JPH11306525A - 磁気記録再生装置の回転ヘッドシリンダ装置 - Google Patents

磁気記録再生装置の回転ヘッドシリンダ装置

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JPH11306525A
JPH11306525A JP11334598A JP11334598A JPH11306525A JP H11306525 A JPH11306525 A JP H11306525A JP 11334598 A JP11334598 A JP 11334598A JP 11334598 A JP11334598 A JP 11334598A JP H11306525 A JPH11306525 A JP H11306525A
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cylinder
rotary head
force
magnetic
cylinder device
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Application number
JP11334598A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Kurose
和義 黒瀬
Kazuhiro Nakagawara
和浩 中川原
Takamitsu Kawato
貴光 川戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kagaku Yakin Co Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Nippon Kagaku Yakin Co Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録再生装置の回転ヘッドシリンダ装置
に焼結含油軸受を組み込むことにより、信頼性及び精度
の高い安価な回転ヘッドシリンダ装置を提供すること。 【解決手段】 第1シリンダ2に回転自在に取り付けら
れた第2シリンダ6のラジアル荷重を支承する二つの軸
受の少なくとも一方を焼結含油軸受14,16により構
成した。また、第2シリンダ6の回転により第2シリン
ダ6の第1シリンダ2に対する浮上力を発生させるとと
もに、焼結含油軸受14,16の端面とその対向部材に
加わるスラスト圧を適宜調節して浮上力に対抗させるよ
うにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダ(VTR)やデジタルオーディオテープレコーダ
(DAT)等の回転磁気ヘッド型記録再生装置に関し、
さらに詳しくは、このような磁気記録再生装置に取り付
けられ、巻き付けられたテープ上に信号を記録し、ある
いは、記録された信号を再生する回転ヘッドシリンダ装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】回転磁気ヘッド型の記録再生装置におい
ては、その内部に設けられた回転ヘッドシリンダ装置に
対し非常に高い回転性能が要求されており、回転体の振
れ、回転むら等を極力低減する必要がある。このため、
回転ヘッドシリンダ装置の軸受として、ボールベアリン
グや動圧流体軸受等を使用しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高い精
度、性能、信頼性が要求されるため、ボールベアリング
はその構造上製造コストの低減には限界があり、動圧流
体軸受は高い加工精度が要求されることからボールベア
リングと同様高価なものとなり、安価な回転ヘッドシリ
ンダ装置が望まれていた。
【0004】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、磁気記録再生装置の
回転ヘッドシリンダ装置に使用される軸受として焼結含
油軸受を組み込むことにより、信頼性及び精度の高い安
価な回転ヘッドシリンダ装置を提供することを目的とし
ている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、第1シリ
ンダと、該第1シリンダに回転自在に取り付けられた第
2シリンダとを備え、該第2シリンダのラジアル荷重を
支承する二つの軸受の少なくとも一方を焼結含油軸受に
より構成し、上記第2シリンダの回転により第2シリン
ダの第1シリンダに対する浮上力を発生させるととも
