JP3319591B2 - 光ファイバセンサ及び光ファイバセンサ多点計測システム - Google Patents

光ファイバセンサ及び光ファイバセンサ多点計測システム

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの曲げ
損失を利用した光ファイバ式ひずみゲージ等から成り、
力、応力、ひずみ、変位等の物理量の計測等を行う光フ
ァイバセンサ、及び前記光ファイバセンサを複数個用い
てひずみの多点計測を行うことによりトンネルの落盤・
崩落等の危険の検知等を行う光ファイバセンサ多点計測
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、機械・構造物のひずみ等の測
定には、電気抵抗式のひずみゲージが一般的に用いられ
ている。また、近年、光ファイバを利用した光ファイバ
式ひずみセンサも提案され、実用に供されている。
【0003】即ち、知的材料/構造物に具備される機能
の一つであるセンサ機能には、長期間に亘るオンライン
計測が可能であることが求められる。無誘導性、防爆
性、耐腐食性等の特徴を持つ光ファイバは、その構成要
素として有望であり、光ファイバの種々の特性を利用し
てひずみを測定する光ファイバ式ひずみセンサとして実
用化されている。
【0004】このような光ファイバを利用したひずみセ
ンサとして、例えば、いわゆるファブリペロー型の光フ
ァイバ式ひずみゲージ(第1の従来例)、日本機械学会
第37期通常総会講演会講演論文集(・)No96−1
掲載論文「屈曲型光ファイバひずみゲージ」江川幸一他
に記載されたもの(第2の従来例)、特開平9−149
27号公報記載のもの(第3の従来例)、Procee
ding of 19th Meeting on L
ightwave Sensing Technolo
gy, May 1997発表論文「光ファイバセンサ
を用いたコンクリート構造物の歪み分布測定」倉嶋利雄
他に記載されたもの(第4の従来例)等、種々のひずみ
センサが提案されている。
【0005】これらのうち、第2の従来例等、いわゆる
屈曲型の光ファイバを利用したひずみセンサでは、光フ
ァイバに小さな曲げを与えておき、曲げに力を加えるこ
とによる透過光の減衰からひずみを検出する。即ち、光
ファイバは曲げる曲率半径によって、透過光量の損失が
異なり、曲率半径が大きい場含には、損失が発生しな
い。また、ある損失が発生する曲率半径に対して、曲率
半径が減少すると損失が大きくなり、曲率半径が増加す
ると、損失が小さくなる。屈曲型の光ファイバを用いた
ひずみゲージは、かかる原理を利用して、ゲージに加わ
る力により曲率半径を変化させ、透過光の光量変化から
ひずみを検出するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来からの電気抵抗式
のひずみゲージでは、電磁界の影響下では使用に適さな
いという問題がある。また、多点計測の場合は必然的に
ケーブルが太くならざるを得ず、取り扱いが不便であ
り、更に、絶縁が低下する等の問題も避けられない。
一方、上述した光ファイバを用いたひずみセンサでは、
例えば、第1の従来例に係るものでは、ゲージ構成部品
の加工及び組立に高い精度が要求されるが、そのような
高精度のものを製作するには、コストが高くなってしま
う。また、いわゆるOTDR(Optical Tim
e−Domain Reflectometry:光時
間領域反射測定法)を用いた多点計測には、利用できな
い。
【0007】また、第2の従来例に係る屈曲型光ファイ
バ式ひずみゲージは、楕円状あるいは1/4円弧状の屈
曲形状の屈折率差の異なる光ファイバを組み合わせて使
用するものであるが、この形状出実際にゲージベース上
に精度良く成形することは大変困難であり、また、温度
補償については何等の考慮もなされていないので、実用
性の点で疑問がある。
【0008】更に、第3の従来例に係る光ファイバ式ひ
ずみゲージは、ゲージの小型化が難しく局部的な応力や
ひずみを計測するには不適であり、またゲージ単体での
温度補償ができないという問題もある。
【0009】更にまた、第4の従来例に係るものでは、
距離にして1m程度の平均ひずみは光ファイバに沿って
計測できるが、局部的な応力やひずみを高感度に計測す
ることはできない。また、温度による影響は、電気抵抗
式のひずみゲージと比較して10倍程度あるので、温度
の影響を無視できない。
【0010】本発明の目的は、小型で安価に製造でき、
屈曲型の光ファイバを用いて、温度の影響を受けにくく
高精度なひずみ、力、応力、変位等の物理量の計測を行
うことができる光ファイバセンサ、及び該光ファイバセ
ンサを複数個用いてひずみ等の多点計測を行うことが可
能な光ファイバセンサ多点計測システムを提供すること
にあり、また、該光ファイバセンサ多点計測システムを
トンネルの落盤・崩落等の危険を検知するために用いる
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、いわゆる屈曲型の光ファイバを利用し
たひずみゲージ或いは力センサとして、新規且つ有用な
光ファイバセンサ及び該光ファイバセンサを複数個用い
て多点計測が可能な光ファイバセンサ多点計測システム
を発明した。
【0012】即ち、本発明の第1の様相による光ファイ
バセンサは、請求項1に記載されているように、構造体
の一方向に沿って所定の間隔をおいて偏芯せずに略直線
