JPH11303309A - 高剛性パネル及びその製法 - Google Patents

高剛性パネル及びその製法

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JPH11303309A
JPH11303309A JP10592898A JP10592898A JPH11303309A JP H11303309 A JPH11303309 A JP H11303309A JP 10592898 A JP10592898 A JP 10592898A JP 10592898 A JP10592898 A JP 10592898A JP H11303309 A JPH11303309 A JP H11303309A
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JP
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ridge
rigidity
crushed
ridges
length direction
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Application number
JP10592898A
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English (en)
Inventor
Akio Sugimoto
明男 杉本
Kazuki Tsugibashi
一樹 次橋
Shigeo Someya
茂夫 染矢
Terubumi Arimura
光史 有村
Zenichi Shibata
善一 柴田
Tetsuya Onoda
哲也 小野田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長さ方向に直線で延びる凸条を下向き上向き
に交互に且つ連続して出現させた波板に簡単に所定の幅
方向剛性を付与できる高剛性パネル及びその製法を提供
する。 【解決手段】 波板2Aの凸条11,12の全部又は一
部に対し、その長さ方向の両端以外の場所に、押し潰し
部14,15,16を設けた。このような高剛性パネル
は、波板を形成するロールフォーミング工程に押し潰し
部を設ける押し潰し工程を付加するだけでよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凸条が延びる長さ
方向に剛性がある波板に対して、幅方向にも所定の剛性
を持たせた高剛性パネル及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭61−10664号公報に
開示のように、上向き凸条と下向き凸条を幅方向に交互
に且つ連続的に出現させた波板を用いたパネルが知られ
ている。このパネルに凸条が延びる長さ方向が回転軸と
なる曲げモーメントが作用すると、凸条が開き変形又は
閉じ変形するため、パネルの幅方向の剛性が少ない。
【0003】そこで、特開昭64−2730号公報に開
示のように、長さ方向に延びる凸条を直線ではなく、幅
方向にうねらせた波板が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、長さ方
向に延びる凸条を幅方向にうねらせた波板は、特殊なロ
ールを用いないと成形することができず、うねりの程度
の変更も簡単にできないという問題点がある。
【0005】そこで、本発明は、長さ方向に直線で延び
る凸条を下向き上向きに交互に且つ連続して出現させた
波板に簡単に所定の幅方向剛性を付与できる高剛性パネ
ル及びその製法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、直線
の上向き凸条と直線の下向き凸条を幅方向に交互に且つ
連続的に出現させた波板を備える高剛性パネルであっ
て、前記凸条の全部又は一部に対し、その長さ方向の途
中の場所に、1つ以上の押し潰し部を設けたことを特徴
とする高剛性パネルである。
【0007】長さ方向に延びる凸条を幅方向に交互に出
現させた波板であるため、長さ方向の剛性は高いが、幅
方向の剛性は長さ方向に比べて著しく低い。この凸条の
全部又は一部であって、その長さ方向の途中に押し潰し
部があると、この押し潰し部によって凸条の開き変形を
拘束して幅方向の剛性の増加が得られる。凸条の全部に
押し潰し部を設けると、幅方向の全幅で剛性の増加が得
