JPH1130667A - 変位情報検出装置 - Google Patents

変位情報検出装置

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JPH1130667A
JPH1130667A JP18821397A JP18821397A JPH1130667A JP H1130667 A JPH1130667 A JP H1130667A JP 18821397 A JP18821397 A JP 18821397A JP 18821397 A JP18821397 A JP 18821397A JP H1130667 A JPH1130667 A JP H1130667A
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JP
Japan
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intersection
light
temperature
predetermined position
displacement information
Prior art date
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Withdrawn
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JP18821397A
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English (en)
Inventor
誠 ▲高▼宮
Makoto Takamiya
Hidejiro Kadowaki
秀次郎 門脇
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度を維持しながら低価格化を実現できる
変位情報検出装置を提供する。 【解決手段】 2光束の交差部の少なくとも所定位置に
干渉縞を発生させ、該交差部からの散乱光を受光して該
交差部を通過する物体の変位情報を検出する装置であっ
て、温度変動による前記所定位置における干渉縞間隔の
変動を少なくとも該2光束の収束発散状態の変更によっ
て補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動する物体の変
位情報を非接触で測定する変位情報検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、物体の変位情報を非接触且つ
高精度に測定する装置として、レーザードップラー速度
計やレーザーエンコーダーが使用されている。レーザー
ドップラー速度計では、移動する物体や流体にレーザー
光を照射し、移動物体もしくは移動流体による散乱光の
周波数が、移動する速度に比例して偏移(シフト)する
効果(ドップラー効果)を利用して、前記移動物体もし
くは移動流体の移動速度を測定する装置である。
【0003】従来のレーザードップラー速度計の一例を
図1に示す。
【0004】1’はガスレーザー、3は平行光束、4は
ビームスプリッター、6a、6bはミラー、7は測定ヘ
ッドに対向し速度Vで矢印方向に移動している被測定物
であり、8は集光レンズ、9は光検出器である。
【0005】ガスレーザー1’から出射された平行光束
3は、ビームスプリッター4に照射され、二光束5a及び
5bに分割されてミラー6a、6bで反射されたのち、光軸垂
直方向に速度Vで移動している被測定物7に入射角θ
(交差角2θ)で二光束照射される。物体からの散乱光
は、集光レンズ8を介して光検出器9で検出される。二
光束による散乱光の周波数は、移動速度Vに比例して各
々+Δf、−Δfのドップラーシフトを受ける。ここ
で、レーザー光の波長をλとすれば、fは次の(1)式
で表すことができる。
【0006】 Δf=V・sin(θ)/λ … (1)
【0007】+Δf、−Δfのドップラーシフトを受け
た散乱光は、互いに干渉しあって光検出器9の受光面で
の明暗の変化をもたらし、その周波数Fは次の(2)式
で与えられる。
【0008】 F=2・Δf=2・V・sin(θ)/λ … (2)
【0009】(2)式から、光検出器9の周波数F(以
下ドップラー周波数と呼ぶ)を測定すれば被測定物7の
速度Vが求められる。
【0010】また最近は、より小型化された、低価格の
