JPH11298786A - 電子的撮像装置 - Google Patents

電子的撮像装置

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JPH11298786A
JPH11298786A JP10099511A JP9951198A JPH11298786A JP H11298786 A JPH11298786 A JP H11298786A JP 10099511 A JP10099511 A JP 10099511A JP 9951198 A JP9951198 A JP 9951198A JP H11298786 A JPH11298786 A JP H11298786A
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focus
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photographing
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JP10099511A
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Takashi Suzuki
隆 鈴木
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】撮影者が所望する被写体の合焦位置を検出し、
確実かつ正確な合焦動作を行なわしめて撮影者の所望の
画像を表わす画像信号を取得し記録し得る電子的撮像装
置を提供する。 【解決手段】撮像素子により撮像し得る撮影範囲内の所
定の位置に設定される複数の焦点検出領域毎に合焦位置
を検出する焦点検出手段8と、この焦点検出手段8によ
り複数の焦点検出領域毎に検出された合焦位置情報に基
づいて撮影した複数の選択用画像を表わす電気信号を記
録する記録部5と、撮像素子により得られる画像信号を
画像として表示し得る画像表示手段7と、この画像表示
手段7に対して複数の選択用画像を表示するよう制御す
る表示制御手段6と、複数の選択用画像のうち記録媒体
に記録すべき所望の画像を表わす画像信号を選択する選
択操作手段12とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子的撮像装
置、詳しくは撮影光学系により結像された被写体像を撮
像素子を用いて画像を表わす電気信号に変換し記録する
電子的撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真フイルム等を用いて写真
撮影等を行なう一般的なカメラ等や、撮像素子等を用い
て電気的な信号の画像信号を取得し得る電子的撮像装置
等の写真撮影装置においては、自動焦点調節機構(以
下、AF機構という)等の各種の機構を備えて構成され
たものが一般的に実用化されている。
【0003】このような写真撮影装置等におけるAF機
構では、例えば撮影画面内に設定した所定の焦点検出領
域内において合焦位置を検出する合焦検出手段を設け、
この合焦検出手段による検出結果に基づいて撮影光学系
等を駆動制御し、これによって、所望の被写体像に対し
て焦点調節を行なわしめるようにしているものが一般的
である。
【0004】上記合焦検出手段によって合焦位置の検出
を行なわしめるための所定の焦点検出領域としては、通
常の場合、全撮影画面の略中心部の所定領域、即ち撮像
素子によって撮像し得る全撮影範囲のうち撮像素子の撮
像面上の略中心点を基準とする所定の範囲の領域が設定
されている。
【0005】しかし、写真撮影等を行なうに当っては、
撮影者の所望する被写体が必ずしも撮影画面の中心位置
にあるとは限らない。したがって、上述のように焦点検
出領域が撮影画面の略中心部に設定された写真撮影装置
等によって撮影を行なった場合には、撮影者の意図とは
異なる撮影画面内の被写体物に対して合焦動作がなされ
てしまうこともあり、撮影者が所望する被写体に対して
は合焦されない写真(画像)、いわゆるピンぼけ写真
(画像)となってしまうことがあるという問題点があ
る。
【0006】そこで、これを解決するための一手段とし
ては、例えば撮影者が自己の意志により手動によって焦
点調節を行なう、いわゆるマニュアルフォーカス方式を
使用するという手段がある。このマニュアルフォーカス
方式は、撮影者が自己の意志により手動によって撮影レ
ンズ等の撮影光学系のうち焦点調節を行なわしめるフォ
ーカスレンズ群を移動させ、これにより、撮影画面内に
おける所望の被写体に対する合焦位置(レンズ位置)を
決定するというものである。
【0007】これによれば、確実に撮影者の意図に即し
た合焦位置を決定することができるので、撮影者が所望
する被写体に合焦された写真(画像)を容易に得ること
ができるというものである。この手段は、例えば一眼レ
フレックス方式を採用したカメラ等においては、従来よ
り一般的に実用化されているものである。
【0008】また、上述の問題点を解決するための別の
手段としては、合焦検出手段によって合焦位置の検出を
行なわしめる所定の焦点検出領域を複数設け、撮影動作
に先立って行われるAF動作時において、撮影者が、複
数の焦点検出領域のうちから所望の焦点検出領域を任意
に選択し、この選択された焦点検出領域の合焦位置を検
出するように構成したものがある。
【0009】従来、一般的な撮像素子の全撮影範囲内に
複数の焦点検出領域を設定することは、極めて容易なこ
とである。このために、通常の電子的撮像装置等では、
焦点検出を行なうために撮像素子の撮像面上に複数の焦
点検出領域を設け、これを利用して、撮影素子等によっ
て得られる画像信号に基づいた合焦動作を行なうように
構成しているのが普通である。
【0010】さらに、撮影画面内に設定された複数の焦
点検出領域毎に得られる複数の合焦位置情報に基づい
て、自動的に適正焦点検出領域を選択するような制御を
行なうようにしたものが、例えば特開平4−15017
6号公報等によって提案されている。
【0011】この特開平4−150176号公報に開示
されている測距装置は、複数の合焦検出領域より得られ
る複数の距離情報を演算し、それぞれ対応する測距デー
タを算出して、これを出力するようにしたものである。
これによれば、撮影者の意図に適合した合焦位置情報を
自動選択することができるというものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したい
わゆるマニュアルフォーカス方式による手段は、撮影者
の所望する被写体に対して合焦させるための手段として
は、一番確実な方式と言うことはできるが、合焦動作を
実行するためにフォーカスレンズ群等を駆動する操作手
段や、並設され得るAF機構等との切換機構等が必要と
なる場合もあり、操作性が悪化してしまったり、撮影レ
ンズ系や装置自体が大型化してしまうという問題点があ
る。
【0013】また、撮影者が複数の焦点検出領域から所
望の焦点検出領域を任意に選択するようにする手段で
は、所望の焦点検出領域を選択及び決定指示のための操
作手段等を新たに配設する必要があり、写真撮影時にお
いて、撮影時に操作すべき操作部材に加えて、このよう
な選択手段を操作することは、操作性が煩雑となってし
まう。さらに、撮影範囲(構図)を変更する度に、即ち
異なる撮影動作を行なう都度、所望の合焦位置の選択及
び決定を行なう必要があるので、良好な操作性を得るこ
とがでできないという問題点がある。
【0014】そして、上記特開平4−150176号公
報によって開示されている手段は、通常の撮影を行なう
際には、適正な合焦位置を自動的に選択し得ることが期
待される。ところが、例えばマクロ撮影時等には、撮影
者が所望する被写体と、背景となる被写体物との間の距
離差が大きくなる傾向があるため、この場合において
は、撮影範囲の中心点と所望の被写体に対する合焦位置
とが大きく異なってしまうこととなる。したがって、上
記特開平4−150176号公報に開示されている手段
は、マクロ撮影時等の通常の撮影条件とは大きく異なる
撮影条件下においては、適切な手段とは言えないもので
ある。
【0015】さらに、上記特開平4−150176号公
報により開示されている手段を、被写体像を撮影する撮
影光学系とは異なる光学系からなるファインダ光学系を
有する電子的撮像装置等に適用した場合には、撮影光学
系とファインダ光学系との間に生じるパララックス(視
差)が存在するために、撮影者の所望する合焦位置より
も、さらにずれが生じてしまう可能性がある。
【0016】このような形態の電子的撮像装置、即ち撮
影光学系とファインダ光学系とが別体に構成された電子
的撮像装置であって、LCDモニタ等の画像表示装置を
有する装置を用いてマクロ撮影等を行なう場合には、パ
ララックスが発生することを考慮して、光学ファインダ
を使用せずにLCDモニタ等の画像表示装置をファイン
ダとして利用するのが通常である。そして、このような
LCDモニタ等によれば、表示画面上において合焦状態
の確認が容易であることもあり、いわゆるマニュアルフ
ォーカス方式を使用するようにしたものが、一般的であ
った。
【0017】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、撮影者が所望す
