JPH1130266A - 減衰特性可変型緩衝器 - Google Patents

減衰特性可変型緩衝器

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JPH1130266A
JPH1130266A JP18832797A JP18832797A JPH1130266A JP H1130266 A JPH1130266 A JP H1130266A JP 18832797 A JP18832797 A JP 18832797A JP 18832797 A JP18832797 A JP 18832797A JP H1130266 A JPH1130266 A JP H1130266A
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JP
Japan
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valve
pressure chamber
pressure
chamber
reservoir
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JP18832797A
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English (en)
Inventor
Katsuya Iwasaki
克也 岩崎
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダの外部にアクチュエータで駆動して減
衰特性を変更する減衰特性変更機構が設けられた構造の
減衰特性変更型緩衝器において、小型化・軽量化を図っ
て車載性の向上を図るとともに、消費エネルギの低減を
図ること。 【解決手段】シリンダ1の外部に、伸行程時にシリンダ
1の上部室から伸側圧力室3aを経てリザーバ4aに向
かう油の流量を変更する可変バルブ30が設けられ、こ
の可変バルブ30の撓みを制御する背圧室53の液圧を
形成するパイロット圧室50が設けられ、このパイロッ
ト圧室50の液圧を制御するパイロット弁60におい
て、パイロット弁体38に対し閉弁方向に駆動力を与え
るアクチュエータとして単板型の圧電セラミック板40
bで駆動する圧電アクチュエータ40を用いたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、減衰特性を高減
衰特性と低減衰特性とに変更可能な緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、減衰特性可変型緩衝器としては
種々の形式のものが提案されているが、そのうちで減衰
特性を変更する機構がシリンダの外部に設けられたもの
としては、例えば、特開平5−118374号公報に記
載のものが知られている。この従来装置は、緩衝器の流
体流路の途中に減衰特性変更機構(圧力調整弁組立体)
が設けられ、この減衰特性変更機構には、流体流路の流
れを制御する撓み可能なディスクと、このディスクの撓
みに抵抗するよう流体圧が作用するパイロット圧室と、
パイロット圧室の流体圧を制御するソレノイド組立体と
を有したものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
の従来技術にあっては、パイロット圧室の流体圧をソレ
ノイド組立体により制御する構造であり、特に、緩衝器
において高減衰力を発生させる特性としようとした場
合、パイロット圧室の流体圧を高める必要があり、この
ような場合、緩衝器で発生する高圧に抗する方向にソレ
ノイドの駆動力を発生させる必要がある構造となってい
た。このため、緩衝器において高減衰力を発生させるた
めには、ソレノイドの駆動力を大きくする必要があり、
この場合、ソレノイドのコイルや磁路を形成する部材を
大型にする必要があることから、装置の大型化および重
量増を招いて車載性が低下するという問題、および、ソ
レノイドの消費エネルギの増大を招くという問題があっ
た。本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされた
もので、シリンダの外部にアクチュエータで駆動して減
衰特性を変更する減衰特性変更機構が設けられた構造の
減衰特性変更型緩衝器において、小型化・軽量化を図っ