られる。凸条の一部に押し潰し部を設けると、幅方向の
所定部位で剛性の増加が得られる。ここで、凸条は台形
条、矩形条、U字条等である。また、押し潰し部は、凸
条を平らに全部押し潰すものに限らず、半分程度押し潰
して凸条を半分程度残すものを含む。凸条の両端部に、
凸条が完全に無くならない程度の押し潰し部を付加する
と、波板の長さ方向の両端部分で他の部材に取り付ける
場合の取付部の幅方向を回転軸とする曲げモーメントに
対する剛性の低下が生じない。
【0008】請求項2の発明は、幅方向に隣り合う前記
押し潰し部は、長さ方向にずらされて配置された請求項
1記載の高剛性パネルである。
【0009】幅方向に隣り合う押し潰し部が幅方向に並
ぶと、2以上の凸条が直線で潰されて波板本来の長さ方
向の剛性が損なわれる。そこで、幅方向に隣り合う押し
潰し部を長さ方向にずらすことで、押し潰し部による長
さ方向の剛性の弱点を分散させ、押し潰し部による長さ
方向の剛性の減少を最小限にする。ただし、押し潰し部
の凸条が完全に押しつぶされない程度であればその限り
ではない。
【0010】請求項3の発明は、前記上向き凸条と前記
下向き凸条の両方に、前記押し潰し部を出現させ、隣り
合う凸条の前記押し潰し部は長さ方向にずらされて配置
された波板からなる請求項1記載の高剛性パネルであ
る。
【0011】隣り合う上向き凸条との両方に押し潰し部
を出現させると、幅方向の全長において剛性が高くな
り、波板だけで長さ方向と幅方向の剛性の増加が得られ
る。従って、波板の両面または片面に比較的剛性の低い
平板を固定しても、所要の剛性を有する床や壁等を構成
することが可能となる。
【0012】請求項4の発明は、前記上向き凸条と前記
下向き凸条のいずれか一方に、前記押し潰し部を出現さ
せ、幅方向に隣り合う前記押し潰し部を長さ方向にずら
して配置した波板に、前記押し潰し部を設けた凸条の側
に平板を載せて固定した請求項1記載の高剛性パネル。
【0013】平板に荷重がかかった場合に、平板が固定
されている凸条に押し潰し部を設けると、この凸条の開
きが阻止され、平板が固定されていない凸条は、平板に
よって、この凸条の開きが阻止されるので波板と片面に
固定された平板の両方で長さ方向及び幅方向の剛性が得
られる。従って、凸条に押し潰し部がない従来の波板の
両面に平板を固定した場合の幅方向の剛性が本発明を用
いることにより片面のみ平板を固定するだけで得られる
ので、使用材料が減り、重量と製造コストの低減が同時
に達成される。
【0014】請求項5の発明は、前記上向き凸条と前記
下向き凸条の両方に、前記押し潰し部を出現させ、隣り
合う凸条の前記押し潰し部は長さ方向にずらされて配置
した波板に、前記上向き凸条及び前記下向き凸条の側の
両方又は片方に平板を載せて固定した請求項1記載の高
剛性パネルである。
【0015】上向き凸条と下向き凸条の両方に平板を載
せて固定するとともに、凸条の全てに押し潰し部を設け
ているため、二枚の平板とにより長さ方向及び幅方向の
剛性のさらなる増加が得られる。さらには、凸条の幅と
単位幅当たりの本数及び押し潰し部の形状寸法と長さ方
向間隔により、波板の剛性を適切に設計できるので、平
板の曲げ剛性は必要最小限の剛性を有する程度のもので
あれば十分である。
【0016】請求項6の発明は、前記押し潰し部は、前
記凸条の長さ方向に所定間隔で2以上出現している請求
項1〜5のいずれかに記載の高剛性パネルである。
【0017】長さ方向の所定間隔を定め、長さ方向に2
以上押し潰し部を出現させると、幅方向の剛性の大きさ
を適切に設計できる。
【0018】請求項7の発明は、前記記載の長さ方向の
途中に、完全に押し潰されず、凸条が残っている半押し
潰し部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれ
かに記載の高剛性パネルである。
【0019】長さ方向の途中において幅方向に隣り合う
押し潰し部が並んだ場合でも、押し潰し部が完全に押し
つぶされておらず、凸条が残っていれば、凸条による長
さ方向の剛性増加の効果が損なわれない。なお、長さ方
向の端部に完全に押し潰されてない押し潰し部を設ける
と、端部が押しつぶされていることにより、他部材との
連結や位置決めが容易に行える。
【0020】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
かに記載の前記高剛性パネルで形成された床板又は屋根
板。
【0021】長さ方向のみならず幅方向に剛性があるに
