JPH11304440A - 変形監視装置 - Google Patents

変形監視装置

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JPH11304440A
JPH11304440A JP2865899A JP2865899A JPH11304440A JP H11304440 A JPH11304440 A JP H11304440A JP 2865899 A JP2865899 A JP 2865899A JP 2865899 A JP2865899 A JP 2865899A JP H11304440 A JPH11304440 A JP H11304440A
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JP
Japan
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optical fiber
deformation
change
tunnel
monitoring device
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Withdrawn
Application number
JP2865899A
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English (en)
Inventor
Tokio Kai
登喜雄 開
Tsuyotoshi Yamaura
剛俊 山浦
Yoshiaki Inoue
好章 井上
Tadashi Sugimura
忠士 杉村
Masazumi Tsukano
正純 塚野
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】監視対象の三次元方向への変形を高感度で検出
できる変形監視装置を提供すること。 【解決手段】監視対象(5)に対してほぼ平行するよう
敷設された光ファイバ1と、前記監視対象(5)に対し
てほぼ平行するよう設けられた基準板(6)と、前記監
視対象(5)に変形が生じた際、前記監視対象(5)と
前記基準板(6)との三次元方向における相対的な位置
関係の変化を前記光ファイバ1へ伝達する伝達手段(2
1〜2n)と、この伝達手段(21〜2n)の伝達によ
り生ずる前記光ファイバ1の歪量を計測することで前記
監視対象(5)に生じた変形を検出する検出手段と、か
ら構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル、ダム及
び建物などの大型構造物の形状変化を光ファイバを用い
て監視する変形監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル、ダム及び建物などの形状変化
を常時監視することは崩壊事故などの予防に有効であ
る。これらの形状変化を監視する方法として、トランシ
ットなど寸法計測器により代表点間の寸法を計測し、前
計測データとの比較により形状変化を監視する方法や、
歪ゲージを代表点に設置し歪計測器を用いて形状変化を
監視する方法がある。しかし、これらの方法はいずれも
代表点を計測、監視しているにすぎず、変形の発生する
個所が不明なトンネル、ダムなどを密に監視するために
は多数点にて計測を行なう必要がある。
【0003】一方近年では、光ファイバの散乱光を分析
することにより、光ファイバにかかる歪量を計測する以
下のような方法が開発されている。この方法では、後方
ブリルアン散乱光の周波数シフト、すなわち入射光の光
周波数からブリルアン散乱光スペクトルの中心周波数を
引いた値が光ファイバに加わった引っ張り応力、すなわ
ちそれと等価な引っ張り応力による相対伸びである光フ
ァイバの伸び歪とともに増大することに着目し、ブリル
アン周波数シフトの変化から、光ファイバ(あるいは光
ケーブル)の異常点を検索する。
【0004】この方法では、光ファイバの片端からパル
ス光を入射し、該光ファイバ内で生じるブリルアン散乱
光の後方散乱光をコヒーレント検波方法により高感度に
検出する。このとき、散乱光の光波と光ファイバ中の音
波との相互作用により入射したパルス光の光周波数に対
して上方及び下方にシフトしたブリルアン散乱光が検出
されることを利用し、ブリルアン散乱光の周波数シフト
分布から光ファイバの歪み分布を測定する。
【0005】ブリルアン散乱光の周波数シフトと歪量と
の関係は、次式(1)で与えられる。
【0006】 fb(ε)=fb(0)(1+Cε) …(1) ここでfb(0)は、歪量ε(%)がゼロのときのブリ
ルアン周波数シフト(入射光の周波数からブリルアン散
乱のスペクトルの中心周波数を引いた値)であり、入射
光の波長が1500nmのときの値は、11GHzであ
る。また、Cは比例係数であり、約4.5である。上式
(1)をεについて解くと、 ε={fb(ε)−fb(0)}/{Cfb(0)} …(2) となる。したがって、ブリルアン周波数シフトを測定す
ることにより、光ファイバの歪みを求めることができ
る。
【0007】このブリルアン周波数シフトを計測するた
めには、微弱なブリルアン散乱光を効率よく受光する必
要がある。この方法として、BOTDA(Brillouin Op
tical Fiber Domain Analysis)やBOTDR(Brilloui
n Optical Time Domain Reflectometry )等が報告され
ている。
【0008】BOTDAは、ブリルアン利得分光法を応
用するものであり、ポンプパルス光により発生した後方
ブリルアン散乱光の光パワーを、プローブ光により増大
させることができる。一方BOTDRは、コヒーレント
受信等の手段を使った高感度の受信により、微弱なブリ
ルアン散乱光を受信するものである。
【0009】このように、BOTDAとBOTDRは高
感度の測定ができるとともに、高精度な相対光周波数の
測定も可能であるため、どちらの方法を用いても光ファ
イバのブリルアン周波数シフトの分布を測定できる。こ
れらの方法は、文献(信学論誌、B-I Vol.J73-B-I,No.
