JPH1130455A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

吸収式ヒートポンプ装置

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JPH1130455A
JPH1130455A JP9184828A JP18482897A JPH1130455A JP H1130455 A JPH1130455 A JP H1130455A JP 9184828 A JP9184828 A JP 9184828A JP 18482897 A JP18482897 A JP 18482897A JP H1130455 A JPH1130455 A JP H1130455A
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JP
Japan
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concentrated solution
solution
flow path
plate
absorption
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JP9184828A
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Inventor
Satoshi Matsumoto
松本  聡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液ポンプのキャビテーションによる起動特
性の悪化のない吸収式ヒートポンプ装置を提供する。 【解決手段】 略円筒形状を有する溶液タンク9aの中
間部に、貫通孔13を設けた円板状の仕切板12を設け
る。この仕切板12により、運転停止時に蒸発器7等に
残留した純度の高い冷媒の溶液ポンプ1までの直接流入
が回避される。分割された溶液タンク9a上部に存在す
る濃溶液の濃度は高まるものの、溶液タンク9a下部に
存在する濃溶液には影響を及ぼさないため、濃溶液は安
定した状態で溶液ポンプ1へと送られる。したがって、
溶液ポンプ1の吸引部でキャビテーションを発生するこ
とがなく、搬送力の低下や異音の発生を引き起こすこと
がなくなるため、起動時にも十分な濃溶液流量が確保さ
れ、起動特性の安定化および低騒音化を実現することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を利用して冷熱
を得る吸収式ヒートポンプ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の吸収式ヒートポンプ装置として
は、例えば、特開平8−285404号公報に開示され
ているように、タンク形状を有する吸収器を用いたもの
が一般的である。これは、タンク上部から発生器からの
希溶液を散布し、その中間部から蒸発器からの冷媒蒸気
を導入して、下降する希溶液に上昇する冷媒蒸気を吸収
させて濃溶液を得るものである。そのとき発生する吸収
熱は、同じくタンク中間部に配した冷却水との熱交換器
により放熱し、最終的に濃溶液をその最下部に貯蔵する
ものである。これに対して、近年、装置の小型・軽量化
を目的とし、吸収器等の構成要素をいわゆる積層式熱交
換器で構成したものが提案されている。
【0003】この従来の吸収式ヒートポンプ装置の構成
を図5に示す。吸収式ヒートポンプ装置は、溶液ポンプ
41、溶液熱交換器42、発生器43、精溜器44、凝
縮器45、膨張弁46、蒸発器47、吸収器48、溶液
タンク49から構成される。
【0004】略円筒形状かつ中空の溶液タンク49内の
冷媒濃度の高い濃溶液は、溶液ポンプ41により加圧さ
れ、溶液熱交換器42へと送られる。濃溶液は、この溶
液熱交換器42で、精溜器44から流出してくる冷媒濃
度の低い希溶液の顕熱を受けて昇温する。さらに、この
濃溶液は、発生器43で外部より加熱されて冷媒蒸気を
発生し、気液2相状態で精溜器44に流入する。発生器
43は、いわゆる貫流型の発生器であり、都市ガス等を