る被写体の合焦位置に対して確実かつ正確に合焦させ
た、撮影者の意図に即した所望の画像を表わす画像信号
を取得し記録することのできるAF機構を有する電子的
撮像装置を提供するにある。
【0018】また、被写体像を撮影する撮影光学系とは
異なる光学系からなるファインダ光学系を有する電子的
撮像装置等において、光学ファインダを使用して撮影を
行なう場合にも、確実かつ正確に所望の合焦位置に合焦
させた、所望の画像を表わす画像信号を容易に取得し得
るAF機構を有し、この取得した画像信号を記録するこ
とができる電子的撮像装置を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明による電子的撮像装置は、撮影光学系に
より結像された被写体像を撮像素子を用いて画像を表わ
す電気信号に変換し記録する電子的撮像装置において、
上記撮像素子により撮像し得る撮影範囲内の所定の位置
に設定される複数の焦点検出領域毎に合焦位置を検出す
る焦点検出手段と、この焦点検出手段によって上記複数
の焦点検出領域毎に検出された合焦位置情報に基づいて
撮影した複数の選択用画像を表わす電気信号を記録する
記憶手段と、上記撮像素子により得られる画像信号を画
像として表示し得る画像表示手段と、この画像表示手段
に対して上記複数の選択用画像を表示するよう制御する
表示制御手段と、上記複数の選択用画像のうち記録媒体
に記録すべき所望の画像を表わす画像信号を選択する選
択操作手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】また、第2の発明は、上記第1の発明によ
る電子的撮像装置において、上記表示制御手段は、上記
画像表示手段の表示画面上に上記複数の選択用画像の一
覧表示をなさしめるように上記画像表示手段を制御する
ことを特徴とする。
【0021】そして、第3の発明は、上記第1の発明に
よる電子的撮像装置において、上記表示制御手段は、上
記複数の選択用画像毎に検出された合焦位置情報の相対
差が所定の値以上となる合焦位置情報を有する選択用画
像のみを、上記画像表示手段の表示画面上に表示せしめ
るように上記画像表示手段を制御することを特徴とす
る。
【0022】第4の発明は、上記第1の発明による電子
的撮像装置において、上記複数の焦点検出領域は、上記
撮像素子の全撮影範囲に対する撮像面上の中心点と、上
記撮影光学系が最至近位置にある場合の光学ファインダ
による全視認範囲の中心点に対応する上記撮像素子の撮
像面上の点とを結ぶ線上に設定されていることを特徴と
する。
【0023】第5の発明は、上記第1の発明による電子
的撮像装置において、事前の撮影によって記録されてい
る上記複数の焦点検出領域毎に対応する第1の合焦位置
情報と、新たな撮影によって記録される複数の焦点検出
領域毎に対応する第2の合焦位置情報とを比較する手段
をさらに具備し、上記第1の合焦位置情報と上記第2の
合焦位置情報とを比較した結果、その相対差が所定の値
以下となる場合には、事前の撮影記録時に上記選択操作
手段によって選択された画像に対応する焦点検出領域を
表わす情報に基づいて、新たに撮影された複数の選択用
画像のうち記録媒体に記録する画像を選択し、これに対
応する画像信号を記録するように構成されてなることを
特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1は、本発明の一実施形態の電子
的撮像装置の構成を示すブロック構成図である。
【0025】本実施形態の電子的撮像装置1は、撮影光
学系である撮影レンズ系10と、この撮影レンズ系10
により結像される被写体像を電気的な信号に変換する、
例えばCCD等の撮像素子等及びこの撮像素子等によっ
て変換された画像信号(アナログ信号)をデジタル信号
に変換するA/D変換回路等を含む撮像部2と、この撮
像部2から出力される画像信号に対して所定の画像処理
等を施す画像処理部3と、デジタル信号化された画像を
表わす画像信号等の情報を一時的に記憶せしめるため
に、例えばDRAM等の記憶手段からなる画像データ
(画像信号)用のバッファメモリ4と、画像を表示する
画像表示手段である画像表示装置7と、バッファメモリ
4に記憶されたデジタル画像信号を画像表示装置7に表
示するのに最適な形態の信号に変換するD/A変換回路
等を含む表示制御手段である表示処理部6と、バッファ
メモリ4に記憶されているデジタル画像信号をメモリカ
ード等の記録媒体(図示せず)に記録し得る形態にデー
タ処理を施して記録媒体に記録する記録部5と、撮像素
子により撮像し得る撮影範囲内の所定の位置に設定され
る複数の焦点検出領域毎にそれぞれ合焦位置を検出し得
る焦点検出手段8と、撮影レンズ系10の一部であって
光軸方向に移動することで焦点調節を行なわしめるフォ
ーカスレンズ群を駆動させ得るフォーカスレンズ駆動手
段9と、本装置1に対して各種の入力信号を入力する複
数の入力スイッチ等の各構成部材(詳細は後述する)
と、本装置1の全体を制御する制御手段であるシステム
コントローラ11等によって構成されている。
【0026】上記画像表示装置7としては、図1に示す
ように、例えば本装置1に内蔵され一体的に形成される
液晶ディスプレイ(LCD)装置やプラズマディスプレ
イ装置等の表示装置等が使用される。また、これとは別
に、本装置1により取得した画像信号を出力し得る接続
端子を設け、この接続端子及び接続ケーブル等を介し
て、電気的に接続され得ると共に、本装置1とは別体に
形成された外部表示装置、例えばCRTモニタ・TV装
置等や大型のLCD装置・プラズマディスプレイ装置等
を用いても良い(図示せず)。
【0027】上記複数の入力スイッチとしては、後述す
る選択操作手段である画像選択手段12と、撮影を行な
うべき所望の被写体が所定の至近距離領域にある場合に
行なわれるマクロ撮影動作に最適な動作を実行し得る撮
影モードに切り換え得るマクロ切換手段13と、撮影動
作に先立って行なわれる自動露出(AE)機能や自動焦
点調節(AF)機能等を実行せしめるファースト(1s
t.)レリーズSW14と、撮影動作を実行せしめるレ
リーズ信号の発生を指示するセカンド(2nd.)レリ
ーズSW15等がある。
【0028】なお、この1st.レリーズSW14と2
nd.レリーズSW15とは、例えば二段スイッチから
なる単一のレリーズボタン等によって操作し得るように
形成されるのが通常であるが、これに限らず、例えばS
W14を動作させ得る操作ボタンと、SW15を動作さ
せ得る操作ボタンとを各別に独立させた形態で配設する
ようにしても良い。
【0029】また、画像選択手段12は、図2に示すよ
うにアップ(UP)キー・ダウン(DOWN)キー・決
定キー等によって構成されている。このUPキー及びD
OWNキーは、本装置1により取得された複数の画像を
表わす画像信号から所望の画像信号を選択するための選
択指示信号を発生させる操作スイッチであり、決定キー
は、UPキー及びDOWNキーによる選択指示を決定す
るための指示信号を発生させる操作スイッチである。
【0030】そして、上記記録部5は、記録媒体に記録
されている画像信号を各種の画像処理を施し得る形態の
信号となるようなデータ処理も行なう。したがって、記
録媒体に記録された画像を表わす画像信号は、記録部5
・表示処理部6等を介して画像表示装置7に画像を表示
することもできるようになっている。なお、図1におい
ては、画像信号を最終的に記録する記録媒体は、記録部
5に含まれているものとして、その図示を省略してい
る。
【0031】図3は、上記電子的撮像装置1における焦
点検出手段8のみを取り出して示すブロック構成図であ
る。また、図4は、この焦点検出手段8によって検出し
得る複数の合焦検出領域を概念的に示す図である。本電
子的撮像装置1においては、図4に示すように撮像素子
によって撮像し得る全撮影範囲を縦方向4×横方向4の
略16等分に分割することで16個の焦点検出領域であ
る焦点検出エリアn=1〜16を形成している。
【0032】つまり、これら16個の焦点検出領域n
(エリアn=1〜16)は、撮像素子によって得られた
画像信号に基づいて全撮影範囲内の所定の位置における
合焦位置情報の検出を行なわしめるために設けられた所
定の範囲をそれぞれ示すものであって、撮像素子の撮像
面上の所定の領域をマトリクス状に分割した形態で設定
がなされているものである。
【0033】図4に示す各焦点検出エリアn=1〜16
には、図3に示すようにそれぞれの焦点検出エリアnに
それぞれ対応した焦点検出手段17が設けられている。
この各エリアn用の焦点検出手段17は、各エリアn毎
に焦点検出動作を行なって、上記複数の焦点検出エリア
n=1〜16毎に対応する合焦位置情報をそれぞれ算出
する役目をしている。そして、これら各エリアn用の焦
点検出手段17には、各エリアn毎に算出された合焦位
置等の情報を一時的に記憶しておくためのメモリ部等を
有して形成されている。
【0034】そして、本装置1における焦点検出手段8
は、図3に示すように撮像部2により得られた撮像デー
タ、即ち画像を表わす電気信号(デジタル信号)から複
数の焦点検出領域に対応する信号を識別すると共に、同
信号をそれぞれ対応する各エリア用の焦点検出手段17
に出力する第1データ弁別手段16と、各エリア用の焦
点検出手段17によって算出された複数の焦点検出エリ
アn=1〜16に対応する各合焦位置情報等をまとめる
