JPH11298897A - 画像データ伝送方法および画像データ伝送装置 - Google Patents

画像データ伝送方法および画像データ伝送装置

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JPH11298897A
JPH11298897A JP10296598A JP10296598A JPH11298897A JP H11298897 A JPH11298897 A JP H11298897A JP 10296598 A JP10296598 A JP 10296598A JP 10296598 A JP10296598 A JP 10296598A JP H11298897 A JPH11298897 A JP H11298897A
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data
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JP10296598A
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Masami Ueda
雅巳 上田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】通信容量の低い伝送路を介して画像データを伝
送する場合でも画像データを効率良く伝送でき、しかも
表示の初期段階から一瞥するだけで画像の概要を把握で
き、そのうえ表示の初期段階から高画質の画像を表示す
ることができる画像データ伝送方法を提供する。 【解決手段】センター局では、画像データに二次元ウェ
ーブレット変換が施され、圧縮された成分データが作成
される。作成された成分データは、所定の周波数成分ご
とに分類され、低周波成分から順次伝送される。移動局
では、受信された成分データが順次蓄積された後画像デ
ータに復元された後、表示の初期段階から最終段階に至
るまで解像度がほぼ同一となるように、画像が順次表示
される。すなわち、最初はデータ量が少ないから小さい
サイズで画像が表示され、その後段階的にデータ量が増
加していくから、表示画像のサイズが拡大される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送装置から移動
体通信路等の伝送路を介して被伝送装置に画像データを
伝送するための方法、およびこの方法を実施するための
画像データ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像通信の分野においては、ユー
ザの多様なニーズに応えるべく、様々な画像通信形態が
検討され、実用化に向けての動きが活発化している。検
討されている画像通信形態としては、たとえば移動体通
信技術を利用したオンデマンドでの画像通信がある。具
体的には、携帯電話等の移動体通信機器にディスプレイ
を取り付け、ユーザの要求に応答して移動体通信機器に
画像データを送信し、ディスプレイにて画像を表示する
ようなものである。
【0003】一方、移動体通信のように、通信容量の低
い伝送路を介した通信を行う際には、画像データを効率
的に伝送する必要がある。また、オンデマンドでの画像
通信のようにユーザの要求に応答して画像を提供する場
合には、ユーザの待ち時間をあまり長くし過ぎないよう
にする必要がある。そこで、たとえば特開平7-7620号公
報に開示されている技術を採用することが考えられる。
この公開公報に開示されている技術では、二次元ウェー
ブレット変換を利用して画像データが複数の空間周波数
成分に分割され、各成分データに対して圧縮符号化が施
される。その結果、周波数成分に対応した送信符号が作
成される。そして、この作成された送信符号のうち低周
波成分に対応する送信符号から順に送信される。
【0004】画像データには圧縮符号化が施されている
から、送信符号量を少なくすることができる。したがっ
て、画像データを効率的に送信することができる。ま
た、低周波成分に対応する送信符号から順に送信される
から、受信側では、画像内容の変化のゆるやかな画像が
まず表示され、その後画像内容の変化が激しい画像が従
前に表示されている画像に付け加えられていく。すなわ
ち、最初に概要画像を表示するようにしているから、ユ
ーザの心理的な待ち時間の短縮化が図られる。
【0005】二次元ウェーブレット変換は、たとえば特
開平7-23228 号公報、OLIVIER RIOUL and MARTIN VETTE
RLI; "Wavelets and Signal Proccessing", IEEE SP MA
GAZINE, pp.14-38,OCTOBER 1991 、Stephane Mallat; "
Zero-Crossings of a Wavelet Transform", IEEE TRANS
ACTIONS ON INFORMATION THEORY, VOL.37,NO.4,pp.101
9-1033, JULY 1991 等に詳しく説明されている。
【0006】さらに、前記公開公報と同様に最初に概要
画像を表示するようにする技術としては、たとえば特開
平5−103214号公報に開示されている技術を挙げ
ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来技術では、最初に表示される概要画像は、解像度の粗
いものとなっている。これは、当該概要画像が原画像デ
ータの一部を元に作成されているのに、受信側では画像
を原画像と同じサイズで表示するようにしているためで
ある。
【0008】最初に解像度の粗い概要画像を表示するこ
とは、ユーザの心理的な待ち時間の短縮という観点から
は都合がよいものであるが、逆に、はっきりした画像が
表示されないことに対するいらだちなどの心理的な不快
感を助長させるという問題がある。そこで、本発明の目
的は、前述の技術的課題を解決し、通信容量の低い伝送
路を介して画像データを伝送する場合でも画像データを
効率良く伝送でき、しかも表示の初期段階から一瞥する
だけで画像の概要を把握でき、そのうえ表示の初期段階
から高画質の画像を表示することができる画像データ伝
送方法を提供することである。
【0009】また、本発明の他の目的は、前記方法を実
施するための画像データ伝送装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の発明は、所定の伝送路を介して原画像
に対応する画像データを伝送するための方法であって、
画像データに所定の直交変換符号化処理を施して画像デ
ータを複数の周波数成分に対応する成分データに分割変
換し、この成分データを所定の周波数成分に対応するグ
ループに分類し、この分類されたグループのうち低周波