用いたバーナー50により、管内の濃溶液を加熱するも
のである。精溜器44は密度差により気液を分離し、冷
媒蒸気を凝縮器45へ、冷媒濃度の低くなった希溶液を
溶液熱交換器42へと流出させる。ここで、冷媒蒸気は
冷媒だけでなく溶媒の蒸気も含んでいることから、精溜
器44は、この溶媒蒸気を2次水により冷却して凝縮さ
せ、純度の高い冷媒蒸気を凝縮器45に供給している。
精溜器44を出た希溶液は、その顕熱を溶液熱交換器4
2で濃溶液に与えて降温し、キャピラリ管(減圧キャピ
51)で減圧されて、吸収器48へ戻る。一方、精溜器
44を出た冷媒蒸気は、凝縮器45で外部に熱を放熱し
て液化する。その後、膨張弁46で減圧され低温となっ
て蒸発器47に流入し、外部より熱を吸熱して蒸発し、
吸収器48へ戻る。吸収器48では、溶液熱交換器42
から戻る希溶液に冷媒蒸気を吸収させ、そのとき発生す
る吸収熱を外部に放熱している。こうして冷媒濃度の高
くなった濃溶液は、溶液タンク49に貯蔵され、再び溶
液ポンプ41へと流出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の吸収式ヒートポンプ装置では、以下のような
課題が生じている。
【0006】運転停止直後の起動時に、溶液ポンプ41
を駆動させて送液動作を行い、発生器43により濃溶液
を加熱しても、十分な濃溶液流量が得られないという課
題が生じた。所定の濃溶液流量が確保されないと、装置
の起動特性が悪化するだけでなく、流量の不足により発
生器43が必要以上に過熱してしまう危険性がある。特
に、小型・軽量化を図るために内容積の最小化を図った
従来例のような貫流型の発生器43では、過熱による破
損の危険性が高い。
【0007】このとき、溶液タンク49の側面にサイト
グラスを設置して可視化実験を行ったところ、溶液タン
ク49内でガスが発生しており、溶液ポンプ41からの
異音も確認された。これは、運転停止時に蒸発器47等
に残留した純度の高い冷媒が、起動とともに溶液タンク
49内に流入し、溶液タンク49内部における濃溶液の
濃度を高め、溶液ポンプ41の吸引部で減圧されてキャ
ビテーションを引き起こしたためと考えられる。
【0008】本発明は、上記課題にもとづき、起動特性
およびサイクルの安定性に優れ、信頼性の高い吸収式ヒ
ートポンプ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、少なくとも発生器、凝縮器、蒸発器、吸収
器を有し、さらに、吸収器から送られる濃溶液を保持す
る溶液タンクと、この濃溶液を発生器に送出する溶液ポ
ンプを有する吸収式ヒートポンプ装置であって、 (1)溶液タンクの内部に貫通孔を有する仕切板を設け
る。
【0010】(2)溶液タンクが略円筒形状を有し、そ
の内部を少なくとも3つ以上の空間に分割する複数の仕
切板と、おのおのの仕切板に設けた貫通孔と、この貫通
孔を連結する管状の濃溶液流路とを備え、仕切板と濃溶
液流路から構成された空間に冷却水を流すことにより、
この濃溶液流路の内部を流れる濃溶液を冷却するもので
ある。
【0011】また、少なくとも発生器、凝縮器、蒸発
器、吸収器を有する吸収式ヒートポンプ装置であって、 (3)吸収器が、冷媒蒸気と希溶液との混合流の流路と
なる吸収流路とこの吸収流路からの濃溶液を保持する濃
溶液保持部とをスリット状に形成したプレートAと、前
記吸収流路と対向する部分には隔壁を、前記濃溶液保持
部と対向する位置には略同一形状のスリットを形成した
プレートBと、前記プレートBの隔壁を介して前記吸収
流路と対向する位置に冷却水流路を、前記濃溶液保持部
と対向する位置に略同一形状のスリットを形成したプレ
ートCとを、複数組積層し一体化した構造を有する。
【0012】(4)吸収器が、冷媒蒸気と希溶液との混
合流の流路となる吸収流路と、この吸収流路からの濃溶
液を保持する濃溶液保持部と、この濃溶液保持部からの
濃溶液の流路となる濃溶液流路とをスリット状に形成し
たプレートAと、前記吸収流路と対向する部分には隔壁
を、前記濃溶液保持部と対向する位置には略同一形状の
スリットを、前記濃溶液流路と対向する部分には隔壁を
形成したプレートBと、前記プレートBの隔壁を介して