的に形成された第1及び第2の溝と、該第1及び第2の
溝に配置され前記間隔内に屈曲部を有する少なくとも1
本の光ファイバとを有し、前記第1及び第2の溝の幅寸
法は、前記光ファイバの外径寸法の少なくとも2倍の大
きさに形成されており、前記光ファイバは、前記屈曲部
が屈曲する方向と反対側の溝壁面に接触するように前記
第1及び第2の溝内に配置された状態で、接着剤により
該第1及び第2の溝内に固定されていることを特徴とす
る。
【0013】略直線的に形成された第1及び第2の溝内
に屈曲部を有するように光ファイバを配置すれば良いの
で、光ファイバの屈曲部を簡単に形成することができ、
同一の屈曲形状をひずみゲージのゲージベース上に設け
る場合も、力センサの弾性体における起歪部上に直接設
ける場合も、安価に成型することができる。
【0014】また、第1及び第2の溝の幅寸法は、光フ
ァイバの外径寸法の少なくとも2倍の大きさに形成され
ている、かかる幅広の溝内に光ファイバを配置するの
で、接着層及び溝形状のエッジ近傍の局部的な性状の違
いが特性に出にくい。
【0015】更に、前記構造体は、前記第1及び第2の
溝と直交し前記間隔を形成する段差を備え、該段差内で
は、前記光ファイバは固定されず、自由移動可能に構成
されていても良い。
【0016】尚、該光ファイバセンサは、前記構造体が
ゲージベースから成る光ファイバ式ひずみゲージにより
構成され、或いはひずみゲージを貼り付けることなく前
記構造体を構成する弾性体の起歪部に直接前記光ファイ
バの屈曲部を成形した力センサ等により構成され得る。
【0017】一方、本発明の第2の様相による光ファイ
バセンサ多点計測システムは、請求項5に記載されてい
るように、上記の光ファイバセンサを複数個それぞれ所
定の間隔をおいて配置し、該複数個の光ファイバセンサ
に挿通されて全体として1つの光伝送路を形成する少な
くとも1本の光ファイバを用い、前記複数個の光ファイ
バセンサによりひずみの多点計測を行うことを特徴とす
る。
【0018】また、請求項6記載の光ファイバセンサ多
点計測システムにおいては、更に、光スイッチを用いて
前記光ファイバを複数本接続したことを特徴とする。
【0019】これにより、OTDRを用いた多点計測が
可能である。また、着目すべき物理量をセンサで計測す
るが、センサを挟んで前後に配置された伝送用光ファイ
バにおいて、大きな変形、切断等の異常を検出できる。
更に、例えば、トンネル等の、センサによる計測範囲が
数十kmに及ぶような対象の計測も可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。本発明の第1の実
施形態に係る光ファイバセンサは、光ファイバ式ひずみ
ゲージにより構成される。即ち、図1に示すように、本
実施形態の光ファイバ式ひずみゲージ1は、H型の空隙
部13が形成されて全体として矩形状を有するゲージベ
ース10と、ゲージベース10の長手方向に沿ってH型
の空隙部13内に所定の間隔Gをおきつつ、偏芯せずに
略直線的に形成された第1の溝12及び第2の溝14
と、第1及び第2の溝12及び14内に配置され間隔G
内に屈曲部16Aを有する光ファイバ16とを有してい
る。第1及び第2の溝12及び14の幅寸法は、前記光
ファイバの外径(直径)寸法dの3.2倍(3.2d)
の大きさに形成されている。尚、第1及び第2の溝12
及び14の幅寸法は、光ファイバの外径(直径)寸法d
の少なくとも2倍(2.0d)、好ましくは2.5倍
(2.5d)以上の大きさであるのが望ましい。そし
て、同図に示すように、光ファイバ16は、屈曲部16
Aが屈曲する方向と反対側の溝壁面(図1では、同図の
下側に位置する溝壁面)に接触するように第1及び第2
の溝12及び14内に配置された状態で、接着剤により
該第1及び第2の溝内に固定されている。
【0021】図2は図1の光ファイバ式ひずみゲージ1
を測定対象物とともに示す側面図である。ゲージベース
10には、第1及び第2の溝12,14内における光フ
ァイバ16の軸方向と直交する方向に延びて空隙部13
の両側に形成された段差部15により、空隙部13の周
囲に位置する薄肉部17とこの薄肉部17より厚さの厚
い厚肉部18とが区画形成されている。そして、薄肉部
17側には、ゲージベース10と鋼材などの測定対象物
19とを、例えば、スポット溶接により固定するための
溶接部20が段差部15に沿って形成されている。
【0022】さらに、ゲージベース10の薄肉部17に
はくびれ部21が形成されている。これにより、薄肉部
17の剛性が低下され、測定対象物19のひずみに応じ
てゲージベース10が変形しやすくなっている。
【0023】ここで、本実施の形態では、ゲージベース
10の長手方向の寸法は20mm〜30mm程度、厚肉
部18の肉厚は0.6mm、薄肉部17の肉厚は0.2
mmとなっている。また、第1の溝12と第2の溝14
との間隔Gは3mmとなっている。
【0024】次に、本実施形態の光ファイバ式ひずみゲ
ージ1の使用方法について説明する。
【0025】本実施形態の光ファイバ式ひずみゲージ1
は、測定対象物19のひずみを、検出部として設けた光
ファイバ16の屈曲部16Aに伝えて検出する。即ち、
本実施形態の光ファイバ式ひずみゲージ1を用いるに
は、図1及び図2に示すように、測定対象物19にゲー
ジベース10を固定し、光ファイバ16の一端をLED
等の光源側(図示せず)に接続し、他端をPD等の光検
出側(図示せず)に接続して用いる。
