JPH11306939A - 温度ヒューズ及び温度ヒューズの使用方法 - Google Patents

温度ヒューズ及び温度ヒューズの使用方法

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JPH11306939A
JPH11306939A JP11039298A JP11039298A JPH11306939A JP H11306939 A JPH11306939 A JP H11306939A JP 11039298 A JP11039298 A JP 11039298A JP 11039298 A JP11039298 A JP 11039298A JP H11306939 A JPH11306939 A JP H11306939A
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thermal fuse
heat
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thermal
temperature
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JP11039298A
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English (en)
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Tokihiro Yoshikawa
時弘 吉川
Tomohiro Tadokoro
智宏 田所
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Original Assignee
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 近年においては電子機器等に対する信頼性を
従来にもまして向上せねばならないという社会的要請と
高精度に電子機器を制御しなければならないという技術
的要請が高まり、特に温度ヒューズの応答性の向上が求
められている。 【解決手段】吸熱フイン11を有する温度ヒューズ10
を提供する。また、吸熱フインは、金属平板である。ま
た、金属平板は、リード線と一体に設けられた。また、
金属平板は、電極としても機能する。また、吸熱フイン
を、直接的に発熱被制御物に接触させる。また、温度ヒ
ューズを発熱被制御物との間に良熱導電体を介して配置
する温度ヒューズの使用方法。また、温度ヒューズを発
熱被制御物との間に断熱体を介して配置する温度ヒュー
ズの使用方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は温度ヒューズに関
し、特に機器が異常高温となるのを防止するために応答
性の良い構造を有する温度ヒューズ並びに応答性の良い
温度ヒューズの使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】以下に温度ヒューズについて従来の技術
を図面を参照しながら説明する。温度ヒューズは温度異
常の検出と回路の遮断機能を有する小型堅牢の構造を有
するものであり、家庭用あるいは産業用の電子機器の熱
の異常な上昇を検知し速やかに回路を遮断し機器の破損
や火災の未然防止を果たすものである。感熱素子には感
温ペレットを用いたタイプと低融点合金を用いたタイプ
とがある。一般的な動作温度範囲は感温ペレットを用い
たものが70℃〜240℃程度、低融点合金を用いたも
のが70℃〜180℃ないし190℃程度であり、定格
電流としては0.5アンペア〜15アンペア程度と幅広
い電流範囲に対応している。
【0003】温度ヒューズの特徴としては小型であり周
囲温度に対する感温性に優れていること、気密構造のた
めに特性の経時変化が少なく高い動作精度を有するこ
と、非復帰型であり一旦動作すると温度が下がっても復
帰しないこと、又用途に応じて多種類の温度ヒューズを
選ぶことによりその適用を最適化することができること
にある。また、特に最近においては所謂機器等に対する
安全性が高度化し、この種の温度ヒューズは産業界にお
いて広く一般に用いられるようになってきている。
【0004】具体的には電気こたつや電気ストーブ、電
気カーペット、アイロンやズボンプレッサー、ヘアドラ
イヤ、エアコンや扇風機、ガス風呂やガス給湯機、鉛筆
削り器、ミシン、液晶テレビやゲーム器、カラーテレビ
やステレオ、ビデオ、冷蔵庫、電気炊飯器、電子レン
ジ、蛍光灯、電気スタンド、トランスや電源、インバー
タ、充電器や充電池、パック電池、複写器やプリンタ等
種々の製品に用いられている。又産業用機械として他種
類の製造設備や加工設備に用いられている。
【0005】以下に図面を参照しながら従来の温度ヒュ
ーズについて説明する。先ず、温度ヒューズの使用の仕
方であるがこれについて図を用いて説明する。図13〜
図15は各種の温度ヒューズの使用の仕方を図をもって
示したものである。図13は大きな筒状の発熱被制御物
131が基板132上に取り付けられており、その発熱
被制御物131の近傍に温度ヒューズ130が同じく基
板132上に取り付けられている。
【0006】発熱被制御物131に通電される電流はこ
の温度ヒューズ130を介して与えられるようになって
おり、発熱被制御物131の温度が異常に高温となった
場合には安全性とその他の観点から発熱被制御物131
に供給される電流をこの温度ヒューズ130によって遮