て車載性の向上を図るとともに、消費エネルギの低減を
図ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ため、請求項1記載の発明は、シリンダがピストンによ
り上部室と下部室とに画成され、前記シリンダの外部に
リザーバが設けられているとともに、前記上部室とリザ
ーバとを結ぶ伸側流体流路および下部室とリザーバとを
結ぶ圧側流体流路が形成され、各流体流路には、それぞ
れ流体流路を開閉可能な可変バルブを有して流体の流れ
を制御して減衰特性を変更する伸側減衰特性変更機構お
よび圧側減衰特性変更機構が設けられ、各減衰特性変更
機構は、前記可変バルブの背面に形成されて内部圧が可
変バルブの開弁の抵抗となる背圧室と、この背圧室に連
通されて前記可変バルブを迂回する通路に設けられたパ
イロット弁の開閉に応じて内部圧を調整可能なパイロッ
ト圧室と、を有し、前記パイロット弁は、弁座と、この
弁座を開閉する弁体と、この弁体を駆動させるアクチュ
エータと、を有し、このアクチュエータの駆動に基づい
てパイロット弁を開弁不可能とした時は、前記流体流路
においてリザーバへ向かう流通が生じるような圧力差が
発生した時に、パイロット圧室の圧力上昇に伴って背圧
室も圧力上昇し可変バルブの開弁抵抗が高くなって高減
衰特性となり、一方、パイロット弁を開弁可能としたと
きには、前記流体流路においてリザーバへ向かう流通が
生じるような圧力差が発生した時に、パイロット弁が開
弁することでパイロット圧室が圧力上昇しないのに伴っ
て背圧室も圧力上昇せず可変バルブの開弁抵抗が小さく
なって低減衰特性となるよう構成された減衰特性可変型
緩衝器において、前記アクチュエータとして、板状に形
成されて通電時に延在方向寸法を縮めるよう変形する圧
電素子と、前記弁体の開弁時に弁体とともに撓み変形可
能な弾性を有した弾性板とを貼り合わせ、前記圧電素子
に通電した時に、圧電子側に撓むよう構成された圧電ア
クチュエータが用いられ、かつ、この圧電アクチュエー
タを、前記圧電素子が弁体側に位置するよう配設させ
て、通電時に弁体を弁座に押し付ける方向に荷重を発生
させるよう構成したことを特徴とする。請求項2記載の
発明は、請求項1記載の減衰特性可変型緩衝器におい
て、前記シリンダの外周にアウタチューブが設けられて
いるとともに、このアウタチューブの外周に外筒が設け
られて外筒とアウタチューブとの間に前記リザーバが形
成され、前記シリンダとアウタチューブとの間の空間
が、画成部材により上側の伸側圧力室と、下側の圧側圧
力室とに画成され、前記シリンダに、上部室と伸側圧力
室とを連通させる連通口ならびに下部室と圧側圧力室と
を連通させる連通口が形成されて、各圧力室が前記流体
流路の一部を構成し、前記ピストンには、上部室と下部
室とを連通する通路が形成されているとともに、この通
路の上部室から下部室に向かう流体の流通を制限して所
定の高減衰力を発生させる伸側減衰力発生手段が設けら
れ、前記シリンダの底部に設けられたベースには、下部
室とリザーバとを連通させる通路が形成されているとと
もに、この通路の下部室からリザーバに向かう流体の流
通を制限して所定の高減衰力を発生させる圧側減衰力発
生手段が設けられていることを特徴とする。請求項3記
載の発明は、請求項2記載の減衰特性可変型緩衝器にお
いて、前記減衰特性変更機構は、前記外筒の外面に固着
されて構成部材を収容するハウジングと、前記圧電アク
チュエータの押圧方向への移動を規制されてハウジング
に支持された第1バルブボディと、この第1バルブボデ
ィに形成されてリザーバと一方の圧力室とを連通する通
路に対してリザーバから一方の圧力室方向へのみ開弁す
るよう設けられたチェック弁と、前記第1バルブボディ
に形成されてリザーバと一方の圧力室とを連通する通路
に対して一方の圧力室からリザーバ方向へのみ開弁する
よう設けられた可変バルブと、この可変バルブの背面に
背圧室を形成して開弁方向に移動可能に設けられたリン
グ部材と、このリング部材を閉弁方向に付勢するリター
ンスプリングと、前記第1バルブボディと直列に配設さ
れ、かつ前記弁座が形成されて前記パイロット弁を構成
する弁体を支持した第2バルブボディと、この第2バル
ブボディの弁座に着座された弁体に当接されて、前記第
2バルブボディと前記ハウジングとによる挟持状態で支