【0026】測定対象物19に応力が作用してひずみが
生じると、ゲージベース10も同じように引っ張り又は
圧縮される。この結果、空隙部13の間隔Gが、引っ張
りの場合には増加し、圧縮の場合には減少する。そし
て、空隙部13の間隔Gが増減することにより空隙部1
3における光ファイバ16の曲げ量が変化し、光の透過
光量に変化をもたらす。即ち、引っ張りの場合には屈曲
部16Aの曲率半径が増加するため損失が小さくなる結
果、透過光量が増加するのに対し、圧縮の場合には屈曲
部16Aの曲率半径が減少するため損失が大きくなる結
果、透過光量が減少する。従って、この光量変化をPD
等を含む検出手段にて検出することにより、ひずみ量を
計測することができる。
【0027】このように、本実施形態の光ファイバ式ひ
ずみゲージ1によれば、引っ張りひずみだけでなく圧縮
ひずみの測定も可能であり、更に、クラックの変位測定
も可能である。なお、空隙部13の間隔G内の光ファイ
バ16の曲率半径を変え、測定対象物19の種類に応じ
て検出感度を変化させることもできる。例えば、測定対
象物19がひずみの小さいコンクリートの場合には曲率
半径を小さくとり、ひずみの大きい鉄の場合には曲率半
径を大きくとれば良い。
【0028】ここで、本実施形態の光ファイバ式ひずみ
ゲージ1では、図1及び図2に示すように、第1及び第
2の溝12,14内における光ファイバ16の軸方向と
直交する方向に延びて形成された段差部15に沿って薄
肉部17側に形成された溶接部20にスポット溶接を行
うことによりゲージベース10と測定対象物19とが固
定される。このように光ファイバ16の軸方向と直交す
る方向に沿って働く固着力によってひずみゲージ1と測
定対象物19とが固定されると、ゲージ長が光ファイバ
16の軸方向における固着部間距離となる。これによ
り、引っ張り剛性が低下して内力が小さくなるので、測
定対象物19との固着部におけるせん断応力が抑制され
てゲージ特性のばらつきが低減される。
【0029】また、ゲージ長が光ファイバ16の軸方向
における固着部間距離となるので、線膨張を用いた温度
補償におけるゲージ長の不確実さがなくなる。
【0030】さらに、段差部15に、例えば、スポット
溶接機を沿わせて動かすだけで第1及び第2の溝12,
14内における光ファイバ16の軸方向と直交する方向
に沿った溶接部20を測定対象物19に溶着できるの
で、ひずみゲージ取り付け作業の容易化を図ることが可
能になる。
【0031】次に、上記実施形態の変形例に係る光ファ
イバセンサについて、図3を参照して説明する。本変形
例の光ファイバセンサ3は、上述した第1の実施形態の
光ファイバ式ひずみゲージ1を、図3に示すように、弾
性体30の起歪部32にスポット溶接により取り付け、
弾性体30をその固定穴30A,30Bを用いて測定対
象物(図示せず)に固定することによりセンサとして機
能する。図3に示すように、同図の左方向から光ファイ
バ16に入射した入射光は、同図の右方向に透過光とし
て検出される。今、起歪部32に、矢印32L、32R
で示すように、引張荷重が加わり又は引張り方向の変位
を生じると、光ファイバ式ひずみゲージ1の屈曲部16
A(図1参照)の曲率半径が増加するため損失が小さく
なる結果、透過光量が増加する。従って、この光量変化
をPD等を含む検出手段にて検出することにより、ひず
み量を計測することができる。
【0032】続いて、本発明の第2の実施形態に係る光
ファイバセンサについて図4を参照して説明する。この
第2の実施形態に係る光ファイバセンサは、ひずみゲー
ジを貼り付けることなく弾性体の起歪部に直接光ファイ
バの屈曲部を成形した力センサにより構成される。即
ち、図4に示すように、本実施形態の力センサは、弾性
体から成るビーム型ロードセル40と、このビーム型ロ
ードセル40に貼り付けられる光ファイバ41とを有す
る。ビーム型ロードセル40は、図示しないが、固定用
ボルトにより任意の固定箇所に固定されて片持ち梁を構
成し、その自由端側には、被測定荷重が印加される荷重
作用点を有している。従って、その荷重作用点に上方向
から荷重が印加されると、ビーム型ロードセル40は、
上面側が引っ張られ、下面側が圧縮される。ビーム型ロ
ードセル40には、図4に示すように、ビーム型ロード
セル40の上下両面から幅方向に沿って段差部40A、
40Bが形成されている。また、段差部40Aと40B
の間には、センシング部42が設けられている。このセ
ンシング部42の上面側には、図4に示すように、ビー
ム型ロードセル40の幅方向に沿って凹部44が設けら
れている。一方、センシング部42の下面側にも、同様
にビーム型ロードセル40の幅方向に沿って凹部46が
設けられている。また、センシング部42の内部には、
図4に示すように、中空部分43が設けられ、この中空
部分43は、凹部44及び46が薄肉状に構成されるよ
うに形成されている。即ち、ここに、凹部44及び46
は、ビーム型ロードセル40の上下両面の幅方向に沿っ
たそれぞれの凹みと中空部分43により画成される薄肉
状の部分により構成されている。凹部44及び46は、
ビーム型ロードセル40の上下それぞれの面に対称に形
成されており、従って、上述した荷重作用点に上方向か
ら荷重が印加されると、凹部44には引張応力が集中す
るのに対し、凹部46には圧縮応力が集中する。
【0033】一方、ビーム型ロードセル40の上面側に
は、その長さ方向に沿って第1及び第2のファイバ挿通
溝48A及び48Bが形成されており、第1のファイバ