もかかわらず、基本的には平板無しでも所要の剛性を確
保できるため、平板は少なくとも凸条の片面に設ければ
よく、しかもその平板の曲げ剛性も必要最小限で良いこ
とから従来技術では成しえない軽量化が可能となり、床
板又は屋根板に適用することで、その他の部材削減と製
造コスト削減の同時達成が可能となる。
【0022】請求項9の発明は、繰り出された平たい板
に対してローラを押しつけ、直線の上向き凸条と直線の
下向き凸条を幅方向に交互に且つ連続的に出現させた断
面形状を連続的に形成するロールフォーミング工程と、
前記凸条の全部又は一部に対し、その長さ方向の両端以
外に、押し潰し部を設ける押し潰し工程と、を有する高
剛性パネルの製法である。
【0023】ロールフォーミングにより、平たい板に凸
条を連続的に形成した後、その凸条に断続的に押し潰し
を設けるため、通常のロールフォーミング工程に押し潰
し工程を付加するだけでよい。
【0024】請求項10の発明は、前記押し潰し工程の
後に、前記上向き凸条と下向き凸条の少なくとも一方に
平板を固定する工程と、を有する請求項9記載の高剛性
パネルの製法である。
【0025】ロールフォーミングにより連続的に波板を
得て、続いて所定箇所に押し潰し部を設け、引き続いて
凸条に平板を載せて固定するという一連の工程が連続で
行える。
【0026】請求項11の発明は、前記凸条に対する押
し潰し部は、前記凸条の長さ方向に所定の等間隔で設け
る請求項9又は10記載の高剛性パネルの製法。
【0027】押し潰し工程の押し潰しを所定時間間隔で
作動させると、押し潰し部が凸条の長さ方向に所定の等
間隔で連続的に設けられる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示例とと
もに説明する。図1は、波板だけからなる高剛性パネル
の斜視図であり、図2は、押し潰し部が長さ方向の途中
と、両端に完全に押しつぶされていない押し潰し部が形
成されてなる高剛性パネルの斜視図であり、図3は、押
し潰し部の配置を示す上面図であり、図4は、完全に押
しつぶされていない押し潰し部が、幅方向に隣り合って
形成されてなる高剛性パネルの斜視図であり、図5は、
湾曲した押し潰し部の形状を示す斜視図であり、図6及
び図7は、湾曲した押し潰し部の形成するための金型を
示す図である。
【0029】図1において、高剛性パネルの基本となる
波板2Aは、直線の上向き凸条11と、直線の下向き凸
条12とを幅方向に交互に且つ連続的に出現させたもの
である。図示例の凸条は、台形断面であるが、三角断面
やパルス状断面であってもよい。幅方向の端は、一つの
凸条を幅方向で分割した分割凸条13にし、引っかけ部
13aを設けて形成されている。複数枚の波板2A同志
の引っかけ部13aを重ねると、幅方向に広げることが
できる。
【0030】上向き凸条11の端以外の途中には図示の
矢印のように上からの押し潰し部14が設けられ、下向
き凸条12の端以外の途中には図示の矢印のように下か
らの押し潰し部15が設けられている。幅方向の両端の
分割凸条13にも、同様の押し潰し部16が設けられて
いる。また、図2のように、長さ方向の両端であって
も、凸条が完全に押しつぶされない程度であれば、剛性
増加の効果が損なわれず、他部材との連結や位置決めが
容易になる。
【0031】図示例では、押し潰し部14,15,16
は、幅方向の直線的に延在する台形断面で形成されてい
るが、幅方向に斜め45°に交差するものでもよい。斜
めの押し潰し部であると、隣り合う押し潰し部と直線に
並ぶことがないため、長さ方向にずらさなくてもよい。
また、断面形状も三角断面やパルス状断面であってもよ
い。図示例では、全ての凸条11,12と分割凸条13
に、押し潰し部14,15,16が設けられているが、
所定の凸条を選択して設けることもできる。
【0032】全ての凸条11,12と分割凸条13に、
押し潰し部14,15,16を設ける場合、押し潰し部
14,15,16同志が幅方向に揃うと、その部分は長
さ方向の剛性の弱点となる。そこで、図3に示されるよ
うに、長さ方向に所定間隔Lだけずらして配置し、押し
潰し部14,15,16が幅方向に重ならないようにし
ている。また、図4に示すように、押し潰し部14,1
5,16が完全に押しつぶされず凸条を残した状態で形
成されてなる場合は、長さ方向の剛性の低減を抑えるこ
とが出来る。
【0033】加えて、各凸条の押し潰し部は、端から所
定間隔M以上を隔てて、所定の等間隔P毎に2以上配設
されている。これらの構成により、波板2Aの全面に押