2,pp.144-152,1990;Technical Digest of Internationa
l Quantum Electrinics Conference(IQEC'92),paper n
o. MoL.4,pp.42-43,1992)に開示されている。
【0010】これらの方法では、ブリルアン周波数シフ
トを求めるために、投入光あるいは受光部の周波数をス
キャンしてブリルアン散乱光のピーク周波数を求めてい
る。また、入射光をパルス状にして散乱光が入射端に戻
ってくるまでの時間を計測することにより、光ファイバ
の各部分での歪の分布を求めることができるが、微弱な
信号を扱うため、一つの周波数の計測に212〜220回程
度の加算平均演算を行なっている。
【0011】近年では、上述した光ファイバを用いた歪
計測器(BOTDR)の開発とともに、これらを用いた
変形監視装置が実用化されている。この変形監視装置
は、トンネル、ダム及び建物などの監視対象に光ファイ
バを敷設し、上述した原理により光ファイバの歪すなわ
ち変形を計測することで監視対象の形状変化を監視する
ものであり、パルス光を入射しブリルアン反射光が戻っ
てくるまでの時間から、光ファイバ全長に亘る変形の状
態を知ることができる。また、光ファイバの敷設後は、
監視対象の変形量を常時監視できるという利点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来の光ファイバを用
いた変形監視装置の第1の欠点は、光ファイバの布設方
向すなわち長さ方向以外の方向への変形に対して感度が
悪いことにある。例えば上記歪計測器は、トンネルの長
さ方向の変化に対して0.2mm/2m程度の感度を有
するが、幅方向の変化は感度が悪い。よって、三次元方
向に発生する変形を高感度で検出するには、光ファイバ
を三次元的に布設する必要があり、多大な手間と費用が
必要とされる。以下、具体例により説明する。
【0013】図6の(a)〜(d)は、上記歪計測器を
用いた基礎試験の状況を示す図である。図6の(a)〜
(d)では、試験片100の長さ方向をx,幅方向を
y,上下方向をzとして記している。試験片100の長
さLは約2mである。
【0014】図6の(a)は、試験片100に変形が無
い状態であり、試験片100上の長さ方向に光ファイバ
1を貼付け、光ファイバ1の変形を歪計測器3で計測し
ている。図6の(b)では、試験片100をx方向にΔ
x伸ばしている。したがって、光ファイバ1もΔx伸
び、変形が発生している。歪計測器3を用いた計測によ
ると、2m長の光ファイバでΔxに0.2mm以上の伸
びがあれば、変形を充分検出することができる。
【0015】図6の(c)では、試験片100の中央部
をz方向にΔz変形している。歪計測器3を用いた計測
によると、Δzが約14mm以上の変形であれば検出可
能である。図6の(d)では、試験片100の中央部を
y方向にΔy変形している。歪計測器3を用いた計測に
よると、Δyが約14mm以上の変形であれば検出可能
である。
【0016】図7は、図6に示した試験片100の変形
と光ファイバ1の伸びの関係を示す図である。光ファイ
バ1は、A点,C点,B点からなる直線101の状態で
長さが2mである。光ファイバ1の中央部C点に上部方
向へΔzの変形を与えると、光ファイバ1はA点,C’
点,B点からなる円弧103になる。この円弧103
を、A点,C’点,B点からなる三角形102とおおよ
そ等しいものとすると、光ファイバ1の伸び量ΔLは次
式(3)で求められる。
【0017】
【数1】
【0018】このとき、AC=1m、AB=2mであ
る。
【0019】上式(3)からΔz=14mmのとき、Δ
L=0.2mmとなる。したがって、図6の(c)に示
すΔz、図6の(d)に示すΔyが、それぞれ約14m
mの変化で検出できるのは、2m長の光ファイバ1が
0.2mm伸びたためであるといえる。
【0020】図8の(a)〜(c)は、トンネル内壁へ
