JPH11304411A - 回転差動容量型角度変換器 - Google Patents

回転差動容量型角度変換器

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JPH11304411A
JPH11304411A JP12531898A JP12531898A JPH11304411A JP H11304411 A JPH11304411 A JP H11304411A JP 12531898 A JP12531898 A JP 12531898A JP 12531898 A JP12531898 A JP 12531898A JP H11304411 A JPH11304411 A JP H11304411A
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capacitors
electrode
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 大振幅の交流信号源や温度補償のための帰還
制御を用いることなく、回転角θを高い精度で検出する
回転差動容量型角度変換器を提供する。 【解決手段】 固定部に回転軸4と同心となるように配
置されたリング状の固定電極1と、この固定電極1と適
宜空間を保って対向して、同一平面上に 4個の電極2
a,2b,2c,2dがリング状に配置され、且つ相対
向する電極2a,2b,2c,2d同志が電気的に接続
された 4分割電極2と、前記回転軸4に絶縁した状態で
固定されて、前記 4分割電極2の 1組の電極2a,2
c、又は電極2b,2dのみを覆うことができるような
形状をなし、前記固定電極1と前記 4分割電極2との空
間を回転する回転羽根3とから構成され、この回転羽根
3の回転に応じて前記固定電極1と前記 4分割電極2で
構成される 2組のコンデンサCa,Cb の静電容量が角
度に比例して一方が増加したときに他方が減少する特徴
を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてモータ等
の回転軸に直接取付けられたミラー等の角度位置を正確
に検出するための回転差動容量型角度変換器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の回転差動容量型角度変換
器は、図11及び図12を参照して説明すると、リング
状の固定電極1と、これと対向して同一平面上に 4個の
電極2a,2b,2c,2dがリング状に配置された 4
分割電極2と、回転軸4に取付けられたバタフライ形状
の回転羽根3とから構成され、更に、 4分割電極2は、
図13に示すように相対向する電極2aと電極2c、及
び電極2bと電極2d同志が電気的に接続されている。
今、各電極2a,2b,2c,2d間の容量をC2a、C
2b、C2c、C2dのように表すと、この角度変換器の電気
的等価回路は、固定電極1を共通端子とする 2個の容量
a 、Cb で表すことができる。
【0003】
【数1】
【0004】
【数2】 回転羽根3には通常、比誘電率が 6〜 7程度の誘電体が
用いられるので、各電極2a,2b,2c,2d間の実
効誘電率は回転羽根3の回転と共に変化し、CaとCb
が等しい時の角度を基準として回転羽根3の角度をθで
表すと、Ca とCb は次式のように書くことができる。
【0005】
【数3】
【0006】
【数4】 ここでkは比例定数、C0 は基準角度位置におけるCa
とCb の容量である。
【0007】数3の式及び数4の式から、
【0008】
【数5】 となるので、Ca −Cb を電気的に検出すれば、回転角
θに比例した信号を得ることができる。この検出に従来
は、図18に示すダイオード直接検波回路が用いられて
いる。この回路で、Ca とCb の共通端子に印加される
交流電源vS を、VS を振幅、ωを角周波数として、
【0009】
【数6】 とし、整流検波回路のCRが、
【0010】
【数7】 を満たすように時定数を選べば、検波出力Va とVb
直流電圧と見なすことができる。
【0011】この条件の下では抵抗Rを流れる直流電流
a は容量Ca を流れる平均電流と等しくなるので、図
19を参照して次式の関係が得られる。
【0012】
【数8】 但し、
【0013】
【数9】 で、VD はダイオードDの順方向電圧降下である。数8
の式を解くことにより、
【0014】
【数10】 が得られる。Vb についても同様に導くことができ、結
果は数10の式のCa をCb に置き換えた式となる。但
し、f=ω/2πである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の回転
差動容量型角度変換器は、前記数10の式の検波電圧が
a に比例するためには、
【0016】
【数11】 とする必要がある。又、ダイオードの順方向電圧降下は
流れる電流と共に対数的に変化し、更に、温度と共に減
少する。これらの影響を充分無視できるようにするた
め、更に、数11の式の下でも充分Va を大きくするた
めにはVS として 100V以上の電圧が必要となる。この
ような高い電圧を発生させるためには変圧器が必要であ
り、変圧器からの不要電波放射を防ぐために角度変換器
に電磁シールドやガードリングを設けなければならず、
このため角度変換器の構成が複雑になる。又、高電圧に
よる放電を防ぐために回転羽根には誘電体を用い電極間
間隔を広くする必要があり、このためCa とCb が極め
て小さくなるので回転に伴う容量変化も必然的に小さく
なる。従って寄生容量や電極端電界の影響をできるだけ
受けないように角度変換器の構成に細心の注意を払わな
ければならず、その構成は必然的に複雑になる。更に、
a とCb は温度によっても変化し、その温度係数をγ