挿通溝48Aは、ビーム型ロードセル40の固定端側端
面に設けられた入出力端子(図示せず)から、ビーム型
ロードセル40の上面側の段差部40Aまで、第2のフ
ァイバ挿通溝48Bは、段差部40Aから図示しない出
力端までビーム型ロードセル40の上面に設けられてい
る。反対に、ビーム型ロードセル40の下面側には、そ
の長さ方向に沿って第1及び第2のファイバ挿通溝(図
示せず)が形成されており、第1のファイバ挿通溝は、
ビーム型ロードセル40の固定端側端面に設けられた入
出力端子(図示せず)から、ビーム型ロードセル40の
下面側の段差部41Aまで、第2のファイバ挿通溝は、
段差部41Bから図示しない出力端までビーム型ロード
セル40の下面に設けられている。ビーム型ロードセル
40の上面側の第1及び第2のファイバ挿通溝48A及
び48Bには、光ファイバ41が挿通され、この光ファ
イバ41は、段差部40A内に屈曲部41aを有してい
る。また、ビーム型ロードセル40の下面側の第1及び
第2のファイバ挿通溝には、光ファイバ41と同一の外
径(直径)寸法を持つ他の1本の光ファイバが挿通さ
れ、この光ファイバは、段差部40B内に屈曲部(図示
せず)を有している。
【0034】ここで、本発明の第2の実施形態において
は、上面側の第1及び第2のファイバ挿通溝48A及び
48B、更に、下面側の第1及び第2のファイバ挿通溝
の幅寸法は、光ファイバ41及び他の1本の光ファイバ
(図示せず)の外径(直径)寸法dの3.2倍(3.2
d)の大きさに形成されている。尚、この幅寸法は、光
ファイバ50等の外径(直径)寸法dの少なくとも2倍
(2.0d)、好ましくは2.5倍(2.5d)以上の
大きさであるのが望ましい。
【0035】図5及び図6は、本発明の第2の実施形態
に係る光ファイバ力センサにおける光ファイバの屈曲部
の成形方法を説明するための図であり、図5は図4に示
した光ファイバセンサを上方から見た概念図である。
【0036】さて、この第2の実施形態において、光フ
ァイバ力センサにおける光ファイバの屈曲部を成形する
には、まず、図5に示すように、光ファイバを溝(W)
の底辺にセットする。次に、屈曲を付与するための丸棒
(丸棒固定治具(図示せず)を起歪部に乗せ)をセット
する。続いて、光ファイバの透過光をPDにより検出す
る(光ファイバが直線上にある状態で)。更に、設定の
感度に応じ、丸棒を固定治具のスライド溝に沿って移動
し屈曲を成形する(PDによりモニターをしながら上記
作業を行う、尚、設定の感度は、丸棒除去後の光ファイ
バのスプリングバックによる設定感度の変化を前もって
考慮しておく)。次に、丸棒の位置を固定し、溝(W)
に接着剤を充填し光ファイバを固定する。接着剤硬化
後、丸棒及び固定治具を取り外す(PDにより透過光量
を確認)。この手順により、設定した直線溝の溝幅を用
いてセンサ内に、所定の曲率を有する光ファイバの弾性
曲線が得られ、屈曲型光ファイバセンサの屈曲部が実現
できる。このようにすれば、溝加工時ワークの付け替え
無しに両溝の加工ができ、特性面でも試作した光ファイ
バ式ひずみケージおよび光ファイバ力センサにおいて良
好な結果が得られている。本発明の屈曲部を用いること
により安価な光ファイバ式ひずみケージ及び光ファイバ
力センサが実現できる。尚、この第2の実施形態におい
ても、図6に示すように、光ファイバ41は、屈曲部4
1aが屈曲する方向と反対側の溝壁面(図6では、同図
の左側に位置する溝壁面)に接触するように第1及び第
2のファイバ挿通溝48A及び48B内に配置された状
態で、接着剤により該第1及び第2のファイバ挿通溝4
8A及び48B内に固定されている。また、ビーム型ロ
ードセル40の下面側の他の1本の光ファイバ(図示せ
ず)も、その屈曲部が屈曲する方向と反対側の溝壁面に
接触するように該下面側の第1及び第2のファイバ挿通
溝(図示せず)内に配置された状態で、接着剤により該
第1及び第2のファイバ挿通溝内に固定されている。
【0037】以上に述べた第1及び第2の実施形態にお
いて、(ファイバ挿通)溝の幅寸法は、光ファイバの外
径(直径)寸法dの3.2倍(3.2d)の大きさに形
成されている。尚、この溝の幅寸法は、光ファイバの外
径(直径)寸法dの少なくとも2倍(2.0d)、好ま
しくは2.5倍(2.5d)以上の大きさであるのが望
ましい。このような溝幅を採用する意義を明らかにする
ため、第1及び第2の溝を傾斜させることにより、高感
度の屈曲部を安価に製作し得るようにした例との比較に
より説明する。
【0038】図7は、上記のような傾斜溝を有する場合
(例えば、特開平11−287626号参照)の例であ
る。かかる傾斜溝を有することにより屈曲部16A以外
に、屈曲部16Bと16Cが形成され感度を高める効果
がある。反面、間隔G(段差部)のエッジ部が感度に寄
与するため、エッジ部に近傍した接着層の応力緩和等の
不安定さに伴う出力の変化が懸念される。従って、特
に、長期の安定性を要求される土木計測の分野において
は、接着剤の経年変化を低く押さえる必要があり、接着
剤の選定が重要な課題となる。また、接着剤硬化後のエ
ッジ形状を均一にコントロールすることは困難である。
【0039】これに対し、本発明の第1及び第2の実施
形態においては、エッジ部近傍の接着層の不安定さによ
る影響が比較的少なくなる屈曲部を形成した。即ち、溝
の幅寸法を光ファイバの外径(直径)寸法dの、少なく
とも2.0倍(2.0d)、好ましくは2.5倍(2.