断するようになっている。具体的には発熱被制御物13
1からの輻射熱が直接温度ヒューズ130本体の外壁を
通じて、後に説明する温度ヒューズ内部に配置されてい
る感温ペレットや低融点合金を加熱し、これらが溶融す
ることによって感温ペレットタイプのものはバネが作動
して接点を開放し電流が遮断され、また低融点タイプの
ものは電流通電路である低融点合金そのものが溶断して
それぞれ発熱被制御物131に対して電流の供給を停止
するようになっている。
【0007】また、この他にも例えば温度ヒューズを遮
断によって制御回路を動作し、その制御回路の動作によ
って発熱被制御物に供給される電流を遮断するというよ
うな構造をとる場合もある。次に図14について説明す
る。図14も図13に示す場合と同様であるが温度ヒュ
ーズ140の発熱被制御物141に対する取り付け方が
異なる。即ち前図の温度ヒューズ130の取り付け例は
発熱被制御物131の近傍に配置するのみであったが図
14の場合には発熱被制御物141に直接的に温度ヒュ
ーズ140を密着させバンド142等で締結して固定す
るようになっている。
【0008】このように発熱被制御物141に対して温
度ヒューズ140を密着させて配置することの利点は前
述の図13で示した場合に比べて輻射熱のみではなく、
直接発熱被制御物141の外壁を伝わってくる熱が温度
ヒューズ140の外壁を暖めるため発熱被制御物141
の温度変化に対する感度が良くなるというメリットがあ
る。また、異なる温度ヒューズの使用例として図15に
示すものを説明する。図15に示すものは発熱被制御物
151が極めて高温ないしはその他の理由により熱隔離
壁で隔離された状態でこの発熱被制御物151の異常加
熱を防止するための温度ヒューズ150の使用方法であ
る。
【0009】この場合には温度ヒューズ150は発熱被
制御物151の異常加熱を正確に検知すべく発熱被制御
物151が収納されている熱隔離壁152内すなわち発
熱被制御物151と同じ熱的環境下に温度ヒューズ15
0を配置し、発熱被制御物151の異常加熱によって温
度ヒューズ150が遮断するようにしている。以上説明
したように従来の温度ヒューズの使用の仕方としては発
熱被制御物の近傍に温度ヒューズを配置する場合や発熱
被制御物に密着して温度ヒューズを配置する場合ないし
は発熱被制御物が熱的に隔離されている場合には熱的に
同一環境において温度ヒューズを使用する場合等を挙げ
ることができる。
【0010】では、従来の温度ヒューズの一般的な構造
について低融点合金を使ったタイプのものと感温ペレッ
トを用いたタイプのものを夫々順に説明する。図16〜
図19までは所謂低融点合金を用いたタイプの温度ヒュ
ーズを説明するための図である。図16(a)に示すも
のは所謂低融点合金タイプの温度ヒューズ160の外観
斜視図を示すものであって温度ヒューズ160本体の両
端は樹脂等の有機物161によって封止されその部分か
らリード162が露出し内部ではこの両リード162,
162の中間に低融点合金等163が配置されている。
その断面図を示すものが同図(b)である。
【0011】一般的にこの種の温度ヒューズのケースは
セラミック等の管ないしは内部を絶縁材料で覆った金属
管等でできておりリードは封止樹脂によって封止されセ
ラミック管の内部に両端をリードで支えられて低融点合
金即ち可溶合金が配置されている。このタイプの温度ヒ
ューズにおいてはこの低融点合金が高温に加熱されるこ
とにより最終的には融点に達し両側に配置されているリ
ード間を流れる電流を遮断することによって発熱被制御
物の異常加熱を防止するという構造をとっているのであ
る。
【0012】次に図17について説明する。図17はこ
の種の温度ヒューズ170をプリント基板171上に配
置する場合の工程を示す図である。先ず図17に示す
ようにリード172の両端を垂直下方に折り曲げプリン
ト基板171に貫通穴を設けその部分に両端リード17
2を挿通し()同図に示すように下面部分をはんだ
槽175に浸漬して基板171の裏側から突出するリー
ドの部分172aをはんだ付けし同図に示すようにこ
のはんだを凝固させ不用なリードの部分172bを切り
取って最終的には基板171上にこの種の温度ヒューズ
170を固定するようにしている。勿論この種の温度ヒ
ューズ170の両端のリード172は発熱被制御物に繋
がっており発熱被制御物と回路を同一にするかないしは
発熱被制御物の供給回路を遮断するためのIC等に繋が
り発熱被制御物の異常加熱を電流遮断によって防止する
ことができるようになっている。
【0013】次に図18について説明する。図18はこ
の種の低融点合金を用いた温度ヒューズが外部の熱によ
ってどのように熱伝達が行われるかを示すものである。
図18(a)は基板181上の左側に発熱被制御物18
2が配置され、その右側の基板181上に温度ヒューズ
180が配置されている。発熱被制御物182はその外
壁の全体から熱輻射を行い一部は基板181上に直接伝
導し、熱輻射と熱伝導により温度ヒューズ180に対し
て熱が伝えられる。熱輻射のものは空間中を直接的に伝
わって温度ヒューズ180の外壁に到達し、更にその外
壁から内壁を介し温度ヒューズ本体中に収納されている
低融点合金183に熱輻射を行う。
【0014】また、基板181を介して熱伝導されるも
のは基板181上に温度ヒューズ180の外壁が接して
いる場合には前述と同様に基板181から温度ヒューズ
180の外壁、温度ヒューズの外壁180から内壁さら