とすれば、
【0017】
【数12】
【0018】
【数13】 と表される。ここで、ΔTは基準温度からの温度変化で
ある。この場合には、
【0019】
【数14】 となるので、検波出力Va 及びVb が温度に対し変化し
ないようにするために、Ca とCb に印加する交流信号
の周波数又は振幅に1/(1+γΔT)の温度依存性を
持たせることが必要となる。この温度補償を従来はCa
+Cb を検出し、これを交流信号源に帰還してその振幅
制御をする、又は、別に設けた容量によって温度変化を
検出してその信号によって交流信号源の周波数又は振幅
制御を行う方法を採用しているが、これらの帰還制御で
は信号処理回路や角度変換器の構成が複雑となり、高速
応答が要求される場合には不安定性をも惹き起してい
た。
【0020】上述の説明から明らかなように、大振幅の
交流信号源を用いらなければならない要因は容量Ca
b に流れる電流をダイオードによって直接検波する回
路方式にあり、この問題は、 2個のコンデンサに印加さ
れる交流周波数領域で信号処理した後に検波する方法、
或いはスイッチドキャパシタ技術によって、Ca 及びC
b に充電される電荷を処理する方法によって基本的に解
決でき、又、 2個のコンデンサCa ,Cb の温度変化は
その差とその和との比をとることによって相殺できる。
即ち、
【0021】
【数15】 そこで、本発明の課題は、上述のような観点に鑑みて創
出されたもので、大振幅の交流信号源や温度補償のため
の帰還制御を用いることなく、回転角θを高い精度で検
出する回転角差動容量型角度変換器を提供することにあ
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の回転差動容量型
角度変換器は、上述のような課題を解決するために、固
定部に回転軸と同心となるように配置されたリング状の
固定電極と、この固定電極と適宜空間を保って対向し
て、同一平面上に 4個の電極がリング状に配置され、且
つ相対向する電極同志が電気的に接続された 4分割電極
と、前記回転軸に絶縁した状態で固定されて、前記 4分
割電極の 1組の電極のみを覆うことができるような形状
をなし、前記固定電極と前記 4分割電極との空間を回転
する回転羽根とから構成され、この回転羽根の回転に応
じて前記固定電極と前記 4分割電極で構成される 2組の
コンデンサCa ,Cb の静電容量が角度に比例して一方
が増加したときに他方が減少する特徴を持ち、角度情報
として、Ca −Cb ではなく、温度変化による静電容量
の変化を補償するためのフィードバックを設けることな
く、温度変化を相殺した(Ca −Cb )/(Ca
b )に比例した電圧を出力する回路を含ませたもので
ある。
【0023】また、コンデンサCa を積分容量とする積
分回路,コンデンサCb を微分容量とする微分回路を構
成し、浮遊容量及び温度変化による静電容量の変化に影
響されることなく、角度情報として、(Ca −Cb )/
(Ca +Cb )に比例した交流電圧を出力する回路を含
ませたものである。
【0024】また、コンデンサCa とコンデンサCb
の共通電極に交流電圧を印加し、各コンデンサCa ,C
b に流れる交流電流を直接演算増幅器にて電圧変換し、
その後、Ca −Cb 、Ca +Cb を演算増幅器により演
算し、更に除算器にて、(Ca −Cb )/(Ca
b )に比例した交流電圧を出力する回路を含ませたも
のである。
【0025】また、コンデンサCa とコンデンサCb
により交流電圧源の電圧を分圧し、電圧源の電圧と分圧
された電圧とから直接演算増幅器により、(Ca
b )/(Ca +Cb )に比例した交流電圧を出力する
回路を含ませたものである。
【0026】それに、請求項2乃至請求項4記載のいず
れかの回路より出力される交流電圧をアナログスイッチ
にて同期検波を行い、角度に比例した直流電圧を出力す
ることにより数pF程度の静電容量を高電圧を用いずに
検出を可能とする回路を含ませたものである。
【0027】更に、 2組のコンデンサCa ,Cb を互い
に逆特性となるように等しい直流電圧で充電した後、各
コンデンサCa ,Cb を並列に接続することによって、
(Ca −Cb )/(Ca +Cb )に比例した直流電圧を
出力する回路を含ませたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態とし
て、モータ等の回転軸に直接取付けられたミラー等の角
度位置を正確に検出する状態を図面に基づいて説明す
る。
【0029】本発明の回転差動容量型角度変換器は、図
1乃至図10に示すように、固定部に回転軸4と同心と
なるように配置されたリング状の固定電極1と、この固
定電極1と適宜空間を保って対向して、同一平面上に 4
個の電極2a,2b,2c,2dがリング状に配置さ
れ、且つ相対向する電極2a,2b,2c,2d同志が
電気的に接続された 4分割電極2と、前記回転軸4に絶
縁した状態で固定されて、前記 4分割電極2の 1組の電
極2a,2c、又は電極2b,2dのみを覆うことがで
きるような形状をなし、前記固定電極1と前記 4分割電
極2との空間を回転する回転羽根3とから構成され、こ
の回転羽根3の回転に応じて前記固定電極1と前記 4分
割電極2で構成される 2組のコンデンサCa ,Cb の静
電容量が角度に比例して一方が増加したときに他方が減
少する特徴を持ち、角度情報として、Ca −Cb ではな
く、温度変化による静電容量の変化を補償するためのフ
ィードバックを設けることなく、温度変化を相殺した
(Ca −Cb )/(Ca +Cb)に比例した電圧を出力
する回路を含ませるようにしたものである。
【0030】また、コンデンサCa を積分容量とする積
分回路,コンデンサCb を微分容量とする微分回路を構