5d)以上の大きさにすることで、屈曲部16B、16
Cの曲率半径を大きくとることになり、感度をほとんど
持たない形状にした。尚、上記した傾斜溝を有する場合
も同様な効果は得られる。しかしながら、本発明では、
加工の作業性(ワークの付け替えなしに、両溝加工がで
きる)から直線溝を採用した。また、これらの形状を取
ることにより、エッジ部近傍の接着状態の不均一性に伴
うセンサ間の特性のバラツキも低減できる。
【0040】以上に述べた本発明の優位性を立証するた
めに、以下のような解析方法を採用した。
【0041】即ち、日本機械学会論文集63巻615号
(1997−11)「屈曲型光ファイバシステムによる
ひずみ計測」轟等の文献中に、以下のように記述されて
いる。 一様曲げ曲率を有する光ファイバの単位長さ当
たりの光伝搬損失α+(dB/m)は、Marcuse
によって以下のように解析されている。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、
【0044】
【数2】
【0045】R :曲率半径 a :コア半径 Δ=((n1−n2)/n1) n1 :コア屈折率 n2 :クラッド屈折率 λ :光の波長 u :コアの横方法規格化伝搬定数 w :クラッドの横方法規格化伝搬定数 u,w間には、光ファイバの次の特性方程式が与えられ
る。
【0046】
【数3】
【0047】
【数4】
【0048】j,kはそれぞれベッセル関数、第2種変
成ベッセル関数 光ファイバの場所によって曲率の異なる場合の全光伝搬
損失α(dB)は、(1)式のα*を光ファイバの経路
に沿って積分することにより与えられる。
【0049】
【数5】
【0050】一方、光ファイバの曲率半径(R)は、フ
ァイバの変位(y)から(6)式より求まる。
【0051】
【数6】
【0052】ここでは、シングルモードファイバで波長
1310nmを用いた場合の光伝搬損失を、上記(1)
〜(5)式を用いて求めた。
【0053】尚、ファイバの曲率半径は、間隔G=3m
mとし、屈曲部形状を有限要素法を用い、溝幅をパラメ
ータとして、解析的に求めた。
【0054】図8は、本発明の第1及び第2の実施形態
に係る光ファイバセンサにおける透過損失に対する屈曲
部位の影響を示すグラフであり、屈曲部全体の損失に対
し、溝端部から中央部までの距離に応じて光伝搬損失の
比率がどのように変化するかを光ファイバ径に対する各
溝幅比ごとに示す。同図において、横軸はエッジから屈
曲部中央までを図示したものである。
【0055】ここでは、ひずみ1000×10-6相当の
変位を間隔部Gに対して与え、屈曲部全体の損失に対
し、溝端部から中央部までの距離に応じた光伝搬損失の
比率を光ファイバ径に対する各溝幅比ごとに求めてみ
た。
【0056】同図から明らかなように、光ファイバ径d
に対する溝幅比が1.17(d)、1.33(d)、
1.67(d)のものでは、溝端(エッジ)部の影響が
大きいのに対し、2(d)、2.33(d)、2.67
(d)、3.2(d)のものでは、溝端(エッジ)部の
影響は小さく抑えられている。従って、光ファイバ径d
に対する溝幅比が少なくとも2倍あるのが望ましいこと
が分った。
【0057】図9は、本発明の第1及び第2の実施形態
に係る光ファイバセンサにおける透過損失に対する屈曲
部位の影響を示すグラフであり、屈曲部全体の損失に対
し、光ファイバ径に対する溝幅比に応じて溝端部の光伝
搬損失の比率がどのように変化するかを示す。ここで
は、エッジ部の影響を見るために横軸を光ファイバ径に
対する溝幅比をとって、プロットしたものである。
【0058】同図から明らかなように、光ファイバ径d
に対する溝幅比が1.67(d)のものでは、溝端(エ
ッジ)部の影響が2%近くあるのに対し、2(d)、
2.33(d)、2.67(d)、3.2(d)のもの
では、溝端(エッジ)部の影響は、略1%以下に小さく
抑えられている。従って、図9から、光ファイバ径dに
対する溝幅比が少なくとも2倍あるのが望ましいことが
更に明確になった。
【0059】図10は、光ファイバ径dに対する溝幅比
が3.2(d)のものにつき、センサ感度を調べ、グラ
フにプロットしたものであり、中央部の曲率半径が増加
すると透過光量も増加し、曲率半径が減少すると透過光
量も減少するが、実用上用いる範囲内で良好な特性が得
られることが分った。光ファイバ径dに対する溝幅比が
2(d)、2.33(d)、2.67(d)のものにつ
いても、それぞれ3.2(d)のものと略同様の特性が
得られることが推察される。
【0060】更に、本発明の第1の実施形態に係る光フ
ァイバセンサにつき、センサとしての感度特性を調べて
みた。図11は、本発明の第1の実施形態に係る光ファ
イバセンサを構成する光ファイバ式ひずみゲージを試験
片(片持ち梁)に取り付けた場合の負荷特性を示すグラ
フである。ここでは、図1に示した、光ファイバ径dに
対する溝幅比が3.2(d)の光ファイバ式ひずみゲー
ジを試験片(片持ち梁)に取り付けた場合に、荷重の変
化に対し出力がどのように変化していくかを調べてみ
た。
【0061】図11に示すように、引っ張り及び圧縮の
双方とも、荷重の変化に対し出力は単調に変化してお
