JPH11302981A - 吸音用繊維成形体および防音壁 - Google Patents

吸音用繊維成形体および防音壁

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JPH11302981A
JPH11302981A JP10107936A JP10793698A JPH11302981A JP H11302981 A JPH11302981 A JP H11302981A JP 10107936 A JP10107936 A JP 10107936A JP 10793698 A JP10793698 A JP 10793698A JP H11302981 A JPH11302981 A JP H11302981A
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JP
Japan
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sound
fiber molded
fiber
fibers
molded article
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JP10107936A
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English (en)
Inventor
Hidenobu Honda
秀信 本田
Atsushi Shinozaki
篤史 篠崎
Kazunori Aiyama
和則 相山
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、可聴周波数帯吸音性と同時に難燃性
および/または撥水性にも優れた吸音性繊維成形体およ
び防音壁を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の吸音用繊維成形体は、少なくとも
2種類以上の繊維で構成された繊維成形体であって、該
繊維成形体の構成繊維の1種は他の繊維の融点より低い
熱可塑性重合体R1を含有する繊維Aで、かつ、該熱可
塑性重合体R1によって、該繊維A相互間および該繊維
Aと他の繊維との接触点の一部で実質的に接着してお
り、かつ、該構成繊維が該繊維成形体の一断面内でラン
ダムな方向に配列されており、かつ、該繊維成形体の表
面の少なくとも一面に、難燃剤および/または撥水剤が
貼り合わせてなるものであることを特徴とするものであ
る。また、本発明の防音壁は、かかる吸音用繊維成形体
を用いて構成されていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可聴周波数帯吸音
性と同時に難燃性および/または撥水性にも優れた吸音
性繊維成形体および防音壁に関するものであり、詳しく
は車両用や住宅用の壁材あるいは高速道路の遮音や吸音
用に使用される防音壁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用や住宅用あるいは高速道路
の遮音壁用吸音材としては、グラスウール,ロックウー
ル,アルミ繊維,計量発泡コンクリート,多孔質セラミ
ックなどが使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、施工性改善,
人体への障害防止,地球の環境保護,資源の効率的利用
のための廃棄物処理の容易性や再利用の可能性といった
点からは満足できる吸音材は得られなかった。
【0004】本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、
可聴周波数帯吸音性と同時に難燃性および/または撥水
性にも優れた吸音性繊維成形体および防音壁を提供せん
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、次のような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の吸音用繊維成形体は、少なくと
も2種類以上の繊維で構成された繊維成形体であって、
該繊維成形体の構成繊維の1種は他の繊維の融点より低
い熱可塑性重合体R1を含有する繊維Aで、かつ、該熱
可塑性重合体R1によって、該繊維A相互間および該繊
維Aと他の繊維との接触点の一部で実質的に接着してお
り、かつ、該構成繊維が該繊維成形体の一断面内でラン
ダムな方向に配列されており、かつ、該繊維成形体の表
面の少なくとも一面に、難燃剤および/または撥水剤を