成し、浮遊容量及び温度変化による静電容量の変化に影
響されることなく、角度情報として、(Ca −Cb )/
(Ca +Cb )に比例した交流電圧を出力する回路を含
ませたものである。
【0031】また、コンデンサCa とコンデンサCb
の共通電極に交流電圧を印加し、各コンデンサCa ,C
b に流れる交流電流を直接演算増幅器にて電圧変換し、
その後、Ca −Cb 、Ca +Cb を演算増幅器により演
算し、更に除算器にて、(Ca −Cb )/(Ca
b )に比例した交流電圧を出力する回路を含ませたも
のである。
【0032】また、コンデンサCa とコンデンサCb
により交流電圧源の電圧を分圧し、電圧源の電圧と分圧
された電圧とから直接演算増幅器により、(Ca
b )/(Ca +Cb )に比例した交流電圧を出力する
回路を含ませたものである。
【0033】それに、前述のいずれかの回路より出力さ
れる交流電圧をアナログスイッチにて同期検波を行い、
角度に比例した直流電圧を出力することにより数pF程
度の静電容量を高電圧を用いずに検出を可能とする回路
を含ませたものである。
【0034】更に、 2組のコンデンサCa ,Cb を互い
に逆特性となるように等しい直流電圧で充電した後、各
コンデンサCa ,Cb を並列に接続することによって、
(Ca −Cb )/(Ca +Cb )に比例した直流電圧を
出力する回路を含ませたものである。
【0035】即ち、図1、図3、図5は交流周波数領域
で信号処理を行う回路構成であり、図1において、ブロ
ック11は本発明の回転差動容量型角度変換器の 2個の
容量Ca ,Cb をそれぞれ積分容量と微分容量とする積
分微分回路、ブロック13は単位利得反転増幅器、ブロ
ック10は加算器、ブロック12は減算器で、交流信号
源は端子9に印加され、演算結果は端子14から出力さ
れる。又、図3においてブロック20,21は本発明の
回転差動容量型角度変換器の 2個の容量Ca ,Cb を微
分容量とする微分回路、ブロック22は減算器、ブロッ
ク23は加算器であり、交流信号源は端子26に印加さ
れ、Ca +Cb に比例した交流電圧は端子25から、C
a −Cb に比例した交流電圧は端子24からそれぞれ出
力される。更に、図5において、ブロック31は利得2
の非反転増幅器、ブロック32は減算器、端子33は演
算出力端子である。
【0036】図7は前記図1、図3、図5から出力され
る交流信号を直流信号とする同期検波回路の構成であ
り、ブロック37は図1、図3、図5の信号処理回路を
示し、ブロック38は交流信号源に同期したパルス信号
を作り出す同期パルス発生回路、ブロック39は同期パ
ルスによって開閉するアナログスイッチ、ブロック40
は低域通過フィルタである。
【0037】図4は図3及び図7に示す回路構成によっ
て出力されるCa −Cb とCa +Cb に比例した直流電
圧の比を演算する回路構成であって、ブロック28は演
算増幅器を用いた加算器、ブロック29は乗算器であ
る。
【0038】更に、図8はスイッチドキャパシタ技術に
よって第(15)式の演算を行う回路構成図であり、ス
イッチ43,45は図9に示す二相クロックφによって
開閉するアナログスイッチ、スイッチ44は図9に示す
二相クロックφによって開閉するアナログスイッチ、C
a 及びCb は回転差動容量型角度変換器の 2個の容量
で、端子42は直流電圧源48,端子46は直流電圧源
48と同じ電圧で逆極性の直流電圧源49に接続され、
演算出力は端子47から出力される。
【0039】更に、図11及び図12は本発明の信号処
理形態を念頭において発明された回転差動容量型角度変
換器の構造を示すものであり、1はリング状の固定電
極、2は図13に示すように前記固定電極と対向して同
一平面上に 4個の電極2a,2b,2c,2dがリング
状に配置された 4分割電極、3は図14に示すように回
転軸4に取付けられたバタフライ形状の回転羽根であ
り、極めて近接されて配置された固定電極1と 4分割電
極2との空間内を回転する。固定電極1及び 4分割電極
2はプリント基板エッチング技術によっても製作可能で
あり、その場合には4分割電極2の互に対向する電極2
aと電極2c、及び電極2bと電極2dは基板上で電気
的に接続される。又、回転羽根3はアルミニウム、銅、
真鍮等の金属板をバタフライ状に切り出す、或いはプリ
ント基板上の両面の金属箔をバタフライ状にエッチング
して残し、残った両面の金属箔を短絡する方法によって
作ることができる。いずれの場合も、回転羽根3は図1
4に示すように、絶縁リング8を介して回転軸に取付け
られる。
【0040】次に、作用について説明すると、図1にお
いて、端子9に印加される交流電圧をVS 、端子14の
出力電圧をVO として周波数領域における解析を行え
ば、
【0041】
【数16】 が得られる。上式をVoについて整理し、数16の式を
代入すれば、
【0042】
【数17】 となり出力信号の振幅は、容量Ca とCb の温度変化に
は依存せず、回転角θに比例する。従って出力信号は、
【0043】
【数18】 と表すことができ、この出力信号を図7に示す同期検波
回路で検波すれば検波出力EO
【0044】
【数19】 となりθに比例した直流電圧となる。
【0045】又、図3において、端子19に印加される
交流信号vS を、
【0046】
【数20】 とすれば、端子24の出力v24(t)と端子25の出力v
25(t)はそれぞれ、
【0047】
【数21】
【0048】
【数22】 となる。ここでGA とGS はそれぞれ加算器及び減算器
の利得である。前記 2個の出力を、図7の同期パルス発
生回路によってvS とは90度異なる同期パルスを生成
し、このパルスによって同期検波すれば、その検波出力
として、
【0049】
【数23】
【0050】