り、センサとして充分な感度が得られることが分った。
【0062】次に、本発明の第3の実施形態に係る光フ
ァイバセンサ多点計測システムについて説明する。
【0063】本実施形態の光ファイバセンサ多点計測シ
ステムは、上述した第1の実施形態の光ファイバ式ひず
みゲージ1(光ファイバ径に対する溝幅比が3.2倍の
もの)を複数個それぞれ所定の間隔をおいて配置し、こ
れら複数個の光ファイバ式ひずみゲージ1に1本の光フ
ァイバを挿通し、この光ファイバをOTDRの測定装置
に接続して複数個の光ファイバ式ひずみゲージ1により
ひずみの多点計測を行うものである。
【0064】さて、本実施形態の多点計測システムは、
光ファイバ式ひずみゲージ1a,1b,1c,・・・,
1nをそれぞれ所定の間隔をおいて配置し、これら複数
個の光ファイバ式ひずみゲージに光ファイバ60を挿通
し、この光ファイバ60を、図12に示すように、OT
DR測定器に接続して複数個の光ファイバ式ひずみゲー
ジによりひずみの多点計測を行うものである。
【0065】即ち、本実施形態の多点計測システムで
は、図12に示すように、パルス発振器61により駆動
されたレーザダイオード(LD)62は、光パルスを出
力し、光パルスは方向性結合器63を経て光ファイバ6
0に入射する。光ファイバ60内の各光ファイバ式ひず
みゲージ1a,1b,1c,・・・,1nで生じた後方
レーリ散乱光、あるいはフレネル反射光は入射端に戻っ
てくる。入射端に戻ってきた光は、方向性結合器63を
通して受光素子(PD)64に入射し、電気信号に変換
される。変換された電気信号は、増幅器65により所要
のレベルまで増幅された後、解析処理部/表示部66に
より時間領域で解析され、解析結果が表示される。例え
ば、埋設配管等に1mごとに検出部として光ファイバ式
ひずみゲージ1a,1b,1c,・・・,1nを固着
し、かかるOTDR測定器に接続することによりひずみ
の多点計測システムを構成すれば、損傷等の存在する位
置とひずみ量を同時に計測することが可能である。
【0066】更に、上記第3の実施形態に係る光ファイ
バセンサ多点計測システムの拡張例について説明する。
【0067】この拡張例に係る多点計測システムは、図
13に示すように、光ファイバ式ひずみゲージ1a,1
b,1c,・・・,1n(いずれも光ファイバ径に対す
る溝幅比が3.2倍のもの)を1本の光ファイバ60に
1,2,3,・・・nの複数個直列に配置し、更に光ス
イッチ130を用い光ファイバ1,2,3,・・・mの
複数本接続したものである。光スイッチ130は、OT
DR測定装置132に接続され、OTDR測定装置13
2は、コントローラ及び表示器134に接続されてい
る。尚、センサ間距離がOTDR測定装置132の分解
能より小さい場合は、センサ間に光ファイバのループ1
35を設ければよい。
【0068】次に、本発明の第4の実施形態に係る光フ
ァイバセンサ多点計測システムについて説明する。
【0069】本実施形態の光ファイバセンサ多点計測シ
ステムは、図13に示した多点計測システムをトンネル
の落盤・崩落等の危険の事前検知(という用途)に用い
たものである。
【0070】さて、本実施形態の光ファイバセンサ多点
計測システムは、図14に示すように、1本の光ファイ
バ142(FIBER:1,FIBER:2,・・・・
FIBER:16)に屈曲型光ファイバセンサ1を最大
5箇所設け、光スイッチモジュール(光チャネルセレク
タ)143Aにより最大16本の光フアイバを切り替え
ることにより、最大80箇所のひずみ(変位)を、図示
しない専用回線、公衆回線、LAN等によりモニタリン
グし、異常の検知,警報、異常発生箇所の特定を自動的
に行う。
【0071】検出は、屈曲型光ファイバセンサにかかる
ひずみ(応力)による光損失をOTDR法(Optic
al Time Domain Refrectome
try:光時間領域反射測定法)により測定し、その光
損失からひずみを求める。測定、解析処理時間は、1ヶ
所当たり最小4秒程度[1本の光ファイバ当たりの計測
/解析時間は15秒、チャネル切替1秒程度とした場
合]とする。
【0072】ここで、1本の光ファイバ上のセンサの最
小設置間隔は最小12m程度とした。測定は、所定の時
間間隔で行い、各センサ位置でのひずみ量を時系列信号
(横軸は日付、時間)として表示する。ひずみ量が前も
って設定したレベル(しきい値)を越えた時に警報を表
示し、異常発生箇所を知らせる。測定データは順次保存
してゆく。必要ならば、ひずみに換算する前のOTDR
測定データのモニタ、保存も行う。また、光センサ設置
箇所以外でも光ファイバケーブルが大きく変形した場
合、および破断したときには、本システムでひずみに換
算する前のOTDR測定データより場所の特定が可能で
ある。光ファイバの両端に光コネクタをつけ、光スイッ
チで切り替えて両端からのOTDR測定をそれぞれ行う
と、光ファイバケーブルが破断しても、破断箇所までは
両端からのモニタにより測定が可能となる。
【0073】センサ部141には、図1に示した第1の
実施形態の光ファイバ式ひずみゲージ1を使用する。光
ファイバに曲げ(屈曲)を与えると光ファイバ中の光波