持された前記圧電アクチュエータと、を備えていること
を特徴とする。
【0005】
【作用】 本発明では、伸側あるいは圧側を高減衰特性
に制御する時には、伸側減衰特性変更機構あるいは圧側
減衰特性変更機構の圧電素子に通電する。これにより、
圧電素子が延在方向に縮んで全長が短くなり、板状の圧
電素子と板状の弾性板とを貼り合わせた構造の圧電アク
チュエータでは、パイロット弁の弁体側に撓み変形する
ような荷重、すなわち弁体を弁座方向に押し付ける方向
に荷重が発生する。したがって、パイロット弁は閉弁状
態に保たれる。よって、ピストンの伸側ストローク時に
は、パイロット弁が開弁することなくパイロット圧室の
圧力が高まり、これに伴って、パイロット圧室に連通さ
れた背圧室の圧力も高まるため、伸側減衰特性変更機構
の伸側流体流路を開閉する可変バルブの開弁抵抗が大き
くなって伸側が高減衰特性となる。また、ピストンの圧
側ストローク時には、同様に圧側流体流路を開閉する可
変バルブの背圧室の圧力が高まり、圧側減衰特性変更機
構の可変バルブの開弁抵抗が大きくなって圧側が高減衰
特性となる。この高減衰特性制御時には、パイロット弁
に対してパイロット圧室の圧力が開弁方向に作用する
が、圧電素子は、小電力でも高い駆動力で変形状態に維
持される。請求項2記載の発明では、圧行程時には、下
部室の流体は、ベースの圧側減衰力発生手段を通る流路
と、圧側減衰特性変更機構を経る圧側流体流路との両方
あるいは一方を経てリザーバへ流れる。そして、高減衰
特性制御時には圧側流体流路における流路は少なく、主
としてベースの圧側減衰力発生手段において減衰力が発
生して高減衰特性となる。また、低減衰特性制御時に
は、圧側流体流路における流量が増加して低減衰特性と
なる。一方、伸行程時には、上部室の流体は、ピストン
の伸側減衰力発生手段を通って下部室に至る流路と、伸
側減衰特性変更機構を経る伸側流体流路を通ってリザー
バへ至る流路との2つの流路で移動可能である。そし
て、高減衰特性制御時には伸側流体流路における流路は
少なく、主としてピストンの伸側減衰力発生手段におい
て減衰力が発生して高減衰特性となる。また、低減衰特
性制御時には、伸側流体流路における流量が増加して低
減衰特性となる。請求項3記載の発明では、圧電アクチ
ュエータの駆動時には、圧電アクチュエータが弁体を弁
座に押し付け、これによりパイロット圧室がリザーバに
対してシールされる。このとき、第2バルブボディに対
して入力される圧電アクチュエータの駆動力は、最終的
には第2バルブボディに直列に設けられた第1バルブボ
ディを介してハウジングで支持される。また、可変バル
ブが開弁したときには、背圧室を形成するリング部材が
可変バルブの撓みとともにその撓み方向に移動するが、
その後、可変バルブの前後の液圧差がなくなったときに
は、可変バルブが閉弁し、このとき、リング部材はリタ
ーンスプリングの付勢力により可変バルブと当接状態を
保ったまま元の位置に戻る。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を図面に基
づいて説明する。図3は、本発明の実施の形態の減衰特
性可変型緩衝器SAを示す断面図であって、この減衰特
性可変型緩衝器SAは、シリンダ1の内部を上部室1a
と下部室1bとに画成してピストン2が摺動自在に設け
られている。前記シリンダ1の外周には、アウタチュー
ブ3と外筒4が二重に設けられ、外筒4とアウタチュー
ブ3との間にリザーバ4aが形成されている。前記シリ
ンダ1の下端部にはベース5が設けられ、このベース5
により前記下部室1bとリザーバ4aとが画成されてい
る。前記ベース5には、リザーバ4aと下部室1bとを
結ぶ連通孔が形成され、この連通孔は下部室1bからリ
ザーバ4aへの流通を制限して減衰力を発生させる圧側
ハードバルブ(圧側減衰力発生手段)6によって開閉さ
れる(図7参照)。そして、緩衝器SAの内部には油が
充填されているとともに、リザーバ4aには所定圧でガ
スが充填されている。
【0007】前記ピストン2には、上部室1aと下部室
1bとを連通させる連通孔が形成され、かつ、この連通
孔は、上部室1aから下部室1bへの流通を制限して減
衰力を発生する伸側ハードバルブ(伸側減衰力発生手
段)7により開閉される(図7参照)。また、前記ピス
トン2には、ピストンロッド8が結合され、このピスト
ンロッド8はガイド部材9により摺動をガイドされてい