し潰し部が均一に配設されることになり、その結果、波
板2Aの幅方向の剛性が長さ方向全体的に均一に上が
る。
【0034】図5には、押し潰し部を曲線で形成し、同
じ数の押し潰し部であっても幅方向の剛性をより上げる
ようにした波板2Bが示される。上向き凸条11には、
円弧が二つ隣り合わせとなった鼓状となった上からの押
し潰し部14Bが形成されている。下向き凸条12に
も、円弧が二つ隣り合わせとなった鼓状となった下から
の押し潰し部15Bが形成されている。分割凸条13に
も、下からの押し潰し部15Bの半分の押し潰し部16
Bが形成されている。
【0035】このような押し潰し部14B,15Bは、
図6及び図7の金型を用いることにより、簡単に形成で
きる。例えば、上からの押し潰し部14Bは、下側に図
6の凹型の金型18を置き、上側に図7の凸型の金型1
9を置き、両金型18,19を閉じることにより得られ
る。下からの押し潰し部15Bは、両金型の上下の配置
を逆にするだけでよい。このように、所定の形状の金型
を普通の波板に押しつけるだけで、所定形状の押し潰し
部を得ることが出来る。
【0036】つぎに、前述した波板をベースにした種々
の高剛性パネルの構成を図8により説明する。図8
(a)の高剛性パネルは、図1〜4で説明したように、
下向き凸条11と上向き突条12の両方に押し潰し部1
4,15を設け、波板2A自体だけで高剛性を発揮でき
るようにしたものである。この高剛性パネルを床に使う
場合、二点鎖線の平板を重ねる必要があるが、平板を高
剛性パネルの上に載せるだけで、長さ方向及び幅方向の
剛性を発揮できる。
【0037】図8(b)の高剛性パネルは、波板2Cの
下向き凸条12に押し潰し部を設けることなく、上向き
凸条11に押し潰し部14を設け、上向き凸条11に平
板21を溶接22により固定したものである。これによ
り、波板2Cの開き変形が抑制される。たとえば、平板
21の乗っている凸条11には押し開きの荷重が掛かる
が、押し潰し部14で押し開きが阻止され、平板21と
波板2Cの両方で長さ方向及び幅方向の剛性が発揮され
る。この高剛性パネルを床等に使う場合、平板21側を
床としなければならないため、使用時の上下の向きが決
まっているものの、波板2Cと片面に固定された平板2
1のみで、所定の剛性が発揮できる。
【0038】図8(c)の高剛性パネルは、波板2Dの
上向き凸条11に押し潰し部14を設け、下向き凸条1
2に押し潰し部15を設け、上向き凸条11に平板21
を溶接22により固定し、下向き凸条12に床になる平
板23を溶接24により固定したものである。平板2
1、23が載る凸条11、12に押し潰し部14、15
があるため、平板21、23を介しての押し開きが阻止
され、平板21、23と波板2Dの両方で長さ方向及び
幅方向の剛性が発揮される。波板2Dの両面に平板2
1、23があるため、使用時には上下いずれの向きでも
使用可能である。また、波板2Dのみで所要の剛性を達
成可能であるため、両面の平板21、23を薄くしても
所定の剛性を確保できる。なお、両面の平板21、23
に代わり、片面のみ平板を溶接で固定することもでき
る。
【0039】つぎに、前述した高剛性パネルの素材を説
明する。波板には、鋼板やアルミ等の非鉄金属板、プラ
スチックやFRP等高分子材料の板が使用可能である。
図1のように、凸条11の上面に平坦面がある場合、こ
の平坦部にプレス加工により幅方向に延びる長円形のよ
うな浅い凹凸を設けることで、凸条11の幅方向の剛性
を更に高めることができる。前記凹凸に代わり、前記平
坦面に開口を設け、バリによって凸条11の幅方向の剛
性を更に高めることができる。
【0040】波板自体に制振性を付与するため、波板
に、中間に粘弾性体を挟み込んだサンドイッチ構造の制
振鋼板を使用したり、片面に粘弾性体等の制振材を貼り
つけた鋼板を用いることもできる。前記制振材として熱
融着型を使用すると、凸条加工後の波板の表面の適所に
制振材を載せ加熱するだけで、制振材が簡単に貼りつけ
られる。
【0041】図8(b)(c)に用いられる平板21,
23にも、鋼板、アルミ等の非鉄金属板、プラスチック
やFRP等高分子材料、構造用合板やパーティクルボー
ド等木質系材料の板が使用可能である。これら平板2
1,23に、サンドイッチ構造の制振鋼板を使用した
り、片面に粘弾性体等の制振材を貼りつけた鋼板を用い
ることができる。
【0042】つぎに、前述した高剛性パネルを鋼材を使
用したプレハブ住宅の床に適用する場合を図9により説