と共に、これをシステムコントローラ11に対して弁別
して出力し得る第2データ弁別手段18等によって構成
されている。
【0035】なお、上記第1・第2データ弁別手段16
・18は、操作者が画像選択手段12を操作することに
よって選択した画像信号に関する選択指令情報等を、シ
ステムコントローラ11を介して受け取り、この選択さ
れた画像信号に関する情報等を弁別して出力する制御が
なされるようにもなっている(詳細は後述する)。
【0036】次に、本実施形態の電子的撮像装置1の動
作モードが通常撮影モードに設定されている場合におけ
る撮影時の動作を、以下に説明する。
【0037】図5は、本装置1における撮影動作時の主
要な動作を説明するフローチャートである。本装置1に
よって撮影動作を行なう場合には、操作者は、まず主電
源スイッチ等(図示せず)を操作して、本装置1を電源
オン状態にする。これにより、本装置1に給電がなされ
ると、図5のステップS1において、本装置1は、初期
状態に設定され、次いでステップS2において、操作者
によって行なわれる操作スイッチ等による指令、即ちキ
ー入力の待機状態となる。
【0038】次のステップS3は、1st.レリーズS
W14の確認ステップである。ここで、操作者により1
st.レリーズSW14が操作されることによって、同
SW14からの指令信号が発生すると、これを検出して
次のステップS4の処理、即ち「1st.レリーズ処
理」のサブルーチン(図7において詳述する)に移行す
る。その後、同処理を終了すると、次のステップS5の
処理に進む。
【0039】ステップS5は、2nd.レリーズSW1
5の確認ステップである。ここで、操作者により2n
d.レリーズSW15が操作されることにより、同SW
15からの指令信号が発生したことが確認されると、次
のステップS6の処理、即ち「2nd.レリーズ処理」
のサブルーチン(図11において詳述する)に移行し、
同処理が終了すると、上述のステップS2の処理に戻
り、再度キー入力の待機状態となり、以降の処理が繰り
返される。
【0040】一方、ステップS7は、画像選択手段12
の確認ステップである。ここで、画像選択手段12から
の指令信号が確認された場合には、次のステップS8の
「画面選択処理」のサブルーチン(図13・図14にお
いて詳述する)に移行する。その後、同処理が終了する
と、上述のステップS2の処理に戻り、再度キー入力の
待機状態となり、以降の処理が繰り返される。
【0041】また、ステップS9は、マクロ切換手段1
3の確認ステップである。ここで、マクロ切換手段13
からの指令信号が確認された場合には、次のステップS
10の「マクロ切換処理」のサブルーチンに移行する。
その後、同処理が終了すると、上述のステップS2の処
理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0042】また、本実施形態の電子的撮像装置1にお
いては、1st.レリーズSW14と2nd.レリーズ
SW15とは、例えば二段スイッチからなる単一のレリ
ーズボタン等によって操作しうる形態としている。した
がって、この場合には、図5に示すように「1st.レ
リーズ処理」の実行後に、「2nd.レリーズ処理」が
実行されるようなシーケンスとなるが、これに限られる
ことはない。
【0043】即ち、例えばSW14を動作させ得る操作
ボタンと、SW15を動作させ得る操作ボタンとを各別
に独立させた形態で配設するようにした場合には、図6
に示すようにステップS2以降の処理において、1s
t.レリーズSW14・2nd.レリーズSW15・画
像選択手段12・マクロ切換手段13等からのキー入力
の待機状態とするシーケンスを構成すれば良い。なお、
図6に示すフローチャートにおいて、その他のシーケン
スについては、図5と同様である。
【0044】次に、本装置1において実行されるAF動
作について説明する。図7は、本装置1において実行さ
れる「1st.レリーズ処理」のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。また、図8は、図7の「AF処
理」のサブルーチンの詳細を示すフローチャートであ
る。また、図9は、AF動作時における撮影レンズ系1
0の動作を概念的に示す図である。
【0045】上述の図5のステップS3において、1s
t.レリーズSW14の信号が確認されると、次のステ
ップS4の「1st.レリーズ処理」のサブルーチンに
移行する。
【0046】この「1st.レリーズ処理」は、図7に
示すように、ステップS11に示す「AE処理」と、ス
テップS12の「AF処理」のサブルーチンが順次実行
するようになっていて、これらの各処理が実行された
後、図4のステップS5の処理に戻る。なお、図7に示
す「AE処理」については、本発明に直接関連しないも
のであるので、周知の手段によるものとして、その詳細
な説明は省略する。
【0047】まず、本装置1の「AF処理」における動
作の流れを簡単に説明する。上述したように本装置1に
おいては、1st.レリーズSW14からの指令信号を
受けて、AF動作が開始されるように制御されている。
即ち、システムコントローラ11は、1st.レリーズ
SW14からの指令信号を受けると、フォーカスレンズ
駆動手段9を制御し、同手段9により撮影レンズ系10
の一部を構成するフォーカスレンズ群を光軸に沿う方向
に移動させながら、撮像部2を制御して、予め設定され
ている複数の所定の位置(レンズ位置)における画像信
号の検出動作を行なう。
【0048】ここで行なわれる画像信号の検出動作の対
象となる複数の所定の位置として、本装置1において
は、図9に示すように撮影レンズ系10(のフォーカス
レンズ群)が光軸方向に移動し得る範囲内、即ち本レン
ズ系10により合焦し得る最至近側の位置(以下、至近
位置という)と無限遠側の位置(以下、無限位置とい
う)との間において五つの所定の位置(レンズ位置m=
1〜5)を設定している。
【0049】そして、焦点検出手段8は、これら五つの
レンズ位置m=1〜5においてそれぞれ検出された五つ
の画像信号に基づいて、五つの画像信号毎に複数の焦点
検出エリアn=1〜16にそれぞれ対応する合焦位置を
演算する。その演算結果は、後述する図10に示すよう
になる。
【0050】次いで、システムコントローラ11は、算
出された各焦点検出エリアn=1〜16に各対応する合
焦位置情報に基づいて、フォーカスレンズ駆動手段9を
介して撮影レンズ系10のフォーカスレンズ群を駆動制
御し、16枚分の選択用画像を撮像する。これによっ
て、合焦位置が異なる16枚の画像を表わす画像信号が
取得される。つまり、各焦点検出エリア毎に合焦した画
像が16枚分取得されることとなる。
【0051】ここで、本装置1における「AF処理」の
サブルーチンの詳細を図8のフローチャートを用いて、
さらに詳しく説明する。本装置1における「AF処理」
は、図8のサブルーチンに示すように、まずステップS
13において、レンズ位置m(図9参照)の初期設定を
行なって、次のステップS14の処理に進む。本装置1
においては、レンズ位置mの初期状態をm=1、つまり
無限位置に設定している。
【0052】ステップS14において、システムコント
ローラ11は、上述のようにフォーカスレンズ駆動手段
9を介して撮影レンズ系10(のフォーカスレンズ群)
を駆動制御し、これを所定のレンズ位置mに移動させ
る。このとき、撮像部2では、被写体像を含む無限位置
の被写体物に合焦した画像信号を取得する。この取得さ
れた画像信号は、図3に示すように焦点検出手段8(の
第1データ弁別手段16)に入力される。
【0053】次のステップS15〜S18は、焦点検出
手段8の第1データ弁別手段16に入力された画像信号
に基づいて焦点検出データを算出するステップである。
ここで行われる処理は、フォーカスレンズ群がレンズ位
置mにあるときに得られた画像信号における各焦点検出
エリア1〜16毎の焦点検出処理である。
【0054】まず、ステップS15において、焦点検出
データを取得すべき焦点検出エリアnの初期設定を行な
う。本装置1においては、焦点検出エリアnの初期位置
をn=1、即ち図4に示す[焦点検出エリア1]を初期
位置として設定している。
【0055】次のステップS16において、レンズ位置
mにおける焦点検出エリアnの焦点検出データを取得し
た後、次の焦点検出エリアnのデータを取得すべく、ス
テップS17において、焦点検出エリアn=n+1に設
定し、ステップS18において、焦点検出エリアnが1
6よりも大(n>16)であるか否かの確認をする。こ
こで、焦点検出エリアnが16以下(n≦16)である
と判断された場合には、ステップS16の処理に戻り、
以降の処理を繰り返す。
【0056】また、焦点検出エリアnが16よりも大
(n>16)であると判断された場合には、レンズ位置
mにおける各焦点検出エリア1〜16毎の焦点検出デー
タが全て取得されたものと判断して、次のステップS1
9の処理に進む。
【0057】ステップS19において、次のレンズ位置
mにおける画像信号を取得すべく、レンズ位置m=m+
1に設定し、次のステップS20において、レンズ位置
mが5よりも大(m>5)であるか否かの確認を行な
う。ここでレンズ位置が5以下(n≦5)であると判断
された場合には、ステップS14の処理に戻り、以降の