る。なお、このガイド部材9は、上部室1aとリザーバ
4aとを画成している。
【0008】また、前記アウタチューブ3の中間部に
は、隔壁10が設けられ、アウタチューブ3とシリンダ
1との間に、上側の伸側圧力室3a、ならびに下側の圧
側圧力室3bが形成され、伸側圧力室3aはシリンダ1
の上部に開口された連通孔1cにより上部室1aと連通
され、一方、圧側圧力室3bは、シリンダ1の下部に開
口された連通孔1d(図7参照)により下部室1bと連
通されている。そして、伸側圧力室3aには、伸側減衰
特性変更機構(以下、伸側機構という)21が取り付け
られ、圧側圧力室3bには、圧側減衰特性変更機構(以
下、圧側機構という)22が取り付けられている。
【0009】以下、両機構21,22の構造について説
明するが、両者とも構造は同一であり、図1はこれら機
構21,22の断面図であるが、説明の便宜上伸側機構
21として説明する。前記外筒4およびアウタチューブ
3の側面には同心に開口部3c,4cが形成され、前記
外筒4の開口部4cに円筒形のハウジングチューブ23
が溶接により固着され、このハウジングチューブ23の
開口端部の内周にハウジング24が嵌合されている。し
たがって、ハウジングチューブ23ならびにハウジング
24により形成された空間は、リザーバ4aに連通さ
れ、かつ、開口部3cを介して伸側圧力室3aに臨んで
いる。なお、前記ハウジング24の抜け方向の移動は、
前記ハウジングチューブ23の開口端部に螺合されたカ
バー25により規制されている。また、前記ハウジング
チューブ23とハウジング24との間には、オイルシー
ル20aが設けられている。
【0010】前記ハウジング24の中央部には、内側方
向に凸形状の内環部24bが設けられている。そして、
このハウジング24には、後述する圧電アクチュエータ
40を介在させてステータ26が隣設されている。
【0011】このステータ26は、パイロット弁60を
構成する第2バルブボディとしての大径部26aを有
し、また、この大径部26aの中央部から小径部26b
が軸方向に延在され、この小径部26bには、軸方向に
中央孔26cが形成されているとともに、その中間部に
径方向に小孔26dが貫通して形成されている。また、
前記大径部26aには、前記中央孔26cの開口端を囲
んで弁座26eが環状に形成され、さらにその外周に支
持面26fが弁座26eと同じ高さで形成されている。
【0012】前記ステータ26の小径部26bの外周に
は、リターンスプリング27、カラー28、アシストリ
ング29、可変バルブ30、バルブボディ(第1バルブ
ボディ)31、チェック弁32、カラー33が順に装着
され、最後にナット34を螺合させて締結されている。
そして、前記バルブボディ31には、ガイドチューブ3
5の先端部が圧入され、このガイドチューブ35の基端
部は、前記アウタチューブ3の開口部3cに固着された
ジョイント36に嵌合されている。なお、このジョイン
ト36の内周とガイドチューブ34の外周との間には、
オイルシール20bが設けられている。また、前記バル
ブボディ31は、前記ハウジングチューブ23の段部2
3aに係合されて、外筒4に近付く向きの軸方向移動は
規制される。また、前記ナット34には、中央孔26c
内に所定径以上の異物(コンタミなど)の進入を防止す
るフィルタ37が取り付けられている。また、図4はリ
ターンスプリング27の斜視図であり、図示のように弾
発力を発する脚部27aが4箇所に設けられている。
【0013】図1に戻り、前記ステータ26の弁座26
eならびに支持面26fに、板状のパイロット弁体38
が着座されている。図5は、パイロット弁体38の斜視
図であって、図示のように略C形状の溝38aを有して
おり、駆動部38bが環状の支持部38cに対して撓む
ように構成されている。
【0014】そして、図1に示すように、このパイロッ
ト弁体38とハウジング24との間に、板状の圧電アク
チュエータ40が介装されている。この圧電アクチュエ
ータ40は、図6(a)に示すように、薄板状の弾性板
40aと同様の薄板状の圧電セラミック板40bとを貼
り合わせて形成されたもので、図示のようにハーネス4
1により圧電セラミック板40bの厚さ方向に電圧をか
けると、圧電セラミック板40bは横効果駆動を行って
図中矢印A方向に変位して、圧電アクチュエータ40と