非接触速度計が求められている。
【0011】図2は、小型化を可能とする光学系を実現
するレーザードップラー速度計の一例である。
【0012】レーザー1から出射されたレーザー光は、
コリメーターレンズ2によって平行光束3となり、格子
ピッチdが同一で向きが逆向きのブレーズド回折格子G
1、G2よりなる回折格子に角度φにて斜入射され、回
折格子G1により回折光R1が、また回折格子G2によ
り回折光R2が生じ、それぞれd・sin(θ)=λの関
係を満たす回折角θにて射出される。光軸に垂直方向に
速度Vで移動している被測定物7にそれぞれ交差角2θ
で二光束照射されると、そこからの散乱光は、光検出器
9で検出され、そのビート周波数Fは(2)式同様、 F=2・V・sin(θ)/λ となる。ここで、この交差半角θは回折角θと等しいた
め、 d・sin(θ)=λ … (3) の関係が成立する。(2)式、(3)式から、以下のよ
うな波長λ依存性のない式が導出される。
【0013】 F=2・V/d … (4)
【0014】以上のような構成により、今までになく小
型で、レーザーの波長依存性がない構成、つまりはセン
サーの温度依存性を無くす構成が可能となる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、図1の
ようなプリズムを使用した構成では、(2)式から解る
ように波長が変化すると測定精度にズレが生じるため、
高精度にするためには波長が安定なガスレーザーを用い
るか、波長に温度依存性のあるレーザーダイオードを厳
密に温度制御して使用する必要があった。
【0016】この点で図2のような構成では、高精度化
が達成され、これと共に小型化、低価格化が図られてい
る。
【0017】しかしながら今後は機器組み込み想定した
量産性に適するより一層の低価格化が求められ、例えば
前述の回折格子G1のプラスチック化などの必要性が生
じている。回折格子G1がプラスチックであると温度に
より格子ピッチdがプラスチックの熱膨張係数分だけ延
び縮みする。仮に(4)式を満たす光学系で回折格子を
プラスチックにすると、検出されるドップラー周波数F
には再び温度依存性が生じることになる。
【0018】本発明は、上述従来例に鑑み、高精度を維
持しながら低価格化を実現できる変位情報検出装置を提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述目的を達成するため
の第1発明は、2光束の交差部の少なくとも所定位置に
干渉縞を発生させ、該交差部からの散乱光を受光して該
交差部を通過する物体の変位情報を検出する装置であっ
て、温度変動による前記所定位置における干渉縞間隔の
変動を少なくとも該2光束の収束発散状態の変更によっ
て補償することを特徴とする変位情報検出装置である。
【0020】上述目的を達成するための第2発明は、2
光束の交差部の少なくとも所定位置に干渉縞を発生さ
せ、該交差部からの散乱光を受光して該交差部を通過す
る物体の変位情報を検出する装置であって、温度変動に
よる前記所定位置における干渉縞間隔の変動を該2光束
の交差角の変更及び該2光束の収束発散状態の変更によ
って補償することを特徴とする変位情報検出装置であ
る。
【0021】上述目的を達成するための第3発明は、温
度によって波長が変化する光源からの2光束の交差部の
少なくとも所定位置に干渉縞を発生させ、該交差部から
の散乱光を受光して該交差部を通過する物体の変位情報
を検出する装置であって、温度変動によって該2光束の
収束発散状態を前記所定位置における干渉縞間隔変動を
抑える方向に変更する構成にしたことを特徴とする変位
情報検出装置である。
【0022】上述目的を達成するための第4発明は、温
度によって波長が変化する光源からの2光束の交差部の
少なくとも所定位置に干渉縞を発生させ、該交差部から
の散乱光を受光して該交差部を通過する物体の変位情報
を検出する装置であって、前記光源の波長の変化によっ
て該2光束の交差角を、且つ温度変動によって該2光束
の収束発散状態を、夫々前記所定位置における干渉縞間
隔変動を抑える方向に変更する構成にしたことを特徴と
する変位情報検出装置である。
【0023】上述目的を達成するための第5発明は、レ
ーザー光を所定の位置で所定の交差角で交差させて移動
物体に入射させ、前記移動物体から散乱光の偏移を光検
出器で検知し、検知された信号に基づいて前記移動物体