に内壁から低融点合金183という具合に熱が伝えら
れ、また、基板181上のリード184を伝導して低融
点合金体183に熱が伝えられる場合もある。特にリー
ド184は一般的に金属材料からなっており金属材料は
良熱伝導体であるためこのリード184から伝熱される
熱量は熱輻射によるものと比較しても十分大きい量の熱
を伝達していると考えられる。前述のようにこの種の温
度ヒューズの場合にはこの熱伝達によって低融点合金の
融点程度まで温度が上昇し、その時点で低融点合金体が
溶断して電流が遮断されるのである。この過程を示すの
が図19に示すものである。
【0015】図19(a)(b)(c)は夫々温度が上
昇していくにしたがって温度ヒューズ本体内に収納され
ている低融点合金がどのように変化するかを示すもので
ある。同図(a)に示す場合にはほぼ常温ないしは多少
加熱された状態を示すものであり、同図(b)に示すも
のは機器の異常高温により周囲温度が上昇し従って温度
ヒューズ190の外壁192やリード194を通じて低
融点合金193に伝えられる熱が多くなり低融点合金体
193の中央部193aが一部半溶融状態になりかけて
いるところを示すものである。さらに同図(c)に示す
ものは加熱が更に進んで機器の異常高温が危険域に達し
温度ヒューズ190もそれに応じて溶断し溶融した低融
点合金体193がリード194の両端に表面張力により
凝集して塊193bとなり最終的に回路が遮断されたと
ころを示すものである。このように温度ヒューズ190
は周囲温度の上昇により伝わる熱量の増加によって低融
点合金193の中央部分193aが徐々に溶解し始め、
最終的には中央部分193aから溶断して溶融状態の低
融点合金の塊193bがリード194の端部に表面張力
によりかたまるという状態で動作が終わるのである。
【0016】次に前述の感温ペレットタイプの温度ヒュ
ーズについて説明する。感温ペレットタイプの温度ヒュ
ーズは図20に示すようなものである。図20(a)は
平常時図20(b)は動作時の感温ペレットタイプの温
度ヒューズ200の状態を示す。先ず、図(a)の状態
であるが感温ペレット205は図中温度ヒューズ本体内
部の右側に収納されている円筒形の固体であり、その左
側には二つのバネ203,204が可動電極202を間
に介して収納されている。そしてこの可動電極202は
温度ヒューズ本体左側に突出するリード207に接触し
ており電流はこのリード207から可動電極202を介
し温度ヒューズ本体の導電性の内壁201を通じて右側
のリード208に至り、これによって左側のリード20
7から右側のリード208に対する電流の導通が確保さ
れるのである。このような感温ペレットタイプが動作す
るとどのようになるかを示すのが図(b)である。
【0017】前述の感温ペレット205は温度の上昇に
より溶融し感温ペレットの溶融により感温ペレットに隣
接して配置されているバネ204が開放され、それと同
時にこのバネ204と可動電極202を介して接してい
る第二のバネ203も開放し、二つのバネが開放するこ
とにより可動電極202は左側のリード207から離隔
するようになる。すると左側のリード207から可動電
極202、温度ヒューズの本体の内壁201、右リード
208という経路をたどって流れていた電流は左側のリ
ード207と可動電極202との離隔が生じるためにこ
の部分で遮断され、最終的に左側のリード207から右
側のリード208へ導通する電流経路が断れることとな
る。
【0018】このようにしてこの種の感温ペレットタイ
プの温度ヒューズにおいては感温ペレットが所定の溶融
温度に達した時点で二つのバネが開放され可動電極が左
側のリード端部から離隔することによって電流経路を開
放し電流の遮断を実現するという構造を取っているので
ある。いずれにしても温度ヒューズは外形的にはリード
及び可溶体を収納した筒状の構造物から成っているもの
であっていずれの種類の温度ヒューズを使うかは使用温
度や使用環境等によって最適なものを選べばよいのであ
る。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の温
度ヒューズは用いられているのであるが前述のように近
年においては電子機器等に対する信頼性を従来にもまし
て向上せねばならないという社会的要請と高精度に電子
機器を制御しなければならないという技術的要請が高ま
り、特に温度ヒューズの応答性の向上が求められてい
る。図21は本発明の課題を示すものであって横軸に時
間、縦軸に温度をとり発熱被制御物の温度上昇と温度ヒ
ューズとの動作の関係を示すものである。
【0020】温度ヒューズが危険温度で回路を遮断する
構造になっているとする。同図(a)に示すように発熱
被制御物の温度は何らかの異常現象により図のように時
間を経るに従って徐々に危険温度に近づいて行き最終的
には危険温度を通過してさらに温度が上昇しようとす
る。この場合に前述の図13で示したように温度ヒュー
ズ130を発熱被制御物131の近傍に配している場合
には一般的には温度ヒューズ130は一定のタイムラグ
をおいてその温度が上昇していき、図に示すように最終
的には発熱被制御物の温度が危険温度を多少越えたとこ
ろで温度ヒューズの温度が危険温度に達し、回路を遮断
するという構成になっている。
【0021】これは発熱被制御物から温度ヒューズに対
する熱の伝導に時間がかかること及び発熱被制御物と温
度ヒューズとの間には熱抵抗があるため必ずしも発熱被
制御物に応答して温度ヒューズの温度が上昇しないとい
うことを理由として上げることができる。従って発熱被