して、図において荷重と記載している矢印方向に荷重が
発生するように構成されている。そして、この荷重は、
同図(b)に示すように、電圧に対して略線形特性で発
生するものである。なお、図1に示すように、前記ハー
ネス41は、ハウジング24に形成された穴を通して外
部に延在され、この穴はグロメット42によりシールさ
れている。
【0015】前記ステータ26の中央孔26cには、有
底円筒形状のパイロットブッシュ43が嵌合され、この
パイロットブッシュ43とパイロット弁体38との間に
パイロット圧室50が形成されている。なお、前記パイ
ロットブッシュ43の底部にはオリフィス孔43aが穿
設されている。
【0016】以上説明した構成により、ハウジングチュ
ーブ23の内周に、リザーバ4aと連通された外室51
が形成され、ガイドチューブ35の内周に、伸側圧力室
3aに連通された内室52が形成され、また、可変バル
ブ30に背圧を与える背圧室53が形成されている。こ
の背圧室53は、ステータ26に形成された小孔26d
ならびにカラー28に形成された連通部28aを介して
前記パイロット圧室50に連通されている。なお、前記
背圧室53は、オイルシール20d、ならびにアシスト
リング29と可変バルブ30との密着により外室51
(リザーバ4a)とのシール性が保たれている。
【0017】上述した伸側機構21では、前記リザーバ
4aから伸側圧力室3aに向かう流路として、図2にお
いて点線の矢印で示すように、外室51からバルブボデ
ィ31の孔31aからコンスタントオリフィス31bを
通るか、あるいはチェック弁32を開弁して、内室52
から圧力室3aに至る流路R1を有している。この流路
R1は、抵抗が少なく大流量が得られる。一方、伸側圧
力室3aからリザーバ4aに向かう流路としては、同図
において実線で示すように、伸側圧力室3aから内室5
2を通りバルブボディ31のコンスタントオリフィス3
1bおよび孔31aを経て、可変バルブ30を開弁し、
外室51からリザーバ4aに至る流路R2と、中央孔2
6cからパイロット圧室50を経て、パイロット弁体3
8を開弁し、外室51を経てリザーバ4aに至る流路R
3とが形成されている。
【0018】前記伸側圧力室3aからリザーバ4aに向
かう流路R2ならびに流路R3における流路抵抗は、圧
電アクチュエータ40により変更可能に構成されてい
る。すなわち、圧電アクチュエータ40の非駆動時(非
通電時)は、図6(a)に示す荷重が発生しておらず、
したがって、パイロット弁体38は開弁可能となってい
る。よって、伸側圧力室3aの油圧がリザーバ4aの油
圧よりも高圧になったときに、パイロット弁体38が開
弁し、この場合、図2において流路R3の流れが形成さ
れるため、パイロット圧室50の油圧は低圧となり、こ
れに連通されてこれと同圧となっている背圧室53の油
圧も低圧となるため、可変バルブ30は容易に開弁する
ことができ、流路R2の流れが形成される。したがっ
て、これら流路R2,R3の流路抵抗は低くなる。
【0019】一方、圧電アクチュエータ40の駆動時
(通電時)には、圧電アクチュエータ40において図6
(a)において矢印で示す荷重が発生し、パイロット弁
体38を弁座26eに強く押し付ける。したがって、伸
側圧力室3aがリザーバ4aよりも高圧になって、パイ
ロット圧室50が高圧になっても、パイロット弁体38
が開弁することができず、よって、パイロット圧室50
と同圧の背圧室53も高圧となって、可変バルブ30は
閉弁し難くなり、流路R2,R3は流通抵抗が高くて流
量が殆ど生じない。なお、上述した、ステータ26の弁
座26e、パイロット弁体38、スプール39、圧電ア
クチュエータ40により、パイロット圧室50の内圧を
調整するパイロット弁60を構成するものである。
【0020】ちなみに、可変バルブ30が開閉した場
合、リターンスプリング27の付勢力により可変バルブ
30とアシストリング29の当接状態が保たれ、よっ
て、背圧室53のシール性は保たれる。
【0021】次に、実施の形態の減衰特性可変型緩衝器
SAの油の流れについて図7の概略図により説明する。
圧行程時には、容積が縮小される下部室1b内の油が流
出する流路としては、図において実線で示すように、圧
側ハードバルブ6を開弁してリザーバ4aに移動する流
路と、下部室1bから圧側圧力室3bを経て圧側機構2
2の可変バルブ30を開弁してリザーバ4aに移動する