【数24】 が得られる。このE24を図4の端子27にE25を端子2
6に加えれば端子30の出力は、
【0051】
【数25】 となり、Ca とCb の温度変化には依存せず、角度θに
比例した電圧が得られる。ここで、数25の式のKA
乗算器のスケール因子である。
【0052】更に、図5において 2個の容量Ca 、Cb
の直列回路に印加する交流信号が数20の式で与えられ
るとすればブロック31の出力電圧v31( t) は、
【0053】
【数26】 となり、減算器32の出力電圧v33( t) は、
【0054】
【数27】 となり、この出力を数14の同期検波回路で検波すれ
ば、その検波出力E32は、
【0055】
【数28】 となり、Ca とCb の温度変化には依存せず、角度θに
比例した電圧が得られる。
【0056】更に、図8において、直流電圧源42の電
圧をEr 、直流電圧源46の電圧を−Er とすれば、図
9のφクロック時にCa は+Er に、Cb は−Er に充
電される。次のφクロック時にアナログスイッチ43と
45はオフに、アナログスイッチ44はオンとなり、 2
個の容量は並列接続され、その時の出力E47は、
【0057】
【数29】 となり、Ca とCb の温度変化に依存せず、角度θに比
例した電圧が得られる。
【0058】続いて、図11に示す本発明の回転差動容
量型角度変換器の動作を説明すると、固定電極1と 4分
割電極2の内径と外径は図12に示すように同一であ
り、4分割された各電極2a,2b,2c,2dは等し
い面積を有するものとし、又、回転羽根3は図17に示
すように4分割された 4分割電極2の相対向する電極2
aと電極2c、及び電極2bと電極2dを充分に覆う大
きさであるとする。回転羽根3と 4分割電極2の相対位
置関係の3つの代表例を図15、図16、図17に示
す。図15は回転羽根3が基準角度に位置する場合であ
り、各電極2a,2b,2c,2dの面積をS、固定電
極1と回転羽根3の間隔をd1 , 4分割電極2と回転羽
根3の間隔をd2 ,回転羽根3の厚さをd3 とすれば、
a とCb は次式で与えられる。
【0059】
【数30】 但し、ε0 は空気中の誘電率である。図17は回転羽根
3が基準位置より約45度時計方向に回転した場合の位
置関係を示し、この場合はCa は最小に、Cb は最大と
なる。
【0060】
【数31】
【0061】
【数32】 回転羽根3が反時計方向に約45度回転した場合には前
記関係は逆になり、Caが数32の式で与えられる最大
値を、Cb が数31の式で与えられる最小値をとる。図
16は回転羽根3が基準位置より角度θだけ時計方向に
回転したときの位置関係を示すものであり、この場合、
a とCb は次式となる。
【0062】
【数33】
【0063】
【数34】 但し、| θ| <Ψ/2 ここでΨは 4分割電極の中心角である。数33の式及び
数34の式は、図11の構造が回転軸4の回転に伴って
一方の容量が増加すれば他方の容量が減少する差動容量
型角度変換器であること、及び電極間間隔d1 とd2
可及的に小さくし、d3 を可及的に大きくすることによ
って高い変換感度が得られることを示している。
【0064】更に、図2は本発明の図1の実施例であっ
て、図1の積分微分回路、ブロック11は演算増幅器1
5による積分回路と演算増幅器16による微分回路で、
又、図1の単位利得反転増幅ブロック13は演算増幅器
17による反転増幅器で実現されている。又、演算増幅
器15による積分回路は図1の加算ブロック10を兼
ね、演算増幅器16による積分回路は図1の減算ブロッ
ク12を兼ねているので、構成が簡略化されている。更
に別の特徴として、回転差動容量型角度変換器の2個の
容量の共通端子は理想電圧源と見なせる演算増幅器15
の出力端子に、他の 2個の電極は演算増幅器15と16
の仮想接地点に接続されているので、積分微分動作はこ
れら 3個の端子に付随する寄生容量に影響されない。
【0065】又、図6は図5に示す本発明の実施例であ
って、図5のブロック31とブロック32はそれぞれ演
算増幅器34と35によって実現されている。
【0066】更に、図10は図8に示す本発明の実施例
であって、この回路の各アナログスイッチは図9に示す
二相クロックφとφによって駆動され、φクロック時は
容量54によって演算増幅器50の負帰還回路を形成
し、反転入力端子を仮想接地点にしている。この時、回
転差動容量型角度変換器の一方の容量Ca は+Er に、
他方の容量Cb は−Er に充電される。次のφクロック
時に容量Ca とCb は共に演算増幅器50の出力端子に
接続される。この 1サイクルの動作によって数29の式
の演算が行われる。本実施例においても、2つの容量の
共通電極(固定電極1)は演算増幅器50の仮想接地点
(反転入力端子)に、他の 2個の電極(図13の端子5
と6)はφクロック時は電圧源48及び49,φクロッ
ク時は理想電圧源と見なせる演算増幅器50の出力端子
に接続されるので回転差動容量型角度変換器の3つの電
極に付随する寄生容量に影響されずに数29の式の演算
を行っている。
【0067】
【発明の効果】本発明の回転差動容量型角度変換器は、
上述のように固定部に回転軸4と同心となるように配置
されたリング状の固定電極1と、この固定電極1と適宜
空間を保って対向して、同一平面上に 4個の電極2a,
2b,2c,2dがリング状に配置され、且つ相対向す
る電極2a,2b,2c,2d同志が電気的に接続され
た 4分割電極2と、前記回転軸4に絶縁した状態で固定
されて、前記 4分割電極2の 1組の電極2a,2c、又
は電極2b,2dのみを覆うことができるような形状を
なし、前記固定電極1と前記 4分割電極2との空間を回
転する回転羽根3とから構成され、この回転羽根3の回