明する。スチール製の型材により横枠51と縦枠52に
より骨格を形成したのち床の基礎になる高剛性パネル5
3を載せる。この高剛性パネル53はそれ自体で長さ方
向と幅方向に剛性を有する図1のタイプである。
【0043】予め所定長さで切断された図1の高剛性パ
ネル53の長さ方向の端を、たとえば横枠51に、幅方
向の端をたとえば縦枠52に載せ、幅方向に連結し、適
宜間隔毎のボルト53で固定していく。高剛性パネル5
3の長さ方向及び、幅方向の端には完全な押し潰し部が
ないので、横枠51及び縦枠52との取付け部分の剛性
の低下が生じない。そして、波板状の高剛性パネル53
の全面に押し潰し部が形成されているため、長さ方向の
みならず幅方向にも高い剛性を有する。そのため、平板
54を高剛性パネル53に載せて、適当なピッチでボル
ト又はネジにより固定するだけで、高剛性により振動を
抑えた床を実現することができる。制振性をより高める
ためには、高剛性パネル53を制振鋼板で形成したり、
高剛性パネル53の表面に制振材を貼りつけることが好
ましい。なお、この高剛性パネルは、床に限らず、壁板
や屋根板にも使用可能である。
【0044】図10は、図1の波板を幅方向に連結して
床を形成する場合の好ましい形態を示している。隣り合
う波板2A′と波板2A″の押し潰し部は、長さ方向に
ずらされている。そのため、隣り合う波板2A′と波板
2A″の押し潰し部が幅方向に揃うことがなく、幅方向
の剛性が維持される。
【0045】また、波板2A′と波板2A″同志を連結
した高剛性パネル53の上に載せる平板54は、波板2
A′と波板2A″同志の連結線上に端がこないように載
せることが好ましい。何故ならば、連結線上に無理な荷
重が作用しなくなるからである。
【0046】つぎに、図11により、図8(c)の最も
複雑な高剛性パネルを連続で成形するための工程を以下
に説明する。
【0047】平たい板を巻いたコイル61から板を繰り
出し、ロール加工で上下向きの凸条を順次深く成形する
ロールフォーミング機62を通過させる(ロールフォー
ミング工程)。すると図12(a)のように、上向き凸
条11と下向き凸条12が幅方向に連続する波板2が形
成できる。なお、凸条11,12の中央の溝71は、平
板65をカシメで固定する場合のものである。
【0048】このロールフォーミング機61の後に、上
向き凸条用の第1プレス機62と下向き凸条用の第2プ
レス機63が配設され、ロールフォーミング機61から
連続的に送りだされる波板に対して押し潰し部を形成す
る(押し潰し工程)。プレス機62,63は、一対の金
型の一方を固定し、他方を昇降可能にする構造を有し、
所定時間間隔で一対の金型を閉じる動作をする。する
と、凸条に対して所定の等間隔P毎に押し潰し部が形成
される。多数の凸条に対して金型の配置を走行方向にず
らすと、図1のように長さ方向にずれた押し潰し部が簡
単に得られる。
【0049】前記第2プレス機63の後に、平板64を
巻いたコイル、カシメ機65、溶接機又はブラインドリ
ベット機66を順に配設している。波板2の下に平板6
4を重ね、波板2と平板64とをカシメで固定し、更に
必要に応じて溶接又はブラインドリベットで固定する
(第1平板固定工程)。カシメ後の状態が図12(b)
に示される。波板2の溝71内に平板64の突起72が
嵌まり、機械的に挟んでカシメを行う。また、波板2の
端の引っかけ部にも平板64の端をカシメで固定してお
くことが望ましい。
【0050】前記溶接機又はブラインドリベット機66
の後に、平板67を巻いたコイル、カシメ機68、溶接
機又はブラインドリベット機69を順に配設している。
波板の上に平板67を重ね、波板2と平板67とをカシ
メで固定し、更に必要に応じて溶接又はリベットで固定
する(第2平板固定工程)。カシメ後の状態が図12
(c)に示される。波板2の溝71内に平板65の突起
72が嵌まり、機械的に挟んでカシメを行う。
【0051】溶接機又はブラインドリベット機69の後
に、加熱炉70と切断機71が配設されている。加熱炉
70は、制振材を波板に貼りつけるためのものである
(制振材貼りつけ工程及び切断工程)。この制振材は、
ロールフォーミング工程の後の部分、押し潰し工程の
後の部分、又は第1平板固定工程の後の部分のいず
れかで波板に重ねられる。この制振材は加熱炉70で融
けて波板2に貼りつく。このようにして形成された高剛
性パネルは所定長さに切断される。
【0052】なお、図8(a)のような波板だけの高剛
性パネルを得るときは、平板64を巻いたコイルから溶