に、上記焼結含油軸受の端面とその対向部材に加わり上
記浮上力に対抗するスラスト圧を適宜調節したことを特
徴とする磁気記録再生装置の回転ヘッドシリンダ装置で
ある。
【0006】また、請求項2に記載の発明は、上記焼結
含油軸受の端面に複数の摺動面を円周方向に所定間隔で
形成し、該複数の摺動面の間に勾配面を形成することに
より上記浮上力を発生させるようにしたことを特徴とす
る。
【0007】さらに、請求項3に記載の発明は、上記第
1シリンダに固定された電機子と、上記第2シリンダに
固定されたロータマグネットとを半径方向に対向させ、
上記電機子と上記ロータマグネットの軸方向中心位置を
互いにずらすことにより吸引力を発生させ、該吸引力を
上記浮上力に対抗させたことを特徴とする。
【0008】また、請求項4に記載の発明は、上記第1
シリンダに固定された磁性部材と、上記第2シリンダに
固定されたロータマグネットとを軸方向に対向させるこ
とにより吸引力を発生させ、該吸引力を上記浮上力に対
抗させたことを特徴とする。
【0009】また、請求項5に記載の発明は、上記第1
シリンダに第1磁性材を取り付ける一方、該第1磁性材
と同一磁極が対向する第2磁性材を上記第2シリンダに
取り付けることにより反発力を発生させ、該反発力を上
記浮上力に対抗させたことを特徴とする。
【0010】また、請求項6に記載の発明は、上記第1
シリンダに第1磁性材を取り付ける一方、該第1磁性材
と逆磁極が対向する第2磁性材を上記第2シリンダに取
り付けることにより吸引力を発生させ、該吸引力を上記
浮上力に対抗させたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。回転磁気ヘッド型の
記録再生装置においては、磁気テープに信号を記録する
とともに、記録した信号を再生する手段として回転ヘッ
ドシリンダ装置が使用されている。この回転ヘッドシリ
ンダ装置は次のような構成を有している。 (1)軸受回転、軸固定、周対向 (2)軸受回転、軸固定、面対向 (3)軸受固定、軸回転、周対向 (4)軸受固定、軸回転、面対向 ここで、周対向とは、電機子とロータマグネットが半径
方向に向かい合っている場合のことで、面対向とは、ス
テータコイル及びこのステータコイルが固定された磁性
プリント基板とロータマグネットとが軸方向に向かい合
っている場合のことである。
【0012】図1は、上記(1)の構成を有する回転ヘ
ッドシリンダ装置D1を示しており、下シリンダ2と、
下シリンダ2に固定された固定軸4と、固定軸4に回転
自在に取り付けられた上シリンダ6とを備えている。上
シリンダ6には、円筒状マグネット8を有するロータ1
0が螺着されており、固定軸4の上端には、電機子12
が円筒状マグネット8の内面と半径方向に対向するよう
に配設されている。
【0013】また、上シリンダ6の中央に穿設された固
定軸4の挿通孔6aの上部及び下部には焼結含油軸受1
4,16が上シリンダ6に一体的に取り付けられてお
り、固定軸4の回りに回転する上シリンダ6のラジアル
荷重を支承するとともに、焼結含油軸受16の下端面で
上シリンダ6のスラスト方向(軸方向)の荷重を支承し
ている。
【0014】焼結含油軸受16のスラスト端面(下端
面)は、テーパ付きランド形状を呈しており、上シリン
ダ6と一体的に回転することにより軸受からにじみ出て
きた潤滑油の一部がスラスト端面に供給され、上シリン
ダ6の浮上力を発生するとともに摩耗を防止する。な
お、焼結含油軸受16のスラスト端面の形状については
後述する。
【0015】上記構成の回転ヘッドシリンダ装置D1に
おいて、磁気テープ(図示せず)への信号の記録、及
び、磁気テープからの信号の再生は、下シリンダ2及び
上シリンダ6に磁気テープを巻き付けるとともに上シリ
ンダ6に固定された磁気ヘッド18を回転させることに
より行われる。この磁気ヘッド18の回転中、上シリン
ダ6は、上述したように焼結含油軸受16のスラスト端
面に供給された潤滑油によりわずかに浮上するが、記録
あるいは再生された信号の信頼性の観点から磁気ヘッド
18の高さを所定位置に維持する必要がある。
【0016】すなわち、浮上力に抗して上シリンダ6に
所定の予圧を加えることにより、磁気ヘッド18の高さ
位置を維持しているが、予圧が高すぎるとスラスト摩耗
や、回転負荷あるいは回転むらの増大の原因となり、信
号再生・記録エラーや映像あるいは音声の乱れの原因と
なる。逆に、予圧が低すぎると磁気テープ負荷や外的な
影響でヘッド位置の変動となり、信号再生・記録エラー