転に応じて前記固定電極1と前記 4分割電極2で構成さ
れる 2組のコンデンサCa ,Cb の静電容量が角度に比
例して一方が増加したときに他方が減少する特徴を持
ち、角度情報として、Ca −Cb ではなく、温度変化に
よる静電容量の変化を補償するためのフィードバックを
設けることなく、温度変化を相殺した(Ca −Cb )/
(Ca +Cb )に比例した電圧を出力する回路を含ませ
るようにしたから、回転差動容量型角度変換器に印加す
る信号源は振幅10V程度の高周波正弦波信号、又は10V
程度の直流電圧であるため、電極間の間隔を従来よりも
極めて小さくでき、しかも、回転羽根3に金属片又は加
工されたプリント基板を用いることができるので、角度
変換感度の極めて高い回転差動容量型変換器が実現でき
る。
【0068】また、本発明の信号処理形態によれば、回
転差動容量型角度変換器に印加する高周波正弦信号の周
波数或いは振幅を制御することなく、当該変換器の2つ
の容量の温度変化を相殺した正確な角度情報を得ること
ができる。
【0069】更に、本発明の信号処理形態によれば、回
転差動容量型角度変換器の3つの容量電極と接地間に付
随する寄生容量に影響されることなく、回転角を高精度
で検出できる。本発明のこれらの特徴は実用上極めて有
用であり、モータの回転軸に取付けられたミラーによっ
てレーザ光を走査するスキャナ等に広く応用させること
ができる。
【0070】従って、大振幅の交流信号源や温度補償の
ための帰還制御を用いることなく、回転角θを高い精度
で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転差動容量型角度変換器の信号処理
形態を示すブロック図である。
【図2】図1の信号処理形態の回路図である。
【図3】他の信号処理形態の回路図である。
【図4】図3の除算回路のブロック図である。
【図5】他の信号処理形態を示すブロック図である。
【図6】図5の信号処理形態の回路図である。
【図7】他の同期検波回路のブロック図である。
【図8】他の信号処理形態の原理図である。
【図9】図8のアナログスイッチを駆動する二相クロッ
クの波形図である。
【図10】図8の信号処理形態の回路図である。
【図11】本発明の信号処理形態を念頭においた回転差
動容量型角度変換器の斜視図である。
【図12】図11の回転差動容量型角度変換器の縦断正
面図である。
【図13】図11及び図12の 4分割電極の結線図であ
る。
【図14】図11及び図12の回転羽根の形状を示す平
面図である。
【図15】図11及び図12の 4分割電極と回転羽根と
の相対位置関係を示す平面図である。
【図16】図15の基準位置から回転羽根が角度θだけ
時計方向に回転した時の回転羽根と 4分割電極との位置
関係を示す平面図である。
【図17】図15の基準位置から回転羽根が略45°時
計方向に回転した時の回転羽根と4分割電極との位置関
係を示す平面図である。
【図18】従来の回転差動容量型角度変換器の信号処理
回路である。
【図19】同じく従来の回転差動容量型角度変換器に印
加される正弦波と出力電圧との関係を示す波形図であ
る。
【符号の説明】 1 固定電極 2 4分割電極 2a 電極 2b 電極 2c 電極 2d 電極 3 回転羽根 4 回転軸 5 端子 6 端子 8 絶縁リング 10 加算ブロック 11 積分微分回路 12 減算器 13 単位利得反転増幅
器 14 端子 15 演算増幅器 16 演算増幅器 17 演算増幅器 18 端子 19 端子 20 微分回路 21 微分回路 22 減算器 23 加算器 24 端子 25 端子 26 端子 27 端子 28 加算器 29 乗算器 30 端子 31 ブロック 32 減算器 33 演算出力端子 34 演算増幅器 35 演算増幅器 36 端子 37 信号処理回路 38 同期パルス発生回路 39 アナログスイッチ 40 低域通過フィルタ 41 端子 42 端子 43 アナログスイッチ 44 アナログスイッチ 45 アナログスイッチ 46 端子 47 端子 48 直流電圧源 49 直流電圧源 50 演算増幅器 51 端子 52 端子 53 端子 54 容量
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 回転差動容量型角度変換器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてモータ等
の回転軸に直接取付けられたミラー等の角度位置を正確
に検出するための回転差動容量型角度変換器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の回転差動容量型角度変換
器は、図11及び図12を参照して説明すると、リング
状の固定電極1と、これと対向して同一平面上に4個の
電極2a,2b,2c,2dがリング状に配置された 4
分割電極2と、回転軸4に取付けられたバタフライ形状
の回転羽根3とから構成され、更に、4分割電極2は、
図13に示すように相対向する電極2aと電極2c、及
び電極2bと電極2d同志が電気的に接続されている。
今、各電極2a,2b,2c,2d間の容量をC2a、C
2b、C2c、C2dのように表すと、この角度変換器の電気
的等価回路は、固定電極1を共通端子とする 2個の容量
Ca 、Cb で表すことができる。
【0003】
【数1】
【0004】
【数2】 回転羽根3には通常、比誘電率が6〜7程度の誘電体が
用いられるので、各電極2a,2b,2c,2d間の実
効誘電率は回転羽根3の回転と共に変化し、Ca とCb
が等しい時の角度を基準として回転羽根3の角度をθで
表すと、Ca とCb は次式のように書くことができる。
【0005】
【数3】
【0006】
【数4】 ここでkは比例定数、C0 は基準角度位置におけるCa
とCb の容量である。