の変位情報を検出する変位情報検出装置であって、光源
からの光束を測定方向に対し概略平行光束とする平行光
束形成手段と、前記平行光束形成手段による平行光束状
態をレーザー波長または温度に連動して変化させる光学
構成と、前記概略平行光束の異なる領域を偏向する偏向
手段とを有し、該偏向手段によって偏向された光束の交
差部の所定の位置で移動物体に光束入射させることを特
徴とする変位情報検出装置である。
【0024】第6発明は上述構成において更に、前記平
行光束形成手段はコリメータレンズを有し、前記光学構
成として、光源点とコリメータレンズまでの距離が温度
に連動して変化することを特徴とする。
【0025】第7発明は上述構成において更に、前記平
行光束形成手段はコリメータレンズを有し、前記光学構
成として、コリメータレンズの焦点距離がレーザー波長
または温度に連動して変化することを特徴とする。
【0026】第8発明は上述構成において更に、前記偏
向手段は、温度に連動して格子ピッチが変化する回折格
子を有することを特徴とする。
【0027】第9発明は上述構成において更に、前記所
定の位置での2つの光束の交差半角θがレーザー波長λ
または温度に連動して、sinθ/λが一定となるように
変化することを特徴とする。
【0028】上述目的を達成するための第10発明は、
温度によって波長が変化するレーザー光源と、該レーザ
ー光源からの出射光束を概略平行にするコリメート光学
系と、該コリメート光学系からの概略平行光束を部分的
に異なる方向へ偏向して出射直後に交差部を形成させる
交差光学系と、該交差部における干渉縞の所定位置にお
ける間隔の温度変化に起因する変動を抑える方向に、前
記コリメート光学系からの概略平行光束の平行光束状態
を変化させる平行状態変更手段とを有することを特徴と
する変位情報検出装置である。
【0029】第11発明は上述構成において更に、前記
平行状態変更手段は温度変化に基づいて平行光束状態を
変化させることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】図3は、本発明の第1実施例のレ
ーザードップラー速度計の構成説明図である。
【0031】レーザーユニット50は、平行光束状態が
レーザー波長λまたは温度に連動して変化する光学系を
構成しており、温度T=0℃においてはレーザー1から
出射されたレーザー光は、コリメーターレンズ2によっ
て厳密に平行光束3となるように配置されている。平行
光束3は、格子ピッチd(温度T=0℃ではd0)が同
一で向きが逆向きのブレーズド回折格子G1、G2より
なる、材質がプラスチックの基板上に設けられた回折格
子G(熱膨張率α)上に、格子配列方向に垂直な面内で
角度φにて斜入射(格子配列方向を含む面内では垂直入
射)される。
【0032】回折格子の材質は、例えばPC(ポリカー
ボネート)や脂環式ポリオレフィン樹脂(非晶性ポリオ
レフィン樹脂)などの低吸湿性光学用プラスチック材料
を用いる。
【0033】回折格子G1により回折光R1が、回折格
子G2により回折光R2が生じ、それぞれd0・sin(θ
0)=λの関係を満たす回折角θ0にて射出される。回折
格子Gから距離cのところを速度Vで移動している被測
定物7に交差角2θ0で二光束照射されると、そこからの
散乱光は、光検出器9で検出され、そのビート周波数F
は(2)式同様、 F=2・V・sin(θ0)/λ … (5) となる。ここで、この交差半角θ0は回折角θ0と等しい
ため、 d0・sin(θ0)=λ … (6) の関係が成立する。(5)式、(6)式から、以下のよ
うな波長λ依存性のない式が導出される。
【0034】 F=2・V/d0 … (7)
【0035】この構成では、例えばレーザーの波長に広
がりがある場合でも、回折格子Gから距離cのところで
の2光束より得られる干渉縞間隔は一致し、光学的に安
定した系となる。よって、光検出器9で検出されたビー
ト信号から不図示の信号処理装置で周波数を求め、
(7)式に基づいて速度を求めることにより、安定した
速度測定が実現される。
【0036】ここで、温度がT1(=T0+ΔT):(単
位℃、ΔT:温度変化)になった場合を考える。
【0037】そのときの格子ピッチdは、T=0℃での
格子ピッチd0に対し、 d=d0・(1+α・ΔT) … (8) となる。
【0038】仮にレーザーユニット50の平行光束状態