接機又はプライドリベット機69までを省略すればよ
い。貼り付け型の制振材が不用である場合や、制振鋼板
等予め制振効果の高い薄板を用いる場合には、加熱炉7
0も省略できる。
【0053】図8(b)のような波板の片側に平板を固
定した高剛性パネルを得るときは、第1プレス機62
と、平板67を巻いたコイルから溶接機又はブラインド
リベット機69までを省略すればよい。制振材が不用で
あると、加熱炉70も省略できる。
【0054】このように、波板を製造するロールフォー
ミング機62の後に、プレス機62,63を設置するだ
けで、連続的に押し潰し部を有する波板を得ることがで
きる。そのため、既設のロールフォーミング機62のラ
インを改造することもできる。
【0055】なお、図11の製法例では、ロールフォー
ミング工程とプレスによる押し潰し工程とを連続させた
が、所定長さに切断された波板をロールフォーミング工
程とは別に設置されたプレス機62,63に供給して、
押し潰し部を得ることもできる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、凸条の長さ方向に設けられた押し潰し部によ
り、波板の長さ方向のみならず幅方向の所定部位の剛性
も高めることができる。
【0057】請求項2の発明によると、凸条の押し潰し
による長さ方向の剛性の減少を最小化し、長さ方向と幅
方向の両方で剛性の高い波板にすることができる。
【0058】請求項3の発明によると、波板の長さ方向
と幅方向の両方で剛性があるため、構造物の一部にその
まま使用することができる。上に平板を載せるだけで、
しっかり固定しなくても所定の剛性を有するため、施工
が簡単になる。
【0059】請求項4の発明によると、波板と平板の両
方で長さ方向及び幅方向の剛性を得るため、全体として
軽量化された構造材であり、片面の平板を面としてその
まま利用できる。
【0060】請求項5の発明によると、一枚の波板と一
枚または二枚の平板とにより長さ方向及び幅方向の剛性
のさらなる増加が得られるため、全体として軽量化され
た構造材を得ることが出来、両面の平板を床、壁や屋根
面としてそのまま利用できる。
【0061】請求項6の発明によると、押し潰し部を出
現させる割合を適切にして、幅方向の剛性の大きさを適
切に設計することができる。
【0062】請求項7の発明によると、幅方向に隣り合
う凸条の押し潰し部が並んだ場合でも、長さ方向の剛性
の低下が生じない。
【0063】請求項8の発明によると、高い剛性があっ
て軽い床板、屋根板又は壁板を安価に提供できる。
【0064】請求項9の発明によると、通常のロールフ
ォーミング工程に押し潰し工程を付加するという簡単な
改造で長さ方向のみならず幅方向の剛性が高い波板が得
られる。
【0065】請求項10の発明によると、通常のロール
フォーミング工程に押し潰し工程と平板載せ工程と平板
固定工程を付加するという簡単な改造で長さ方向のみな
らず幅方向の剛性が高い平板付き波板が得られる。
【0066】請求項11の発明によると、押し潰し部を
設ける所定間隔が簡単に調整でき、幅方向に所定の剛性
を有するパネルを簡単に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波板だけからなる高剛性パネルの斜視図であ
る。
【図2】長さ方向の端部にも押し潰し部をもつ高剛性パ
ネルの斜視図である。
【図3】押し潰し部の配置を示す上面図である。
【図4】押し潰し部が隣り合った凸部に形成されてなる
高剛性パネルの斜視図である。
【図5】湾曲した押し潰し部の形状を示す斜視図であ
る。
【図6】湾曲した押し潰し部の形成するための金型を示
す図である。
【図7】湾曲した押し潰し部の形成するための金型を示
す図である。
【図8】波板をベースとする種々の高剛性パネルの断面
図である。
【図9】波板だけからなる高剛性パネルの組み立てハウ
スへの適用例を示す斜視図である。
【図10】波板だけからなる高剛性パネルと床板との組
合せ例を示す上面図である。
【図11】高剛性パネルの製造工程を示すフロー図であ
る。
【図12】高剛性パネルの製造工程の各過程における断
面図である。
【符号の説明】
1 高剛性パネル 2A,2B,2C,2D 波板 11 上向き凸条 12 下向き凸条 13 分割凸条 14,15,16 押し潰し部 21,23 平板 22,24 溶接(固定手段) 61 ロールフォーミング機(ロールフォーミング工