前記吸収流路と対向する位置に冷却水流路を、前記濃溶
液保持部と対向する位置に略同一形状のスリットを、前
記濃溶液流路と対向する位置には冷却水流路を形成した
プレートCとを、複数組積層し一体化した構造を有す
る。
【0013】(5)(3)および(4)の構成に加え
て、プレートA、B、Cにスリット状に形成した濃溶液
保持部の一部に凸部を設け、各プレートを一体化した際
にこの凸部が接合され、前記濃溶液保持部を連通した複
数の部分に分割する。
【0014】(6)(4)の構成に加えて、プレートC
が、プレートAの吸収流路と対向する位置に設けた冷却
水流路と、プレートAの濃溶液流路と対向する位置に設
けた冷却水流路とを、濃溶液保持部を回避するように連
通した構造を有するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明による実施形態につ
いて説明する。
【0016】図1は本発明による第1の実施形態であ
り、吸収式ヒートポンプ装置の構成を模式的に示したも
のである。本実施形態の吸収式ヒートポンプは、従来例
と同様に、溶液ポンプ1、溶液熱交換器2、発生器3、
精溜器4、凝縮器5、膨張弁6、蒸発器7、吸収器8、
溶液タンク9aから構成される。
【0017】溶液タンク9a内の冷媒濃度の高い濃溶液
は、例えば、トロコイドギア等を用いたギア型の溶液ポ
ンプ1により、溶液熱交換器2へと送られる。濃溶液
は、この溶液熱交換器2で、精溜器4から流出してくる
冷媒濃度の低い希溶液の顕熱を受けて昇温する。さら
に、この濃溶液は、発生器3で外部より加熱されて冷媒
蒸気を発生し、気液2相状態で精溜器4に流入する。発
生器3は、いわゆる貫流型の発生器であり、都市ガス等
を用いたバーナー10により、管内の濃溶液を加熱する
ものである。精溜器4は密度差により気液を分離し、冷
媒蒸気を凝縮器5へ、冷媒濃度の低くなった希溶液を溶
液熱交換器2へと流出させる。ここで、冷媒蒸気は冷媒
だけでなく溶媒の蒸気も含んでいることから、精溜器4
は、この溶媒蒸気を2次水により冷却して凝縮させ、純
度の高い冷媒蒸気を凝縮器5に供給している。精溜器4
を出た希溶液は、その顕熱を溶液熱交換器2で濃溶液に
与えて降温し、キャピラリ管(減圧キャピ11)で減圧
されて、吸収器8へ戻る。一方、精溜器4を出た冷媒蒸
気は、凝縮器5で外部に熱を放熱して液化する。その
後、膨張弁6で減圧され低温となって蒸発器7に流入
し、外部より熱を吸熱して蒸発し、吸収器8へ戻る。吸
収器8では、溶液熱交換器2から戻る希溶液に冷媒蒸気
を吸収させ、そのとき発生する吸収熱を外部に放熱して
いる。こうして冷媒濃度の高くなった濃溶液は、溶液タ
ンク9aに貯蔵され、再び溶液ポンプ1へと流出され
る。
【0018】このとき、溶液タンクとして、従来例で示
した略円筒形状かつ中空のものを用いると、運転停止直
後の起動時に十分な濃溶液流量が得られず、起動特性が
悪化するとともに、発生器が空焚きを起こすという現象
が見られた。これは、運転停止時に蒸発器等に残留した
純度の高い冷媒が、起動とともに溶液タンク内に流入
し、溶液タンク内部における濃溶液の濃度を高め、溶液
ポンプの吸引部でキャビテーションを引き起こしたため
と考えられる。
【0019】そこで、略円筒形状を有する溶液タンク9
aの中間部に、貫通孔13を設けた円板状の仕切板12
を挿入し、その内部を互いに連通した上下2つの部分に
分割する。このような構成の溶液タンク9aを用いて実
験を行ったところ、起動時にも十分な濃溶液流量が安定
して得られ、きわめて良好な起動特性が得られた。これ
は、運転停止時に蒸発器7等に残留した純度の高い冷媒
が、起動とともに溶液タンク9a内に流入しても、仕切
板12により遮断され、分割された溶液タンク9a上部
に存在する濃溶液の濃度を高めるにとどまり、溶液タン
ク9a下部に存在する濃溶液には影響を及ぼさなかった
ためと考えられる。安定した状態にある溶液タンク9a
下部の濃溶液は、溶液ポンプ1の吸引部でキャビテーシ
ョンを発生することがないため、搬送力の低下や異音の
発生を引き起こすことなく、安定して搬送される。
【0020】したがって、本実施形態によれば、起動時
