置Pc6に向かう線分とのなす角は
上述した角度θ2になる。さらに、オフセット線Lb上
の移動方向と、工具中心から位置Pd6に向かう線分と
のなす角を角度ψ6とする。こうして求められた角度ψ
6と上記角度θ2が、ψ2をψ6に置き換えた〔数3〕
に示す条件を満たせば、角度θ2と角度ψ6との間にお
ける角度の方向に工具を逃がすことができる。しかし、
図から明らかにψ6>90°であるので、当該条件を満
たさない。したがって、図35に示す例では工具を逃が
すことができないので、加工方向と逆方向に逃がす必要
がある。
【0055】次に、上記屈曲点を通過した後にオフセッ
ト線Lb上で加工する場合についての例を、図36に示
す。この例では、オフセット線Lb上の直線部工具の中
心位置C2を配置する。このとき、工具外形と輪郭線L
aとの接点が位置Pb8となり、工具外形とカスプとの
接点が位置Pc8となり、工具外形と境界線Lcとの接
点が位置Pd8となる。また、工具中心から位置Pb8
に向かう線分と、工具中心から位置Pc8に向かう線分
とのなす角は、上述した角度θ2になる。さらに、オフ
セット線Lbと、工具中心から位置Pd8に向かう線分
とのなす角は、上述した角度ψ2になる。したがって、
図36に示す例は図33に示す例と同様になるので、工
具を逃がすことが可能である。
【0056】上記実施の形態6によれば、図33に示す
例の場合では、カスプ(加工残り)と、境界線Lcで示
す未加工部位とに接触しない方向(θ2≦λ≦ψ2を満
たす角度λ)に向けて工具を逃がす。すなわち、工具の
移動を一時的に停止させる前に、その工具を逃がす動作
を行う。こうすると一時的に停止した際に工具は振動す
るが、逃げ動作によってワークから離れているので加工
しない。したがって、加工精度を向上させることができ
る。このことは、図34,図36に示す例についても同
様である。
【0057】〔実施の形態7〕次に、実施の形態7は実
施の形態1〜5に適用可能な応用例であって、工具にか
かる負担を軽減して加工する方法について説明する。実
施の形態7は、図37〜図44を参照しながら説明す
る。ここで、図37には、工具の逃げ方向を示す。図3
8には実施の形態2に適用した例を示し、その具体的な
加工位置を図39に示す。図40には実施の形態3に適
用した例を示し、その具体的な加工位置を図41に示
す。図42には実施の形態4に適用した例を示す。図4
3と図44には実施の形態5に適用した例を示す。これ
らの図はいずれも平面図で示し、各実施の形態において
用いた要素と同一の要素には同一の符号を付している。
【0058】まず、工具をジグザグに移動させて加工を
行う場合における工具の逃げ方向について、図37を参
照しながら説明する。図37に示すオフセット線96に
沿って突き加工する場合には、例えば加工位置Pe6で
加工した後に、加工位置Pe2で加工する。加工位置P
e6と加工位置Pe2との間隔は、ピッチ幅Mである。
このような順序で直線的に突き加工すると、未加工部位
やカスプのために工具を適切に逃がすことができない。
そこで、オフセット線96に基づいて距離L14だけオ
フセットさせた線分98を生成する。この距離L14は
任意に設定できるが、一般には工具直径のほぼ40〜8
0%が適切である。そして、オフセット線96と線分9
8とをジグザグさせるように工具を移動させて突き加工
を行う。例えば、オフセット線96上の加工位置Pe6
で突き加工した後は、線分98上の加工位置Pe4で突
き加工を行う。この場合、加工位置Pe4では矢印D8
方向に工具を逃がすことができる。さらにその後、オフ
セット線96上の加工位置Pe2で突き加工した後は、
矢印D6方向に工具を逃がすことができる。このこと
は、加工位置Pe6においても同様に行える。こうして
各加工位置で工具を逃がすことが可能となるので、加工
精度を向上させることができる。また、各加工位置では
工具がワークに接触する部位の面積が少なくなるので、
工具寿命を延ばすことができる。では、上述した実施の
形態2〜5に適用する場合の例を以下に説明する。な
お、実施の形態1への適用は、実施の形態2の場合と同
様であるので説明を省略する。
【0059】実施の形態2に適用した例を図38,図3
9に示す。図38において、経路112a,112b,
…,112x,112zについては工具を逃がす領域が
あるので、経路112yについてジグザグ方式の加工方
法を適用する。この例では、経路112yに基づいて距
離L14だけオフセットさせた経路1120を生成す
る。経路112yと経路1120とにおける具体的な加
工位置を図39に示す。この場合、加工位置P50,P
52,P54,…,P5a,…の順番で突き加工を行
う。ただし、加工位置P5c,P5eでは突き加工を行
わない。経路112x(図38参照)で加工され、工具
を逃がす領域が確保されるためである。
【0060】次に、実施の形態3に適用した例を図4
0,図41に示す。図40に示すワーク200の場合に