の光伝播モードが変化し、導波モ−ドが一部放射モード
になり、光波が光ファイバ中から外へ放射され、曲げに
よる光損失が生じる。本センサ部141は、この光ファ
イバの曲がり具合による光損失変化を利用してひずみを
測定する。
【0074】光ファイバケーブル142には、シングル
モード光ファイバを使用する。
【0075】光ファイバセンサ多点計測装置143は、
光スイッチモジュール143AおよびOTDRモジュー
ル143Bにより構成されている。光スイッチモジュー
ル143Aは、OTDRモジュール143Bからの光パ
ルスの光ファイバ142への入射、および光ファイバセ
ンサ141からの反射戻り光のOTDRモジュール14
3Bへの接続を切り替えるための光スイッチモジュール
であり、切換チャネル数が最大16のものを採用してい
る。すなわち、コモンチャネル(1チャネル)に接続さ
れた光ファイバを16チャネル(16本のセンサを取り
付けた光ファイバ)のうちの1つに接続する。切替時間
は約1秒である。OTDRモジュール143Bは、OT
DR法によりセンサ部141での光損失を測定する部分
である。OTDRモジュール143Bは、接続された光
ファイバに光パルスを繰り返し入射させ、その光パルス
が光ファイバ中を伝播してゆく際に、光ファイバの長手
方向の各点で散乱あるいは反射しOTDRモジュール1
43Bに戻ってくる後方散乱光の光強度およびその位置
を測定する。光ファイバに曲がりがあると光放射損失が
起こり伝播光の光強度が急激に低下し、それに比例して
後方散乱光も急激に低下する。本屈曲型光ファイバセン
サは、この光ファイバの曲がり(屈曲)による光損失効
果に注目し、それを多点計測に応用したものである。
【0076】1本の光ファイバで最大5個のセンサが設
置可能で、センサ間の最小光ファイバ長さは12m程
度、測定長さは数十kmである。1本の光ファイバに対
するOTDR測定時間は最小10秒であり、光スイッチ
の切替時間、コンピュータによる解析処理を考慮する
と、センサ1箇所当たりの最小測定インターバルは4秒
程度である。
【0077】計測システムコントロール用コンピュータ
144には、FA用コンピュータを使用し、本体、キー
ボード、ディスプレイ、無停電電源より構成される。
【0078】尚、光ファイバセンサ多点計測装置143
の測定条件の設定、OTDR測定データからひずみへの
換算、測定データの保存(測定条件データ、測定日付時
刻に対するOTDR測定データ,ひずみ換算データ)等
は計測ソフトの機能として実現される。また、計測ソフ
トの機能として、コンピュータのディスプレイにはOT
DR測定データ、各センサの測定日付時間に対するひず
み、ひずみが前もって設定したレベル(しきい値)を越
えた時の警報の表示、測定条件の表示を行う。測定デー
タグラフの拡大、縮小は計測中にも可能とする。
【0079】
【発明の効果】以上により、力、応力、ひずみ、変位等
の物理量計測を行う場合、トンネルの落盤・崩落等及び
地滑り等の公共土木の防災に用いる場合、橋梁、プラン
ト機器、ライフライン(埋設ガス導管等)等の大型構造
物の寿命予測や設備診断を行う場合、長距離の計測シス
テムに用いる場合等に用いるのに好適な光ファイバセン
サ及び光ファイバセンサ多点計測システムを提供し得
る。
【0080】特に、請求項1〜4記載の光ファイバセン
サによれば、同一の屈曲形状を光ファイバ式ひずみゲー
ジのゲージベース上にも、弾性体等の起歪部上にも直
接、安価に成形できる。また、接着層及び溝形状のエッ
ジ近傍の局部的な性状の違いが特性に出にくい。
【0081】一方、請求項5〜6記載の光ファイバセン
サ多点計測システムによれば、OTDRを用いた多点計
測が可能である。また、着目すべき物理量をセンサで計
測するが、センサを挟んで前後に配置された伝送用光フ
ァイバにおいて、大きな変形、切断等の異常を検出でき
る。更に、例えば、トンネル等の、センサによる計測範
囲が数十kmに及ぶような対象の計測も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ファイバセン
サを構成する光ファイバ式ひずみゲージを表す平面図で
ある。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る光ファイバセン
サを構成する光ファイバ式ひずみゲージを表す断面図で
ある。
【図3】図1に示した光ファイバ式ひずみゲージを起歪
部に取り付けた本発明の第1の実施形態の変形例に係る
光ファイバセンサを表す平面図である。
【図4】光ファイバを弾性体の起歪部に直接貼り付けた
本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ力センサを表
す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ力セ
ンサにおける光ファイバの屈曲部の成形方法を説明する
ための斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る光ファイバ力セ
ンサにおける光ファイバの屈曲部の成形方法を説明する
ための図である。
【図7】本発明の第1及び第2の実施形態に係る光ファ