にも十分な濃溶液流量が確保され、起動特性の安定化お
よび低騒音化を実現することができる。
【0021】なお、本実施形態では、溶液タンク9a内
部に1枚の仕切板12を挿入するものと図示したが、さ
らに十分な起動特性が得られるならば、2枚以上の仕切
板を挿入しても良い。また、貫通孔13の形状や数につ
いては、特に詳細な記述はしていないが、適度な流動抵
抗を与えるものであれば、自由に設定しても構わない。
さらに、仕切板12は、貫通孔を設けた円板形状のもの
としたが、同様に適度な流動抵抗を与えるものであれ
ば、自由に設定しても構わない。また、特に吸収器8の
構成についての詳しい説明は省略したが、いわゆる積層
式熱交換器を用いて構成することが、装置の小型・軽量
化の実現という点からも望ましい。この吸収器は、例え
ば、希溶液と冷媒蒸気の流路となる吸収流路をスリット
状に形成したプレートAと、隔壁となるプレートBと、
冷却水流路をスリット状に形成したプレートCとを、複
数組積層し一体化接合したものである。
【0022】図2は本発明による第2の実施形態であ
り、吸収式ヒートポンプ装置の構成を模式的に示したも
のである。本実施形態の吸収式ヒートポンプの基本的な
構成および動作は、第1の実施形態とほぼ同様であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0023】本実施形態では、略円筒形状を有する溶液
タンク9bの内部に、円板状の仕切板14および15を
挿入するとともに、管状の濃溶液流路16により、溶液
タンク9bの仕切板14より上の部分と仕切板15より
下の部分とを互いに連通させた構成となっている。な
お、仕切板14と仕切板15の間の濃溶液流路16内部
以外の部分は、他の溶液タンク9b内部から完全に独立
した冷却水流路17となっており、冷却水の流入および
流出が可能となっている。起動および運転時には、冷却
水流路17を流れる冷却水により、濃溶液流路16内部
を流れる濃溶液を冷却している。
【0024】このような構成の溶液タンク9bを用いて
実験を行ったところ、運転停止直後の起動時に起こる溶
液タンク9bへの残留冷媒の流入が、仕切板14により
遮断され、第1の実施形態と同様に、きわめて良好な起
動特性が得られた。さらに、濃溶液が溶液タンク9b内
部で冷却水により冷却されるため、濃溶液の過冷却が十
分となり、溶液ポンプ1の吸引部でキャビテーションを
発生する可能性がきわめて少なくなる。濃溶液の過冷却
は、起動時だけでなく通常運転時にも行われるため、溶
液ポンプ1の安定した運転が可能となり、その長寿命化
を保証することが可能となる。
【0025】したがって、本実施形態によれば、起動特
性の安定化および低騒音化とともに、溶液ポンプの長寿
命化および装置の信頼性の向上を実現することができ
る。
【0026】図3は本発明による第3の実施形態であ
り、吸収式ヒートポンプ装置の構成を模式的に示したも
のである。本実施形態の吸収式ヒートポンプの基本的な
構成および動作は、第1の実施形態とほぼ同様であるの
で、ここでは説明を省略する。
【0027】本実施形態は、従来の吸収器と溶液タンク
と濃溶液の過冷却器とを、積層式熱交換器の作製方法を
用いて一体化し、装置構成の簡略化を目的としたもので
ある。さらに、起動時に起こる溶液タンク20への残留
冷媒の流入が、仕切部22により遮断され、第1および
第2の実施形態と同様に、きわめて良好な起動特性が得
られる。また、濃溶液が濃溶液過冷却器21で冷却水に
より冷却されるため、濃溶液の過冷却が十分となり、溶
液ポンプ1の吸引部でキャビテーションを発生する可能
性がきわめて少なくなる。濃溶液の過冷却は、起動時だ
けでなく通常運転時にも行われるため、溶液ポンプ1の
安定した運転が可能となり、その長寿命化を保証するこ
とが可能となる。
【0028】図4は本発明の第3の実施形態に用いる吸
収・過冷却一体器18であり、積層式熱交換器を用いて
一体化した吸収器、溶液タンクおよび過冷却器の構成お
よびその作用が簡潔に説明できるように、各プレートの
流路構成を模式的に示したものである。
【0029】本実施形態の吸収・過冷却一体器18は、