成分に対応するグループからグループ単位で前記成分デ
ータを段階的に前記伝送路に送出し、前記伝送路を介し
て伝送されてきたグループに対応する成分データを累積
的に蓄積し、この蓄積が行われるたびに、蓄積結果に前
記直交変換符号化処理の反対の処理である直交変換復号
化処理を施して画像データを復元し、この復元された画
像データに対応する画像を、表示の初期段階から最終段
階に至るまで単位長当たりの解像度がほぼ一定になるよ
うに、表示画面に表示させることを特徴とする画像デー
タ伝送方法である。
【0011】また、請求項10記載の発明は、蓄積処理
および所定の直交変換符号化処理の反対の処理である直
交変換復号化処理を実行できるとともに、表示の初期段
階から最終段階に至るまで単位長当たりの解像度がほぼ
一定になるように画像を表示画面に表示させる機能を有
する被伝送装置に対して、原画像に対応する画像データ
を、所定の伝送路を介して伝送するための伝送装置であ
って、画像データに所定の直交変換符号化処理を施して
画像データを複数の周波数成分に対応する成分データに
分割変換するためのデータ変換手段と、このデータ変換
手段で作成された成分データを所定の周波数成分に対応
するグループに分類するための分類手段と、この分類手
段で分類された各グループのうち低周波成分に対応する
グループからグループ単位で前記成分データを段階的に
前記伝送路に送出するための送出手段とを含むことを特
徴とする画像データ伝送装置である。
【0012】また、請求項12記載の発明は、原画像に
対応する画像データに所定の直交変換符号化処理を施し
て作成され、かつ所定の周波数成分に応じたグループに
分類されている成分データであって、低周波成分に対応
するグループからグループ単位で段階的に所定の伝送路
に送出される成分データを受信して復元処理を実行する
ための被伝送装置であって、受信された成分データをグ
ループ単位で累積的に蓄積するための蓄積手段と、この
蓄積手段において蓄積が行われるたびに、蓄積結果に前
記直交変換符号化処理の反対の処理である直交変換復号
化処理を施して画像データを復元するためのデータ復元
手段と、このデータ復元手段で復元された画像データに
対応する画像を、表示の初期段階から最終段階に至るま
で単位長当たりの解像度がほぼ一定になるように、表示
画面に表示させるための表示制御手段とを含むことを特
徴とする画像データ伝送装置である。
【0013】本発明において、伝送装置から伝送路に送
出される成分データは、直交変換符号化処理によって画
像データが圧縮されたものである。そのため、たとえ伝
送路の通信容量が低くても、画像データを効率的に伝送
できる。本発明では、この成分データが複数の周波数成
分に対応するグループに分類され、低周波成分に対応す
るグループからグループ単位で段階的に伝送路に送出さ
れる。
【0014】一方、被伝送装置では、伝送されてきた成
分データがグループ単位で累積的に蓄積される。その結
果、最初に伝送される概要画像に対応する成分データに
対して画像の細部を明らかにする成分データが累積的に
付加され、データ量が累積的に増加する。したがって、
成分データを元に復元される画像データのデータ量も累
積的に増加する。
【0015】被伝送装置では、このデータ量が累積的に
増加する画像データに対応する画像が、表示の初期段階
から最終段階に至るまで単位長当たりの解像度がほぼ一
定に保たれるように、表示画面に表示される。その結
果、最初は小さなサイズで画像が表示され、その後段階
的にそのサイズが拡大されて表示される。このように、
本発明によれば、画像データ量が少ない表示の初期段階
には小さなサイズで画像が表示されるから、ユーザに
は、表示の初期段階から高画質の画像が映っているよう
に見える。しかも、サイズが小さいにせよ画像は表示さ
れるから、ユーザの心理的な待ち時間の短縮も図れる。
【0016】請求項2記載の発明は、前記直交変換符号
化処理は、二次元ウェーブレット変換であることを特徴
とする請求項1記載の画像データ伝送方法である。本発
明によれば、画像データを二次元ウェーブレット変換を
用いて圧縮しているから、圧縮後のデータ量が圧縮前の
データ量よりも多くなる階層符号化処理を用いる場合に
比べて圧縮率を高くすることができる。
【0017】請求項3記載の発明は、前記成分データへ
の分割変換に先立って、画像データに対して量子化処理
を施すことを特徴とする請求項2記載の画像データ伝送
方法である。本発明によれば、画像データを量子化して
いるから、伝送データ量をさらに少なくすることができ
る。
【0018】請求項4記載の発明は、任意のグループに
対応する画像データがすべて復元された後、当該画像デ
ータに対応する画像サイズに応じて表示画面のレイアウ
トを調整し、その後当該画像データに対応する画像を表
示画面に表示させることを特徴とする請求項1ないし3
のいずれかに記載の画像データ伝送方法である。画像デ
ータに対応する画像サイズとは、画像データ量に応じて
決定される表示画像のサイズのことである。すなわち、
画像は、表示の初期段階から最終段階に至るまで解像度
がほぼ一定に保たれるように表示されるから、画像デー
タ量に応じてそのサイズは自ずと決まってくる。
【0019】たとえば画像とともに文書(テキスト)を
同時に表示する場合、文書を最初から最終的な表示位置
に表示するのではなく、画像のサイズの変化とともに文
書の表示位置を変更する方が好ましい場合がある。例を
挙げると、表示すべき内容が複数画面にわたる場合であ
る。この場合、画像サイズが小さいときに文書の表示位
置をずらしておけば、次の画面に表示すべき内容を当該
画面に同時に表示することができ、ユーザに一度に多量
の情報を提供できる。
【0020】そこで、本発明のように、画像を表示させ
る前に、表示画面のレイアウトを調整できるようにして
おけば、前述のような構成を実現することができる。請
求項5記載の発明は、任意のグループに対応する画像デ
ータに対応する画像を表示するのに必要な準備が完了す
る前に、当該画像データに対応する画像サイズに応じて
表示画面のレイアウトを調整することを特徴とする請求
項1ないし3のいずれかに記載の画像データ伝送方法で
ある。
【0021】前記画像を表示するのに必要な準備は、た
とえば画像データの復元、および復元した画像データの
表示機構への転送を含む。本発明によれば、画像を表示
するのに必要な準備が完了する前に表示画面のレイアウ
トが調整されるから、準備が整えばすぐに画像を表示で
きる。請求項6記載の発明は、伝送されるデータ量また
は伝送時間に関する所定の判定条件が満足された場合
に、データの伝送を中止または中断することを特徴とす
る請求項1ないし5のいずれかに記載の画像データ伝送
方法である。
【0022】前記所定の判定条件は、伝送すべきデータ