や映像あるいは音声の乱れの原因となる。
【0017】そこで、図1の実施形態においては、ロー
タマグネット8と電機子12の吸引力を利用して上シリ
ンダ6の浮上力に対抗する予圧を付与している。さらに
詳述すると、ロータマグネット8と電機子12との間に
は、その軸方向(スラスト方向)における中心位置が互
いに一致するように吸引力が作用する。この事実を考慮
して、回転ヘッドシリンダ装置D1においては、固定軸
4の上端に固定された電機子12の軸方向における中心
位置に対し、上シリンダ6に固定されたロータマグネッ
ト8の軸方向における中心位置を所定距離高くすること
によりロータマグネット8に対し下方向に向かう吸引力
を発生させており、この吸引力を上シリンダ6の予圧力
として利用している。
【0018】図2は、図1の回転ヘッドシリンダ装置D
1において、ロータマグネット8と電機子12の軸方向
における中心位置を一致させるとともに、上シリンダ6
の予圧を対向する二つの磁性材シート20,22の反発
力により発生させている。
【0019】すなわち、上シリンダ6の中央部上面で、
上シリンダ6の上部に固定された焼結含油軸受14の近
傍に第1の磁性材シート20を取り付ける一方、第1の
磁性材シート20と同一磁極が対向する第2の磁性材シ
ート22を電機子12の中央部下面に取り付けており、
第1及び第2の磁性材シート20,22の反発力により
上シリンダ6を下シリンダ2に対し付勢している。
【0020】図3は、図1の回転ヘッドシリンダ装置D
1において、ロータマグネット8と電機子12の軸方向
における中心位置を一致させるとともに、上シリンダ6
の予圧を対向する二つの磁性材シート24,26の吸引
力により発生させている。
【0021】すなわち、下シリンダ2の中央部上面に第
1の磁性材シート24を取り付ける一方、第1の磁性材
シート24と逆磁極が対向する第2の磁性材シート26
を上シリンダ6の中央部下面に取り付けており、第1及
び第2の磁性材シート24,26の吸引力により上シリ
ンダ6を下シリンダ2に対し付勢している。
【0022】図4は、上記(2)の構成を有する回転ヘ
ッドシリンダ装置D2を示しており、下シリンダ2と、
下シリンダ2に固定された固定軸4と、固定軸4に回転
自在に取り付けられた上シリンダ6とを備えている。上
シリンダ6には、ディスク状マグネット28を有するロ
ータ10が螺着されており、下シリンダ2の内部には、
磁性プリント基板11とこの磁性プリント基板11に固
定されたステータコイル13とがディスク状マグネット
28と軸方向に面対向するように配設されている。
【0023】なお、焼結含油軸受14,16の取付位置
及び作用については、図1の回転ヘッドシリンダ装置D
1と同じなので、その説明は省略する。
【0024】上記構成の回転ヘッドシリンダ装置D2に
おいて、ロータマグネット28と磁性プリント基板11
とが面対向しており、両者の間に発生する吸引力を利用
して、上シリンダ6を下シリンダ2に対し付勢してい
る。
【0025】図5は、上記(3)の構成を有する回転ヘ
ッドシリンダ装置D3を示しており、下シリンダ2と、
下シリンダ2に回転自在に取り付けられた回転軸5と、
回転軸5の上端に固定された上シリンダ6とを備えてい
る。回転軸5の下端には、円筒状マグネット8を有する
ロータ10が螺着されており、下シリンダ2の下部には
電機子12が円筒状マグネット8の内面と半径方向に対
向するように配設されている。
【0026】また、下シリンダ2の中央に穿設された回
転軸5の挿通孔2aの上部及び下部には焼結含油軸受1
4,16が下シリンダ2に一体的に取り付けられてお
り、回転軸5を介して加えられる上シリンダ6のラジア
ル荷重を支承するとともに、焼結含油軸受14の上端面
で上シリンダ6のスラスト方向(軸方向)の荷重を支承
している。
【0027】焼結含油軸受14のスラスト端面(上端
面)は、テーパ付きランド形状を呈しており、上シリン
ダ6が回転することにより軸受からにじみ出てきた潤滑
油の一部がスラスト端面に供給され、上シリンダ6の浮
上力を発生するとともに摩耗を防止する。
【0028】上記構成の回転ヘッドシリンダ装置D3に
おいては、下シリンダ2に固定された電機子12の軸方
向における中心位置に対し、回転軸5に固定されたロー
タマグネット8の軸方向における中心位置を所定距離高
くすることによりロータマグネット8に対し下方向に向
かう吸引力を発生させており、この吸引力を上シリンダ
6の予圧力として利用している。
【0029】図6は、図5の回転ヘッドシリンダ装置D