付着含有する布帛が貼り合わせてなることを特徴とする
ものである。
【0006】また、本発明の防音壁は、かかる吸音用繊
維成形体を用いて構成されていることを特徴とするもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音用繊維成形体
について図面を参照しつつ、実施例を用いながら詳細に
説明する。
【0008】図1は、本発明の吸音用繊維成形体のブロ
ック形状での繊維配列の一例をモデル的に示す概略斜視
図である。
【0009】前記吸音用繊維成形体は、少なくとも2種
以上の繊維で構成された繊維成形体であって、構成繊維
の1種は融点が他の繊維の融点より低い熱可塑性重合体
R1を含有する繊維Aを含み、繊維A相互間および繊維
Aと他の繊維との接触点の一部で実質的に接着して固定
されたものである。吸音用繊維成形体の形態保持性や耐
久性などの面から繊維Aの含有量は20重量%以上、6
0重量%未満とするのが好ましい。特に20〜50重量
%の範囲が好ましい。
【0010】前記繊維Aは、前記熱可塑性重合体R1お
よび熱可塑性重合体R2の2成分からなるものが好まし
く、繊維成形体の使用時の摩擦や揉み作用などによる形
態安定性や発塵が少ない観点から、熱可塑性重合体R2
成分を芯部とし、熱可塑性重合体R1成分を鞘部とする
芯鞘型の複合繊維が特に好ましい。熱可塑性重合体R1
としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチ
レンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体、エ
チレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィンあるいは
オレフィン共重合体、ポリヘキサメチレンテレフタレー
ト、ポリヘキサメチレンブチレンテレフタレート、ポリ
ヘキサメチレンテレフタレートイソフタレート等のポリ
エステルあるいは共重合ポリエステル等の熱可塑性ポリ
マーから選ばれる、少なくとも一種類のポリマーを用い
ることができる。熱可塑性重合体R2は特に限定されな
いが、例えば、テレフタン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸あるいはそれらのエステルを主たるジカルボン
酸成分とし、エチレングリコールもしくはテトラメチレ
ングリコールを主たるグリコール成分とするポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ある
いはポリエチレン2,6−ナフタレートなどのポリエス
テルを用い得る。
【0011】また、繊維Aがナイロン系の場合は、例え
ば熱可塑性重合体R2成分がナイロン6で熱可塑性重合
体R1成分がナイロン6にナイロン66を共重合して融
点を低くしたものなども使用することが可能である。
【0012】熱可塑性重合体R1の選択においては、R
1の融点は他の繊維の融点より低いものである。また、
R1の融点は、前記繊維A以外の繊維および熱可塑性重
合体R2のうち融点が最も低いものより融点を低くする
のが熱接着性の観点から好ましく、具体的には、熱接着
性の観点から20℃以上低いのがさらに好ましく、50
℃以上低いのが特に好ましい。
【0013】また、接着の効果を向上せしめたり、熱劣
化を防止する観点からR1の融点は80〜170℃の範
囲に含まれるのが好ましく、100〜170℃の範囲に
含まれるのはより好ましい。
【0014】前記繊維AにおけるR1/R2で表される
重量比は、吸音用繊維成形体の形態保持性や耐久性ある
いはコストなどの面から20/80〜60/40の範囲
にあることが好ましい。繊維Aには、この他必要に応じ
てR1,R2以外の酸化チタン、カーボンブラック等の
顔料のほか抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤
などが添加されていても勿論よい。このような繊維Aは
通常の複合紡糸法によって製造することができる。
【0015】次に、本発明の繊維成形体の吸音性を向上
させるため、繊維Aは機械捲縮等を有するのが好まし
い。この捲縮数は3〜10山/25mmであるのが好ま
しく、捲縮度は5〜30%の範囲にあるのが好ましい。
さらに吸音性を向上させるため、繊維Aの繊度は細いも
のが好ましいが、吸音用繊維成形体の製造工程での加工
安定性の面から好ましくは0.2〜30デニール、繊維
長は10〜100mmの短繊維が好ましく用いられる。
【0016】本発明の繊維成形体を構成するその他の繊
維としては特に限定されないが、前記繊維Aの熱可塑性