は、ワーク200の内側に向かう方向(すなわち図面上
方向)に沿って加工するときに工具を逃がす領域を確保
することができない。そこで、図12に示すオフセット
線204に基づいてオフセットさせた経路2080を生
成する。そして、ワーク200の内側に向かう方向に沿
って加工するときに、オフセット線204上の加工位置
と経路2080上の加工位置との間でジグザグさせなが
ら工具を移動させる。経路208aに沿って加工する場
合の例を図41に示す。この場合、加工位置P60,P
62,…,P68の順番で突き加工を行い、加工位置P
6a以降は実施の形態3と同じである。
【0061】次に、実施の形態4に適用した例を図42
に示す。図42に示すワーク200の場合には、ワーク
300の内側に向かう方向に沿って加工を行うのは、オ
フセット線310上の加工位置である。そのため、オフ
セット線310に基づいてオフセットさせた経路324
を生成する。このオフセット線310と経路324との
関係は、図41におけるオフセット線204と経路20
80との関係と同様である。したがって、図41に示す
加工位置と同様に突き加工を行うことにより、工具を逃
がす領域を確保することができる。
【0062】次に、実施の形態5に適用した例を図4
3,図44に示す。図43において、ワーク400の場
合には先に線分414から線分406に通して突き加工
を行なっている。この部位の加工では、工具を逃がす領
域を確保することができない。そこで、オフセット線4
04に基づいて距離L18だけオフセットさせた経路4
26を生成するとともに、オフセット線404に沿う経
路428aと、経路426に沿う経路428bとを生成
する。ここで、距離L20は輪郭線402からオフセッ
ト線404をオフセットさせる距離である。また、経路
426はオフセット線404からさらに距離L18だけ
オフセットしているので、境界線416は輪郭線402
から距離L16(L16=L18×2+L20)の位置
にある。これらの経路428a,428bを図44に示
す。そして、線分414から線分406に通して突き加
工を行う場合に、経路428a上の加工位置と経路42
8b上の加工位置との間でジグザグさせながら工具を移
動させる。こうして工具を逃がす領域を確保しながら、
突き加工を行うことができる。
【0063】上記実施の形態7によれば、工具をジグザ
グに移動させて加工を行うことにより、各加工位置にお
いて工具を逃がすことが可能となる。そのため、加工精
度を向上させることができる。また、各加工位置におけ
る加工では工具がワークに接触する部位の面積が少なく
なる。そのため、工具寿命を延ばすことができる。
【0064】〔実施の形態8〕次に、実施の形態8は、
特殊形状のワークを実施の形態1〜5で示した加工方法
と同様な加工ができるように帰着させるための方法につ
いて説明する。実施の形態8は、図45〜図54を参照
しながら説明する。ここで、実施の形態3と同様の加工
に帰着させる例を図45〜図48に示す。また、実施の
形態1と同様の加工に帰着させる例を図49,図50に
示す。さらに、実施の形態4と同様の加工に帰着させる
例を図51〜図54に示す。これらの図はいずれも平面
図で示し、同一の要素には同一の符号を付している。
【0065】まず、実施の形態3と同様の加工に帰着さ
せる方法について説明する。図45において、ワーク5
00は七角形状からなり、輪郭線502で示す加工領域
の開放部が頂点510を有する三角形状からなる。その
輪郭線502から加工領域の内側に向けてオフセットさ
せたオフセット線504を生成する。このとき、輪郭線
502の水平線分とほぼ平行な線分であって、頂点51
0を通る仮想線512(図では破線で示す)を生成す
る。また、オフセット線504のうち垂直線分をワーク
500の外側に向けて、仮想線512と交差するまで延
長する。この延長線分を、図45では線分514,50
8で示す。オフセット線504、線分514,508、
仮想線512は領域線に相当し、これらの線で囲まれる
領域は基準線を生成するための領域となる。この領域
は、実施の形態3と同様の加工領域である。
【0066】そして、上記領域内に基準線516a,5
16b,516b,516d,516eを生成した例
を、図46に示す。また、オフセット線504および基
準線516a,516b,…,516eに基づいて、経
路518a,518b,518b,518d,518
e,518fを生成した例を、図47に示す。さらに、
経路518a,518b,…,518f上を加工する加
工位置の例を、図48に「●」で示す。ここで、基準
線、経路、加工位置をそれぞれ生成する具体的な過程は
実施の形態3と同様であるので、それらの説明を省略す
る。したがって、七角形状からなるワーク500を実施
の形態3と同様に加工することができる。なお、図48
に示す複数個の加工位置P7a,P7b(図示する領域
内)は、ワーク500の形状からはみ出た位置にある。