が変化しないと、ビート周波数Fは F=2・V/d={2・V/d0}/(1+α・ΔT) … (9) となり、温度変化ΔTに対応してα・ΔTの割合で測定
精度が劣化することになる。
【0039】たとえば、α=60×10-6/℃、ΔT=25℃
とすると、0.15%分だけ精度劣化が生じる。ここで低吸
湿性プラスチック材料であれば、湿度特性においては寸
法変化率は最大で0.04%程度であり、測定精度の劣
化は温度特性が支配的となる。
【0040】図4は温度変化ΔTが生じた場合の本発明
第1実施例の光線を説明する図である。図4は回折格子
から出射する2本の回折光束の光軸がなす面上での断面
図として示してある。
【0041】本実施例では、レーザーユニット50によ
って、回折光R1、回折光R2の光軸光線I1、I2(光軸
高さをhとする)の回折格子への入射角θ'が温度変化
ΔTに対応して、 sin(θ')=λ/d−λ/d0 =−(λ・α・ΔT)/{d0・(1+α・ΔT)} … (10 ) の関係で変化するように平行光束状態(収束発散状態)
が変化する光学系をとる。
【0042】(10)式の関係で平行光束状態が変化する
と、光軸光線I1、I2の距離cの位置にある被測定物7
上での交差半角をθとするとビート周波数Fは、 F=2・V・sin(θ)/λ … (2) であるが、交差半角θは d{sin(θ')+sin(θ)}=λ … (11) の関係で変動する。(10)、(11)式より、sin(θ)
は、sin(θ)=λ/d0となり、ビート周波数Fは温度
変化ΔTが生じても常に、F=2・V/d0となり、光
学系の温度依存性、レーザー波長依存性を消去すること
が可能となる。
【0043】図5は、本実施例における温度変化が生じ
たときの干渉縞の発生状態を示す説明図であり、(a)
はΔT>0の時、(b)はΔT=0の時、(c)はΔT
<0の時を示している。このように温度変化が生じても
距離cの位置では、温度に依存せず一定となる。一方深
度ずれ方向の各位置における干渉縞間隔は温度に比例し
た変化量を生じる。
【0044】レーザー波長λは温度依存性があり、例え
ば温度T=0℃でのレーザー波長をλ0、温度依存性の
項をβとすると、 λ=λ0+β・ΔT … (12) よって、(10)式の厳密式は、 sin(θ')=−{(λ0+β・ΔT)・α・ΔT}/{d0・(1+α・ΔT )} … (13) となるが、T=0℃でのレーザー波長λ0=0.78μm、β
=2×10-4μm/℃、d0=5μmで、α=60×10-6/℃とし
た場合を考えると、(13)式は、(λ0+β・ΔT)の
β・ΔTの項と(1+α・ΔT)のα・ΔTの項は無視
でき、 sin(θ')≒−λ0・α・ΔT/d0 … (14) と簡略化できる。
【0045】このような割合で平行光束状態が変化する
光学系を構成する第1の例を次に説明する。
【0046】コリメータレンズ2は焦点距離fで、温度
やレーザー波長の温度変化分での焦点距離f変化分は無
視できるガラス材質とする。
【0047】このとき、レーザー出射点0とコリメータ
レンズ2とは保持部材21に保持され、その間隔aは、
T=0℃時で厳密に焦点距離fに合わされている。
【0048】ここで、回折格子Gがない状態を図6に示
し、これを元に説明する。温度変化ΔTが生じると、間
隔aが保持部材の熱膨張分だけ変動し、 1/a+1/b=1/f … (15) の関係で光束の平行光束状態が変化する。
【0049】光軸光線I1、I2の角度ズレ分θ'は、(1
5)式より、 sin(θ')≒−h/b=h・(1/f−1/a) ≒−h・(a−f)/(f・a) … (16) 出射点−レンズ間隔aでの実質熱膨張率をα'とする
と、(16)式は sin(θ')≒−h・α'・ΔT/f … (17) となる。
【0050】(14)、(17)式より、−λ0・α・ΔT
/d0≒−h・α'・ΔT/fとなるので λ0・α/d0=h・α'/f … (18)
【0051】この(18)式を満たすレーザーユニット構
成にすれば、回折格子Gから距離cの所定の位置では、
温度依存性、レーザー波長依存性のない光学系を実現す
る。
【0052】具体的には、λ0=780nm、h=0.5mm、d0
=5μmで、回折格子G、保持部材21共に脂環性ポリオ
レフィン樹脂としてα≒α'≒60×10-6/℃とすれば、
f≒3.2mmで(18)式を満たす構成が可能となる。
【0053】実際には、回折格子Gから距離cでは測定
精度ズレはないが、測定深度がずれると測定精度ズレが
生じる。しかしながら、例えば、α=α'=60×10-6/