重合体R1と熱融着しやすいものが好ましい。さらに、
吸音性を向上させるため、他の繊維についても機械捲縮
等を有するのが好ましく、具体的には、捲縮数は好まし
くは3〜10山/25mm、捲縮度は5〜30%の範囲
が好ましい。また、吸音性を向上させるため、その他の
繊度は細いものが好ましいが、吸音用繊維成形体の製造
工程での加工安定性の面から好ましくは0.2〜30デ
ニール、繊維長は10〜100mmの短繊維が好ましく
用いられる。
【0017】前記繊維Aやその他の繊維の吸音用繊維成
形体の中での繊維配列は、吸音性を向上させるため、図
1のように吸音用繊維成形体の面イロハニと平行な面内
でのランダムな方向に配置されている必要がある。さら
に、吸音用繊維成形体の面イロハニと平行な面内でラン
ダムな方向に配置し、かつ吸音用繊維成形体の面イロハ
ニに対し繊維軸方向が略平行にまたは略垂直に配置して
いるものがより好ましい。一般に繊維を用いて吸音材と
する場合、吸音材の密度は高く、厚さは厚く、構成繊維
の繊度は細くするほど良好な吸音性を示すとされてい
る。しかし、吸音材の密度、厚さおよび構成繊維の繊度
は製造工程での加工安定性、コストあるいは使用場所に
よって自ずと限界がある。同じ密度、厚さおよび構成繊
維の繊度の吸音材では、前記のように繊維配列を吸音材
表面と平行な面内でランダムな方向に配置することによ
って、例えば繊維をカードに掛けてウェッブ化し、この
ウェッブを積層して得られるもののように、ある一方向
に繊維が配置したものに比べて優れた吸音性を発揮す
る。
【0018】吸音率は、人間の可聴周波数帯域で高くす
る(100%)ことが好ましいが、後記した方法で測定
した可聴周波数の中で低温の代表値として400ヘルツ
で吸音率が30%以上であるのが好ましく、高音の代表
値として1000ヘルツで吸音率が70%以上であるの
が好ましい。400ヘルツで吸音率が30%未満では低
音の吸音性が低く、十分な低音の吸音効果が得られにく
い傾向にあり、1000ヘルツで吸音率が70%未満で
は高音の吸音性が低く、十分な高音の吸音効果が得られ
にくい傾向にある。
【0019】本発明の吸音用繊維成形体は、少なくとも
一面に、難燃剤および/または撥水剤を付着含有する布
帛が貼り合わせられたものであるが、その製造方法は、
繊維成形体を製造した後に、難燃剤および/または撥水
剤を付着含有する布帛を貼り合わせる方法が好ましく採
用される。
【0020】難燃剤および/または撥水剤を付着含有す
る布帛を用いるのは、厚みがあり、質量のある繊維成形
体に直接、難燃剤および/または撥水剤を加工するので
はないので、作業における取り扱いが簡単であり、設備
的にも現在用いている布帛加工の汎用設備を使用するこ
とができるなどの利点があるからである。また、難燃剤
および/または撥水剤の付着量は、同じ性能を付与する
場合、密度の粗い繊維成形体には高密度の布帛に比べ多
く付着させなければならない。このことから、布帛を用
いることで作業性、また、付着量から考えてコスト的に
有利である。リサイクルを考慮した場合、直接繊維成形
体に加工剤を付与した製品は、繊維成形体の繊維と難燃
剤または撥水剤を分離することが出来ないので、リサイ
クルに適しない。難燃剤および/または撥水剤を付着含
有する布帛を用いた製品は、リサイクル時、貼り合わせ
部分から剥離し、繊維成形体をリサイクルに回すことが
できるので優位性がある。
【0021】かかる難燃剤としては、たとえばトリクレ
ジルホスフェート、トリス2クロロエチルホスフェー
ト、トリス2,4,6トリブロモフェニルホスフェー
ト、ヘキサブロモシクロドデカン、ハロゲン化フェニル
グリシジルエーテル誘導体、ビニルホスホン酸、トリア
リルホスフェートなどの隣系化合物やハロゲン化合物や
無機系難燃剤を使用することができるが、これらに限定
されるものではない。
【0022】かかる難燃剤の中でも、脂肪族環式ホスホ
ン酸エステルが、繊維成形体表面に付着させて、単に熱
処理するだけで、繊維成形体内部に容易に吸尽させるこ
とができる上に、撥水剤との相溶性に優れ、かつ、該撥
水剤の撥水性能を阻害しないという特徴を有し、難燃性
と撥水性の共に優れたものを提供することができるの
で、好ましく使用される。
【0023】かかる難燃剤は、布帛に好ましくは1.5
重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上付着含有さ
せるのが性能上好ましい。特に前記隣系化合物からなる
難燃剤は、燃焼時にハロゲン化合物のような有害なガス
を発生しないので、環境保全の観点から好ましく、使用