の光ファイバの布設例を示す図である。図8の(a)
は、トンネル2の長手方向に光ファイバ1を直線的に布
設した例である。上記したように、トンネル2の長手方
向すなわちX方向は、2mあたり0.2mm以上の変形
が検出できる。仮にトンネル長を100mとすると、ト
ンネル全長で2cm以上の伸び変形が検出できる。
【0021】しかし図8の(a)では、トンネル2の幅
方向すなわちy方向、トンネル2の上下方向すなわちz
方向の変形は検出感度が悪い。トンネル2の中央部を頂
点とするなだらかなy方向への変化やz方向への変形に
対して、光ファイバ1が0.2mm/2m以上伸びて変
形を検出できるようになるトンネル2中央部のy及びz
方向の変形量は100cm以上になり、これは実用上問
題がある。
【0022】図8の(b)は、トンネル2のy方向の変
形検出を考慮した光ファイバ1の布設例を示す図であ
る。図8の(b)では、光ファイバ1のn1 〜n2 、n
3 〜n4 、…、をトンネル2の天井部にy方向へ布設し
ている。このような光ファイバ1の布設部分について
は、y方向で0.2mm/2m以上の変形を検出でき
る。しかし、トンネル2内の交通を考慮すると実布設に
制限がある。
【0023】図8の(c)は、トンネル2のz方向の変
形検出を考慮した光ファイバ1の布設例を示す図であ
る。図8の(c)では、光ファイバ1のn1 〜n2 、n
3 〜n4 、…、をトンネル2の上部から下部へ向けたz
方向に布設している。このような光ファイバ1の布設部
分については、z方向で0.2mm/2m以上の変形を
検出できる。
【0024】以上、トンネルを例に記述したように、光
ファイバ1を用いた変形計測では被計測物が3次元的に
変形するので、光ファイバ1も3次元的に布設する必要
がある。また、y,z方向の変形を密に検出するために
は、y,z方向へ光ファイバ1を密に布設する必要があ
り、光ファイバ1の総延長距離が長くなり、布設に多く
の手間と時間が必要である。
【0025】従来の光ファイバを用いた変形監視装置の
第2の欠点は、歪計測器が高価なことにある。歪計測器
は、光ファイバに照射した光パルスの反射波であるブリ
ルアン散乱光の周波数変化を計測する必要があるため、
電子回路も複雑で高価になる。
【0026】本発明の目的は、以下の変形監視装置を提
供することにある。
【0027】(1) 光ファイバの布設を容易にし、監視対
象の三次元方向への変形を高感度で検出できる変形監視
装置。
【0028】(2) 安価な計測器を用いて監視対象の変形
を監視できる変形監視装置。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、本発明の変形監視装置は以下の如く構
成されている。
【0030】(1)本発明の変形監視装置は、監視対象
に対してほぼ平行するよう敷設された光ファイバと、前
記監視対象に対してほぼ平行するよう設けられた基準板
と、前記監視対象に変形が生じた際、前記監視対象と前
記基準板との三次元方向における相対的な位置関係の変
化を前記光ファイバへ伝達する伝達手段と、この伝達手
段の伝達により生ずる前記光ファイバの歪量を計測する
ことで前記監視対象に生じた変形を検出する検出手段
と、から構成されている。
【0031】(2)本発明の変形監視装置は上記(1)
に記載の装置であり、かつ前記伝達手段は、前記監視対
象と前記基準板との相対的な位置関係の変化をテコの原
理を利用して拡大し前記光ファイバへ伝達する変位拡大
治具を備えた。
【0032】(3)本発明の変形監視装置は上記(2)
に記載の装置であり、かつ前記変位拡大治具は、前記位
置関係の変化の拡大比を変更可能とした。
【0033】(4)本発明の変形監視装置は上記(1)
乃至(3)のいずれかに記載の装置であり、かつ前記光
ファイバにおける前記伝達手段と関わる個所の形状を輪
状にした。
【0034】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)図1は、本