処理を繰り返す。一方、レンズ位置mが5よりも大とな
ったと判断された場合には、本サブルーチンを終了し
(リターン)、図5のステップS5の処理に移行する。
【0058】このようにして算出された各焦点検出エリ
アn=1〜16毎の焦点検出データと各レンズ位置との
関係は、図10に示すようなものとなる。図10は、横
軸にレンズ位置を、縦軸に焦点検出手段8により取得し
た焦点検出データ(コントラストデータ)を取って示す
関係図であって、所定の焦点検出エリアnにおけるいわ
ゆるコントラストカーブの一例を示している。
【0059】本装置1における焦点検出手段8によって
実行されるAF処理は、撮像部2により取得された各レ
ンズ位置mにおける画像信号の高周波成分(高コントラ
スト位置の出力成分)等をそれぞれ検出し、その結果
(コントラストカーブ)における最大値(ピーク値)を
検出することにより焦点位置を検出するようにした、い
わゆるコントラスト検出方式による焦点検出動作(処
理)が行なわれるようになっている。
【0060】そこで、各焦点検出エリア用の焦点検出手
段17は、各焦点検出エリアn=1〜16毎に取得した
図10に示すコントラストカーブに基づいて、各焦点検
出エリアnにおけるピーク値を示すレンズ位置mの情報
を焦点検出位置の情報、即ち合焦位置情報として、その
内部に有するメモリ等に記憶すると共に、一連のデータ
として第2データ弁別手段18へと出力する。
【0061】次に、2nd.レリーズSW15が操作さ
れると、図5のステップS6の処理、即ち図11の「2
nd.レリーズ処理」の処理が実行される。ここで、
「2nd.レリーズ処理」について、以下に説明する。
図11は、本装置1において実行される「2nd.レリ
ーズ処理」のサブルーチンの詳細を示すフローチャート
である。
【0062】この「2nd.レリーズ処理」は、各焦点
検出エリアn毎に取得した合焦位置情報に基づいてレン
ズ位置mを移動させて、複数の選択用画像を撮影するた
めの処理である。
【0063】ステップS21においては、まず焦点検出
エリアnの初期位置をn=1[焦点検出エリア1(図4
参照)]に設定する。次いで、ステップS22におい
て、システムコントローラ11は、焦点検出手段8の第
2データ弁別手段18を介して焦点検出手段17のメモ
リ部から焦点検出エリアnに対応する合焦位置情報(レ
ンズ位置の情報)等を読み出して、これに基づく合焦動
作を実行した後、撮影動作を行なって、その画像信号
を、ステップS23において、所定の画像処理を施した
後、バッファメモリ4に記憶する。
【0064】ここで行われる合焦動作は、システムコン
トローラ11がフォーカスレンズ駆動手段9介して撮影
レンズ系10のフォーカスレンズ群を駆動制御し、これ
を光軸方向に所定のレンズ位置m(読み出した情報に基
づく)となるように移動させる動作である。次いで行わ
れる撮影動作は、システムコントローラ11が、合焦動
作に連動させて撮像部2を制御し、一枚分の画像を表わ
す画像信号を取得する一連の動作である。
【0065】そして、このようにして取得された画像信
号に対して、各種の画像処理等が施され、その結果が本
装置1の画像データ用のバッファメモリ4に対して記憶
されることとなる。
【0066】その後、ステップS24において、次の焦
点検出エリアnの焦点位置情報に基づく撮影を行なうべ
く、焦点検出エリアn=n+1の設定を行なって、ステ
ップS25の処理に進む。
【0067】ステップS25では、焦点検出エリアnが
16よりも大(n>16)であるか否かの確認をする。
ここで、焦点検出エリアnが16以下(n≦16)であ
ると判断された場合には、ステップS22の処理に戻
り、以降の処理を繰り返す。
【0068】また、焦点検出エリアnが16よりも大
(n>16)であると判断された場合には、各焦点検出
エリア1〜16の焦点位置情報に基づく全ての(16枚
分)の撮影動作が行なわれたものと判断して、本サブル
ーチンを終了し(リターン)、図5のステップS2の処
理に戻る。
【0069】このようにして、各焦点検出エリアn=1
〜16の焦点位置情報に基づいて撮影された16枚分の
画像を表わす画像信号は、図12に示すように例えば階
層化された形態で画像データ用のバッファメモリ4に記
憶される。
【0070】図13・図14は、本装置1において実行
される「画面選択処理(図5参照)」のサブルーチンの
詳細を示すフローチャートである。この「画面選択処
理」は、画像選択手段12からの指令信号を確認するこ
とで、その処理が開始される。
【0071】なお、以下に説明する「画面選択処理」
は、説明の便宜上、本電子的撮像装置1による撮影動
作、即ち「1st.レリーズ処理」及び「2nd.レリ
ーズ処理」が、少なくとも2回以上実行されていること
を前提とし、その後に撮影動作が実行された際の処理と
している。
【0072】ここで、「画面選択処理」が実行される直
前になされた撮影動作を、例えば「今回の撮影動作」等
というものとし、さらに、この「今回の撮影動作」の直
前になされた撮影動作を、例えば「前回の撮影動作」等
と表現して区別する。
【0073】また、前回の撮影動作時に取得された各焦
点検出エリア1〜16に対応する合焦位置情報や、前回
の撮影動作時において選択された画像に関する情報(選
択画像が対応する焦点検出エリアの番号等の情報)等
が、既に焦点検出手段8のメモリ部又はバッファメモリ
4等に記憶されていることを前提とする。
【0074】ただし、このような前提にない状況、例え
ば本装置1を用いて撮影動作を行なうのが全く初めてで
ある場合や、供給電源の中断その他に起因する何らかの
理由によって、前回撮影時の各種情報が各メモリ等に存
在しない場合等も考えられる。このような場合におい
て、撮像動作が実行されたときには、ここで説明する
「画像選択処理」とは異なる別の処理がなされることと
なるが、これについての説明は省略する。
【0075】本装置1において実行される「画面選択処
理」は、まず、図13に示すステップS31において、
システムコントローラ11は、前回の撮影動作時に記録
した情報、即ち各焦点検出エリア1〜16に対応する各
合焦位置情報と、今回の撮影動作時において取得した各
焦点検出エリアに対応する合焦位置情報との比較を行な
う。ここで、比較する合焦位置情報は、上述したように
コントラストカーブのピーク値を示すレンズ位置の情報
である。
【0076】次のステップS32において、上述のステ
ップS31における比較の結果、互いに対応する同位置
の焦点検出エリアに対応する合焦位置情報(レンズ位
置)の相対差(距離差)が所定値以上となるエリアが全
く存在しない場合には、ステップS45の処理に進む。
【0077】つまり、この場合は、前回撮影の画像と今
回撮影の画像との合焦位置情報が、全撮影範囲内におい
てほとんど変化がない場合である。このような状況とな
るのは、例えば略同一の被写体物を略同一の構図によっ
て撮影した場合等である。したがって、このような状況
においては、撮影者の意図する被写体の撮影画面内にお
ける位置、即ち所望の焦点検出エリアは、前回と同一の
エリアであると推定することができる。
【0078】そこで、本装置1においては、上述のステ
ップS32の処理の結果、前回撮影時と今回撮影時の合
焦位置情報の相対差が、全撮影範囲にわたって(全焦点
検出エリアにおいて)所定値以下となる場合には、以下
に示すような処理がなされる。
【0079】即ち、前回撮影時に撮影者が選択し記録を
行なった際の画像に関する情報のうち焦点検出エリアの
番号(No.)(以下、前回の選択番号という)を、今
回の撮影時において記録媒体への記録を行なわしめるべ
き所望の画像を示す焦点検出エリアの番号(以下、今回
の選択番号という)であると推定し、この今回の選択番
号のエリアに対応する合焦位置情報に基づいて撮影され
た画像を信号を記録媒体に記録するように制御する。
【0080】この処理を、図13・図14に即してさら
に詳しく説明すると、まず図13のステップS45にお
いて、前回の撮影時に記録媒体に対して記録動作を行な
った画像信号に対応する情報、即ち前回の選択番号の情
報を、今回の選択番号として設定する。つまり、焦点検
出エリアn=選択番号に設定した後、図14のステップ
S51以降の記録処理に進む。
【0081】ステップS51において、今回の撮影動作
における「2nd.レリーズ処理」(図11参照)にお
いて撮影され、バッファメモリ4に記憶されている16
枚の画像信号のうち、上述のステップS45において設
定された選択番号の焦点検出エリアnに対応する合焦位
置情報に基づいて撮影され記憶された画像信号を記録部
5の記録媒体に記録する。
【0082】続いてステップS52において、今回の選
択番号の情報を、焦点検出手段8の第2データ弁別手段
18又はバッファメモリ4等に記憶させ、さらに次のス
テップS53において、今回の撮影時における各焦点検
出エリア1〜16に対応する全ての合焦位置情報を、焦
点検出手段8における各焦点検出エリア用の焦点検出手
段17のメモリ部等に記憶させた後、一連のシーケンス
を終了し(リターン)、上述の図5のステップS7の処
理に戻る。
【0083】一方、上述のステップS32において、上
述のステップS31における比較の結果、互いに対応す
る同位置の焦点検出エリアに対応する合焦位置情報の相
対差が所定値以上となるエリアが、一箇所でも確認され