制御物が危険温度に達してから温度ヒューズが動作して
発熱被制御物の電流を遮断するまでには前述のように一
定のタイムラグを要することになる。以上が発熱被制御
物と温度ヒューズの回路遮断との一般的な関係について
示したものであるが更にこのような場合問題となる点を
同図(b)を参照しながら説明する。
【0022】同図(b)は温度ヒューズの配置ないしは
その周囲のものによって条件1条件2条件3と3つの条
件があった場合の温度ヒューズの動作の様子を示すもの
である。発熱被制御物の温度は時間と共に徐々に危険温
度に近づいていくが図に示すように温度ヒューズの配置
の仕方等によって温度ヒューズと発熱被制御物との間の
熱抵抗に各種の条件が設けられる場合には必ずしも温度
ヒューズが同一の条件で作動しないで条件1の場合には
比較的タイムラグが少なく、条件2の場合にはタイムラ
グが大きく、条件3の場合にはさらにタイムラグが大き
く動作するようになる。このように条件によってタイム
ラグが異なれば結果として温度ヒューズが必ずしも発熱
被制御物の危険温度を感知し電子機器全体の危険状態を
回避することができないという問題に発展する。
【0023】これは同一の条件であれば必ず再現良く同
一のタイムラグでもって温度ヒューズが動作するという
種類のものでなく全く同じ電子機器であって温度ヒュー
ズと発熱被制御物間の熱抵抗が定常状態では同一であっ
てもその使用環境、例えば外気の温度、湿度、その他周
囲の風通し等によって条件が異なり温度ヒューズの動作
にばらつきが生じるのである。即ちこのように温度ヒュ
ーズの動作にばらつきが生じる原因は温度ヒューズと発
熱被制御物との間に不安定な熱抵抗があってその熱抵抗
が各種の条件によって変動することによるものである。
【0024】これは前述の図14に示したような場合で
あってもそのタイムラグの大小が多少縮まる程度であっ
てやはり同様な問題が見られるのである。また同図15
に示す場合であっても同様である。これらは温度ヒュー
ズが極めて高い信頼性でもって動作しなければならない
という社会的技術的要請に鑑みれば問題となるのであっ
て、さらにタイムラグの小さいないしは応答性のよい温
度ヒューズないしは温度ヒューズの使用方法の実現が望
まれるのである。
【0025】次に図22について説明する。図22は例
えば低融点合金タイプの温度ヒューズ220を例にとっ
てこのような温度ヒューズ220が基板221に対して
据え付けられる工程で熱がどのように移動するかを示す
ものである。この種の温度ヒューズ220が基板221
に据え付けられるためにはリード222の部分がはんだ
付け、あるいは抵抗溶接されなければならず、従ってリ
ード222から温度ヒューズ220の低融点合金223
に対して製造工程においても熱の伝導が見られる。する
と同図(b)に示すように極端な場合には低融点合金体
223の中央部分において一部が溶融し再固溶したりす
ることなどして劣化が見られるようになるのである。
【0026】このように低融点合金体223に劣化部分
223aが生じるとその部分223aの断面が変動する
ことにより低融点合金体223そのものの抵抗値が変わ
り発熱が通常よりも多くなったり又多少の熱で低融点合
金体223が完全に溶断してしまって所望する動作温度
以下で誤動作してしまうという問題を生じるのである。
以上のように温度ヒューズ220は回路中に配置される
際に必ず加熱工程を経なければならないのであるが、こ
のように製造工程の加熱によって温度ヒューズ内部の低
融点合金223ないしは感温ペレットが損傷し信頼性の
高い温度ヒューズの動作を確保することができないとい
う問題点もあるのである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、吸熱フインを有する温度ヒューズを提供す
る。また、前記吸熱フインは、金属平板である温度ヒュ
ーズを提供する。また、前記金属平板は、リード線と一
体に設けられた温度ヒューズを提供する。また、前記金
属平板は、電極としても機能する温度ヒューズを提供す
る。
【0028】また、前記吸熱フインを、直接的に発熱被
制御物に接触させる請求項1〜4のいずれか一に記載の
温度ヒューズの使用方法を提供する。また、温度ヒュー
ズを発熱被制御物との間に良熱導電体を介して配置する
温度ヒューズの使用方法を提供する。また、温度ヒュー
ズを発熱被制御物との間に断熱体を介して配置する温度
ヒューズの使用方法を提供する。また、前記請求項1〜
4のいずれか一に記載された温度ヒューズの本体を発熱
被制御物とは熱的に隔離された場所に配置すると共に、
吸熱フインを発熱被制御物と同じ熱的環境下に配する、
温度ヒューズの使用方法を提供する。
【0029】
【発明の実施の形態】以上説明したように本発明者等は
請求項1〜8に記載した発明によって上述の問題点、即
ち温度ヒューズの応答性ないしは発熱被制御物の温度上
昇に対するタイムラグの減少及び製造工程における熱損
傷の排除を図からんとするものである。以下に図面を参
照しながら請求項1〜8の順に本発明者等の発明につい
てその実施の形態を説明する。請求項1記載の発明は前
述のように吸熱フインを有する温度ヒューズである。
【0030】吸熱フインとは特に一般的に用いられてい
るフインとその意味するところは変わらず呼び名は特に
発熱フインであってもかまわない。要は温度ヒューズに
対する熱伝導を良くするためのフインで吸熱フインとい
う言葉をつかっているのである。この吸熱フインの例と
して必ずしも羽根形状のものである必要はなくブロック