発明の第1の実施の形態に係る変形監視装置の構成を示
す図であり、監視対象であるトンネルの内側壁を上方か
ら見た図である。図1は、トンネルの内側壁に光ファイ
バを布設した例を示しており、以下、光ファイバを布設
した方向すなわちトンネルの長手方向をx方向、幅方向
をy方向、上下方向をz方向とする。
【0035】図1では、トンネルの内側壁5に、トンネ
ルの長手方向すなわちx方向に沿って所定間隔(例えば
10m)をもって複数の固定金具(コンクリート・ボル
ト)7が打ち込まれている。これら固定金具7により、
内側壁5に沿って治具取付板(基準板)6が固定されて
いる。
【0036】また、トンネルの内側壁5に、トンネルの
長手方向に沿って任意の間隔をもって後述する複数の変
位拡大治具21〜2nが取り付けられている。各変位拡
大治具21〜2nの上部には一本の光ファイバ1がトン
ネルの内側壁5及び治具取付板6と平行するよう布設さ
れている。光ファイバ1の末端には、上述した後方ブリ
ルアン散乱光の周波数シフトにより光ファイバの歪量を
計測する歪計測器(BOTDR)3が接続されている。
【0037】図1では、トンネルの内側壁5の形状変化
を変位拡大治具21〜2nを用いて光ファイバ1へ伝達
し、これらを歪計測器3を用いて常時監視し、規定値以
上の形状変化を検出した場合に音声あるいは表示等によ
る警報4を出力するようにしている。治具取付板6は、
監視対象の形状変化を検出する目的で設けられる基準面
であり、監視対象の形状変化は治具取付板6との相対的
変化により検出される。変位拡大治具21〜2nの詳細
は後述するが、内側壁5に形状変化5aが起きると、変
位拡大治具21〜2nは形状変化5aによる変位を拡大
して光ファイバ1へ伝達する。
【0038】図2は、歪計測器3の構成を示すブロック
図である。歪計測器3では、送受光器31から出力され
た測定光が光ファイバ1に入り、戻ってきた光をフィル
タ32を介して送受光器31で受ける。加算平均部33
では、各周波数毎に戻ってきた光の強度分布を加算平均
し、加算平均が完了すると周波数制御部34でフィルタ
32の透過周波数を変更する。
【0039】すべての周波数の加算平均処理が完了する
と、図3の(a)に示すような周波数、光ファイバの距
離、後方ブリルアン散乱光強度の関係が得られる。ピー
ク検出部35では、図3の(b)に示すような光ファイ
バ1の距離毎の後方ブリルアン散乱光の強度周波数分布
から散乱光強度がピークとなる周波数37を検出してブ
リルアン周波数シフト38を求め、歪算出部36で歪量
に換算する。
【0040】図4は、上記変位拡大治具21〜2nの構
成を示す図である。図4において図1と同一な部分には
同一符号を付してある。監視対象であるトンネルの内側
壁5には、検出棒(コンクリート・ボルト)10が内側
壁5に対して垂直に打ち込まれている(あるいは埋め込
まれている)。検出棒10は、内側壁5に対して垂直な
方向への変形16(以下、y方向変形と称す)、上下方
向への変形(以下、z方向変形と称す)、及び内側壁5
と平行な方向への変形17(以下、x方向変形と称す)
と同じ方向に動く。
【0041】治具取付板6の内側壁5側には、治具取付
板6及び内側壁5とほぼ平行をなす変位拡大レバー12
の端部が取付けられているとともに、前記端部の内側に
変位拡大レバー12を支持するレバー支点部13が設け
られている。変位拡大レバー12には、内側壁5と対向
するよう支持座11が設けられており、検出棒10の先
端は支持座11に接触している。また、変位拡大レバー
12は、他端部がバネ15を介して治具取付板6に取付
けられており、前記他端部の内側に保持部材20が設け
られている。
【0042】保持部材20は、治具取付板6に設けられ
た貫通穴61を介して光ファイバ固定部14に固定され
ている。光ファイバ固定部14は、光ファイバ1を固持
している。なお、変位拡大レバー12は、通常バネ15
の偏倚力による作用方向18と検出棒10とレバー支点
部13の関係で決まる位置にあり、この条件で平衡な状