流路とが存在する。そして、圧側機構22の圧電アクチ
ュエータ40を駆動させることなく可変バルブ30が開
弁可能な状態では、油は主として可変バルブ30を通る
流路で流出し、これにより下部室1bの油圧は高くなら
ず、低減衰特性(ソフト)となる。一方、圧電アクチュ
エータ40を駆動させた場合は、可変バルブ30は閉弁
状態に保たれるため、油は圧側ハードバルブ6を開弁す
る流路で流出し、高減衰特性(ハード)となる。
【0022】なお、この圧行程時には、容積が拡大され
る上部室1aには、リザーバ4a内の油が伸側機構21
のチェック弁32を開弁し、伸側圧力室3aを介して供
給される。
【0023】伸行程時には、容積が縮小される上部室1
a内の油が流出する流路としては、図において点線で示
すように、伸側ハードバルブ7を開弁して下部室1bに
移動する流路と、上部室1aから伸側圧力室3aを経て
伸側機構21の可変バルブ30を開弁してリザーバ4a
に移動する流路とが存在する。そして、伸側機構21の
圧電アクチュエータ40を駆動させることなく可変バル
ブ30が開弁可能な状態では、油は主として可変バルブ
30を通る流路で流出し、これにより上部室1aの油圧
は高くならず、低減衰特性(ソフト)となる。一方、圧
電アクチュエータ40を駆動させた場合は、可変バルブ
30は閉弁状態に保たれるため、油は伸側ハードバルブ
7を開弁する流路で流出し、高減衰特性(ハード)とな
る。
【0024】なお、この伸行程時には、容積が拡大され
る下部室1bには、リザーバ4a内の油が圧側機構22
のチェック弁32を開弁し、圧側圧力室3bを介して供
給される。
【0025】上述の低減衰特性および高減衰特性を示す
のが図8であって、本実施の形態では、伸側・圧側機構
21,22のそれぞれの圧電アクチュエータ40,40
をデューティ制御している。そして、デューティ比を1
00%とした場合の高減衰特性を図中Hardで、デュ
ーティ比を0%とした場合の低減衰特性を図中Soft
で示し、また、このHardとSoftの間の特性は、
デューティ比を100%から0%の範囲内で所定の比に
制御することにより任意に特性を変更可能に構成されて
いるもので、図においてそれぞれ10%,25%,50
%の数字を付した曲線は、デューティ比を各%としたと
きの減衰特性を示している。
【0026】以上説明したように、本実施の形態ではパ
イロット弁60のパイロット弁体38の開閉を圧電アク
チュエータ40により駆動させるように構成したため、
従来のソレノイドで駆動させる構造に比べて、両減衰特
性変更機構21,22を小型に構成することができ、緩
衝器の小型化・軽量化・低コスト化を図ることができる
という効果が得られ、これにより、車載性が向上すると
いう効果が得られるものであり、特に、本実施の形態で
は、圧電アクチュエータ40に単板型の圧電セラミック
板40bを用いたため、圧電アクチュエータ40の寸法
がパイロット弁体38の開閉変位方向に極めて薄く、装
置の小型化に極めて優れている。さらに、圧電セラミッ
ク板40bは、ソレノイドに比べて、高応答性を有して
いるから制御性に優れており、また、消費エネルギが少
なく、消費エネルギの低減を図ることができるという効
果が得られ、加えて、パイロット弁60において圧電ア
クチュエータ40の駆動時にパイロット圧室50の圧力
が開弁方向に作用する際に、小電力でこの閉弁状態を維
持することができ、確実に高減衰特性に保つことができ
るもので、これによっても制御性に優れているという効
果が得られる。
【0027】以上、発明の実施の形態について説明して
きたが、具体的な構成はこの発明の実施の形態に限られ
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
変更などがあっても本発明に含まれる。例えば、実施の
形態では、アウタチューブ3および外筒4を設けて、伸
側・圧側圧力室3a,3bおよびリザーバ4aを形成し
たものを示したが、リザーバはシリンダの外部に球状あ
るいは円筒形状などの部材を設けて構成してもよく、ま
た、その場合、リザーバとシリンダの上下室1a,1b
とを連通する流体流路は、シリンダおよびリザーバに対
して独立したチューブなどで形成することも可能であ
る。
【0028】
【発明の効果】 本発明では、伸側・圧側両減衰特性変
更機構のアクチュエータとして、単板型の圧電素子と弾