3において、ロータマグネット8と電機子12の軸方向
における中心位置を一致させるとともに、上シリンダ6
の予圧を対向する二つの磁性材シート20,22の反発
力により発生させている。
【0030】すなわち、下シリンダ2の中央部下面に第
1の磁性材シート20を取り付ける一方、第1の磁性材
シート20と同一磁極が対向する第2の磁性材シート2
2を電機子12の中央部上面に取り付けており、第1及
び第2の磁性材シート20,22の反発力により上シリ
ンダ6を下シリンダ2に対し付勢している。
【0031】図7は、図5の回転ヘッドシリンダ装置D
3において、ロータマグネット8と電機子12の軸方向
における中心位置を一致させるとともに、上シリンダ6
の予圧を対向する二つの磁性材シート24,26の吸引
力により発生させている。
【0032】すなわち、下シリンダ2の中央部上面に第
1の磁性材シート24を取り付ける一方、第1の磁性材
シート24と逆磁極が対向する第2の磁性材シート26
を上シリンダ6の中央部下面に取り付けており、第1及
び第2の磁性材シート24,26の吸引力により上シリ
ンダ6を下シリンダ2に対し付勢している。
【0033】図8は、上記(4)の構成を有する回転ヘ
ッドシリンダ装置D4を示しており、下シリンダ2と、
下シリンダ2に回転自在に取り付けられた回転軸5と、
回転軸5の上端に固定された上シリンダ6とを備えてい
る。回転軸5の下端には、ディスク状マグネット28を
有するロータ10が螺着されており、下シリンダ2の下
面には、磁性プリント基板11とこの磁性プリント基板
11に固定されたステータコイル13とがディスク状マ
グネット28と軸方向に面対向するように配設されてい
る。
【0034】また、下シリンダ2の中央に穿設された回
転軸5の挿通孔2aの上部及び下部には焼結含油軸受1
4,16が下シリンダ2に一体的に取り付けられてお
り、上シリンダ6に固定された回転軸5を回転自在に支
承するとともに、焼結含油軸受16の下端面で上シリン
ダ6のスラスト方向(軸方向)の荷重を支承している。
【0035】上記構成の回転ヘッドシリンダ装置D4に
おいて、上シリンダ6が回転すると、焼結含油軸受16
のスラスト端面(下端面)に供給された潤滑油の一部に
より回転軸5を介して上シリンダ6の下方への浮上力が
発生する。しかしながら、ロータマグネット28と磁性
プリント基板11とが面対向していることから、両者の
間に発生する吸引力により、上シリンダ6に取り付けら
れた磁気ヘッド18を所定の高さに維持している。
【0036】図9は、図8の回転ヘッドシリンダ装置D
4において、ディスク状マグネット28を有するロータ
10を上シリンダ6の下部に螺着するとともに、下シリ
ンダ2の内部に磁性プリント基板11を介してステータ
コイル13をディスク状マグネット28と面対向するよ
うに配設したものである。
【0037】上記構成において、上シリンダ6のスラス
ト荷重は焼結含油軸受14の上端面で支承されており、
上シリンダ6の回転により発生する上シリンダ6の浮上
力に対し、磁性プリント基板11とロータマグネット2
8との間に作用する吸引力により対抗させることによ
り、磁気ヘッド18の高さ位置を維持している。
【0038】なお、上記実施形態においては、上シリン
ダ6のラジアル荷重を支承する二つの軸受の両方とも焼
結含油軸受14,16で構成したが、二つの軸受の一方
を焼結含油軸受で構成し、他方の軸受にボールベアリン
グや動圧流体軸受等の他の軸受を使用することもでき
る。
【0039】図10に示される回転ヘッドシリンダ装置
D5の構成は、図1の回転ヘッドシリンダ装置D1の構
成と基本的に同じであるが、下部軸受としてボールベア
リング30を使用するとともに、上部焼結含油軸受14
の上端面をテーパ付きランド形状としている点において
相違している。
【0040】さらに詳述すると、図10の回転ヘッドシ
リンダ装置D5においては、ボールベアリング30でス
ラスト荷重を支承する一方、ロータマグネット8と電機
子12との吸引力と、上シリンダ6の回転により焼結含
油軸受14の上端面に発生する浮上力とでボールベアリ
ング30を下方に付勢することにより上シリンダ6の軸
方向のバランスを保持し、磁気ヘッド18の高さ位置を
維持している。
【0041】また、図11に示される回転ヘッドシリン
ダ装置D6の構成は、図2の回転ヘッドシリンダ装置D
1の構成と基本的に同じであるが、上部軸受としてボー
ルベアリング30を使用するとともに、磁性材シート2
0,22を設けていない点において相違している。