態にある。
【0043】仮に、トンネルの内側壁5に幅方向すなわ
ちy方向の変形が生じた場合、検出棒10がy方向16
へ動き支持座11を介して変位拡大レバー12を押す。
これにより、前述した平衡条件がくずれ、テコの原理に
より変位拡大レバー12に取付けられた保持部材20と
固定部14により固定されている光ファイバ1がy方向
19へ変位する。このとき、レバー12の支点aと変位
座11の中央点bとの間の長さAと、支点aと保持部材
20の中央点cとの間の長さBとのレバー比により決ま
る量だけ、光ファイバ1を矢印19の方向に動かすこと
になる。
【0044】仮に、レバー12のac/ab比を10と
し、光ファイバ1を複数の固定部14にて1m毎に保持
した場合、検出棒10の約1.4mm以上のトンネル幅
方向の形状変化が検出可能になる。また、検出棒10が
z方向あるいはx方向17に動いた場合でも、支持座1
1における検出棒10との接触面が凹曲面をなしている
ため、y方向16に動いた場合と同様に光ファイバ1を
変形させることになる。
【0045】上記の構成によれば、変位拡大レバー12
の支点部13と検出棒10の作用点との間の長さAと、
支点部13と保持部材20との間の長さBとの関係をB
>Aにした場合に、微小な変形を光ファイバ1に拡大し
て伝達することができる。また、長さAと長さBとの関
係を変えることで、変形の拡大比を任意に決めることが
できる。また、トンネルの上下方向すなわちz方向の変
形は重力方向になるが、変位座11における検出棒10
と接する面が前述したように凹曲面をなしているため、
矢印19に示す方向の動きに変換される。
【0046】このように、図4に示した変位拡大治具2
1〜2nがトンネルの内側壁5に沿って1mの間隔で取
付けられ、矢印16で示すように内側壁5が変形する
と、変位拡大治具21〜2nは、この変位を拡大して光
ファイバ1を矢印19の方向へ変形させる。上記の如く
内側壁5がx,z方向に変形し、変位拡大治具21〜2
nにてその感度を示すレバー比に応じて拡大された光フ
ァイバー1の長さの変化が0.2mm/2mを上回る場
合、歪計測器3を用いて光ファイバー1からのブリルア
ン散乱光を監視することで、内側壁5の変形を直接検出
できる。
【0047】当該トンネルの長さを100mとすると、
上記したように歪計測器3の検出感度が0.2mm/2
m程度であるので、内側壁5のx方向に全長で約1cm
以上の変形が発生するか、あるいは局部的に光ファイバ
1に0.2mm/2mを越える変形が発生した場合に検
出が可能である。また、y方向及びz方向についても、
局部的に光ファイバ1に0.2mm/2m以上の変形が
発生すれば検出が可能である。よって、図8の(b),
(c)にn1 〜n2 、n3 〜n4 、で示したように光フ
ァイバをy方向あるいはz方向に布設することなく、x
方向に直線状に布設することで三次元方向の変形を検出
できる。
【0048】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施の形態に係る変形監視装置の構成の一部を示す
図である。なお、当該変形監視装置において図5に図示
されていない部分の構成は、図1,図4に示したものと
同一である。
【0049】図5では、光ファイバ1に光パルス計測器
3’が接続されており、光ファイバ1の所定個所がリン
グ形状1’をなしている。光パルス計測器は、本来光フ
ァイバの断線、伝送ロスを調べるためのものであり、光
ファイバに入射した光パルスの後方レーリー散乱光の強
度を計測する。レーリー散乱光はブリルアン散乱光に比
べて光量も非常に強いため、上記歪計測器に比べて電子
回路も簡単で安価である。
【0050】光パルス計測器を用いた光ファイバの伝送
損失の試験結果によれば、光ファイバを通常のように直
線的に布線すると約−2dB/km程度の光伝送ロスが
発生する。一方、光ファイバの一部をリング形状にする
と、そのリングの直径が約60mmφ以上であれば局所