程) 62 第1プレス機(押し潰し工程) 63 第2プレス機(押し潰し工程) 65 カシメ機(平板固定工程) 68 カシメ機(平板固定工程) L 長さ方向のずらし量 P 長さ方向の等間隔
フロントページの続き (72)発明者 有村 光史 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株 式会社神戸製鋼所東京本社内 (72)発明者 柴田 善一 大阪府大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式会社神戸製鋼所大阪支社内 (72)発明者 小野田 哲也 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株 式会社神戸製鋼所東京本社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線の上向き凸条と直線の下向き凸条を
    幅方向に交互に且つ連続的に出現させた波板を備える高
    剛性パネルであって、前記凸条の全部又は一部に対し、
    その長さ方向の途中の場所に、1つ以上の押し潰し部を
    設けたことを特徴とする高剛性パネル。
  2. 【請求項2】 幅方向に隣り合う前記押し潰し部は、長
    さ方向にずらされて配置された請求項1記載の高剛性パ
    ネル。
  3. 【請求項3】 前記上向き凸条と前記下向き凸条の両方
    に、前記押し潰し部を出現させ、隣り合う凸条の前記押
    し潰し部は長さ方向にずらされて配置された波板からな
    る請求項1記載の高剛性パネル。
  4. 【請求項4】 前記上向き凸条と前記下向き凸条のいず
    れか一方に、前記押し潰し部を出現させ、幅方向に隣り
    合う前記押し潰し部を長さ方向にずらして配置した波板
    に、前記押し潰し部を設けた凸条の側に平板を載せて固
    定した請求項1記載の高剛性パネル。
  5. 【請求項5】 前記上向き凸条と前記下向き凸条の両方
    に、前記押し潰し部を出現させ、隣り合う凸条の前記押
    し潰し部は長さ方向にずらされて配置した波板に、前記
    上向き凸条及び前記下向き凸条の側の両方又は片方に平
    板を載せて固定した請求項1記載の高剛性パネル。
  6. 【請求項6】 前記押し潰し部は、前記凸条の長さ方向
    に所定間隔で2以上出現している請求項1〜5のいずれ
    かに記載の高剛性パネル。
  7. 【請求項7】 前記波板の長さ方向の途中に、完全に押
    し潰されず、凸条が残っている押し潰し部を設けたこと
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高剛性パ
    ネル。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の前記高
    剛性パネルで形成された床板又は屋根板。
  9. 【請求項9】 繰り出された平たい板に対してローラを
    押しつけ、直線の上向き凸条と直線の下向き凸条を幅方
    向に交互に且つ連続的に出現させた断面形状を連続的に
    形成するロールフォーミング工程と、前記凸条の全部又
    は一部に対し、その長さ方向に、押し潰し部を設ける押
    し潰し工程と、を有する高剛性パネルの製法。
  10. 【請求項10】 前記押し潰し工程の後に、前記上向き
    凸条と下向き凸条の少なくとも一方に平板を固定する工
    程と、を有する請求項9記載の高剛性パネルの製法。
  11. 【請求項11】 前記凸条に対する押し潰し部は、前記
    凸条の長さ方向に所定の等間隔で設ける請求項9又は1
    0記載の高剛性パネルの製法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006228483A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池用金属セパレータ、燃料電池用金属セパレータの成形方法および成形装置
JP2009275436A (ja) * 2008-05-15 2009-11-26 Takenaka Komuten Co Ltd 波形鋼板耐震壁
JP2012167464A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Inosho:Kk 金属パネル

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