される。
【0024】前記かかる難燃剤と併用または単独で使用
する撥水剤としては、フッ素系撥水剤やシリコン系撥水
剤などが好ましく使用される。フッ素系撥水剤として
は、たとえばポリペンタデカフルオロオクチルアクリレ
ート、ポリトリフルオロエチルアクリレート、テトラフ
ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンなどの撥水
撥油剤として使用されるものが好ましく使用される。ま
た、シリコン系撥水剤としては、たとえばジメチルポリ
シロキサン、ジメチルポリシロキサンの分子末端あるい
は側鎖に水酸基、アミノ基、エポキシ基またはポリエー
テル基などを導入して変性したポリシロキサン化合物な
どの撥水剤、柔軟剤および平滑剤として使用されるもの
が好ましく使用される。これらの撥水剤は、単独または
2種以上混合して使用することができる。かかる撥水剤
は、布帛に対して、好ましくは0.5重量%以上、さら
に好ましくは1重量%以上付着含有させるのがよい。撥
水剤の付着量が、0.5重量%未満では、屋外暴露での
撥水耐久性が劣る傾向である。
【0025】かかる難燃剤および/または撥水剤を付着
含有する布帛は、不織布または織物または編み物からな
り、組成は特に限定される物ではないが、加工性、コス
ト等からポリエステル、ナイロン等の合成繊維が良い。
場合により綿などの天然繊維でも良く、また合成繊維と
天然繊維の混合でも良い。
【0026】かかる難燃剤および/または撥水剤を含む
処理液を用いて繊維布帛物を処理する際の付与方法とし
ては、パディング、スプレー方式、コーティング方式な
どの繊維布帛物の加工方法を採用することができる。本
発明でいう熱処理とは、乾熱処理または湿熱処理のこと
をいう。湿熱処理にはスチーム処理が含まれる。スチー
ム処理には、常圧飽和スチーム処理、加熱スチーム処
理、高圧スチーム処理などを採用することができる。熱
処理温度が100℃以下であると難燃性能や撥水性能の
耐久性の面で不十分となる傾向にあり、一方、200℃
を越えると繊維布帛物の黄化、変形脆化が生じる傾向に
ある。なお、かかる処理液の中には、柔軟剤、着色剤、
帯電防止剤、硬仕上げ剤、樹脂等、他の薬剤を添加して
もよい。
【0027】図1は繊維成形体の一面であるイロハニの
面に難燃剤および/または撥水剤を付着含有する布帛ホ
を貼り合わせた状態を示した。
【0028】繊維成形体に布帛を貼り合わせる方法とし
ては、アクリル系、酢酸ビニル系、ポリウレタン系等の
接着剤をスプレー方式で繊維成形体に付与しその後布帛
を貼り合わせる方法や、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリオレフィン等の低融点樹脂からなるフ
イルムや繊維状ウエッブ、粉体等を用い低融点樹脂より
も高い温度で熱圧着する方法がある。また、低融点樹脂
を用いなくても熱可塑性重合体R1を含有する繊維Aよ
りも高い温度で熱圧着することもできる。本発明の吸音
用繊維成形体に用いる繊維は、吸音性や製造時の工程安
定性の面から捲縮を有するのが好ましい。この捲縮数は
3〜10山/25mmの範囲が好ましく、捲縮度は5〜
30%の範囲が好ましい。この捲縮は紡糸時に非対称冷
却などによって発現する潜在捲縮であることは好まし
い。
【0029】吸音用繊維成形体を構成する繊維として
は、吸音性や製造時の工程安定性の面から、鮮度が0.
2〜30デニール、繊維長が10〜100mmの短繊維
が好ましく用いられる。
【0030】繊維には、このほか必要に応じて酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料のほか各種の抗酸化剤、
着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤などが添加されていて
ももちろんよい。
【0031】さらに、本発明の吸音用繊維成形体には、
繊維A以外の繊維を混用して用いることもできる。それ
らの繊維は繊維形状をなしているものであれば特に限定
されず、木綿、羊毛などの天然繊維から、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリアクリルニトリルなどの合成繊維
やレーヨン、アセテートなどの再生繊維や半合成繊維な
どを用い得る。またこれら繊維の断面形状は丸形断面で
あってもよく、多角、多葉、楕円などの異形断面やそれ
らの中空断面でもよく、吸音性や製造時の工程安定性の
面から、繊度が0.2〜30デニール、繊維長が10〜
100mmの短繊維が好ましく用いられる。さらにこれ