が所定の最大画像サイズよりも大きなサイズで画像を表
示させるデータであること、伝送すべきデータが所定の
中止画像サイズよりも大きなサイズで画像を表示させる
データであること、および伝送開始から所定時間が経過
したこと、を含む。本発明によれば、所定の判定条件が
満足された場合には、自動的に、データの伝送が中止ま
たは中断される。したがって、無用なデータ伝送を排除
でき、データ伝送効率の向上が図れる。
【0023】なお、請求項7記載の発明のように、伝送
路の通信環境を調べ、この調べられた伝送路の通信環境
に応じて前記判定条件を変更するようにすれば、データ
伝送効率の一層の向上が図れる。前記伝送路の通信環境
は、たとえば伝送路の通信速度である。請求項8記載の
発明は、データの伝送の中止および再開を手動で指定す
ることができる場合に、任意のグループに対応するデー
タの伝送後データ伝送を一時中断し、この中断時に、デ
ータ伝送の中止または再開のいずれが指定されたかを判
別し、その結果、データ伝送の再開が指定されたと判別
された場合にのみ、次のグループに対応するデータの伝
送を開始することを特徴とする請求項1ないし5のいず
れかに記載の画像データ伝送方法である。
【0024】本発明によれば、ユーザが、任意のグルー
プに対応するデータに対応する画像が表示されたタイミ
ングにおいて、これ以上表示画像のサイズを大きくする
必要がないと判断し、中止を指定した場合には、次に伝
送すべきグループに対応するデータの伝送が中止され
る。したがって、ユーザにとって不要なデータ伝送が排
除されるから、データ伝送効率の向上が図れる。
【0025】請求項9記載の発明は、前記画像データ
は、複数の原画像に対応するものであることを特徴とす
る請求項1ないし8のいずれかに記載の画像データ伝送
方法である。本発明では、画像データは複数の原画像に
対応するものであるから、画像が表示されるとき、複数
の概要画像が小さなサイズでそれぞれ表示されることに
なる。すなわち、複数の原画像の概要が一覧として表示
される。したがって、すべての画像の概要をいち早く把
握することができる。
【0026】請求項11記載の発明は、蓄積処理および
所定の直交変換符号化処理の反対の処理である直交変換
復号化処理を実行できるとともに、表示の初期段階から
最終段階に至るまで単位長当たりの解像度がほぼ一定に
なるように画像を表示画面に表示させる機能を有する被
伝送装置に対して、原画像に対応する画像データを、所
定の伝送路を介して伝送するための伝送装置であって、
画像データに所定の直交変換符号化処理が施された結果
作成された成分データが、所定の周波数成分に対応する
グループに分類されて記憶されている記憶手段と、デー
タ伝送時に、前記記憶手段に記憶されている成分データ
を、低周波成分に対応するグループからグループ単位で
順次読み出し、この読み出された成分データを読出順序
に従って段階的に前記伝送路に送出するための送出手段
とを含むことを特徴とする画像データ伝送装置である。
【0027】本発明では、伝送路に送出される成分デー
タは、記憶手段に予め記憶されているデータである。し
たがって、データ伝送時において、直交変換符号化処理
による分割変換や周波数成分に対応するグループへの分
類などに必要な時間は不要となる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。 〈第1実施形態〉この第1実施形態は、主として、請求
項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項9、請求
項10および請求項12に記載の技術に対応している。
【0029】図1は、本発明の第1実施形態の画像デー
タ伝送システムの構成を示す機能ブロック図である。こ
の画像データ伝送システムは、センター局10から移動
局40に対して移動体通信路100を介して画像データ
をオンデマンドで伝送するためのシステムである。移動
局40は、ディスプレイ付携帯電話機、ディスプレイ付
PHS(Personal Handyphone System)、車載用ナビゲー
ション装置等に使用されるものを想定している。
【0030】移動局40には、キーボードまたはタッチ
パネルで構成された入力部50、要求信号送信部60、
表示制御部70、液晶表示素子、プラズマ表示素子また
はCRT等で構成された表示部80、および受信部90
が備えられている。要求信号送信部60は、ユーザが入
力部50を操作することによって発生した伝送要求信号
をセンター局10に対して送信するためのものである。
前記伝送要求信号には、所望の画像の種類等の情報が含
まれている。表示制御部70は、センター局1から伝送
された画像データを表示部80に与え、表示部80にて
当該画像データに対応する画像を表示させる。
【0031】センター局10には、要求信号受信部20
および送信部30が備えられている。要求信号受信部2
0は、前記移動局40の要求信号送信部60から送信さ
れる伝送要求信号を受信するためのものである。要求信
号受信部20は、伝送要求信号が受信されると、当該伝
送要求信号を送信部30の画像データ提供部31に転送
する。
【0032】画像データ提供部31は、前記伝送要求信
号が転送されてくると、当該伝送要求信号を解析し、ユ
ーザから指定された種類の画像に対応する画像データを
画像変換部32に与える。画像データは、たとえばCD-R
OM等のメモリに格納されていてもよく、また図外のカメ
ラで撮影されたリアルタイムの画像に対応するものであ
ってもよい。
【0033】画像変換部32は、与えられる画像データ
に対して二次元ウェーブレット変換を施すためのもので
ある。ここで、二次元ウェーブレット変換について図2
を参照して説明する。画像データLL0 は、図2(a) に示
すように、周波数平面上において、水平周波数成分fH
および垂直周波数成分fV の二次元的な広がりを有
するデータである。この二次元的な広がりを有する画像
データLL0 に二次元ウェーブレット変換を施すと、次の
ように低周波成分の画像データに再帰的に周波数成分分
割が実行される(特開平7-23228 号公報の図3および図
4など参照。)。
【0034】すなわち、画像データLL0 は、水平方向お
よび垂直方向にそれぞれ平均的情報を取り出すフィルタ
リング処理(hフィルタ)、差分的情報を取り出すフィ
ルタリング処理(gフィルタ)が施されることによっ
て、図2(b) に示すように、4つの周波数成分データLL
1 ,HL1 ,LH1 ,HH1 に分割される。次いで、図2(c)
に示すように、そのうち最も低い周波数成分データLL1
が同様に成分データLL2,HL2 ,LH2 ,HH2 に分割され
る。さらに、図2(d) に示すように、そのうち最も低い
周波数成分データLL2 が同様に周波数成分データLL3 ,