状のものであってもよい。図1〜図3は本発明者等が発
明した吸熱フインを有する温度ヒューズの実施例であ
る。図1は温度ヒューズ10の周囲が良熱伝導体からな
るブロック状の吸熱フイン11で覆われており、周囲の
温度変化に敏感に対応することができるようにした温度
ヒューズである。
【0031】この良熱伝導体からなるブロック状の吸熱
フイン11は材料として例えば金属やセラミックスを使
うことができる。金属は一般的に熱伝導率が高くこの種
のブロック状の吸熱フイン11としては極めて優れた材
料である。鉄や銅のようなものであってもよい。また、
セラミックス材料であってもこの吸熱フイン11として
用いることができる。例えば、アルミチタンカーバイド
即ちアルチックのようなものや窒化アルミのようなもの
が熱伝導性が高いセラミックス材料として知られてい
る。このようなセラミックス材料のブロック状のものの
中央部に貫通穴12をあけ、その貫通穴12の内部に従
来の温度ヒューズ10aを挿通し固定したものが本発明
請求項1にかかる吸熱フイン11を有する温度ヒューズ
10である。
【0032】次に図2の実施の形態について説明する。
図2の実施の形態は従来の温度ヒューズ20aの外壁に
砂状の良熱伝導体からなる吸熱フイン21を設けたもの
である。この砂状の良熱伝導体は前述のブロック状の吸
熱フインに用いられていた材料と同等のもの即ち金属材
料やセラミックス材料でよい。具体的には鉄や銅、アル
ミチタンカーバイドや窒化アルミのようなものである。
このように砂状の良熱伝導体からなる吸熱フイン21を
従来の温度ヒューズ20aの外壁に配置する手段として
は従来の温度ヒューズ20aの外壁上に接着剤を塗布し
て砂状の良熱伝導体の中に浸けてやりその外壁に砂状の
良熱伝導体を配するような製造方法が考えられる。
【0033】なお、この工程は必ずしも最終段階で行う
必要はなく温度ヒューズの円筒状のケースを製造する段
階でこのような製造工程をとってもよいことはいうまで
もない。又図3に示すものは従来の温度ヒューズ30a
のケースの外部に金属製のワイヤ31を密着させ巻き付
けたものである。金属製のワイヤ31は前述のように金
属が良熱伝導体のものであるので周囲からの熱を吸収し
易く結果として温度ヒューズ30の熱応答性をよくする
ことができるのである。
【0034】次に請求項2記載の発明について説明す
る。請求項2に記載する発明は前記吸熱フインは金属平
板である請求項1に記載の温度ヒューズである。請求項
1記載の発明においては吸熱フインとしてブロック状の
もの砂状のものワイヤ状のものを具体例として記載した
が請求項2に記載する発明においては金属平板を前記吸
熱フインの形状として採用している。このように吸熱フ
インとして金属平板を用いるのは金属平板は良熱伝導体
であり、また外気との接触面積が大きいため外気の熱を
良好に吸収して周囲の温度上昇を敏感に温度ヒューズの
低融点合金や温度ヒューズ内の感温ペレットに伝えるこ
とができるためである。
【0035】また、図4に示すような場合には金属平板
41が四角形であってその中に温度ヒューズ40aが挿
通されているから円筒状の温度ヒューズ40aがプリン
ト基板上に載置された際にころころと転がってはんだ接
続等がし難いという問題点をも解消することができる。
従ってこのような種類の温度ヒューズ40は所謂表面実
装工程を用いてプリント基板に実装することも可能であ
る。
【0036】また、図5に示すものは同様に請求項2記
載の発明の実施例であって金属平板51が温度ヒューズ
50aの外壁から法線方向に垂接されて全体が覆われて
いる形の温度ヒューズ50である。この場合も同様に金
属平板51は熱伝導性が高いので周囲温度の上昇を敏感
に感知して温度ヒューズ50aの内部に収納されている
低融点合金体や感温ペレットに熱を素早く伝達すること
ができるというメリットがある。また、図5に示すもの
の場合も図4に示すものの場合と同様にその金属平板の
加工形状によってはこれをプリント基板上に載置した場
合にころころと転がるようなこともなく表面実装機を用
いて実装するのに好都合の実施例である。
【0037】次に図6に示す温度ヒューズについて説明
する。図6に示す温度ヒューズ60は請求項3に記載の
温度ヒューズである。請求項3記載の温度ヒューズとは
前記金属平板61はリード62と一体に設けられた請求
項2記載の温度ヒューズである。請求項3記載の発明は
請求項1及び請求項2記載の発明を更に限定したもので
あって金属平板61が温度ヒューズ60の本体外壁では
なく温度ヒューズ60aの両端部に突出しているリード
62に設けられたものである。
【0038】このように温度ヒューズ60aのリード6
2に金属平板61を設けることのメリットは前述した課
題との関係で言えばリード62から製造工程において温
度ヒューズ60aの内部に収納されている低融点合金や
感温ペレットに伝熱する熱を外部に放出するという役目
を果たす点にある。この吸熱フインは前述のように外部
の温度を敏感に反映して温度ヒューズの動作特性即ちタ
イムラグを小さくし熱応答性を良くすることに資するも
のであるが同時に製造工程における問題点、即ち温度ヒ
ューズ60のリード62を伝わってきた熱が温度ヒュー
ズ60本体内に収納されている低融点合金や感温ペレッ
トを使用以前に劣化させるという問題を解消させるとい
うためのものである。
【0039】前述のように製造工程において温度ヒュー
ズを劣化させる原因である伝熱はこのリード線部分を伝
わって されるものであるからリード線部分に前記吸