た場合には、ステップS33の処理に進む。
【0084】つまり、この場合は、前回撮影の画像と今
回撮影の画像との合焦位置情報の少なくとも一部に変化
がみられた場合であり、このような状況となるのは、例
えば前回の撮影時における被写体(構図)と今回の撮影
時における被写体(構図)とが異なる場合や、略同一の
構図である場合において、動体を被写体としたときに、
撮影画面内における被写体位置が変化した場合等であ
る。したがって、このような状況においては、撮影者の
意図する所望の焦点検出エリアは、前回の撮影時とは異
なる領域となっているものと推定することができる。
【0085】そこで、本装置1においては、ステップS
33以降の処理において、今回の撮影時に撮像しバッフ
ァメモリ4に記憶されている16個の画像信号のうち、
操作者が所望する画像を選択し、この選択画像を記録媒
体に記録するような制御を実行する。
【0086】即ち、ステップS33において、まず今回
の撮影時における焦点検出エリア(1〜16)にそれぞ
れ対応する16個のフラグFLG(1〜16)の全てを
セット(「FLG=1」に設定)する。次いでステップ
S34において、今回撮影の焦点検出エリアn=1〜1
6のうち比較の基準とする焦点検出エリアn(以下、基
準エリアnという)のエリア番号を「n=1」に設定
し、さらにステップS35において、この基準エリアn
に対して比較をする側の焦点検出エリアna(以下、比
較対象エリアnaという)のエリア番号を「na=1」
に設定する。
【0087】そしてステップS36において、比較対象
エリアna及び基準エリアnの番号が一致するか(na
=n)否か(na≠n)の確認がなされる。このとき両
者が一致する(na=nである)場合には、比較対象エ
リアと基準エリアが同じであるので、ステップS40の
処理に進む。
【0088】上述のステップS36において、両者が一
致しない(na≠nである)と判断された場合には、次
のステップS37の処理に進み、このステップS37に
おいて、フラグFLGna=1であるか否かの判断がな
される。ここで、FLGna≠1である(FLGna=
0である)、即ちフラグFLGnaがクリアされている
と判断された場合には、ステップS40の処理に進む一
方、FLGna=1であると判断された場合には、次の
ステップS38の処理に進む。
【0089】なお、フラグFLGnaは、上述したよう
にステップS33において全てのフラグが「FLGna
=1」に設定されているので、最初の比較判断において
は、ステップS38の処理に進むこととなる。
【0090】次のステップS38においては、焦点検出
エリアnに対応する合焦位置情報と、焦点検出エリアn
aに対応する合焦位置情報との相対差が所定値以内であ
るか否かの確認を行なう。ここで、両者の相対差が所定
値よりも大である場合には、ステップS40の処理に進
む。
【0091】また、両者の相対差が所定値以内であると
確認された場合、即ち略同一の合焦位置情報を有する画
像信号となる場合には、次のステップS39の処理に進
み、このステップS39において、フラグFLGnaを
クリア(FLGna=0に設定)した後、次のステップ
S40の処理に進む。このように、フラグFLGna=
0に設定しておくことで、後述の表示処理を行なうか否
かを判断し得るようにしているのである。
【0092】つまり、ここで、比較対象エリアnaと基
準エリアnのそれぞれ対応する合焦位置情報の差が所定
値以内の場合には、両エリアに対応する合焦位置情報に
基づいて実行された撮影動作により取得された二つの画
像は、互いに略同様のものとなっているはずである。
【0093】したがって、撮影者が記録媒体に記録すべ
き画像を、バッファメモリ4に記憶されている今回の撮
影動作により取得された複数の画像信号の中から選択す
る場合において、これら複数の画像信号のうち略同一の
合焦位置情報に基づいて撮影された画像信号が複数存在
するときには、そのうちの一枚分の画像信号のみを画像
表示装置7へ出力し表示するようにすれば効率が良い。
【0094】そこで、本装置1においては、略同一の合
焦位置情報を有する画像信号が複数存在するときには、
比較対象エリアnaに基づく画像については、後述の処
理において実行される画像表示装置7への表示を行なわ
ないようにしている。
【0095】そして、ステップS40において、比較対
象エリアをna=na+1に設定(インクリメント)
し、次のステップS41において、同エリアnaが16
よりも大(na>16)であるか否かの確認をする。こ
こで、エリアnaが16以下(n≦16)であると判断
された場合には、ステップS36の処理に戻り、以降の
処理を繰り返す。
【0096】また、比較対象エリアnaが16よりも大
(na>16)であると判断された場合には、次のステ
ップS42の処理に進み、このステップS42におい
て、基準エリアをn=n+1に設定する。
【0097】そして、次のステップS43では、基準エ
リアnが16よりも大(n>16)であるか否かの確認
をする。ここで、同エリアnが16よりも大(n>1
6)であると判断された場合には、図14のステップS
46の処理に進む。
【0098】また、基準エリアnが16以下(n≦1
6)であると判断された場合には、ステップS44の処
理に進み、このステップS44において、FLGn=1
であるか否かの確認を行ない、FLGn=1であること
が確認されると、上述のステップS35の処理に戻り、
以降の処理を繰り返す。また、FLGn≠1である(F
LGn=0である)ことが確認されると、既に略同一の
合焦位置情報を有する画像信号が存在するものと判断さ
れるので、これを基準エリアnとして設定することな
く、上述のステップS42の処理に戻り、以降の処理を
繰り返す。
【0099】このように、上述のステップS31におけ
る比較の結果、上述のステップS32において、前回撮
影時の各焦点検出エリア1〜16にそれぞれ対応する合
焦位置情報と今回撮影時の各焦点検出エリア1〜16に
対応する合焦位置情報とに、所定値以上の相対差を有す
るエリアが存在する場合には、上述のステップS33〜
S44の処理を行なって、その結果、各焦点検出エリア
間における合焦位置情報の相対差が所定値以内である場
合は、略同一の合焦位置情報を有する画像信号であると
判断し、フラグFLGna=0を設定する。
【0100】さらに、図14に示すステップS46以降
の処理では、画像の選択及び記録動作が行なわれる。即
ち、ステップS46において、焦点検出エリアn=1に
設定した後、ステップS47において、焦点検出エリア
nに対応する合焦位置情報に基づいて撮影した画像信号
をバッファメモリ4から読み出し、この画像信号に基づ
く画像を画像表示装置7に表示する。
【0101】次にステップS48〜S50において、画
像選択手段12のキー入力信号の確認がなされる。まず
ステップS48では、画像選択手段12のうちUPキー
(図2参照)からのキー入力指令信号の確認を、ステッ
プS49では、画像選択手段12のうちのDOWNキー
(図2参照)からのキー入力指令信号の確認を、ステッ
プS50では、画像選択手段12のうちの決定キー(図
2参照)からのキー入力指令信号の確認を、それぞれ行
なっている。
【0102】ステップS48において、UPキーからの
信号が確認された場合には、ステップS57の処理に進
み、このステップS57において、焦点検出エリアnが
n+1に設定(インクリメント)される。これは、画像
表示装置7に表示すべき画像を変更する操作であって、
具体的には、現在表示中の画像(エリア番号nに対応す
る合焦位置情報に基づいて撮影した画像)の次の画像
(エリア番号n+1に対応する合焦位置情報に基づいて
撮影した画像)を表示すべき指令である。
【0103】次にステップS58において、焦点検出エ
リアがn>16であるか否かの確認を行なう。ここで、
焦点検出エリアn>16である場合には、ステップS6
0の処理に進み、このステップS60において、焦点検
出エリアn=1に設定した後、上述のステップS47の
処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0104】ここで、焦点検出エリアn>16である場
合とは、現在表示中の画像が焦点検出エリア16に対応
する合焦位置情報に基づいて撮影した画像である場合で
ある。本装置1においては、焦点検出エリアとして16
個のエリアを設定しているので、エリアn=17は存在
しない。そのために、エリアn=16の場合にUPキー
からの入力指令を受けると、エリアn=1に設定するよ
うにしている。
【0105】一方、上述のステップS58において、焦
点検出エリアn≦16である場合には、ステップS59
の処理に進み、このステップS59において、FLGn
=1であるか否かの確認を行なう。ここで、FLGn=
1である場合には、上述のステップS47の処理に戻
り、以降の処理を繰り返す。また、FLGn≠1である
場合には、ステップS57の処理に戻り、以降の処理を
繰り返す。
【0106】このステップS59における処理は、FL
Gn=1の状態を確認することにより、選択指示された
画像を表わす画像信号を画像表示装置7に出力するか否
かの確認の処理である。即ち、上述のステップS33〜
S44の処理によって、合焦位置情報の相対差が所定値
以内である画像信号のフラグはクリアされている(FL