これらの加工位置では必ずしも加工する必要はなく、逆
に加工しないように排除すれば空加工を防止することが
できる。したがって、この場合には加工時間を短縮する
ことができる。上述した実施の形態3と同様の加工に帰
着させる態様によれば、経路518cの例では、結果と
してオフセット線504(第1経路)→オフセット線5
04と基準線516cとの交点(第2交点)→経路51
8c(第2経路)→オフセット線504と基準線516
cとの交点(第1交点)→オフセット線504の順に沿
って加工することになる。他の経路についても同様であ
る。この場合、最初と最後に加工するオフセット線50
4ではワーク500の非加工部位からオフセットされた
経路であるので、ワーク500の外側(ワーク500の
形状線上)の加工部位に向かって進み、当該加工部位を
最後に加工することがない。したがって、柱状の加工残
りがより発生しにくくなるので、工具破損をより確実に
防止することができる。
【0067】次に、実施の形態1と同様の加工に帰着さ
せる方法について説明する。図49において、ワーク6
00は八角形状からなり、加工領域を区画する輪郭線6
02はほぼ「L」字状になっている。加工領域の開放部
は、図示するように四つの辺からなる。これらの辺のう
ち、輪郭線602の水平線分とほぼ平行な線分であっ
て、当該水平線分から最も離れた位置にある頂点610
を通る仮想線608を生成する。また、輪郭線602の
垂直線分とほぼ平行な線分であって、当該垂直線分から
最も離れた位置にある辺612を通る仮想線614を生
成する。仮想線608,614は、いずれも図49にお
いて破線で示す。
【0068】さらに、オフセット線604のうち垂直線
分をワーク600の外側に向けて、仮想線608,61
4と交差するまで延長する。この延長線分を、図49で
は線分606,616で示す。オフセット線604、線
分606,616、仮想線608,614は領域線に相
当し、これらの線で囲まれる領域は基準線を生成するた
めの領域となる。この領域は、実施の形態1と同様の加
工領域である。そして、この領域に対して適切に基準線
を生成し、その基準線に基づいて経路618a,618
b,618b,618d,618e,618f,618
gを生成した例を図50に示す。なお、加工位置につい
ては、実施の形態1の場合と同様であるので、説明を省
略する。また、ワーク600の形状からはみ出た加工位
置を加工しないように排除すれば、空加工を防止するこ
とができる。上述した実施の形態1と同様の加工に帰着
させる態様によれば、線分606,616およびオフセ
ット線604(第1経路)は輪郭線602(ワーク60
0の非加工部位)からオフセットされた経路である。ま
た、経路618a,618b,…,618e(第2経
路)は、特定線(例えば仮想線608)に基づいて、オ
フセット線604、線分606,616、仮想線608
で囲まれる領域の内側にオフセットした経路である。そ
して、経路618a(第2経路)から加工位置P7a等
(第1交点)を経て線分606,616およびオフセッ
ト線604(第1経路)に沿って工具を移動させて加工
を行うと、ワーク600の外側の加工部位を最初に加工
することになる。他の経路についても同様である。その
ため、ワーク600の外側の加工部位に向かって進み、
当該加工部位を最後に加工することがない。したがっ
て、柱状の加工残りが発生しないので、工具破損を防止
することができる。
【0069】次に、実施の形態4と同様の加工に帰着さ
せる方法について説明する。図51において、ワーク7
00は八角形状からなり、加工領域を区画する輪郭線7
02はほぼ水平な直線状になっている。加工領域の開放
部は、図示するように五つの辺からなる。これらの辺の
うち、輪郭線702の水平線分とほぼ平行な線分であっ
て、当該水平線分から最も離れた位置にある頂点710
を通る仮想線708を生成する。また、輪郭線702の
水平線分に対してほぼ垂直な線分であって、ワーク70
0における左側の頂点714を通る仮想線712を生成
する。仮想線708,712は、いずれも図51におい
て破線で示す。さらに、開放部の一辺である線分704
をワーク700の外側(図面右下方向)に向けて、仮想
線708と交差するまで延長する。この延長線分を、図
51では線分706で示す。そして、輪郭線702をワ
ーク700の外側(図面左方向)に向けて、仮想線71
2と交差するまで延長する。この延長線分を、図51で
は線分716で示す。したがって、輪郭線702、線分
704,706,716、仮想線708,712は領域
線に相当し、これらの線で囲まれる領域がワーク700
の加工領域である。
【0070】この加工領域は、線分704および線分7
06、仮想線708、仮想線712の3つの辺で開放部
が連続していることになる。そのため、当該加工領域
は、実施の形態4と同様の加工領域である。よって、ま
ず図52に示すように、線分704および線分706に