イバセンサにおける透過損失に対する屈曲部位の影響を
説明するために、比較例として、傾斜溝を形成した場合
の屈曲部位の形成状態等を示す図である。
【図8】本発明の第1及び第2の実施形態に係る光ファ
イバセンサにおける透過損失に対する屈曲部位の影響を
示すグラフであり、屈曲部全体の損失に対し、溝端部か
ら中央部までの距離に応じて光伝搬損失の比率がどのよ
うに変化するかを光ファイバ径に対する各溝幅比ごとに
示す。
【図9】本発明の第1及び第2の実施形態に係る光ファ
イバセンサにおける透過損失に対する屈曲部位の影響を
示すグラフであり、屈曲部全体の損失に対し、光ファイ
バ径に対する溝幅比に応じて溝端部の光伝搬損失の比率
がどのように変化するかを示す。
【図10】本発明の第1及び第2の実施形態に係る光フ
ァイバセンサにおける透過光量と屈曲部中央の曲率半径
との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る光ファイバセ
ンサを構成する光ファイバ式ひずみゲージを試験片(片
持ち梁)に取り付けた場合の負荷特性を示すグラフであ
る。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る光ファイバセ
ンサ多点計測システムを示す図である。
【図13】本発明の第3の実施形態の変形例に係る光フ
ァイバセンサ多点計測システムを示す図である。
【図14】図13に示した本発明の第3の実施形態の変
形例に係る光ファイバセンサ多点計測システムをトンネ
ルの落盤・崩落等の危険の検知を行う場合に適用したシ
ステム構成を示す図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ式ひずみゲージ 10 ゲージベース 13 H型の空隙部 12 第1の溝 14 第2の溝 G 間隔 16A 屈曲部 16 光ファイバ d 光ファイバの外径(直径)寸法
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤島 絵里子 東京都調布市調布ケ丘3丁目5番地1号 株式会社共和電業内 (56)参考文献 特開 平10−148586(JP,A) 特開 平8−219825(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 1/24 G01B 11/16

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造体の一方向に沿って所定の間隔をお
    いて偏芯せずに略直線的に形成された第1及び第2の溝
    と、該第1及び第2の溝に配置され前記間隔内に屈曲部
    を有する少なくとも1本の光ファイバとを有し、前記第
    1及び第2の溝の幅寸法は、前記光ファイバの外径寸法
    の少なくとも2倍の大きさに形成されており、前記光フ
    ァイバは、前記屈曲部が屈曲する方向と反対側の溝壁面
    に接触するように前記第1及び第2の溝内に配置された
    状態で、接着剤により該第1及び第2の溝内に固定され
    いることを特徴とする光ファイバセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ファイバセンサにおい
    て、更に、前記構造体は、前記第1及び第2の溝と直交
    し前記間隔を形成する段差を備え、該段差内では、前記
    光ファイバは固定されず、自由移動可能に構成されてい
    ることを特徴とする光ファイバセンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光ファイバセンサ
    において、該光ファイバセンサは、前記構造体がゲージ
    ベースから成る光ファイバ式ひずみゲージにより構成さ
    れることを特徴とする光ファイバセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の光ファイバセンサ
    において、該光ファイバセンサは、ひずみゲージを貼り
    付けることなく前記構造体を構成する弾性体の起歪部に
    直接前記光ファイバの屈曲部を成形したことを特徴とす
    る光ファイバセンサ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の光ファイバセンサを
    複数個それぞれ所定の間隔をおいて配置し、該複数個の
    光ファイバセンサに挿通されて全体として1つの光伝送
    路を形成する少なくとも1本の光ファイバを用い、前記
    複数個の光ファイバセンサによりひずみの多点計測を行
    うことを特徴とする光ファイバセンサ多点計測システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の光ファイバセンサ多点計
    測システムにおいて、更に、光スイッチを用いて前記光
    ファイバを複数本接続したことを特徴とする光ファイバ
    センサ多点計測システム。
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