Gn=0)。したがって、ステップS59における処理
は、これらフラグがクリアされている画像信号(FLG
=0のデータ)を排除して、フラグがセットされている
画像信号(FLG=1のデータ)のみを画像表示装置7
に出力するための処理である。
【0107】次に、ステップS49において、DOWN
キーからの信号が確認された場合には、ステップS55
の処理に進み、このステップS55において、焦点検出
エリアnがn−1に設定(デクリメント)される。これ
は、上述のUPキーと同様に画像表示装置7に表示すべ
き画像を変更する操作であって、具体的には、現在表示
中の画像(エリア番号nに対応する合焦位置情報に基づ
いて撮影した画像)の直前の画像(エリア番号n−1に
対応する合焦位置情報に基づいて撮影した画像)を表示
すべき指令である。
【0108】次にステップS56において、焦点検出エ
リアがn<16であるか否かの確認を行なう。ここで、
焦点検出エリアn<16である場合には、ステップS6
2の処理に進み、このステップS62において、焦点検
出エリアn=16に設定した後、上述のステップS47
の処理に戻り、以降の処理を繰り返す。
【0109】ここで、焦点検出エリアn<16である場
合とは、現在表示中の画像が焦点検出エリア1に対応す
る合焦位置情報に基づいて撮影した画像である場合であ
る。このときDOWNUPキーからの入力指令を受けて
も、これより前のエリアn=0は存在しないので、この
場合には、エリアn=16に設定するようにしている。
【0110】一方、上述のステップS56において、焦
点検出エリアn≧2である場合には、ステップS61の
処理に進み、このステップS61において、FLGn=
1であるか否かの確認を行なう。ここで、FLGn=1
である場合には、上述のステップS47の処理に戻り、
以降の処理を繰り返す。また、FLGn≠1である場合
には、ステップS55の処理に戻り、以降の処理を繰り
返す。
【0111】このステップS61における処理は、上述
のステップS59における処理と全く同様に、選択指示
された画像を表わす画像信号を画像表示装置7に出力す
るか否かの確認の処理であり、フラグがセットされてい
る画像信号(FLG=1のデータ)のみを画像表示装置
7へと出力するための処理である。
【0112】そして、ステップS50において、決定キ
ーからの信号が確認されると、その時点で画像表示装置
7の表示画面上に表示中の画像のデータを記録媒体に記
録すべく、上述したステップS51〜S53の記録処理
に進む。
【0113】ここで記録処理について、再度説明する
と、まずステップS51において、今回の撮影動作にお
いて撮影されバッファメモリ4に記憶されている16枚
分の画像信号のうち、上述のステップS50において決
定キーにより選択指示された画像(焦点検出エリアnに
対応する焦点位置情報に基づいて撮影された画像信号)
を記録部5の記録媒体に記録する。
【0114】続いてステップS52において、この時点
における焦点検出エリアnの情報(選択番号の情報)を
記憶し、次のステップS53において、今回撮影の各焦
点検出エリア1〜16に対応する全ての合焦位置情報を
記憶した後、一連のシーケンスを終了し(リターン)、
上述の図5のステップS7の処理に戻る。
【0115】このように、本装置1においては、前回撮
影の合焦位置情報と今回撮影の合焦位置情報とが略一致
した場合(ステップS45)には、ステップS33〜S
50・S55〜S62の処理、即ち各焦点検出エリア1
〜16に対応する合焦位置情報に基づいて撮影された複
数の画像信号から所望の画像信号を選択し指示するため
の一連の動作を経ることなく、前回の選択画像に対応す
る焦点検出エリアの選択番号と同一の焦点検出エリアを
自動的に選択し、これに対応する画像信号をバッファメ
モリ4から読み出して記録部5の記録媒体に記録する。
【0116】一方、前回撮影の合焦位置情報と今回撮影
の合焦位置情報とが一致しない場合には、操作者自身が
画像選択手段12(UPキー・DOWNキー・決定キ
ー)を操作することにより画像表示装置7に画像を表示
させながら所望の画像を表わす画像信号を選択指示し、
この選択した画像信号を記録媒体に記録する。
【0117】なお、本実施形態の電子的撮像装置1にお
いては、上述したように動作モードが通常撮影モードに
設定されている場合には、撮像素子により撮像し得る全
撮影範囲を、図4に示すようにマトリクス状に16分割
して、16個の焦点検出領域(焦点検出エリア1〜1
6)を形成するようにしている。
【0118】この焦点検出領域の分割数としては、これ
に限らず、例えば5×5・4×4・3×3等の分割とし
ても良い。また、全撮影範囲をマトリクス状に分割する
手段によらず、例えば全撮影範囲内のうちの所定の範囲
(略中央部近傍の領域等)を設定し、この範囲内におい
て複数の領域に分割するようにしても良い。また、各領
域を等分に分割する必要はなく、必要に応じて各領域の
占める割合を異なるように所定の設定を行なうようにし
ても良い。
【0119】また、上述のステップS46以降における
画像の選択及び記録の処理では、バッファメモリ4に記
録されている複数の画像信号を画像表示装置7に表示す
る場合において、一画像毎に順次表示するようにしてい
るが、例えば画像表示装置7の表示画面上に全ての画像
をマトリクス状に並べて表示する、いわゆるマルチ表示
等の一覧表示の表示形態としても良い。
【0120】この場合には、まず、今回の撮影動作によ
ってバッファメモリ4に記憶されている16枚分の画像
信号を全て読み出して表示処理部6に出力する。この表
示処理部6においては、16枚分の全ての画像を画像表
示装置7の一画面内に並べて表示し得るように各画像信
号に対する縮小処理や、画像表示装置7に表示するのに
最適な形態とする画像処理、D/A変換処理等を施した
後、画像表示装置7へと出力する。これにより、画像表
示装置7の表示画面上には、16枚分の全ての画像が縦
4画像×横4画像のマトリクス状に並べて表示される。
【0121】そして、画像の選択処理は、UPキー・D
OWNキーによって行われるのは同様である。この場合
において、16枚の画像のうち選択中の画像を指し示す
ための指標、例えば選択中の画像に枠線を表示したり、
選択中の画像番号等を反転表示させる等の指標を表示さ
せ、この指標をUPキー・DOWNキーの操作によって
移動表示するようにする。これにより選択指示を行わし
めるようにすれば良い。
【0122】なお、このようなマルチ表示の形態を採る
場合において、全ての画像を一画面で表示させる形態の
ほかにも、16枚の画像のうち一部の画像、例えば縦2
×横2画像の4画像をマトリクス状に並べて表示するマ
ルチ表示画面を、4回表示するような形態としても良
い。
【0123】このように画像表示装置7の表示画面上に
マルチ表示の形態で画像を表示させ、これにより画像の
選択を行なうように構成した場合には、画像表示装置7
としては、本装置1とは別体に形成される大型のCRT
モニタ等の外部表示装置等を使用するのが望ましい。つ
まり、このような外部表示装置等を用いた場合には、一
つ一つの画像をより大きく表示することができるので、
各画像の合焦状態を確認し易いという利点があるためで
ある。
【0124】ところで、被写体像を撮影する撮影光学系
は異なる光学系によって形成されるファインダ光学系を
有してなる電子的撮像装置においては、通常の場合、撮
影光学系とファインダ光学系との間にパララックス(視
差)が生じる。これは、撮影光学系の光軸とファインダ
光学系の光軸とが一致しないことに起因するものであ
り、電子的撮像装置から被写体までの距離が至近となる
程、パララックスは、顕著なものとなる傾向にある。
【0125】また、撮影光学系とファインダ光学系とが
互いに異なる光学系によって構成される形態の電子的撮
像装置においては、ファインダ光学系よって視認し得る
観察画面内に、撮像素子によって撮像し得る全撮影範囲
や焦点検出領域等を示す指標が示されているのが普通で
ある。そして、撮影者は、このファインダ光学系に設け
られた指標に基づいて、所望の構図や合焦位置を決定
し、撮影動作を行なうようにされている。
【0126】このファインダ光学系の指標の位置として
は、通常の撮影を行なう場合に適した設定となっている
のが普通である。つまり、通常の撮影時において、ファ
インダ光学系による観察範囲の略中心点と、撮像素子に
より撮像し得る撮影範囲の略中心点とが、略一致するよ
うに設定されている。そして、合焦領域を示す指標等
は、全撮影範囲の略中心位置の近傍に設定されるのが一
般的となっている。
【0127】しかし、撮影光学系とファインダ光学系と
が異なる光学系によって構成される電子的撮像装置にお
いては、上述したようにパララックスが生じるために、
例えばマクロ撮影等のように、至近距離にある被写体を
撮影するような場合、つまりパララックスが大となるよ
うな撮影条件下においては、ファインダ光学系による観
察範囲の略中心点と、撮像素子によって撮像し得る撮影
範囲の略中心点との間には、多少のずれが生じることに
なる。
【0128】通常、マクロ撮影時においては、撮影者が
所望する被写体(合焦させようとする位置)と、背景と
なる被写体物との間の距離差が大きくなる傾向にある。
したがって、ファインダ光学系の観察範囲の略中心点に
設けられる焦点検出領域を用いて焦点検出動作を行なわ