ら繊維には必要に応じて酸化チタン、カーボンブラック
等の顔料のほか各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、
帯電防止剤などが添加されていても勿論よい。これら繊
維は吸音性や製造時の工程安定性の面から、捲縮を有す
るのが好ましい。この捲縮数は3〜10山/25mmの
範囲が好ましく、捲縮度は5〜30%が好ましい。この
捲縮は紡糸時に非対称冷却などによって発現する潜在捲
縮であることは好ましい。
【0032】本発明の吸音用繊維成形体に難燃剤および
/または撥水剤が付着含有した布帛が少なくとも一面に
貼り合わせてなることを特徴とする。全面(六面)に難
燃剤および/または撥水剤が付着含有した布帛が貼り合
わせていることがより好ましいが、生産性、コストなど
の点より少なくとも外側の一面に加工した布帛が貼り合
わせていればよい。
【0033】本発明の繊維成形体は防音壁として使用す
ることができる。すなわち、車両用や住宅用、工場用あ
るいは高速道路、高速鉄道などの騒音対策に本発明品を
防音壁あるいは吸音材として用いることができる。
【0034】次に、本発明の吸音用繊維成形体の製造方
法について説明する。図2は、本発明の吸音用繊維成形
体の製造方法の一例に用いられる装置の金型をモデル的
に示す概略縦断図である。
【0035】少なくとも繊維Aを含む2種以上の繊維を
通常の紡績工程で使用する給綿機、混綿機、開繊機によ
って、目的の混綿率に混綿、開繊し、目的に応じた形状
の通気性型枠に送綿ファンによる空気流などの気体と共
に吹き込んで充填する。
【0036】吹き込んで充填するためには、型枠が適度
の通気性を有するのが好ましい。例えば、JIS L
1079−1966フラジール型通気試験機により測定
した際においては、通気性は5〜200cc/cm2
secの範囲が好ましい。
【0037】このような型枠としては、例えば、図2に
示すパンチング金属板を用いた上金型2および下金型1
を用いることができる。
【0038】通気性下金型1内に吹き込む方法は、ま
ず、少なくとも繊維Aを含む2種以上の繊維を混綿、開
繊し、吹き込み口3から吹き込む。次いで、通気性上金
型2で充填繊維を圧縮し、目的の密度で通気性上金型2
を圧縮固定する。さらに、前記の圧縮固定された繊維を
通気性金型ごと熱処理して、繊維A相互間及び繊維Aと
その他の繊維との接触点の一部を実質的に接着して形態
を固定する。熱処理の温度は繊維Aの熱可塑性重合体R
1が溶融接着する温度であればよく、一般的には、熱可
塑性重合体R1の融点以上で、200℃以下が好まし
い。かかる吸音用繊維成形体の厚さは、好ましくは少な
くとも1cm、さらに好ましくは2.5〜15cmのものが
よく、さらに繊維密度は、繊維成形体の吸音性目標に応
じて適当に選択すればよいが、好ましくは0.01〜
0.1g/cm3 の範囲のものが吸音効果の上から好ま
しい。繊維密度が0.01g/cm3 未満では吸音用繊
維成形体がソフトすぎて形態安定性が悪くなる傾向があ
り、密度が0.1g/cm3 を越えるとコスト的に不利
になる傾向がある。
【0039】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によりさらに詳
細に説明する。本発明に記載した諸特性の測定法は次の
通りである。
【0040】(1)吸音率 JIS A 1495垂直入射吸音測定法(管内法)に
準じて測定した。
【0041】(2)難燃性 JIS L 1091 A−1法に準じて炭化面積、残
炎時間、残塵時間と、JIS L 1091 D法に準
じて接炎回数をそれぞれ測定した。
【0042】評価は、繊維成形体へ貼り合わせる前の布
帛で測定した。比較例1,2の評価は繊維成形体を5m
m厚にスライスして測定した。
【0043】(3)撥水性 JIS L 1092(スプレー法)に準じて測定し
た。 (4)繊度 JIS L 1015−7−51Aの方法に準じて測定
した。
【0044】(5)平均繊維長(カット長) JIS L 1015A法(ステープルダイヤグラム
法)に準じて測定した。 (6)捲縮数および捲縮度 捲縮数および捲縮度はJIS L 1015−7−12
−1およびJIS L1015−7−12−2の方法に
準じて測定した。
【0045】(7)密度 吸音用繊維成形体(タテ:20cm、ヨコ:20cm、
厚さ:1cm)を20℃×65%RHの雰囲気中に24
時間放置した後の重量(w)を測定し、次式で求めた。
【0046】密度(g/cm3 )=w/400 実施例1 融点が255℃の通常ポリエチレンテレフタレートをペ