℃、ΔT=25℃とすると、回折格子G部分で0.15%分だ
け精度劣化が生じても、測定部分(深度ズレ分e)では
e/c×0.15%分だけの精度劣化になるため、測定深度
と測定中心までの距離cとの比率を選択することによっ
て、必要精度を確保することができる。(e=1mm、c
=5mmとすると、精度ズレは0.03%のみ)
【0054】次に、(14)式の割合で平行光束状態が変
化する第2の実施例のレーザードップラー速度計の光学
系を構成する部分を説明する。本実施例の説明は図6同
様に回折格子Gがない状態での光学系部分を図7に示
し、これに基づいて行う。他の部材等の説明は第1実施
例と同様のため省略する。
【0055】コリメータレンズは焦点距離f0(温度T
=0℃の時)の材質プラスチックのフレネルゾーンプレ
ート型レンズ20(熱膨張率α")であり、レーザー出
射点0とフレネルゾーンプレート型レンズ20とは保持
部材21に保持され、その間隔は実質的に温度により変
動せず、常にf0となるように構成されている。保持部
材21は、例えばインバー等の低熱膨張特性を持つ材質
とする。
【0056】フレネルゾーンプレート型レンズ20の偏
向特性はフレネルピッチと波長との回折条件により決定
される。
【0057】このとき光軸光線I1、I2部でのフレネル
ピッチをd20(温度T=0℃の時)とし、レーザー出射
点0からの光軸光線I1、I2の角度をθ2とすると(図
7)、 d20・sin(θ2)=λ0, tan(θ2)=h/f0 … (19) の関係が成り立ち、温度変化ΔTが生じたときの光軸光
線I1、I2部のズレ角θ'は、この時の光軸光線I1、I
2部でのフレネルピッチをd2として d2{sin(θ2)−sin(θ')}=λ, d2=d20・(1+α"・ΔT) … (20) したがって、(11)、(19)、(20)式より、 sin(θ')=λ0/d20−λ/d2 =λ0(α"−β/λ0)ΔT/{d20(1+α"・ΔT)} ≒λ0(α"−β/λ0)ΔT/d20 … (21) (14)、(21)式より、 d20=(β/λ0ーα")・d0/α … (22) を満たす熱膨張率α"、フレネルピッチd20のフレネル
ゾーンプレート型レンズ20を構成すればよい。
【0058】ここで、λ0=0.78μm、β=2×10-4μm/
℃、d0=5μm、α=60×10-6/℃、h=0.5mmとする
と、d2=16.37μmとなり、(19)式より、焦点距離は
f0=10.48mmとなる。
【0059】図8は、本発明の第3実施例のレーザード
ップラー速度計の構成該略図である。
【0060】レーザーユニット50は、平行光束状態が
レーザー波長λまたは温度に連動して変化する光学系を
構成しており、温度T0℃においてはレーザー1から出
射されたレーザー光は、コリメーターレンズ2によって
厳密に平行光束3となるように配置されている。平行光
束3は、プリズムに垂直入射され、プリズムP1により
偏向光束R1が、プリズムP2により偏向光束R2が生
じ、屈折の条件式にて出射角θ0にて射出される。プリ
ズムPから距離cのところを速度Vで移動している被測
定物7に入射角θ0で二光束照射されるとそこからの散
乱光は、光検出器9で検出され、そのビート周波数Fは
(2)式同様、 F=2・V・sin(θ0)/λ0 … (23) となる。ここで、プリズムPは、干渉縞ピッチp0がp0
=λ0/2sin(θ0)=50μmとなるように設計されてお
り、(23)式は以下のようになる。
【0061】 F=V/p0 … (24)
【0062】ここで、温度がT1(=T0+ΔT)℃:
(ΔT:温度変化)になった場合を考える。
【0063】光軸光線I1、I2の被測定物7への入射角
をθ、レーザー波長λをとすると、ビート周波数Fは、
(2)式同様F=2・V・sin(θ)/λであるが、レ
ーザー波長λは(11)式同様温度依存性があり、 F=2・V・sin(θ)/(λ0+β・ΔT) … (25) となる。
【0064】仮にレーザーユニット50の平行光束状態
が変化しないと、ビート周波数Fは F=2・V・sin(θ0)/(λ0+β・ΔT) ={V/p0}/(1+β/λ0・ΔT) … (26) となり、温度変化ΔTに対応してβ/λ0・ΔTの割合
で測定精度が劣化することになる。
【0065】λ0=0.78μm、β=2×10-4μm/℃、Δ
T=25℃とすると、0.64%分だけ精度劣化が生じる。