熱フインを設ければ実際に使用時において吸熱フインが
吸熱作用をすることのほかに製造工程においては吸熱フ
インが放熱フインとして働くため製造工程中における温
度ヒューズ本体内に収納される低融点合金体や感温ペレ
ットの熱損傷を有効に防止することができるのである。
【0040】次に請求項4記載の発明について説明す
る。請求項4記載の発明は前記金属平板は、電極として
も機能する請求項3に記載の温度ヒューズである。即ち
請求項4記載の発明は請求項3記載の発明を更に限定し
たものであって、図7に示すように、吸熱フインとして
の金属平板71はリード72に設けられている上に更に
電極としても働くような構造を採用しているものであ
る。このようにすると請求項3記載の発明と同様に使用
状態のみならずその製造工程における熱損傷も防止する
ことができるというメリットの他に金属平板71を電極
としても採用することができるので製造工程で各種の有
利な点があるのである。
【0041】前述のようにこのようにすれば温度ヒュー
ズをプリント基板上に載置する際に温度ヒューズの本体
が円筒形のものであってもころころと転がって実装が困
難になるというような問題もないため自動の表面実装機
をもちいて実装することができ、又、金属平板が比較的
大面積に確保することができるので単にリードがある場
合と異なり基板上の回路設計が容易になり自由度に富む
回路設計ができるのである。このような場合に金属平板
と両端リードとの接合の方法であるが各種の接合方法が
考えられる。はんだを用いて接合する方法、溶接を用い
る方法、その他導電性接着剤を用いる方法や両端のリー
ドを圧延によって平板状に加工するというような方法も
考えられる。
【0042】また、この請求項4に記載の発明の効果を
図でもって現したのが図8である。図8に示すのはこの
種の温度ヒューズ80をプリント基板84上に載置した
場合にその断面構造とその場合の熱の伝達の様子を示す
ものである。この種の温度ヒューズ80を基板84上に
載置する場合には前述のようにリード82部分をプリン
ト基板84上にはんだ接続等することが必要であっては
んだ接続のためにはある程度の熱をその部分に加えなけ
ればならないがこの熱がこのリード82を伝わって内部
に収納されている低融点合金に熱損傷を与えるというの
が課題であった。
【0043】しかしながらこの種の温度ヒューズ80に
おいては電極が金属平板81で大面積となっているため
この部分で発生した熱がこの部分から大気中に放散する
ことによりリード82を伝わって低融点合金に伝熱する
熱の量を少なくすることができ結果としては熱損傷を回
避することができるのである。このように熱放散する様
子を矢印で示したのが図8である。従って製造工程では
前述のようにこの種の温度ヒューズの金属平板は吸熱フ
インではなく放熱フインとしても働くのである。
【0044】次に請求項5記載の発明について説明す
る。請求項5記載の発明は温度ヒューズの使用方法であ
る。前記吸熱フインを、直接的に発熱被制御物に接触さ
せる請求項1〜4のいずれか一に記載の温度ヒューズの
使用方法である。これを図をもって示したのが図9であ
る。図9に示すように基板94上に円筒形状の発熱被制
御物91が載置されていたとし、この発熱被制御物91
が異常加熱した場合には何らかの手段によってこの電流
回路を遮断する必要があるとする。
【0045】この場合に本発明にかかる温度ヒューズ9
0の使用方法は温度ヒューズ90aに吸熱フイン92を
設けた前記請求項1〜4に記載の温度ヒューズを使用す
るとともにこの温度ヒューズに設けられた吸熱フイン9
2を直接的に発熱被制御物91に接触させるのである。
すると温度ヒューズ90に対して与えられる熱は発熱被
制御物91から熱放射によって温度ヒューズの外壁に到
達する熱の他に、ないしは発熱被制御物91から基板9
4上及びリード93を伝わって熱伝達してくる熱の他に
本発明記載の特徴である吸熱フイン92を伝達して温度
ヒューズ90aに到達するものもある。従って従来のも
のと比べて温度ヒューズ90に与えられる熱量が多くな
り応答性に富み、動作のためのタイムラグの小さい温度
ヒューズ90を実現することができるのである。
【0046】この吸熱フインの熱伝導は先ず一つの点は
発熱被制御物に直接的に吸熱フインが接触しているため
熱伝導によって吸熱フインに与えられるもの及び発熱被
制御物から一旦放射された熱が空間中を通って吸熱フイ
ンに与えられ、この吸熱フインから温度ヒューズ本体に
与えられるものがある。いずれにしても温度ヒューズが
はだかの状態で発熱被制御物の横に載置されている場
合、ないしは放熱フインを有する温度ヒューズであって
も離隔した状態で発熱被制御物の横に配置されている場
合に比べて発熱被制御物の熱量を敏感に感じ取ることが
できるのでタイムラグが小さく熱応答性がよい温度ヒュ
ーズないしは温度ヒューズの使用方法を実現することが
できるのである。
【0047】次に請求項6記載の発明について説明す
る。請求項6記載の発明は前述のように温度ヒューズを
発熱被制御物との間に良熱導電体を介して配置する温度
ヒューズの使用方法である。本発明を図をもって示した
のが図10である。図10aはこのようにして発熱被制
御物101との間に良熱伝導体102を介して温度ヒュ
ーズ100を配置した際の斜視図である。この場合温度
ヒューズ100は良熱伝導体102中に埋め込むような
形で載置され良熱伝導体102の相当の面積が発熱被制
御物101に直接的に密着している。従ってこの場合の
熱は発熱被制御物101から良熱伝導体102そして良