【0007】数3の式及び数4の式から、
【0008】
【数5】 となるので、Ca −Cb を電気的に検出すれば、回転角
θに比例した信号を得ることができる。この検出に従来
は、図18に示すダイオード直接検波回路が用いられて
いる。この回路で、Ca とCb の共通端子に印加される
交流電源vS を、VS を振幅、ωを角周波数として、
【0009】
【数6】 とし、整流検波回路のCRが、
【0010】
【数7】 を満たすように時定数を選べば、検波出力Va とVb は
直流電圧と見なすことができる。
【0011】この条件の下では抵抗Rを流れる直流電流
Ia は容量Ca を流れる平均電流と等しくなるので、図
19を参照して次式の関係が得られる。
【0012】
【数8】 但し、
【0013】
【数9】 で、VD はダイオードDの順方向電圧降下である。数8
の式を解くことにより、
【0014】
【数10】 が得られる。Vb についても同様に導くことができ、結
果は数10の式のCa をCb に置き換えた式となる。但
し、f=ω/2πである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の回転
差動容量型角度変換器は、前記数10の式の検波電圧が
Ca に比例するためには、
【0016】
【数11】 とする必要がある。又、ダイオードの順方向電圧降下は
流れる電流と共に対数的に変化し、更に、温度と共に減
少する。これらの影響を充分無視できるようにするた
め、更に、数11の式の下でも充分Va を大きくするた
めにはVS として 100V以上の電圧が必要となる。この
ような高い電圧を発生させるためには変圧器が必要であ
り、変圧器からの不要電波放射を防ぐために角度変換器
に電磁シールドやガードリングを設けなければならず、
このため角度変換器の構成が複雑になる。又、高電圧に
よる放電を防ぐために回転羽根には誘電体を用い電極間
間隔を広くする必要があり、このためCa とCb が極め
て小さくなるので回転に伴う容量変化も必然的に小さく
なる。従って寄生容量や電極端電界の影響をできるだけ
受けないように角度変換器の構成に細心の注意を払わな
ければならず、その構成は必然的に複雑になる。更に、
Ca とCb は温度によっても変化し、その温度係数をγ
とすれば、
【0017】
【数12】
【0018】
【数13】 と表される。ここで、ΔTは基準温度からの温度変化で
ある。この場合には、
【0019】
【数14】 となるので、検波出力Va 及びVb が温度に対し変化し
ないようにするために、Ca とCb に印加する交流信号
の周波数又は振幅に1/(1+γΔT)の温度依存性を
持たせることが必要となる。この温度補償を従来はCa
+Cb を検出し、これを交流信号源に帰還してその振幅
制御をする、又は、別に設けた容量によって温度変化を
検出してその信号によって交流信号源の周波数又は振幅
制御を行う方式を採用しているが、これらの帰還制御で
は信号処理回路や角度変換器の構成が複雑となり、高速
応答が要求される場合には不安定性をも惹き起してい
た。
【0020】上述の説明から明らかなように、大振幅の
交流信号源を用いらなければならない要因は容量Ca と
Cb に流れる電流をダイオードによって直接検波する回
路方式にあり、この問題は検波した後の直流領域ではな
く、2個のコンデンサに印加される交流周波数領域で比
演算
【0021】
【数15】 を行う。或いはスイッチドキャパシタ技術によって上記
比演算を行う方式によって解決できる。比演算によって
2個のコンデンサの温度変化は相殺されるが、この解決
法において最も重要なのは、角度変換器に必然的に付随
する対接地間の寄生容量が比演算に影響しない信号処理
回路を見出すことにある。
【0022】そこで、本発明の目的は、温度補償のため
の帰還制御および寄生容量を無くすための補正回路を用
いることなく、回転角θを高い精度で検出する信号処理
回路を備えた回転角差動容量型角度変換器を提供するこ
とにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の回転差動容量型
角度変換器は、上述のような課題を解決するために、固
定部に回転軸と同心となるように配置されたリング状の
固定電極と、この固定電極と適宜空間を保って対向し
て、同一平面上に4個の電極がリング状に配置され、且
つ相対向する電極同志が電気的に接続された4分割電極
と、前記回転軸に絶縁した状態で固定されて、前記4分
割電極の1組の電極のみを覆うことができるような形状
をなし、前記固定電極と前記4分割電極との空間を回転
する回転羽根とから構成され、この回転羽根の回転に応
じて前記固定電極と前記4分割電極で構成される2組の
コンデンサCa ,Cb の静電容量が、回転軸の角度に比
例して一方が増加したときに、他方が減少する特徴を有
する回転差動容量型角度変換器において、浮遊容量等の
寄生容量に影響されないように、前記コンデンサの各端
子が演算増幅器の出力端子もしくは、仮想接地となる演
算増幅器の反転入力端子に接続され、一方のコンデンサ
は積分容量として積分回路、他方のコンデンサは微分容
量として微分回路を構成し、微分回路の出力を極性反転
し、積分回路に帰還して、(Ca −Cb )/(Ca +C
b )に比例した電圧を出力する信号処理回路を備えたも
のである。
【0024】また、固定部に回転軸と同心となるように
配置されたリング状の固定電極と、この固定電極と適宜
空間を保って対向して、同一平面上に4個の電極がリン
グ状に配置され、且つ相対向する電極同志が電気的に接
続された4分割電極と、前記回転軸に絶縁した状態で固
定されて、前記4分割電極の1組の電極のみを覆うこと
ができるような形状をなし、前記固定電極と前記4分割
電極との空間を回転する回転羽根とから構成され、この