【0066】図9は温度変化ΔTが生じた場合の本実施
例の光線を説明する図で、レーザーユニット50によっ
て、偏向光束R1、偏向光束R2の光軸光線I1、I2(光
軸高さをhとする)のプリズムP(屈折率n)への入射
角θ'が温度変化ΔTに対応して、 θ'=β・ΔT/2p0 … (27) の関係で変化するように平行光束状態が変化する光学系
をとる。
【0067】(27)式の関係で平行光束状態が変化した
場合の光線角度を考える。
【0068】図9のように角度θ'、θ2'、θa、θb、
θを設定し、屈折条件式を解く。この場合、全ての角度
は1度以下なので、sin(1度)と1度との差は、1×1
0-4%程度であることを考慮してsin(θ...)≒θ...と
近似する。
【0069】θ'=n×θ2'n(θa+θ2')=θbθ=
θb−θaθ0=(n−1)θa
【0070】以上の4式により、以下の式が導かれる。
【0071】 θ=θ0+θ' … (28)
【0072】また、光軸光線I1、I2の被測定物7への
入射角をθとするとビート信号は、 F=2・V・θ/(λ0+β・ΔT) =2・V・(θ0+θ')/(λ0+β・ΔT) … (29) となる。この式に、(27)式のように入射角θ'を温度
変化により変化させると、 F=2・V・(θ0+β・ΔT/2p0)/(λ0+β・ΔT) =V/p0 … (30) となり、ビート周波数Fは温度変化ΔTが生じても、光
学系の温度依存性、レーザー波長依存性を消去すること
が可能となる。
【0073】本実施例では(27)式の割合で平行光束状
態が変化する光学系として、図3と同一構成で実現して
いる。これを次に説明する。
【0074】コリメータレンズ2は焦点距離fで、温度
やレーザー波長の温度変化分での焦点距離f変化分は無
視できるガラス材質とする。
【0075】このとき、レーザー出射点0とコリメータ
レンズ2とは保持部材に保持され、その間隔aは、T=
0℃時で厳密に焦点距離fに合わされている。
【0076】ここで温度変化ΔTが生じると、間隔aが
保持部材の熱膨張分だけ変動し、 1/a+1/b=1/f … (15) の関係で光束の平行光束状態が変化する。(図6参照)
【0077】光軸光線I1、I2の角度ズレ分θ'は、(1
5)式より、 θ'=h/b=h・(1/f−1/a) =h・(a−f)/(f・a) … (16') 出射点−レンズ間隔aでの実質熱膨張率をα'とする
と、(16')式は θ'=h・α'・ΔT/f … (17') となる。(27)、(17')式より、 β/2p0=h・α'/f … (31)
【0078】この(31)式を満たすレーザーユニット構成
にすれば、プリズムPから距離cの所定の位置では、温
度依存性、レーザー波長依存性のない光学系を実現す
る。
【0079】例えば、λ0=0.78μm、β=2×10-4μm/
℃、α'=60×10-6/℃、h=0.5mmとすると、f=15mm
の焦点距離を持つコリメータレンズ2を選定すればよ
い。
【0080】以上の実施例では、レーザードップラー速
度計を例として説明したが、被測定物に回折格子を設け
たスケール部材を配置すると、そのまま光学式エンコー
ダとなる。
【0081】図10はこのような光学式エンコーダに本
発明を適用した第4実施例の部分説明図である。本実施
例では被測定物に回折格子G3を用いた点を除けば、構
成は図3に示す第1実施例と同様である。回折格子G3
の格子配列方向は回折格子G1、G2と同様であり、回
折格子G3の格子ピッチd3は回折格子G1、G2の格
子ピッチd(温度T=0℃でd0)と等しく、回折格子
G1、G2それぞれから出射する回折光の(回折格子G
3が存在する)距離cの位置における干渉縞のピッチの
2倍に等しい。ここでは回折格子G3の材質は温度によ
り格子ピッチが実質的に変動しないガラス材を使用して
おり、測定精度が環境によらないようにしている。回折
格子G3からは回折格子G1、G2おのおのからの+1
次光、−1次光がそれぞれ回折されて発生する−1次
光、+1次光が常に波面を一致するように合波されて干
渉光束として出射され、光検出器9で検出される。これ
により、回折格子G3の移動に伴って、回折格子G3の
格子ピッチd3の半分のピッチを周期とする周期信号が
安定して発生する。これを元に不図示の信号処理回路に
て回折格子G3との間の相対変位量が測定される。
【0082】本実施例においても、(18)式を満たすレ
ーザーユニット構成にしたことにより、回折格子Gから