レット状態とし、紡糸温度280℃、引取り速度135
0m/分で未延伸糸を紡糸し、この未延伸糸を延伸倍率
3倍、延伸浴温度80℃で延伸し、クリンパで機械捲縮
を付与した後、カット長32mmに切断して175℃の
熱処理をして約繊度2デニール、捲縮数4.3山/25
mm、捲縮度26.1%の通常ポリエステル繊維を製造
した。
【0047】これとは別に、熱可塑性重合体R2として
融点が255℃の通常ポリエチレンテレフタレート、熱
可塑性重合体R1としてイソフタル酸40モル%共重合
した融点が110℃のポリエチレンテレフタレート系ポ
リエステルを用いて、紡糸温度285℃、引取り速度1
350m/分、R1/R2で表される重量比が50/5
0の熱可塑性重合体R2を芯部とし、熱可塑性重合体R
1を鞘部とした同心円状の複合繊維の未延伸糸を紡糸
し、この未延伸糸を延伸倍率3倍、延伸浴温度80℃で
延伸し、クリンパで機械捲縮を付与した。さらに、70
℃の熱セッターで乾燥した後、仕上げ油剤を付与して、
カット長64mmに切断して、繊度約2デニール、表面
層の融点が約110℃の繊維Aを製造した。
【0048】前記通常ポリエステル繊度60重量%およ
び繊維Aを40重量%混綿し、ローラカードで更に混綿
・開繊し、図2のような金型の吹込口3から、各面にパ
ンチングが施された内面が1000×1000×100
0mmの下金型1に空気流と共に吹き込んで、各面にパ
ングが施された上金型2で圧縮し、充填密度0.04g
/cm3 、厚さ80mmで固定した。前記繊維を充填圧
縮した金型ごと紡績糸のセットに使用するヒートセッタ
ーを用いて、蒸熱130℃×25分間熱セットして吸音
用繊維成形体を製造した。該吸音用繊維成形体は形態の
安定したものであり、かつ吸音用繊維成形体の表面と平
行な面内でランダムな方向に構成繊維が配列していた。
【0049】次に通常ポリエステル繊維2デニール51
mmの捲縮ステープル60%と、繊維Aと同じ組成の4
デニール51mmの捲縮ステープル40%を混綿し、ロ
ーラカードで更に混綿・開繊し、ニードルパンチングを
行い目付100g/m2 厚み0.8mmの不織布を得
た。次に下記組成の難燃剤と撥水剤の組み合わせ処理水
溶液を調合した。その中に浸漬し、絞り率100%に絞
り、130℃×2分で乾熱処理後、さらに170℃×1
分乾熱処理を行った。 難燃化剤: 脂肪族環式ホスホン酸エステル系(難燃剤イ) 80g/l 撥水剤: マックスガードEC−400(フッ素系、(株)京絹化成製) 80g/l 樹脂: スミテックスレジンMK(メラミン樹脂、住友化学工業株式会社製)5g/l スミテックスアクセレータACX(有機アミン系触媒、住友化学工業株式会社製 )3g/l 次に繊維成形体と難燃と撥水処理を行った不織布を貼り
合わせる。接着剤として融点111〜116℃のポリエ
ステル製ウエッブシートを用い、表面温度140℃の熱
板プレスで30秒間の熱圧着を行った。評価結果を表1
に示す。
【0050】実施例2 実施例1で製造したニードルパンチングを行った不織布
に、実施例1で用いた難燃剤と、メラミン樹脂と触媒を
同量用い、同じ条件で付着含有させた。繊維成形体と不
織布の貼り合わせ方法も実施例1と同じ条件で行った。
評価結果を表1に示す。
【0051】実施例3 実施例1で製造したニードルパンチングを行った不織布
に、実施例1で用いた撥水剤と、メラミン樹脂と触媒を
用い、同じ条件で付着含有させた。繊維成形体と不織布
の貼り合わせ方法も実施例1と同じ条件で行った。評価
結果を表1に示す。 実施例4 実施例1で用いた不織布の代わりに、通常ポリエステル
からなる50デニール、18フィラメント(タテ糸用)
および75デニール、36フィラメント(ヨコ糸用)を
用いて、タテ密度106本/インチ、ヨコ密度90本/
インチの平織物を製織した、次に精錬、乾熱セットを行
いグレー色に染色した。この織物を用い実施例1と同じ
難燃剤と撥水剤の処理液を用い加工を行った。そのとき
の絞り率は80%であった。乾燥、熱処理は実施例1と
同じ条件で加工した。繊維成形体と上記加工織物との貼
り合わせは実施例1と同じ条件で加工した。評価結果を
表1に示す。
【0052】実施例5 実施例1で用いた不織布の代わりに、通常ポリエステル
からなる加工糸75デニール、24フィラメントを丸編
機で目付150g/m2 の編物を製編した。次に精錬、
乾熱セットを行いブルー色に染色した。この編物を用い
実施例1と同じ難燃剤と撥水剤の処理液を用い加工を行
った。そのときの絞り率は88%であった。乾燥、熱処
理は実施例1と同じ条件で加工した。繊維成形体と上記
加工織物との貼り合わせは実施例1と同じ条件で加工し