熱伝導体102から温度ヒューズ100という風に熱伝
導によって直接的に伝えられるのである。
【0048】これを示すのが同図断面図(b)である。
同図(b)断面図に示すようにこの良熱伝導体102は
発熱被制御物101の外壁の大面積にわたって広げられ
ているので発熱被制御物101から発生する相当量の熱
量を良熱伝導体102に取り込むことができる。この良
熱伝導体102への取り込みはこの良熱伝導体102が
発熱被制御物101に対して大面積で接触していればい
るほど大きいものとなり感度が高くタイムラグの小さい
利用方法を実現できる。同図(b)に示すような場合良
熱伝導体102に対して発熱被制御物101の外壁から
熱が吸収されこの良熱伝導体102を通じて温度ヒュー
ズ100の外壁に熱が直接的に伝えられる。従って非常
に熱応答性のよいタイムラグの小さな温度ヒューズ10
0の溶断が可能となる。
【0049】この種の良熱伝導体としては各種のものが
考えられるが例えば金属粉末を混入したプラスチック状
のものや金属粉末を混入したゴム状のものないしは金属
粉末を混入して発熱被制御物の外壁に張りつける有機接
着剤のようなものであってもよい。但し従来のように発
熱被制御物にこの温度ヒューズを貼り付ける使用方法と
の相違点は良熱伝導体によって温度ヒューズ全体が覆わ
れており、良熱伝導体は発熱被制御物と温度ヒューズと
の間にのみ配されるものでないという点である。即ちこ
の発明は言わば温度ヒューズの全体を良熱導電体で覆っ
たうえに良熱伝導体を発熱被制御物に対して大面積で密
着させた構造のようなものをいうのである。
【0050】次に請求項7記載の発明について説明す
る。請求項7記載の発明は前述のように温度ヒューズを
発熱被制御物との間に断熱体を介して配置する温度ヒュ
ーズの使用方法である。本発明は断熱体を用いているの
で前述のようにむしろタイムラグを小さくするという本
発明の以上に述べた種類の効果とは異なる効果を有す
る。即ち断熱体を用いるのでむしろ発熱被制御物の温度
上昇に追随はするものの温度ヒューズの熱上昇は大きな
タイムラグを持つようになる。
【0051】しかしながら発熱被制御物と温度ヒューズ
との間には断熱体が密着しているのでこの発熱被制御物
と温度ヒューズとの間の熱抵抗は周囲の環境によって変
動するというようなことが少ない。従ってこの温度ヒュ
ーズは発熱被制御物の温度が上昇した後、常に一定の再
現性をもったタイムラグでもって温度ヒューズの温度を
上昇させ最終的に回路を遮断することができるのであ
る。これは従来技術で示したように従来の温度ヒューズ
はその動作温度が高々2百数十度程度であったが実際に
は発熱被制御物の温度をそれ以上の温度で遮断したとい
う場合もある。
【0052】このような場合には従来一般的に温度ヒュ
ーズを配置する位置を発熱被制御物から相当量離隔して
配置していたのであるがこの場合には回りの環境例えば
空気の流れや外気温度湿度等によってその条件が異なっ
て温度ヒューズの動作が不安定になるという問題点があ
った。しかしながらこの発明の場合には温度ヒューズと
発熱被制御物との間は断熱体で埋めれているためにその
ような周りの条件によって温度ヒューズの動作が不確定
になるというようなことはない。そして従来温度ヒュー
ズが実現することができなかった温度例えば300℃〜
400℃程度の温度で温度ヒューズを動作することがで
きるようになるのである。
【0053】即ちこの図11に示す温度ヒューズ110
は従来の温度ヒューズと全く同様なものであって仮に2
00℃で動作するとする。しかしながら発熱被制御物1
11の温度を400℃で動作させたいとする場合には発
熱被制御物111の温度が400℃程度になった場合に
温度ヒューズ110の温度が200℃程度になるように
断熱体112の熱抵抗を設計するのである。そうすれば
温度ヒューズ110が動作する温度はその部分では20
0℃なのであるが実際には発熱被制御物112が400
℃程度になってはじめて温度ヒューズ110が溶断する
こととなり動作としては発熱被制御物111の温度を4
00℃で回路遮断することが実現するのである。この種
の断熱体112としては発砲スチロール等の比較的空気
を多く含んだ有機材料がよい。
【0054】次に請求項8記載の発明について説明す
る。請求項8記載の発明は前述のように前記請求項1〜
4のいずれか一に記載された温度ヒューズの本体を発熱
被制御物とは熱的に隔離された場所に配置すると共に、
吸熱フインを発熱被制御物と同じ熱的環境下に配する、
温度ヒューズの使用方法である。前述のように従来の使
用方法においてはこのように熱的に隔離された場合、温
度ヒューズはその発熱被制御物と同様の環境下に置かな
ければならないため熱隔離壁の内部に配置されなければ
ならなかった。
【0055】しかしながら本発明においては、図12に
示すように温度ヒューズ120を熱隔離壁121の外部
に配置し発熱被制御物122と温度ヒューズ120とを
吸熱フイン123でもって接続するという方法を採用す
る。そうすれば温度ヒューズ120本体は発熱被制御物
122の外部に配置されていて熱は吸熱フイン123を
伝わって温度ヒューズ120に伝えられるので温度ヒュ
ーズ120が熱的に隔離されたところにあっても精度よ
く動作することができるというメリットを有する。特に
このように配置するのは例えば熱隔離壁121の内部が
高温や高圧あるいは腐食環境等過酷な環境である場合に
温度ヒューズ120本体がそのような環境に耐えられな
いときに、このように熱隔離壁121の外部、即ちよい