HL3 ,LH3 ,HH3に分割される。
【0035】なお、この二次元ウェーブレット変換にお
ける分割回数は、画像サイズによって決まる最大回数以
内で任意に設定可能である。このように、画像データLL
0 が複数の周波数成分に分割されることによって、各周
波数成分データは、画像データLL0 の水平周波数成分f
H および垂直周波数成分fV のそれぞれのデータ量
の数分の1のデータ量を有するようになる。しかも、周
波数分割を重ねるごとに、そのデータ量は少なくなる。
すなわち、データ量は、LL0,LL1,LL2,LL3 の順に少なく
なる。
【0036】図1に戻って、画像変換部32で作成され
た成分データは、量子化部33に与えられる。量子化部
33では、各周波数成分に対応する成分データに対して
量子化処理が施される。その結果、量子化データが作成
される。量子化処理は、任意の整数値で成分データを除
することにより達成される。また、より高度な手法とし
て、複数個のデータをベクトルとしてまとめて量子化す
るベクトル量子化を採用してもよい。このとき、特開平
5-276499号公報および特開平6-296275号公報等に開示さ
れている技術を採用してもよい。
【0037】成分データに対して量子化処理を施すと、
人間の目には目立たない微細な画像に対応するデータが
削減される。削減量は、量子化パラメータを調整するこ
とにより調整可能にされている。具体的には、任意の整
数値で成分データを除することにより量子化処理を達成
する場合には、整数値の値を変更することにより削減量
を調整できる。
【0038】なお、成分データに量子化処理を施す代わ
りに、成分データの中で人間の目には目立たない微細な
画像に対応するデータを除去するようにしてもよい。作
成された量子化データは、分割処理部34に与えられ
る。分割処理部34は、量子化部33からすべての量子
化データが与えられた後、当該量子化データを所定の順
序で符号化部35に与える。より具体的には、分割処理
部34は、量子化データを所定の周波数成分に対応する
グループに分類する。たとえば図2(d) において、量子
化データを「LL3 」グループG1、「HL3,LH3,HH3 」グ
ループG2、「HL2,LH2,HH2 」グループG3および「HL
1,LH1,HH1 」グループG4(以下グループG1,G2,
G3,G4をそれぞれ「第1グループG1」、「第2グ
ループG2」、「第3グループG3」および「第4グル
ープG4」という。)に分類する。そして、低周波成分
に対応する第1グループG1から第2グループG2、第
3グループG3および第4グループG4の順に、量子化
データを段階的に符号化部35に与える。
【0039】符号化部35では、量子化データに対して
グループごとに可変長符号化処理が施される。その結
果、グループにそれぞれ対応する送信符号が作成され
る。可変長符号化としては、たとえばゼロランレングス
符号化およびハフマン符号化を組み合わせた符号化が考
えられる。符号化部35で作成された送信符号は、ヘッ
ダ付加部36に与えられる。
【0040】ヘッダ付加部36では、各グループに対応
する送信符号に対してヘッダ情報が付加される。ヘッダ
情報には、原画像の画像サイズ、符号化方式、画像デー
タに二次元ウェーブレット変換を施した際の成分分割回
数、移動局40の識別情報および移動局40で送信符号
を復元するのに必要なデータが含まれる。ヘッダ情報が
付加された送信符号は、送信制御部37に与えられる。
【0041】送信制御部37では、与えられた送信符号
が所定規則に従ってグループ単位で段階的に移動体通信
路3に送出される。より具体的には、低周波成分に対応
するグループの送信符号が先に送出され、高周波成分に
対応するグループの送信符号ほど後から送出される。こ
のように、センター局1では、画像データに二次元ウェ
ーブレット変換を施すことによって画像データを圧縮し
ているから、送信データ量が少なくなる。そのため、移
動体通信路100の通信容量が低くても、画像データを
効率的に伝送することができる。
【0042】移動局40の受信部90には、受信処理部
91が備えられている。センター局1から移動体通信路
3に送出された送信符号が受信処理部91で受信される
と、当該受信符号はヘッダ解析部92に与えられる。ヘ
ッダ解析部92では、受信符号からヘッダが抽出され
る。ヘッダには、前述のように、画像サイズ、符号化方
式、画像データに二次元ウェーブレット変換を施した際
の成分分割回数等が含まれている。抽出されたヘッダお
よびヘッダ抽出後の受信符号は、復号化部93に与えら
れる。
【0043】復号化部93では、ヘッダに含まれている
符号化方式に基づいて、受信符号に可変長復号化処理が
施される。具体的には、受信符号に対して、前記センタ
ー局10の可変長符号化部33において採用された可変
長符号化処理とは逆の処理である復号化処理が施され
る。その結果、受信符号は量子化データに復元される。
復元された量子化データは、蓄積処理部94に与えられ
る。
【0044】蓄積処理部94は、第1〜第4グループG
1〜G4の量子化データが与えられるたびに、量子化デ
ータを累積的に蓄積する。具体的には、第1グループG
1の量子化データが与えられた後、第2グループG2の
量子化データが与えられると、第1グループG1の量子
化データに第2グループG2の量子化データが付加され
る。その結果、図2(c) の「LL2 」に対応する量子化デ
ータが得られる。同様に、第3グループG3の量子化デ
ータが与えられた場合には図2(b) の「LL1 」に対応す
る量子化データが得られ、第4グループG4の量子化デ
ータが与えられた場合には図2(a) の「LL0 」に対応す
る量子化データが得られる。
【0045】このように、蓄積処理部94では、第1〜
第4グループG1〜G4の量子化データが与えられるた
びに、「LL3 」、「LL2 」、「LL1 」および「LL0 」の
各周波数成分に対応する量子化データが順次得られる。
量子化データが順次与えられる画像逆変換部26では、
当該量子化データに対して二次元ウェーブレット逆変換
が順次施される。その結果、画像逆変換部26では、
「LL3 」,「LL2 」,「LL1 」,「LL0 」の各画像デー
タD3 ,D2,D1 ,D0 が順次復元される。復
元された各画像データD3 〜D0 は、表示制御部7
0に順次与えられる。
【0046】表示制御部70では、画像逆変換部26か
ら与えられる画像データD3 〜D0 に対応する画像
を表示部80に表示させる。さらに具体的には、表示制
御部70は、表示部80の表示画面における水平方向お
よび垂直方向の単位長当たりの解像度が表示の初期段階
から最終段階に至るまでほぼ一定に保たれるように画像
の縮小率を決定し、当該縮小率に応じて画像を表示させ
る。
【0047】当該縮小率は、ヘッダ情報に含まれる原画