吸収流路31、濃溶液保持部32、濃溶液流路33をス
リット状に構成したプレート30と、隔壁部41および
43を備え、濃溶液保持部42をスリット状に構成した
プレート40と、冷却水流路51および53、濃溶液保
持部52をスリット状に構成したプレート50とを交互
に複数組積層し、上下にエンドプレート60および70
を設けて一体化したものである。なお、エンドプレート
60には、吸収式ヒートポンプ装置の各構成要素と吸収
・過冷却一体器18とを接続するための例えば円管から
なる導入部が備えられている。
【0030】各プレートの構成を具体的に説明する。ま
ず、プレート30には、互いに連通する冷媒蒸気導入流
路34、希溶液導入流路35、吸収流路31、濃溶液保
持部32、濃溶液流路33が設けられている。さらに、
各プレートを積層し一体化した際に、冷却水のヘッダー
部を形成する貫通孔36a、36bおよび36cが設け
られている。
【0031】また、熱交換を行う際の隔壁となるプレー
ト40には、隔壁部41および43と濃溶液保持部42
とに加えて、各プレートを積層し一体化した際に、冷却
水のヘッダー部を形成する貫通孔46a、46bおよび
46c、冷媒蒸気および希溶液のヘッダー部を形成する
貫通孔44および45、濃溶液のヘッダー部を形成する
貫通孔47が設けられている。
【0032】さらに、プレート50には、隔壁となるプ
レート40を介して、プレート30の吸収流路31と対
向する位置に冷却水流路51が、濃溶液流路33と対向
する位置に冷却水流路53が設けられている。このプレ
ート50には同様に、濃溶液保持部52に加えて、各プ
レートを積層し一体化した際に、冷媒蒸気および希溶液
のヘッダー部を形成する貫通孔54および55、濃溶液
のヘッダー部を形成する貫通孔57が設けられている。
【0033】なお、各プレート30、40、50の濃溶
液保持部32、42、52には、その側面から凸状の仕
切部38、48、58が設けられている。
【0034】これらのプレート30、40、50、40
を順番に重ねて1組とし、さらに複数組積層して一体化
することにより、1つの吸収・過冷却一体器18が形成
される。このとき、濃溶液保持部32、42、52がす
べて連通し、図3で説明したような濃溶液を保持する溶
液タンク20としての空間が吸収・過冷却一体器18内
部に形成される。同様に、仕切部38、48、58が接
合されることにより、全体として溶液タンク20を分割
する仕切部22が形成される。
【0035】なお、各プレートを一体化接合する方法と
しては、例えば拡散溶接やロウ付けが用いられる。拡散
溶接は、真空内でプレートの母材の融点より少し低い温
度まで昇温し加圧するもので、プレート材料の拡散によ
って一体化するものである。ロウ付けは、プレートの母
材よりも融点の低いロウ材を全ての接合面につけて、真
空または不活性雰囲気内でロウ材の融点まで昇温し、ロ
ウ材のみを溶融させて一体化するものである。
【0036】次に、本発明の実施形態の作用について説
明する。本発明の吸収式ヒートポンプ装置において、蒸
発器7から送られた冷媒蒸気は、エンドプレート60に
設けた冷媒蒸気導入部64から、吸収・過冷却一体器1
8の内部に流入する。この冷媒蒸気は、貫通孔44およ
び54を経由し、各プレート30の冷媒蒸気導入流路3
4を通じて、吸収流路31に送られる。一方、精溜器4
から溶液熱交換器2を経由し、減圧キャピ11で減圧さ
れた希溶液は、同じく希溶液導入部65から吸収・過冷
却一体器18内部に流入する。この希溶液も同様に、貫
通孔45および55を経由し、各プレート30の希溶液
導入流路35を通じて、吸収流路31に送られる。
【0037】吸収流路31において、希溶液は徐々に冷
媒蒸気を吸収し、そのとき発生する吸収熱を、プレート
40の隔壁部41を介して、プレート50の冷却水流路
51を流れる冷却水に放熱する。この吸収流路31を通
じて吸収が進行し、ほぼ全ての冷媒蒸気が希溶液に吸収
されて得られた冷媒濃度の高い濃溶液は、濃溶液保持部
32、42、52で構成される溶液タンク20に送られ
て保持される。
【0038】次に、この濃溶液は、再びプレート30の
濃溶液流路33に送られ、プレート40の隔壁部43を