沿って所定厚さの壁が残るように、中心線720を生成
する。この壁の境界は境界線718である(図では一点
鎖線で示す)。そして、図53に示すように、輪郭線7
02と境界線718とを基準にオフセットさせたオフセ
ット線722を生成する。線分724はオフセット線7
22の一部であって、線分704と境界線718との間
を加工する部位である。なお、加工が不要な部位(線
分)はトリムされている。さらに、オフセット線72
2、仮想線708,712で囲まれた領域に対して適切
に基準線を生成し、その基準線に基づいて経路730
a,730b,730b,730d,730e,730
f,730gを生成した例を図54に示す。なお、具体
的な加工位置については、実施の形態4の場合と同様で
あるので、説明を省略する。また、ワーク700の形状
からはみ出た加工位置を加工しないように排除すれば、
空加工を防止することができる。上述した実施の形態4
と同様の加工に帰着させる態様によれば、線分704,
線分706(少なくとも一つの線)から所定厚さ以上の
壁(境界を境界線718で示す)を予め残すように加工
し、その後に予め残した壁を加工する。ここで、経路7
30a(第2経路)から、仮想線712と基準線との交
点(第1交点)を経て、オフセット線722(第1経
路)に沿って工具を移動させて加工を行う。すると、ワ
ーク700の外側(ワーク700の形状線上)の加工部
位を最初に加工することになり、壁が未加工部位として
残る。他の経路730b,…,730eについても同様
である。そして、経路730f,730g(第4経路)
に沿って工具を移動させて予め残した壁を加工すると、
柱状の加工残りは発生しない。したがって、工具破損を
防止することができる。
【0071】上記実施の形態8によれば、特殊な形状を
なすワークであっても、輪郭線やワークの形状を構成す
る線分等を適切に延長し、さらには仮想線を適切に生成
することによって上述した実施の形態1〜5の加工の態
様に帰着させることができる。したがって、複雑な形状
のワークでも簡単に加工することができる。
【0072】〔実施の形態9〕次に、実施の形態9は、
実施の形態1〜5に示した加工を実現するための加工装
置とデータ作成装置とについて説明する。実施の形態9
は、図55〜図57を参照しながら説明する。ここで、
図55には、加工システムの構成を概略的なブロック図
で示す。図56にはデータ作成処理を、図57には加工
実行処理をそれぞれフローチャートで示す。
【0073】まず、図55に示す加工システムは、制御
部800とNC加工機900とによって構成されてい
る。制御部800は、CPU(プロセッサ)880,R
OM802,RAM804,操作盤806,表示制御回
路812,表示器814,入出力処理回路816,通信
制御回路818によって構成されている。なお、NC加
工機900は一般的なものを用いる。したがって、具体
的な構成や動作等については周知であるので、図示およ
び説明を省略する。
【0074】CPU880は、ROM802に格納され
た制御プログラムに従って制御部800の全体を制御す
る。ROM802にはEPROMあるいはEEPROM
が使用され、上記制御プログラムの他に表示器814に
表示する文字キャラクタ等が格納されている。制御プロ
グラムには、後述するデータ作成処理や加工実行処理を
実現するためのプログラムも含まれている。RAM80
4はDRAMやSRAM、フラッシュメモリ等が使用さ
れる。このRAM804には、ワークの形状データ,加
工領域の形状データ,基準線のデータ,特定線のデー
タ,経路のデータ,NCデータその他の各種のデータ、
あるいは入出力信号等が格納される。操作盤806は操
作員が制御部800に対して各種の指令をしたり、制御
部800の要求に従って、目的形状データ等の所定のデ
ータを入力する。なお、必要に応じてマウスやデジタイ
ザ等のポインティングデバイスを制御部800に接続
し、上記データを入力してもよい。通信制御回路818
は、CPU880からバス808を介して送られた通信
データをNC加工機900に送信し、あるいはNC加工
機900から送信された通信データを受信してCPU8
80へ送るための回路である。なお、データを送受信す
る形態は有線に限らず、無線であってもよい。
【0075】表示制御回路812はCPU880からバ
ス808を介して送られた表示制御データに従って、表
示器814の表示制御を行う回路である。入出力処理回
路816は、CPU880からバス808を介して受け
た出力データを外部記憶装置830やPTP/PTR
(紙テープパンチャー・リーダー)840に送る回路で
ある。この外部記憶装置830には、HD(ハードディ
スク)装置,FD(フレキシブルディスク)装置等があ
り、これらの装置によって磁気ディスク832(例えば
FD,光磁気ディスク,リムーバブルHD等の記録媒
体)にNCデータ等が記録される。また、磁気ディスク
832に記録された制御プログラムやNCデータ等は外