像の画像サイズ、および二次元ウェーブレット変換を施
した際の成分分割回数に基づいて決定される。すなわ
ち、「LL3 」,「LL2 」,「LL1 」,「LL0 」の画像デ
ータ量は、この順に少なくなることは前述した。したが
って、原画像の画像サイズさえわかれば、単位長当たり
の水平解像度および垂直解像度をほぼ一定にするために
必要な縮小率がわかる。具体的には、「LL3 」,「LL2
」,「LL1 」,「LL0 」の画像データD3 ,D2
,D1 ,D0 に対応する画像サイズは、この順
に、原画像のサイズに近づいていく。
【0048】画像の表示の推移を概念的に示すと、図3
(a) 〜(d) に示すようになる。すなわち、最初は小さな
サイズの画像P1が表示され、その後段階的に拡大され
たサイズの画像P2,P3,P4が表示される。ところ
で、画像サイズを拡大するに当たって、表示部80の表
示画面に1つの画像のみを表示する場合には、特に表示
画面のレイアウトを考慮せずに、単に拡大していけばよ
い。
【0049】しかし、たとえばインターネットのWWW
(ワールドワイドウェブ)で用いられるハイパーテキス
トで実現される文書と複数の画像とを含むファイルを表
示する場合には、画像サイズに合わせて文書の表示位置
を変更する方が好ましい。なぜなら、たとえば図4(a)
に示すように、最小サイズの画像Q1,Q2,Q3,Q
4,Q5を表示している場合に、そのサイズに合わせて
文書T1,T2,T3の表示位置を画面上方にずらせ
ば、画面下方にスペースSが空く。この空いているスペ
ースSに次のファイルを表示するようにすれば、ユーザ
に多量の情報を一度に与えることができるからである。
【0050】そこで、表示制御部70は、画像を表示す
るのに先立って、表示部80の表示画面のレイアウトを
調整する。具体的には、「LL3 」の画像データD3 が
すべて与えられた後、表示画面のレイアウトを「LL3 」
の画像データD3 に対応する画像サイズに合わせて調
整する。その後、図4(a) に示すように、画像Q1〜Q
5および文書T1〜T2、ならびに次の頁のファイルを
表示画面に表示する。
【0051】同様に、「LL2 」,「LL1 」および「LL0
」の画像データD2 ,D1 ,D0 がすべて与え
られた後、表示画面のレイアウトを「LL2 」,「LL1 」
および「LL0 」の画像データD2 ,D1 ,D0 に
それぞれ対応する画像サイズに合わせて調整し、図4
(a) および図5(a) ,(b) に示すように、画像Q1〜Q
5および文書T1〜T2を表示画面に表示するととも
に、スペースSが空いていれば次の頁のファイルを表示
する。
【0052】以上のようにこの第1実施形態の画像デー
タ伝送システムによれば、受信側において単位長当たり
の解像度が表示のいずれの段階でもほぼ同一となるよう
に、表示画像のサイズを変更するようにしているから、
ユーザには、表示の初期段階から高解像度の精彩な画像
が表示されているように映る。したがって、表示の初期
段階に低解像度の画像を表示する場合に比べて、ユーザ
に心理的な不快感などを生じさせることがない。しか
も、表示の初期段階ではサイズが小さいにせよ画像が表
示され、そのうえ画像は高解像度であるから、どのよう
な画像が表示されているかを一瞥して認識できる。その
ため、ユーザの心理的な待ち時間の解消をも図れる。
【0053】また、複数の画像を1画面で表示させる場
合、すべての画像をサイズを拡大しながら同時に表示し
ているから、すべての画像の概要をいち早く把握するこ
とができる。さらに、圧縮符号化方式として二次元ウェ
ーブレット変換方式を採用しているから、階層符号化を
用いる場合に比べて送信符号量を少なくすることができ
る。すなわち、階層符号化が施された後の送信符号は原
画像データ量の約1.3倍程度に増加するのに対して、
二次元ウェーブレット変換方式であれば原画像データ量
とほぼ同一となる。
【0054】ただし、二次元ウェーブレット変換は、畳
み込み処理(フィルタリング処理)を伴うために、基本
的に、処理が複雑になりがちである。したがって、処理
の簡素化という点を重要視するのであれば、二次元ウェ
ーブレット変換の代わりに階層符号化を用いるようにし
てもよい(階層符号化については、たとえばテレビジョ
ン学会編 工学博士原島博監修 先端技術の手ほどきシ
リーズ「画像情報圧縮」 第9章「静止画像の符号化方
式」の欄の〔3〕の「階層符号化」の項参照)。
【0055】なお、二次元ウェーブレット変換を用いる
場合、ハール関数を基底関数として用いるときには、処
理が簡単になるものの復元画像にブロック歪みが生じる
ことが知られているが、本実施形態のように、画像サイ
ズを小さくしていれば、その影響が人間の目に及ぶこと
はほとんどない。 〈第2実施形態〉この第2実施形態は、主として、請求
項5記載の技術に対応している。
【0056】図6は、本発明の第2実施形態の画像デー
タ伝送システムにおける表示制御部70の処理につい
て、前記第1実施形態の画像データ伝送システムにおけ
る表示制御部70の処理と比較しながら説明するための
図である。前記第1実施形態では、表示制御部70は、
図6(a) に示すように、「LL3 」,「LL2 」,「LL1
」,「LL0 」のうちいずれかの画像データDn (n
=1〜4)がすべて与えられた後(t1) 、表示画面のレ
イアウトを当該画像データDnに対応する画像サイズに
応じて調整し(t1 〜t 2) 、その後当該画像データD
n に対応する画像を表示画面に表示させる。すなわ
ち、画像データDn がすべて与えられてから画像を表
示させるまでの間に、レイアウト調整という作業が必要
となり、画像はタイミングt2 ではじめて表示され
る。
【0057】これに対して、この第2実施形態では、表
示制御部70は、図6(b) に示すように、画像データD
n が与えられている最中に表示画面のレイアウトを、
当該画像データDn に対応する画像サイズに応じて画
像が拡大されるように、予め調整しておき(t3) 、画像
データDn がすべて与えられた後すぐに当該画像デー
タDn に対応するサイズの画像を表示画面に表示させ
る(t1) 。すなわち、レイアウト調整を前以って行うよ
うにしているから、画像データDn に対応する画像を
いち早く表示することができる。具体的には、(t2
−t1 )分の時間だけ速くなる。 この効果は、WW
Wで使用されるハイパーテキスト構造を有するファイル
を表示する場合において特に有効となる。すなわち、ハ
イパーテキスト構造を有するファイルのように、文書と
画像とが混在している場合には、表示画面のレイアウト
調整に比較的時間がかかるからである。
【0058】ただし、第2実施形態では、レイアウト調
整を前以ってすることによって、画像データDn+1
に対応する画像を一時的に画像データDn に対応する