介して、プレート50の冷却水流路53を流れる冷却水
により冷却される。
【0039】最後に、濃溶液過冷却器21により十分に
過冷却された濃溶液は、貫通孔57および47を経由
し、濃溶液送出部67から吸収・過冷却一体器18の外
部に送出され、溶液ポンプ1へ送られる。
【0040】なお、冷却水は、冷却水導入部63cから
吸収・過冷却一体器18の内部に送られ、貫通孔36c
および46cを経由して、各プレート50の冷却水流路
53に送られたものである。この冷却水は、冷却水流路
53で濃溶液を冷却した後、ヘッダー部36bおよび4
6b等を経由して冷却水流路51に送られ、希溶液への
冷媒蒸気の吸収熱を受け、貫通孔46aおよび36aを
経由して、冷却水送出部63aから吸収・過冷却一体器
18の外部に送出される。
【0041】先に説明したように、吸収・過冷却一体器
18の内部には、濃溶液を保持する溶液タンク20とし
ての空間が形成されており、さらに仕切部38、48、
58が接合されることにより、溶液タンク20を分割す
る仕切部22が形成されている。したがって、起動時に
起こる溶液タンク20への残留冷媒の流入が、この仕切
部22により遮断され、第1および第2の実施形態と同
様に、きわめて良好な起動特性が得られる。また、濃溶
液の過冷却が十分となり、起動時、通常運転時ともに、
溶液ポンプ1の吸引部でキャビテーションを発生する可
能性が少なくなり、溶液ポンプ1の安定した運転が可能
となる。さらに、吸収器19および濃溶液過冷却器21
における冷却水の流路を、途中で引き出すことなく、吸
収・過冷却一体器18内部に埋設することができるた
め、配管構成の簡略化を図ることができる。
【0042】したがって、本実施形態によれば、従来の
吸収器、溶液タンクおよび濃溶液の過冷却器を一体的に
構成することが可能となるため、装置構成の簡略化を図
ることができる。また、起動特性の安定化および低騒音
化、溶液ポンプの長寿命化および装置の信頼性の向上を
実現することができる。
【0043】なお、本発明の実施形態では、希溶液と冷
媒蒸気とをそれぞれ独立に吸収器内部に流入させ、吸収
流路内で混合させるとしたが、希溶液と冷媒蒸気を混合
した後に吸収器内に流入させるような流路構成としても
良い。また、冷媒蒸気および希溶液の導入流路34およ
び35をプレート30に設けるとしたが、適当な貫通孔
を設けることにより、プレート40あるいはプレート5
0に設けるような構成としても良い。さらに、図4に示
したように、プレート30および50の下面に位置し隔
壁となるプレート40は、全て同一形状の貫通孔を有す
るものとしたが、流路構成に応じて異なる形状としても
良い。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、上記し
た構成により 起動特性に優れ、信頼性の高い吸収式ヒ
ートポンプ装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の吸収式ヒートポンプ
装置の構成図
【図2】本発明の第2の実施形態の吸収式ヒートポンプ
装置の構成図
【図3】本発明の第3の実施形態の吸収式ヒートポンプ
装置の構成図
【図4】本発明の第3の実施形態の吸収式ヒートポンプ
装置に用いる吸収・過冷却一体器の構成図
【図5】従来の吸収式ヒートポンプ装置の構成図
【符号の説明】
1 溶液ポンプ 3 発生器 4 精溜器 5 凝縮器 7 蒸発器 8、19 吸収器 9a、9b、20 溶液タンク 12、14、15、22 仕切板 13 貫通孔 16 濃溶液流路 17 冷却水流路 18 吸収・過冷却一体器 21 濃溶液過冷却器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも発生器、凝縮器、蒸発器、吸収
    器を有し、さらに、吸収器から送られる濃溶液を保持す
    る溶液タンクと、この濃溶液を発生器に送出する溶液ポ
    ンプを有する吸収式ヒートポンプ装置であって、溶液タ
    ンクの内部に貫通孔を有する仕切板を設けたことを特徴