距離cの所定の位置では、温度依存性、レーザー波長依
存性のない光学系を実現する。これにより、環境安定性
に優れた廉価なエンコーダが実現されることになる。
【0083】
【発明の効果】以上、第1発明によれば、温度変化で発
生する干渉縞間隔の変動が少なくとも光束の収束発散で
補償されるので、安価な部材を用いても高精度な変位情
報検出が可能である。
【0084】また、第2発明によれば、温度変化で発生
する干渉縞間隔の変動が光束の交差角と収束発散で補償
されるので、安価な部材を用いても高精度な変位情報検
出が可能である。
【0085】また、第3発明によれば、温度変動によっ
て2光束の収束発散状態を所定位置における干渉縞間隔
変動を抑える方向に変更する構成にしたので、温度変化
に起因する干渉縞間隔変動が温度変化に基づいて正確に
抑制され、安価な部材を用いても高精度な変位情報検出
が可能である。
【0086】また、第4発明によれば、光源の波長の変
化によって2光束の交差角を、且つ温度変動によって2
光束の収束発散状態を、夫々所定位置における干渉縞間
隔変動を抑える方向に変更する構成にしたので、温度変
化に起因する干渉縞間隔変動が温度変化と波長変化に基
づいて正確に抑制され、安価な部材を用いても高精度な
変位情報検出が可能である。
【0087】また、第5発明によれば、平行光束状態が
レーザー波長または温度に連動して変化する光学構成に
より、所定の位置での検出精度に影響する移動物体に入
射させる光学系が持つ温度(波長)依存性を、この光学
構成によって消去することが可能となり、安価な部材を
用いても高精度な変位情報検出が可能である。
【0088】第6発明によれば更に、この様な光学構成
を光源点とコリメータレンズとの間隔を温度により変化
させる機械的可動部の無い簡易構成で実現できる。
【0089】第7発明によれば更に、この様な光学構成
をコリメータレンズの焦点距離を温度により変化させる
実質的可動部の無い簡易構成で実現できる。
【0090】第8発明によれば更に、温度に連動して格
子ピッチが変化する回折格子を用いても温度依存性が消
去できる構成なので、安価な回折格子を用いても高精度
な検出が可能となる。
【0091】第9発明によれば更に、波長変動により強
い構成が実現される。
【0092】また、第10発明によれば、干渉縞の所定
位置における間隔の温度変化に起因する変動を抑える方
向に、コリメート光学系からの概略平行光束の平行光束
状態を変化させる平行状態変更手段を設けたことによ
り、安価な回折格子を用いても高精度な検出が可能とな
る。
【0093】第11発明によれば更に、平行状態を温度
変化に基づいて適切に変更でき、より高精度な検出が可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レ−ザ−ドップラ−速度計の従来例を示す図
【図2】小型レ−ザ−ドップラ−速度計の構成例
【図3】本発明の第1実施例のレ−ザ−ドップラ−速度
計の構成説明図
【図4】光線説明図
【図5】干渉縞の発生状態を説明する図
【図6】回折格子がない状態での光線を説明する図
【図7】本発明の第2実施例のレーザードップラー速度
計の部分説明図
【図8】本発明の第3実施例のレーザードップラー速度
計の部分説明図
【図9】第3実施例の光線を説明する図
【図10】本発明の第4実施例の光学式エンコーダの部
分説明図
【符号の説明】
1 レ−ザ−ダイオード 2 コリメ−タ−レンズ 3 レーザー光束 5a、5b レーザー光束 6 ミラ− 7 被検物体 8 集光レンズ 9 光検出器 20 フレネルゾーンプレート型レンズ 21 保持部材 50 レーザーユニット G 回折格子 P プリズム

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2光束の交差部の少なくとも所定位置に
    干渉縞を発生させ、該交差部からの散乱光を受光して該
    交差部を通過する物体の変位情報を検出する装置であっ
    て、温度変動による前記所定位置における干渉縞間隔の
    変動を少なくとも該2光束の収束発散状態の変更によっ
    て補償することを特徴とする変位情報検出装置。
  2. 【請求項2】 2光束の交差部の少なくとも所定位置に
    干渉縞を発生させ、該交差部からの散乱光を受光して該
    交差部を通過する物体の変位情報を検出する装置であっ
    て、温度変動による前記所定位置における干渉縞間隔の