サイズで表示することになる。すなわち、比較的少ない
画像データ量でサイズの大きな画像を表示することにな
るから、解像度が低下する。しかし、図3のように画像
サイズは1段階だけ拡大されるだけであるから、その程
度の解像度低下は画像の粗さが目につくほどではなく、
また解像度が低下している時間も非常に短いために、あ
まり問題にはならない。 〈第3実施形態〉この第3実施形態は、主として、請求
項6および請求項7記載の技術に対応している。
【0059】次に、本発明の第3実施形態の画像データ
伝送システムについて説明する。以下の説明では、図1
を再び参照する。前記第1および第2実施形態では、最
初に小さなサイズで画像を表示し、その後サイズを段階
的に拡大していき、最終的に、原画像と同じサイズで画
像を表示するようにしている。この第3実施形態では、
画像サイズを段階的に拡大している過程において、目的
に応じたサイズの画像を表示した時点でその後のサイズ
拡大を中止させることができる点に特徴がある。
【0060】実際に伝送される原画像には種々のサイズ
のものがあり、複数の画像を次々に伝送する場合には、
常に原画像と同じサイズの画像を表示する必要はないと
いう場合が多い。そのため、画像データの伝送を途中で
中止できれば、伝送効率の向上につながる。サイズ拡大
の中止の判定基準は、たとえば次のようなものが考えら
れる。 いずれの画像サイズで中止するかをセンター局10に
おいて予め定めておき、送信制御部37においてその中
止画像サイズに対応する送信符号を移動局40に送信し
た時点で送信を中止するようにする。 表示される最大画像サイズをセンター局10において
予め定めておき、送信制御部37においてその最大画像
サイズ以下のサイズに対応する送信符号を送信した時点
で送信を中止するようにする。 送信符号の伝送時間の上限値をセンター局10におい
て予め定めておき、送信制御部37において伝送時間が
指定された上限値を超えたと判断された場合に、送信符
号の送信を中止するようにする。
【0061】なお、中止画像サイズおよび最大画像サイ
ズを移動局40において予め定めておき、移動局40の
受信部90において中止画像サイズおよび最大画像サイ
ズ以下のサイズに対応する送信符号が受信された時点で
受信を中止するようにしてもよい。また、伝送時間の上
限値を移動局40において予め定めておき、移動局40
の受信部90において送信符号の受信開始から上限値を
超えた時点で受信を中止するようにしてもよい。
【0062】ところで、本発明は、センター局10と移
動局40との間の伝送路として移動体通信路100のよ
うな通信速度の遅い無線伝送路だけでなく、LANなど
の通信速度の速い有線伝送路を適用することができる。
たとえば図7に示すように、センター局10に対して、
通信速度が高速なインターネット網IN 、通信速度が
低速な電話回線網TN が接続され、さらに電話回線網
TN に通信速度が超低速な携帯電話回線網KTN
(無線伝送路なので破線で示している。)が接続される
場合がある。このような場合、前記において、伝送時
間の上限値を固定していれば、通信速度に応じて送信さ
れる時間が異なることになる。そのため、伝送路の通信
速度に応じて判定基準を変更できるようにする方が好ま
しい。
【0063】図8は、この構成を実現するための処理を
説明するためのフローチャートである。移動局40から
画像の送信要求があった場合(ステップA1のYE
S)、送信部30は、ダミーデータである旨をヘッダに
含むダミーデータを移動局40に向けて送信する(ステ
ップA2)。同時に、時間の計測を開始する(ステップ
A3)。一方、移動局40内の受信部90は、ヘッダ内
の情報を参照し、ダミーデータを受信したと判断する
と、ダミーデータをそのままセンター局10に返信す
る。センター局10の送信部30は、ダミーデータが返
信されてきたと判断すると(ステップA4のYES)、
時間の計測を終了する(ステップA5)。さらに、この
計測された時間に基づいて伝送路の通信速度を把握し、
この把握された通信速度に応じて前記伝送時間の上限値
を変更する(ステップA6)。 〈第4実施形態〉この第4実施形態は、主として、請求
項8記載の技術に対応している。
【0064】次に、本発明の第4実施形態の画像データ
伝送システムについて説明する。以下の説明では、図1
を再び参照する。前記第3実施形態では、画像データの
伝送を中止するための判定基準を予め定めている。しか
し、どの程度の精度の画像が必要であるかは、一般に、
受信側のユーザの判断によって決まる場合が多い。すな
わち、小さな画像サイズの画像を見て概要だけを把握す
れば十分であったり、特に関心のある画像であれば原画
像と同じサイズで画像を見たい場合がある。そこで、こ
の第4実施形態では、画像データの伝送中止をユーザが
各段階ごとに指定できるようにしている。
【0065】図9は、この第4実施形態の送信制御部3
7の処理について説明するためのフローチャートであ
る。送信制御部37は、画像データDn に対応する送
信符号を送信した後、送信符号の送信を一時停止する
(ステップB1,B2)。移動局40では、画像データ
Dn に対応する送信符号が受信されると、量子化デー
タが復元され、さらにこの量子化データから画像データ
が復元され、画像データDn に応じたサイズで画像が
表示部80に表示される。このとき、たとえば表示制御
部70は、表示部80に伝送を中止するか否かを問うメ
ッセージを表示させる。これに応答して、ユーザは、入
力部50を操作し、伝送中止または伝送再開を指示する
メッセージを伝送要求信号に含ませてセンター局10に
通知する。
【0066】送信制御部37は、送信符号の送信を一時
停止させた後、移動局40からの伝送要求信号が受信さ
れたか否かを判別する(ステップB3)。その結果、伝
送要求信号が受信されたと判別されると、当該要求信号
に含まれているメッセージが伝送中止または伝送再開の
いずれであるかを調べる(ステップB4)。その結果、
伝送中止であれば、送信符号の送信を中止する(ステッ
プB5)。一方、伝送再開であれば、次の画像データD
n−1 に対応する送信符号の送信を開始する(ステッ
プB6)。
【0067】なお、以上の説明では、伝送中止および伝
送再開のいずれかをユーザが指定するようにされている
が、たとえばユーザが指定するのは伝送中止だけであっ
てもよく、伝送再開を希望する場合には何らの操作もし
ないようにしてもよい。この場合、送信制御部37の処
理としては、送信符号の送信を一時停止させた後、所定
時間Δtが経過するまでに伝送中止を含む伝送要求信号
が送信されてこなければ、伝送再開を希望しているとみ
なすようにすればよい。この構成によれば、ユーザの作
業を簡単にできる。
【0068】以上のようにこの第4実施形態の画像デー