回転羽根の回転に応じて前記固定電極と前記4分割電極
で構成される2組のコンデンサCa ,Cb の静電容量
が、回転軸の角度に比例して一方が増加したときに、他
方が減少する特徴を有する回転差動容量型角度変換器に
おいて、浮遊容量等の寄生容量に影響されないように、
前記2つのコンデンサの共通端子は、仮想接地となる演
算増幅器の反転入力端子に接続され、他の各端子は定電
圧源もしくは演算増幅器の出力端子にスイッチを介して
交互に接続されるようにし、2組のコンデンサCa ,C
b を互いに逆極性の等しい電圧で充電した後、各コンデ
ンサCa ,Cb を並列に接続することによって角度情報
として(Ca−Cb )/(Ca +Cb )に比例した電圧
を出力するスイッチドキャパシタ信号処理回路を備えた
ものである。
【0025】図1は本発明の交流周波数領域で信号処理
を行う回路構成であり、図1において、ブロック11は
本実施の形態の回転差動容量型角度変換器の2個の容量
Ca,Cb をそれぞれ積分容量と微分容量とする積分微
分回路、ブロック13は単位利得反転増幅器、ブロック
10は加算器、ブロック12は減算器で、交流信号源は
端子9に印加され、演算結果は端子14から出力され
る。
【0026】今、端子9に印加される交流電圧をVs、
端子14の出力電圧をVoとして周波数領域における解
析を行えば、
【0027】
【数16】 が得られる。上式をVoについて整理し、数16の式を
代入すれば、
【0028】
【数17】 となり出力信号の振幅は、容量Ca とCb の温度変化に
は依存せず、回転角θに比例する。従って出力信号は、
【0029】
【数18】 と表すことができ、この出力信号を図7に示す同期検波
回路で検波すれば検波出力Eo は
【0030】
【数19】 となりθに比例した直流電圧となる。
【0031】更に、図8はスイッチドキャパシタ技術に
よって第(15)式の演算を行う本実施の形態の原理図
であり、スイッチ43,45は図9に示す二相クロック
φによって開閉するアナログスイッチ、スイッチ44は
図9に示す二相クロック−φによって開閉するアナログ
スイッチ、Ca 及びCb は回転差動容量型角度変換器の
2個の容量で、端子42は直流電圧源48,端子46は
直流電圧源48と同じ電圧で逆極性の直流電圧源49に
接続され、演算出力は端子47から出力される。
【0032】今、直流電圧源42の電圧をEr 、直流電
圧源46の電圧を−Er とすれば、図13のφクロック
時にCa は+Er に、Cb は−Er に充電される。次の
−φクロック時にアナログスイッチ43と45はオフ
に、アナログスイッチ44はオンとなり、2個の容量は
並列接続され、その時の出力E47は、
【0033】
【数20】 となり、Ca とCb の温度変化に依存せず、角度θに比
例した電圧が得られる。
【0034】
【発明の実施の形態】図2は本発明の図1の実施の形態
であって、図1の積分微分回路ブロック11は演算増幅
器15による積分回路と演算増幅器16による微分回路
で、又、図1の単位利得反転増幅ブロック13は演算増
幅器17による反転増幅器で実現されている。又、演算
増幅器15による積分回路は図1の加算ブロック10を
兼ね、演算増幅器16による積分回路は図1の減算ブロ
ック12を兼ねているので、構成が簡略化されている。
更に別の特徴として、回転差動容量型角度変換器の2個
の容量の共通端子は理想電圧源と見なせる演算増幅器1
5の出力端子に、他の2個の電極は演算増幅器15と1
6の仮想接地点に接続されているので、回転差動容量型
角度変換器の3つの電極に必然的に付随する寄生容量
は、演算動作に影響しない。
【0035】更に、図10は図8に示す本発明の実施の
形態であって、この回路の各アナログスイッチは図9に
示す二相クロックφと−φによって駆動され、φクロッ
ク時は容量54によって演算増幅器50の負帰還回路を
形成し、反転入力端子を仮想接地点にしている。この
時、回転差動容量型角度変換器の一方の容量Ca は+E
r に、他方の容量Cb は−Er に充電される。次の−φ
クロック時に容量Ca とCb は共に演算増幅器50の出
力端子に接続される。この1サイクルの動作によって数
29の式の演算が行われる。本実施の形態においても、
2つの容量の共通電極(固定電極1)は演算増幅器50
の仮想接地点(反転入力端子)に、他の2個の電極(図
13の端子5と6)はφクロック時は電圧源48及び4
9、−φクロック時は理想電圧源と見なせる演算増幅器
50の出力端子に接続されるので回転差動容量型角度変
換器の3つの電極に必然的に付随する寄生容量に影響さ
れずに数20の式の演算を行っている。
【0036】
【発明の効果】本発明の信号処理形態によれば、回転差
動容量型角度変換器に印加する高周波正弦信号の周波数
或いは振幅を制御することなく、当該変換器の2つの容
量の温度変化を相殺した正確な角度情報を得ることがで
きる。
【0037】更に、本発明の信号処理形態によれば、回
転差動容量型角度変換器の3つの容量電極と接地間に付
随する寄生容量に影響されることなく、回転角を高精度
で検出できる。また、回転差動容量型角度変換器に印加
する信号は振幅10V程度の高周波正弦波信号、または
10V程度の直流電圧であるため、電極間の間隔を従来
よりも極めて小さくでき、しかも、回転羽根3に金属片
または加工されたプリント基板を用いることができるの
で、角度変換感度の極めて高い回転差動容量型角度変換
器が実現できる。本発明のこれらの特徴は実用上極めて
有用であり、モータの回転軸に取付けられたミラーによ
ってレーザ光を走査するスキャナ等に広く応用させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転差動容量型角度変換器の交流周波
領域での信号処理形態を示すブロック図である。