た。評価結果を表1に示す。
【0053】比較例1 実施例1で製造された吸音用繊維成形体のみを評価に供
した。評価結果を表1に示す。難燃、撥水加工を行って
いないので、難燃、撥水性能は不合格で用途的には限定
される。
【0054】比較例2 実施例1で製造された繊維成形体に実施例1で用いた処
理液をスプレーで1.0kg/m2 塗布し、130℃×
20分で乾熱処理後、170℃×3分乾熱処理を行っ
た。実施例1に比較して乾熱処理の時間がかなり長くな
りコストを含めた生産性の面で問題があった。また、繊
維成形体のリサイクルを考慮した場合、難燃剤と撥水剤
を繊維から分離することが困難であり、リサイクルに適
しない。評価結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、可聴周波数帯吸音性に
優れ、かつ防汚性にも優れた吸音材を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、本発明の吸音用繊維成形体の一例
をモデル的に示す概略斜視図である。
【図2】 この図は、本発明の吸音用繊維成形体の製造
に用いられる装置の一例をモデル的に示す概略縦断面図
である。
【符号の説明】
1:下金型 2:上金型 3:気体の吹き込み口 4:繊維
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E01F 8/02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2種類以上の繊維で構成され
    た繊維成形体であって、該繊維成形体の構成繊維の1種
    は他の繊維の融点より低い熱可塑性重合体R1を含有す
    る繊維Aで、かつ、該熱可塑性重合体R1によって、該
    繊維A相互間および該繊維Aと他の繊維との接触点の一
    部で実質的に接着しており、かつ、該構成繊維が該繊維
    成形体の一断面内でランダムな方向に配列されており、
    かつ、該繊維成形体の表面の少なくとも一面に、難燃剤
    および/または撥水剤を付着含有する布帛が貼り合わせ
    てなることを特徴とする吸音用繊維成形体。
  2. 【請求項2】 該繊維成形体が、該繊維成形体の一断面
    内でランダムな方向に配列されている請求項1記載の吸
    音用繊維成形体。
  3. 【請求項3】 該繊維成形体の表面の少なくとも一面に
    張り合わせた布帛が、不織布または織物または編み物か
    らなる、請求項1または2記載の吸音用繊維成形体。
  4. 【請求項4】 該吸音用繊維成形体が、JIS A 1
    495に準じて測定される400ヘルツでの吸音率が3
    0%以上であり、かつ、1000ヘルツでの吸音率が7
    0%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の吸音用
    繊維成形体。
  5. 【請求項5】 該繊維Aが、芯鞘型複合繊維であり、該
    複合繊維の芯部が熱可塑性重合体R2で、鞘部が該熱可
    塑性重合体R1で、それぞれ構成されており、かつ、該
    熱可塑性重合体R2の融点が該熱可塑性重合体R1の融
    点より高いものである請求項1記載の吸音用繊維成形
    体。
  6. 【請求項6】 該熱可塑性重合体R1と該熱可塑性重合
    体R2が、重量比で、R1/R2が20/80〜60/
    40の範囲である請求項5記載の吸音用繊維成形体。
  7. 【請求項7】 該熱可塑性重合体R1が、80〜170
    ℃の融点を有するものである請求項1および6、7のい
    ずれかに記載の吸音用繊維成形体。
  8. 【請求項8】 該吸音用繊維成形体が、0.2〜30デ
    ニールの繊維で構成されているものである請求項1〜7
    のいずれかに記載の吸音用繊維成形体。
  9. 【請求項9】 該吸音用繊維成形体が、0.01〜0.
    1g/cm3 の平均繊維密度を有するものである請求項1
    〜8のいずれかに記載の吸音用繊維成形体。
  10. 【請求項10】 該吸音用繊維成形体が、少なくとも1
    cmの厚さを有するものである請求項1〜9のいずれかに
    記載の吸音用繊維成形体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の吸
    音用繊維成形体を用いて構成されていることを特徴とす
    る防音壁。
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