【0042】すなわち、下部焼結含油軸受16の下端面
で上シリンダ6のスラスト荷重を支承するとともに、上
シリンダ6の回転により焼結含油軸受16の下端面に発
生する浮上力でボールベアリング30を上方に付勢しボ
ールベアリング30に予圧を加えることにより上シリン
ダ6の軸方向のバランスを保持している。
【0043】次に、スラスト圧を支承する焼結含油軸受
の端面形状について説明する。図12は、スラスト圧が
加わる焼結含油軸受14(あるいは16)を示してお
り、スラスト圧を受ける端面に環状摺動部Sが形成され
ている。この環状摺動部Sは、円周方向に所定間隔で形
成された複数の摺動面M,…,Mと、摺動面M,…,Mの間
に形成され所定の傾斜角を有する勾配面R,…,Rとから
なり、環状摺動部Sの内側には、軸受内孔Hの周端部を
面取りすることにより形成された環状勾配面Gが設けら
れている。
【0044】上記構成において、焼結含油軸受14,1
6が矢印P方向に回転するか、あるいは、固定された焼
結含油軸受14,16の対向部材が矢印Q方向に回転す
ると、軸受の内周面から滲み出てきた潤滑油の一部が環
状勾配面Gを介して環状摺動部Sに供給される。環状摺
動部Sに供給された潤滑油はさらに、勾配面R,…,Rか
ら摺動面M,…,Mに供給されるので、摺動面M,…,Mの
油圧が上昇して上シリンダ6の下シリンダ2に対する浮
上力を発生させ、摺動面M,…,Mの摩耗が防止される。
【0045】なお、焼結含油軸受の端面形状について
は、図12に示される形状に限定されるものではなく、
潤滑油の油圧を上昇させることにより摩耗を防止する形
状であれば、種々の変形例が考えられる。例えば、図1
2(C)においてV,…,Vで示される部位を平坦に形成
してもよく、また、環状勾配面を傾斜角が異なる複数の
勾配面で構成することもできる。さらに、環状摺動部S
が軸受内孔Hと離隔している場合には、軸受内周面から
滲み出てきた潤滑油の一部を環状摺動部Sに導く案内溝
を形成するのが好ましい。
【0046】また、上記実施形態において、スラスト圧
が加わらない焼結含油軸受の端面は平坦でもよく、図1
2に示される勾配面R,…,Rを形成する必要はないが、
同一形状の軸受(図12の軸受)を上部及び下部軸受の
両方に使用すると取付ミスを避けることができる。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。本
発明のうちで請求項1に記載の発明によれば、第2シリ
ンダのラジアル荷重を支承する二つの軸受の少なくとも
一方を焼結含油軸受により構成し、第2シリンダの回転
によりその浮上力を発生させるとともに、浮上力に対抗
するスラスト圧を適宜調節したので、回転体のスラスト
方向のバランスや位置精度の安定化を図ることができ、
信頼性及び精度の高い回転ヘッドシリンダ装置を提供す
ることができる。また、従来使用されていたボールベア
リングや動圧流体軸受に代えて焼結含油軸受を使用した
ので、回転ヘッドシリンダ装置を安価に製作することが
できる。
【0048】また、請求項2に記載の発明によれば、焼
結含油軸受の端面に複数の摺動面を円周方向に所定間隔
で形成し、摺動面の間に勾配面を形成するようにしたの
で、軸受内面より供給された潤滑油が勾配面を介して摺
動面に導かれて油圧が上昇し、第2シリンダの浮上力が
発生するとともに摺動面の摩耗が防止される。したがっ
て、回転体のスラスト方向のバランスや位置精度の安定
化を図ることができ、長期間にわたって、回転ヘッドシ
リンダ装置の信頼性及び精度を維持することができる。
【0049】さらに、請求項3あるいは4に記載の発明
によれば、半径方向に対向する電機子とロータマグネッ
トの軸方向中心位置を互いにずらすか、あるいは、磁性
部材とロータマグネットを軸方向に対向させることによ
り吸引力を発生させ、この吸引力を浮上力に対抗させる
ようにしたので、回転体のスラスト方向のバランスや位
置精度の安定化を図るための別の部材を付加する必要が
なく、安価な回転ヘッドシリンダ装置を提供することが
できる。
【0050】また、請求項5あるいは6に記載の発明に
よれば、第1シリンダに取り付けられた第1磁性材と同
一磁極あるいは逆磁極が対向する第2磁性材を第2シリ
ンダに取り付けることにより反発力あるいは吸引力を発
生させ、この反発力あるいは吸引力を浮上力に対抗させ
るようにしたので、簡単な構成で回転体のスラスト方向
のバランスや位置精度の安定化を図ることができ、回転