しめるようにしたAF機構を有する電子的撮像装置の場
合には、撮影者が所望する被写体の位置に対して正確に
合焦させることができないことがある。
【0129】そこで、このような問題点を解決するため
に、本実施形態の電子的撮像装置1は、以下のように構
成されている。図15は、本電子的撮像装置1の外観を
簡単に示す正面図である。本実施形態の電子的撮像装置
1の前面側には、被写体像を光学的に結像せしめる撮影
レンズ系10と、被写体像を観察すると共に撮影範囲の
確認等を行なうファインダ光学系20と、撮影動作時に
おける補助光源となるストロボ装置の発光部21等が配
設されている。
【0130】図でも明らかなように、ファインダ光学系
20は、撮影レンズ系10とは異なる光学系によって形
成されており、それぞれの光軸を被写体側に向けて配置
されている。そして、両者は、略水平方向に並べて配置
されている。
【0131】また、同装置1の上面側には、撮影動作に
先立って行なわれるAE機能・AF機能等を実行せしめ
ると共に、撮影動作を実行せしめるレリーズ信号を発生
させるレリーズボタン22と、通常の撮影を行わしめる
通常撮影モードと撮影を行なうべき被写体が所定の至近
距離領域にある場合に行なうマクロ撮影に最適な動作を
実行し得るマクロ撮影モードとを切り換えるためのマク
ロ切換ボタン23等、本装置1を操作するための各種ス
イッチや動作モード等、本装置1の状態等を表示する表
示手段(図示せず)等が配設されている。
【0132】なお、上記レリーズボタン22は、操作す
ることにより上述の図1に示す1st.レリーズSW1
4及び2nd.レリーズSW15をオン状態にせしめる
ための操作部材となっている。また、上記マクロ切換ボ
タン23は、操作することにより上述の図1に示すマク
ロ切換手段13をオン状態にせしめるための操作部材と
なっている。
【0133】このように構成された電子的撮像装置1に
おけるファインダ光学系20によって、被写体を観察す
る場合、ファインダ光学系20により視認し得る観察範
囲と、撮影レンズ系10によってCCD等の撮像素子
(撮像デバイス)の撮像面上に結像される被写体像の結
像位置との関係は、図16・図17に示すようになる。
【0134】図16・図17は、本実施形態の電子的撮
像装置1のファインダ光学系20による被写体と、この
被写体が撮像素子の撮像面上において結像する結像位置
との関係を概念的に示す図である。なお、図17は、説
明の便宜上、撮像素子の撮像面を図16に示す矢印X方
向から観察した場合を示している。
【0135】ここで、本装置1におけるファインダ光学
系20の光軸と略一致する線上に位置し、本装置1から
の距離のみが異なる被写体A・B・C・Dを、ファイン
ダ光学系20によって観察した場合を考えるものとす
る。
【0136】まず、略無限遠(図16において距離1と
して示す)にある被写体Aをファインダ光学系20の略
中心位置で観察した場合、撮影レンズ系10によって結
像される被写体Aの結像位置は、撮像素子の撮像面の略
中央位置となる図16・図17の符号A1で示す位置と
なる。したがって、この場合には、ファインダ光学系2
0の撮影範囲内において焦点検出領域を示す指標は、フ
ァインダ光学系20の観察画面の略中央部に設定すれば
よい。これは、通常の撮影が行なわれる場合である。
【0137】次に、電子的撮像装置1から被写体までの
距離が比較的至近位置(図16の距離2・3・4で示
す)にある被写体B・C・Dをファインダ光学系20の
略中心位置で観察した場合、撮影レンズ系10により結
像される被写体B・C・Dのそれぞれの結像位置は、撮
像素子の撮像面上において図16・図17の符号B1・
C1・D1で示す位置に、それぞれ結像されることとな
る。これは、マクロ撮影が行われる場合である。なお、
ここでは、距離2をマクロ領域の最遠位置とし、距離4
をマクロ領域の最至近位置としている。
【0138】つまり、マクロ撮影時においては、電子的
撮像装置1から被写体B〜Dまでの距離が近くなる程、
撮像素子の撮像面上に結像される被写体像は、中心位置
から離間していく傾向が顕著となる。そして、この場合
において、撮像素子の撮像面上において被写体像が結像
する点の軌跡は、撮像素子による撮影範囲の略中心点と
最至近位置における撮影範囲の略中心点とを結ぶ線とな
る。
【0139】そこで、本実施形態の電子的撮像装置1で
は、所望の被写体までの距離が所定の距離以内にある場
合には、マクロ切換ボタン23を操作することにより、
マクロ切換手段13をオン状態として、電子的撮像装置
1の動作モードをマクロ撮影モードに移行させ、至近距
離にある被写体の撮影時により最適な撮影を行ない得る
ようにしている。
【0140】そして、このようにして動作モードをマク
ロ撮影モードに設定した場合においては、焦点検出を行
なうための焦点検出エリアを、図18に示すように設定
している。図18は、本装置1のマクロ撮影モード時に
おいて、撮像素子の撮像面上に設定される四つの焦点検
出領域(エリア)を概念的に示す図である。
【0141】図18に示すように、本装置1のマクロ撮
影モード時には、撮像素子の撮像面上の略中心部分の領
域に設定されるエリアn=1と、マクロ撮影領域の最遠
側の所定の位置から最至近側の所定の位置の間にある被
写体を、ファインダ光学系20の略中心位置にそれぞれ
おいて観察した場合において、被写体像が結像される撮
像面上の各領域部分に設定したn=2〜4との四つの焦
点検出エリアn=1〜4が設定されている。このよう
に、マクロ撮影モード時における焦点検出エリアは、撮
像素子の撮像面上の略中心点と、マクロ撮影領域の最至
近位置における撮影範囲の略中心点とを結ぶ線上に、並
べて配置されている。そして、この四つの焦点検出エリ
アnを利用して実際のAF動作が行われる。
【0142】この場合におけるAF動作は、上述の通常
撮影時における動作と基本的に同様のものであるが、こ
こでマクロ撮影時のAF動作について、以下に簡単に説
明する。まず、操作者がマクロ切換ボタン23を操作す
ると、本装置1の動作モードは、マクロ撮影モードに移
行する。この状態で、操作者がレリーズボタン22を操
作すると、システムコントローラ11は、1st.レリ
ーズSW14からの指令信号を受けて、フォーカスレン
ズ駆動手段9を介して撮影レンズ系10のフォーカスレ
ンズ群を光軸方向に移動させながら、予め設定されてい
る四つの所定のレンズ位置における画像信号の検出動作
が撮像部2によって行なわれる。このときの所定のレン
ズ位置mは、マクロ領域範囲内における所定の複数位置
である。そして、焦点検出手段8は、所定のレンズ位置
mにおいて検出された各画像信号に基づいて、四つの焦
点検出エリア1〜4毎にそれぞれ対応する合焦位置を演
算する(図8・図9・図10参照)。
【0143】次いで、システムコントローラ11は、2
nd.レリーズSW15からの指令を受けて、各焦点検
出エリアn毎に算出された合焦位置情報に基づいて、フ
ォーカスレンズ駆動手段9を介して撮影レンズ系10の
フォーカスレンズ群を駆動制御し、四つの選択用画像の
撮像動作を実行する。これにより、各焦点検出エリアn
に対応する合焦位置情報に基づく合焦位置の異なる四枚
の画像を表わす画像信号が取得される(図11参照)。
【0144】このようにして、各焦点検出エリアn=1
〜4の合焦位置情報に基づいて撮影された四枚分の画像
信号が、図19に示すように例えば階層化された形態で
画像データ用のバッファメモリ4に記憶される。
【0145】そして、図20・図21に示すようにマク
ロ撮影時における「画面選択処理」のサブルーチンが実
行される。なお、マクロ撮影時における「画面選択処
理」は、その基本的な動作の流れは、上述の通常の撮影
時における「画面選択処理」(図13・図14参照)
と、略同様のものである。つまり、マクロ撮影時におい
ては、上述したようにAF動作を行なうべき焦点検出エ
リアの設定をn=4とし、この四つの領域によって、画
像信号の焦点検出動作・撮影動作・画像の選択動作等を
行なうようにしている点が異なるのみである。したがっ
て、その詳細な説明は省略する。
【0146】なお、図20・図21においては、図13
・図14における各ステップ番号(S)に対して100
を加えたステップ番号によって各ステップを示すように
している。
【0147】以上説明したように上記一実施形態によれ
ば、撮影範囲内に設定した複数の焦点検出領域毎に検出
した合焦位置情報に基づいてそれぞれ撮影した複数の画
像を画像表示装置7の表示画面上に順次表示し、又は一
覧表示して、撮影者がこれらの画像を確認しながら画像
選択手段12を用いて所望の画像を選択指示するように
構成したので、撮影者の所望する位置に合焦された画像
を表わす画像信号を確実に記録することができる。
【0148】また、取得された複数の選択用画像を同時
に表示し得る一覧表示(マルチ表示)を行なうようにす
れば、複数の画像を同一画面上で同時に観察できるの
で、比較等が容易となり、よって所望の画像を選択指示
する際の判断も容易となる。したがって、操作性の向上
に寄与することができる。
【0149】そして、複数の焦点検出領域における合焦
位置情報を互いに比較して、合焦位置情報の相対差が少
ない(所定値以下である)場合には、実用上支障のない
程度の略同一の画像であると推定できることから、撮影
後に行なう画像の選択指示のには、合焦位置情報の相対