部記憶装置830によって読み出され、入出力処理回路
816やバス808を介してCPU880等に送られ
る。一方、PTP/PTR840からは紙テープ842
にNCデータ等が記録される。紙テープ842に記録さ
れたNCデータ等も外部記憶装置830の場合と同様
に、PTP/PTR840によって読み出され、入出力
処理回路816やバス808を介してCPU880等に
送られる。これらの磁気ディスク832や紙テープ84
2は記録媒体を具体化したものであるが、他の記録方式
による一定期間保持可能な記録媒体であってもよい。な
お、上記各構成要素は、表示器814を除いていずれも
バス808に互いに結合されている。また、制御部80
0は加工装置またはデータ作成装置に相当する。さら
に、NC加工機900は加工装置に相当する。
【0076】次に、加工システムにおける制御部800
内で実行される処理手順について、図56を参照しなが
ら説明する。図56に示すデータ作成処理は、図55に
示すCPU880が制御プログラムを実行することによ
って実現される。なお、図56においてステップS12
は経路生成部を、ステップS14は交点算出部を、ステ
ップS16,S18,S20はデータ出力部をそれぞれ
具体化した処理ステップである。また、この実施の形態
9では、実施の形態1におけるワーク100について加
工データを生成する場合を例にして、以下に説明する。
【0077】図56に示すデータ作成処理では、まず図
3に示すワーク100の形状や、その加工領域の形状
(具体的には輪郭線102)、特定線、あるいは加工条
件等を設定する〔ステップS10〕。加工条件には、加
工に使用する工具の種類や、工具直径(あるいは工具半
径)、ワーク100の材質等のように、加工を行うため
に必要となる条件である。そして、ステップS10で設
定された輪郭線102に基づいてオフセット線を生成す
るとともに、特定線に基づいて基準線を生成する〔ステ
ップS12〕。すなわち、図4に示すオフセット線10
4や基準線106a,106b,106c,106dを
生成する。さらに、これらのオフセット線や基準線に基
づいて、交点を算出する〔ステップS14〕。図6に示
す例では、例えば加工位置P1yに相当する位置の交点
等が該当する。
【0078】その後、ステップS12で生成したオフセ
ット線および基準線や、ステップS14で算出した交点
に基づいて、経路を生成する。図5に示す例では、経路
108a,108b,…,108eが対応する。こうし
て生成した経路108a,108b,…,108eに従
って、それぞれの経路における加工位置を生成し〔ステ
ップS18〕、その加工位置に工具を移動させ突き加工
を行うための加工データを作成する〔ステップS2
0〕。作成した加工データは、図55において外部記憶
装置830を通じて磁気ディスク832に記録するか、
あるいは通信制御回路818を通じてNC加工機900
に直接送信する。そして、加工位置の生成と加工データ
の作成は全ての経路について繰り返し行う〔ステップS
22〕。
【0079】ここで、オフセット線104(第1経路)
は輪郭線102(ワーク100の非加工部位)からオフ
セットされた経路である。また、経路108a,108
b,…,108e(第2経路)は、特定線(例えば線分
22)に基づいて、領域線14とオフセット線104と
で囲まれる領域の内側にオフセットした経路である。そ
のため、上記データ作成処理を実行すると、経路108
a(第2経路)から加工位置P1y(第1交点)を経て
オフセット線104(第1経路)に沿って工具を移動さ
せるための加工データが作成される。この加工データに
基づいて加工を行うと、ワーク100の外側(形状線1
0上)の加工部位を最初に加工することになる。他の経
路についても同様である。そのため、ワーク100の外
側の加工部位に向かって進み、当該加工部位を最後に加
工することがない。したがって、柱状の加工残りが発生
しないので、工具破損を防止することができる。
【0080】次に、加工システムにおける制御部800
内で実行される他の処理手順について、図57を参照し
ながら説明する。図57に示す加工実行処理は、図55
に示すCPU880が制御プログラムを実行することに
よって実現される。なお、図56に示す同一の処理ステ
ップは、同一符号を付して説明を省略する。また、ステ
ップS17,S19,S20は加工実行部をそれぞれ具
体化した処理ステップである。さらに、この加工実行処
理は、NC加工機900においても同様に実行すること
が可能である。
【0081】図57に示すデータ作成処理では、まずワ
ークの形状や、その加工領域の形状、特定線、あるいは
加工条件等を入力する〔ステップS11〕。具体的に
は、操作盤806から入力したり、外部記憶装置830
を通じて磁気ディスク832等から入力する。そして、
図56のデータ作成処理と同様に、ステップS11で入
力された加工領域の形状に基づいてオフセット線や基準