【図2】図1の信号処理形態の回路図である。
【図3】同期検波回路のブロック図である。
【図4】スイッチドキャパシタ技術による信号処理形態
の原理図である。
【図5】図4のアナログスイッチを駆動する二相クロッ
クの波形図である。
【図6】図4の信号処理形態の回路図である。
【図7】本発明の信号処理形態を念頭においた回転差動
容量型角度変換器の斜視図である。
【図8】図7の回転差動容量型角度変換器の縦断正面図
である。
【図9】図7及び図8の4分割電極の結線図である。
【図10】従来の回転差動容量型角度変換器の信号処理
回路である。
【図11】同じく従来の回転差動容量型角度変換器に印
加される正弦波と出力電圧との関係を示す波形図であ
る。
【符号の説明】 1 固定電極 2 4分割電極 2a 電極 2b 電極 2c 電極 2d 電極 3 回転羽根 4 回転軸 5 端子 6 端子 10 加算ブロック 11 積分微分回路 12 減算器 13 単位利得反転増幅
器 14 端子 15 演算増幅器 16 演算増幅器 17 演算増幅器 18 端子 37 信号処理回路 38 同期パルス発生回
路 39 アナログスイッチ 40 低域通過フィルタ 41 端子 42 端子 43 アナログスイッチ 44 アナログスイッチ 45 アナログスイッチ 46 端子 47 端子 48 直流電圧源 49 直流電圧源 50 演算増幅器 51 端子 52 端子 53 端子 54 容量
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図9】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図11】
【図10】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部に回転軸と同心となるように配置
    されたリング状の固定電極と、この固定電極と適宜空間
    を保って対向して、同一平面上に 4個の電極がリング状
    に配置され、且つ相対向する電極同志が電気的に接続さ
    れた 4分割電極と、前記回転軸に絶縁した状態で固定さ
    れて、前記 4分割電極の 1組の電極のみを覆うことがで
    きるような形状をなし、前記固定電極と前記 4分割電極
    との空間を回転する回転羽根とから構成され、この回転
    羽根の回転に応じて前記固定電極と前記 4分割電極で構
    成される 2組のコンデンサCa ,Cb の静電容量が角度
    に比例して一方が増加したときに他方が減少する特徴を
    持ち、角度情報として、Ca −Cb ではなく、温度変化
    による静電容量の変化を補償するためのフィードバック
    を設けることなく、温度変化を相殺した(Ca −Cb
    /(Ca +Cb )に比例した電圧を出力する回路を含ま
    せたことを特徴とする回転差動容量型角度変換器。
  2. 【請求項2】 コンデンサCa を積分容量とする積分回
    路,コンデンサCbを微分容量とする微分回路を構成
    し、浮遊容量及び温度変化による静電容量の変化に影響
    されることなく、角度情報として、(Ca −Cb )/
    (Ca +Cb )に比例した交流電圧を出力する回路を含
    ませた請求項1記載の回転差動容量型角度変換器。
  3. 【請求項3】 コンデンサCa とコンデンサCb との共
    通電極に交流電圧を印加し、各コンデンサCa ,Cb
    流れる交流電流を直接演算増幅器にて電圧変換し、その
    後、Ca −Cb 、Ca +Cb を演算増幅器により演算
    し、更に除算器にて、(Ca −Cb )/(Ca +Cb
    に比例した交流電圧を出力する回路を含ませた請求項1
    記載の回転差動容量型角度変換器。
  4. 【請求項4】 コンデンサCa とコンデンサCb とによ
    り交流電圧源の電圧を分圧し、電圧源の電圧と分圧され
    た電圧とから直接演算増幅器により、(Ca−Cb )/
    (Ca +Cb )に比例した交流電圧を出力する回路を含
    ませた請求項1記載の回転差動容量型角度変換器。
  5. 【請求項5】 請求項2乃至請求項4記載のいずれかの
    回路より出力される交流電圧をアナログスイッチにて同
    期検波を行い、角度に比例した直流電圧を出力すること
    により数pF程度の静電容量を高電圧を用いずに検出を
    可能とする回路を含ませた請求項1又は2又は3又は4
    記載の回転差動容量型角度変換器。
  6. 【請求項6】 2組のコンデンサCa ,Cb を互いに逆
    特性となるように等しい直流電圧で充電した後、各コン
    デンサCa ,Cb を並列に接続することによって、(C
    a −Cb )/(Ca +Cb )に比例した直流電圧を出力
    する回路を含ませた請求項1記載の回転差動容量型角度
    変換器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6339336B1 (en) 1999-12-28 2002-01-15 Chiba Seimitsu Co., Ltd. Moving magnet type galvanometer
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JP2017531798A (ja) * 2014-10-07 2017-10-26 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 計時器用セッティングステムのための位置センサー

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