タ伝送システムによれば、ユーザとセンター局10とが
対話しながら必要サイズ以上のサイズの画像を伝送・表
示させないようにすることができるから、ユーザの希望
を満足させつつ伝送効率の向上を図ることができる。 〈第5実施形態〉この第5実施形態は、主として、請求
項11記載の技術に対応している。
【0069】図10は、本発明の第5実施形態の画像デ
ータ伝送システムにおけるセンター局10の構成を示す
ブロック図である。図10において、図1と同じ機能部
分については同一の参照符号を使用する。前記第1ない
し第4実施形態では、センター局10では、送信部30
において、伝送要求信号が受信されたことに応答して画
像データを二次元ウェーブレット変換を用いて圧縮し、
量子化し、さらにグループに分類した後符号化してい
る。
【0070】これに対して、この第5実施形態では、画
像データを圧縮および量子化し、さらに複数周波数成分
に対応するグループに分類し、各グループごとに符号化
を施した結果である送信符号を、EEPROMなどのメ
モリ200に予め記憶させている。そして、伝送要求信
号が受信された場合には、画像データ提供部31が伝送
要求信号を解析して必要な画像データに対応する送信符
号をメモリ200から読み出し、ヘッダ付加部36によ
ってこの読み出された送信符号にヘッダ情報が付加さ
れ、最終的に、送信制御部37から当該送信符号を送信
するようにしている。
【0071】この構成によれば、画像データの圧縮、量
子化、グループへの分類および符号化という処理が不要
になるから、移動局40からアクセスされた後迅速に画
像データを伝送することができる。そのため、ユーザの
待ち時間を一層短縮できる。 〈その他の実施形態〉本発明の実施形態の説明は以上の
とおりであるが、本発明は前述の実施形態に限定される
ものではない。たとえば前記実施形態では、オンデマン
ドによる画像通信を実現するためのシステムについて説
明しているが、本発明は、センター局10から一方的に
移動局40に画像を提供するようなシステムについても
適用することができる。
【0072】さらに、本発明が適用できる形態として
は、たとえばセンター局10側に設けられた画像データ
ベース内の通信販売用画像カタログなどの画像データの
一覧を移動局40側で表示させるような形態が考えられ
る。その他、本発明の範囲で種々の設計変更を施すこと
は可能である。
【0073】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、画像デー
タに直交変換符号化処理を施して画像データを圧縮して
いるから、たとえ伝送路が移動体通信路のように通信容
量が低い伝送路であったとしても、画像データを効率的
に伝送することができる。また、受信側において、表示
の初期段階から最終段階に至るまで単位長当たりの解像
度をほぼ一定に保つように画像を表示しているから、表
示の初期段階から高画質の画像を表示させることができ
る。したがって、ユーザに対して心理的な不快感を生じ
させることがない。しかも、画像の概要をはっきりと把
握することができるから、ユーザの心理的な待ち時間を
短縮できる。
【0074】特に、請求項2記載の発明によれば、画像
データを二次元ウェーブレット変換によって圧縮してい
るから、階層符号化処理を用いる場合に比べてデータ伝
送効率を一層向上できる。また、請求項3記載の発明に
よれば、画像データを量子化しているから、データ伝送
効率をさらに一層向上できる。
【0075】また、請求項4記載の発明によれば、画像
を表示させる前に表示画面のレイアウトを調整できるよ
うにしているから、画像とともに文書を同時に表示し、
かつ表示すべき内容が複数画面にわたる場合に、次の画
面に表示すべき内容をも同時に表示させることができ
る。そのため、ユーザに一度に多量の情報を提供でき
る。
【0076】また、請求項5記載の発明によれば、画像
を表示するのに必要な準備が完了する前に表示画面のレ
イアウトが調整されるから、準備が整えばすぐに画像を
表示できる。そのため、画像表示の効率化を図れる。ま
た、請求項6記載の発明によれば、データ伝送を自動的
に中止または中断できるから、無用なデータ伝送を排除
でき、データ伝送効率の一層の向上が図れる。
【0077】また、請求項7記載の構成によれば、伝送
路の通信環境に応じてデータ伝送の中止または中断のた
めの判定条件を変更しているから、データ伝送効率の一
層の向上が図れる。また、請求項8記載の発明によれ
ば、ユーザの好みに応じてデータ伝送を中止および再開
させることができるから、ユーザにとっては不要なデー
タ伝送を排除できる。そのため、データ伝送効率にさら
なる向上が図れる。
【0078】また、請求項9記載の発明によれば、複数
の原画像の概要を一覧として表示させることができるか
ら、すべての画像の概要をいち早く把握することができ
る。また、請求項11記載の発明によれば、伝送路に成
分データを送出させるときには、記憶手段から送出させ
るべき成分データを読み出すだけでよいから、受信側に
おいて、画像をいち早く表示させることができる。その
ため、ユーザの待ち時間を一層短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の画像データ伝送システ
ムの構成を示す機能ブロック図である。
【図2】二次元ウェーブレット変換を説明するための図
である。
【図3】画像の表示の推移を説明するための図である。
【図4】ハイパーテキスト構造を有するファイルの表示
の推移を説明するための図である。
【図5】同じく、ハイパーテキスト構造を有するファイ
ルの表示の推移を説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態の画像データ伝送システ
ムにおける表示制御について、第1実施形態を比較対象
にして説明するための図である。
【図7】本発明の他の実施形態の画像データ伝送システ
ムの構成について概略的に示す図である。
【図8】本発明の第3実施形態の画像データ伝送システ
ムにおけるデータ伝送中止のための判定基準の変更処理
について説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第4実施形態の画像データ伝送システ
ムにおけるデータ伝送について説明するためのフローチ
ャートである。
【図10】本発明の第5実施形態の画像データ伝送シス
テムにおけるセンター局の構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
10 センター局 20 要求信号受信部 30 送信部 32 画像変換部 33 量子化部 34 分割処理部 37 送信制御部 40 移動局 50 入力部 60 要求信号送信部 70 表示制御部 80 表示部 90 受信部 94 蓄積処理部 95 画像逆変換部 100 移動体通信路 200 メモリ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の伝送路を介して原画像に対応する画