ヘッドシリンダ装置を安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる回転ヘッドシ
リンダ装置の縦断面図である。
【図2】 図1の回転ヘッドシリンダ装置の変形例の縦
断面図である。
【図3】 図1の回転ヘッドシリンダ装置の別の変形例
の縦断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態にかかる回転ヘッドシ
リンダ装置の縦断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態にかかる回転ヘッドシ
リンダ装置の縦断面図である。
【図6】 図5の回転ヘッドシリンダ装置の変形例の縦
断面図である。
【図7】 図5の回転ヘッドシリンダ装置の別の変形例
の縦断面図である。
【図8】 本発明の第4実施形態にかかる回転ヘッドシ
リンダ装置の縦断面図である。
【図9】 図8の回転ヘッドシリンダ装置の変形例の縦
断面図である。
【図10】 本発明の第5実施形態にかかる回転ヘッド
シリンダ装置の縦断面図である。
【図11】 本発明の第6実施形態にかかる回転ヘッド
シリンダ装置の縦断面図である。
【図12】 第1乃至第6実施形態にかかる回転ヘッド
シリンダ装置に設けられた焼結含油軸受を示しており、
(A)はその正面図を、(B)はその中央断面図を、
(C)は環状摺動部の展開図である。
【符号の説明】
2 下シリンダ 4 固定軸 5 回転軸 6 上シリンダ 8,28 ロータマグネット 10 ロータ 11 磁性プリント基板 12 電機子 13 ステータコイル 14,16 焼結含油軸受 18 磁気ヘッド 20,22,24,26 磁性材シート 30 ボールベアリング D1,D2,D3,D4,D5,D6 回転ヘッドシリ
ンダ装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川戸 貴光 大阪府寝屋川市大成町12番32号 日本科学 冶金株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1シリンダと、該第1シリンダに回転
    自在に取り付けられた第2シリンダとを備え、該第2シ
    リンダのラジアル荷重を支承する二つの軸受の少なくと
    も一方を焼結含油軸受により構成し、上記第2シリンダ
    の回転により第2シリンダの第1シリンダに対する浮上
    力を発生させるとともに、上記焼結含油軸受の端面とそ
    の対向部材に加わり上記浮上力に対抗するスラスト圧を
    適宜調節したことを特徴とする磁気記録再生装置の回転
    ヘッドシリンダ装置。
  2. 【請求項2】 上記焼結含油軸受の端面に複数の摺動面
    を円周方向に所定間隔で形成し、該複数の摺動面の間に
    勾配面を形成することにより上記浮上力を発生させるよ
    うにした請求項1に記載の磁気記録再生装置の回転ヘッ
    ドシリンダ装置。
  3. 【請求項3】 上記第1シリンダに固定された電機子
    と、上記第2シリンダに固定されたロータマグネットと
    を半径方向に対向させ、上記電機子と上記ロータマグネ
    ットの軸方向中心位置を互いにずらすことにより吸引力
    を発生させ、該吸引力を上記浮上力に対抗させた請求項
    1あるいは2に記載の磁気記録再生装置の回転ヘッドシ
    リンダ装置。
  4. 【請求項4】 上記第1シリンダに固定された磁性部材
    と、上記第2シリンダに固定されたロータマグネットと
    を軸方向に対向させることにより吸引力を発生させ、該
    吸引力を上記浮上力に対抗させた請求項1あるいは2に
    記載の磁気記録再生装置の回転ヘッドシリンダ装置。
  5. 【請求項5】 上記第1シリンダに第1磁性材を取り付
    ける一方、該第1磁性材と同一磁極が対向する第2磁性
    材を上記第2シリンダに取り付けることにより反発力を
    発生させ、該反発力を上記浮上力に対抗させた請求項1
    あるいは2に記載の磁気記録再生装置の回転ヘッドシリ
    ンダ装置。
  6. 【請求項6】 上記第1シリンダに第1磁性材を取り付
    ける一方、該第1磁性材と逆磁極が対向する第2磁性材
    を上記第2シリンダに取り付けることにより吸引力を発
    生させ、該吸引力を上記浮上力に対抗させた請求項1あ
    るいは2に記載の磁気記録再生装置の回転ヘッドシリン
    ダ装置。
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