性板とを貼り合わせた圧電アクチュエータを用いた構成
としたため、アクチュエータの寸法が従来よりも非常に
小さくなり、両減衰特性変更機構を小型に構成すること
ができ、緩衝器の小型化・軽量化・低コスト化を図るこ
とができるという効果が得られ、これにより、車載性が
向上するという効果が得られる。さらに、圧電素子は、
ソレノイドに比べて高応答性で制御性に優れており、ま
た、消費エネルギも少ない。請求項2記載の発明では、
伸側・圧側両流体流路を、シリンダの外周にアウタチュ
ーブを設けて形成した伸側・圧側両圧力室により構成
し、また、リザーバをアウタチューブの外周に設けた外
筒により構成したため、緩衝器の全体構成をコンパクト
にでき、車載性に優れる。請求項3記載の発明では、本
発明の商品性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の要部である減衰特性変更機構を示
す断面図である。
【図2】同減衰特性変更部における流体の流れの説明図
である。
【図3】実施の形態の減衰特性可変型緩衝器の断面図で
ある。
【図4】実施の形態の要部の斜視図である。
【図5】実施の形態の要部の斜視図である。
【図6】実施の形態の要部の構成ならびに特性の説明図
である。
【図7】実施の形態の行程時の油の流れを示す概略図で
ある。
【図8】実施の形態の減衰特性図である。
【符号の説明】
SA 減衰特性可変型緩衝器 1 シリンダ 1a 上部室 1b 下部室 1c 連通孔 1d 連通孔 2 ピストン 3 アウタチューブ 3a 伸側圧力室 3b 圧側圧力室 3c 開口部 4 外筒 4a リザーバ 4c 開口部 5 ベース 6 圧側ハードバルブ(圧側減衰力発生手段) 7 伸側ハードバルブ(伸側減衰力発生手段) 8 ピストンロッド 9 ガイド部材 10 隔壁 20a,20b,20d オイルシール 21 伸側減衰特性変更機構 22 圧側減衰特性変更機構 23 ハウジングチューブ 23a 段部 24 ハウジング 24b 内環部 25 カバー 26 ステータ 26a 大径部(第2バルブボディ) 26b 小径部 26c 中央孔 26d 小孔 26e 弁座 26f 支持面 27 リターンスプリング 27a 脚部 28 カラー 28a 連通部 29 アシストリング 30 可変バルブ 31 バルブボディ(第1バルブボディ) 31a 孔 31b コンスタントオリフィス 32 チェック弁 33 カラー 34 ナット 35 ガイドチューブ 36 ジョイント 37 フィルタ 38 パイロット弁体(弁体) 38a 溝 38b 駆動部 38c 支持部 40 圧電アクチュエータ 40a 弾性板 40b 圧電セラミック板(圧電素子) 41 ハーネス 42 グロメット 43 パイロットブッシュ 43a オリフィス孔 50 パイロット圧室 51 外室 52 内室 53 背圧室 60 パイロット弁

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダがピストンにより上部室と下部
    室とに画成され、 前記シリンダの外部にリザーバが設けられているととも
    に、前記上部室とリザーバとを結ぶ伸側流体流路および
    下部室とリザーバとを結ぶ圧側流体流路が形成され、 各流体流路には、それぞれ流体流路を開閉可能な可変バ
    ルブを有して流体の流れを制御して減衰特性を変更する
    伸側減衰特性変更機構および圧側減衰特性変更機構が設
    けられ、 各減衰特性変更機構は、前記可変バルブの背面に形成さ
    れて内部圧が可変バルブの開弁の抵抗となる背圧室と、
    この背圧室に連通されて前記可変バルブを迂回する通路
    に設けられたパイロット弁の開閉に応じて内部圧を調整
    可能なパイロット圧室と、を有し、 前記パイロット弁は、弁座と、この弁座を開閉する弁体
    と、この弁体を駆動させるアクチュエータと、を有し、 このアクチュエータの駆動に基づいてパイロット弁を開
    弁不可能とした時は、前記流体流路においてリザーバへ
    向かう流通が生じるような圧力差が発生した時に、パイ
    ロット圧室の圧力上昇に伴って背圧室も圧力上昇し可変
    バルブの開弁抵抗が高くなって高減衰特性となり、一
    方、パイロット弁を開弁可能としたときには、前記流体
    流路においてリザーバへ向かう流通が生じるような圧力