線を生成し〔ステップS12〕、交点を算出し〔ステッ
プS14〕、経路を生成する〔ステップS16〕。作成
した経路はRAM804に格納する。なお、図55にお
いて外部記憶装置830を通じて磁気ディスク832に
記録するか、あるいは通信制御回路818を通じてNC
加工機900に直接送信してもよい。その後、ステップ
S16で生成した経路に従って、それぞれの経路におけ
る加工位置を生成し、その加工位置に工具を移動させる
〔ステップS17〕。そして、その加工位置で突き加工
を行う〔ステップS19〕。この突き加工は全ての経路
について繰り返し行う〔ステップS22〕。
【0082】上記加工実行処理を実行すると、図6に示
すように、経路108a(第2経路)から加工位置P1
y(第1交点)を経てオフセット線104(第1経路)
に沿って工具を移動させ突き加工が行われる。この突き
加工では、ワーク100の外側(形状線10上)の加工
部位を最初に加工することになる。他の経路についても
同様である。そのため、ワーク100の外側の加工部位
に向かって進み、当該加工部位を最後に加工することが
ない。したがって、柱状の加工残りが発生しないので、
工具破損を防止することができる。
【0083】〔他の実施の形態〕上述した加工方法およ
び装置、データ作成装置において、他の部分の構造,形
状,大きさ,材質,個数,配置および動作条件等につい
ては、上記実施の形態に限定されるものでない。例え
ば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施するこ
ともできる。
【0084】(1)上記各実施の形態では、簡単のため
に領域線,形状線,輪郭線,特定線は、いずれも直線と
した。これに限らず、曲線や円,弧等のような任意の線
としてもよい。例えば、図1に示す領域線14は線分1
6,20,22,24,30によって構成されている
が、線分16,24,30のうち少なくとも一つの線分
を円弧としてもよい。線分16と円弧とし、さらに特定
線とする場合には、この場合には、図4に示す基準線1
06a,106b,106c,106dもまた円弧状に
なる。このように任意の線としても、ワーク100の外
側(形状線10上)の加工部位を最初に加工することに
なる。そのため、ワーク100の外側の加工部位に向か
って進み、当該加工部位を最後に加工することがない。
したがって、柱状の加工残りが発生しないので、工具破
損を防止することができる。 (2)上記各実施の形態では、いずれも突き加工を行う
場合に本発明を適用した。これに限らず、ワークを所望
の形状に仕上げるために行う他の種類の切削加工につい
ても、同様に本発明を適用することができる。こうした
他の種類の切削加工としては、例えばボールエンドミル
やフライス等の工具を用いて行う荒加工や中加工等が該
当する。この場合でも、柱状の加工残りが発生しないの
で、工具破損を防止することができる。
【0085】(3)輪郭線が鋭角になる部位を加工する
方法について、図58,図59を参照しながら説明す
る。ここで、図58には当該部位における加工残りを示
す。図59には、その加工残りを加工するための経路を
示す。図58に示す輪郭線916は、角度θ4(鋭角)
で折れ曲がっている。ピッチL22のとき、一般に経路
918に沿って工具920で突き加工を行なった後、同
様に経路910に沿って突き加工を行う。図中、経路9
10,918上に示す点「・」は加工位置である。この
場合、斜線(ハッチ)で示す部位914が加工残りとな
る。そこで、経路918に沿って突き加工を行う際、そ
の経路918の頂角位置にある加工位置Pf2から、輪
郭線916の頂角に向かって延長線912を伸ばす。そ
して、図59に示すように、その延長線912上の加工
位置Pg2,Pg4,Pg6,Pg8を求めて、突き加
工を行う。したがって、経路918に沿う突き加工は、
加工位置Pf4,Pf2,Pg8,Pg6,Pg4,P
g2,Pf6の順番に行うことになる。こうして輪郭線
916が鋭角になる部位であっても、加工残りとなる部
位914を発生させることなく、突き加工を行うことが
できる。なお、上記延長線912の長さL24は、工具
半径R,ピッチL22,角度θ4に基づいて、次式〔数
4〕により求めることができる。
【0086】
【数4】 L24={(L22−R)/tan(θ4/2)}−R
【0087】(4)輪郭線が鈍角になる部位を加工する
方法について、図60〜図62を参照しながら説明す
る。ここで、図60には、輪郭線が鈍角になる部位につ
いて、加工残りを示す。図61,図62には、図60に
示す加工残りを加工するための突き位置を示す。図60
に示す輪郭線930は、角度θ6(鈍角)で折れ曲がっ
ている。経路932上をピッチL26ごとに加工位置P
h2,Ph8,Ph14を突き加工してゆくと、斜線
(ハッチ)で示す部位936が加工残りとなる。そこ
で、経路932に沿って突き加工を行う際、新たな加工
位置を付加することによって、加工残りが発生しないよ