差が所定値以下となる選択用画像を重複して表示させな
いように制御することで、必要な画像のみを効率的に表
示し得ることができる。したがって、これにより画像の
選択を行なう際の無駄な操作等を廃し、画像の表示にか
かる時間等を節約することができると共に、より良好な
操作性を得ることができる。
【0150】一方、マクロ撮影モードに切り換えて撮影
動作を行なう場合には、マクロ撮影モードへの切り換え
に応じて、ファインダ光学系と撮影レンズ系との間に生
じるパララックスを想定した焦点検出領域を設定するよ
うに構成したので、パララックスを効率よく吸収して、
正確なAF動作を行なうことが容易となる。したがっ
て、マクロ撮影モード時における撮影を失敗することな
く確実に実行し得ると共に、所望の位置に合焦させた所
望の画像信号を容易に取得することができる。
【0151】さらに、前回撮影時の合焦位置情報や選択
画像に対応する焦点検出エリアの番号等の情報を記憶す
るようにし、次回の撮影動作時には、これを参照するよ
うにしたので、前回の撮影動作時における被写体(構
図)と略同様の構図によって撮影を行なうといった場合
には、撮影動作の一部の処理を省略するようにしたの
で、撮影者の手間を省いて操作性の向上に寄与すると共
に、撮影動作の処理時間を短縮化することができる。
【0152】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、撮影
者が所望する被写体の合焦位置に対して確実かつ正確に
合焦させた、撮影者の意図に即した所望の画像を表わす
画像信号を取得し記録し得るAF機構を有する電子的撮
像装置を提供することができる。
【0153】また、被写体像を撮影する撮影光学系とは
異なる光学系からなるファインダ光学系を有する電子的
撮像装置等において、光学ファインダを使用して撮影を
行なう場合にも、確実かつ正確に所望の合焦位置に合焦
させた、撮影者が所望する画像を表わす画像信号を容易
に取得し得るAF機構を有し、この取得した画像信号を
記録し得る電子的撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の電子的撮像装置の構成を
示すブロック構成図。
【図2】図1の電子的撮像装置における画像選択手段の
詳細を示すブロック構成図。
【図3】図1の電子的撮像装置における焦点検出手段の
みを取り出して示すブロック構成図。
【図4】図3の焦点検出手段によって検出し得る複数の
合焦検出領域を示す概念図。
【図5】図1の電子的撮像装置における撮影動作時の主
要な動作を示すフローチャート。
【図6】図1の電子的撮像装置における撮影動作時の主
要な動作の別の例を示すフローチャート。
【図7】図1の電子的撮像装置において実行される「1
st.レリーズ処理」のサブルーチンを示すフローチャ
ート。
【図8】図7の「AF処理」のサブルーチンの詳細を示
すフローチャート。
【図9】図1の電子的撮像装置において実行されるAF
動作時における撮影レンズ系の動作を示す概念図。
【図10】図1の電子的撮像装置における焦点検出手段
により取得された焦点検出データとレンズ位置との関係
を示す図であって、所定の焦点検出エリアにおけるコン
トラストカーブの一例を示す図。
【図11】図1の電子的撮像装置において実行される
「2nd.レリーズ処理」のサブルーチンを示すフロー
チャート。
【図12】図11の「2nd.レリーズ処理」によって
取得され、画像データ用のバッファメモリに記憶された
16枚分の画像信号を示す概念図。
【図13】図1の電子的撮像装置において実行される
「画面選択処理」のサブルーチンの詳細を示すフローチ
ャート。
【図14】図1の電子的撮像装置において実行される
「画面選択処理」のサブルーチンの詳細を示すフローチ
ャート。
【図15】図1の電子的撮像装置の外観を簡単に示す正
面図。
【図16】図1の電子的撮像装置のファインダ光学系に
よる被写体の観察位置と、この被写体の撮像素子の撮像
面上における結像位置との関係を示す概念図。
【図17】図1の電子的撮像装置のファインダ光学系に
よる被写体の観察位置と、この被写体の撮像素子の撮像
面上における結像位置との関係を示す概念図。
【図18】図1の電子的撮像装置におけるマクロ撮影モ
ード時に、撮像素子の撮像面上に設定される四つの焦点
検出エリアを示す概念図。
【図19】図1の電子的撮像装置がマクロ撮影モード時
にあるときに実行される「2nd.レリーズ処理」によ
って取得され、画像データ用のバッファメモリに記憶さ
れた4枚分の画像信号を示す概念図。
【図20】図1の電子的撮像装置がマクロ撮影モード時
にあるときに実行される「画面選択処理」のサブルーチ
ンの詳細を示すフローチャート。
【図21】図1の電子的撮像装置がマクロ撮影モード時
にあるときに実行される「画面選択処理」のサブルーチ
ンの詳細を示すフローチャート。
【符号の説明】
1……電子的撮像装置 2……撮像部(撮像素子・A/D変換回路等) 3……画像処理部 4……バッファメモリ(記憶手段) 5……記録部 6……表示処理部(表示制御手段) 7……画像表示装置(画像表示手段) 8……焦点検出手段 9……フォーカスレンズ駆動手段 10……撮影レンズ系(撮影光学系) 11……システムコントローラ(制御手段) 12……画像選択手段(選択操作手段) 13……マクロ切換手段 14……1st.レリーズSW 15……2nd.レリーズSW 16……第1データ弁別手段 17……各エリア用の焦点検出手段 18……第2データ弁別手段 20……ファインダ光学系 22……レリーズボタン 23……マクロ切換ボタン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影光学系により結像された被写体像
    を撮像素子を用いて画像を表わす電気信号に変換し記録
    する電子的撮像装置において、 上記撮像素子により撮像し得る撮影範囲内の所定の位置
    に設定される複数の焦点検出領域毎に合焦位置を検出す
    る焦点検出手段と、 この焦点検出手段によって上記複数の焦点検出領域毎に
    検出された合焦位置情報に基づいて撮影した複数の選択
    用画像を表わす電気信号を記録する記憶手段と、 上記撮像素子により得られる画像信号を画像として表示
    し得る画像表示手段と、 この画像表示手段に対して上記複数の選択用画像を表示
    するよう制御する表示制御手段と、 上記複数の選択用画像のうち記録媒体に記録すべき所望
    の画像を表わす画像信号を選択する選択操作手段と、 を具備したことを特徴とする電子的撮像装置。
  2. 【請求項2】 上記表示制御手段は、上記画像表示手
    段の表示画面上に上記複数の選択用画像の一覧表示をな
    さしめるように上記画像表示手段を制御することを特徴
    とする請求項1に記載の電子的撮像装置。
  3. 【請求項3】 上記表示制御手段は、上記複数の選択
    用画像毎に検出された合焦位置情報の相対差が所定の値
    以上となる合焦位置情報を有する選択用画像のみを、上
    記画像表示手段の表示画面上に表示せしめるように上記
    画像表示手段を制御することを特徴とする請求項1に記
    載の電子的撮像装置。
  4. 【請求項4】 上記複数の焦点検出領域は、上記撮像
    素子の全撮影範囲に対する撮像面上の中心点と、上記撮
    影光学系が最至近位置にある場合の光学ファインダによ
    る全視認範囲の中心点に対応する上記撮像素子の撮像面
    上の点とを結ぶ線上に設定されていることを特徴とする
    請求項1に記載の電子的撮像装置。
  5. 【請求項5】 事前の撮影によって記録されている上
    記複数の焦点検出領域毎に対応する第1の合焦位置情報
    と、新たな撮影によって記録される複数の焦点検出領域
    毎に対応する第2の合焦位置情報とを比較する手段をさ
    らに具備し、 上記第1の合焦位置情報と上記第2の合焦位置情報とを
    比較した結果、その相対差が所定の値以下となる場合に
    は、事前の撮影記録時に上記選択操作手段によって選択
    された画像に対応する焦点検出領域を表わす情報に基づ
    いて、新たに撮影された複数の選択用画像のうち記録媒
    体に記録する画像を選択し、これに対応する画像信号を
    記録するように構成されてなることを特徴とする請求項
    1に記載の電子的撮像装置。
JP10099511A 1998-04-10 1998-04-10 電子的撮像装置 Pending JPH11298786A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7196729B2 (en) * 2002-02-26 2007-03-27 Mega Chips Corporation AF evaluation value calculating device
JP2009089348A (ja) * 2007-09-11 2009-04-23 Ricoh Co Ltd 電子機器および撮像装置並びに再生装置
JP2011145924A (ja) * 2010-01-15 2011-07-28 Nec Access Technica Ltd 移動装置及び方法

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