    像データを伝送するための方法であって、 画像データに所定の直交変換符号化処理を施して画像デ
    ータを複数の周波数成分に対応する成分データに分割変
    換し、この成分データを所定の周波数成分に対応するグ
    ループに分類し、この分類されたグループのうち低周波
    成分に対応するグループからグループ単位で前記成分デ
    ータを段階的に前記伝送路に送出し、 前記伝送路を介して伝送されてきたグループに対応する
    成分データを累積的に蓄積し、この蓄積が行われるたび
    に、蓄積結果に前記直交変換符号化処理の反対の処理で
    ある直交変換復号化処理を施して画像データを復元し、
    この復元された画像データに対応する画像を、表示の初
    期段階から最終段階に至るまで単位長当たりの解像度が
    ほぼ一定になるように、表示画面に表示させることを特
    徴とする画像データ伝送方法。
  2. 【請求項2】前記直交変換符号化処理は、二次元ウェー
    ブレット変換であることを特徴とする請求項1記載の画
    像データ伝送方法。
  3. 【請求項3】前記成分データへの分割変換に先立って、
    画像データに対して量子化処理を施すことを特徴とする
    請求項2記載の画像データ伝送方法。
  4. 【請求項4】任意のグループに対応する画像データがす
    べて復元された後、当該画像データに対応する画像サイ
    ズに応じて表示画面のレイアウトを調整し、その後当該
    画像データに対応する画像を表示画面に表示させること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像
    データ伝送方法。
  5. 【請求項5】任意のグループに対応する画像データに対
    応する画像を表示するのに必要な準備が完了する前に、
    当該画像データに対応する画像サイズに応じて表示画面
    のレイアウトを調整することを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の画像データ伝送方法。
  6. 【請求項6】伝送されるデータ量または伝送時間に関す
    る所定の判定条件が満足された場合に、データの伝送を
    中止または中断することを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載の画像データ伝送方法。
  7. 【請求項7】前記伝送路の通信環境を調べ、 この調べられた伝送路の通信環境に応じて前記判定条件
    を変更することを特徴とする請求項6記載の画像データ
    伝送方法。
  8. 【請求項8】データの伝送の中止および再開を手動で指
    定することができる場合に、任意のグループに対応する
    データの伝送後データ伝送を一時中断し、この中断時
    に、データ伝送の中止または再開のいずれが指定された
    かを判別し、その結果、データ伝送の再開が指定された
    と判別された場合にのみ、次のグループに対応するデー
    タの伝送を開始することを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載の画像データ伝送方法。
  9. 【請求項9】前記画像データは、複数の原画像に対応す
    るものであることを特徴とする請求項1ないし8のいず
    れかに記載の画像データ伝送方法。
  10. 【請求項10】蓄積処理および所定の直交変換符号化処
    理の反対の処理である直交変換復号化処理を実行できる
    とともに、表示の初期段階から最終段階に至るまで単位
    長当たりの解像度がほぼ一定になるように画像を表示画
    面に表示させる機能を有する被伝送装置に対して、原画
    像に対応する画像データを、所定の伝送路を介して伝送
    するための伝送装置であって、 画像データに所定の直交変換符号化処理を施して画像デ
    ータを複数の周波数成分に対応する成分データに分割変
    換するためのデータ変換手段と、 このデータ変換手段で作成された成分データを所定の周
    波数成分に対応するグループに分類するための分類手段
    と、 この分類手段で分類された各グループのうち低周波成分
    に対応するグループからグループ単位で前記成分データ
    を段階的に前記伝送路に送出するための送出手段とを含
    むことを特徴とする画像データ伝送装置。
  11. 【請求項11】蓄積処理および所定の直交変換符号化処
    理の反対の処理である直交変換復号化処理を実行できる
    とともに、表示の初期段階から最終段階に至るまで単位
    長当たりの解像度がほぼ一定になるように画像を表示画
    面に表示させる機能を有する被伝送装置に対して、原画
    像に対応する画像データを、所定の伝送路を介して伝送
    するための伝送装置であって、 画像データに所定の直交変換符号化処理が施された結果
    作成された成分データが、所定の周波数成分に対応する
    グループに分類されて記憶されている記憶手段と、 データ伝送時に、前記記憶手段に記憶されている成分デ
    ータを、低周波成分に対応するグループからグループ単
    位で順次読み出し、この読み出された成分データを読出
    順序に従って段階的に前記伝送路に送出するための送出
    手段とを含むことを特徴とする画像データ伝送装置。
  12. 【請求項12】原画像に対応する画像データに所定の直
    交変換符号化処理を施して作成され、かつ所定の周波数
    成分に応じたグループに分類されている成分データであ
    って、低周波成分に対応するグループからグループ単位
    で段階的に所定の伝送路に送出される成分データを受信
    して復元処理を実行するための被伝送装置であって、 受信された成分データをグループ単位で累積的に蓄積す
    るための蓄積手段と、 この蓄積手段において蓄積が行われるたびに、蓄積結果
    に前記直交変換符号化処理の反対の処理である直交変換
    復号化処理を施して画像データを復元するためのデータ
    復元手段と、 このデータ復元手段で復元された画像データに対応する
    画像を、表示の初期段階から最終段階に至るまで単位長
    当たりの解像度がほぼ一定になるように、表示画面に表
    示させるための表示制御手段とを含むことを特徴とする
    画像データ伝送装置。
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