うにする。まず図61に示す第1の方法では、輪郭線9
30の頂点938から折れ曲がる前後の線分930a,
930bに対してそれぞれ垂直方向線分を引き、その線
分と経路932との交点を加工位置とする。この例で
は、加工位置Ph6,Ph10に相当する。したがっ
て、経路932に沿う突き加工は、加工位置Ph2,P
h6,Ph8,Ph10,Ph14の順番に行うことに
なる。さらには、加工位置Ph2と加工位置Ph6との
間の加工位置Ph4や、加工位置Ph10と加工位置P
h14との間の加工位置Ph12について突き加工を行
なってもよい。また図62に示す第2の方法では、輪郭
線930の頂点938から折れ曲がる前後の線分930
a,930bに対してそれぞれ垂直方向線分を引き、そ
の線分と経路932との交点を加工位置Ph6a,Ph
10aとして求める。さらに、頂点938を中心とし
て、加工位置Ph6a,Ph10aを通る円弧940を
求める。この円弧940上における加工位置Ph6aと
加工位置Ph10aとの中点を、加工位置Ph8に代わ
る加工位置Ph8aとする。したがって、経路932に
沿う突き加工は、加工位置Ph2,Ph6a,Ph8
a,Ph10a,Ph14の順番に行うことになる。さ
らには、加工位置Ph2と加工位置Ph6aとの間の加
工位置Ph16や、加工位置Ph10aと加工位置Ph
14との間の加工位置Ph18について突き加工を行な
ってもよい。こうして上記二つのいずれの方法によれ
ば、輪郭線930が鈍角になる部位であっても、加工残
りとなる部位936を発生させることなく、突き加工を
行うことができる。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、形状線上の加工部位に
向かって進み、当該加工部位を最後に加工することがな
い。したがって、柱状の加工残りが発生しないので、工
具破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワークと加工領域とを示す平面図である。
【図2】特定線と基準線との関係を示す平面図である。
【図3】オフセット線を示す平面図である。
【図4】基準線を示す平面図である。
【図5】経路を示す平面図である。
【図6】加工の位置を示す平面図である。
【図7】基準線を示す平面図である。
【図8】経路を示す平面図である。
【図9】加工の位置を示す平面図である。
【図10】ワークと加工領域とを示す平面図である。
【図11】特定線と基準線との関係を示す平面図であ
る。
【図12】オフセット線を示す平面図である。
【図13】基準線を示す平面図である。
【図14】経路を示す平面図である。
【図15】加工の位置を示す平面図である。
【図16】ワークと加工領域とを示す平面図である。
【図17】特定線と基準線との関係を示す平面図であ
る。
【図18】オフセット線を示す平面図である。
【図19】壁とカスプ高さとを示す平面図である。
【図20】カスプ高さを求めるための平面図である。
【図21】オフセット線を示す平面図である。
【図22】基準線を示す平面図である。
【図23】経路を示す平面図である。
【図24】加工の位置を示す平面図である。
【図25】ワーク、加工領域、オフセット線等を示す平
面図である。
【図26】経路を示す平面図である。
【図27】加工の位置を示す平面図である。
【図28】残し壁の中心線を示す平面図である。
【図29】経路を示す平面図である。
【図30】加工中の工具の状態を示す側面図である。
【図31】停止したときの工具の状態を示す側面図であ
る。
【図32】工具の逃げ動作を示す平面図である。
【図33】工具の逃げ方向を示す側面図である。
【図34】工具の逃げ方向を示す平面図である。
【図35】工具の逃げ方向がない場合を示す平面図であ
る。
【図36】工具の逃げ方向を示す平面図である。
【図37】工具の逃げ方向を平面図で示す。
【図38】実施の形態2に適用した例を平面図で示す。
【図39】実施の形態2に適用した場合の具体的な加工
位置を平面図で示す。
【図40】実施の形態3に適用した例を平面図で示す。
【図41】実施の形態3に適用した場合の具体的な加工
位置を平面図で示す。
【図42】実施の形態4に適用した例を平面図で示す。
【図43】実施の形態5に適用する場合の位置関係を平
面図で示す。
【図44】実施の形態5に適用した例を平面図で示す。
【図45】ワーク、加工領域、オフセット線等を示す平
面図である。
【図46】基準線を示す平面図である。
【図47】経路を示す平面図である。
【図48】加工の位置を示す平面図である。
【図49】ワーク、加工領域、オフセット線等を示す平
面図である。
【図50】経路を示す平面図である。
【図51】ワーク、加工領域等を示す平面図である。
【図52】残し壁の中心線を示す平面図である。
【図53】オフセット線を示す平面図である。
【図54】経路を示す平面図である。
【図55】加工システムの構成を示す概略的なブロック