的光伝送損失がほとんど無い。
【0051】しかし、直径60mmφのリング形状を矢
印y1 で示すように約10mm押しつぶすと、局部的な
伝送ロスが発生する。言い換えれば、光ファイバ1の矢
印y1 方向の約10mm以上の変形を光パルス計測器
3’で検出することができる。初期伝送ロスを無視すれ
ば、リング形状の直径を小さくするほど変形の検出感度
は向上する。
【0052】そこで、図4に示した光ファイバ1におけ
る固定部14に固定される個所を直径60mmφのリン
グ形状にし、そのリングの頂部を図5に示すように固定
部14で固持する。これにより、内側壁5にてx方向、
y方向、あるいはz方向に変形が発生した場合、固定部
14が矢印y1 の方向へ動き、リング形状1’の径が変
化するため、光パルス計測器3’による光ファイバ1の
形状変化、すなわち内側壁5の変形を検出できる。
【0053】なお、本発明は上記各実施の形態のみに限
定されず、要旨を変更しない範囲で適時変形して実施で
きる。
【0054】(実施の形態のまとめ)実施の形態に示さ
れた構成及び作用効果をまとめると次の通りである。
【0055】[1]実施の形態に示された変形監視装置
は、監視対象(5)に対してほぼ平行するよう敷設され
た光ファイバ1と、前記監視対象(5)に対してほぼ平
行するよう設けられた基準板(6)と、前記監視対象
(5)に変形が生じた際、前記監視対象(5)と前記基
準板(6)との三次元方向における相対的な位置関係の
変化を前記光ファイバ1へ伝達する伝達手段(21〜2
n)と、この伝達手段(21〜2n)の伝達により生ず
る前記光ファイバ1の歪量を計測することで前記監視対
象(5)に生じた変形を検出する検出手段(3)と、か
ら構成されている。
【0056】したがって上記変形監視装置によれば、監
視対象(5)の三次元方向への変形を全て光ファイバ1
の歪に変換することができるため、監視対象(5)に生
じた変形を高感度で検出できる。また、光ファイバ1を
三次元的に布設する必要がなくなるため、光ファイバ布
設工事が容易になり、工事に係る手間と費用を大幅に削
減できる。
【0057】[2]実施の形態に示された変形監視装置
は上記[1]に記載の装置であり、かつ前記伝達手段
(21〜2n)は、前記監視対象(5)と前記基準板
(6)との相対的な位置関係の変化をテコの原理を利用
して拡大し前記光ファイバ1へ伝達する変位拡大治具2
1〜2nを備えた。
【0058】したがって上記変形監視装置によれば、変
位拡大治具21〜2nを用いることで監視対象(5)の
変形検出の感度が向上する。
【0059】[3]実施の形態に示された変形監視装置
は上記[2]に記載の装置であり、かつ前記変位拡大治
具21〜2nは、前記位置関係の変化の拡大比を変更可
能とした。
【0060】したがって上記変形監視装置によれば、監
視対象(5)と基準板(6)との相対的な位置関係の変
化の拡大比を任意に変更できるので、所望の変形検出の
感度を選択できる。
【0061】[4]実施の形態に示された変形監視装置
は上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の装置であ
り、かつ前記光ファイバ1における前記伝達手段(21
〜2n)と関わる個所の形状を輪状(1’)にした。
【0062】したがって上記変形監視装置によれば、監
視対象(5)の変形を光ファイバ1の微小な径湾曲変化
に変換することで、すなわち光ファイバ1の輪状
(1’)の部分の曲率を変化させることで、安価な光パ
ルス計測器(OTDR)3’を用いることができ、監視
対象(5)の変形を簡易に監視することが可能になる。
【0063】
【発明の効果】本発明の変形監視装置によれば、監視対
象の三次元方向への変形を全て光ファイバの歪に変換す
ることができるため、監視対象に生じた変形を高感度で
検出できる。また、光ファイバを三次元的に布設する必
要がなくなるため、光ファイバ布設工事が容易になり、
工事に係る手間と費用を大幅に削減できる。