    変動を該2光束の交差角の変更及び該2光束の収束発散
    状態の変更によって補償することを特徴とする変位情報
    検出装置。
  3. 【請求項3】 温度によって波長が変化する光源からの
    2光束の交差部の少なくとも所定位置に干渉縞を発生さ
    せ、該交差部からの散乱光を受光して該交差部を通過す
    る物体の変位情報を検出する装置であって、温度変動に
    よって該2光束の収束発散状態を前記所定位置における
    干渉縞間隔変動を抑える方向に変更する構成にしたこと
    を特徴とする変位情報検出装置。
  4. 【請求項4】 温度によって波長が変化する光源からの
    2光束の交差部の少なくとも所定位置に干渉縞を発生さ
    せ、該交差部からの散乱光を受光して該交差部を通過す
    る物体の変位情報を検出する装置であって、前記光源の
    波長の変化によって該2光束の交差角を、且つ温度変動
    によって該2光束の収束発散状態を、夫々前記所定位置
    における干渉縞間隔変動を抑える方向に変更する構成に
    したことを特徴とする変位情報検出装置。
  5. 【請求項5】 レーザー光を所定の位置で所定の交差角
    で交差させて移動物体に入射させ、前記移動物体から散
    乱光の偏移を光検出器で検知し、検知された信号に基づ
    いて前記移動物体の変位情報を検出する変位情報検出装
    置であって、光源からの光束を測定方向に対し概略平行
    光束とする平行光束形成手段と、前記平行光束形成手段
    による平行光束状態をレーザー波長または温度に連動し
    て変化させる光学構成と、前記概略平行光束の異なる領
    域を偏向する偏向手段とを有し、該偏向手段によって偏
    向された光束の交差部の所定の位置で移動物体に光束入
    射させることを特徴とする変位情報検出装置。
  6. 【請求項6】 前記平行光束形成手段はコリメータレン
    ズを有し、前記光学構成として、光源点とコリメータレ
    ンズまでの距離が温度に連動して変化することを特徴と
    する請求項5に記載の変位情報検出装置。
  7. 【請求項7】 前記平行光束形成手段はコリメータレン
    ズを有し、前記光学構成として、コリメータレンズの焦
    点距離がレーザー波長または温度に連動して変化するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の変位情報検出装置。
  8. 【請求項8】 前記偏向手段は、温度に連動して格子ピ
    ッチが変化する回折格子を有することを特徴とする請求
    項5に記載の変位情報検出装置。
  9. 【請求項9】 前記所定の位置での2つの光束の交差半
    角θがレーザー波長λまたは温度に連動して、sinθ/
    λが一定となるように変化することを特徴とする請求項
    5から8のいずれかに記載の変位情報検出装置。
  10. 【請求項10】 温度によって波長が変化するレーザー
    光源と、該レーザー光源からの出射光束を概略平行にす
    るコリメート光学系と、該コリメート光学系からの概略
    平行光束を部分的に異なる方向へ偏向して出射直後に交
    差部を形成させる交差光学系と、該交差部における干渉
    縞の所定位置における間隔の温度変化に起因する変動を
    抑える方向に、前記コリメート光学系からの概略平行光
    束の平行光束状態を変化させる平行状態変更手段とを有
    することを特徴とする変位情報検出装置。
  11. 【請求項11】 前記平行状態変更手段は温度変化に基
    づいて平行光束状態を変化させることを特徴とする請求
    項10に記載の変位情報検出装置。
JP18821397A 1997-07-14 1997-07-14 変位情報検出装置 Withdrawn JPH1130667A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113086856A (zh) * 2021-04-13 2021-07-09 上海海事大学 基于光栅的桥吊吊具摆角检测装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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