図である。
【図56】データ作成処理を示すフローチャートであ
る。
【図57】加工実行処理を示すフローチャートである。
【図58】輪郭線が鋭角になる部位について、加工残り
を示す図である。
【図59】図58に示す加工残りを加工するための経路
を示す図である。
【図60】輪郭線が鈍角になる部位について、加工残り
を示す図である。
【図61】図60に示す加工残りを加工するための突き
位置を示す図である。
【図62】図60に示す加工残りを加工するための突き
位置を示す図である。
【図63】従来の加工方法を示す平面図である。
【図64】工具の移動経路を示す斜視図である。
【図65】柱状の加工残りの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 形状線 14 領域線 32,34,36 基準線 100 ワーク 102 輪郭線 104 オフセット線 106a,106b,106c,106d 基準線 108a,108b,108c,108d 経路 P10,P12,P14,…,P1y,P1z 加工位
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 孝 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの加工領域を工具で加工する加工
    方法において、 その加工領域を形成する複数の領域線のうちワークの形
    状を形成する形状線を除いた輪郭線から加工領域の内側
    にオフセットさせた第1経路を生成し、 任意に特定した特定線とほぼ平行状に、領域線と第1経
    路とで囲まれる領域の内側にオフセットさせた第2経路
    を生成し、 第1経路と第2経路とが交差する第1交点を求め、 第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移
    動させ、加工を行う加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加工方法において、 第1経路と第2経路とが交差する交点であって、第1交
    点とは異なる第2交点を求め、 第1経路から第2交点を経て第2経路に沿って工具を移
    動させた後、第2経路から第1交点を経て第1経路に沿
    って工具を移動させ、加工を行う加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の加工方法において、 複数の領域線が少なくとも三つの形状線を含む場合に
    は、その少なくとも三つの形状線のうちいずれか少なく
    とも一つの形状線から所定厚さ以上の壁を予め残して第
    1経路を生成し、 予め残した壁を加工する第4経路を生成し、 第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移
    動させた後、第4経路に沿って工具を移動させ、加工を
    行う加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の加工方法において、 工具の移動を一時的に停止させる前に、第1経路または
    第2経路に沿ってピッチ幅で移動させて加工する際に生
    ずる加工残りと、加工領域内の未加工部位とに接触しな
    い方向に向けて工具を逃がす加工方法。
  5. 【請求項5】 ワークの加工領域を工具で加工する加工
    装置において、 その加工領域を形成する複数の領域線のうちワークの形
    状を形成する形状線を除いた輪郭線から加工領域の内側
    にオフセットさせた第1経路と、任意に特定した特定線
    とほぼ平行状に領域線と第1経路とで囲まれる領域の内
    側にオフセットさせた第2経路とを生成する経路生成部
    と、 第1経路と第2経路とが交差する第1交点を求める交点
    算出部と、 第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移
    動させ、加工を行う加工実行部と、 を有する加工装置。
  6. 【請求項6】 ワークの加工領域を工具で加工するため
    の加工データを作成するデータ作成装置において、 その加工領域を形成する複数の領域線のうちワークの形
    状を形成する形状線を除いた輪郭線から加工領域の内側
    にオフセットさせた第1経路と、任意に特定した特定線
    とほぼ平行状に領域線と第1経路とで囲まれる領域の内
    側にオフセットさせた第2経路とを生成する経路生成部
    と、 第1経路と第2経路とが交差する第1交点を求める交点
    算出部と、 第2経路から第1交点を経て第1経路に沿って工具を移
    動させるための加工データを出力するデータ出力部と、 を有するデータ作成装置。
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