【0064】本発明の変形監視装置によれば、変位拡大
治具を用いることで監視対象の変形検出の感度が向上す
る。
【0065】本発明の変形監視装置によれば、監視対象
と基準板との相対的な位置関係の変化の拡大比を任意に
変更できるので、所望の変形検出の感度を選択できる。
【0066】本発明の変形監視装置によれば、監視対象
の変形を光ファイバの微小な径湾曲変化に変換すること
で、安価な光パルス計測器を用いることができ、監視対
象の変形を簡易に監視することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る変形監視装置の構成
を示す図。
【図2】本発明の実施の形態に係る歪計測器の構成を示
すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る周波数、光ファイバ
の距離、後方ブリルアン散乱光強度の関係を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る変位拡大治具の構成
を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る変形監視装置の構成
の一部を示す図。
【図6】従来例に係る歪計測器を用いた基礎試験の状況
を示す図。
【図7】従来例に係る試験片の変形と光ファイバの伸び
の関係を示す図。
【図8】従来例に係るトンネル内壁への光ファイバの布
設例を示す図。
【符号の説明】
1…光ファイバ 21〜2n…変位拡大治具 3…歪計測器 3’…光パルス計測器 4…警報 5…トンネルの内側壁 5a…形状変化 6…治具取付板 7…固定金具 10…検出棒 11…支持座 12…変位拡大レバー 13…レバー支点部 14…光ファイバ固定部 15…バネ 20…保持部材 31…送受光器 32…フィルタ 33…加算平均部 34…周波数制御部 35…ピーク検出部 36…歪算出部
フロントページの続き (72)発明者 杉村 忠士 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 塚野 正純 長崎県長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工 業株式会社長崎造船所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】監視対象に対してほぼ平行するよう敷設さ
    れた光ファイバと、 前記監視対象に対してほぼ平行するよう設けられた基準
    板と、 前記監視対象に変形が生じた際、前記監視対象と前記基
    準板との三次元方向における相対的な位置関係の変化を
    前記光ファイバへ伝達する伝達手段と、 この伝達手段の伝達により生ずる前記光ファイバの歪量
    を計測することで前記監視対象に生じた変形を検出する
    検出手段と、 を具備したことを特徴とする変形監視装置。
  2. 【請求項2】前記伝達手段は、前記監視対象と前記基準
    板との相対的な位置関係の変化をテコの原理を利用して
    拡大し前記光ファイバへ伝達する変位拡大治具を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の変形監視装置。
  3. 【請求項3】前記変位拡大治具は、前記位置関係の変化
    の拡大比を変更可能としたことを特徴とする請求項2に
    記載の変形監視装置。
  4. 【請求項4】前記光ファイバにおける前記伝達手段と関
    わる個所の形状を輪状にしたことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の変形監視装置。
JP2865899A 1998-02-23 1999-02-05 変形監視装置 Withdrawn JPH11304440A (ja)

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