環境の部分に本体を置いて熱のみをこの部分から伝える
ことにより温度ヒューズ120を動作することができる
というメリットがあるのである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば吸熱
フインを有する温度ヒューズであってその吸熱フインと
して色々な工夫をし、またその使用方法として吸熱フイ
ンを直接的に発熱被制御物に接触させる等したので従来
の温度ヒューズに比べて熱応答性がよくなり、またタイ
ムラグの小さい温度ヒューズの使用方法を実現すること
ができる。また、断熱体を発熱被制御物との間に介した
場合には再現性がよく且つ従来の温度ヒューズでは実現
することができなかった動作温度でもって温度ヒューズ
を使用することができる。また、例えば請求項4記載の
発明においては金属平板を電極としても機能するように
したので円筒状のケースを有する温度ヒューズであって
も基板上に載置した際にころころと転がらず且つ製造プ
ロセスの加熱状態において熱損傷を受けないような構造
であるので極めて信頼性の高い温度ヒューズを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の温度ヒューズの周囲が良熱伝導体か
らなるブロック状の吸熱フインで覆われている図。
【図2】 本発明の温度ヒューズの外壁に砂状の良熱伝
導体からなる吸熱フインを設けたものを示す図。
【図3】 本発明の温度ヒューズの外部に金属製のワイ
ヤを巻き付けたものを示す図。
【図4】 複数の四角形の金属平板に温度ヒューズが挿
通されたものを示す図。
【図5】 温度ヒューズの長手方向に金属平板を配置し
たものを示す図。
【図6】 リードに金属平板が一体に設けられた温度ヒ
ューズを示す図。
【図7】 リードに設けられた金属平板が電極として働
くような構造の温度ヒューズを示す図。
【図8】 請求項4記載の発明の効果を示す温度ヒュー
ズの断面図。
【図9】 本発明の吸熱フインを設けた温度ヒューズと
発熱被制御物を載置した基板の斜視図。
【図10】 発熱被制御物との間に良熱伝導体を介して
温度ヒューズを配置した基板の斜視図
【図11】 発熱被制御物との間に断熱体を介して温度
ヒューズを配置した基板の斜視図。
【図12】 温度ヒューズを熱隔離壁の外部に配置し発
熱被制御物と温度ヒューズとを吸熱フインでもって接続
した使用方法を示す断面図。
【図13】 基板上の大きな発熱被制御物の近傍に取り
付けられた温度ヒューズを示す図。
【図14】 温度ヒューズの遮断によって制御回路を動
作させ発熱被制御物の異常加熱を防止する使用方法を示
す図。
【図15】 熱隔離壁で隔離された発熱被制御物の異常
加熱を防止する使用方法を示す図。
【図16】 従来の低融点合金タイプの温度ヒューズの
斜視図及び断面図。
【図17】 従来の温度ヒューズのプリント基板上への
設置工程を示す図。
【図18】 従来の温度ヒューズの発熱被制御物からの
熱伝達の様子を示す図。
【図19】 従来の温度ヒューズが溶断する過程を示す
図。
【図20】 従来の感温ペレットタイプの温度ヒューズ
の側断面図。
【図21】 発熱被制御物と温度ヒューズの温度上昇カ
ーブの関係を表す図。
【図22】 低融点合金タイプの温度ヒューズを基板に
据え付けるときの熱移動(a)とそれによる低融点合金
の劣化(b)を示す図。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70,80,9
0,100,110,120 温度ヒューズ 11,21,31,41,51,61,71,81,9
2,123 吸熱フイン 41,51,61,71,81 金属平板 62,72,82,93 リード 91,101,111,122 発熱被制御物 102 良導電体 112 断熱体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸熱フインを有する温度ヒューズ。
  2. 【請求項2】前記吸熱フインは、金属平板である請求項
    1に記載の温度ヒューズ。
  3. 【請求項3】前記金属平板は、リード線と一体に設けら
    れた、請求項2に記載の温度ヒューズ。
  4. 【請求項4】前記金属平板は、電極としても機能する請
    求項3に記載の温度ヒューズ。
  5. 【請求項5】前記吸熱フインを、直接的に発熱被制御物
    に接触させる請求項1〜4のいずれか一に記載の温度ヒ
    ューズの使用方法。
  6. 【請求項6】温度ヒューズを発熱被制御物との間に良熱
    導電体を介して配置する温度ヒューズの使用方法。
  7. 【請求項7】温度ヒューズを発熱被制御物との間に断熱
    体を介して配置する温度ヒューズの使用方法。
  8. 【請求項8】前記請求項1〜4のいずれか一に記載され
    た温度ヒューズの本体を発熱被制御物とは熱的に隔離さ
    れた場所に配置すると共に、吸熱フインを発熱被制御物
    と同じ熱的環境下に配する、温度ヒューズの使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011064912A1 (ja) 2009-11-30 2011-06-03 宝商株式会社 感温ペレット式温度ヒューズ
WO2019182405A1 (ko) * 2018-03-23 2019-09-26 한온시스템 주식회사 냉각수 히터

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