    差が発生した時に、パイロット弁が開弁することでパイ
    ロット圧室が圧力上昇しないのに伴って背圧室も圧力上
    昇せず可変バルブの開弁抵抗が小さくなって低減衰特性
    となるよう構成された減衰特性可変型緩衝器において、 前記アクチュエータとして、板状に形成されて通電時に
    延在方向寸法を縮めるよう変形する圧電素子と、前記弁
    体の開弁時に弁体とともに撓み変形可能な弾性を有した
    弾性板とを貼り合わせ、前記圧電素子に通電した時に、
    圧電子側に撓むよう構成された圧電アクチュエータが用
    いられ、かつ、この圧電アクチュエータを、前記圧電素
    子が弁体側に位置するよう配設させて、通電時に弁体を
    弁座に押し付ける方向に荷重を発生させるよう構成した
    ことを特徴とする減衰特性可変型緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記シリンダの外周にアウタチューブが
    設けられているとともに、このアウタチューブの外周に
    外筒が設けられて外筒とアウタチューブとの間に前記リ
    ザーバが形成され、 前記シリンダとアウタチューブとの間の空間が、画成部
    材により上側の伸側圧力室と、下側の圧側圧力室とに画
    成され、 前記シリンダに、上部室と伸側圧力室とを連通させる連
    通口ならびに下部室と圧側圧力室とを連通させる連通口
    が形成されて、各圧力室が前記流体流路の一部を構成
    し、 前記ピストンには、上部室と下部室とを連通する通路が
    形成されているとともに、この通路の上部室から下部室
    に向かう流体の流通を制限して所定の高減衰力を発生さ
    せる伸側減衰力発生手段が設けられ、 前記シリンダの底部に設けられたベースには、下部室と
    リザーバとを連通させる通路が形成されているととも
    に、この通路の下部室からリザーバに向かう流体の流通
    を制限して所定の高減衰力を発生させる圧側減衰力発生
    手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の
    減衰特性可変型緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記減衰特性変更機構は、前記外筒の外
    面に固着されて構成部材を収容するハウジングと、前記
    圧電アクチュエータの押圧方向への移動を規制されてハ
    ウジングに支持された第1バルブボディと、この第1バ
    ルブボディに形成されてリザーバと一方の圧力室とを連
    通する通路に対してリザーバから一方の圧力室方向への
    み開弁するよう設けられたチェック弁と、前記第1バル
    ブボディに形成されてリザーバと一方の圧力室とを連通
    する通路に対して一方の圧力室からリザーバ方向へのみ
    開弁するよう設けられた可変バルブと、この可変バルブ
    の背面に背圧室を形成して開弁方向に移動可能に設けら
    れたリング部材と、このリング部材を閉弁方向に付勢す
    るリターンスプリングと、前記第1バルブボディと直列
    に配設され、かつ前記弁座が形成されて前記パイロット
    弁を構成する弁体を支持した第2バルブボディと、この
    第2バルブボディの弁座に着座された弁体に当接され
    て、前記第2バルブボディと前記ハウジングとによる挟
    持状態で支持された前記圧電アクチュエータと、を備え
    ていることを特徴とする請求項2記載の減衰特性可変型
    緩衝器。
JP18832797A 1997-07-14 1997-07-14 減衰特性可変型緩衝器 Pending JPH1130266A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011202786A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Showa Corp 油圧緩衝器の減衰力調整構造
KR101239914B1 (ko) 2011-01-18 2013-03-06 주식회사 만도 쇽업소버의 선회 감응밸브 조립체

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