    とする吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 【請求項2】少なくとも発生器、凝縮器、蒸発器、吸収
    器を有し、さらに、吸収器から送られる濃溶液を保持す
    る溶液タンクと、この濃溶液を発生器に送出する溶液ポ
    ンプを有する吸収式ヒートポンプ装置であって、溶液タ
    ンクの内部に保持された濃溶液を冷却水により冷却する
    濃溶液冷却部を設けたことを特徴とする吸収式ヒートポ
    ンプ装置。
  3. 【請求項3】溶液タンクが略円筒形状を有し、その内部
    を少なくとも3つ以上の空間に分割する複数の仕切板
    と、おのおのの仕切板に設けた貫通孔と、この貫通孔を
    連結する管状の濃溶液流路とを備え、仕切板と濃溶液流
    路から構成された空間に冷却水を流すことにより、この
    濃溶液流路の内部を流れる濃溶液を冷却することを特徴
    とする請求項2記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  4. 【請求項4】少なくとも発生器、凝縮器、蒸発器、吸収
    器を有する吸収式ヒートポンプ装置であって、前記吸収
    器が、冷媒蒸気と希溶液との混合流の流路となる吸収流
    路とこの吸収流路からの濃溶液を保持する濃溶液保持部
    とをスリット状に形成したプレートAと、前記吸収流路
    と対向する部分には隔壁を、前記濃溶液保持部と対向す
    る位置には略同一形状のスリットを形成したプレートB
    と、前記プレートBの隔壁を介して前記吸収流路と対向
    する位置に冷却水流路を、前記濃溶液保持部と対向する
    位置に略同一形状のスリットを形成したプレートCと
    を、複数組積層し一体化した構造を有することを特徴と
    する吸収式ヒートポンプ装置。
  5. 【請求項5】少なくとも発生器、凝縮器、蒸発器、吸収
    器を有する吸収式ヒートポンプ装置であって、前記吸収
    器が、冷媒蒸気と希溶液との混合流の流路となる吸収流
    路と、この吸収流路からの濃溶液を保持する濃溶液保持
    部と、この濃溶液保持部からの濃溶液の流路となる濃溶
    液流路とをスリット状に形成したプレートAと、前記吸
    収流路と対向する部分には隔壁を、前記濃溶液保持部と
    対向する位置には略同一形状のスリットを、前記濃溶液
    流路と対向する部分には隔壁を形成したプレートBと、
    前記プレートBの隔壁を介して前記吸収流路と対向する
    位置に冷却水流路を、前記濃溶液保持部と対向する位置
    に略同一形状のスリットを、前記濃溶液流路と対向する
    位置には冷却水流路を形成したプレートCとを、複数組
    積層し一体化した構造を有することを特徴とする吸収式
    ヒートポンプ装置。
  6. 【請求項6】プレートA、B、Cにスリット状に形成し
    た濃溶液保持部の一部に凸部を設け、各プレートを一体
    化した際にこの凸部が接合され、前記濃溶液保持部を連
    通した複数の部分に分割することを特徴とする請求項4
    または5記載の吸収式ヒートポンプ装置。
  7. 【請求項7】プレートCが、プレートAの吸収流路と対
    向する位置に設けた冷却水流路と、プレートAの濃溶液
    流路と対向する位置に設けた冷却水流路とを、濃溶液保
    持部を回避するように連通した構造を有することを特徴
    とする請求項5記載の吸収式ヒートポンプ装置。
JP9184828A 1997-07-10 1997-07-10 吸収式ヒートポンプ装置 Pending JPH1130455A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100339399B1 (ko) * 2000-04-10 2002-06-01 구자홍 흡수식 히트펌프
CN106949671A (zh) * 2015-10-07 2017-07-14 荏原冷热系统株式会社 吸收式热泵

Cited By (3)

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